JPH09305057A - 画像形成装置における定着装置 - Google Patents

画像形成装置における定着装置

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JPH09305057A
JPH09305057A JP11503596A JP11503596A JPH09305057A JP H09305057 A JPH09305057 A JP H09305057A JP 11503596 A JP11503596 A JP 11503596A JP 11503596 A JP11503596 A JP 11503596A JP H09305057 A JPH09305057 A JP H09305057A
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heating roller
roller
fixing
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heating
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JP11503596A
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Yoshiya Tomatsu
義也 戸松
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加熱定着時に用紙Pに発生するカールを緩く
させたものでありながら、定着性能が良好で安定した画
像形成をできるようにする。 【解決手段】 定着ユニットのケース内に回転可能に配
置された押圧ローラにて加圧されるアルミ製の加熱ロー
ラ15を、薄肉平行筒状であって、外径寸法16mm〜20mm
の範囲で断面二次モーメント値が700mm4〜1700mm4 の範
囲内に設定し、加熱ローラ15の内径部に内挿したハロ
ゲンランプ43からの配光強さ曲線Aは加熱ローラ15
の長手方向中央部位で低く、左右両端部位で高くして、
加熱ローラ15の外周面の温度分布曲線Bが加熱ローラ
15の長手方向中央部位で高く、左右両端部位で低くな
るようにし、ニップ幅寸法Hの広狭変化と温度分布曲線
Bの高低とを逆比例関係に設定することにより、用紙に
与える単位面積当たりの熱量を加熱ローラ15のローラ
軸線方向に沿って実質的にほぼ均一にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、ファクシ
ミリ、或いはレーザプリンタ等、用紙等の被記録媒体に
トナー像を形成し、そのトナー像を加熱定着して記録す
る画像形成装置における定着装置の構造に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば静電写真式の画像形成装置
は、特開平8−6416号公報等に開示されているよう
に、本体ケース内に配置したスキャナユニットから発射
され走査されるレーザービームにて感光体ドラムの外周
面に静電潜像が形成され、この静電潜像にトナーカート
リッジから供給された現像剤(トナー)を静電気的に付
着させて顕在化した後、感光体ドラムの転写部を通過さ
せた用紙等の被記録媒体の表面に前記トナー像を転写
し、次いで、定着ユニットにおける加熱ローラと押圧ロ
ーラとの間の加熱定着部(ニップ部)に前記被記録媒体
を通過させてトナー像を被記録媒体に加熱定着した後、
排紙ローラとピンチローラとの対により装置外に排紙す
る形式のものが一般的である。
【0003】ところで、従来、前記先行技術に開示され
ているように、定着装置におけるハロゲンランプ等の加
熱体を内径部に内挿した筒状の加熱ローラを、金属製で
形成する一方、ゴム層を芯金に被嵌させた押圧ローラの
左右両側端部からの加圧力で金属製の筒状の加熱ローラ
に対して用紙をニップするように構成する。そして、加
熱ローラの直径(外径)より押圧ローラの直径(外径)
を小さくすることにより、ニップ部の幅寸法を適正にな
るように保持し、また、加熱ローラの表面温度がローラ
軸線に沿って均一となるように、加熱体を発熱させてい
た。
【0004】このように構成すると、前記ニップ部で押
圧ローラのゴム層の外周面が金属製の加熱ローラの円周
面に、用紙の搬送方向に沿って或る程度の幅で密接する
ので、このニップ部の幅寸法により、所定の定着強度
(用紙からトナーが容易に剥離しない強度)で用紙上の
トナー像が加熱定着され、且つカールがきつくならない
ように工夫していた。
【0005】しかしながら、他方、画像形成装置の電源
ONから作業開始可能状態に入るまでに、定着装置が所
定の使用温度に到達していなければならず、定着装置の
余熱所要時間を短くする、いわゆる装置の立ち上げ所要
時間(ウオーミングアップ時間)を短縮することが要請
されている。そこで、定着装置におけるハロゲンランプ
等の加熱体を内径部に内挿した筒状の加熱ローラを、熱
伝導率の高い材料で形成すると共に当該加熱ローラの筒
部の肉厚を薄くすることが考えられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加熱ロ
ーラの直径(外径)を小さくしたり、肉厚を薄くする
と、当該加熱ローラの剛性が小さくなり、押圧ローラ側
からの加圧力により、加熱ローラの中央部の撓みが大き
くなるため、加熱ローラにおけるローラ軸方向の中央部
位のニップ部の幅寸法が少なく、加熱ローラの左右両端
部位におけるニップ部の幅寸法が大きくて、その差異が
大きくなりすぎると、加熱ローラ左右両端部位で用紙に
発生するカールがきつくなり過ぎるという問題や、定着
強度が用紙の搬送方向と直交する方向で大きく差異がで
きるという問題があった。
【0007】本発明は、前記諸問題を解決すべくなされ
たものであって、装置のウオーミングアップ時間の短縮
が図れ、且つ用紙(被記録媒体)に発生するカールを少
なくできるものでありながら、良好な画像形成のための
定着作業を安定して実行できようにした画像形成装置に
おける定着装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、請求項1に記載した発明の画像形成装置における定
着装置は、トナー像形成手段にて用紙等の被記録媒体に
形成されたトナー像を加熱定着する加熱ローラと押圧ロ
ーラとを備えた画像形成装置における定着装置におい
て、内径部にハロゲンランプ等の加熱体を内挿した金属
製の加熱ローラを、ローラ軸に沿って平行な薄肉円筒状
に形成する一方、該加熱ローラの外周面における温度分
布が前記加熱ローラの長手方向ほぼ中央部位で高く、両
端側で低くなるように配熱させたものである。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の画像形成装置における定着装置において、前記
加熱ローラの外径を16mm〜20mmの範囲に設定し、且つ加
熱ローラの断面二次モーメント値を700mm4〜1700mm4
範囲内に設定したものである。さらに、請求項3に記載
の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装
置における定着装置において、前記加熱ローラに対する
押圧ローラの加圧力を0.01kg/mm 〜0.03kg/mm に設定し
たものである。
【0010】そして、請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置におけ
る定着装置において、前記加熱ローラと押圧ローラとの
接触部のローラ軸線と直交する方向の幅であるニップ幅
が、前記加熱ローラの長手方向ほぼ中央部位で小さく、
両端側で大きくなるように設定したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】次に、本発明をレーザービーム式
のプリンタに具体化した実施形態を図面に基づいて説明
する。図1は画像形成装置としてのレーザプリンタの主
要構成部品の斜視図、図2はレーザプリンタの概略側断
面図である。レーザプリンタにおける合成樹脂製の本体
ケース1は、図1に示すように、上面から露光ユニット
としてのスキャナユニット2と、トナー像形成手段とし
てのプロセスユニット3と、定着手段としての定着ユニ
ット4と、給紙ユニット5とを装着できるメインフレー
ム1aと、該メインフレーム1aの四周(前後及び左右
両側)外面を覆うメインカバー体1bとからなり、メイ
ンフレーム1aとメインカバー体1bとを、一体的に射
出成形等により形成したものである。
【0012】そして、駆動モータとギヤ列を含む駆動系
ユニット6は、メインカバー体1bの図1の左側内面と
それに近接するメインフレーム1aの左側との間の収納
凹所1d内に本体ケース1の下方から挿入して装着固定
する。さらに、前記メインフレーム1a及びメインカバ
ー体1bの上面を覆うための合成樹脂製の本体カバーと
してのトップカバー7には、前記メインフレーム1aの
右側に上向きに突出する操作パネル部1cを貫通させる
孔7aと、前記給紙ユニット5の基部を貫通させるため
の孔7bとが穿設されている。排紙トレイ8の基部は前
記トップカバー7の前端の左右両側に突設したブラケッ
ト9、9(図1で一方のみ示す)に上下回動可能に装着
されており、不使用の場合には、排紙トレイ8をトップ
カバー7の上面側に折り畳んで覆うことができる構成で
ある。
【0013】積層された状態で給紙ユニット5における
フィダー部ケース5a内にセットされた用紙Pの先端側
は、フィダー部ケース5a内の付勢ばね10a付き支持
板10にて給紙ローラ11に向かって押圧され、上記駆
動系ユニット6から動力伝達されて回転する給紙ローラ
11と分離パッド12とによって1枚ずつ分離される。
分離された用紙Pは、上下一対のレジストローラ13,
14にてプロセスユニット3に給送され、このプロセス
ユニット3で表面にトナーにより画像を形成された用紙
Pは、後に詳述する定着ユニット4の加熱ローラ15と
押圧ローラ16とにて画像が固定された後、定着ユニッ
トケース内における下流側に配置された排紙ローラ17
とピンチローラ18とからなる排紙部を介して排紙トレ
イ8に排出される。
【0014】本体ケース1における上面開放箱体状のメ
インフレーム1aの平面視ほぼ中央部に配置するプロセ
スユニット3の下方の部位には、スキャナユニット2の
上支持板2aが、前記メインフレーム1aの底板部の上
面側に一体的に形成したステー部にビス等にて固定され
る。そして、露光ユニットとしてのスキャナユニット2
には、合成樹脂製の上支持板2aの下面側に、レーザ発
光部、ポリゴンミラー20、レンズ21、反射鏡22等
を配置し、前記上支持板2aに感光体ドラム23の軸線
に沿って延びるように穿設された横長スキャナ孔を覆う
硝子板24を通過してプロセスユニット3における感光
体ドラム23の外周面にレーザービームを照射して露光
するように構成されている。
【0015】図2に示すように、前記プロセスユニット
3は、前記感光体ドラム23とその上面に当接した転写
ローラ25、感光体ドラム23の下方に配置したスコロ
トロン型等の帯電器26、給紙方向において感光体ドラ
ム23よりも上流側に配置した現像ローラ27及び供給
ローラ28を有する現像装置、さらにその上流側に配置
した現像剤(トナー)供給部すなわち着脱可能なトナー
カートリッジ29、また感光体ドラム23よりも下流側
に配置したクリーニングローラ30等から成っている。
感光体ドラム23の外周面は、帯電器26にて形成され
た帯電層に前記スキャナユニット2からレーザービーム
を走査することによって静電潜像が形成される。前記ト
ナーカートリッジ29内の現像剤(トナー)は、攪拌体
31にて攪拌されて放出されたのち、供給ローラ28を
介して現像ローラ27の外周面に担持され、ブレード3
2によってトナー層厚さが規制される。感光体ドラム2
3の静電潜像は、現像ローラ27から現像剤が付着する
ことによって顕像化され、転写ローラ25と感光体ドラ
ム23の間を通る用紙Pに転写される。そして、感光体
ドラム23上に残ったトナーはクリーニングローラ30
で一時的に回収された後、所定のタイミングで感光体ド
ラム23上に戻され、現像ローラ27によりプロセスユ
ニット3内に回収される。
【0016】なお、スキャナユニット2の上支持板2a
には、上向きに突出するトナーセンサ33を設け、発光
部と受光部との対からなるトナーセンサ33がプロセス
ユニット3におけるトナーカートリッジ24の下面凹所
内に臨んで、トナーカートリッジ29内のトナーの有無
を検出できるようになっている。プロセスユニット3
は、合成樹脂製のケース34に組み込むことにてカート
リッジ化されており、このカートリッジ化したプロセス
ユニット3は、前記メインフレーム1aに着脱可能に装
着される。
【0017】メインフレーム1aの前部位とメインカバ
ー体1bの前部位との連設部下面側には、冷却フアン3
5を収納するための収納部36と、用紙Pの通過方向と
直交する左右方向に延びる通風ダクト37とが連通して
形成される。そして、通風ダクト37の上面板部37a
を断面下向きV字状に形成し、この上面板部37aが前
記プロセスユニット3と定着ユニット4との間に位置さ
せて、定着ユニット4における加熱ローラ15から発生
する熱がプロセスユニット3側に直接伝達しないように
遮断される。
【0018】また、冷却フアン35で発生した冷却風は
通風ダクト37内を通って、メインフレーム1aの一側
下面を伝い後部の電源部39(図2参照)及び前記駆動
系ユニット6の駆動モータ(図示せず)を冷却する一
方、前記上面板部37aのうちプロセスユニット3側に
開口した複数箇所のスリット孔38から吹き出し、該冷
却風は、プロセスユニット3と定着ユニット4の間を通
過して上昇し、トップカバー7に複数穿設した排気孔4
0から装置外に排出されるように構成すると、後述する
定着ユニット4から出る蒸気をプロセスユニット3の方
向(給紙ユニット5方向)に向かわせないようにするエ
アカーテンの機能も発揮できるのである。
【0019】次に、図3〜図11を参照しながら、定着
手段としての定着ユニット4の詳細な構造について説明
する。定着ユニット4における耐熱性合成樹脂製のケー
スは、上ケース41と下ケース42とに分離され、この
両ケース41,42の左右両側部位の係合爪(図示せ
ず)の箇所で係脱自在に合わせ装着されている。
【0020】上ケース41の下面側には、芯金50に軟
質の耐熱性ゴム等の弾性体層51を被覆した押圧ローラ
16の左右両端軸52,52を、それぞれ付勢バネ53
及び上ケース41の左右両側の装着孔55に対して上下
移動可能で且つ落下不能な合成樹脂製の軸受54を介し
て支持され、押圧ローラ16の円周面下側が加熱ローラ
15の円周面上側に常時押圧付勢されている(図6〜図
8参照)。
【0021】下ケース42には、用紙Pの搬送上流側
に、内径部に細筒状のハロゲンランプ43を内挿したア
ルミニューム等の良熱伝導性の金属筒状の加熱ローラ1
5は、PPS(ポリフェニレンサルファイド)等の合成
樹脂製のリング状等の軸受44,44を介して回転自在
に軸支され、搬送下流側に排紙ローラ(上側ローラ)1
7及びピンチローラ(下側ローラ)18とからなる排紙
ローラ対がそれぞれ回転自在に軸支されている。
【0022】また、前記駆動系ユニット6の伝動下流側
の伝動歯車(図示せず)から、加熱ローラ15の一側に
被嵌係合した合成樹脂製の駆動ギヤ45に動力伝達さ
れ、2つの中間歯車47(図4で一方のみ示す)を介し
て前記排紙ローラ17に取付けられた従動歯車46に伝
達され、加熱ローラ15と排紙ローラ17とは同期して
回転駆動される。この場合、前記駆動ギヤ45は耐熱性
を有し且つ高強度であり、且つ熱伝導率が金属より低い
値の熱可塑性合成樹脂材料、例えば、PPS(ポリフェ
ニレンサルファイド:融点約280℃、熱伝導率0.007
(cal/cm・sec ・℃)にて形成する。この合成樹脂にガ
ラス短繊維を混入して一体的に射出成形するなど、ガラ
ス強化複合材料にて形成することが好ましい。
【0023】実施例では加熱ローラ15はアルミニュー
ム製管材料のダイ引き抜き成形又は押出成形されてお
り、図9(a)に示すように、全長にわたって同じ外径
寸法D1のストレート筒である。また、内径部のハロゲ
ンランプ43からの熱が加熱ローラ15の外周面まで迅
速に到達できるように、加熱ローラ15の外径を16mm〜
20mmの範囲に設定し、且つ肉厚を薄くするため断面二次
モーメント値を700mm4〜1700mm4 の範囲に設定し、さら
に、加熱ローラ15の熱容量を0.035(J/K)以
下に設定する。
【0024】図9(a)は、加熱ローラ15における用
紙Pの搬送方向と直交する方向のニップ部長さ寸法L1
(予定される用紙Pの幅寸法の最大値より若干大きい寸
法であり、且つ押圧ローラ16の長さより短い寸法)に
対応する、加熱ローラ15と押圧ローラ16とによるニ
ップ部80の幅寸法Hの変化を示す。このニップ部80
の形状(ニップ部80の幅寸法Hが、用紙Pの幅方向の
左右両側端部側で広く、中央部側にいくに従って次第に
狭くなる形状)は、後述するように、加熱ローラ15の
外径及び肉厚が小さく、当該加熱ローラ15の外径より
若干大きい外径の押圧ローラ16にて所定の加圧力を付
与したときに形成されるものである。
【0025】また、図9(d)は、加熱体としてのハロ
ゲンランプ43(消費電力400 W)を示し、内径部に封
止されたライン状の熱放射体(タングステンフィラメン
ト等)43aの発光により、図9(c)に示すような配
光強さ曲線(配熱曲線)Aにて、加熱ローラ15に対し
て熱エネルギーJを付与する。前記配光強さ曲線Aから
理解できるように熱エネルギー付与分布は、前記ニップ
部長さ寸法L1のほぼ中央部位で付与する熱エネルギー
Jが最も低く、左右両端部位に行くに従って大きくなる
ように設定する。
【0026】そして、図9(b)は、前記図9(c)の
配光強さ曲線Aに従う熱エネルギーJにより加熱される
加熱ローラ15の円周外表面の温度分布曲線Bを示す。
この温度分布曲線Bは、前記ニップ部長さ寸法L1のほ
ぼ中央部位で温度Tが最も高く、左右両端部位に行くに
従って温度Tが低くくなるように設定するものである。
筒状の加熱ローラ15の左右両端部側からの放熱量が中
央部位より多いため、配光強さ曲線(配熱曲線)Aは前
記ニップ部長さ寸法L1のほぼ中央部位で最も低く、左
右両端部位に行くに従って大きいのに拘らず、温度分布
曲線Bが、前記ニップ部長さ寸法L1のほぼ中央部位で
温度Tが最も高く、左右両端部位に行くに従って温度T
が低くくなるように設定することができるのである。
【0027】他方、前述したように、前記ニップ部長さ
寸法L1のほぼ中央部位で、ニップ部80の幅寸法Hを
狭くする一方、温度分布曲線Bを高くし、逆に、ニップ
部長さ寸法L1の両端部位でニップ部80の幅寸法Hを
広くする代わりに温度分布曲線Bを低くするというよう
に、ニップ部80の幅寸法Hと温度分布曲線Bの高低と
を逆比例関係に設定することにより、用紙Pに与える単
位面積当たりの熱量を加熱ローラ15のローラ軸線方向
に沿って実質的にほぼ均一にでき、定着強度が用紙Pの
搬送幅方向に沿ってほぼ均一にできるという効果を奏す
る。
【0028】また、前述のように、用紙Pに与える単位
面積当たりの熱量が加熱ローラ15のローラ軸線方向に
沿って実質的にほぼ均一であるので、用紙Pに発生する
カールが、当該用紙Pの搬送幅方向の左右両側端部位で
大きくなりすぎることも防止できるのである。なお、加
熱ローラ15はその断面二次モーメント値が600mm4〜18
00mm4 の範囲のストレート筒であって、図9(a)に示
すように、左右両軸受44,44間の長さL=245mm の
加熱ローラ15に対して、クラウンを持たないストレー
トの押圧ローラ16からの加圧力を付与した場合の加熱
ローラ15の最大撓み量(加熱ローラ15の中央位置の
撓み量)の関係を、図12に示す。この場合、図9
(a)に示すように、加熱ローラ15と押圧ローラ16
との接触部のローラ軸線と直行する方向の幅である、ニ
ップ部80の幅寸法Hは、用紙Pの幅方向の左右両側端
部側で広く、中央部側で狭くなる。
【0029】図13は、加熱ローラ15のローラ外径(1
2mm 〜20mmの範囲) と、肉厚(0.10mm〜2.00mmの範囲)
との相違による当該加熱ローラ15の断面二次モーメン
ト値(mm4) を示す。アルミ製の加熱ローラ15は前述と
同じく左右両軸受44,44間の長さL=245mm であ
り、該加熱ローラ15のローラ外径(12mm 〜20mmの範
囲) と、肉厚(0.10mm〜2.00mmの範囲)との相違による
当該加熱ローラ15の熱容量(J/K) の値を図14にて示
す。
【0030】さらに、図15は、ハロゲンランプの発熱
量としての消費電力400 ワット) 、加熱ローラ15の表
面温度を20℃から120 ℃まで加熱する時であって、加圧
力は押圧ローラ16の左右両端部に2.5kgfずつ付加する
状態で、加熱ローラ15の左右両軸受44,44間の長
さL=245mm で一定とした場合における、加熱ローラ1
5のローラ外径(mm)と、肉厚(mm)との相違による、
立ち上げ時間30秒以上の領域Tと、用紙Pに縦皺が発
生する領域S、及び立ち上げ時間30秒より少なく、且
つ用紙Pに縦皺が発生しない領域NTSを示す。
【0031】図16は、加熱ローラ15の左右両軸受4
4,44間の長さL=245mmm、外径16mm、肉厚0.6mm と
し、押圧ローラ16の外径16.5mm、加圧力は押圧ローラ
16の左右両端部に2.5kgfずつ付加する場合において、
押圧ローラ16における芯金50の直径(7mm 〜11mmの
範囲) と、その外周である加流ゴム層等の弾性体層51
のゴム硬度(8〜22) の変化とによる、用紙Pに発生する
カールの良否の状態を示す図である。同じく、図17
は、前記と同一条件における用紙Pへの定着強度の良否
の状態を示す。ここで、ゴム硬度とは、JIS規格(K
6310−1975:加流ゴム物理試験方法)に準拠
し、スプリング式硬さ試験機A型を使用して測定したも
のであり、通常JISA硬度という。
【0032】図16から理解できるように、芯金50の
直径が大きく、且つ弾性体層51のゴム硬度が硬い(数
値が高い)ほうがカールが緩くなる。この理由は、ゴム
層等の弾性体層51を芯金50に被覆した押圧ローラ1
6では、ゴム硬度が硬いほど、加熱ローラローラ15と
のニップ部80の幅寸法Hが小さくなり、用紙Pが加熱
ローラ15側に巻きつき難くなるからである。
【0033】図11は、用紙Pの先端部分が加熱ローラ
15と押圧ローラ16のニップ部80を通過した後の、
当該用紙Pの先端部分のカールの様子を示し、両ローラ
15,16ともクラウンのない、ストレート状であると
き、加熱ローラ15及び押圧ローラ16はそれらの左右
両端支持の加圧であるため、両ローラ15,16による
用紙Pに対するニップ部80の幅寸法(両ローラの接触
部のローラ軸線と直交する方向の幅寸法であるニップ
幅)は、図9に示すごとく、ローラ15,16の長手方
向中央部位で狭く、左右両端部位で広幅となる。そうす
ると、図11に示すごとく、用紙Pの先端部分が、当該
用紙P自身の弾力性のために加熱ローラ15の円周面か
ら離れる自然剥離の状態では、用紙Pの幅方向の中央部
位における加熱ローラ15の円周面方向に沿う上向き凸
湾曲のカールの曲率半径R2が大きく、他方、用紙Pの
幅方向の左右両端側での加熱ローラ15の円周面方向に
沿う上向き凸湾曲のカールの曲率半径R1のほうが小さ
くなる。それにより、用紙Pの幅方向に沿う先端のカー
ルの曲率半径R3もできる。下ケース42に一体的に設
けたガイドリブ82の上端面82a,82bは前記カー
ルした用紙Pの先端部分を排紙ローラ17とピンチロー
ラ18とのニップ部に案内するためのものである(図1
0、図11参照)。
【0034】他方、図17から理解できるように、芯金
50の直径が小さく、且つ弾性体層51のゴム硬度が軟
らかい(数値が小さい)ほど、用紙Pに対する定着強度
が良好(優秀)になる。この理由は、押圧ローラ16か
らの所定の加圧力の状態において、ゴム硬度が軟らかい
ほど、加熱ローラローラ15とのニップ部80の幅寸法
Hが相対的に大きくなり、ニップ部80での用紙P上の
トナーに対する加熱押圧区間が長くなるからである。
【0035】そこで、発生するカールが緩く、且つ定着
強度も良好な範囲として、押圧ローラ16の芯金50の
直径が8mm 〜10mm、弾性体層51のゴム硬度が12〜20程
度の範囲に設定する。また、押圧ローラ16の外径を1
6mmとするときの芯金50の直径を差し引いて、弾性
体層51の層厚さ寸法を算出すると、3mm〜6mmの
範囲が好ましい。
【0036】また、図12において、ストレートの加熱
ローラ15における断面二次モーメント値が小さい時に
は加圧力W(kg/mm)が大きくなるにしたがって、最大撓
み量Hmax(mm)が大きくなり、押圧ローラ16とのニップ
側で加熱ローラ15の逆クラウンがきつくなることが分
かる。従って、用紙Pに縦皺が発生しないようにするに
は、断面二次モーメント値が600mm4〜1800mm4 の範囲に
おいて、最大撓み量が0.29mm以内に収まるようにすべき
である。
【0037】さらに図18は、ハロゲンランプ43の消
費電力400 W、左右両軸受44,44間の長さL=245m
mm、外径16mm、肉厚0.6mm の加熱ローラ15に対して、
前記所定の加圧力(押圧ローラ16の左右両端部に2.5k
gfずつ付加する場合において、押圧ローラ16の外径の
差異による、定着性能とカールの良否を実験にて求めた
ものである。ず18から理解できるように、定着性能及
びカールの両方とも良好である範囲は、押圧ローラ16
の外径が、16mm〜20mmの範囲である。
【0038】そして、加熱ローラ15の外径が16mm以下
であり、押圧ローラ16の外径が16mm〜20mmの範囲に設
定すると、両ローラの外径の差異が過大でないので、各
ローラに対する用紙Pの摩擦力に大きな差異ができず、
加熱ローラ15と押圧ローラ16とのニップ部80で用
紙Pにスリップが発生しないから、定着すべきトナー像
に摩擦痕ができる等、画像不良が発生するという問題は
解消されるのである。
【0039】また、定着性を確保するためには、前記ニ
ップ部80の幅寸法Hは、最低限(加熱ローラ15の長
手方向中央部位が最小値となるから)1mm 以上であり、
好ましくは、1.5mm 〜2.5mm の範囲である。そして、加
熱ローラ15の肉厚寸法が0.6mm より少ない場合や、断
面二次モーメント値が600mm4のごとく小さい値である
と、実質上、加熱ローラ15の筒の肉厚寸法が薄くなり
過ぎ、アルミ部材の押出し成形加工もしくは引き抜き成
形加工により製作することは実質上不可能であるので、
図13に示すように、加熱ローラ15の外径と肉厚寸法
との組合せに応じて、当該加熱ローラ15の断面二次モ
ーメント値が700mm4〜1700mm4 の範囲内に収まるように
することが好ましい。
【0040】また、加熱ローラ15の断面二次モーメン
ト値が1800mm4 のごとく大きい値で、且つ加圧力Wが0.
008kg/mm〜0.01kg/mm 程度の小さい値であると、加熱ロ
ーラ15の長手方向中央部に対する加圧力不足のため、
定着不良が発生する。これを防止するには、加熱ローラ
15に正クラウンを予め形成しておかなければならな
い。
【0041】逆に加圧力が大きすぎると、用紙Pの幅方
向中央部に搬送方向に沿う長い縦皺が発生するし、常時
の加圧力に対して押圧ローラ16及び加熱ローラ15の
軸受部分の合成樹脂製の上ケース41、下ケース42の
クリープが発生してしまい、時間経過により加圧力が実
質上減少してしまう不都合が発生する。金属製の加熱ロ
ーラ15をローラ軸に沿って平行な円筒状に形成し、該
加熱ローラ15の断面二次モーメント値を700mm4〜1700
mm4 の範囲内に設定し、且つ加熱ローラ15の長手方向
中央部の最大撓み量を0.29mm以内に設定することが好ま
しく、より好ましくは、加熱ローラ15に対する押圧ロ
ーラ16側からの加圧力が0.01kg/mm 〜0.03kg/mm の範
囲である。
【0042】従って、図15から理解できるように、加
熱ローラ15の外径に対して肉厚寸法が適当な範囲(N
TS領域)内でのみ、用紙Pに縦皺が発生せず、且つ立
ち上がり時間も30秒以内となる。以上のような加熱ロ
ーラ15及び押圧ローラ16等の各数値の範囲に設定す
れば、用紙Pに生じるカールを少なくしつつ良好な画像
を形成することが安定して行える。また、プリンタの電
源をONしてから使用温度に到達するまでの温度上昇速
度を早めることができ、画像形成作業を迅速に開始する
ことができると共に、加熱体であるハロゲンランプ43
の電力消費量も少なくて済み、プリンタのランニングコ
ストも廉価となるのである。
【0043】なお、正クラウンを有する押圧ローラ16
にて加熱ローラ15をニップする場合であっても、適宜
小さい値の加圧力にて、ストレートの加熱ローラ15が
逆クラウンになるように構成できるものである。前記加
熱ローラ15と押圧ローラ16とからなる定着部と、そ
の下流側の排紙ローラ17とピンチローラ18とからな
る排紙部との間の搬送経路70の少なくとも上側空間を
狭めるため、上ケース41のうちの中途部の上側壁体
を、図3〜図5及び図10に示すように、下向き凸状に
湾曲形成し、加熱定着の作業時に加熱ローラ15から出
る熱で加熱される空気や、用紙Pから発生する蒸気が溜
まる定着ユニットケースのうちの搬送経路70の上側空
間体積を少なくして、搬送経路70を通過する用紙Pが
前記空間内の高温多湿の雰囲気に晒されるのを防止し
て、用紙Pがふやけたり、余分の水蒸気を再度吸収する
ことがなくなり、排紙される用紙Pが排紙により冷却さ
れた時にカールする等の発生も無くなるのである。
【0044】また、前記押圧ローラ16の外周面に近い
側のほぼ垂直方向の壁体41aのうち上部寄り部位に
は、前記定着部で発生する蒸気を外に逃がすための蒸気
逃がし孔71を用紙Pの幅方向に沿って複数穿設する一
方、前記トップカバー7にも、前記蒸気逃がし孔71か
ら出た蒸気をプリンタ装置外に排出するための排出孔7
2を用紙Pの幅方向に沿って複数(多数)穿設する(図
2及び図3を参照)。
【0045】このように構成すれば、定着ユニット4の
定着部で発生した蒸気は、上昇気流に乗って前記壁体4
1aの蒸気逃がし孔71から定着ユニット4外に直ちに
排気され、次いで排出孔72から装置外に排出できるの
で、定着ユニット4のケース内に蒸気が溜まらず、且つ
上ケース41内面にも結露しないので、定着部から搬送
経路70を通過して排紙部に至る用紙Pに余分の水分を
再吸収させたり、水滴が用紙Pの表面に落ちて濡れる等
の不都合を無くすることができる。
【0046】なお、図示実施例では、前記上ケース41
の中途部の下向き凸状部を水滴溜部73としたものであ
り、他方、トップカバー7の下面のうち前記水滴溜部7
3のほぼ上方にて左右長手のガイドリブ74,74を下
向き突出するように設けて(図3参照)、トップカバー
7の下面に結露して水滴となったものが当該トップカバ
ー7の下面に沿って流れても、ガイドリブ74の箇所で
遮られて排紙側に垂れ落ちず、水滴溜部73の箇所に水
滴が確実に落下して溜めるように導くことができる。
【0047】さらに他の実施例としては、図3に示すよ
うに、排紙トレイ8の広幅面に用紙Pの幅方向に沿って
長い排気孔75を開口しておく。このように構成すれ
ば、排紙トレイ8をトップカバー7の上方を覆うように
して画像形成して排紙させるときにも、排紙トレイ8と
トップカバー7との空間に蒸気が溜まることを防止でき
るのである。
【0048】さらに図3に示すように、プロセスユニッ
ト3のケース34の上方位置、つまり給紙ユニット5よ
りも用紙搬送下流側にて、トップカバー7の下面にスポ
ンジ材等の吸湿部材76を広い範囲にわたり、もしくは
用紙Pの幅方向に長く、且つ用紙Pの搬送方向に適宜幅
寸法にわたって配置すれば、トップカバー7の下面を伝
って給紙ユニット5方向に向かう蒸気をスポンジ材等の
吸湿部材76にて捕捉でき、給紙ユニット5から給紙さ
れる用紙Pの表面に水滴として落下するの防止できるの
である。
【0049】なお、加熱ローラ15の排出側に搬送ガイ
ド部材としてのガイドリブ82を、用紙Pの幅方向に沿
って適宜間隔にて複数を配置し、この各ガイドリブ82
の上端面(ガイド面)にて排出される用紙Pの先端部分
を摺接支持しながら排紙ローラ17とピンチローラ18
とからなる排紙部に誘導する。排紙ローラ17はその支
軸部17aと一体的に成形されたものであり、他方、複
数のピンチローラ18はコイルバネ製の軸48にて弾性
的に且つ回転自在に支持されている。
【0050】次に、定着ユニット4の温度制御関係につ
いて説明すると、図4及び図6に示すように、下ケース
42の左右ほぼ中央部位にネジ止めされたソケット60
から延びる金属製弾性支持体61に装着されたサーミス
タ(温度センサ手段)62を加熱ローラ15の外周面に
当接させ、当該加熱ローラ15の周面の温度を感知し、
図示しない制御コントローラに信号を送り、加熱ローラ
15の温度を通常の使用温度に保持するように制御して
いる。
【0051】他方、図4及び図6に示すように、下ケー
ス42の内面の一側部寄りには、安全基準を満足する所
定の沿面距離を隔て、且つ加熱ローラ15の過熱状態に
迅速に反応できるように温度ヒューズ64を配置するた
め、電気絶縁部材としての耐熱性を有する合成樹脂製、
またはセラミック製等のカバー体63を温度ヒューズ6
4の長さ及び太さより大きい寸法に形成し、該カバー体
63の集熱面(表面)63aを加熱ローラ15の外周面
(円周面)にほぼ沿うように凹湾曲状に形成し、該集熱
面63aを前記加熱ローラ15の外周面に近接させて対
向配置すべく、下ケース42の内面であって押圧ローラ
16による加熱ローラ15への加圧方向と反対側である
加熱ローラ15の下面側に一体的に突設した左右一対の
支持部69,69にカバー体63を載置する。また、カ
バー体63の裏面側には,当該裏面側に一体的に突設し
た一対の把持爪を介して温度ヒューズ64を固定装着す
る。
【0052】そして、前記温度ヒューズ64の左右両端
に接続したリード線64a,64bを、下ケース42に
設けた台部に外部端子(金属片)67a,67b及び止
めビス68,68を介して固定し(図4及び図6参
照)、一方の外部端子67aを前記ハロゲンランプ43
への一方の端子43aに接続し、他方の外部端子67b
を前記電源部(一次回路)39に接続する一方、ハロゲ
ンランプ43の他方の端子43bを電源部39に接続す
るというように、電源部39から前記ハロゲンランプ4
3への電源供給回路に温度ヒューズ64を直列接続させ
る(図6参照)。
【0053】このように構成すれば、何らかの原因で加
熱ローラ15が異常高温となると、当該加熱ローラ15
の左右両端の耐熱性熱可塑性合成樹脂製のリング状等の
軸受44,44が軟化もしくは溶け始める。そして、こ
の加熱ローラ15は、前述するように押圧ローラ16に
て常時加圧されているから、その加圧力にて加熱ローラ
15はカバー体63の集熱面63aに接近し、ついには
加熱ローラ15の円周面とカバー体の集熱面63aとが
当接し、加熱ローラ15からの熱がカバー体63の内部
を熱伝導し、温度ヒューズ64に速やかに伝わり、当該
温度ヒューズ64を溶断し、電源部39からハロゲンラ
ンプ43への電力供給を迅速に遮断することができるの
である。
【0054】なお、本発明におけるトナー像形成手段
は、前記感光体ドラム23からのトナー像の転写するも
のの他、電極アレイにおける用紙搬送方向と交叉する方
向に多数の開口部と対峙させて背面電極を配置し、前記
開口部と背面電極との間を通過させる被記録媒体の表面
に、画像データに基づいて前記各開口部に関連させたア
パチャ電極体への電圧印加にて選択的にトナーを開口部
を介して直接的に移動させてトナー像を形成するタイプ
のもの等がある。
【0055】
【発明の効果】以上に説明したように、請求項1に記載
した発明の画像形成装置における定着装置は、トナー像
形成手段にて用紙等の被記録媒体に形成されたトナー像
を加熱定着する加熱ローラと押圧ローラとを備えた画像
形成装置における定着装置において、内径部にハロゲン
ランプ等の加熱体を内挿した金属製の加熱ローラを、ロ
ーラ軸に沿って平行な薄肉円筒状に形成する一方、該加
熱ローラの外周面における温度分布が前記加熱ローラの
長手方向ほぼ中央部位で高く、両端側で低くなるように
配熱させたものである。
【0056】このように、加熱ローラがローラ軸線に沿
って平行な薄肉円筒状であれば、内径側の加熱体から付
与される熱にて加熱ローラの外周表面に熱伝達される速
度が速くなり、ウォーミングアップ時間を短縮できる。
そして、押圧ローラ側からの加圧力により、加熱ローラ
の中央部位の撓みが大きくなり、従って、加熱ローラと
押圧ローラとの接触部のローラ軸線と直交する方向の幅
であるニップ幅は、加熱ローラの長手方向の中央部位で
狭く、加熱ローラの両端部位で広くなるが、それと逆比
例の関係となるように、加熱ローラの外周面における温
度分布が前記加熱ローラの長手方向ほぼ中央部位で高
く、両端側で低くなるように配熱すれば、被記録媒体に
与える熱量は加熱ローラのローラ軸線方向に沿って余り
変化せず、被記録媒体へのトナー定着強度がほぼ均一化
され、良好な画質を得ることができると共に、前記熱量
が被記録媒体の幅方向に沿って余り変化しないから、被
記録媒体に発生するカールも少なくなるという効果を奏
する。
【0057】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の画像形成装置における定着装置において、前記
加熱ローラの外径を16mm〜20mmの範囲に設定し、且つ加
熱ローラの断面二次モーメント値を700mm4〜1700mm4
範囲内に設定したものである。このように、加熱ローラ
の外径を前記小さい範囲に設定すれば、加熱ローラの内
径部のハロゲンランプ等の加熱体からの熱の伝達速度も
速くなり、定着装置が常温から必要な使用温度(加熱定
着温度)になるまでの、ウォーミングアップ時間を短縮
でき、画像形成装置の電源ONから短時間で画像形成作
業が開始できるという効果を奏する。そして、加熱ロー
ラの断面二次モーメント値も前記範囲に設定すれば、押
圧ローラ側からの適当な加圧力のもとでは、加熱ローラ
の撓み曲線が逆クラウン状となり、加熱ローラの長手方
向の中央部位で狭く、加熱ローラの両端部位で広くなる
ニップ部の幅寸法を確保することができて、定着すべき
被記録媒体に発生するカールが緩く、且つ定着強度も良
好となるという効果を奏する。さらに、請求項3に記載
の発明は、請求項1または請求項2に記載の画像形成装
置における定着装置において、前記加熱ローラに対する
押圧ローラの加圧力を0.01kg/mm 〜0.03kg/mm に設定し
たものである。
【0058】このように設定すれば、加熱ローラの外径
が小さく、且つ薄肉の筒状に形成でき、加熱ローラの内
径部のハロゲンランプ等の加熱体からの熱の伝達速度も
速くなり、定着装置が常温から必要な使用温度(加熱定
着温度)になるまでのウオーミングアップ時間を短縮で
きるものでありながら、押圧ローラからの所定の加圧力
にて、最適な逆クラウン形状となるように中央部が撓
み、ニップ部の幅寸法を適正に確保しつつ、定着すべき
被記録媒体の幅方向中央部に縦皺が発生しないから、良
好な画像形成を安定して実行できるという効果を奏す
る。
【0059】そして、請求項4に記載の発明は、請求項
1乃至請求項3のいずれかに記載の画像形成装置におけ
る定着装置において、前記加熱ローラと押圧ローラとの
接触部のローラ軸線と直交する方向の幅であるニップ幅
が、前記加熱ローラの長手方向ほぼ中央部位で小さく、
両端側で大きくなるように設定したものである。前述し
たように、加熱ローラの長手方向のほぼ中央部位で、ニ
ップ幅寸法を狭くする一方、温度を高くし、逆に、加熱
ローラの長手方向の両端部位でニップ幅寸法を広くする
代わりに温度を低くするというように、ニップ幅寸法の
広狭変化と温度分布の高低とを逆比例関係に設定するこ
とにより、被記録媒体に与える単位面積当たりの熱量を
加熱ローラのローラ軸線方向に沿って実質的にほぼ均一
にでき、定着強度が被記録媒体の搬送幅方向に沿ってほ
ぼ均一にできるという効果を奏する。
【0060】また、前述のように、被記録媒体に与える
単位面積当たりの熱量が加熱ローラのローラ軸線方向に
沿って実質的にほぼ均一であるので、被記録媒体に発生
するカールが、当該被記録媒体の搬送幅方向の左右両側
端部位で大きくなりすぎることも防止できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザプリンタの主要部品の斜視図である。
【図2】レーザプリンタの概略断面図である。
【図3】定着ユニットの要部側断面図である。
【図4】定着の一部切欠き平面図である。
【図5】図4のIV−IV線矢視断面図である。
【図6】図4のVI−VI矢視断面図である。
【図7】押圧ローラの押圧手段の要部拡大断面図であ
る。
【図8】図7の VIII −VIII線矢視断面図である。
【図9】(a)は加熱ローラの箇所で示すニップ部の平
面視形状を示す図、(b)は加熱ローラの外周表面の温
度分布曲線Bを示す図、(c)はハロゲンランプからの
配光強さ曲線(配熱曲線)Aを示す図、(d)はハロゲ
ンランプの平面図である。
【図10】図4のX−X線矢視拡大断面図である。
【図11】用紙に発生するカールの状態の説明図であ
る。
【図12】加熱ローラの断面二次モーメント値と加圧力
とによる、加熱ローラの最大撓み量の変化を示す図であ
る。
【図13】加熱ローラの外径とその筒部の肉厚寸法との
変化による断面二次モーメント値を示す図である。
【図14】加熱ローラの外径とその筒部の肉厚寸法との
変化による、当該加熱ローラの熱容量の変化を示す図で
ある。
【図15】加熱ローラの外径とその筒部の肉厚寸法との
変化による、用紙に縦皺が発生せず、且つ立ち上げ時間
が30秒より短い領域(NTS)を示す図である。
【図16】押圧ローラの芯金直径とその外層の弾性体層
のゴム硬度との変化によるカール発生状態を示す図であ
る。
【図17】押圧ローラの芯金直径とその外層の弾性体層
のゴム硬度との変化による定着強度の状態を示す図であ
る。
【図18】加熱ローラの外径を一定にした状態での、押
圧ローラの外径の変化による定着性及びカールの状態を
示す図である。
【符号の説明】
P 用紙 4 定着ユニット 15 加熱ローラ 16 押圧ローラ 17 排紙ローラ 18 ピンチローラ 41 上ケース 42 下ケース 43 ハロゲンランプ 43a 熱放射体 44,44 軸受 80 ニップ部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像形成手段にて用紙等の被記録媒
    体に形成されたトナー像を加熱定着する加熱ローラと押
    圧ローラとを備えた画像形成装置における定着装置にお
    いて、内径部にハロゲンランプ等の加熱体を内挿した金
    属製の加熱ローラを、ローラ軸に沿って平行な薄肉円筒
    状に形成する一方、該加熱ローラの外周面における温度
    分布が前記加熱ローラの長手方向ほぼ中央部位で高く、
    両端側で低くなるように配熱させたことを特徴とする画
    像形成装置における定着装置。
  2. 【請求項2】 前記加熱ローラの外径を16mm〜20mmの範
    囲に設定し、且つ加熱ローラの断面二次モーメント値を
    700mm4〜1700mm4 の範囲内に設定したことを特徴とする
    請求項1に記載の画像形成装置における定着装置。
  3. 【請求項3】 前記加熱ローラに対する押圧ローラの加
    圧力を0.01kg/mm 〜0.03kg/mm に設定したことを特徴と
    する請求項1または請求項2に記載の画像形成装置にお
    ける定着装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱ローラと押圧ローラとの接触部
    のローラ軸線と直交する方向の幅であるニップ幅が、前
    記加熱ローラの長手方向ほぼ中央部位で小さく、両端側
    で大きいことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれ
    かに記載の画像形成装置における定着装置。
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