JPH09306544A - 固体高分子電解質型電池の製造方法、固体高分子電解質型電池および電池用非水溶液系電解液 - Google Patents

固体高分子電解質型電池の製造方法、固体高分子電解質型電池および電池用非水溶液系電解液

Info

Publication number
JPH09306544A
JPH09306544A JP8124811A JP12481196A JPH09306544A JP H09306544 A JPH09306544 A JP H09306544A JP 8124811 A JP8124811 A JP 8124811A JP 12481196 A JP12481196 A JP 12481196A JP H09306544 A JPH09306544 A JP H09306544A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
battery
solid polymer
electrolyte
plasticizer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP8124811A
Other languages
English (en)
Inventor
Minoru Inada
実 稲田
Noriaki Yagi
典章 八木
Nobuhiro Saito
信宏 齋藤
Shigeo Santo
茂夫 山藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Momentive Performance Materials Japan LLC
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Silicone Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp, Toshiba Silicone Co Ltd filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP8124811A priority Critical patent/JPH09306544A/ja
Publication of JPH09306544A publication Critical patent/JPH09306544A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)
  • Primary Cells (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 非水溶液系電解液を用いた固体高分子電解質
型電池を可塑剤を併用して製造するにあたり、可塑剤の
抽出効率、非水溶液系電解液の含浸量等を高め、また抽
出溶媒が残存しても電池系に悪影響を及ぼさないように
する。 【解決手段】 可塑剤と高分子化合物とを含有する高分
子組成物を層状に成形した後、可塑剤を低分子量有機シ
リコーン化合物を用いて溶解抽出する工程と、可塑剤が
溶解抽出された高分子化合物層に非水溶液系電解液を含
浸して、固体高分子電解質層を形成する工程とを適用し
て、水溶液系電解液を保持した高分子化合物層を有する
固体高分子電解質層7を介して、正極1と負極4とが対
向配置された固体高分子電解質型電池を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水溶液系電解液
を用いた固体高分子電解質型電池の製造方法、固体高分
子電解質型電池、および非水溶液系電池に用いられる電
池用非水溶液系電解液に関する。
【0002】
【従来の技術】水分と激しく反応するために水を嫌うリ
チウム電池の電解液には、非水溶液系電解液を使用する
ことが実用上の見地から不可欠であり、このようなリチ
ウム二次電池が非水溶液系電池としてよく知られてい
る。このようなリチウム二次電池は、電池エネルギー密
度が大きいことから、小型軽量性を重視するコードレス
機器の電源等として多用化されつつある。また、この電
池機能を 0.5mm程度の超薄型の単セルとして具備するリ
チウムイオン固体高分子電解質型二次電池(LPB)、
すなわち非水溶液系電解液の保持機能を有する有機高分
子化合物を固体電解質層として用いた電池の開発も活発
に行われており、実用化レベルに達しつつある。これら
二次電池の実用化には、正極並びに負極の活物質の選択
や電池構成法等、多くの要素技術の改良が寄与している
が、電解液の選択には一層の技術向上が望まれている。
【0003】ここで、水溶液系電池の電解液には、例え
ば水酸化カリウムの強アルカリ水溶液が用いられる。こ
こでの電池反応に対する電解液の作用効果は、水の低粘
度でかつ比誘電率が大きいという液体特性、並びに水溶
液としての水酸化カリウムによる約10-2Ω/cm以上の良
好なイオン電導性によって、電池に必要な実用的な電池
容量の発揮および大きな負荷への対応を実現している。
これに対して非水溶液系電池では、電池の使用電位差で
安定で、かつ粘度の低い液体(溶媒)が少ないために、
水溶液系電解液に比べると大きなイオン電導性を維持す
ることに苦慮しているのが現状である。特に、LPBタ
イプにおいては、使用する固体高分子電解質層中のイオ
ン電解質含有量を50重量% 以上程度にしないと、十分に
実用性のある電池が得られないことが理論的にも実験的
にも確認されている。
【0004】固体高分子電解質層中の電解質の含有量を
高めるために、従来からいくつかの方法が試みられてい
る。その技術の 1つとして、アルキレンオキサイド等の
ヘテロ原子団を分子構造中に含む高分子化合物を固体高
分子電解質層として用いる方法が挙げられる(特公平 6
-52671号公報参照)。このような固体高分子電解質層
は、電解質を50重量% 以上含浸させることが可能である
ことが知られている。しかし、固体高分子電解質層を構
成する高分子構造の中で、電解質を含浸したヘテロ原子
団が海相となり、ヘテロ原子団を除く高分子主鎖が島相
を形成しているため、電解質を高含浸するほど島相の流
動性が増すことになる。すなわち、電解質を高含浸する
ほど形状が不安定となることから、実用的な電池として
長期使用に供するためには、電解質の含浸量を期待する
ほど多くすることができないのが現状である。
【0005】他の方法としては例えば米国特許第 5,45
6,000号に記載されているように、結晶相と非晶質相と
が混在した高分子化合物を固体高分子電解質層として用
いて、この非晶質相に電解質を含浸する技術がある。こ
の技術は前述のヘテロ原子団を有する固体高分子電解質
層で見られるような形状保持の不安定性は実用上回避で
きるが、電解質の含浸率は高々30〜40重量% 程度である
ため、イオン伝導率は10-5〜10-4Ω/cm程度しか得られ
ず、実用電池としては低く過ぎる。
【0006】このために、上記した米国特許第 5,456,0
00号には、高分子電解質となるフッ化ビニリデン−ヘキ
サフルオロプロピレン共重合体(以下、(VdF−HF
P)共重合体と記す)のような高分子材料に、ジブチル
フタレート、ジメチルフタレート、 tris-ブトキシエチ
ルホスフェートのような可塑剤を配合して、この可塑剤
を配合した原料を用いて製膜し、この膜中から可塑剤を
エタノールのような低級アルコール、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、へキサンのような低沸点溶剤
で抽出除去してから、電解質を含む非水溶液系電解液を
含浸する技術が記載されている。このような方法を適用
することによって、非水溶液系電解液の含浸率を60〜70
重量% とすることができ、イオン伝導率が10-2〜10-3Ω
/cmに向上することが示されている。
【0007】上記した方法を採用する場合、可塑剤は電
池の使用電位で酸化還元反応を起こすため、電池系では
完全に除去しておく必要がある。しかし、上述したよう
な従来の抽出溶媒は、可塑剤の溶解性や高分子化合物内
部への拡散浸透性が不十分で、可塑剤の完全抽出に長時
間要するというような問題や、また抽出溶媒が固体高分
子電解質層中に残存した場合に、電池使用状態で酸化還
元を受けて電池系に悪影響を及ぼすというような問題を
有していた。さらに、上述した従来の抽出溶媒は、いず
れも可塑剤を溶解抽出すると同時に固体高分子電解質層
となる高分子化合物を収縮させ、非水溶液系電解液の含
浸量を低下させてしまうという欠点を有していた。ま
た、可塑剤の溶解抽出工程の作業環境等を考慮した場
合、抽出溶媒は人体に対して安全であり、さらに最近注
目されているように地球環境を阻害しない等の特性を有
することが望まれる。
【0008】一方、非水溶液系電解液自体についても、
充放電効率のより一層の向上等を目的とした改良が望ま
れている。すなわち、非水溶液系電解液は有機溶媒とそ
れに溶解されてその中でイオン移動を行うイオン性化合
物(電解質)とから構成される。これらのうち、有機溶
媒には高誘電率であることに加えて、電池の内部インピ
ーダンスを高めないように、電池の作動温度においてイ
オン伝導を容易にする低粘性であることが求められる。
従来の非水溶液系電解液の溶媒には、エチレンカーボネ
ート等の高誘電率物質が使われているが、常温では固体
であったり、また粘度の高い液体が多いために、実際の
電解液は低粘度の溶媒と混合し、見掛けの電解液粘度を
低くして金属イオンの移動度を損わないようにしてい
る。また、低粘度の溶媒には、電極活物質層にリチウム
イオン等の金属イオンをインターカレートあるいはデイ
ンターカレートしやすくするために、活物質の表面活性
を向上させ得る液体であることが望まれる。
【0009】上述したような特性が要求される低粘度の
溶媒としては、従来ジメチルカーボネート、ジエメチル
カーボネート等の鎖状カーボネート等が使用されている
が、電池特性の向上を図る上で、非水溶液系電解液のよ
り一層の低粘性化や電極活物質の表面活性を高めること
が可能な溶媒が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の可塑剤を併用した非水溶液系電池の固体高分子電解質
層の製造工程においては、以下に示すような特性を有す
る可塑剤の抽出溶媒が求められている。すなわち、可塑
剤との溶解性が大きく、かつ表面張力が小さくて固体高
分子電解質層を構成する高分子化合物の内部まで速やか
に拡散浸透する、可塑剤の抽出時に高分子化合物を収縮
させることがない、抽出温度での蒸気圧が大きく速やか
に揮散し、さらに万一高分子化合物層内に残存しても電
池系に悪影響を及ぼさない、人体に安全であると共に地
球環境を阻害しない、等の特性を有する可塑剤の抽出溶
媒が望まれている。
【0011】また、非水溶液系電解液自体については、
充放電効率の向上等を目的とした改良が望まれており、
具体的には非水溶液系電解液をより一層低粘性化するこ
とができると共に、電極活物質の表面活性を高めること
が可能な溶媒が求められている。
【0012】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、非水溶液系電解液を用いた固体高分
子電解質型電池を可塑剤を併用して製造するにあたり、
可塑剤の抽出効率等や非水溶液系電解液の含浸量を高め
ると共に、万一抽出溶媒が固体高分子電解質層内に残存
しても電池系に悪影響を及ぼすことがない固体高分子電
解質型電池の製造方法および固体高分子電解質型電池を
提供することを目的としており、さらにはより一層低粘
性化や電極活物質の表面活性の向上を図った電池用非水
溶液系電解液を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、種々の溶媒について検討を進めた結果、下記の(1)
式で表される低分子量鎖状有機シリコーン化合物、およ
び (2)式で表される低分子量環状有機シリコーン化合物
は、 (a)電池形成に用いる可塑剤の良溶液であり、ほと
んどの可塑剤を容易に溶解して抽出除去する、 (b)表面
張力が15dyn/cm前後と従来の抽出溶液と比べても小さ
く、電池構成組成物の微細部分に迅速に浸透しやすい、
(c)可塑剤の抽出時に高分子化合物を収縮させることが
ない、(d)抽出温度での蒸気圧が大きく速やかに揮散す
る、 (e)人体に極めて安全であると共に地球環境を損う
ことがない等、固体高分子電解質層を可塑剤を併用して
製造する際の可塑剤の抽出溶媒に求められる各種特性を
有しており、それに加えて、 (f)本質的に低粘度である
と共に、電池使用状態の温度範囲における粘度変化が小
さく、金属イオンの移動性を安定して高めることができ
る、 (g)電池使用条件下で化学的な変化が少なく、電池
系に悪影響を及ぼさないと共に耐劣化性に富む等、非水
溶液系電解液の低粘度溶媒に求められる各種特性を有し
ていることを見出した。
【0014】本発明は上記したような知見に基いて成さ
れたもので、本発明の固体高分子電解質型電池の製造方
法は、請求項1に記載したように、非水溶液系電解液を
保持した高分子化合物層を有する固体高分子電解質層を
介して、正極と負極とが対向配置された固体高分子電解
質型電池の製造方法において、可塑剤と前記高分子化合
物とを含有する高分子組成物を層状に成形した後、前記
可塑剤を
【化7】 で表される鎖状有機シリコーン化合物、および
【化8】 で表される環状有機シリコーン化合物から選ばれる少な
くとも 1種の低分子量有機シリコーン化合物を用いて溶
解抽出する工程と、前記可塑剤が溶解抽出された前記高
分子化合物層に、前記非水溶液系電解液を含浸して、前
記固体高分子電解質層を形成する工程とを有することを
特徴としている。
【0015】また、本発明の固体高分子電解質型電池
は、非水溶液系電解液を保持した高分子化合物層を有す
る固体高分子電解質層と、前記固体高分子電解質層を介
して対向配置された正極および負極とを具備する固体高
分子電解質型電池において、前記非水溶液系電解液は、
上記 (1)式で表される鎖状有機シリコーン化合物、およ
び上記 (2)式で表される環状有機シリコーン化合物から
選ばれる少なくとも 1種の低分子量有機シリコーン化合
物を、イオン伝導性向上剤として含有する非水溶液系電
解液組成物からなることを特徴としている。
【0016】さらに、本発明の電池用非水溶液系電解液
は、上記 (1)式で表される鎖状有機シリコーン化合物、
および上記 (2)式で表される環状有機シリコーン化合物
から選ばれる少なくとも 1種の低分子量有機シリコーン
化合物を、イオン伝導性向上剤として含有する非水溶液
系電解液組成物からなることを特徴としている。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0018】本発明の固体高分子電解質型電池の製造方
法を非水溶液系のリチウム二次電池の製造方法に適用し
た一実施形態について説明する。製造方法について詳述
する前に、まず非水溶液系リチウムの二次電池の構成に
ついて、図1を参照して説明する。なお、このリチウム
二次電池は本発明の固体高分子電解質型電池の一実施形
態であり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0019】図1は、この実施形態の固体高分子電解質
型のリチウム二次電池の要部、すなわち電池セル部分を
示しており、1は集電体2上に正極層3を積層形成して
構成した正極である。また、4は集電体5上に負極層6
を積層形成して構成した負極であり、この負極4の負極
層6が正極1の正極層3と対向するように配置されてい
る。これら正極1と負極4との間には、固体高分子電解
質層7が正極層3および負極層6間に位置するように介
在されている。これらによって電池セル8が構成されて
おり、この電池セル8の巻回体や積層体等を電池容器に
収容することによって、固体高分子電解質型のリチウム
二次電池が構成される。
【0020】上記した正極1は、活物質、非水溶液系電
解液およびこの電解液を保持する高分子化合物から構成
される活性層としての正極層3を集電体2で担持した構
造を有している。ここで、活物質としては種々の酸化
物、例えばLiMn2 4 等のリチウムマンガン複合酸
化物、LiNiO2 等のリチウム含有ニッケル酸化物、
LiCoO2 等のリチウム含有コバルト酸化物、リチウ
ム含有ニッケルコバルト酸化物、リチウムを含む非晶質
五酸化バナジウム等や、例えば二硫化チタンや二硫化モ
リブデン等のカルゲコン化合物等を挙げることができ
る。なかでも、リチウムマンガン複合酸化物、リチウム
含有コバルト酸化物およびリチウム含有ニッケル酸化物
は、電界による劣化が少ない上に、電池として利用でき
る電荷の効率がよいことから好ましく用いられる。
【0021】上述した非水溶液系電解液は、有機溶媒等
の非水系溶媒に電解質を溶解させることにより調整され
る。非水系溶媒としては、エチレンカーボネート(E
C)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカー
ボネート(BC)、ジメチルカーボネート(DMC)、
ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボ
ネート(EMC)、γ- ブチロラクトン(γ−BL)、
スルホラン、アセトニトリル、1,2-ジメトキシエタン、
1,3-ジメトキシプロパン、ジメチルエーテル、テトラヒ
ドロフラン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン等
の一般的に電池用電解液として使用される有機溶媒に加
えて、前述した (1)式または (2)式で表される低分子量
有機シリコーン化合物を挙げることができる。
【0022】通常、非水系溶媒は高誘電率を有する溶媒
と低粘度の溶媒とを組合せた混合溶媒として使用され、
低分子量有機シリコーン化合物は低粘性溶媒の一種等と
して用いることができる。なお、この低粘性溶媒の一種
等として用いられる低分子量有機シリコーン化合物、お
よびこれを用いた非水溶液系電解液組成物については後
に詳述する。
【0023】また、上記した電解質としては、例えば過
塩素酸リチウム(LiClO4 )、六フッ化リン酸リチ
ウム(LiPF6 )、ホウ四フッ化リチウム(LiBF
4 )、六フッ化砒素リチウム(LiAsF6 )、トリフ
ルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCF3
3 )、ビストリフルオロメチルスルホメチルホニルイ
ミドリチウム[LiN(CF3 SO3 2 ]等のリチウ
ム塩が挙げられる。これら電解質の非水系溶媒に対する
溶解量は 0.2〜2mol/L程度とすることが好ましい。
【0024】上述したような非水溶液系電解液を保持す
る高分子化合物としては、フッ化ビニリデン、フッ化ビ
ニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体((Vd
F−HFP)共重合体)等のフッ素系高分子化合物、ポ
リエチレンオキシドのようなアルキレンオキシド系高分
子化合物等を挙げることができる。この場合、ポリビニ
リデンフロライドやポリテトラフルオロエチレンのよう
なフッ素系高分子化合物を活物質のバインダとして単独
で用いたり、また(VdF−HFP)共重合体と混合し
て用いることを妨げるものではない。
【0025】上記した高分子化合物のうち、活性層とし
ての正極層3を後述する固体高分子電解質層7と同様な
方法で作製する場合には、フッ化ビニリデンや(VdF
−HFP)共重合体を用いることが好ましい。なお、正
極層3に導電性を与えるために、例えば人造黒鉛、アセ
チレンブラック等のカーボンブラック、ニッケル粉末等
を併用することができる。
【0026】また、正極1の集電体2としては、例えば
アルミニウムやニッケルの箔、メッシュ、エキスパンド
メタル、パンチドメタル等が使用される。
【0027】負極4は、活物質、非水溶液系電解液およ
びこの電解液を保持する高分子化合物等から構成された
活物質層としての負極層6を、集電体5で担持した構造
を有しており、負極層6が正極1の正極層3と対向する
ように、固体高分子電解質層7を介して配置されてい
る。負極4の基本構造および使用材料の一部は、上述し
た正極1と類似しているが、正極1と異にする材料はリ
チウムイオンをインターカレートする活物質および集電
体5の材質である。
【0028】すなわち、負極層6の構成要素の一つであ
る活物質には、リチウムイオンを吸蔵・放出する、すな
わちインターカレートおよびデインターカレートするこ
とが可能な、例えば炭素質材料が用いられる。この炭素
質材料としては、例えばフェノール樹脂、ポリアクリロ
ニトリル、セルロース等の有機高分子化合物を焼成して
得られるもの、コークスやピッチを焼成して得られるも
の、人造グラファイトや天然グラファイト等に代表され
る炭素質材料等を挙げることができる。なかでも、アル
ゴンや窒素等の不活性ガス雰囲気中にて、常圧または減
圧下で 773〜3273Kの温度で上記有機高分子化合物を焼
成して得られるメゾカーボンは、リチウムイオンのイン
ターカレート特性に優れていることが知られている。も
ちろん導電性の向上を図るために、ケッチェンブラック
やカーボンブラック等を併用してもよい。
【0029】また、負極4の集電体5としては、正極1
でのアルミニウム等に代えて銅等を用いて、正極集電体
2の外観形状と同様な形状のものを使用する。なお、負
極層6の構成要素の一つである高分子化合物には、正極
層3と同様なものが使用される。また、非水溶液系電解
液については上述した通りである。
【0030】上述した正極1と負極4との間に配置され
る固体高分子電解質層7は、上述したような非水溶液系
電解液およびこの電解液を保持する高分子化合物から構
成される。すなわち、非水溶液系電解液の保持機能を有
する高分子化合物層に、非水溶液系電解液を含浸して保
持させることによって、固体高分子電解質層7が構成さ
れる。本発明においては、後に詳述するように、高分子
化合物層を形成する際に可塑剤を併用し、この可塑剤を
前述した (1)式または (2)式で表される低分子量有機シ
リコーン化合物で抽出除去することによって、高分子化
合物層に非水溶液系電解液を高含浸させるものである。
【0031】固体高分子電解質層7の主体となる高分子
化合物としては、フッ化ビニリデンや(VdF−HF
P)共重合体等のフッ素系高分子化合物が用いられ、特
に上述した非水溶液系電解液の保持機能に優れる(Vd
F−HFP)共重合体が好ましく用いられる。この(V
dF−HFP)共重合体において、フッ化ビニリデンは
特に共重合体の骨格部で機械的強度の向上に寄与し、ヘ
キサフルオロプロピレンは共重合体に非晶質の状態で取
り込まれ、非水溶液系電解液の保持とリチウムイオンの
透過部として機能する。このような高分子化合物からな
る固体高分子電解質層7の基材層に含浸する非水溶液系
電解液については前述した通りである。
【0032】次に、上述した固体高分子電解質型リチウ
ム二次電池の製造方法について説明する。
【0033】まず、本発明の特徴の一つである固体高分
子電解質層7の作製方法について述べる。すなわち、上
述したフッ化ビニリデンや(VdF−HFP)共重合体
等のフッ素系高分子化合物に可塑剤(可塑性溶媒)を配
合して、高分子化合物層の形成材料となる高分子組成物
を調製する。
【0034】ここで、上記した可塑剤としては、ジブチ
ルフタレート(DBP)、ジメチルフタレート(DM
P)、ジエチルフタレート(DEP)、プロピレンカー
ボネート(PC)、 tris-ブトキシエチルホスフェート
等が用いられる。また、これら可塑剤の配合量は、上記
高分子組成物において20〜70重量% の範囲とすることが
好ましい。可塑剤の配合量が20重量% 未満であると、非
水溶液系電解液の保持量が不足して十分なイオン伝導性
が得られないおそれがあり、一方可塑剤の配合量が70重
量% を超えると、固体高分子電解質層7の基材層となる
高分子化合物層の形状保持能や強度等が低下する。特
に、本発明においては後述するように、可塑剤の溶解抽
出効率が高い低分子量有機シリコーン化合物を用いるこ
とから、可塑剤の配合量を50〜70重量% の範囲と多量に
しても、可塑剤残渣の発生を有効に防止することができ
る。すなわち、高分子化合物層に非水溶液系電解液を高
含浸させることができる。
【0035】上記したような高分子化合物と可塑剤とを
含有する高分子組成物を有機溶媒に溶解させてペースト
化し、この高分子組成物ペーストを層状に成形する。具
体的には、高分子組成物ペーストを例えばナイフコータ
ーで製膜した後、有機溶媒を揮散させて高分子組成物の
層状成形体を作製する。この層状成形体は単独で形成し
てもよいし、また正極1や負極4との積層体として作製
してもよい。
【0036】次に、上記した高分子組成物の層状成形体
に含まれる可塑剤を溶解抽出する。この可塑剤の溶解抽
出には、
【化9】 で表される鎖状有機シリコーン化合物、および
【化10】 で表される環状有機シリコーン化合物から選ばれる少な
くとも 1種の液状の低分子量有機シリコーン化合物を用
いる。
【0037】上記 (1)式および (2)式におけるR基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オ
クチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基等のア
リール基、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、β-
フェニルエチル基、γ- フェニルプロピル基等のアラル
キル基等の非置換の 1価の有機基、およびこれらの基の
炭素原子に結合した水素原子をハロゲン原子、シアノ
基、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、アミノ
基、アルコキシ基等で置換した 1価の有機基が例示され
る。中でも、安定性等の点からメチル基やフェニル基が
好ましく用いられ、特に揮発性等の点からメチル基が望
ましい。
【0038】また、上述した (1)式におけるmは 0〜 7
の整数であり、 (2)式におけるnは3〜10の整数であ
る。mおよびnが上記した範囲を超えると、粘度、揮発
性、安定性等が低下する。特にmおよびnは低粘度およ
び良好な安定性等が得る上で、mは 0〜 5の範囲とする
ことが、またnは 3〜 7の範囲とすることが望ましい。
上記した低分子量有機シリコーン化合物の具体例として
は、ヘキサメチルジシロキサン(MM)、オクタメチル
トリシロキサン(MDM)、デカメチルテトラシロキサ
ン(MD2M)等の鎖状ポリメチルシロキサンや、オク
タメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチル
シクロペンタシロキサン(D5)等の環状ポリメチルシ
ロキサン、さらにはこれらのメチル基の一部もしくは全
てを他のアルキル基、フェニル基、アラルキル基、アル
コキシ基、エステル基、アミノ基、エポキシ基、ハロゲ
ン置換基等で変性した化合物等が挙げられる。
【0039】上述したような低分子量有機シリコーン化
合物による可塑剤の抽出は、可塑剤を含む高分子組成物
の層状成形体を低分子量有機シリコーン化合物(液体)
に漬浸したり、あるいは低分子量有機シリコーン化合物
の蒸気浴に可塑剤を含む高分子組成物の層状成形体を晒
す等の種々の方法により実施することができる。また、
低分子量有機シリコーン化合物に漬浸する際には、加
温、揺動、超音波照射等を併用することもできる。
【0040】ここで、上述したような可塑剤の抽出溶媒
には、種々の可塑剤を良好に溶解し得ること、高分子組
成物の層状成形体の内部深くにまで速やかに浸透して効
率よく可塑剤を溶解し得ること、可塑剤の溶解抽出後に
は速やかに揮散して残存しないこと等が求められる。な
お、可塑剤の溶解抽出後における速やかな揮散は、従来
の可塑剤抽出溶媒は残存すると電池電圧で酸化還元を受
け、電池特性に悪影響を及ぼすために求められていた特
性である。
【0041】このような可塑剤抽出溶媒への要求特性に
対して、上述した低分子量有機シリコーン化合物の物性
上の共通する特徴は、まず第1に上記したような可塑剤
の良溶液であり、従ってほとんどの可塑剤を容易に溶解
して、これを効率よく抽出除去することができる。
【0042】第2に、表面張力が15dyn/cm前後と従来の
抽出溶媒と比べても小さく、高分子組成物の層状成形体
の内部や微細部分等に迅速に浸透して、可塑剤を短時間
で抽出除去することができる。特に、固体高分子電解質
層7を正極1や負極4との積層体として処理、作製する
際には、低分子量有機シリコーン化合物の良好な浸透性
がより一層効果を発揮する。
【0043】第3に、揮発性に優れることから、可塑剤
の溶解抽出後には速やかに揮散し、可塑剤の抽出工程を
効率よく実施することができる。ただし、後に詳述する
ように、上述した低分子量有機シリコーン化合物は、固
体高分子電解質層7中に残存しても電池特性に悪影響を
及ぼすおそれがなく、また単に悪影響を及ぼさないだけ
ではなく、非水溶液系電解液の低粘性化、すなわちイオ
ン伝導度の向上に寄与するため、電池特性の向上を図る
ことができる。
【0044】さらに、上記したような特徴に加えて、上
述した低分子量有機シリコーン化合物は高分子組成物の
層状成形体から可塑剤を溶解抽出する際に、固体高分子
電解質層7の基材となる高分子化合物をほとんど収縮さ
せることがない。これによって、より多くの非水溶液系
電解液を含浸することが可能となる。これはイオン伝導
度の改善に寄与する。また、上述した低分子量有機シリ
コーン化合物は人体や環境等に対して極めて安全である
ため、電池の製造作業環境並びに地球環境を損うことが
ない等という利点も有している。
【0045】上述したように、高分子組成物の層状成形
体からの可塑剤の溶解抽出に、 (1)式または (2)式で表
される低分子量有機シリコーン化合物を用いることによ
って、可塑剤を残存させることなく短時間で効率よく可
塑剤を抽出除去することが可能となる。また、溶解抽出
に用いた低分子量有機シリコーン化合物は短時間で揮散
し、たとえ低分子量有機シリコーン化合物が残存したと
しても、電池特性に悪影響を及ぼすことはない。さらに
は、高分子化合物をほとんど収縮させることがないた
め、より多くの非水溶液系電解液を含浸させることが可
能となる。
【0046】低分子量有機シリコーン化合物で可塑剤を
溶解抽出した高分子化合物層が固体高分子電解質層7の
基材層となる。そして、この高分子化合物層に非水溶液
系電解液を含浸させることによって、固体高分子電解質
層7が得られる。高分子化合物層に対する非水溶液系電
解液の含浸量は、前述したように20〜70重量% の範囲、
特に50〜70重量% の範囲とすることが好ましい。
【0047】次に、正極1および負極4の作製方法につ
いて述べる。正極1の作製にあたっては、まず前述した
活物質、非水溶液系電解液を保持する高分子化合物、お
よび必要に応じて導電性材料を、上記高分子化合物が可
溶な有機溶媒に混合してペーストを調整する。次いで、
このペーストを製膜することにより電解液未含浸の正極
層3を得る。これを集電体1に積層し、これに非水溶液
系電解液を含浸させることによって正極1が得られる。
あるいは、上記ペーストを集電体2に塗布し、これに非
水溶液系電解液を含浸させることができる。非水溶液系
電解液の含浸は、固体高分子電解質層7との積層体を作
製した後に実施してもよい。なお、負極4も基本的には
正極1と同様にして作製される。
【0048】ここで、活物質層である正極層3および負
極層6は、前述した固体高分子電解質層7と同様に、可
塑剤を配合した高分子組成物を用いると共に、可塑剤を
上述した低分子量有機シリコーン化合物により溶解抽出
する工程を経て作製してもよい。すなわち、活物質、正
極層3や負極層6の基材層となる高分子化合物、および
可塑剤を含む高分子組成物を有機溶媒を用いてペースト
化し、このペーストを製膜した後、この膜(層)状成形
体から上述した低分子量有機シリコーン化合物により可
塑剤を溶解抽出し、その後非水溶液系電解液を含浸させ
ることによって、正極層3や負極層6を形成してもよ
い。
【0049】上述したような製造方法を適用することに
よって、正極層3や負極層6に対する非水溶液系電解液
の含浸量を高めることができるため、より一層電池特性
の向上を図ることができる。さらに、上述した低分子量
有機シリコーン化合物は高分子組成物の層状成形体から
可塑剤を溶解抽出する際に、この層状成形体に含まれる
活物質の表面活性を向上させることから、活物質層にリ
チウムイオンをインターカレートあるいはデインターカ
レートしやすくなる。これによって、電池の内部インピ
ーダンスを低減することが可能となることから、電池容
量を十分に負荷に供給することが、すなわちいわゆる電
池効率を向上させることができる。
【0050】上述した実施形態においては、本発明の製
造方法を固体高分子電解質型のリチウム二次電池を製造
する場合について説明したが、本発明はこれに限られる
ものではなく、イオン伝導タイプの固体高分子電解質型
電池であれば種々の電池の製造に適用することができ
る。具体的には、(−)Li/LiAlCl4 −SOC
2 /SOCl2 (+)等で示される塩化チオニルリチ
ウム電池、(−)Li/MnO2 (+)等で示されるリ
チウムボタン電池(小型電池)、導電性高分子を用いた
ポリマー電池等の製造に適用することが可能である。
【0051】ところで、上記 (1)式または (2)式で表さ
れる低分子量有機シリコーン化合物は前述した特徴に加
えて、本質的に低粘度であると共に、電池使用状態の温
度範囲における粘度変化が小さく、さらに安定性が高く
電池電圧での化学的な変化が少ないというような特徴を
有している。すなわち、低分子量有機シリコーン化合物
は、通常の非水溶液系電池の酸化還元電位の高領域であ
る5V程度においても安定で、電池反応に悪影響を及ぼす
変化は示さず、さらには電極活物質の表面に作用して好
ましい表面改質を与える。
【0052】従って、上述した本発明の製造方法の実施
形態で述べたように、可塑剤の溶解抽出に使用した低分
子量有機シリコーン化合物が残存しても、電池特性に悪
影響を及ぼすことはなく、さらには積極的に低分子量有
機シリコーン化合物を非水溶液系電解液の一成分として
使用することができる。本発明の電池用非水溶液系電解
液は、上記したように低分子量有機シリコーン化合物を
必然的にもしくは積極的に含有する非水溶液系電解液組
成物からなるものである。
【0053】低分子量有機シリコーン化合物は、その低
粘度でかつ粘度変化が小さいという特性を利用してイオ
ン伝導性向上剤として非水溶液系電解液に含有させるこ
とができる。これによって、リチウムイオン等の金属イ
オンの移動性を高めることができ、かつその良好なイオ
ン伝導性を安定に保つことができることから、温度依存
性の少ない電池を得ることが可能となる。
【0054】このイオン伝導性向上剤としての低分子量
有機シリコーン化合物は、単に非水溶液系電解液の粘度
低下に寄与するだけでなく、上記したように電極活物質
の表面活性を高める作用をさらに有することから、正極
層3および負極層6における金属イオンのインターカレ
ーションおよびデインターカレーションのしやすさの向
上にも寄与する。これによって、電池の内部インピーダ
ンスを低下させることができ、電池効率の改善を図るこ
とが可能となる。
【0055】さらに、低分子量有機シリコーン化合物は
安定性に優れ、上述したように電池電圧での化学的な変
化が少なく、耐劣化性に富むことから、低分子量有機シ
リコーン化合物を一成分として用いた非水溶液系電解液
を使用することによって、長期間使用しても特性劣化の
少ない高品質の電池を得ることができる。
【0056】ここで、通常、非水溶液系電解液における
非水系溶媒は、前述したように高誘電率を有する溶媒と
低粘度の溶媒とを組合せた混合溶媒として使用される。
低分子量有機シリコーン化合物は、上述したようにイオ
ン伝導性向上剤として従来の非水溶液系電解液に配合し
て用いることができ、この場合には上記した低粘性溶媒
の一部として使用されることになるが、さらには低粘性
溶媒の主体として用いることも可能である。この場合に
も、低分子量有機シリコーン化合物はイオン伝導性向上
剤として機能することは言うまでもない。
【0057】上記したような低分子量有機シリコーン化
合物の使用形態のいずれにおいても、他の溶媒には低分
子量有機シリコーン化合物と相溶性に優れるものを使用
することが好ましく、具体的には低分子量有機シリコー
ン化合物は溶媒和係数(SP値)が 5〜 6程度であるた
め、溶媒和係数(SP値)が 4〜13程度の炭化水素系有機
溶媒を用いることが好ましい。これは溶媒和係数(SP
値)の差があまり大きいと相溶性が低下するためであ
り、炭化水素系有機溶媒のより好ましい溶媒和係数(SP
値)は 5〜10の範囲である。具体的には、高誘電率を有
する溶媒としてはγ-ブチロラクトン(γ−BL)等
が、また併用する低粘度溶媒としてはテトラヒドロフラ
ン(THF)、2-メチルテトラヒドロフラン等が挙げら
れる。すなわち、低分子量有機シリコーン化合物を配合
した非水溶液系電解液としては、電解質、低分子量有機
シリコーン化合物、および溶媒和係数(SP値)が 4〜13
程度(より好ましくは 5〜10程度)の炭化水素系有機溶
媒とを含有する非水溶液系電解液組成物を用いることが
好ましい。
【0058】非水溶液系電解液における低分子量有機シ
リコーン化合物の配合量は 3〜95重量% の範囲とするこ
とが好ましい。低分子量有機シリコーン化合物の配合量
が3重量% 未満であると、当該低分子量有機シリコーン
化合物の低粘度特性が顕著に発揮され難く、一方95重量
% を超えると配合溶剤組成系の誘電率が十分に維持され
難いために電池用溶剤の品質にそぐわなくなる。特に、
これら両者の特質を十分に発揮したバランスの良好な電
池用溶剤とする上で、低分子量有機シリコーン化合物の
配合量は 5〜80重量% の範囲とすることが好ましい。
【0059】非水溶液系電解液の一成分として用いる低
分子量有機シリコーン化合物は、(1)式で表される鎖状
有機シリコーン化合物、および (2)式で表される環状有
機シリコーン化合物のいずれであってもよいが、粘度が
より低い鎖状有機シリコーン化合物が好ましく用いられ
る。またこれらの混合物として使用する場合には、粘度
がより低い鎖状有機シリコーン化合物の環状有機シリコ
ーン化合物に対する配合比を95〜10重量% の範囲とする
ことが好ましく、より好ましくは90〜50重量% の範囲で
ある。
【0060】上述したような低分子量有機シリコーン化
合物が必然的に含有された非水溶液系電解液、もしくは
積極的に配合した非水溶液系電解液は、例えば前述した
実施形態の固体高分子電解質型リチウム二次電池に好ま
しく用いられる。リチウム二次電池の具体的な構成は前
述した通りであり、この低分子量有機シリコーン化合物
を含有する水溶液系電解液を用いたリチウム二次電池が
本発明の固体高分子電解質型電池の実施形態となる。
【0061】また、上記低分子量有機シリコーン化合物
を含有する水溶液系電解液は、可塑剤の介入の有無にか
かわらず、前述した種々の固体高分子電解質型電池に使
用することができ、またさらに固体高分子電解質型電池
に限らず、各種の非水溶液系電池の電解液として用いる
ことが可能である。
【0062】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0063】実施例1〜2、比較例1〜4 まず本発明の固体高分子電解質型電池の製造方法の実施
例について説明する。正極の活物質としてLiCoO2
で表されるリチウム含有コバルト酸化物(日本重化学工
業(株)製)、導電性材料としてアセチレンブラック、
非水溶液系電解液を保持しかつバインダとして機能する
高分子化合物として(VdF−HFΡ)共重合体粉末
(エルファトケム社製、Kynar 2801,VdF:HFPの
共重合比は88:12)、および可塑剤としてジブチルフタ
レート(DBP)を用意し、これらを重量比で56:5:17:
22となるように、溶剤としてのアセトン中で混合してペ
ースト化した。このペーストを集電体としてのアルミニ
ウムメッシュ上にナイフコータで塗布した後、上記溶剤
を揮散させることによって、正極層となる厚さ約150μm
の可塑剤含有層状成形体を作製した。
【0064】一方負極の活物質としてメソフェーズピッ
チ系炭素繊維((株)ペトカ製)、非水溶液系電解液を
保持しかつバインダとして機能する高分子化合物として
正極と同一の(VdF−HFΡ)共重合体粉末、および
可塑剤として正極と同一のDBFを用意し、これらを重
量比で58:17:25となるように、溶剤としてのアセトン中
で混合してペースト化した。このペーストを集電体とし
ての銅メッシュ上にナイフコータで塗布した後、上記溶
剤を揮散させることによって、負極層となる厚さ約 130
μm の可塑剤含有層状成形体を作製した。
【0065】次に、上記した正極および負極と同様に、
非水溶液系電解液を保持する高分子化合物としての(V
dF−HFP)共重合体と可塑剤としてのDBPとを、
重量比で50:50となるように、溶剤としてのアセトン中
で混合してペースト化した。このペーストをガラス板上
にナイフコータで塗布し、上記溶剤を揮散させた後、ガ
ラス板から剥離して、固体高分子電解質層の基材層とな
る厚さ約90μm の可塑剤含有層状成形体を作製した。
【0066】このようにして得た正極となる集電体およ
び層状成形体、固体高分子電解質層となる層状成形体、
負極となる層状成形体および集電体を、この順序で積層
した後、403Kの熱ロールで圧着して、図1に示した電池
セル8の元となる積層構造体を作製した。
【0067】次に、まず実施例1としてDBPの抽出溶
媒にヘキサメチルジシロキサン(MM)を用い、上記積
層構造体を常温のMMに浸漬して、可塑剤であるDBP
を溶解抽出して除去した。DBPの除去程度を紫外線分
光吸光度の 275μm 波長で追跡した結果、検出されなく
なるまで時間は 5〜 8分であった。
【0068】また、実施例2としてDBPの抽出溶媒に
オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)を用い、
同様に作製した積層構造体を常温のD4に浸漬して、可
塑剤であるDBPを溶解抽出して除去した。DBPの除
去程度を実施例1と同様に追跡した結果、検出されなく
なるまで時間は 7〜10分であった。
【0069】本発明との比較例として、DBPの抽出溶
媒にジエチルエーテル(比較例1)、メタノール(比較
例2)、へキサン(比較例3)をそれぞれ用い、同様に
作製した積層構造体を常温の各有機溶媒に浸漬して、可
塑剤であるDBPを溶解抽出して除去した。DBPの除
去程度を実施例1と同様に追跡した結果、検出されなく
なるまで時間はそれぞれ10〜15分、17〜25分、30〜40分
であった。
【0070】上記したDBPの除去結果から明らかなよ
うに、実施例1のMMおよび実施例2のD4は極めてD
BPの抽出能力に優れていることが分かる。これは、M
MやD4が比較例の抽出溶媒に比べて表面張力が小さい
ことに起因しており、そのためにMMやD4は電池の積
層構造体の内部深くにまで速やかに浸透し、これによっ
てDBPを短時間で除去することができる。
【0071】また、DBPの抽出が完了した後は、抽出
溶媒は積層構造体から速やかに揮散して残存させないこ
とが必要である(ただし、本発明によるMM等の低分子
量有機シリコーン化合物の場合には残存しても間題な
い)ため、DBPの除去終了後に室温に当該電池積層構
造体を放置して、内部に抽出溶媒が残存しなくなるまで
の時間を測定した。その結果、実施例1は15〜20分、実
施例2は17〜22分、各比較例はそれぞれ10〜15分、50〜
70分、 120分以上であった。
【0072】このようにしてDBPを完全に除去した各
実施例および各比較例の電池積層構造体に、エチレンカ
ーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)
とを容積比で 2:1で混合した混合溶媒に常温で1molのL
iPF6 電解質を溶解して調製したひ水溶液系電解液を
それぞれ含浸した。この含浸速度は極めて速く、 5分間
でほぼ飽和含浸量に達するが、その後も少しは含浸する
ためにこの実施例では20分間浸漬して含浸させた。
【0073】このようにして得た面積 4cm2 の各実施例
および各比較例の電池セルについて、電解液の含浸率、
イオン伝導度および内部インピーダンスを測定した。ま
た、これら電解質を含浸させた各電池セルについて、1C
の充電電流で4.2Vまで充電した後、2.7Vまで1Cの電流で
放電する充放電サイクルを繰り返し行い、 1サイクル目
の初期電池容量(mAh)、および10サイクル、50サイク
ル、 100サイクル目の初期電池容量に対する各容量維持
率を測定した。これらの測定結果を表1に示す。なお、
表1に示した比較例4は、上記実施例においてDBPを
用いない以外は同様にして電池セルを作製し、この電池
セルについて同様な測定を行ったものである。
【0074】
【表1】 表1から明らかなように、ヘキサメチルジシロキサン
(MM)やオクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4)は高分子化合物を収縮させることがないことから、
実施例1および実施例2では電解液の含浸率を大きくす
ることができ、よってイオン伝導度がよく、初期電池容
量が大きく、充放電サイクル特性もよいことが分かる。
また、電池の内部インピーダンスが低いのは、MMやD
4による活物質表面の改質効果に基くもので、このため
に電池容量を十分に負荷に供給することができ、いわゆ
る電池効率に優れるものである。
【0075】これらに対して、比較例1〜3による各抽
出溶媒では、高分子化合物からDBPを抽出すると同時
に当該高分子化合物を収縮させるために、その分イオン
電解液の含浸量が減少して電池の初期電池容量が低く、
充放電サイクル特性も悪い。また、電池の内部インピー
ダンスも実施例に比べて高いことが分かる。
【0076】なお、上記実施例1のMMに代えてオクタ
メチルトリシロキサン(MDM)やデカメチルテトラシ
ロキサン(MD2M)を用いた場合についても同様な結
果が得られ、また上記実施例2のD4に代えてデカメチ
ルシクロペンタシロキサン(D5)を用いた場合につい
ても同様な結果が得られた。
【0077】実施例3〜4、比較例5 次に、本発明の固体高分子電解質型電池の実施例につい
て説明する。
【0078】低分子量有機シリコーン化合物としてヘキ
サメチルジシロキサン(MM)を用いて、これとメチル
エチルカーボネート(MEC)とγ−ブチロラクトンと
の混合重量比が 1:1の混合溶剤(溶媒和係数(SP値)=
9.5)とを、MMの配合比が上記混合溶剤に対して30重
量% となるように混合し、この混合溶媒に常温で 1mol
のLiPF6 電解質を溶解して非水溶液系電解液(実施
例3)を調製した。
【0079】また、低分子量有機シリコーン化合物とし
てオクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)を用い
て、これとジメチルカーボネートとスルホランとの重量
比が2:1の液(溶媒和係数(SP値)=10.2)とを、D4の
配合比が45重量% となるように混合し、この混合溶媒に
常温で 2mol のLiBF4 電解質を溶解して非水溶液系
電解液(実施例4)を調製した。
【0080】さらに比較例5として、メチルエチルカー
ボネート(MEC)とγ−ブチロラクトンとを重量比で
1:1となるように混合し、この混合溶媒に常温で 1mol
のLiPF6 電解質を溶解して非水溶液系電解液を調製
した。
【0081】上述した各実施例3、4および比較例5に
よる各非水溶液系電解液を、上記実施例1、2および比
較例1と同様にして作製した電池積層構造体にそれぞれ
含浸(含浸時間=20分)した。
【0082】このようにして得た面積 4cm2 の各実施例
および各比較例の電池セルについて、電解液の含浸率、
イオン伝導度および内部インピーダンスを測定した。ま
た、これら電解質を含浸させた各電池セルについて、1C
の充電電流で4.2Vまで充電した後、2.7Vまで1Cの電流で
放電する充放電サイクルを繰り返し行い、 1サイクル目
の初期電池容量(mAh)、および10サイクル、50サイク
ル、 100サイクル目の初期電池容量に対する各容量維持
率を測定した。これらの測定結果を表2に示す。
【表2】 表2から明らかなように、ヘキサメチルジシロキサン
(MM)やオクタメチルシクロテトラシロキサン(D
4)を配合した非水溶液系電解液を用いた電池は、イオ
ン伝導度、内部インピーダンス、初期電池容量、充放電
サイクル特性がいずれも優れていることが分かる。特
に、実施例3および実施例4ではイオン伝導率が飛躍的
に向上したために、 2〜3Cの充放電を行っても電解質イ
オンの極間移動の追従性がよく、これにより急速充電並
びに放電容量の大きな負荷への対応に幅の広がりが示さ
れた。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の固体高分
子電解質型電池の製造方法によれば、可塑剤の抽出効率
等や非水溶液系電解液の含浸量を高めることができると
共に、抽出溶媒が固体高分子電解質層内に残存しても電
池系に悪影響を及ぼすことがない。これらによって、イ
オン伝導性、内部インピーダンス、充放電サイクル特性
等に優れた固体高分子電解質型電池を安定して得ること
が可能となる。また、本発明の電池用非水溶液系電解液
によれば、一層低粘性化や電極活物質の表面活性の向上
等を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による固体高分子電解質
型リチウム二次電池の要部構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1……正極 2、5……集電体 3……正極層 4……負極 6……負極層 7……固体高分子電解質層 8……電池セル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 齋藤 信宏 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内 (72)発明者 山藤 茂夫 東京都港区六本木6丁目2番31号 東芝シ リコーン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水溶液系電解液を保持した高分子化合
    物層を有する固体高分子電解質層を介して、正極と負極
    とが対向配置された固体高分子電解質型電池の製造方法
    において、 可塑剤と前記高分子化合物とを含有する高分子組成物を
    層状に成形した後、前記可塑剤を 【化1】 で表される鎖状有機シリコーン化合物、および 【化2】 で表される環状有機シリコーン化合物から選ばれる少な
    くとも 1種の低分子量有機シリコーン化合物を用いて溶
    解抽出する工程と、 前記可塑剤が溶解抽出された前記高分子化合物層に、前
    記非水溶液系電解液を含浸して、前記固体高分子電解質
    層を形成する工程とを有することを特徴とする固体高分
    子電解質型電池の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の固体高分子電解質型電池
    の製造方法において、前記正極および負極から選ばれる
    少なくとも 1つの電極の活物質層を、前記非水溶液系電
    解液を保持する高分子化合物、活物質および可塑剤を含
    有する高分子組成物を層状に成形した後、前記可塑剤を
    前記低分子量有機シリコーン化合物を用いて溶解抽出
    し、この可塑剤が溶解抽出された前記活物質を含む高分
    子化合物層に前記非水溶液系電解液を含浸して形成する
    ことを特徴とする固体高分子電解質型電池の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の固体高分子電解質型電池
    の製造方法において、前記非水溶液系電解液として、前
    記低分子量有機シリコーン化合物を含む非水溶液系電解
    液組成物を用いることを特徴とする固体高分子電解質型
    電池の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の固体高分子電解質型電池
    の製造方法において、前記高分子化合物として、フッ化
    ビニリデンまたはフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプ
    ロピレン共重合体を用いることを特徴とする固体高分子
    電解質型電池の製造方法。
  5. 【請求項5】 非水溶液系電解液を保持した高分子化合
    物層を有する固体高分子電解質層と、前記固体高分子電
    解質層を介して対向配置された正極および負極とを具備
    する固体高分子電解質型電池において、 前記非水溶液系電解液は、 【化3】 で表される鎖状有機シリコーン化合物、および 【化4】 で表される環状有機シリコーン化合物から選ばれる少な
    くとも 1種の低分子量有機シリコーン化合物を、イオン
    伝導性向上剤として含有する非水溶液系電解液組成物か
    らなることを特徴とする固体高分子電解質型電池。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の固体高分子電解質型電池
    において、 前記非水溶液系電解液組成物は、電解質、前記低分子量
    有機シリコーン化合物、および溶媒和係数(SP値)が 4
    〜13の炭化水素系溶媒を少なくとも含有することを特徴
    とする固体高分子電解質型電池。
  7. 【請求項7】 請求項5記載の固体高分子電解質型電池
    において、 前記高分子化合物層は、フッ化ビニリデンまたはフッ化
    ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体からな
    ることを特徴とする固体高分子電解質型電池。
  8. 【請求項8】 【化5】 で表される鎖状有機シリコーン化合物、および 【化6】 で表される環状有機シリコーン化合物から選ばれる少な
    くとも 1種の低分子量有機シリコーン化合物を、イオン
    伝導性向上剤として含有する非水溶液系電解液組成物か
    らなることを特徴とする電池用非水溶液系電解液。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の電池用非水溶液系電解液
    において、 前記非水溶液系電解液組成物は、電解質、前記低分子量
    有機シリコーン化合物、および溶媒和係数(SP値)が 4
    〜13の炭化水素系溶媒を少なくとも含有することを特徴
    とする電池用非水溶液系電解液。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の電池用非水溶液系電解
    液において、 前記非水溶液系電解液組成物は、前記低分子量有機シリ
    コーン化合物を 3〜95重量% の範囲で含有することを特
    徴とする電池用非水溶液系電解液。
JP8124811A 1996-05-20 1996-05-20 固体高分子電解質型電池の製造方法、固体高分子電解質型電池および電池用非水溶液系電解液 Withdrawn JPH09306544A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8124811A JPH09306544A (ja) 1996-05-20 1996-05-20 固体高分子電解質型電池の製造方法、固体高分子電解質型電池および電池用非水溶液系電解液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8124811A JPH09306544A (ja) 1996-05-20 1996-05-20 固体高分子電解質型電池の製造方法、固体高分子電解質型電池および電池用非水溶液系電解液

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09306544A true JPH09306544A (ja) 1997-11-28

Family

ID=14894712

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8124811A Withdrawn JPH09306544A (ja) 1996-05-20 1996-05-20 固体高分子電解質型電池の製造方法、固体高分子電解質型電池および電池用非水溶液系電解液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09306544A (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999056336A1 (fr) * 1998-04-27 1999-11-04 Sony Corporation Accumulateur electrique a electrolyte solide
WO1999056337A1 (en) * 1998-04-27 1999-11-04 Sony Corporation Solid electrolytic secondary battery
US6872493B2 (en) 2000-10-30 2005-03-29 Denso Corporation Nonaqueous electrolytic solution and nonaqueous secondary battery
CN1309114C (zh) * 2003-07-18 2007-04-04 索尼株式会社 电解质和使用该电解质的电池
US7226702B2 (en) 2002-03-22 2007-06-05 Quallion Llc Solid polymer electrolyte and method of preparation
US7473491B1 (en) 2003-09-15 2009-01-06 Quallion Llc Electrolyte for electrochemical cell
US7588859B1 (en) 2004-02-11 2009-09-15 Bookeun Oh Electrolyte for use in electrochemical devices
US7695860B2 (en) 2002-03-22 2010-04-13 Quallion Llc Nonaqueous liquid electrolyte
US7718321B2 (en) 2004-02-04 2010-05-18 Quallion Llc Battery having electrolyte including organoborate salt
US8076032B1 (en) 2004-02-04 2011-12-13 West Robert C Electrolyte including silane for use in electrochemical devices
US8076031B1 (en) 2003-09-10 2011-12-13 West Robert C Electrochemical device having electrolyte including disiloxane
US8153307B1 (en) 2004-02-11 2012-04-10 Quallion Llc Battery including electrolyte with mixed solvent
US8715863B2 (en) 2004-05-20 2014-05-06 Quallion Llc Battery having electrolyte with mixed solvent
JP2014514698A (ja) * 2011-03-28 2014-06-19 ポステック アカデミー‐インダストリー ファウンデーション 高分子で置換されたシリコンナノ粒子と自己組織化ブロック共重合体を含む高性能リチウム−ポリマー電池
US9583790B2 (en) 2013-11-22 2017-02-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Electrolyte for lithium battery and lithium battery including the same
CN112803067A (zh) * 2019-11-14 2021-05-14 广州天赐高新材料股份有限公司 电解液及包含该电解液的锂二次电池

Cited By (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1999056337A1 (en) * 1998-04-27 1999-11-04 Sony Corporation Solid electrolytic secondary battery
US6506523B1 (en) 1998-04-27 2003-01-14 Sony Corporation Solid electrolyte secondary battery
WO1999056336A1 (fr) * 1998-04-27 1999-11-04 Sony Corporation Accumulateur electrique a electrolyte solide
US6872493B2 (en) 2000-10-30 2005-03-29 Denso Corporation Nonaqueous electrolytic solution and nonaqueous secondary battery
US7695860B2 (en) 2002-03-22 2010-04-13 Quallion Llc Nonaqueous liquid electrolyte
US7226702B2 (en) 2002-03-22 2007-06-05 Quallion Llc Solid polymer electrolyte and method of preparation
CN1309114C (zh) * 2003-07-18 2007-04-04 索尼株式会社 电解质和使用该电解质的电池
US8076031B1 (en) 2003-09-10 2011-12-13 West Robert C Electrochemical device having electrolyte including disiloxane
US7473491B1 (en) 2003-09-15 2009-01-06 Quallion Llc Electrolyte for electrochemical cell
US7718321B2 (en) 2004-02-04 2010-05-18 Quallion Llc Battery having electrolyte including organoborate salt
US8076032B1 (en) 2004-02-04 2011-12-13 West Robert C Electrolyte including silane for use in electrochemical devices
US7588859B1 (en) 2004-02-11 2009-09-15 Bookeun Oh Electrolyte for use in electrochemical devices
US8153307B1 (en) 2004-02-11 2012-04-10 Quallion Llc Battery including electrolyte with mixed solvent
US8715863B2 (en) 2004-05-20 2014-05-06 Quallion Llc Battery having electrolyte with mixed solvent
JP2014514698A (ja) * 2011-03-28 2014-06-19 ポステック アカデミー‐インダストリー ファウンデーション 高分子で置換されたシリコンナノ粒子と自己組織化ブロック共重合体を含む高性能リチウム−ポリマー電池
US9583790B2 (en) 2013-11-22 2017-02-28 Samsung Electronics Co., Ltd. Electrolyte for lithium battery and lithium battery including the same
CN112803067A (zh) * 2019-11-14 2021-05-14 广州天赐高新材料股份有限公司 电解液及包含该电解液的锂二次电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100828532B1 (ko) 전해질, 전지 및 부동화층 형성 방법
KR100362283B1 (ko) 리튬 2차 전지의 제조방법
EP2645463B1 (en) Non-aqueous electrolyte secondary battery and anode for secondary battery
JP3571032B2 (ja) ゲル状高分子電解質およびこれを用いたリチウム電池
JP5466364B2 (ja) リチウム・硫黄電池用電解質及びこれを使用するリチウム・硫黄電池
KR101486130B1 (ko) 전도성 고분자로 개질된 리튬 금속 전극, 그 제조방법 및 이를 이용한 리튬금속전지
JP3675460B2 (ja) 有機電解液及びそれを採用したリチウム電池
WO2005057714A1 (ja) 二次電池用電解液およびそれを用いた二次電池
JPH1135765A (ja) 高分子固体電解質とその製造方法
CN101162790A (zh) 电池
JP2008522376A5 (ja)
JPH09306544A (ja) 固体高分子電解質型電池の製造方法、固体高分子電解質型電池および電池用非水溶液系電解液
JP2003203674A (ja) 非水電解質二次電池
CN105514489A (zh) 电解液以及含有该电解液的锂离子电池
KR20180088283A (ko) 리튬 이차전지용 비수전해액 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
CN111864260A (zh) 一种醚类凝胶电解质及其制备方法和应用
WO2020102906A1 (fr) Additifs comprenant des ions métalliques alcalins ou alcalino-terreux et leur utilisation dans les cellules électrochimiques
KR20040084858A (ko) 정극, 비수전해질 이차 전지 및 그의 제조 방법
CN1326283C (zh) 电解液组合物,使用它的锂电池和制造该电池的方法
JP2017506418A (ja) 特異な構造を有するリチウム−硫黄電気化学蓄電池用の正極
CN105449274A (zh) 锂离子电池及其电解液
JP4592271B2 (ja) 空気電池
JP2005190978A (ja) 非水電解質二次電池
JP4306891B2 (ja) 非水電解質電池
KR100591616B1 (ko) 임피던스 특성이 개선된 고분자 전해질, 이의 제조방법 및이를 채용한 리튬 전지

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030805