JPH09310757A - 無段変速機の変速制御装置 - Google Patents

無段変速機の変速制御装置

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JPH09310757A
JPH09310757A JP12726696A JP12726696A JPH09310757A JP H09310757 A JPH09310757 A JP H09310757A JP 12726696 A JP12726696 A JP 12726696A JP 12726696 A JP12726696 A JP 12726696A JP H09310757 A JPH09310757 A JP H09310757A
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slip
variable transmission
speed
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裕 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低μ路に於けるキックダウン加速時の駆動輪
のスリップを迅速に抑制する。 【解決手段】 車速VSPとスロットル開度TVOに応
じて無段変速機100の目標変速比i*を演算する目標変
速比演算手段102と、この目標変速比i*に応じて無段
変速機100を制御する変速制御手段101と、アクセ
ルペダルの開度に基づいてキックダウンを検知するキッ
クダウン検知手段103と、駆動輪がロック側にスリッ
プしたことを検出するスリップ検出手段104と、キッ
クダウン中にスリップ検出手段103が駆動輪のロック
側へのスリップを検出したときに目標変速比i*を減少す
る第2変速比制御手段105とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、無段変速機の変速
制御装置に関し、特にマニュアルモードを備えた変速制
御装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両に用いられる無段変速機としては、
従来からベルト式やトロイダル式が知られており、これ
ら無段変速機の変速制御装置では、車速VSPとスロッ
トル開度TVO(またはアクセル開度)に応じて目標入
力回転数Ne*又は目標変速比i*を決定しており、例え
ば、特開平1−303356号公報に開示されるものが
ある。
【0003】これは、駆動輪の加速度が所定値以上にな
ると、無段変速機の目標入力回転数を低下させ、すなわ
ち、変速比をHi側へ変更して低μ路等での駆動輪のス
リップを抑制しようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な無段変速機では、積雪路等の低μ路を走行中にキック
ダウン加速を行う場合、無段変速機の入力軸回転数を上
昇させるためには、入力軸の慣性モーメントが負に作用
して駆動輪に負の加速度を発生させるため、駆動輪及び
駆動軸の速度は一旦減速し、駆動輪のスリップ率は、駆
動輪速が車体速=車速VSPより小さいロック側とな
る。そして、無段変速機の入力軸回転数の上昇がほぼ終
了すると、エンジントルクは無段変速機の変速比に応じ
て増幅されてから駆動輪へ伝達されるため、駆動輪の加
速度は負から正に転じ、駆動輪のスリップ率は駆動輪速
が車速VSPよりも大きい空転側となる。
【0005】しかしながら、上記のような無段変速機の
変速制御装置では、このような低μ路では、キックダウ
ン加速の初期には駆動輪速は車速を大幅に下回り、駆動
輪速に従ってダウンシフトするため、路面μが高い場合
よりもさらに変速比が大きいLow側への変速となり、
次に、駆動輪の加速度が大きくなって空転してからアッ
プシフトし、このときに入力軸回転数は減少するため、
無段変速機の慣性トルクは駆動輪を加速する方向に作用
して、駆動輪の空転を助長してしまい、駆動トルクが減
少して空転側の駆動輪のスリップが抑制されるまでに時
間を要し、低μ路では円滑なキックダウン加速ができな
い場合があった。
【0006】そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなさ
れたもので、低μ路におけるキックダウン加速時に駆動
輪のスリップを迅速に抑制可能な無段変速機の変速制御
装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図11に
示すように、少なくとも車速VSPとアクセルペダル開
度TVOに応じて無段変速機100の目標変速比iを演
算する目標変速比演算手段102と、この目標変速比i*
に応じて前記無段変速機100の変速比を制御する変速
制御手段101とを備えた無段変速機の変速制御装置に
おいて、前記アクセルペダルの開度に基づいてキックダ
ウンを検知するキックダウン検知手段103と、駆動輪
がロック側にスリップしたことを検出するスリップ検出
手段104と、前記キックダウン中にスリップ検出手段
103が駆動輪のロック側へのスリップを検出したとき
に前記目標変速比i*を減少する第2の速比制御手段10
5とを備える。
【0008】また、第2の発明は、図11に示すよう
に、前記第1の発明において、前記スリップ検出手段1
04は、駆動輪の速度Nwと従動輪の速度Noの差が所
定値aを超えたときにスリップを検出する。
【0009】また、第3の発明は、図11に示すよう
に、前記第1の発明において、前記スリップ検出手段1
04は、駆動輪の加速度αが所定の加速度b未満に減少
したときにスリップを検出する。
【0010】また、第4の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記第2変速比制御手段105は、前記目標変速
比i*をアップシフト側の所定の変速比に固定する。
【0011】また、第5の発明は、前記第4の発明にお
いて、前記所定の変速比は、駆動輪のスリップが検出さ
れたときの実際の変速比に設定される。
【0012】また、第6の発明は、前記第1の発明にお
いて、前記第2変速比制御手段105は、前記目標変速
比i*を設定可能な最小変速比HiRATIOへアップシ
フトする。
【0013】
【作用】したがって第1の発明は、通常走行中には少な
くとも車速VSPとアクセルペダル開度に応じて無段変
速機の目標変速比(又は目標入力回転数)に応じて無段
変速機の変速比が制御されるが、運転者がアクセルペダ
ルを踏み込んでキックダウンを開始すると、アクセルペ
ダル開度に応じてダウンシフトを行う。このキックダウ
ン中に駆動輪がロック側にスリップすると、目標変速比
は減少してアップシフトとなり、実際の入力回転数の上
昇が早期に抑制されるため、低μ路においてキックダウ
ン加速を行った場合には、無段変速機の入力軸の慣性モ
ーメントにより一旦駆動輪が減速されてロック側へスリ
ップした後、上昇した入力回転数に応じて空転側へスリ
ップしようとするが、早期に目標変速比をアップシフト
しているため、駆動輪の空転を迅速に抑制して低μ路で
のキックダウン加速を円滑に行うことができる。
【0014】また、第2の発明は、前記スリップの検出
を駆動輪の速度Nwと従動輪の速度Noの差が所定値a
を超えたときにロック側へのスリップを検出するため、
迅速かつ容易にスリップ状態の検出を行うことができ
る。
【0015】また、第3の発明は、図11に示すよう
に、前記第1の発明において、前記スリップ検出手段
は、前記スリップの検出を、駆動輪の加速度αが所定の
加速度b未満に減少したときにスリップを検出するよう
にしたため、従動輪を持たない車両でも低μ路における
キックダウン加速を円滑に行うことができる。
【0016】また、第4の発明は、前記第2目標変速比
制御手段は、前記目標変速比i*をアップシフト側の所定
の変速比に固定するため、キックダウン中の変速比を固
定する簡易な制御によって迅速に駆動輪の空転を抑制し
ながら加速に必要な駆動トルクを得ることができる。
【0017】また、第5の発明は、前記第2目標変速比
制御手段は、前記目標変速比i*を駆動輪のスリップが検
出されたときの実際の変速比に固定するため、路面μ等
に応じた目標変速比によって加速に必要な駆動トルクを
得ながら、迅速に駆動輪の空転を抑制することができ
る。
【0018】また、第6の発明は、前記第2目標変速比
制御手段は、前記目標変速比i*を設定可能な最小変速比
HiRATIOへアップシフトするため、駆動輪への伝
達トルクを抑制して、駆動輪の空転を迅速に抑制するこ
とができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0020】図1は、無段変速装置1を2つのパワーロ
ーラ18、20の傾転角に応じて変速比を連続的に変更
するトロイダル型の無段変速機10で構成した一例を示
し、無段変速装置1は、変速制御コントローラ2からの
指令に応じてこの無段変速機10の変速比iを制御する
油圧制御装置4を備える。
【0021】無段変速機10は、エンジンとトルクコン
バータ12との間に前後進切換装置40を介装するとと
もに、油圧ポンプ84から油圧を供給された油圧制御装
置4によって変速比iの変更などを行うものである。な
お、トルクコンバータ12は発進要素として配設された
もので、所定の速度以上では図示しないロックアップ
(LU)クラッチが作動して、エンジンと無段変速機1
0の入力軸は直結される。
【0022】無段変速装置1の油圧制御装置4は、マイ
クロコンピュータを主体に構成された変速制御コントロ
ーラ2に駆動されるステップモータ61を備え、ステッ
プモータ61の駆動量に応じて無段変速機10の変速比
i、すなわち、入力軸回転数Neが変更される。
【0023】変速制御コントローラ2は、エンジン制御
コントローラ3から入力されたエンジン回転数Ne及び
スロットル開度TVO(又はアクセルペダル開度)と、
シフトレバー5のセレクタスイッチ5Aからのセレクタ
位置と、無段変速機10に配設された入力軸回転センサ
6及び出力軸回転センサ7からの入力軸回転数Nin及び
出力軸回転数Nout(=車速VSP)をそれぞれ読み込
んで、車両の運転状態、例えば、車速VSPとスロット
ル開度TVOに応じた目標入力回転数Ne*(=目標変速
比i*、以下同様)を演算する。なお、トルクコンバータ
12のロックアップ状態、すなわち通常走行中では、入
力軸回転センサ6からの入力軸回転数Ninはエンジン回
転数Neに等しくなるため、以下、実際の入力軸回転数
を入力回転数Neとし、入力軸回転数の目標値を目標入
力回転数Ne*とし、目標変速比i*は目標入力回転数Ne*
と出力軸回転数Noutの比で表される。
【0024】さらに、変速制御コントローラ2には、図
示しない従動輪回転センサ、駆動輪回転センサから従動
輪速Nwと駆動輪速Noを読み込んで、従動輪速Nwを
車速VSPとして演算する。
【0025】そして、変速制御コントローラ2は、演算
した目標入力回転数Ne*に基づいて油圧制御装置4のス
テップモータ61を駆動して、トロイダル型無段変速機
10のパワーローラ18、20の傾転角が目標変速比に
一致するように制御するものである。
【0026】ここで、変速制御コントローラ2は、図2
に示すように、演算処理を行うCPU50を主体とし
て、変速マップ等を格納する記憶手段としてのRAM5
1、ROM52を有し、さらにエンジン制御コントロー
ラ3からのスロットル開度TVOを読み込むA/Dコン
バータ53、同じくエンジン制御コントローラ3からの
エンジン回転数Ne、無段変速機10の入出力軸の回転
数Nin、Noutを入力するカウンタ54、従動輪速回転
センサ、駆動輪速回転センサからの従動輪速Nw、駆動
輪速No及びシフトレバー5のセレクタスイッチの信号
を読み込むデジタルI/O55、そして、油圧制御装置
4のステップモータ61を駆動するデジタルI/O56
から構成される。
【0027】次に、変速制御コントローラ2で行われる
制御の一例を図3〜図5のフローチャートに示し、これ
らフローチャートを参照しながら詳述する。なお、各フ
ローチャートは所定時間毎、例えば10msec毎にそれぞ
れ実行されるものであり、図3は変速制御のメインルー
チンを、図4は目標入力回転数Ne*を検索するサブルー
チンを、図5はスリップ時の目標入力回転数Ne*を設定
するサブルーチンを、それぞれ示す。
【0028】図3のステップS1では、上記各種センサ
よりデータを読み込んで車両の運転状態を検出するもの
で、エンジン回転数Ne、スロットル開度TVOをエン
ジン制御コントローラ3から読み込むとともに、無段変
速装置1から入力軸回転数Nin=実入力回転数Ne、出
力軸回転数Noutを読み込み、さらに、駆動輪速No、
従動輪速Nwを読み込む。
【0029】そして、ステップS2では、従動輪速Nw
と駆動輪速Noの差から次式により駆動輪のスリップ率
slを演算する。
【0030】sl=(Nw−No)/Nw このスリップ率slは、正のときにロック側へのスリッ
プを示し、負のときには空転側へのスリップを示す。
【0031】次に、ステップS3では、スロットル開度
TVO(アクセルペダル開度)ないし図示しないキック
ダウンスイッチからの信号に基づいてキックダウン中で
あるか否かを判定し、キックダウン中であればステップ
S4へ進む一方、キックダウンしていなければ、ステッ
プS9へ進んでフラグFcをリセットした後、ステップ
S6へ進んで目標入力回転数Ne*の検索、設定を行う。
【0032】ステップS4では、フラグFcがセット状
態であるか、すなわち、キックダウン制御中であるか否
かを判定し、フラグFcが既にセットされている場合に
は、そのままステップS10へ進んで、現在の目標入力
回転数Ne*をこのまま維持する一方、フラグFcがセッ
トされていないキックダウンの開始直後では、ステップ
S5の処理へ進む。
【0033】ステップS5では、上記ステップS2で求
めたスリップ率slと所定値aとを比較して、スリップ
率slが所定値aよりも大きいロック側へのスリップ状
態を検出する。そして、このスリップ率slが所定値a
を超えるロック側へのスリップであれば、ステップS
7、S8へ進んでキックダウン制御を開始する一方、そ
うでない場合には、ステップS6へ進んで通常の変速制
御を行う。
【0034】ステップS6で行われる通常の変速制御
は、図4に示すように、上記ステップS1で読み込んだ
車速VSPとスロットル開度TVOに応じた変速マップ
から目標入力回転数Ne*を検索するもので、この変速マ
ップは、図6に示すように、最Low線と最High線
の間で、スロットル開度TVOと車速VSPに応じた目
標入力回転数Ne*,すなわち、目標変速比を設定する。
【0035】一方、ロック側へのスリップ率slが所定
値aを超えるキックダウン制御は、ステップS7から開
始され、ステップS7でスリップ時の目標入力回転数N
e*を後述するように設定した後、ステップS8でキック
ダウン制御中を示すフラグFcをセットしてステップS
10へ進む。
【0036】ここで、ステップS7で行われるキックダ
ウン制御の目標入力回転数Ne*は、図5のステップS2
0に示すように、現在の実入力回転数Neを目標入力回
転数Ne*として設定する。
【0037】そして、ステップS10では、無段変速機
10の実入力回転数Neが目標入力回転数Ne*に一致す
るようステップモータ61等のアクチュエータを駆動す
る。
【0038】上記ステップS1〜ステップS10の制御
を繰り返すことにより、運転者がアクセルペダルを踏み
込んでキックダウン加速が行われ、かつ、駆動輪のロッ
ク側へのスリップ率slが所定値aを超えると、目標入
力回転数Ne*は変速マップの値から現在の実入力回転数
Neに変更され、キックダウンの間の目標入力回転数Ne
*は、この実入力回転数Neに固定される。
【0039】すなわち、図7に示すように、積雪路等の
低μ路を走行中に、時間t1でキックダウンを開始した
場合、まず、目標入力回転数Ne*は、図6の変速マップ
に基づいて所定の回転数までダウンシフトする。
【0040】そして、時間t2からはスロットル開度T
VOに応じたエンジン回転数Neの増大と、変速比の増
大に伴って無段変速機10の実入力回転数Neの上昇が
開始する。しかし、上述したように、このとき、無段変
速機10の入力軸の慣性モーメントが負に作用して駆動
輪に負の加速度を発生させるため、低μ路における駆動
輪速Noは時間t2以降で一旦減速し、駆動輪のスリッ
プ率slは、駆動輪速Noが車体速=従動輪速Nwより
小さいロック側となる。
【0041】ここで、スリップ率slが所定値aを超え
る時間t3では、上記ステップS3〜S5の判定からス
テップS7へ進んでキックダウン制御が開始され、目標
入力回転数Ne*は、時間t3での実入力回転数Neに固
定される。このとき、実入力回転数Neは、時間t3以
前の目標入力回転数Ne*に達していないため、目標入力
回転数Ne*は時間t3で実入力回転数Neまで図中実線
のようにアップシフトされ、キックダウンが終了するま
でこの値に固定されることになる。
【0042】したがって、時間t2から上昇した実入力
回転数Neは、時間t4以降で図中実線のようにキック
ダウン制御開始時の実入力回転数Neに到達するととも
に維持するため、スリップ率slが正から負、すなわ
ち、ロック側から空転側へ反転した時間t5以降で、ス
リップ率slの増大(空転の増大)を迅速に抑制し、さ
らに所定のスリップ率slを維持して車両の増速=従動
輪速Nwの上昇を円滑に行うことができ、低μ路におけ
るキックダウン加速を滑らかに行うことが可能となっ
て、無段変速機を備えた車両の運転性を向上させること
ができるのである。
【0043】これに対して、前記従来例では、図中破線
で示すように、駆動輪の加速度所定値を超える時間t5
になって初めて目標入力回転数Ne*を抑制し、このと
き、実入力回転数は本発明に比して大幅に上昇している
ため、駆動輪の空転側へのスリップ率も大きくなって、
スリップ率が収束するまでに時間t6までの時間を必要
とする。
【0044】したがって、本発明では、キックダウン加
速時にロック側への駆動輪のスリップを検出すると、前
記従来例に比して早期にアップシフトしてこの目標入力
回転数を維持するため、駆動輪のスリップ率slが収束
するまでに要する時間を、時間t6−t5の差に応じて
短縮して、低μ路におけるキックダウン加速を円滑に行
うことができるのである。
【0045】なお、キックダウン制御中の目標入力回転
数Ne*を、時間t3における実入力回転数Neとした
が、アップシフト側の所定の値であってもよい。
【0046】図8は第2の実施形態を示し、上記第1実
施形態の図3に示したステップS2、S5のキックダウ
ン制御の開始条件を、駆動輪のスリップ率slから駆動
輪の加速度αへ変更し、それぞれステップS2’、S
5’としたもので、その他は前記第1実施形態と同様で
ある。
【0047】ステップS2’では、前回の駆動輪速No
oldと今回の駆動輪速Noの差から駆動輪加速度αを演
算し、ステップS5’では駆動輪加速度αが所定値b未
満となったときにステップS7以降のキックダウン制御
を行うようにしたもので、所定値bはスリップ率slが
ロック側となる負の加速度に設定され、前記第1実施形
態と同様の作用、効果を得ることができる。
【0048】したがって、図9に示すように、時間t3
で駆動輪加速度αが所定値b未満となってロック傾向が
検知されると、目標入力回転数Ne*はその時点の実入力
回転数Neに固定され、前記第1実施形態と同じく、従
来例に比して早期にアップシフトさせることで、駆動輪
の空転を抑制しながら加速に必要な駆動トルクを確保し
て円滑な加速を行うことができるのである。
【0049】図10は、第3の実施形態を示し、上記第
1又は第2実施形態のステップS7で行われるステップ
S20の目標入力回転数Ne*の設定をステップS20’
へ変更したもので、その他は前記第1又は第2実施形態
と同様である。
【0050】ステップS20’では、キックダウン制御
中の目標入力回転数Ne*を、そのときの駆動輪速Noに
最小変速比HiRATIOを乗じた値としたもので、こ
の最小変速比HiRATIOは、図6の変速マップにお
いて、最Hi線の傾きを示し、無段変速機10で設定可
能な最小変速比である。
【0051】この場合には、キックダウン加速時に駆動
輪がロック側へスリップした場合には、そのときの駆動
輪速Noと最小変速比HiRATIOに基づく目標入力
回転数Ne*へアップシフトするため、駆動輪へ伝達され
るトルクを確実に抑制して駆動輪の空転を迅速に抑制す
ることができるのである。
【0052】なお、上記実施形態において、無段変速機
10をトロイダル型で構成した一例を示したが、図示は
しないが、ベルト式等で構成してもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように第1の発明は、運転
者がアクセルペダルを踏み込んだキックダウン中に駆動
輪がロック側にスリップすると、目標変速比は減少して
アップシフトとなり、実際の入力回転数の上昇が早期に
抑制されるため、低μ路においてキックダウン加速を行
った場合には、無段変速機の入力軸の慣性モーメントに
より一旦駆動輪が減速されてロック側へスリップした
後、上昇した入力回転数に応じて空転側へスリップしよ
うとするが、早期に目標変速比をアップシフトしている
ため、駆動輪の空転を迅速に抑制して低μ路でのキック
ダウン加速を円滑に行うことができ、無段変速機を備え
た車両の運転性を向上させることができ、特に、前記従
来例に比して、駆動輪の空転が収束するまでの時間を短
縮することが可能となる。
【0054】また、第2の発明は、前記スリップの検出
を駆動輪の速度Nwと従動輪の速度Noの差が所定値a
を超えたときにロック側へのスリップを検出するため、
迅速かつ容易にスリップ状態の検出を行うことができ、
簡易な制御によって低μ路でのキックダウンを円滑に行
うことができる。
【0055】また、第3の発明は、前記スリップ検出手
段は、前記スリップの検出を、駆動輪の加速度αが所定
の加速度b未満に減少したときにスリップを検出するよ
うにしたため、従動輪を持たない全輪駆動車等の車両で
も低μ路におけるキックダウン加速を円滑に行うことが
でき、適用する車両を拡大することができる。
【0056】また、第4の発明は、前記第2目標変速比
制御手段は、前記目標変速比i*をアップシフト側の所定
の変速比に固定するため、キックダウン中の変速比を固
定する簡易な制御によって迅速に駆動輪の空転を抑制し
ながら加速に必要な駆動トルクを得ることができ、無段
変速機を備えた車両の運転性を向上させることができ
る。
【0057】また、第5の発明は、前記第2目標変速比
制御手段は、前記目標変速比i*を駆動輪のスリップが検
出されたときの実際の変速比に固定するため、路面μ等
に応じた目標変速比によって加速に必要な駆動トルクを
得ながら、迅速に駆動輪の空転を抑制することができ、
無段変速機を備えた車両の運転性を向上させることがで
きる。
【0058】また、第6の発明は、前記第2目標変速比
制御手段は、前記目標変速比i*を設定可能な最小変速比
HiRATIOへアップシフトするため、駆動輪への伝
達トルクを抑制して、駆動輪の空転を迅速に抑制するこ
とができ、無段変速機を備えた車両の運転性を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示す無段変速機のブロッ
ク図。
【図2】変速制御コントローラの詳細を示すブロック
図。
【図3】変速制御コントローラで行われる制御の一例を
示すフローチャートで、メインルーチンを示す。
【図4】同じく通常の変速制御の一例を示すサブルーチ
ンのフローチャート。
【図5】同じくキックダウン制御時の目標入力回転数N
e*設定の一例を示すサブルーチンのフローチャート。
【図6】スロットル開度TVOをパラメータとして車速
VSPに応じた目標入力回転数Ne*の変速マップ。
【図7】作用を示す説明図で、目標入力回転数Ne*、実
目標入力回転数(エンジン回転数Ne)、駆動輪速、従
動輪速及びスリップ率と時間の関係を示すグラフ。
【図8】第2の実施形態を示し、メインルーチンのフロ
ーチャート。
【図9】同じく作用を示す説明図で、目標入力回転数N
e*、実目標入力回転数(エンジン回転数Ne)、駆動輪
加速度α及びスリップ率と時間の関係を示すグラフ。
【図10】第3の実施形態を示し、キックダウン制御時
の目標入力回転数Ne*設定の一例を示すサブルーチンの
フローチャート。
【図11】第1ないし第6の発明のいずれかひとつに対
応するクレーム対応図である。
【符号の説明】
2 変速制御コントローラ 6 入力軸回転センサ 7 出力軸回転センサ 10 無段変速機 61 ステップモータ 100 無段変速機 101 変速制御手段 102 目標変速比演算手段 103 キックダウン検知手段 104 スリップ検出手段 105 第2変速比制御手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも車速とアクセルペダル開度に
    応じて無段変速機の目標変速比を演算する目標変速比演
    算手段と、この目標変速比に応じて前記無段変速機の変
    速比を制御する変速制御手段とを備えた無段変速機の変
    速制御装置において、 前記アクセルペダルの開度に基づいてキックダウンを検
    知するキックダウン検知手段と、 駆動輪がロック側にスリップしたことを検出するスリッ
    プ検出手段と、前記キックダウン中にスリップ検出手段
    が駆動輪のロック側へのスリップを検出したときに前記
    目標変速比を減少する第2の変速比制御手段とを備えた
    ことを特徴とする無段変速機の変速制御装置。
  2. 【請求項2】 前記スリップ検出手段は、駆動輪の速度
    と従動輪の速度の差が所定値を超えたときにスリップを
    検出することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機
    の変速制御装置。
  3. 【請求項3】 前記スリップ検出手段は、駆動輪の加速
    度が所定の加速度未満に減少したときにスリップを検出
    することを特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変
    速制御装置。
  4. 【請求項4】 前記第2変速比制御手段は、前記目標変
    速比iをアップシフト側の所定の変速比に固定すること
    を特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装
    置。
  5. 【請求項5】 前記所定の変速比は、駆動輪のスリップ
    が検出されたときの実際の変速比に設定されることを特
    徴とする請求項4に記載の無段変速機の変速制御装置。
  6. 【請求項6】 前記第2変速比制御手段は、前記目標変
    速比を設定可能な最小変速比へアップシフトすることを
    特徴とする請求項1に記載の無段変速機の変速制御装
    置。
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