JPH09304604A - 光拡散フィルムおよびそれを用いた面光源装置 - Google Patents

光拡散フィルムおよびそれを用いた面光源装置

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JPH09304604A
JPH09304604A JP8118830A JP11883096A JPH09304604A JP H09304604 A JPH09304604 A JP H09304604A JP 8118830 A JP8118830 A JP 8118830A JP 11883096 A JP11883096 A JP 11883096A JP H09304604 A JPH09304604 A JP H09304604A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】透過する光の方向を修正することにより、面光
源の正面輝度を高くすることができ、しかも安価な光拡
散フィルムおよびそれを用いた面光源装置を提供する。 【解決手段】それ自体を透過する光を拡散させる光拡散
フィルム1であって、透明の基材フィルム7の片面が光
を拡散するコーティング6に形成され、他面を、略一定
方向に配向した多数の筋状凹凸からなる微小凹凸面8に
形成するようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ディスプレイ
のバックライト,照明装置等に用いられる光拡散フィル
ムおよびそれを用いた面光源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、パソコン,ワープロ,液晶テ
レビ等のような液晶を使用する薄型表示装置は、液晶自
体が発光しないため、この液晶表示画面を裏面側から照
射するバックライトが使用されている。このバックライ
トは、液晶表示画面全体を均一に照射させる必要がある
ことから、側面から入射させた光を均一に伝播,拡散さ
せる導光板を使用した導光板方式が主流で採用されてい
る。
【0003】このような導光板方式の面光源装置は、例
えば、図3に示すように、導光板21と、この導光板2
1の両側の光入射端面に配設される光源20と、上記導
光板21の裏面側に配設されこの導光板21の裏面から
出射しようとする光を反射させる反射板22と、上記導
光板21の光出射面から出射される光を散乱,拡散さ
せ、照射面の輝度を均一にする光拡散フィルム23とか
ら構成されている。
【0004】この装置では、光源20の光を導光板21
の光入射端面から入射させ、この入射光を導光板21の
全体に均一に伝播させて光出射面全体から出射させ、光
拡散フィルム23による光の拡散ののち、上側に配設さ
れる液晶表示画面(図示せず)を均一に照射することが
行われる。図において、25は光源20の光を導光板2
1側に反射させる反射カバーである。
【0005】そして、表示画面の高輝度化と、液晶表示
装置等自体の低消費電力化のため、面光源装置の、光が
透過する各部材(導光板21,光拡散フィルム23等)
は、高光透過率の材料が採用される等、光の損失を抑え
て光利用効率を向上させる工夫がなされている。また、
上記光拡散フィルムとしては、透明なプラスチックフィ
ルムからなる基材フィルムの片面を粗面化したものや、
基材フィルムの片面に微粒子を分散させた樹脂組成物を
コーティングしたものが採用されている。
【0006】さらに、面光源装置の正面輝度を高めるた
め、光拡散フィルム23を透過して出射する光を、でき
るだけ正面方向に集めるように、集光シート24が用い
られている。この集光シート24は、表面にプリズム状
やウェーブ状,ピラミッド状等の微小な凹凸が多数並ん
だ透明シートであり、光拡散フィルム23を透過した出
射光を屈折させて正面に集め、照射面の輝度を高めるよ
うになっている。このような集光シート24は、上記光
拡散フィルム23の表面側に、1枚もしくは2枚重ねで
配設されて使用される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】最近では、例えばノー
ト型パソコン等に用いられる面光源装置のように、小型
化,薄型化へのニーズが高くなっている。また、低消費
電力化を図り、電池消費を低減させるために、光出射面
を高輝度化させることも望まれている。ところが、一般
に、上述の導光板方式の面光源装置では、一般に、導光
板から出射する光の光出射面に対する角度の違いによる
輝度分布に難点があり、真正面方向(光出射面に対する
法線方向)から60°以上傾いた角度においてピークを
有する場合が多く、正面輝度が不足する傾向がある。こ
のような場合に、従来の光拡散フィルム23によって、
正面輝度を高めようとすると、透過光をより一層散乱,
拡散させるように光拡散性を強くしなければならない。
しかしながら、このように光拡散フィルム23の光拡散
性を強めると、それに伴い光透過率が低下して光の利用
効率が悪くなり、低消費電力化にとってマイナス要因と
なるほか、正面輝度が却って低下するという問題が生じ
る。また、上述したように、集光シート24を複数枚重
ねて使用することも行われているが、このようにする
と、部品点数が多くなり、面光源装置自体の厚みが厚く
なるほか、透過光の反射損失もそれだけ多くなり、光の
利用効率が悪くなるという問題が生じる。
【0008】そこで、部品点数を少なくするとともに、
均一な明るさが得られる面光源装置として、例えば、特
開平5−341132号公報において提案されている装
置がある。すなわち、この装置は、図4に示すように、
表面に粗面32が形成された光拡散フィルム自体にプリ
ズム単位群31を形成した光制御板30を使用し、この
光制御板30を透過する光を、上記プリズム単位群31
によって屈折させて正面方向に集めるとともに、その透
過光を粗面32により拡散させるようにしている。
【0009】しかしながら、上記のような光制御板30
は、導光板21から出射する光の出射角度(輝度のピー
ク)が、導光板21の厚みやサイズ,材質、あるいは、
光源20の強さ等の設計要因によって異なってくること
から、面光源装置の設計に応じてそれぞれ角度等の異な
る精密なプリズム単位群31を形成させる必要がある。
このため、精密なプリズム単位群31の形成が非常に困
難であるとともに、その種類も多品種になり、結果的に
製作コストが極めて高価なものとなる。それにともな
い、面光源装置自体も高価なものとなり、コスト面で難
点があった。しかも、精度のよいプリズム単位群31を
形成させようとすると、ある程度大きなプリズム単位群
31を形成させる必要があり、光制御板30自体の厚み
が厚くなって、面光源装置自体の薄型化,軽量化という
ニーズに応えることができないものであった。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、透過する光の方向を修正することにより、面光
源の正面輝度を高くすることができ、しかも安価な光拡
散フィルムおよびそれを用いた面光源装置の提供をその
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の光拡散フィルムは、それ自体を透過する光
を拡散させる光拡散フィルムであって、透明の基材フィ
ルムの片面が光拡散面に形成され、他面が、略一定方向
に配向した多数の筋状凹凸からなる微小凹凸面に形成さ
れていることを要旨とするものである。
【0012】また、本発明の面光源装置は、透明の導光
板と、この導光板の一部から光を入射させる光源と、上
記導光板の光出射面側に配設され光出射面から出射され
る光を拡散させる光拡散フィルムとを備えた面光源装置
であって、上記光拡散フィルムが、透明の基材フィルム
の片面が光拡散面に形成され、他面が、略一定方向に配
向した多数の筋状凹凸からなる微小凹凸面に形成されて
いることを要旨とするものである。
【0013】すなわち、本発明者らは、光拡散フィルム
自体に、集光シートのような出射光の方向を修正する機
能をもたせることを目的として一連の研究を重ねる過程
で、従来から使用されている集光シート等のプリズム状
の凹凸が、透過する光を屈折させて正面方向に集める機
能を有することに着目した。そして、光拡散フィルム自
体に略一定方向を向いた筋状凹凸を多数形成し、フィル
ム面を微小凹凸面に形成することにより、プリズム状の
凹凸を形成させるのと略同様の効果を持たせることがで
きるのではないかとの着想に基づき、さらに研究を重ね
た。そして、上記微小凹凸により光拡散フィルムを透過
する光を屈折させ、正面方向に集めることができること
を突き止め、本発明に到達した。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0015】本発明の光拡散フィルムは、透明の基材フ
ィルムの片面が、それ自体を透過する光を拡散させる光
拡散面に形成され、他面が、略一定方向に配向した多数
の筋状凹凸からなる微小凹凸面に形成されたものであ
る。
【0016】上記基材フィルムの材質としては、光学的
透明性を有するものが好ましく、例えば、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル,ポリエーテルサルフ
ォン,ポリカーボネート,ポリ(メタ)アクリレート,
ポリメチルメタクリレート,ポリスチレン,ポリ塩化ビ
ニル等のホモポリマー、または、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体(AS樹脂),スチレン−メタクリル酸
メチル共重合体(MS樹脂),ポリ−4−メチルペンテ
ン−1,ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
等上記樹脂のモノマーと共重合可能なモノマーとのコポ
リマー、ガラス等があげられるが、これらに限るもので
はなく、各種のものが用いられる。これらの中でも、特
に、ポリエチレンテレフタレートは、不純物が少なく透
明性も高いうえに安価であるため、最も好適に用いられ
る。また、この基材フィルムの厚みとしては、特に限定
するものではないが、用途や製造工程における作業性を
考慮すれば、50〜200μm程度に設定することが好
ましい。
【0017】上記筋状凹凸からなる微小凹凸面を形成さ
せる方法としては、基材フィルムの表面を、バフロー
ル,ナイロンブラシロール,トリクレッドブラシ(研磨
材入りブラシ),不織布研磨シート,サンドペーパー,
弾性砥石,各種砥石,ワイヤーブラシ等で一定方向に擦
って多数の筋状凹凸を形成させ、方向性のある微小凹凸
面に仕上げる研削加工のほか、表面に一定方向に配向し
た筋状凹凸が形成された型を基材フィルム表面に押圧す
ることによるスタンプ加工、表面に筋状凹凸を有するロ
ールで圧延する圧延加工、凹凸が形成された棒で表面を
引っ掻く引っ掻き加工等各種の方法が行われ、特に限定
されるものではない。これらのなかでも、加工コストが
安価であるという観点から研削加工が最も好ましい。ま
た、上記微小凹凸面は、中心線平均粗さ(Ra)が0.
1〜30μmの範囲が好ましい。
【0018】上記光拡散面としては、上記基材フィルム
の表面を粗面化処理するか、もしくは、基材フィルムの
表面に、微粒子を分散させた樹脂組成物をコーティング
した面とする。
【0019】上記粗面化処理としては、基材フィルムの
表面に研磨粒子等を吹きつけるサンドブラスト処理、基
材フィルムを凹凸のあるエンボスロールに通すエンボス
処理、溶剤を用いて基材フィルムを高温処理する溶剤処
理等各種の処理が行われるが、特に限定するものではな
い。
【0020】上記コーティングは、透明樹脂バインダー
に微粒子を分散させた樹脂組成物からなる。
【0021】上記コーティングに用いられる透明樹脂と
しては、アクリル系樹脂,ポリエステル樹脂,ポリ塩化
ビニル,ポリウレタン,シリコーン樹脂等各種の樹脂が
用いられるが、透明であれば、特に限定するものではな
い。
【0022】上記微粒子としては、透明のものが用いら
れ、シリコーン樹脂粒子,アクリル樹脂粒子,ナイロン
樹脂粒子,ウレタン樹脂粒子,スチレン樹脂粒子,ポリ
エチレン樹脂粒子,シリカ粒子,ポリエステル樹脂粒
子,ガラス粒子等各種のものが用いられる。これらの微
粒子は、1種類でもしくは2種類以上が混合されて使用
される。上記微粒子の透明樹脂に対する配合部数として
は、特に限定されるものではないが、光透過率を確保し
つつ充分な光拡散性を得るという観点から、透明樹脂1
00重量部に対して、5〜150重量部程度が好まし
く、60〜100重量部であればより好ましい。また、
上記微粒子の粒径は特に限定されるものではないが、通
常、平均粒径1〜70μm、好ましくは15〜50μm
である。また、上記微粒子として、球状の微粒子を使用
した場合には、それぞれの球状微粒子が一種のレンズと
して作用し、一層効果的な光拡散効果を持たせることが
できる。上記球状微粒子は、真球状であれば特に効果的
である。
【0023】上記コーティングを形成させる場合には、
上記透明樹脂を適当な配合部数で溶剤中に溶解し、この
溶解液に微粒子を混合分散させた混合分散溶液を、基材
フィルムの表面に塗工したのち乾燥固化させることが行
われる。
【0024】上記溶剤としては、トルエン,メチルエチ
ルケトン,キシレン,シクロヘキサン,酢酸エチル等各
種のものが用いられる。これらは、一種類でもしくは二
種類以上が混合されて用いられる。また、透明樹脂と溶
剤の配合部数としては、特に限定されるものではなく、
塗工方法や作業性,溶剤の種類等により最適な配合部数
に設定されるが、透明樹脂100重量部に対して溶剤5
0〜500重量部程度である。
【0025】上記混合分散溶液に対しては、イソシアネ
ート,エポキシ樹脂,メチロール化メラミン樹脂,メチ
ロール化尿素樹脂,金属塩,金属水酸化物等の架橋剤、
グアニジン誘導体,含リン酸陰イオン活性剤,スルホン
サン類,第四アンモニウム塩,ピリジニウム塩,イミダ
ゾリン誘導体,モルホリン誘導体,ポリオキシエチレン
−アルキルフェノール,アルキルアミドエーテル,ソル
ビタン脂肪酸エステル等の帯電防止剤、シランカップリ
ング剤等の副成分が一種類もしくは二種類以上混合され
て配合されていてもよい。
【0026】基材フィルム表面への上記混合分散溶液の
塗布方法としては、コンマダイレクト法,ロールコート
法,ディッピング法,ナイフコート法,カーテンフロー
法,スプレーコーティング、スピンコーティング,ラミ
ネート法等各種の方法が行われるが、特に限定されるも
のではなく、溶剤や微粒子の配合部数や、混合分散溶液
の粘度,目的とするコーティングの厚さ,基材フィルム
の表面状態等によって最適なものを選んで行う。
【0027】また、基材フィルム表面に塗工された混合
分散溶液の乾燥方法としては、特に限定されるものでは
なく、自然乾燥,熱風加熱乾燥,真空乾燥等各種の方法
が行われる。上記混合分散溶液を乾燥させて、基材フィ
ルムの表面に、微粒子が透明樹脂に分散された樹脂組成
物のコーティングが形成される。
【0028】上記のようにして形成されたコーティング
の厚みは、光拡散性と光透過率とのバランスから決定さ
れ、5〜100μm程度が好ましく、30〜75μmで
あればさらに好ましい。
【0029】上記光拡散フィルムは、例えば、図1に示
すような面光源装置に組み込んで使用される。すなわ
ち、図において、2は導光板、4は上記導光板2の光入
射端面から光を入射させる冷陰極管等の光源,3は上記
導光板2の裏面側に配設され導光板2の裏面から出射し
ようとする光を反射させる反射板である。また、1は上
記導光板2の光出射面側に配設される光拡散フィルム、
5はこの光拡散フィルム1の光出射面側に配設され集光
作用等を持たせる2枚の集光シートである。また、9は
上記光源4の光線を反射させて導光板2の光入射端面か
ら入射させる反射カバーである。
【0030】ここで、上記面光源装置に用いる導光板2
の材質としては、透明度の高い材質が好適に用いられ
る。例えば、アクリル樹脂,メタクリル樹脂,ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル樹脂,ポリカーボ
ネート,ポリスチレン,スチレン−アクリロニトリル共
重合体(AS樹脂),スチレン−メタクリル酸メチル共
重合体(MS樹脂),ポリ−4−メチルペンテン−1,
塩化ビニル樹脂,ジエチレングリコールビスアリルカー
ボネート,ガラス等各種のものが用いられる。また、上
記導光板2の形状も、板状に限らず、直方体状等所望の
形状に形成することができる。
【0031】上記光拡散フィルム1は、例えば、図2に
示すように、透明な基材フィルム7の片面が透明樹脂6
aと微粒子6bとからなるコーティング6が形成された
光拡散面とされ、他面が略一定方向に配向した多数の筋
状凹凸からなる微小凹凸面8とされている。
【0032】上記構成において、光源4で発生した光
は、導光板2の光入射端面から導光板2内に入射する。
このとき、光は、光源4から直接入射したり、あるい
は、反射カバー9で反射した光が入射したりする。この
入射光は、導光板2内を通過し、その一部が光出射面側
から出射しながら導光板2内を通過して光源4が設けら
れた光入射端面と反対側の端面に向かって進行する。こ
れにより、光出射面全体が発光するようになっている。
上記導光板2の光出射面からの出射光は、光拡散フィル
ム1によって拡散されたのち集光シート5によって集光
され、液晶表示画面(図示せず)を照射する。
【0033】このとき、導光板2から出射した光が上記
光拡散フィルム1を透過する際に、方向が修正されて正
面方向に集められる。すなわち、光拡散フィルム1の微
小凹凸面8に対して斜めに入射した光が、微小凹凸面8
の筋状凹凸を透過する際に、あたかもプリズムを透過す
るときのように屈折し、正面方向に方向を変えてコーテ
ィング6を透過するのである。そして、このコーティン
グ6では、微粒子6bと透明樹脂6aの界面反射および
屈折により透過光が屈折して拡散される。このように、
微小凹凸面8の屈折作用により光拡散フィルム1を透過
する光の方向が修正されて正面方向に集められ、照射面
の正面輝度の向上が実現するのである。その結果、低電
力の光源4を使用して同等の正面輝度を得ることがで
き、低消費電力化が実現するのである。
【0034】また、上記微小凹凸面8の筋状凹凸は、略
一定方向に配向されていることから、この光拡散フィル
ム1は、光の散乱性にも上記筋状凹凸と同様の一定の方
向性が付与される。したがって、任意の方向に対して散
乱性を強めることも可能となり、透過光のコントロール
が可能となるのである。
【0035】なお、上記面光源装置において、光拡散フ
ィルム1の上側に配設した集光シート5を除去して使用
することもできる。また、上記面光源装置では、微小凹
凸面8を光拡散フィルム1の光入射側面に形成し、コー
ティング6を光出射側面に形成するようにしたが、これ
に限定されるものではなく、コーティング6を光入射側
面に形成し、微小凹凸面8を光出射側面に形成するよう
にしてもよい。
【0036】また、上記光拡散フィルム1では、光拡散
面を、コーティング6により形成したが、上述したよう
な粗面によって形成しても差し支えない。この場合に
も、同様の作用,効果を奏する。
【0037】また、上記面光源装置では、導光板2を板
状に形成したが、これに限定するものではなく、直方体
や楔型等所望の導光体形状に成形することができる。ま
た、使用する光源4も、線状の線光源に限らず、点光源
でもよく、所望の光源4を使用することができる。さら
に、光源4の位置も、一個所に限られるものではなく、
複数個所に設けるようにしてもよい。また、上記面光源
装置は、液晶ディスプレイ照射用のバックライトに適用
したが、これに限定するものではなく、直下型方式の面
光源装置をはじめ、その他の面光源装置すべてに応用す
ることができる。
【0038】また、本発明の光拡散フィルム1は、上述
したような面光源装置における光拡散フィルムとしてだ
けでなく、照明器具,電飾看板,背面投影スクリーン等
各種の機器の光をコントロールする光コントロールフィ
ルムとしても使用することができる。この場合にも、透
過する光を拡散させるとともに出射方向を修正し、正面
輝度を向上させるという効果を奏する。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明の光拡散フィルム
によれば、光拡散フィルム自体に出射光の方向を修正す
る機能をもたせることができ、面光源の正面輝度を向上
させることができる。したがって、従来と同程度の正面
輝度の面光源を、低消費電力で得ることができるように
なり、電池消費を低減させることができる。また、集光
シート等を用いなくても、高い正面輝度を得ることがで
きるようになるため、部品点数を減らすことができ、コ
ストダウンに貢献するとともに、小型化,薄型化へのニ
ーズにも応えることができる。しかも、上述したような
優れた性能の光拡散フィルムを、従来の光拡散フィルム
に、研削加工等の筋状凹凸からなる微小凹凸面を形成さ
せるだけで極めて安価に得ることができ、面光源装置自
体のコストダウンを図ることができる。
【0040】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0041】
【実施例1】片面にエンボス処理が施され光拡散面が形
成されたポリカーボネート製フィルム(厚み:130μ
m)の、上記エンボス処理面と反対側の面を、回転する
バフロール(#1000)で擦り、中心線平均粗さ(R
a)0.2μmの微小凹凸面を形成し、本発明の光拡散
フィルムを得た。
【0042】上記光拡散フィルムを光の出射方向が正面
方向に対して85°のところに出射光のピークをもつ導
光板の上に配設し、さらにその上部にプリズムシートを
集光方向が互いに直交するように2枚重ねで配設するこ
とにより、長辺一灯式の本発明の面光源装置(図1参
照)を作製し、正面輝度を測定したところ、1790c
d/m2 であった。
【0043】
【実施例2】厚み100μmのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム(商品名:ルミラー#100T
56,東レ社製)を基材フィルムとし、この片面に、下
記の樹脂組成物を塗工し、120℃で1分間乾燥させて
厚み40μmのコーティングが形成されたフィルムを得
た。このフィルムのコーティング形成面と反対側の面
を、回転するバフロール(#1000)で擦ることによ
り、中心線平均粗さ(Ra)0.2μmの微小凹凸面を
形成し、本発明の光拡散フィルムを得た。 〔樹脂組成物〕 ポリエステル樹脂 (商品名:バイロン200,東洋紡績社製) :100重量部 ポリスチレン球状粒子 (商品名:テクポリマーSBX−17,積水化成品工業社製):100重量部 トルエン(溶剤) :200重量部 メチルエチルケトン(溶剤) : 50重量部
【0044】上記光拡散フィルムを光の出射方向が、正
面方向に対して85°のところに出射光のピークをもつ
導光板の上に配設し、さらにその上部にプリズムシート
を集光方向が互いに直交するように2枚重ねで配設する
ことにより、長辺一灯式の本発明の面光源装置を作製
し、正面輝度を測定したところ、1805cd/m2
あった。
【0045】
【実施例3】厚み100μmのポリエチレンテレフタレ
ート(PET)フィルム(商品名:ルミラー#100T
56,東レ社製)を基材フィルムとし、この片面に、下
記の樹脂組成物を塗工し、120℃で1分間乾燥させて
厚み40μmのコーティングが形成されたフィルムを得
た。このフィルムのコーティング形成面と反対側の面
を、回転するナイロンブラシロール(#1000)で擦
ることにより、中心線平均粗さ(Ra)0.9μmの微
小凹凸面を形成し、本発明の光拡散フィルムを得た。 〔樹脂組成物〕 ポリエステル樹脂 (商品名:バイロン200,東洋紡績社製) :100重量部 ポリスチレン球状粒子 (商品名:テクポリマーSBX−17,積水化成品工業社製):100重量部 トルエン(溶剤) :200重量部 メチルエチルケトン(溶剤) : 50重量部
【0046】上記光拡散フィルムを光の出射方向が、正
面方向に対して85°のところに出射光のピークをもつ
導光板の上に配設し、さらにその上部にプリズムシート
を集光方向が互いに直交するように2枚重ねで配設する
ことにより、長辺一灯式の本発明の面光源装置を作製
し、正面輝度を測定したところ、1813cd/m2
あった。
【0047】
〔樹脂組成物〕
ポリエステル樹脂 (商品名:バイロン200,東洋紡績社製) :100重量部 ポリスチレン球状粒子 (商品名:テクポリマーSBX−17,積水化成品工業社製):100重量部 トルエン(溶剤) :200重量部 メチルエチルケトン(溶剤) : 50重量部
【0048】上記光拡散フィルムを光の出射方向が、正
面方向に対して85°のところに出射光のピークをもつ
導光板の上に配設し、さらにその上部にプリズムシート
を集光方向が互いに直交するように2枚重ねで配設する
ことにより、長辺一灯式の面光源装置を作製し、正面輝
度を測定したところ、1765cd/m2 であった。
【0049】上記実施例1〜3および比較例の結果から
明らかなように、各実施例品は、微小凹凸面を形成させ
なかった比較例品と比べ、高い正面輝度が得られている
ことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の面光源装置を示す説明図である。
【図2】本発明の光拡散フィルムを示す断面図である。
【図3】従来例の面光源装置を示す説明図である。
【図4】他の従来例の面光源装置を示す説明図である。
【符号の説明】
1 光拡散フィルム 6 コーティング 7 基材フィルム 8 微小凹凸面

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それ自体を透過する光を拡散させる光拡
    散フィルムであって、透明の基材フィルムの片面が光拡
    散面に形成され、他面が、略一定方向に配向した多数の
    筋状凹凸からなる微小凹凸面に形成されていることを特
    徴とする光拡散フィルム。
  2. 【請求項2】 光拡散面が、粗面によって構成されてい
    る請求項1記載の光拡散フィルム。
  3. 【請求項3】 光拡散面が、微粒子が分散された樹脂組
    成物のコーティングによって構成されている請求項1記
    載の光拡散フィルム。
  4. 【請求項4】 微小凹凸面の中心線平均粗さ(Ra)
    が、0.1〜30μmである請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の光拡散フィルム。
  5. 【請求項5】 微小凹凸面の筋状凹凸が、研削加工面に
    よって構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記
    載の光拡散フィルム。
  6. 【請求項6】 透明の導光板と、この導光板の一部から
    光を入射させる光源と、上記導光板の光出射面側に配設
    され光出射面から出射される光を拡散させる光拡散フィ
    ルムとを備えた面光源装置であって、上記光拡散フィル
    ムが、透明の基材フィルムの片面が光拡散面に形成さ
    れ、他面が、略一定方向に配向した多数の筋状凹凸から
    なる微小凹凸面に形成されていることを特徴とする面光
    源装置。
  7. 【請求項7】 光拡散フィルムの光拡散面が、粗面によ
    って構成されている請求項6記載の面光源装置。
  8. 【請求項8】 光拡散フィルムの光拡散面が、微粒子が
    分散された樹脂組成物のコーティングによって構成され
    ている請求項6記載の面光源装置。
  9. 【請求項9】 光拡散フィルムの微小凹凸面の中心線平
    均粗さ(Ra)が、0.1〜30μmである請求項6〜
    8のいずれか一項に記載の面光源装置。
  10. 【請求項10】 光拡散フィルムの微小凹凸面の筋状凹
    凸が、研削加工面によって構成されている請求項6〜9
    のいずれか一項に記載の面光源装置。
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