JPH09304525A - 運動物体探知装置 - Google Patents

運動物体探知装置

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JPH09304525A
JPH09304525A JP8125475A JP12547596A JPH09304525A JP H09304525 A JPH09304525 A JP H09304525A JP 8125475 A JP8125475 A JP 8125475A JP 12547596 A JP12547596 A JP 12547596A JP H09304525 A JPH09304525 A JP H09304525A
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signal
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真二 後藤
Akio Takahashi
昭雄 高橋
Ikuo Arai
郁男 荒井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 倒壊した建造物などの奥にいる生体等の電波
探知を容易にする。 【解決手段】 竿状の支持部材1の先端に小型のアンテ
ナ2を取付けて、アンテナを、倒壊した建造物の残骸や
瓦礫などの隙間に容易に差し込めるようにする。アンテ
ナと支持部材の全体の代表的な寸法は、長さが1m前後
で、長さ方向に垂直な方向における最大寸法が10cm
前後である。支持部材1には、可撓性を持たせたり、屈
曲可能なジョイント又は関節部を設けるのが有利であ
る。受信回路において、静止物体からの反射波の信号を
抑制するため、送信信号の一部の位相と振幅を調整した
ものを、受信信号から減算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動く物体、特に、
遮蔽物のために視認が困難な動く物体を探知する装置、
例えば、倒壊した建造物、堆積した瓦礫、土砂、雪など
の中に閉じ込められた生体を探索するための装置や、地
下などの視認困難な場所に存在する動物その他の動く物
の発見や観察をするための装置に、関するものである。
【0002】
【従来の技術】医療の分野においては、呼吸や心拍動に
伴う体表面の微小変位、あるいは手、足、頭部など身体
各部の動きを計測することにより、呼吸状態、心拍動状
態、平衡機能、小脳機能、不随意運動などの機能の検査
を行なうことができ、これらの計測を遠隔的に、非接
触、無拘束で行なう手段として、マイクロ波変位計が知
られている。この装置は、計測対象に向けてマイクロ波
を照射し、反射波の位相変化や振幅変化から、動く計測
対象(人体)と静止反射体(壁、床等)を弁別するとと
もに、計測対象における前記微小変位や動きを計測する
ものである。
【0003】これと同じ原理を用いて、マイクロ波を用
いて、遮蔽物の蔭にいる生体、例えば、塀の向う側や建
物の内部に潜む人間、あるいは倒壊した建造物、堆積し
た瓦礫等の中に閉じ込められた人間などを、その呼吸や
心拍動に伴う体表面の微小変位、あるいは手、足、頭部
など身体各部の動きを検知することによって探知する生
体探知装置も、既に知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の生体探知装置
は、マイクロ波の送受信に、通常のホーンアンテナ、パ
ラボラアンテナなどを用い、これを、遮蔽物からある程
度離れた所に置く。ところが、遮蔽物、特に、倒壊した
建造物、堆積した瓦礫などの外からこのような通常のア
ンテナで電波を送受するのでは、これら遮蔽物の表面か
らの雑多な反射波が多量に混在するため、これら遮蔽物
の奥又は蔭にいる生体の微小な動きを検知することが困
難であり、更に、付近に探知対象以外の生体その他の動
く物体が存在すると、それからの反射波も受信されて、
誤探知を起こす恐れがある。
【0005】また、探知対象とアンテナの間に存在する
遮蔽物が電波を通しにくいものであると、探知対象に到
達する電波とそれからの反射波は著しく減衰するので、
探知能力が大きく低下する。
【0006】本発明の課題は、マイクロ波利用の運動物
体探知装置において、前記のような遮蔽物や近辺の運動
体の悪影響を除くことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、送信アンテナ
と受信アンテナ、又は送受信兼用アンテナを、竿状の支
持部材の先端部に設ける。支持部材の長さ方向に垂直な
方向におけるアンテナと支持部材の全体としての最大寸
法は15cm以下である。支持部材は、その少なくとも一
部が可撓性を持つか、又は少なくとも1ヵ所に屈曲可能
な部分を持つのが有利である。アンテナと支持部材の全
体の長さは、50cm以上であることが好ましい。
【0008】この構造は、アンテナを、建造物の残骸や
瓦礫などの隙間から奥に差し込んだり、あるいは、それ
らに比較的細い穴を穿ってそこに差し込むことを可能に
し、それにより、前記の難点が克服できる。
【0009】指向性の向きを異にする複数のアンテナを
組合せれば、広い範囲の探索が可能である。また、送信
器の少なくとも送出端側部分及び受信器の少なくとも受
信端側部分の少なくとも一方を前記支持部材の内部に設
けてもよい。支持部材自体を導波管として用いることも
可能である。
【0010】受信回路は、送信信号の一部を受けてその
位相と振幅を調整する調整回路と、この調整回路の出力
を受信信号から減算して受信信号中の静止物体からの反
射波に対応する信号を抑制する相殺回路とを備えるのが
よく、更に、検波回路としては、前記相殺回路の出力を
送信信号の基準信号で位相検波する回路と、前記相殺回
路の出力を前記基準信号と90度位相が異なる信号で位
相検波する回路とを組み合わせるのが有利である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による探知装置の
一例の全体の外観を示す。管状の支持部材1の先端にア
ンテナ部2があり、そこに、送信アンテナと受信アンテ
ナの対か、又は送受信兼用アンテナが設けられている。
アンテナ部2に接続された送信信号用ケーブル3と受信
信号用ケーブル4は、例えば同軸ケーブルであり、管状
の支持部材1の中を通ってその後端から引き出されて、
送信信号用ケーブル3の末端は第1筐体5内の送信器に
接続され、受信信号用ケーブル4の末端は第2筐体6内
の受信器に接続されている。
【0012】第1筐体5には電源も収納されている。第
1筐体5は、また、車輪を備えていて、台車の役目も果
たし、それから延びたハンドル7に第2筐体6が取付け
られており、これにより、この探知装置の全体を、人力
で所望の位置に移動することができる。第2筐体6に
は、受信信号から運動体を検知する検知回路も納められ
ており、その出力は、この例では、ヘッドホン8に接続
されている。第2筐体6には、更に、後述する不要反射
波相殺信号の調整のためのダイヤルやメーターが設けら
れている。
【0013】支持部材1とアンテナ部2の全体は、手に
持って扱える程度の寸法と重量のものであり、これを、
倒壊した建造物の残骸の隙間から奥の方に挿入したり、
あるいは、土砂や雪に穴を穿って、そこに挿入すること
ができる。このような操作性のためには、支持部材1と
アンテナ部2を合わせた部分の寸法として、長さが50
cm以上で、最も太い部分の直径が15cm以下であること
が好都合であり、典型的には、長さが約1.5メートル
で、最大直径が約10cmである。
【0014】図2は、支持部材1とアンテナ部2の一例
の詳細を示す。支持部材1は、ある程度の可撓性がある
材料、例えば、厚さが2mm程度の塩化ビニールなどのプ
ラスチックで作られた円管10からなり、その先端に、
アンテナ部2が着脱可能に取付けられる。アンテナ部2
は、円管10と同質で同径の短い円管11と、その先端
に着脱可能に取り付けられたコーン12からなり、円管
11の内側に、送信アンテナ13と受信アンテナ14が
取付けられる。送信用同軸ケーブル3と受信用同軸ケー
ブル4は、円管10の後端から管内を通ってアンテナ部
2に達し、それぞれバラン回路(図示省略)を介して、
送信アンテナ13と受信アンテナ14に接続される。コ
ーン12は、異物の侵入を防ぐとともに、隙間への滑ら
かな挿入を可能にする。
【0015】図3は、支持部材1とアンテナ部2の他の
例の詳細を示す。この例では、図2に示した送信アンテ
ナ13と受信アンテナ14の代りに、送受信兼用アンテ
ナ15が設けられ、この送受信兼用アンテナ15に接続
された単一の同軸ケーブル16は、サーキュレータ17
を介して、送信用同軸ケーブル3及び受信用同軸ケーブ
ル4と接続される。このサーキュレータは、円管10の
内部に設けても、あるいは外部に設けてもよい。
【0016】図4は、図2に示した構造の変形を示す。
この構造では、受信器の受信端側増幅回路18も、円管
10の内部に納められており、それへの電力供給は、電
源ケーブル19を介して行なわれる。受信器の受信端側
増幅回路の代りに、送信器の送出端側増幅回路を円管1
0内に設けてもよく、あるいは、両者を共に円管10内
に設けてもよい。
【0017】図3に示した送受信兼用アンテナを設ける
構造においても、同様に、受信器の受信端側増幅回路及
び/又は送信器の送出端側増幅回路を、円管10の内部
に収納することが可能である。例えば、図3において、
送信用同軸ケーブル3と受信用同軸ケーブル4を円管1
0の内部まで延ばして、これらを、円管10の内部に取
付けられた送信器の送出端側増幅回路と受信器の受信端
側増幅回路にそれぞれ接続し、これらの増幅回路を、同
じく円管10の内部に設けられたサーキュレータ17を
介して、送受信兼用の同軸ケーブル16に接続する。更
に、これら増幅回路に電力を供給するための電源ケーブ
ルを追加する。
【0018】図5ないし8は、特にアンテナ部2の更に
具体的な例の幾つかを示す。なお、これらの例において
も、受信器の受信端側増幅回路及び/又は送信器の送出
端側増幅回路を、円管10の内部に収納することが可能
である。
【0019】図5は、図2における送信アンテナ13及
び受信アンテナ14にダイポールアンテナを採用した場
合の、アンテナ部分の詳細を示す。(a)は平面図であ
り、(b)は側面図であり、そして(c)は代表として
の送信アンテナ13の斜視図である。プラスチック製の
リング20は、外殻をなす円管11(図2)の内側にち
ょうど収まるような大きさの外径を有し、ある箇所に両
側からV字形の切り込みがあって、そこにダイポールア
ンテナの本体をなす一対の三角形の金属片21及び22
が嵌め込まれている。これらの金属片の突端は、それぞ
れ導電線23及び24によりバラン回路25に接続さ
れ、バラン回路25は送信用同軸ケーブル3に接続され
る。バラン回路25もリング20に固定されている。
【0020】この構造は、円管11内へのダイポールア
ンテナの組込作業を容易にする。アンテナ本体の三角形
の金属片21及び22は、僅かずつ長さの異なる多数の
ダイポールアンテナの集合体と等価であって、それによ
り、帯域幅が拡大する。受信アンテナ14の構造も、実
質上これと同一である。
【0021】図6は、送受信兼用アンテナとしてマイク
ロストリップアンテナ26を採用した場合を示す。この
マイクロストリップアンテナ26は、支持部材1の長さ
方向に対して適当な傾きθを持っており、その結果、指
向性が支持部材1の長さ方向に対してある角度をなす。
したがって、支持部材1をその軸の廻りに回転させるこ
とにより、円錐状の範囲を探索することができる。
【0022】図7は、送受信兼用ダイポールアンテナ1
5に加えて、コーン12内に送受信兼用マイクロストリ
ップアンテナ27を設けた例を示す。送受信兼用の同軸
ケーブル16は、分配/合成器28を介して両アンテナ
に接続される。この構造によれば、ダイポールアンテナ
15によって、支持部材1の軸と直交する方向を探索す
るとともに、マイクロストリップアンテナ27によっ
て、支持部材1の軸方向を探索することができる。マイ
クロストリップアンテナ27に、図6に示したように、
支持部材1の長さ方向に対して適当な傾きを持たせても
よい。これらの例の他にも、指向性の向きを異にする複
数のアンテナを組合せることができる。
【0023】図8は、送受信兼用アンテナとしてスリー
ブアンテナ29を採用した場合を示す。これは、支持部
材1とアンテナ部2の全体を、細くて可撓性の高いもの
とすることができる。
【0024】前述した各例において、円管10の代りに
角管を用いることもできる。円管であれ、角管であれ、
なるべくは、全体が弾力に富み、可撓性の大きいものが
好ましいが、部分的に可撓性を持たせたり、可撓性を全
く欠くものでも、目的・用途によっては十分である。管
の中間部の1箇所又は複数箇所を、ゴムなどの特に可撓
性が大きい材料の管で継ぐ構造にしたり、不連続な屈曲
角度が取れるジョイント構造又は関節構造にするのも有
効である。
【0025】図9は、円管10の関節構造の一例を示
す。(a)は全体を示し、(b)は1個のピースを部分
的断面図で示す。複数の同形のピース30が嵌め合いに
より連結されて、円管10を形成する。各ピース30
は、その直径よりも若干小径の球状部31を一端に備え
るとともに、他方の端部付近に、他のピースの球状部3
1が嵌まり込みうる空洞部32を備える。
【0026】図10は、支持部材1とアンテナ部2の更
に他の例を示す。この例では、導波管33そのものが支
持部材1を兼ねており、その後端には、サーキュレータ
34を介して、送信用同軸ケーブル3と受信用同軸ケー
ブル4が接続される。導波管33の先端は斜めにカット
されて、その切り口は、スリット部35を有する壁で塞
がれている。スリット部35には、適当な形状、寸法及
び個数のスリットが空けられていて、これが送受信兼用
アンテナとして機能する。スリット部35の面が導波管
33の軸方向に対して斜めになっていることにより、指
向性が導波管の軸方向に対してある角度を持つので、図
6の構造の場合と同様に、導波管をその軸の周りに回転
させて、広い範囲を探査することができる。図示されて
はいないが、導波管の中間部の1箇所又は数箇所に蛇腹
部を設けて、そこで曲げられるようにしてもよい。
【0027】次に送受信回路を説明する。図11は、ス
ーパーヘテロダイン方式の送信器と受信器の回路構造の
一例を、ブロック図で示す。送信器40において、高周
波発生器41の出力は、分配/合成器42、増幅器4
3、ミクサ44、増幅器45、分配/合成器46及び増
幅器47をこの順で経て、送信用同軸ケーブル3に供給
される。一方、受信器50において、受信用同軸ケーブ
ル4上の信号は、増幅器51、減算器52、増幅器5
3、ミクサ54及び増幅器55をこの順で経て、検波器
56に供給され、位相が90度異なる1対の検波出力E
1及びE2に変換される。送信器内のミクサ44と受信器
内のミクサ54には、局部発振器60の出力も供給され
る。送信器内の分配/合成器46の分岐出力epは、不
要反射波相殺信号発生器61に供給され、この発生器6
1の出力eqは、受信器内の減算器52に供給される。
送信器内の分配/合成器42の分岐出力ecは、検波器
56に供給される。
【0028】図12は、検波器56の内部構成を示す。
増幅器55からの信号erは2分されて、一方は乗算器
1561に被乗数信号として供給され、他方は乗算器
2562に被乗数信号として供給される。また、送信
器内の分配/合成器42の分岐出力ecも2分されて、
一方はそのまま乗算器M1に乗数信号として供給され、
他方は90度移相器563を経て乗算器M2に乗数信号
sとして供給される。乗算器M1及びM2の出力は、そ
れぞれ低域フィルタ564及び565を通って、検波出
力E1及びE2となる。
【0029】図13は、不要反射波相殺信号発生器61
の内部構成を示す。送信器内の分配/合成器46の分岐
出力epは、可変移相器611と可変減衰器612によ
りそれぞれ位相と振幅が調節されて、不要反射波相殺信
号eqとなる。
【0030】ここで、図11ないし13に示された回
路、特に受信器の動作を説明する。一般に、送信信号e
Tと受信信号eRは、下記の式で表わすことができる。 eT=aT cosω0t (1) eR=aR cosω0(t−τ) (2) aT、aR:定数 ω0:角周波数=2πf00は例えば1200MHz t:時間 τ=2R/V R:反射体までの距離 V:電波の速度
【0031】説明を簡明にするため、減算器52は無い
と仮定すると、検波器56に入力される受信信号e
rは、次式で表わすことができる。 er=ar cosω(t−τ) (3) ω:周波数変換後の中間角周波数=2πf fは例えば10MHz 他方、分配/合成器42により分岐された送信信号の一
部ecは、次式で表わすことができる。 ec=ac cosωt (4)
【0032】乗算器M1によりecとerを乗算すると、 ec×er=am cosωt cosω(t−τ) =(1/2)am{cosω(2t−τ)+cosωτ} (5) am=ar×ac また、乗算器M2により、ecを90度移相した信号
s、すなわちac sinωtとerを乗算すると、 es×er=(1/2)am{sinω(2t−τ)+sinωτ} (6)
【0033】(5)式及び(6)式において、右辺を展
開したときの第1項は、放射電波の2倍の周波数を持つ
が、同第2項におけるωτは、反射体が静止物体の場合
は一定であり、運動体の場合でも、その変化の周波数は
第1項に比して極めて低い。したがって、これら乗算器
の出力をそれぞれ低域フィルタ564及び565を通す
と、(5)式及び(6)式の右辺第1項に対応する成分
が除去されて、検波出力E1及びE2が得られる。すなわ
ち、 E1=(1/2)am cosωτ (7) E2=(1/2)am sinωτ (8)
【0034】以上の説明は、任意の一つの反射波につい
てのものであり、したがって、探知対象である運動体、
例えば生体からの反射波の位相(電波が往復に要する時
間)をτoとし、それ以外の障害物、すなわち静止物か
らの反射波の位相をτnで代表すれば、検波出力E1及び
2は次のようになるはずである。 E1=(1/2)am cosωτo+(1/2)am' cosωτn (9) E2=(1/2)am sinωτo+(1/2)am' sinωτn (10)
【0035】上掲2式の右辺第2項は、探知対象とは無
関係な、いわばノイズである。ところが、通常、am'は
mよりも著しく大きいため、このままでは、第1項、
すなわち探知対象に対応する所望の信号がこのノイズの
中に埋もれてしまい、十分な感度が得られない。
【0036】そこで、減算器52及び不要反射波相殺信
号発生器61(図13)が設けられる。分配/合成器4
6の分岐出力epの位相と振幅を、可変移相器611と
可変減衰器612により、増幅器51からの受信信号の
主要成分のそれらととほぼ等しくなるように調整し、そ
れを減算器52に供給して、増幅器51からの受信信号
から差し引く。実際には、減算器52の出力をレベルメ
ータなどで監視しながら、それが最小となるように、可
変移相器611と可変減衰器612を調節すればよい。
これにより、(9)式と(10)式の右辺第2項の振幅
を、同第1項に対する後述の検知処理に支障がない程度
に、小さくすることができる。
【0037】ところで、探知対象である運動体とアンテ
ナの間の距離は、運動体の動き、例えば、生体の呼吸、
心拍、身体各部の動きなどに応じて、僅かであるが変動
し、それに起因して、対象物からの反射波の位相τo
変動する。したがって、(9)式及び/又は(10)式
の変化分を調べれば、探知対象である運動体を検知する
ことができる。
【0038】さて、探知対象までの距離の平均値をRo
で表わし、変動分をrで表わせば、 ωτo=ω・2(Ro+r)/V=(2ω/V)Ro+(2ω/V)r ここで、2ω/VとRoは一定であるから、(2ω/
V)Ro=A、2ω/V=Bと置けば、(9)式と(1
0)式は次のように書き替えられる。ただし、前述のよ
うにして低減された不要反射波信号の残渣をΔE1とΔ
2で表わす。 E1=(1/2)am cos(A+Br)+ΔE12=(1/2)am sin(A+Br)+ΔE2
【0039】しかるに、Roは数m程度であるのに対し
て、rはせいぜい数cm程度であるから、|A|≫|Br|
であり、したがって、次の近似式が成り立つ。 E1≒(1/2)am{cosA−Br sinA}+ΔE1 (11) E2≒(1/2)am{sinA+Br cosA}+ΔE2 (12)
【0040】これら2式の右辺を展開したときの第1項
と第3項は一定、すなわち直流成分であから、高域フィ
ルタによって除去することができ、それにより、第2項
が示す反射波信号の変化分、すなわち探知対象である運
動体を、検知することができる。
【0041】図14は、検波出力E1及びE2から運動体
を検知するための回路の一例を示すものである。高域フ
ィルタ70及び71は、検波出力E1及びE2からそれぞ
れ直流成分を除去し、その結果、(11)式及び(1
2)式の右辺第2項に対応する信号のみが、増幅器72
及び73で増幅される。これらで増幅された信号は、そ
れぞれ加算器74及び75で加えられたバイアス電圧E
B1及びEB2と共に、電圧制御型の可変周波発振器76及
び77を制御し、これらの発振器の出力は、ヘッドホン
8(図1)で聴取されて、その周波数変化により、対象
物の動きが検知される。
【0042】(11)式と(12)式の右辺第2項は、
r、すなわち探知対象の距離の変動分に比例している
が、その周波数は通常非常に低い。例えば、心拍は1ヘ
ルツ前後であり、呼吸は0.4ヘルツ前後である。そこ
で、バイアス電圧EB1及びEB2によって、可変周波発振
器76及び77の発振周波数が、聴取し易い周波数、例
えば800ヘルツ付近を中心として、変動するように調
整する。
【0043】なお、90度位相が異なる検波出力E1
びE2を発生させる理由は、次のとおりである。すなわ
ち、変化量rの係数であるsinAとcosAにおいて、Aす
なわち(2ω/V)Roがπの整数倍に近い時には、sin
A≒0となるので、E1による検知は不可能になるが、
|cosA|≒1となるので、E2による検知の感度は最大
となり、また、Aがπ/2の整数倍に近いときには、co
sA≒0となるので、E2による検知は不可能となるが、
|sinA|≒1となるので、E1による検知の感度は最大
となる。したがって、Aの値の如何にかかわらず、検出
不能という事態を避けることができるのである。
【0044】図15は、検知回路の他の例を示す。図1
4で用いられているものと同じ符号は、同等の回路を表
わす。この例では、増幅器72及び73の出力は、それ
ぞれA/D変換器78及び79でディジタル信号に変換
されてから、算術演算回路80に供給されて、式(1
1)及び(12)の右辺第2項(変化分)の2乗の和が
算出され、その結果を高速フーリエ変換器81がスペク
トル解析して、得られたパワースペクトルが表示装置8
2に表示される。
【0045】変形として、算術演算回路81の出力値を
再びアナログ信号に変換し、それを用いて、波形図表
示、レベルメータ表示などを行なうか、あるいは、受話
器に接続された可変周波発振器を制御してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による探知装置の一例の全体の外観を示
す図。
【図2】支持部材とアンテナ部の一例の詳細を示す図。
【図3】支持部材とアンテナ部の他の例の詳細を示す
図。
【図4】図2に示した構造の変形を示す図。
【図5】アンテナ部の具体的な一例を示す図。
【図6】アンテナ部の具体的な他の例を示す図。
【図7】アンテナ部の具体的な他の例を示す図。
【図8】アンテナ部の具体的な更に他の例を示す図。
【図9】支持部材の関節構造の一例を示す図。
【図10】導波管が支持部材を兼ねる構造の一例を示す
図。
【図11】送受信回路の一例を示すブロック図。
【図12】図11に示された回路中の検波器の一例のブ
ロック図
【図13】図11に示された回路中の不要反射波相殺信
号発生器の一例のブロック図
【図14】検波出力から運動体を検知するための回路の
一例のブロック図。
【図15】検波出力から運動体を検知するための回路の
他の例のブロック図。
【符号の説明】
1…アンテナ支持部材 2…アンテナ部 5…送信機筐
体 6…受信機筐体 8…運動体検知出力手段の一例としてのヘッドホン 1
3…送信アンテナ 14受信アンテナ 15…送受信兼
用アンテナ 26、27…マイクロストリップアンテナ
29…スリーブアンテナ 33…導波管 35…アン
テナとしてのスリット部 40…送信器 50…受信器
52…減算器 56…検波器 561、562…乗算
器 61…不要反射波相殺信号発生器 611…可変移
相器 612…可変減衰器

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定周波数の電波を放射して反射波の特性
    から運動物体を探知する装置であって、特徴として、前
    記電波を放射するための送信アンテナと前記反射波を受
    信するための受信アンテナとが竿状の支持部材の先端部
    に設けられ、前記支持部材の長さ方向に垂直な方向にお
    ける前記アンテナと支持部材の全体としての最大寸法が
    15cm以下である、運動物体探知装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記支持部材はその少
    なくとも一部が可撓性を有する、運動物体探知装置。
  3. 【請求項3】請求項1又は2において、前記支持部材は
    少なくとも1箇所に屈曲可能な部分を有する、運動物体
    探知装置。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかにおいて、前
    記アンテナと支持部材の全体の長さが50cm以上であ
    る、運動物体探知装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかにおいて、前
    記送信アンテナ及び受信アンテナの代りに送受信兼用ア
    ンテナが設けられている、運動物体探知装置。
  6. 【請求項6】請求項1ないし5のいずれかにおいて、前
    記アンテナは、指向性の向きを異にする複数のアンテナ
    の組合せからなる、運動物体探知装置。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれかにおいて、送
    信器の少なくとも送出端側部分及び受信器の少なくとも
    受信端側部分の少なくとも一方が前記支持部材の内部に
    設けられている、運動物体探知装置。
  8. 【請求項8】請求項5において、前記支持部材はそれ自
    体が導波管として機能する、運動物体探知装置。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8のいずかにおいて、受信
    回路は、送信信号の一部を受けてその位相と振幅を調整
    する調整回路と、前記調整回路の出力を受信信号から減
    算して受信信号中の静止物体からの反射波に対応する信
    号を抑制する相殺回路とを有する、運動物体探知装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記受信回路は、前
    記相殺回路の出力を送信信号の基準信号で位相検波する
    検波回路と、前記相殺回路の出力を前記基準信号と90
    度位相が異なる信号で位相検波する検波回路とを有す
    る、運動物体探知装置。
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