JPH0930985A - リンパ球機能改善剤 - Google Patents
リンパ球機能改善剤Info
- Publication number
- JPH0930985A JPH0930985A JP7215130A JP21513095A JPH0930985A JP H0930985 A JPH0930985 A JP H0930985A JP 7215130 A JP7215130 A JP 7215130A JP 21513095 A JP21513095 A JP 21513095A JP H0930985 A JPH0930985 A JP H0930985A
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- JP
- Japan
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- lymphocyte function
- csf
- administration
- lymphocyte
- activating
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 生体内に投与された顆粒球コロニー刺激因子
(G−CSF)によって誘導されるリンパ球機能活性化
作用を用いたリンパ球機能改善剤 【効果】 健常および担癌状態いずれにおいてもG−C
SFを投与することによってリンパ球機能が活性化され
た。さらに、同薬投与にともなう副作用はほとんどみら
れなかった。これらの作用は担癌患者や免疫抑制状態に
ある患者のリンパ球機能を活性化させるのに有効であ
り、その結果免疫療法やBRM療法の治療効果をより一
層高めることができる。
(G−CSF)によって誘導されるリンパ球機能活性化
作用を用いたリンパ球機能改善剤 【効果】 健常および担癌状態いずれにおいてもG−C
SFを投与することによってリンパ球機能が活性化され
た。さらに、同薬投与にともなう副作用はほとんどみら
れなかった。これらの作用は担癌患者や免疫抑制状態に
ある患者のリンパ球機能を活性化させるのに有効であ
り、その結果免疫療法やBRM療法の治療効果をより一
層高めることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はすでに臨床応用され
ている遺伝子組換え型ヒト顆粒球コロニー刺激因子(r
hG−CSF)製剤を用いての末梢血リンパ球機能活性
化の誘導に関するもので、発明の属する技術分野は臨床
医学および獣医学である。
ている遺伝子組換え型ヒト顆粒球コロニー刺激因子(r
hG−CSF)製剤を用いての末梢血リンパ球機能活性
化の誘導に関するもので、発明の属する技術分野は臨床
医学および獣医学である。
【0002】
【従来の技術】現在リンパ球の活性化にはサイトカイン
の一種であるIL−2やOK−432などのBRM(生
物学的反応修飾物質)製剤が用いられている。しかしこ
れら薬剤を患者に投与しても著しい副作用がみられた
り、期待されたほどリンパ球機能を活性化しないことが
知られている。このためリンパ球機能の活性化を必要と
している担癌患者にそれらを直接投与して同機能を活性
化させるような治療は一般的にはおこなわれておらず、
限られた症例に対してのみサイトカインなどのBRM製
剤を使用しているのが現状である。
の一種であるIL−2やOK−432などのBRM(生
物学的反応修飾物質)製剤が用いられている。しかしこ
れら薬剤を患者に投与しても著しい副作用がみられた
り、期待されたほどリンパ球機能を活性化しないことが
知られている。このためリンパ球機能の活性化を必要と
している担癌患者にそれらを直接投与して同機能を活性
化させるような治療は一般的にはおこなわれておらず、
限られた症例に対してのみサイトカインなどのBRM製
剤を使用しているのが現状である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】現在日本国内にて市販
され、医療現場で使用されているBRM製剤のうち副作
用が少なく効率的にリンパ球機能活性化を誘導しえるも
のは一部のものに限られている。一般に癌治療の免疫療
法にそれらは不可欠であるにもかかわらず、十分に臨床
応用しえる薬剤の種類は増えていない。また、腫瘍の治
療において化学療法や放射線療法は重要なものの一つで
あるが、これら治療の副作用として一般的に認められる
のが骨髄抑制である。それを改善するために顆粒球コロ
ニー刺激因子(G−CSF)もしくはマクロファージコ
ロニー刺激因子(M−CSF)が用いられている。この
ような場合、担癌患者には複数のBRM製剤が同時に使
用される結果となり医療費の高額化をももたらしている
ことは否めない。そのため、患者の肉体的経済的負担を
軽減させ得る、副作用のない効率的なリンパ球機能活性
化誘導剤および骨髄抑制改善剤が求められている。以上
のような目的を満たす薬剤を得るために、現在市販され
ている骨髄抑制改善剤の一つであるG−CSFのリンパ
球活性化作用を検討した。
され、医療現場で使用されているBRM製剤のうち副作
用が少なく効率的にリンパ球機能活性化を誘導しえるも
のは一部のものに限られている。一般に癌治療の免疫療
法にそれらは不可欠であるにもかかわらず、十分に臨床
応用しえる薬剤の種類は増えていない。また、腫瘍の治
療において化学療法や放射線療法は重要なものの一つで
あるが、これら治療の副作用として一般的に認められる
のが骨髄抑制である。それを改善するために顆粒球コロ
ニー刺激因子(G−CSF)もしくはマクロファージコ
ロニー刺激因子(M−CSF)が用いられている。この
ような場合、担癌患者には複数のBRM製剤が同時に使
用される結果となり医療費の高額化をももたらしている
ことは否めない。そのため、患者の肉体的経済的負担を
軽減させ得る、副作用のない効率的なリンパ球機能活性
化誘導剤および骨髄抑制改善剤が求められている。以上
のような目的を満たす薬剤を得るために、現在市販され
ている骨髄抑制改善剤の一つであるG−CSFのリンパ
球活性化作用を検討した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、すでに市
販されている遺伝子組換え型ヒト顆粒球コロニー刺激因
子(rhG−CSF)に着目し、これのリンパ球機能活
性化作用について検討した。その結果、従来の末梢血白
血球数増加作用に加えて末梢血中のリンパ球機能活性化
作用のあることを見い出した。また担癌状態の動物にG
−CSFを投与したところ癌患者のリンパ球機能をも活
性化させた。さらに投与にともなう副作用が全く認めら
れないことから本発明に至ったものである。
販されている遺伝子組換え型ヒト顆粒球コロニー刺激因
子(rhG−CSF)に着目し、これのリンパ球機能活
性化作用について検討した。その結果、従来の末梢血白
血球数増加作用に加えて末梢血中のリンパ球機能活性化
作用のあることを見い出した。また担癌状態の動物にG
−CSFを投与したところ癌患者のリンパ球機能をも活
性化させた。さらに投与にともなう副作用が全く認めら
れないことから本発明に至ったものである。
【0005】
実施例1 体重10−15kgの雑種健常犬(雄雌)にAGF社製
ドライタイプドックフードおよび飲料水を与え、運動場
もしくはステンレスケージ内にて飼育した。
ドライタイプドックフードおよび飲料水を与え、運動場
もしくはステンレスケージ内にて飼育した。
【0006】1群3匹ずつの犬に中外製薬社製遺伝子組
換え型ヒトG−CSF(ノイトロジン)を連続3日間、
2.5μg/kg/0.05ml皮下投与し、rhG−
CSF投与前後のリンパ球機能を測定した。
換え型ヒトG−CSF(ノイトロジン)を連続3日間、
2.5μg/kg/0.05ml皮下投与し、rhG−
CSF投与前後のリンパ球機能を測定した。
【0007】rhG−CSF投与0,3,7,14日目
に採血を実施し、末梢血リンパ球を比重遠心法にて分離
した。これらリンパ球を用いて刺激物質に対する反応性
を指標に同機能を検査した。すなわち、シグマ社製PH
A(5μg/ml),Con−A(5μg/ml),P
WM(5μg/ml)に対するリンパ球幼若化反応をグ
ルコース消費法にて検討した。なおグルコースの測定に
はフジメジカル社製フジドライケミストリーV−550
0を用いた。実験結果は以下の公式にて刺激指数(S.
I.)を算出して評価した。公式;(培養液のみのグル
コース濃度−刺激物質添加培養上清中グルコース濃度)
/(培養液のみのグルコース濃度−刺激物質未添加培養
上清中グルコース濃度)
に採血を実施し、末梢血リンパ球を比重遠心法にて分離
した。これらリンパ球を用いて刺激物質に対する反応性
を指標に同機能を検査した。すなわち、シグマ社製PH
A(5μg/ml),Con−A(5μg/ml),P
WM(5μg/ml)に対するリンパ球幼若化反応をグ
ルコース消費法にて検討した。なおグルコースの測定に
はフジメジカル社製フジドライケミストリーV−550
0を用いた。実験結果は以下の公式にて刺激指数(S.
I.)を算出して評価した。公式;(培養液のみのグル
コース濃度−刺激物質添加培養上清中グルコース濃度)
/(培養液のみのグルコース濃度−刺激物質未添加培養
上清中グルコース濃度)
【0008】健常犬にrhG−CSFを投与した時のリ
ンパ球幼若化反応の結果を図1に示した(測定値よ平均
値+SEを示す)。rhG−CSF無処置リンパ球の刺
激指数はPHA:1.81+0.15,Con−A:
1.28+0.10,PWM:1.15+0.25であ
ったが、同薬剤処置後7日目にはS.I.が約1.5か
ら2倍(PHA:330+0.12,Con−A:2.
45+0.16,PWM:1.97+0.18)に増強
された。そして薬剤処置後14日目にはほぼ正常レベル
に回復した。このようにrhG−CSF処置によってリ
ンパ球機能活性化がもたらされた。
ンパ球幼若化反応の結果を図1に示した(測定値よ平均
値+SEを示す)。rhG−CSF無処置リンパ球の刺
激指数はPHA:1.81+0.15,Con−A:
1.28+0.10,PWM:1.15+0.25であ
ったが、同薬剤処置後7日目にはS.I.が約1.5か
ら2倍(PHA:330+0.12,Con−A:2.
45+0.16,PWM:1.97+0.18)に増強
された。そして薬剤処置後14日目にはほぼ正常レベル
に回復した。このようにrhG−CSF処置によってリ
ンパ球機能活性化がもたらされた。
【0009】実施例2 (臨床例について)症例1:鼻腔の軟骨肉腫。抗癌剤で
あるシスプラチン投与と同時にrhG−CSFを25μ
g/頭、3日間連続投与し、さらに1週間間隔で同量を
追加投与した。図2に示すようにG−CSF処置によっ
てリンパ球の各刺激物質(PHA,Con−A,PW
M)に対する幼若化反応が活性化された。症例2:悪性
リンパ腫。入院後経過観察を続けていたところ白血球数
が減少したためrhG−CSF、20μg/頭を2日間
投与した。同時に薬剤投与前と投与後3日目のリンパ球
機能を検討した。この症例ではG−CSF処置によって
白血球数の増加がもたらされるとともに同薬投与3日め
にすでにリンパ球の刺激物質(PHA)に対する幼若化
反応が活性化されていた(図3)。
あるシスプラチン投与と同時にrhG−CSFを25μ
g/頭、3日間連続投与し、さらに1週間間隔で同量を
追加投与した。図2に示すようにG−CSF処置によっ
てリンパ球の各刺激物質(PHA,Con−A,PW
M)に対する幼若化反応が活性化された。症例2:悪性
リンパ腫。入院後経過観察を続けていたところ白血球数
が減少したためrhG−CSF、20μg/頭を2日間
投与した。同時に薬剤投与前と投与後3日目のリンパ球
機能を検討した。この症例ではG−CSF処置によって
白血球数の増加がもたらされるとともに同薬投与3日め
にすでにリンパ球の刺激物質(PHA)に対する幼若化
反応が活性化されていた(図3)。
【0013】(副作用について)実験期間もしくは症例
の経過観察中各犬の一般状態を観察したが、G−CSF
投与にともなう副作用は全く認められなかった。
の経過観察中各犬の一般状態を観察したが、G−CSF
投与にともなう副作用は全く認められなかった。
【0014】
【発明の効果】本発明のG−CSFによるリンパ球機能
活性化誘導作用は、1薬剤により複数の生体内反応を惹
起せしめ、それによって担癌患者の骨髄機能と抗腫瘍活
性を副作用なく効率的に活性化させることが示された。
活性化誘導作用は、1薬剤により複数の生体内反応を惹
起せしめ、それによって担癌患者の骨髄機能と抗腫瘍活
性を副作用なく効率的に活性化させることが示された。
【0015】
【図面の簡単な説明】
【図1】健常犬のrhG−CSF投与に伴うリンパ球幼
若化反応の推移を示すグラフ矢印はrhG−CSFの投
与日を示す
若化反応の推移を示すグラフ矢印はrhG−CSFの投
与日を示す
【図2】症例1のrhG−CSF投与に伴うリンパ球幼
若化反応の推移を示すグラフ矢印はrhG−CSF投与
日を示す
若化反応の推移を示すグラフ矢印はrhG−CSF投与
日を示す
【図3】症例2のrhG−CSF投与に伴う白血球数と
リンパ球幼若化反応の推移を示すグラフ 矢印はrhG
−CSF投与日を示す
リンパ球幼若化反応の推移を示すグラフ 矢印はrhG
−CSF投与日を示す
Claims (1)
- 【請求項1】顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)を
用いたリンパ球機能活改善剤
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7215130A JPH0930985A (ja) | 1995-07-20 | 1995-07-20 | リンパ球機能改善剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7215130A JPH0930985A (ja) | 1995-07-20 | 1995-07-20 | リンパ球機能改善剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0930985A true JPH0930985A (ja) | 1997-02-04 |
Family
ID=16667218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7215130A Pending JPH0930985A (ja) | 1995-07-20 | 1995-07-20 | リンパ球機能改善剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0930985A (ja) |
-
1995
- 1995-07-20 JP JP7215130A patent/JPH0930985A/ja active Pending
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