JPH09306724A - 酸化物超電導粉末の処理方法 - Google Patents
酸化物超電導粉末の処理方法Info
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Abstract
の不純物が結晶粒界に偏析しやすく、超電導結晶同士の
接合性を低下させ、超電導電流を阻害する要因になる。
超電導特性は線材の長手方向でばらつくことが多く、再
現性が悪い。テープ線材では、熱処理中に火膨れを起こ
し、超電導特性に悪影響を及ぼす。 【解決手段】 酸化物超電導粉末に対し、500MHz
〜5000MHzの周波数のマイクロウェーブを照射す
ることにより、マイクロウェーブの照射によって超電導
粉末中の不純物にエネルギーが吸収され、これにより不
純物が除去される結果、超電導粉末の焼結性が向上し、
超電導特性が向上する。
Description
の処理方法に係り、特に、超電導線材又は超電導導体に
用いる酸化物超電導粉末の処理方法に関するものであ
る。
成する元素の酸化物或いは炭酸塩を固相状態で混合し、
電気炉等を用いた焼成によって合成する方法(固相反応
法)、又は超電導体を構成する元素の金属アルコキシド
等を共沈させたものを電気炉等の焼成によって合成する
方法(共沈法)等により製作される。
することによって超電導粉末にしている。酸化物超電導
線材を製造する方法の代表的なものとして、金属被覆法
(Powder-in-tube method )がある。この方法は、上記
した超電導粉末を適当なサイズの金属パイプ(通常、A
gパイプを用いる)に充填したものに伸線加工又は圧延
加工を施した後、所定の線材形状に加工し、最後に熱処
理を施す工程で作られる。なお、必要に応じ、繰り返し
機械的加工及び熱処理が施される。
電導体の製造方法は、超電導粉末に適当量の有機バイン
ダ及び有機溶剤を添加或いは混合したスラリー(懸濁
液)にAgテープ等の金属基材を浸漬させ、これを塗布
する方法(ディップコート法)、超電導粉末を圧粉成形
(CIP:Cold Isostatic Press) 法等で処理し、これ
に対して熱処理を施して焼結させることにより線材又は
導体を製造している。
を用いた線材よりも高温(800〜900℃)で且つ酸
素雰囲気中で熱処理することが多いため、超電導体との
反応性を考慮して、通常、複合金属にはAgやAg合金
が用いられる。また、長尺線材等の場合、線材同士が接
触していると熱処理中に融着するため、線材間に適当な
間隔を開けて粗に巻いたり、セラミックスペーパ(例え
ば、アルミナペーパ)やセラミックスファイバ編組(例
えば、アルミナファイバ、ガラスファイバ等の編組)等
の耐熱材料をスペーサとして線材間に巻き込む等の対策
が施される。
えば、コイル等)は、線材を巻いてから熱処理を行う手
法(いわゆるワインド アンド リアクト法)によって
作製されることが多い。しかし、熱処理条件が厳しいた
め、通常の有機物系絶縁材料を用いることができず、セ
ラミックスペーパ或いはセラミックスファイバ編組等の
耐熱絶縁材料を用いている。また、酸化物超電導焼結体
を用いたもの(例えば、電流リード等)では、成形体両
端部に電極としてAgペースト塗布やAgシートを巻き
付け、熱処理を施すことにより、超電導体の焼結と電極
の接合(酸化物超電導体と電極部の電気的接合)を行っ
ている。
超電導体によると、電流を流し易い結晶面と流し難い結
晶軸方向があり、その結晶構造からも二次元性が非常に
強い。また、超電導体は基本的に多結晶体で利用するこ
とが多いため、結晶同士の接合性(電流を流し易い結晶
面同志の接合性)は超電導特性を左右する重要なファク
タとなる。一般に、酸化物超電導体は構造元素数が4〜
7(酸素元素を含む)と多く、単相化がたいへん難しい
ため、通常、或る程度の末反応相等の不純物を含んでい
る。これらの不純物は、結晶粒界に偏析しやすく、超電
導結晶同士の接合性を低下させ、超電導電流を阻害する
要因になる。
法により作製した酸化物超電導線材では、一般に、超電
導特性は線材の長手方向でばらつくことが多く、バッチ
毎の再現性も良いとは言えない。また、例えばBi(ビ
スマス)−Pb(鉛)−Sr(ストロンチウム)−Ca
(カルシウム)−Cu(銅)−O(酸素)系超電導体の
Agシーステープにおいては、熱処理中にテープ線材の
数カ所で火膨れを起こすことがあり、熱処理後のハンド
リングや超電導特性に悪影響を及ぼしている。これらの
原因として、金属パイプ(Agパイプ等)に充填する超
電導粉末中の不純物が指摘されている。
導粉末中に不純物が存在するため、熱処理後の焼結体の
嵩密度が低く、超電導結晶同士の接合性の低下、発生し
たガスによるクラック等を生じることがある。超電導粉
末中の不純物には、上記した末反応相のほか、粉末保管
中に空気中の水分や炭酸ガスが粉末の表面に吸着した
り、粉末表面部分で反応して生成する場合もある。粉末
中の不純物は、超電導線材の熱処理中に結晶粒界に偏析
して超電導特性のばらつきや再現性の低下を招いたり、
高温でガスを発生して線材を火膨れさせることが懸念さ
れている。そこで、粉末中の不純物の軽減を目的とし
て、一般には、超電導粉末を作製する際に、仮焼と粉砕
を繰り返し行ったり、使用直前に電気炉等を用いて20
0〜800℃の再仮焼を行ったりしている。
あるため、一般に熱伝導性が悪く、加熱されている表面
と内部の間に相当の温度差を生じ、加熱が不均一になり
易い。均一に加熱しようとすれば、長時間をかけて徐々
に昇温する必要があり、非効率的である。また、長時間
にわたって高温を保持しようとすれば、不純物相の近傍
で超電導体の組成ずれが大きくなり、別の不純物反応相
を生成し、結果的に不純物量が軽減されない等の不都合
も生じる。
線材又は導体を作製することのできる酸化物超電導粉末
の処理方法を提供することを目的としている。
めに、この発明は、酸化物超電導粉末に所定の周波数の
マイクロウェーブを照射することにより前記酸化物超電
導粉末中の不純物を除去して前記酸化物超電導粉末の表
面を浄化することを特徴とする酸化物超電導粉末の処理
方法にしている。
射によって超電導粉末中の不純物にエネルギーが吸収さ
れ、これにより不純物が除去される。したがって、超電
導粉末の焼結性が向上し、超電導特性が向上する。前記
マイクロウェーブ照射は、超電導線材を形成するための
金属パイプに充填する直前に行うのが適している。
のばらつきが軽減され、再現性が向上する。また、火膨
れの発生を無くすることができる。前記マイクロウェー
ブ照射は、超電導焼結体を形成するための圧粉成形工程
の直前に行うことが適している。この方法によれば、熱
処理後の嵩密度が向上し、超電導結晶同士の接合性が向
上し、臨海電流密度特性が向上する。また、不純物から
のガス発生が無くなり、熱処理によるクラックの発生を
抑制でき、焼結体の機械的強度が向上する。
て説明する。本発明においては、金属被覆法により作製
する線材に用いる酸化物超電導粉末に対しては金属パイ
プに充填する直前に、また、焼結体を利用した酸化物超
電導粉末に対しては圧粉成形する直前に500MHz〜
5000MHzのマイクロウェーブを照射し、超電導粉
末中の不純物を効果的に除去し、粉末の表面の清浄化を
図っている。この処理により、超電導粉末の焼結性を向
上させることが可能になる。
により不純物を除去した超電導粉末を用いたことによ
り、熱処理後の超電導特性のばらつきが軽減され、再現
性が向上する。更に、線材熱処理における火膨れを無く
すことができる。また、焼結体を利用した酸化物超電導
粉末の場合、本発明により不純物を除去した超電導粉末
を用いたことにより、熱処理後の嵩密度が向上し、超電
導結晶同士の接合性が向上する結果、臨海電流密度特性
の向上が可能になる。更に、不純物からのガス発生が無
くなるため、熱処理によるクラックの発生を抑制でき、
嵩密度の向上と併せて焼結体の機械的強度を向上させる
ことができる。
MHz〜5000MHzに設定した理由について、以下
に説明する。ここで、物質の比抵抗をσ、誘電率をε、
誘電体損失角をtanδ、印加する電界の強さをE、周
波数をfとすると、その物質に吸収されて熱に変わる高
周波エネルギーPは次式で表される。
0-12 /1.8:誘電体損失) 物質が導電性金属の場合、(1)式は次式のようにな
る。 Pm≒σE2 ・・・(2) また、物質が非導電性の場合には次のようになる。
かなように、加えるマイクロウェーブの電界E及び周波
数fが大きく、被加熱物の誘電体損失角tanδが大き
いほど効率良くエネルギーが吸収される。一方、電波が
物質の内部に浸透する度合いは、その電波が1/e(但
し、eは自然対数の底)に減衰する深さDをもって表さ
れる。
r 及びtanδが大きいほどマイクロウェーブの浸透す
る深さは浅くなるので、均一な加熱を得るためには、周
波数fは500MHz〜5000MHzの範囲が適して
いる。
利点について列挙する。 (a)いかなる形状のものでも加熱を均一にできる。 (b)加熱速度が速くなり、加熱効率を高めることがで
きる。 (c)加熱速度を正確に制御することができる。 (d)加熱したいもの以外のものを加熱することがな
い。つまり、導電体に対してはマイクロウェーブが反射
され、殆ど吸収されないのに対し、非導電体(=誘電
体)には吸収される。超電導体は導電体であるのに対
し、不純物は概して誘電体である。したがって、超電導
体は加熱されず、不純物のみが加熱される。 (e)装置が簡単で、取り扱いが容易である。 (f)騒音や熱気等を発生せず、良好な作業環境を保つ
ことができる。 (g)加熱室を清潔にできる。
近傍で超電導体と別の不純物反応相が生成されることが
なく、また、粉末のような嵩高い形状であってもマイク
ロウェーブのエネルギーが均質に作用する。なお、本発
明の対象となる超電導体は、Y(イットリウム)−Ba
(バリウム)−Cu−O系、Ln−Ba(バリウム)−
Cu−O系(Lnはランタン系元素)、Bi−Pb−S
r−Ca−Cu−O系、Ti(チタン)−Pb−Ba−
Sr−Ca−Cu−O系、Hg(水銀)−Ba−Sr−
Ca−Cu−O系等の既知の全ての酸化物超電導体であ
る。
いは複合する金属として、Ag及びAg合金、Ag
及びAg合金の外側に設けた組成の異なるAg合金の被
覆(或いは他の金属、酸化物、金属と酸化物の複合体の
配置)の被覆、Ag及びAg合金の内部に設けた組成
の異なるAg合金の被覆(或いは他の金属、酸化物、金
属と酸化物の複合体の配置)等を用いることができる。
Au合金の外側に設けた組成の異なるAu合金の被覆
(或いは他の金属、酸化物、金属と酸化物の複合体の配
置)の被覆、Au及びAu合金の内部に設けた組成の
異なるAu合金の被覆(或いは他の金属、酸化物、金属
と酸化物の複合体の配置)等を用いることができる。更
に、本発明が適用できる超電導線材の導体構造として
は、単芯構造、多芯構造、単層構造、多層構造、或いは
これらの組み合わせ、更には複合化による構造にするこ
とができる。
状、テープ状、パイプ状、これらの積層又は複合形状に
することができる。
る。 (実施例1)Bi:Pb:Sr:Ca:Cu:O=1.
6:0.4:2:2:3になるように、Bi2 O3 (三
酸化ビスマス)、PbO(酸化鉛)、SrCO3 (炭酸
ストロンチウム)、CaCO3 (炭酸カルシウム)、C
uO(酸化第二銅)を秤量し、乾式ボールミルにより混
合した。混合した粉末を高純度アルミナ製のるつぼに入
れ、電気炉を用いて空気中で800℃×20時間の熱処
理(仮焼)をした後、乳鉢を用いて粉砕した。この仮焼
・粉砕の工程は2回繰り返した。このようにして作製し
た粉末30gを1ケ月間大気中に放置した後、3等分し
た。この内の1つは粉末のまま(試料1A)とし、他の
1つは電気炉を用いて500℃×3時間の熱処理を施し
て試料1Bとし、残る1つは周波数2450MHz、出
力500W、時間20分のマイクロウェーブ照射の処理
を施して試料1Cを得た。
m、内径4mmのAgパイプに充填した後、引き抜きに
よって外径1mmまで冷間加工し、更に、厚さ0.12
mm、幅3mmのテープ状に冷間圧延した。こうして得
た3種類の超電導テープを各々約2mの長さで1本づつ
切り出し、これを外径60mmの高純度アルミナ製のボ
ビンに約10mmのピッチでソレノイド状に巻いた後、
大気中で840℃×50時間の熱処理を施した。
観察したところ、表1に示す結果が得られた。
た超電導体テープは全長にわたってパイプ状になるほど
の大きさの火膨れが生じていた。また、試料1Bを充填
した超電導テープは所々(例えば、10ヵ所)に長さ5
mm程度の火膨れが発生していた。更に、本発明による
処理を施した試料1Cを充填した超電導テープは全長に
わたって火膨れは見られなかった。
イプ(Agパイプ)に充填する直前の超電導粉末にマイ
クロウェープを照射することにより、Agシース(B
i,Pb)2 Sr2 Ca2 Cu3 Ox超電導テープが火
膨れすることなく熱処理を行えることがわかる。この結
果、超電導特性を向上させることができる。 (実施例2)Bi:Sr:Ca:Cu=2:2:1:2
になるように、Bi2 O3 、SrCO3 、CaCO3 、
CuOを秤量し、乾式ボールミルにより混合した。混合
した粉末を高純度アルミナ製のるつぼに入れ、電気炉を
用いて空気中で810℃×10時間の熱処理(仮焼)を
した後、乳鉢を用いて粉砕した。この仮焼・粉砕の工程
は2回繰り返した。このようにして作製した粉末30g
を1ケ月間大気中に放置した後、3等分した。この内の
1つは粉末のまま(試料2A)とし、他の1つは電気炉
を用いて500℃×3時間の熱処理を施して試料2Bと
し、残る1つは周波数2450MHz、出力500W、
時間25分のマイクロウェーブ照射の処理を施して試料
2Cを得た。
m、内径5mmのAg(0.015wt%)−Mg
(0.015wt%)−Ni合金のパイプに充填した
後、引き抜きによって外径1mmまで冷間加工した。こ
うして得られた丸線を2mの長さで19本を切り出し、
六角形状に束ねた後、外径6mm、内径5.2mm、長
さ2mのAg(0.015wt%)−Mg(0.015
wt%)−Ni合金のパイプに組み込んだ。組み込んだ
3本の19芯線を夫々引き抜きによって外径1mmまで
冷間加工した。この伸線加工による外径1mmの丸線に
対し、圧延機を用いて厚さ0.12mm、幅3mmのテ
ープ状に冷間加工した。このとき、3本のテープの横断
面を観察したところ、形状や酸化物コア比等が3つの試
料間で全く同等であることを確認した。加工した各々の
テープから約2mの長さで各1本づつ切り出し、外径6
0mmの高純度アルミナ製のボビンに約10mmのピッ
チでソレノイド状に巻いた後、電気炉を用いてBi2 S
r2 CaCu2 Ox系超電導線材に特徴的な部分溶融−
徐冷熱処理(室温から884℃までを300℃/hの速
度で昇温し、884℃で10分間保持した後、884℃
から834℃を5℃/hの速度で徐冷、834℃で1h
保持後炉冷した)を行った。
テープの外観を観察した。この結果、試料2Aを充填し
た超電導テープは全長の約半分の長さでパイプ状になる
ほどの火膨れ状態であった。また、試料2Bを充填した
超電導テープは所々(例えば、10ヵ所)に長さ3mm
程度の火膨れが発生していた。更に、本発明による処理
を施した試料2Cを充填した超電導テープは全長にわた
って火膨れは見られなかった。以上の結果を示したのが
表2である。
になるように夫々11個のAgリード線をはんだ付け
し、粉末処理条件による超電導特性への影響を調べた。
この超電導特性の評価は、はんだ付けしたリード線の
内、両端を電流リードとし、他の9個を電圧リードとし
て液体ヘリウム(4.2K)中で四端子法により行っ
た。評価内容は、各電圧リード間の臨界電流値(Ic)
を測定し、Ic値とそのばらつきを調べた(このとき、
Icのしきい値は1μV/cmにした)。こうして評価
した結果が表3である。
イプ(Ag−Mg−Ni合金パイプ)に充填する直前の
超電導粉末にマイクロウェープを照射することにより、
Ag合金シースBi2 Sr2 CaCu2 Ox超電導19
芯テープが火膨れすることなく熱処理を行えることがわ
かる。この結果、超電導特性が向上し、そのばらつきを
小さくすることができる。
2:2:1:2になるように、Bi2 O3 、SrC
O3 、CaCO3 、CuOを秤量し、乾式ボールミルに
より混合した。この混合した粉末を高純度アルミナ製の
るつぼに入れ、電気炉を用いて空気中で810℃×10
時間の熱処理(仮焼)をした後、乳鉢を用いて粉砕し
た。この仮焼・粉砕の工程は2回繰り返した。このよう
にして作製した粉末30gを1ケ月間大気中に放置した
後、3等分した。この内の1つは粉末のまま(試料3
A)とし、他の1つは電気炉を用いて500℃×3時間
の熱処理を施して試料3Bとし、残る1つは周波数24
50MHz、出力500W、時間25分のマイクロウェ
ーブ照射の処理を施して試料3Cを得た。
ら熱処理中にどのようなガスが放出されるか否かを調査
するため、ガスクロマトグラフ分析計を用いて900℃
まで昇温する過程で放出されるガス種の同定と定量分析
を行った。得られた結果(粉末1g当たりに発生したガ
スの質量μg)は表4の如くであった。
に、金属被覆法により作製した線材が熱処理中に火膨れ
を生じる原因は、粉末から発生する水蒸気(H2 O)と
炭酸ガス(CO2 )であることがわかる。また、マイク
ロウェープ照射を行ったことにより発生するH2 OとC
O2 量が大幅に減少することも確認できた。 (実施例4)Bi:Pb:Sr:Ca:Cu:O=1.
6:0.4:2:2:3になるように、Bi2 O3 、P
bO、SrCO3 、CaCO3 、CuOを秤量し、乾式
ボールミルにより混合した。混合した粉末を高純度アル
ミナ製のるつぼに入れ、電気炉を用いて空気中で800
℃×20時間の熱処理(仮焼)をした後、乳鉢を用いて
粉砕した。この仮焼・粉砕の工程は2回繰り返した。こ
のようにして作製した粉末30gを1ケ月間大気中に放
置した後、3等分した。この内の1つは粉末のまま(試
料4A)とし、他の1つは電気炉を用いて500℃×3
時間の熱処理を施して試料4Bとし、残る1つは周波数
2450MHz、出力500W、時間20分のマイクロ
ウェーブ照射の処理を施して試料4Cを得た。
m、長さ100mmの棒状にCIP(Cold Isostatic P
ress)成形した。これらの試料に電気炉を用い、空気中
で840℃×100時間の熱処理を施したところ、試料
4Aを用いた試料は大きく3つに折れており、焼結体の
作製には適さないことがわかった。次に、超電導特性を
調べるため、試料に電流リード及び電圧リードが接続で
きるようにAgペースを塗布し、400℃×2時間の熱
処理を施した。このとき、電流リードは試料両端部に設
け、電圧リードは試料中央部に間隔20mmになるよう
に設けた。超電導特性は、液体窒素中(77K)、外部
磁界無しの状態で通常の四端子法により臨海電流密度
(Jc)の測定を行った。
試料4Cは1500A/cm2 であり、試料4Cを用い
た方が良好な超電導特性が得られることがわかった。更
に、焼結の度合いを調べるため、顕微鏡を用いて表面を
観察した後、アルキメデス法により嵩密度を測定した。
表面観察において、試料4Aでは熱処理で折れた箇所が
見られた他、肉眼によっても大きなクラックが観察され
た。試料4Bでは、試料4Aほどではないものの、所々
にクラックが観察された。しかし、本発明による試料4
Cでは目立つ様なクラックは観察されなかった。嵩密度
の測定では、試料4Bが4.8g/cm3 、相対密度が
73%であったのに対し、試料4Cは5.5g/c
m3 、相対密度が83%であり、試料4Cの方が焼結の
度合いが高く、緻密になることがわかった。
め、3点曲げ試験を行った。このとき、3点の間隔は2
5mmづつになるようにした。この結果、試料4Bは2
00g重で破断し、試料4Cは500g重で破断したこ
とから、試料4Cの方が高い機械的強さを有することが
確かめられた。更に、熱処理後の焼結体の不純物相の有
無を確認するため、焼結体試料の一部を粉砕してX線回
折(XRD)を測定した。試料4A,4Bからは不純物
相の存在を示す回折ピークが確認されたが、試料4Cで
は超電導相のほぼ単相であることがわかった(XRDで
は体積分率10%以下では殆ど検出できないので、ここ
では「ほぼ単相」という表現を用いた)。実施例4にお
ける結果を示したのが表5である。
うに、マイクロウェーブ照射を施したことにより、超電
導特性が高く、機械的強さの高い高性能の超電導導体を
得ることができる。なお、上記した超電導導体或いは超
電導線材を用い、コイル、給電用導体、送電用導体、磁
気シールド体を構成することができる。
電導粉末に対し、500MHz〜5000MHzのマイ
クロウェーブを照射するようにしたので、超電導粉末中
の不純物にエネルギーが吸収され、不純物が除去され、
超電導粉末の焼結性が向上し、超電導特性が向上する。
Claims (3)
- 【請求項1】酸化物超電導粉末に所定の周波数のマイク
ロウェーブを照射することにより前記酸化物超電導粉末
中の不純物を除去して前記酸化物超電導粉末の表面を浄
化することを特徴とする酸化物超電導粉末の処理方法。 - 【請求項2】前記マイクロウェーブ照射は、超電導線材
を形成するための金属パイプに充填する直前に行うこと
を特徴とする請求項1記載の酸化物超電導粉末の処理方
法。 - 【請求項3】前記マイクロウェーブ照射は、超電導焼結
体を形成するための圧粉成形工程の直前に行うことを特
徴とする請求項1記載の酸化物超電導粉末の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP11677196A JP3749570B2 (ja) | 1996-05-10 | 1996-05-10 | 酸化物超電導導体の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH09306724A true JPH09306724A (ja) | 1997-11-28 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011088767A (ja) * | 2009-10-20 | 2011-05-06 | Japan Atomic Energy Agency | 製品添加によるマイクロ波吸収・発熱効果を利用した金属酸化物粒子の製造方法 |
-
1996
- 1996-05-10 JP JP11677196A patent/JP3749570B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2011088767A (ja) * | 2009-10-20 | 2011-05-06 | Japan Atomic Energy Agency | 製品添加によるマイクロ波吸収・発熱効果を利用した金属酸化物粒子の製造方法 |
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