JPH09304346A - 磁気ヘッド装置 - Google Patents

磁気ヘッド装置

Info

Publication number
JPH09304346A
JPH09304346A JP14825096A JP14825096A JPH09304346A JP H09304346 A JPH09304346 A JP H09304346A JP 14825096 A JP14825096 A JP 14825096A JP 14825096 A JP14825096 A JP 14825096A JP H09304346 A JPH09304346 A JP H09304346A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
exciting
head device
magnetic head
head
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP14825096A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroaki Sakamoto
広明 坂本
Toru Inaguma
徹 稲熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP14825096A priority Critical patent/JPH09304346A/ja
Publication of JPH09304346A publication Critical patent/JPH09304346A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials By The Use Of Magnetic Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 励磁用コイルや、波形発生器、パワーアン
プ、更には電池駆動の場合におけるDC/ACコンバー
タ等の煩雑な装置を用いることなく、極めて簡易な構成
で被測定物の磁気的異方性を検出することができる携帯
型の磁気ヘッド装置を提供する。 【解決手段】 被測定物20の局所領域に磁気的な異方
性が存在する場合、各端面7a,7bが回転して当該局
所領域を通過するときに、異方性の度合いに応じて被測
定物20の磁化の大きさが変化し、被測定物20の磁化
の大きさの変化を示す電気信号及び端面17,18の位
置を示す電気信号が検出される。そして、各電気信号の
位相差を求めて局部領域における磁気的な異方性の方向
が容易且つ高精度に決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定物の磁気的
性質の異方性からその材質や応力等の異方性を非破壊的
に診断するために用いられる磁気ヘッド装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、材料の磁気的性質が結晶粒径
や析出物などの組織、歪み等に依存することを利用し
て、被測定物の材質や応力等を非破壊的に検査すること
が試みられている。特に、鉄鋼製品や既設構造物に負荷
されている応力の異方性やこれらの材質的な異方性は、
疲労寿命或いは材料の変形等に悪影響を及ぼす場合が多
々あるために、これらの異方性を非破壊的に検出するこ
とが検討されている。
【0003】磁性体である被測定物の材質や応力等を非
破壊的に検査するには、上記被測定物に磁場を印加する
ことによって測定物の磁場を変化させ、この変化と被測
定物の組織や歪み等の状態と相関を利用する。
【0004】具体的には、例えば透磁率を測定して鋼材
の引っ張り強さを見積もる手法や保磁力を利用して焼き
入れ硬度を見積もる手法等がある。また、近時では磁性
体における磁化の不連続性に起因するバルクハウゼン信
号を利用した手法が注目されており、例えば、この信号
を用いて軟鋼の疲労強度や工具鋼の靱性を推定する手法
等が提唱されている。また、炭素鋼のα−Fe粒径及び
析出したセメンタイト粒径とバルクハウゼン信号との相
関関係も理論的に考察されている。
【0005】また、被測定物の応力の異方性や材質的な
異方性を検査する方法としては、例えば特開昭55−4
6143号公報に開示されているように、それぞれ略U
字形状の励磁用ヘッドと検出用ヘッドとが互いに直交す
るように配置されてなるクロスセンサーを用いて、励磁
方向に直流バイアス磁界を印加することによって上記ク
ロスセンサーのS/N比を高めて磁気トルクの測定精度
を向上させる磁気異方性パタ−ンの測定方法がある。さ
らに、特開昭55−65154号公報には、クロスセン
サーを用いて溶接継ぎ目を検出する方法が、特開昭56
−33574号公報には、直流バイアス磁界が予め設定
可能な磁化装置が内蔵されたクロスセンサーがそれぞれ
開示されている。さらに、特開昭60−17330号公
報には、クロスセンサーと脱磁器とが組み合わされて、
敷設レ−ルを脱磁した後に磁気異方性を測定して再現性
を確保するレ−ル軸応力測定器が、特開昭60−243
526号公報には、クロスセンサーである磁気異方性検
出コイルが差動接続されて外乱磁界を相殺するレ−ル軸
応力測定器がそれぞれ開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のクロス
センサーを用いて磁性体である被測定物の局所領域の応
力や材質等の方位分布を測定するには、上記クロスセン
サーと被測定物との角度を順次手動で変えてゆくことが
必要である。したがって、上記方位分布の測定には極め
て手間がかかり煩雑なものとなるという問題がある。ま
た、クロスセンサーの励磁用ヘッドは、略U字形状のヨ
ーク材に励磁コイルが巻回形成されて構成されており、
この励磁コイルに交流電流を供給することにより被測定
物が励磁される。したがって、交流電流を供給するため
の電源回路が必要であり、さらに電池駆動の場合にはD
C/ACコンバータ等を介して直流電流を交流電流に変
換することが必要となる。これらの外部装置が設けられ
るために小型化が困難となり、DC/ACコンバータ等
の設置により上記クロスセンサーが高周波ノイズを受け
る懸念がある。
【0007】そこで、本発明の目的は、励磁用コイル
や、交流電源回路、更には電池駆動の場合におけるDC
/ACコンバータ等の煩雑な装置を用いることなく、極
めて簡易な構成で簡便に被測定物における材質や応力等
に起因する磁気異方性を診断することを可能とする携帯
型の磁気ヘッド装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気ヘッド装置
は、磁性体である被測定物の局部領域を励磁することに
より当該局部領域の磁化変化を検出する磁気ヘッド装置
であって、略U字形状を有して両脚部の各端面が磁極と
なり、当該端面から磁束を発生させて上記被測定物を励
磁する励磁手段と、上記励磁手段の両脚部間の略中心部
位に配され、上記被測定物の磁化変化を検出する磁化検
出手段と、上記励磁手段の両脚部間の略中心部位に回転
軸を介して当該励磁手段と接続され、当該励磁手段を上
記各端面により形成される仮想平面内で回転駆動する回
転駆動手段と、回転する上記励磁手段の各端面の位置を
検出する位置検出手段とを備えるものである。
【0009】本発明の磁気ヘッド装置の一態様例は、上
記励磁手段が、軟質磁性材料よりなるヨーク材と磁束を
発生させて当該ヨーク材を磁化する永久磁石とから構成
されるものである。
【0010】本発明の磁気ヘッド装置の一態様例は、上
記磁化検出手段が、略U字形状を有して両脚部間の略中
心部位に上記励磁手段と同一の回転軸が接続されてな
り、回転駆動手段により上記励磁手段と同期して回転駆
動するように構成されるものである。
【0011】本発明の磁気ヘッド装置の一態様例は、上
述の構成に加えて、上記位置検出手段から帰還した電圧
信号に応じて回転駆動手段における励磁手段の回転数を
制御する回転制御手段を備えて構成される。
【0012】
【作用】本発明の磁気ヘッド装置においては、以下に示
すように磁性体である被測定物の磁気的な異方性が検出
される。先ず、上記励磁手段をその両脚部の各端面が被
測定物の表面から所定距離だけ離間させた状態で配置す
る。続いて、上記回転駆動手段を作動させて上記励磁手
段を上記各端面により形成される仮想平面内で回転駆動
する。このとき、磁気的な等方性をもつ理想的な被測定
物を想定すると、上記励磁手段が回転することにより上
記被測定物に与えられる磁化の方向が変化してもその大
きさは変わらないために上記磁化検出手段では磁化変化
は検出されない。それに対して、上記被測定物の局所領
域に磁気的な異方性が存在する場合では、上記励磁手段
が回転してその局所領域を通過するときに、異方性の度
合いに応じて上記被測定物の磁化の大きさが変化し、上
記磁化検出手段を貫く磁束量が変化して、当該磁化検出
手段において上記被測定物の磁化の大きさの変化を示す
電気信号が検出される。それとともに、上記位置検出手
段において上記励磁手段の磁極である端面の位置を示す
電気信号が検出される。そして、この電気信号と上記被
測定物の磁化の大きさの変化を示す電気信号との位相差
を求めることにより、上記位置検出手段の相対的な位置
を基準として上記被測定物の局部領域における磁気的な
異方性の方向が容易且つ高精度に決定される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気ヘッド装
置のいくつかの具体的な実施の形態について図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0014】(第1の実施の形態)先ず、第1の実施の
形態について説明する。この第1の実施の形態に係る磁
気ヘッド装置は、図1(a)に示すように、磁性体であ
る被測定物20の測定部位である局部領域を励磁してそ
の磁化変化を検出する磁気ヘッド部11と、当該磁気ヘ
ッド部11の回転制御を行う駆動制御部12と、磁気ヘ
ッド部11の構成要素である後述の励磁用ヘッド11の
位置を検出する位置検出センサ−6とから構成されてい
る。
【0015】磁気ヘッド部11は、上記局部領域を励磁
させる励磁用ヘッド13と、当該局部領域における磁化
変化を検出する検出用ヘッド14と、これら励磁用ヘッ
ド13及び検出用ヘッド14及び位置検出センサ−6を
収容する収納容器16とから構成されている。
【0016】上記励磁用ヘッド13は、磁束を発生させ
る磁束発生手段である永久磁石1と、軟質磁性材料から
なり永久磁石1から発生する磁束により磁化され磁路が
形成されるヨーク材2とから構成されている。
【0017】上記ヨーク材2は、略L字形状をなす一対
の磁気コア2a,2bから構成されており、被測定物2
0を励磁する際には各磁気コア2a,2bの端面17,
18が磁極となり所定のギャップだけ離間して被測定物
20と対向配置される。
【0018】上記永久磁石1は、N極及びS極の両磁極
(端面17,18)を結ぶ仮想線が磁化によりヨーク材
2内に形成される磁路上に位置するように配されてい
る。すなわち、永久磁石1がヨーク材2を構成する各磁
気コア2a,2bに狭持されるように接着剤等により固
定され、略U字型の形状となって励磁用ヘッド13が構
成される。
【0019】上記永久磁石1の材料としては、NdFe
B磁石やSmCo磁石等の希土類磁石が好適である。こ
れらの希土類磁石は、磁石の形状を例えば円形等として
反磁界係数を大きく設計する場合に適している。磁石の
形状を例えば棒状等として反磁界係数を小さく設計する
場合には、アルニコ磁石やFeCrCo磁石等が適して
いる。また、上記各磁気コア2a,2bの材料として
は、珪素鋼板やパーマロイ、アモルファス薄帯等を積層
させたものやソフトフェライト等が好適である。
【0020】上記検出用ヘッド14は、磁性材からなる
略U字型の形状のヨーク7材に銅線等の線材が巻回され
て検出用コイル8が形成され構成されており、各磁気コ
ア2a,2bの両脚部間の略中心部位に両脚部の各端面
7a,7bが被測定物20に対向するように配される。
この検出用ヘッド14の材料としては、各磁気コア2
a,2bと同様に珪素鋼板やパーマロイ、アモルファス
薄帯等を積層させたものやソフトフェライト等が好適で
ある。
【0021】そして、励磁用ヘッド13と検出用ヘッド
14に対して、それぞれ回転対称となる各中心部位に各
々の両脚部と略平行に回転軸15が設けられており、励
磁用ヘッド13及び検出用ヘッド14が回転軸15によ
り連結されている。
【0022】上記収納容器16は、筐体状の壁部9と底
蓋部10とから構成されている。壁部9の材料として
は、電磁波等の外乱ノイズの影響を除去することを考慮
して、通常の炭素鋼や珪素鋼板、アルミニウム等を用い
ることが好適であり、底蓋部10の材料としては、励磁
用ヘッド13から発生した磁束が当該底蓋部10を貫く
ことを考慮して、例えば樹脂等の非磁性且つ非導電性の
ものを用いることが好適である。この底蓋部10として
は、その厚みが0.3mm〜4mm程度であるものが好
ましい。上記厚みが0.3mmより薄いと、底蓋部10
の強度が低下して使用中に変形してしまう懸念がある。
また、上記厚みが4mmを越えると、非測定物20と励
磁用ヘッド13とのリフトオフ距離が大きくなり、それ
だけ検出できる信号強度が低下する。
【0023】上記駆動制御部12は、永久磁石1を回転
駆動する回転駆動手段であり乾電池等により駆動可能な
直流モータ3と、当該直流モータ3に直流電流を供給す
るための乾電池等の直流電源4と、直流モータ3の駆動
による回転軸15の回転数、即ち励磁用ヘッド13及び
検出用ヘッド14の回転数を制御する回転制御機構5と
から構成されている。
【0024】上記直流モータ3は、励磁用ヘッド13及
び検出用ヘッド14の回転駆動源である。この直流モー
タ3は、ヨーク材2の永久磁石1と回転軸15により接
続され、励磁用ヘッド13及びこれと回転軸15により
連結された検出用ヘッド14を励磁用ヘッド13の各磁
気コア2a,2bの各端面17,18(各端面7a,7
b)により形成される仮想平面内で回転駆動する。
【0025】上記回転制御機構5は、後述の位置検出セ
ンサー6からの電圧信号を直流モータ3に帰還(フィー
ドバック)させて励磁用ヘッド13及び検出用ヘッド1
4の回転数を制御するものである。ここで、回転制御機
構5により制御される回転数としては、1rpm〜10
00rpm程度とすることがこの好ましい。上記回転数
が1rpmより遅い場合では、磁気的な異方性の分布を
測定するために必要な時間が長くなって測定効率の低下
を来し、1000rpmより速い場合では、測定は十分
可能であるものの、回転軸15の振れを抑えるために余
分な治具が必要となって煩雑となる。
【0026】上記位置検出センサー6は、収納容器16
の底蓋部10上で壁部9に固定されて配されており、回
転する励磁用ヘッド13の磁極となる各端面17,18
の位置を検出するとともに、励磁用ヘッド13の回転数
を電気信号として回転制御機構5にフィードバックする
ものである。この位置検出センサー6としては、各端面
17,18から発生する磁束を検出する磁気センサーと
して機能するタイプのものや、磁気コア2a,2bの端
面17,18の近傍における両脚部の各側部に光反射板
を設け、当該光反射板からの反射光を検出する光センサ
ーとして機能するタイプのもの等を用いることが好適で
ある。上記磁気センサーとしては、例えばFe−Ni系
の材料からなり磁気抵抗効果を奏するMR素子が好まし
く、或いは通常の空心コイルも使用可能である。
【0027】以下、上記磁気ヘッド装置の動作原理につ
いて図1(b)を用いて説明する。先ず、磁気ヘッド部
11をその収納容器16の底蓋部10が被測定物20の
表面から所定距離だけ離間させた状態で配置する。続い
て、直流モータ3を作動させて励磁用ヘッド13及び検
出用ヘッド14を各端面17,18(各端面7a,7
b)により形成される仮想平面内で回転駆動する。
【0028】いま、回転駆動により各端面17,18が
実線で示した位置から破線で示した位置17’,18’
に回転移動した場合について考察する。このとき、被測
定物20が磁気的な等方性をもつものであると想定する
と、励磁用ヘッド13が回転することにより被測定物2
0に与えられる磁化の方向が図中実線で示す矢印の方向
から破線で示す矢印の方向へ変化してもその大きさは変
わらないために検出用ヘッド14のヨーク材7の各端面
7a,7bが実線で示した位置から破線で示した位置7
a’,7b’に回転移動しても当該検出用ヘッド14で
は磁化変化は検出されない。それに対して、被測定物2
0の局所領域に磁気的な異方性が存在する場合では、励
磁用ヘッド13のヨーク材7の各端面7a,7bが回転
して当該局所領域を通過するときに、異方性の度合いに
応じて被測定物20の磁化の大きさが変化し、検出用ヘ
ッド14に印加される磁束量が変化して、当該検出用ヘ
ッド14において被測定物20の磁化の大きさの変化を
示す電気信号が検出される。それとともに、位置検出セ
ンサー6において励磁用ヘッド13のヨーク材2の磁極
である端面17,18の位置を示す電気信号が検出され
る。
【0029】そして、この電気信号と被測定物20の磁
化の大きさの変化を示す電気信号とを所定のオシロスコ
ープに入力し、両者の位相差を求めることにより、位置
検出手段センサー6の相対的な位置を基準として被測定
物20の局部領域における磁気的な異方性の方向が容易
且つ高精度に決定される。なお、位置検出手段センサー
6の相対的な位置としては、例えば外側からでも認知で
きるように壁部9に付した目印を用いることが好まし
い。
【0030】具体的に、上記磁気ヘッド装置を用い、被
測定物20に例えば鉄系材料からなるものを用いてその
応力分布(応力の方位)を測定する場合、回転中の検出
用ヘッド14が特定の方向を通過するときに他の方向に
おける電圧よりも大きな電圧が誘起されたときには、そ
の方向に他の方向よりも引っ張り応力がより多く負荷さ
れていると判断できる。逆に、他の方向における電圧よ
りも小さな電圧が誘起されたときには、その方向に他の
方向よりも圧縮応力がより多く負荷されていると判断で
きる。応力の絶対値を求めたい場合には、予め、負荷応
力と誘起電圧信号との関係を検量線として求めておけば
よい。
【0031】このように、本第1の実施の形態の磁気ヘ
ッド装置によれば、励磁用コイルや、交流電源回路、更
には電池駆動の場合におけるDC/ACコンバータ等の
煩雑な装置を用いることなく、極めて簡易な構成で簡便
に被測定物20における材質や応力等に起因する磁気異
方性を診断することが可能となる。
【0032】(第2の実施の形態)続いて、第2の実施
の形態について説明する。この第2の実施の形態に係る
磁気ヘッド装置は、第1の実施の形態のそれとほぼ同様
の構成を有するが、永久磁石1の配し方が異なる点で相
違する。なお、第1の実施の形態に係る磁気ヘッド装置
と同様の構成要素等については同符号を記して説明を省
略する。
【0033】本第2の実施の形態に係る磁気ヘッド装置
においては、図2に示すように、ヨーク材22の両端部
にそれぞれ永久磁石1が固定され、ヨーク材22及び各
永久磁石1により略U字形状に励磁用ヘッド21が構成
されている。そして、各永久磁石1に回転軸5を介して
直流モータ3が接続され、回転制御機構6により直流モ
ータ3が駆動制御を受けて励磁用ヘッド21及び当該励
磁用ヘッド21と回転軸を介して連結された検出用ヘッ
ド14が回転駆動する。
【0034】このように、本第2の実施の形態に係る磁
気ヘッド装置によれば、2つの永久磁石1を用いた比較
的簡易な構成で被測定物8を励磁することが可能であ
り、励磁用コイルや、波形発生器、パワーアンプ、更に
は電池駆動の場合におけるDC/ACコンバータ等の煩
雑な装置を用いることなく、極めて簡易な構成で簡便に
被測定物20における材質や応力等に起因する磁気異方
性を正確に診断することができる。特に、永久磁石1を
2つ用いるために、大きな励磁力を必要とする被測定物
8の診断に有効である。
【0035】
【実施例】以下、第1の実施の形態の磁気ヘッド装置を
用いて、被測定物20の引っ張り応力の方向を検出した
いくつかの実施例について説明する。
【0036】(実施例1)先ず、実施例1について説明
する。ここでは、第1の実施の形態に係る磁気ヘッド装
置を用い、低炭素鋼からなる鋼板を被測定物20とし
て、位置検出センサー6からの電圧信号と引っ張り応力
に起因した磁気異方性により検出用ヘッド14に誘起さ
れる電圧信号とを同時にオシロスコープに入力して波形
観察を行った。このとき、被測定物20に対して一軸方
向に弾性範囲内で引っ張り応力を負荷し、底蓋部10上
で位置検出センサー6と回転軸15を延長した部位とを
結ぶ仮想線が引っ張り応力方向と平行(角度θ=0°)
となるように磁気ヘッド部11を配置した。
【0037】ここで、励磁用ヘッド13の永久磁石1と
してはNbFeB焼結磁石を、ヨーク材2としては絶縁
処理を施した方向性珪素鋼板を積層したものをそれぞれ
用いた。永久磁石1の寸法は、長さが30mm、断面積
が100mm2 (10mm×10mm)であり、ヨーク
材2の寸法は、各磁気コア2a,2bの脚部の断面積が
100mm2 (10mm×10mm)、当該各脚部の高
さが35mm、当該各脚部のの中心間距離が60mmで
ある。そして、これら永久磁石1とヨーク材2とをエポ
キシ樹脂で接着固定した。検出用ヘッド14のヨーク材
7としてはパーマロイを積層したものを、検出用コイル
8としては0.1mm径のエナメル被覆銅線を100タ
ーン巻回して形成したものをそれぞれ用いた。ヨーク材
7の寸法は、脚部の断面積が9mm2 (3mm×3m
m)、当該各脚部の高さが10mm、当該各脚部の中心
間距離が15mmである。位置検出センサー6として
は、Fe−Ni系のMR素子を用いた。また、収納容器
16としては、壁部9には内径80mm,高さ50mm
のアルミニウム板を、底蓋部10には厚み0.5mmの
アクリル樹脂板をそれぞれ用いた。その結果、リフトオ
フ距離が1mmとなった。直流電源4にはニッカド電池
を用い、励磁用ヘッド13を当該直流電源4により15
rpm及び30rpmの回転数で回転させた。
【0038】この実施例1の実験結果を図3に示す。こ
こで、励磁用ヘッド13の回転数が15rpm(0.2
5Hz)の場合を図3(a)に、上記回転数が30rp
m(0.5Hz)の場合を図3(b)にそれぞれ示す。
【0039】上記各図から明らかなように、各々の回転
数において、位置検出センサー6と検出用ヘッド14と
で検出される電圧信号の位相が一致、即ち、θ=0°と
なっており、引っ張り応力の方向が正確に検出されたこ
とがわかる。
【0040】(実施例2)続いて、実施例2について説
明する。ここでは、第1の実施の形態に係る磁気ヘッド
装置を用いて、実施例1と同様な実験を、底蓋部10上
で位置検出センサー6と回転軸15を延長した部位とを
結ぶ仮想線が引っ張り応力方向に対して、それぞれ角度
θ=45°,−45°(図1(b)で時計回りを正の方
向にとる。),90°となるようにそれぞれ励磁用ヘッ
ド13を配置し、当該励磁用ヘッド13の回転数を30
rpm(0.5Hz)として行った。なお、各部材の材
料等については実施例1の場合と同様とした。
【0041】この実施例2の実験結果を図4に示す。こ
こで、上記角度θ=45°の場合を図4(a)に、上記
角度θ=−45°の場合を図3(b)に、上記角度θ=
90°の場合を図4(c)にそれぞれ示す。
【0042】上記各図から明らかなように、各々の回転
数において、位置検出センサー6と検出用ヘッド14と
で検出される電圧信号の位相が一致、即ち、それぞれθ
=45°,−45°,90°となっており、引っ張り応
力の方向が正確に検出されたことがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明の磁気ヘッド装置によれば、励磁
用コイルや、励磁用コイルや、交流電源回路、更には電
池駆動の場合におけるDC/ACコンバータ等の煩雑な
装置を用いることなく、極めて簡易な構成で簡便に被測
定物における材質や応力等に起因する磁気異方性を診断
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る磁気ヘッド装
置を示す模式図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る磁気ヘッド装
置の磁気ヘッド部及び回転軸のみを示す模式図である。
【図3】実施例1において、位置検出センサーと検出用
ヘッドとで検出される各々の電圧信号波形を示す特性図
である。
【図4】実施例2において、位置検出センサーと検出用
ヘッドとで検出される各々の電圧信号波形を示す特性図
である。
【符号の説明】
1 永久磁石 2,22 ヨーク材 2a,2b 磁気コア 3 直流モータ 4 直流電源 5 回転制御機構 6 位置検出センサー 7 ヨーク材 8 検出用コイル 11 磁気ヘッド部 12 駆動制御部 13,21 励磁用ヘッド 14 検出用ヘッド 15 回転軸 16 収納容器 20 被測定物

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性体である被測定物の局部領域を励磁
    して当該局部領域の磁化変化を検出する磁気ヘッド装置
    であって、 略U字形状を有して両脚部の各端面が磁極となり、当該
    端面から磁束を発生させて上記被測定物を励磁する励磁
    手段と、 上記励磁手段の両脚部間の略中心部位に配され、上記被
    測定物の磁化変化を検出する磁化検出手段と、 上記励磁手段の両脚部間の略中心部位に回転軸を介して
    当該励磁手段と接続され、当該励磁手段を上記各端面に
    より形成される仮想平面内で回転駆動する回転駆動手段
    と、 回転する上記励磁手段の各端面の位置を検出する位置検
    出手段とを備えることを特徴とする磁気ヘッド装置。
  2. 【請求項2】 励磁手段が、軟質磁性材料よりなるヨー
    ク材と磁束を発生させて当該ヨーク材を磁化する永久磁
    石とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の
    磁気ヘッド装置。
  3. 【請求項3】 磁化検出手段が、略U字形状を有して両
    脚部間の略中心部位に励磁手段と同一の回転軸が接続さ
    れてなり、回転駆動手段により上記励磁手段と同期して
    回転駆動することを特徴とする請求項1に記載の磁気ヘ
    ッド装置。
  4. 【請求項4】 位置検出手段から帰還した電圧信号に応
    じて回転駆動手段における励磁手段の回転数を制御する
    回転制御手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載
    の磁気ヘッド装置。
JP14825096A 1996-05-17 1996-05-17 磁気ヘッド装置 Withdrawn JPH09304346A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14825096A JPH09304346A (ja) 1996-05-17 1996-05-17 磁気ヘッド装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14825096A JPH09304346A (ja) 1996-05-17 1996-05-17 磁気ヘッド装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09304346A true JPH09304346A (ja) 1997-11-28

Family

ID=15448595

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14825096A Withdrawn JPH09304346A (ja) 1996-05-17 1996-05-17 磁気ヘッド装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09304346A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100374855C (zh) * 2005-11-28 2008-03-12 兰州大学 磁性薄膜材料面内单轴各向异性测试方法
WO2010140525A1 (ja) * 2009-06-04 2010-12-09 Ntn株式会社 焼入れ品質検査装置および焼入れ品質検査方法
JP2013185902A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Jfe Steel Corp 結晶方位測定方法および結晶方位測定装置
CN106768504A (zh) * 2016-11-29 2017-05-31 中国特种设备检测研究院 材料主应力的检测系统、检测传感器和检测方法
WO2020218192A1 (ja) * 2019-04-22 2020-10-29 Jfeスチール株式会社 圧延鋼板の金属組織評価装置、圧延鋼板の金属組織評価方法、鋼材の製造設備、鋼材の製造方法、及び鋼材の品質管理方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100374855C (zh) * 2005-11-28 2008-03-12 兰州大学 磁性薄膜材料面内单轴各向异性测试方法
WO2010140525A1 (ja) * 2009-06-04 2010-12-09 Ntn株式会社 焼入れ品質検査装置および焼入れ品質検査方法
JP2013185902A (ja) * 2012-03-07 2013-09-19 Jfe Steel Corp 結晶方位測定方法および結晶方位測定装置
CN106768504A (zh) * 2016-11-29 2017-05-31 中国特种设备检测研究院 材料主应力的检测系统、检测传感器和检测方法
WO2020218192A1 (ja) * 2019-04-22 2020-10-29 Jfeスチール株式会社 圧延鋼板の金属組織評価装置、圧延鋼板の金属組織評価方法、鋼材の製造設備、鋼材の製造方法、及び鋼材の品質管理方法
JPWO2020218192A1 (ja) * 2019-04-22 2021-05-06 Jfeスチール株式会社 圧延鋼板の金属組織評価装置、圧延鋼板の金属組織評価方法、鋼材の製造設備、鋼材の製造方法、及び鋼材の品質管理方法
KR20210138060A (ko) * 2019-04-22 2021-11-18 제이에프이 스틸 가부시키가이샤 압연 강판의 금속 조직 평가 장치, 압연 강판의 금속 조직 평가 방법, 강재의 제조 설비, 강재의 제조 방법 및, 강재의 품질 관리 방법
CN113711027A (zh) * 2019-04-22 2021-11-26 杰富意钢铁株式会社 轧制钢板的金属组织评价装置、轧制钢板的金属组织评价方法、钢材的制造设备、钢材的制造方法以及钢材的品质管理方法
US11933762B2 (en) 2019-04-22 2024-03-19 Jfe Steel Corporation Metal structure evaluator for rolled steel sheets, method for evaluating metal structure of rolled steel sheet, production facility of steel product, method for manufacturing steel product, and method of quality management of steel product

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1920221B1 (en) Sensor device, sensor arrangement, and method of measuring a property of an object
US4891992A (en) Torque detecting apparatus
JPS63279131A (ja) トルク検出装置
EP0699301B1 (en) Stress measurement
Ortega-Labra et al. A novel system for non-destructive evaluation of surface stress in pipelines using rotational continuous magnetic Barkhausen noise
Somkun et al. Effect of magnetostriction anisotropy in nonoriented electrical steels on deformation of induction motor stator cores
CN103018320A (zh) 用于铁磁材料缺陷检测的共振型磁电传感器及检测方法
JPH09304346A (ja) 磁気ヘッド装置
JP3360168B2 (ja) 磁気インピーダンス素子
JPH09304345A (ja) 磁気ヘッド装置
JP2615342B2 (ja) 磁性材料のパラメータを測定するための可変磁気抵抗磁力計
US20050160834A1 (en) Assembly for measuring movement of and a torque applied to a shaft
Vincueria et al. Flux-gate sensor based on planar technology
RU2424509C1 (ru) Способ контроля механических свойств стальных металлоконструкций и упругих напряжений в них и устройство для его осуществления
US5122743A (en) Apparatus and method of non-destructively testing ferromagnetic materials including flux density measurement and ambient field cancellation
US20040187606A1 (en) Torque sensing apparatus for picking up a magnetic flux
JP5081353B2 (ja) トルク変換器
JP4660110B2 (ja) ステータコアの磁気測定装置および磁気測定方法
JP2803917B2 (ja) 鋼板の磁気異方性検出方法
Garcia et al. Biaxial magnetometer sensor
JP3618425B2 (ja) 磁気センサ
JPH02281116A (ja) 歪検出装置
RU2210786C2 (ru) Коэрцитиметр на постоянных магнитах
JPH09329584A (ja) 磁気ヘッド装置
SU1295323A1 (ru) Преобразователь дл контрол физико-механических параметров металлических изделий

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030805