JPH09303313A - 油圧駆動装置 - Google Patents

油圧駆動装置

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JPH09303313A
JPH09303313A JP8143467A JP14346796A JPH09303313A JP H09303313 A JPH09303313 A JP H09303313A JP 8143467 A JP8143467 A JP 8143467A JP 14346796 A JP14346796 A JP 14346796A JP H09303313 A JPH09303313 A JP H09303313A
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JP
Japan
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pressure
valve
load
hydraulic
pilot
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JP8143467A
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Satoshi Hamamoto
智 浜本
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Nachi Fujikoshi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧ショベル等の大負荷と小負荷を有する複
数の油圧アクチュエータ10,11の同時操作時に速度
の急変がなくスムースでかつエネルギー損失が少なく、
簡単な油圧駆動装置を提供。 【解決手段】 方向制御弁8,9の下流側の油圧アクチ
ュエータの負荷圧力14,15が導入される負荷油室5
9,159と外部に接続可能な接続ポート62とを圧力
補償弁4,5のスプール81に設けられた切換絞部89
により閉塞又は絞り連通可能にさせ、各圧力補償弁の接
続ポート62を互いに接続油路47で接続し、低負荷側
油圧アクチュエータ10用の圧力補償弁4の導入口42
aと二次油路32aとの間に切換弁43を設け、大スト
ロークでの複合操作時に導入口42aにパイロット圧力
8aを付加して圧力補償弁4の負荷油室と接続ポートを
連通させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設機械等で使用
される1つ又は複数の油圧ポンプの吐出油を複数の油圧
アクチュエータに供給する油圧駆動装置において、特に
大きな負荷と比較的小さな負荷を同時に駆動するのに好
適な油圧駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の油圧駆動装置は建設機械や農業
機械用に主として用いられ、負荷圧力に応じて可変容量
ポンプ吐出量を制御するロードセンシング機能を備えた
ものが使用されている。また、複数の油圧アクチュエー
タを駆動するにあたって、それぞれの油圧アクチュエー
タの負荷圧力等の差により互いに干渉して油圧アクチュ
エータの速度変化を生じないように、各回路に圧力補償
弁を設けることにより、ポンプ吐出量を分流するように
されている。さらに、ポンプ吐出量が複数の油圧アクチ
ュエータの所定要求流量を下まわった場合には、各油圧
アクチュエータに適切な比でポンプ吐出量を分配させる
機能いわゆるアンチサチュレーション機能を備えたもの
も使用されている。
【0003】かかる従来の油圧駆動装置は、例えば、図
5の油圧回路図に示すものがある。図5において、エン
ジン等の原動機1で駆動される可変容量形の油圧ポンプ
2の吐出油路3に複数の圧力補償弁304,305を並
列に接続し、各圧力補償弁の出力油路6,7にチェック
弁26、27を介して、方向制御弁8,9をそれぞれ接
続し、各方向制御弁の出力側を油圧アクチュエータ1
0,11にそれぞれ接続し、各油圧アクチュエータから
の戻り油を再び方向制御弁8,9を介してタンク12へ
戻すようにされている。
【0004】可変容量ポンプ2には、可変容量ポンプの
吐出流量を可変とする押しのけ容積変更手段317と、
押しのけ容積変更手段を駆動するための流量調整弁31
8が設けられている。さらに、可変容量ポンプの吐出圧
力が予め設定した圧力を超えると、押しのけ容積変更手
段317を流量が減少する方向に作用させ原動機1の定
格トルクを超えないように流量を規制するいわゆる定馬
力制御弁341が設けられている。制御弁341は流量
調整弁318よりも優先して作用するようにされてい
る。なお、定馬力制御形可変容量ポンプの圧力流量特性
を図4に示す。
【0005】方向制御弁8,9は操作量に応じてパイロ
ット圧力が高くなる図示しない圧力制御操作弁のパイロ
ット圧力8a,8b,9a,9bにより操作するように
されている。圧力補償弁304,305はポンプ吐出圧
力すなわちポンプ吐出油路3の圧力と各方向制御弁8,
9で検出される夫々の負荷圧力14,15で開き方向に
作用するようにされ、方向制御弁の入口圧力6,7とシ
ャトル弁13で検出される最高負荷圧力16で閉じ方向
に作用するようにされている。さらに、最高負荷圧力1
6を可変容量ポンプ2の流量調整弁318に作用させ
て、ポンプ吐出圧力と、最高負荷圧力との差圧を流量調
整弁318のスプリング319で設定される圧力に制御
するようにされている。
【0006】従って、夫々の方向制御弁8,9前後の差
圧すなわち圧力補償弁304の出力油路6と方向制御弁
8の下流側の負荷圧力14との差圧及び圧力補償弁30
5の出力油路7と方向制御弁9の下流側の負荷圧力15
との差圧が、ポンプ吐出圧力と最高負荷圧力16との差
圧で決められるようにされている。なお、図5の左側に
記載の油圧アクチュエータ10は例えばブームを回動さ
せるためのブームシリンダであり、右側の油圧アクチュ
エータ11は油圧ショベルの上部旋回体を旋回動作する
旋回モータである。上部旋回体には、運転席、原動機、
油圧機器及びブーム、アーム等のフロント機構が取付け
られているので、その重量が重く、旋回モータは極めて
慣性の大きい負荷を有する。それに対しブームシリンダ
側の負荷は、比較的小さい。
【0007】かかる構成によれば、夫々の油圧アクチュ
エータ10,11への流量が比較的少なく、その流量の
合計が可変容量ポンプ2の最大吐出流量に達しない場合
は、夫々の方向制御弁8,9前後の差圧は、ポンプ吐出
圧力と最高負荷圧力16との差圧、言いかえれば流量調
整弁318のスプリング319であらかじめ設定された
差圧に等しくなる。従って、夫々の油圧アクチュエータ
の負荷圧力に差があっても負荷圧力によらず、夫々の油
圧アクチュエータへの流量は、夫々の方向制御弁8,9
の絞り開度と、スプリング319であらかじめ設定され
た差圧で決まり、所定の速度制御が可能になる。
【0008】次に夫々の油圧アクチュエータ10,11
への流量の合計が大きくなり、可変容量ポンプ2の最大
吐出流量に達したいわゆるサチュレーション状態につい
て述べる。この場合は、ポンプ吐出圧力と最高負荷圧力
16との差圧は前述のスプリング319で設定された差
圧を確保することができなくなるため、夫々の方向制御
弁8,9前後の差圧もスプリングで設定された所望の差
圧にはならないが、夫々の方向制御弁前後の差圧はそれ
ぞれ等しくなるので、夫々の油圧アクチュエータ10,
11への流量は、方向制御弁8,9の絞り開度の比率に
等しい流量に分流されることとなるいわゆるアンチサチ
ュレーション機能を有し、良好な同時操作性が得られ
る。
【0009】ところで、かかるアンチサチュレーション
機能を有する油圧駆動装置において、ブームシリンダ1
0と旋回モータ11を同時に操作した場合を考える。な
お、このような複合操作は、油圧ショベルの作業として
は、通常の作業である。即ち、堀削した土砂等をバケッ
トに取り込み、次いでブームを上げて、バケットを持ち
上げながら、同時に上部旋回体を旋回させ待機している
トラックに土砂等を積み込む作業である。
【0010】まず、 図示しない旋回及びブーム用の圧
力制御操作弁の操作レバーを操作し、方向制御弁8,9
にパイロット圧力8a,9aが作用して方向制御弁8,
9が該パイロット圧力に応じてストロークされる。但
し、前述した土砂等の積み込む作業では通常このストロ
ーク量はかなり大きくフルストロークか、それに近いス
トローク量となる。すると、可変容量ポンプ2の吐出油
は吐出油路23,3、圧力補償弁304,305、方向
制御弁8,9を介して、油圧アクチュエータ10,11
へ流入し油圧アクチュエータを動かそうとするが、旋回
モータ11の慣性負荷が過大であるため、すぐには動か
ない。そのため、旋回モータ11の流入側の油圧アクチ
ュエータポートに過大な圧力が発生し、流入側油圧アク
チュエータポートに設置されている図示しないオーバロ
ードリリーフ弁の設定圧力まで負荷圧力が上昇し、油圧
アクチュエータポートへ流入した圧油のほとんどがオー
バロードリリーフよりタンクへ流出する。
【0011】また、オーバロードリリーフ弁の設定圧力
まで上昇した負荷圧力は、シャトル弁13を経て管路2
4を経由してポンプ装置321の流量調整弁318へ作
用するので、ロードセンシング機構が働き、可変容量ポ
ンプ2の吐出流量を増加させるように働く。しかし、可
変容量ポンプ2の吐出圧力が、予め設定された値まで上
昇すると、制御弁341の定馬力制御機構が優先して働
くようにされているので、逆に、図4のポンプ装置の圧
力流量特性に示すように、流量が減少し、例えば、圧力
P2、流量Q2のものが、圧力P1、流量Q1で示す位
置となり、吐出流量そのものが減少する。
【0012】この時、旋回側の圧力補償弁305は、過
大な旋回負荷圧力15により、開き方向に押されその開
度は大きくほぼ全開になっている。一方、ブーム側の圧
力補償弁304は、ブームの負荷圧力14が比較的小さ
いこと、及びシャトル弁13で選択された過大な旋回負
荷圧力が圧力補償弁を閉じ方向に作用することから、そ
の開度は小さく絞られた状態となっている。従って、複
合操作の初期段階では、ブームシリンダ10の駆動速度
が極端に遅くなると同時に旋回モータ11へ流入した圧
油のリリーフによる原動機のエネルギ損失が大きくなる
という問題があった。
【0013】次に、旋回モータ11の加速が終了し、定
常速度による旋回となると、旋回モータの駆動トルクが
急激に減少、即ち旋回負荷圧力15が急激に低下して、
ブームシリンダ10の負荷圧力の方が大きくなる。この
時、当初旋回用圧力補償弁305の開度はほぼ全開であ
ったことから、ポンプ吐出流量が供給されつづけ、過大
な旋回負荷圧力が急激に減少すると、方向制御弁9の前
後の圧力差が瞬間的に増大し、そのため旋回用圧力補償
弁305の開度が急激に小さくなる。一方、ブーム用圧
力補償弁304の開度は、シャトル弁13で選択してい
る最高負荷圧力も急激に低下していること及び、それに
伴なってポンプ吐出圧力も低下し、オーバロードリリー
フからの流出がなくなり、また、ポンプ吐出流量が増加
してポンプ吐出流量に余裕が出ることにより、圧力補償
弁304の開度は、当所の絞られた状態から急激に開く
ことになる。
【0014】このため、旋回速度が定常速度に至ると、
流量がブームシリンダ側に流れ、次いで旋回速度が急激
にショックを伴なって減速すると同時に、ブームの方は
加速するという問題があった。この一連の動作を、油圧
ショベルの実際の作業状況に照らして説明すると次のよ
うになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】即ち、掘削した土砂等
をバケットに取り込み、ブームを上げながら旋回しよう
とすると初期には、旋回側に多くの油が流れ、ブームの
上昇速度が遅くなる。次いである程度旋回した後には、
旋回速度はショックを伴なって減速すると同時にブーム
の方は逆に加速してしまい、ギクシャクした動きとなる
のである。従って、トラック積みの作業が著しくやりに
くく、作業効率が悪くなると同時にオペレータの疲労を
増大させてしまうという問題があった。
【0016】加えて、前述したように旋回の初期段階で
は、旋回モータのオーバロードリリーフから油圧をリリ
ーフさせながらの駆動となり、大きなエネルギー損失を
伴なうという問題があった。
【0017】本発明の目的は、従来のかかる問題点を鑑
みなされたもので、極端に負荷の大きさが異なった油圧
アクチュエータを同時に操作しても、小さな負荷側へ
も、充分に圧油を供給することができ、かつ、負荷が大
きい方の油圧アクチュエータの負荷圧力が急激に低下し
た場合でも、夫々の油圧アクチュエータの速度が急変せ
ずにショックなくスムーズな操作を可能とする。また、
エネルギー損失や原動機の負担を減少することができる
油圧駆動装置を提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、可変容量ポンプと、可変容量ポ
ンプの吐出する圧油によって駆動され小さな負荷を有す
る低負荷側油圧アクチュエータと、低負荷側油圧アクチ
ュエータより大きな負荷を有する高負荷側油圧アクチュ
エータと、複数の油圧アクチュエータに流入する圧油を
それぞれ制御可能にされた流量調整機能を有する方向制
御弁と、方向制御弁の圧力補償をそれぞれ可能にする圧
力補償弁と、可変容量ポンプの吐出圧力と複数の油圧ア
クチュエータの最高負荷圧力との差圧に比例した二次圧
力を出力する手段と、を備えた油圧駆動装置において、
圧力補償弁を、方向制御弁の上流側に設け、該圧力補償
弁の下流側の圧力でもって圧力補償弁のスプールの弁開
度を閉じ方向に作用させ、さらに、方向制御弁の下流側
の油圧アクチュエータの負荷圧力及び二次圧力がそれぞ
れスプールの弁開度を開き方向に独立して作用させる。
【0019】さらに、圧力補償弁のスプールに方向制御
弁の下流側の油圧アクチュエータの負荷圧力が導入され
る負荷油室と外部に接続可能な接続ポートとを設ける。
そして、圧力補償弁のスプールに設けられた切換絞部に
より負荷油室と接続ポート間を閉塞又は絞り連通可能に
し、各圧力補償弁の接続ポート同士を接続連通させる。
【0020】さらに、低負荷側油圧アクチュエータ用の
圧力補償弁の二次圧力が供給される導入口に、二次圧力
と、二次圧力より高く低負荷側油圧アクチュエータ用の
圧力補償弁のスプールを負荷油室と接続ポートを連通可
能に切換えるパイロット圧力と、を選択導入可能にする
手段を設けることによって解決した。
【0021】二次圧力とパイロット圧力とを選択導入可
能にする手段は、パイロット圧力により付勢されるスプ
ールと、スプールの他端に設けられたスプリングと、を
有し、パイロット圧力により受けるスプールの受圧力が
スプリング力より低い時はスプールにより二次圧力を導
入口に導き、一方、パイロット圧力がスプリング力より
高い時はスプールによりパイロット圧力を導入口に導く
ようにされた油圧パイロット切換弁とし、二次圧力の油
路と導入口間に設ける。
【0022】方向制御弁は油圧パイロット式方向制御弁
とし、パイロット圧力に油圧パイロット式方向制御弁を
パイロット圧力で遠隔制御する圧力制御操作弁のパイロ
ット圧力を用いる。
【0023】(作用) 可変容量ポンプ吐出圧力と最高
負荷圧力の差圧を二次圧力として圧力補償弁に供給し、
アンチサチュレーション機能を確保する。この二次圧力
を低負荷側油圧アクチュエータ用の圧力補償弁の導入口
に、選択導入可能手段により導入したときは、通常通り
の圧力補償弁として作用をする。すなわち、低負荷側油
圧アクチュエータ用の方向制御弁の上流側の圧力を、低
負荷側油圧アクチュエータの負荷圧力に対して二次圧力
分だけ高くなるように制御する。また、この場合は、高
負荷側油圧アクチュエータの負荷圧力と、低負荷側油圧
アクチュエータの負荷圧力がほぼ同程度の負荷圧力とな
り、かつその負荷圧力が回路中の最高負荷圧力とならな
い限り、互いに接続された接続ポートにより、負荷圧力
室同士が連通することがない。従って、本来、高負荷側
と低負荷側の油圧アクチュエータの負荷圧力には大きな
差があるので、負荷圧力室同士が連通することがなく、
各々の圧力補償弁は共に従来と同様な圧力補償を行う。
【0024】低負荷側油圧アクチュエータ用の圧力補償
弁の導入口に、選択導入可能手段により二次圧力よりも
高くかつ圧力補償弁のスプールを作動させるのに充分な
パイロット圧力を導入したときは、該圧力補償弁のスプ
ールが開き方向に作用され最大開度となり、さらに負荷
油室と接続ポートが連通する。この際、高負荷側油圧ア
クチュエータの急激な操作又は高負荷等により、負荷圧
力が高くなると、高負荷側油圧アクチュエータの流入側
アクチュエータポートのオーバーロードリリーフから圧
油が流出し、さらに、定馬力制御機構により可変容量ポ
ンプ(以下単にポンプという)の吐出量が低下し、低負
荷側の供給流量が減少する。しかし、高負荷側油圧アク
チュエータの圧力補償弁は全開方向に達し、高負荷側の
負荷油室と接続ポートが連通し、高負荷側の圧油が接続
ポートを介して低負荷側圧力補償弁の負荷油室を経て低
負荷側油圧アクチュエータに供給され、低負荷側へ流れ
込む。
【0025】そして、低負荷側への流れ込みにより、高
負荷側の油圧アクチュエータへの供給流量が低下する
と、高負荷側の圧力が低下するので、オーバーロードリ
リーフからの圧油の流出が減少し、さらに、ポンプ吐出
量も増大する。このような高負荷側圧力、オーバーロー
ドリリーフ流出量、ポンプ吐出量、及び高負荷側から接
続ポートを経て低負荷側に供給される流量の増減関係が
バランスするように、高負荷側の圧力補償弁の負荷油室
と接続ポート間の切換絞部によって絞り開度が調整され
る。したがって、高負荷側での過度の圧力上昇がなくな
り、高負荷側でのオーバーロードリリーフ流出量が減少
し、ポンプ吐出量も増し、低負荷側へ余剰の圧油が供給
される。
【0026】二次圧力の油路と導入口間に設けられた油
圧パイロット切換弁の油圧パイロット圧力を変化させる
ことにより、圧力補償弁の負荷油室と接続ポートとの開
閉が可能になる。
【0027】また、油圧パイロット式方向制御弁をパイ
ロット圧力で遠隔制御する圧力制御操作弁の最大ストロ
ーク近辺で高圧となるパイロット圧力を油圧パイロット
切換弁に導入することにより圧力制御操作弁の操作のみ
で、圧力補償弁の負荷油室と接続ポートとの開閉が可能
になる。
【0028】
【発明の実施の形態】本発明の第一の実施形態につい
て、図面を参照して説明する。図1は本発明の実施形態
にかかる油圧回路図、図2は第一の実施形態の圧力補償
弁の断面構造図(概念図)と油圧パイロット式方向制御
弁、シャトル弁との関係を示す説明図である。なお、従
来と同様な部分については同符号を付し説明の一部を省
略する。図1において、比較的軽い負荷を有する低負荷
側油圧アクチュエータ10(例えば油圧ショベルのブー
ムを回動させるブームシリンダ)等と大きな負荷を有す
る高負荷側油圧アクチュエータ11(例えば油圧ショベ
ルの旋回モータ)等が設けられている。
【0029】エンジン等の原動機1で駆動されるポンプ
2の吐出油路23,3に、低負荷側であるブームシリン
ダ10用圧力補償弁4、高負荷側である旋回モータ11
用圧力補償弁5を並列に接続し、各圧力補償弁の出力油
路6,7に夫々チェック弁26、27を介して油圧パイ
ロット式方向制御弁(以下単に方向制御弁という)8,
9をそれぞれ接続し、それらの方向制御弁の出力側を夫
々ブームシリンダ10、旋回モータ11に接続し、戻り
油を再び夫々の方向制御弁8,9を介してタンク12へ
戻すようにされている。ブームシリンダ用方向制御弁8
は、パイロット路8a、パイロット路8bを介して、旋
回モータ用方向制御弁9は、パイロット路9a,9bを
介してパイロット圧力を遠隔制御する図示しない圧力制
御操作弁により操作される。
【0030】また、圧力補償弁4,5は夫々の方向制御
弁8,9の上流側即ち出力油路6,7の圧力でもって閉
じ方向に作用され、さらに方向制御弁8,9の下流側の
圧力すなわちブームシリンダ10、旋回モータ11の負
荷圧力14,15でもって開き方向に作用するようにさ
れている。さらに夫々の負荷圧力のうち、最高負荷圧力
をシャトル弁13によって選択し、最高負荷圧力16と
ポンプ吐出圧力23aとの差圧に比例した二次圧力32
を発生させる圧力制御弁31がバルブ装置22内に設け
られている。圧力制御弁31からの二次圧力32は二次
油路32aを経て圧力補償弁5の導入口42bに接続さ
れ圧力補償弁5を開く方向に作用するようにされてい
る。
【0031】ブームシリンダ用圧力補償弁4の導入口4
2aと二次油路32aとの間にパイロット方向切換弁4
3が設けられている。パイロット方向切換弁43のパイ
ロット部にはパイロット路8aが接続され、パイロット
路8aのパイロット圧力が低い圧力、即ち圧力制御操作
弁の中立、小中流量範囲ではスプリング44により二次
油路32aと導入口42aとが連通するようにされてい
る。一方、パイロット路8aのパイロット圧力が二次圧
力より高く、圧力制御操作弁のパイロット圧力の最高圧
力より若干低い圧力、即ち圧力制御操作弁がほぼフルス
トローク状態ではパイロット路8aと導入口42aとが
連通し、二次圧力が遮断するようにされている。なお、
圧力補償弁の導入口42aに導入される圧力は圧力補償
弁4を開く方向に作用するようにされている。
【0032】さらに、二次圧力32を油路33を介して
ポンプ装置21内のポンプ2の押しのけ容積変更手段1
7を駆動するための流量調整弁18に作用させ、二次圧
力とスプリング19であらかじめ設定された作用力とを
つり合わせることにより、二次圧力がスプリング19の
作用力よりも大きい場合は、前記ポンプ2の押しのけ容
積を小さくするように制御され、二次圧力が、スプリン
グ19の作用力よりも小さい場合は、ポンプ2の押しの
け容積を大きくするように制御されている。
【0033】さらに、ポンプ装置21内には制御弁41
が設けられており、ポンプ2の吐出圧力が予め設定した
圧力を超えると、押しのけ容積変更手段17を流量減少
方向に作用させ原動機1の定格トルクを超えないように
流量を規制するいわゆる定馬力制御ができるようになっ
ている。この制御弁はロードセンシング用の流量調整弁
18よりも優先して作用するようにされている。
【0034】ここで、かかる油圧駆動装置について作用
を説明する。但し、説明の簡単のためパイロット方向切
換弁43は二次油路32aと導入口42aとが連通して
いる場合について述べる。夫々の圧力補償弁4,5で方
向制御弁8,9の上流側の圧力6,7が、下流側のブー
ムシリンダ、旋回モータの負荷圧力14,15と前記二
次圧力32との和とつり合うように夫々の圧力補償弁
4,5が作用することから、夫々の方向制御弁8,9前
後の差圧は、ブームシリンダ、旋回モータの負荷圧に依
らず、前記の二次圧力32と等しくなる。すなわち、ポ
ンプ吐出圧力と最高負荷圧力との差圧に等しくなる。
【0035】さらに、二次圧力32は、ポンプ装置21
へ導びかれ、流量調整弁18のスプリング19の作用力
とつり合っていることから、ポンプ2の吐出圧力は、二
次圧力32が、スプリング19の作用力に相当する圧力
と等しくなるように制御される。このことは、二次圧力
すなわちポンプ吐出圧力と最高負荷圧力の差圧がスプリ
ング19の作用力に相当する圧力と等しくなるように制
御される。即ち、ポンプ吐出圧力は最高負荷圧力に対
し、スプリング19の作用力に相当する圧力分だけ高く
なるように制御される。従って、夫々の方向制御弁8,
9前後の差圧は、スプリング19の作用力に相当する圧
力に制御される。
【0036】このような構成にすることにより、いま、
仮りにポンプ吐出流量が不足した場合には、ポンプ吐出
圧力と最高負荷圧力16との差圧すなわち二次圧力32
は、前述のスプリング19で設定された差圧分を確保す
ることができなくなるため、夫々の方向制御弁8,9前
後の差圧も、設定値よりも小さくなるが、夫々の方向制
御弁の差圧はそれぞれ等しくなるので、ブームシリンダ
10、旋回モータ11への流量は、方向制御弁8,9の
絞り開度の比率に等しい流量に分流されることになり、
アンチサチュレーション機能を有することになる。
【0037】このものは、さらに、低温時に作動油の粘
度が高くなり、管路23での圧力損失が過大なものとな
った場合、二次圧力32は、バルブ装置22内でのポン
プ吐出路3と最高負荷圧力16との差圧に比例した圧力
を発生させていることから、管路23の圧力損失の大小
に関係なく、バルブ装置22内のポンプ吐出路3のポン
プ圧力が、最高負荷圧力に対し前述のスプリング19の
作用力に相当する圧力に制御されるため、低温時であっ
ても流量が大幅に減少することがなく、油圧アクチュエ
ータの速度が遅くなることがない。また、ポンプ装置2
1とバルブ装置22を接続する管路を増す必要がないの
で、使い勝手が良いものとなっている。
【0038】かかる構成にされた、油圧駆動装置におい
て、本発明の第一の実施形態の圧力補償弁は、次のよう
に構成される。図2において、圧力補償弁4,5の本体
51には本体穴58が開けられ、スプール81が摺動可
能に挿入されている。本体穴58には、図2で見て左端
から、本体穴端面57より方向制御弁8,9の下流側の
ブームシリンダ10、旋回モータ11の負荷圧力PLが
導入される負荷油室59と、小径穴61(内径d2)
と、他方の圧力補償弁と接続する接続ポート62と、小
径穴と同径の第2小径穴63と、二次圧力32が導入さ
れる二次油室64をその一部に形成する第1の大径穴6
5(内径d1)と、圧力補償弁の下流側6,7と連通す
る出口ポート66と、第1の大径穴と同径の第2の大径
穴67と、ポンプ吐出油路3と連通する入口ポート68
と、第1の大径穴と同径の第3の大径穴69と、低圧ラ
イン12(T)に接続された端部油室70と、が順次形
成されている。なお、接続ポート62は図1で示す接続
油路47でブームシリンダ及び旋回モータ用圧力補償弁
と相互に接続される。
【0039】スプール81と本体穴端面57との間に、
スプリング52が設けられスプールを図でみて右方向に
付勢するようにされている。スプリング52と対向する
スプールの他端82には本体の小径穴61と同径の軸穴
83(内径d2)が開けられており、該軸穴に油密摺動
可能にピストン84が挿入されている。ピストン84と
軸穴83とでパイロット油室85が形成され、ピストン
が本体穴の端部油室70に突出し、さらに、本体穴右端
面71に当接可能にされている。パイロット油室85は
スプールに設けられた連通穴86により出口ポート66
に連通され、圧力補償弁の下流側6,7の圧力が導入さ
れる。
【0040】スプール81には、左端より、本体51の
小径穴61とで絞りを形成する小径部87と小径穴と同
径の小径ランド部88の段部に切換絞部89が設けら
れ、小径ランド部に続いて第1の大径穴65に対応する
径の第1のランド部90と、第2及び第3の大径穴6
7,69に対応する径のランドであって、第2の大径穴
67と入口ポート68間に出口ポート66と入口ポート
68間を絞り開閉可能な絞り部91を有する第2のラン
ド部92と、が順次形成されている。
【0041】即ち、スプール81の左端には、小径穴6
1とスプールの切換絞部89で接続ポート62と仕切ら
れた負荷油室59が形成されている。負荷油室59には
方向制御弁下流側の圧力すなわちブームシリンダ及び旋
回モータの負荷圧力PLが導入され径d2の第2の受圧
面積A2でスプールを右方向に作用させる。スプール8
1が図でみて右方向へ移動すると、負荷油室59と接続
ポート62とが連通される。また、左方向へ移動する
と、負荷油室59と接続ポート62とが遮断され、中間
位置で負荷油室と接続ポートとがスプールストロークに
比例した開口面積となるように切換絞部89を介して連
通されている。
【0042】接続ポート62に隣接して第2小径穴(内
径d2)63でスプール81の小径ランド部88が油密
摺動可能にされ、さらに延出する小径ランド部と、第1
の大径穴65と、第1の大径穴(内径d1)に油密摺動
する第1のランド部90の左端部とで二次油室64が形
成されている。二次油室64には二次油路32a、導入
口42a,42bを介して二次圧力Pcが導入され小径
ランド部(d2)88と第1のランド部(d1)90と
の径差により構成された第1の受圧面積A1でスプール
を右方向に作用させる。
【0043】さらに、ピストン84とスプール81の軸
穴83とで形成されたパイロット油室85はスプールに
明けられた連通路86を介して、方向制御弁上流側6,
7の圧力Pzが導入されピストン外径d2で決まる第3
の受圧面積A2でピストンを右方向にスプールを左方向
に作用させる。ここで、低圧ライン(T)12に接続さ
れた端部油室70はスプールの外径d1とピストンの外
径d2の径差により構成される。
【0044】スプール81は、図2で見て、左方向へ最
大ストロークした場合は、スプールの左端面が負荷油室
59の本体穴端面57に当接し、絞り部91を閉じるよ
うにされている。逆に右方向へ最大ストロークした場合
は、スプールの右端面がピストン84が本体51に当接
している面71へ当接し、絞り部91は全開となるよう
にされている。スプール81の中間のストロークでは、
スプールの絞り部によりスプールの右方向へのストロー
ク量に比例して、開度が比例的に増加するようにされて
いる。
【0045】なお、スプリング52は、方向制御弁8,
9が操作されていない時にスプール81を右方向へスト
ロークさせ、絞り部91を開いておくためのものであ
り、その作用力は極く弱いものである。また図2は作動
原理を概念的に示すためのものであり、本体穴58の両
端は開放されていないが、実際には段付きの通し穴もし
くは右側面からの加工穴として構成し、適宜ねじプラグ
等の方法で閉止する構造とされるのはいうまでもない。
【0046】かかる構成にされた圧力補償弁を図1に示
す油圧回路に用いた場合についてその作用を説明する。
先ず、前述した旋回モータ11とブームシリンダ10の
複合操作の初期段階においては、通常、堀削した土砂等
をトラックに積み込む際には図示しない圧力制御操作弁
の操作レバーの操作量は旋回、ブームともにほぼ最大付
近で使用される。即ち、ほぼ最大のパイロット圧力8
a,9a又は9bが夫々の方向制御弁8,9に入力さ
れ、夫々の方向制御弁がほぼフルストロークされる。こ
の時、前述したように旋回モータの慣性負荷が過大なた
め負荷圧力15が急上昇し、圧力補償弁5の開度は、一
瞬にして全開となる。それと同時に、パイロット圧力8
aが方向切換弁43に作用し、スプリング44の作用力
に打ち勝って、方向切換弁43を切り換え、圧力補償弁
4の二次油室64には、二次圧力32に代わり二次圧力
より高圧のパイロット圧力8aが作用し、圧力補償弁4
の開度が全開となる
【0047】両方の圧力補償弁4,5が同時に全開とな
ると、双方の圧力補償弁の切換絞部89が全開となり、
それぞれの接続ポート62と負荷油室59が連通する。
従って、旋回モータ側の高い負荷圧力15がブームシリ
ンダ側の低い負荷圧力14へ流れ込み、高い負荷圧力1
5を減少させて、最高負荷圧力が過大になるのを防止す
るのと同時に、旋回モータ11の負荷圧力15が減少す
ることにより、旋回モータ用圧力補償弁5のスプール8
1が同図左方向へ移動し、開度91が小さくなるように
作用する。その結果、旋回モータ用圧力補償弁5のスプ
ール81のストロークは、圧力補償弁5の切換絞部89
がわずかに開いた付近、即ち、減少した負荷圧力15と
二次圧力32の和が、絞り91でやや絞られた方向制御
弁9の上流側圧力7とバランスしたストローク位置とな
る。
【0048】よって、圧力補償弁5の絞り91の開度は
全開から、ある程度絞られた状態にされ、旋回モータ1
1へ流入する流量が押えられ、負荷圧力が減少し、油圧
アクチュエータポートの図示しないオーバロードリリー
フからの圧油のリリーフ流量は減少し、エネルギ損失が
低減できる。また、前述したように旋回モータの負荷圧
力が減少していることから当然のことながらシャトル弁
13で選択される最高負荷圧力16も減少し、その結果
として、ポンプ2の吐出圧力も減少する。従って、定馬
力制御機構による流量規制も緩和され、例えば図4のポ
ンプ装置の圧力流量特性に示すように、圧力P1流量Q
1であったものが、圧力P2で流量がQ2で示す位置と
なり吐出流量が増加する方向になる。
【0049】一方、ブームシリンダ側の圧力補償弁4は
依然として開度は全開であり、ブームシリンダ10へ旋
回モータ11の負荷圧力回路経由で圧油が補充されると
同時に旋回モータ用圧力補償弁5の開度は前述したよう
に小さくなっている。よって、全体的に流量に余剰が生
じ、その余剰分の流量がブームシリンダに供給されるこ
とになるので、ブームシリンダの速度の低下が防止でき
る。従って、複合操作の初期段階で問題となっていたブ
ーム速度の極端な低下と旋回モータ用オーバロードリリ
ーフからのエネルギ損失を減少することができる。
【0050】ついで、旋回モータ11の加速が終了し、
定常速度による旋回となった時点では、従来のものは、
旋回モータの負荷圧力の急激な低下により、旋回用圧力
補償弁5の開度が急激に小さくなり速度が減少し、ショ
ックが発生した。しかし、本発明のものでは、旋回側の
圧力補償弁5の絞り91の開度は初期段階からあらかじ
め絞られた状態にされているので、負荷圧力15が急激
に減少したとしてもポンプ吐出流量は圧力補償弁5によ
り絞られ、方向制御弁9の前後の圧力差が瞬間的に増大
することがない。従って、圧力補償弁5の絞り91の開
度が急激に減少することがないので、速度変化が小さ
く、ショックの発生もなく、スムースな操作が得られ
る。
【0051】一方、ブームシリンダ用圧力補償弁4はパ
イロット圧力8aにより初期段階から全開になっている
ので、旋回モータ11の加速が終了し、旋回モータの負
荷圧力が急激に低下してポンプ吐出流量がさらに増加
し、ポンプ吐出流量により余裕が生じたとしても当初よ
り全開であるため、従来のように開度が急激に大きくな
ることはない。加えて、ポンプ吐出流量の規制があらじ
め緩和されポンプ吐出流量が多くなっているので、旋回
モータの負荷圧力の低下に伴いポンプ吐出流量が増加し
てもその増加率は小さいので、従来のようなショックを
伴ってブームシリンダが加速するという問題はない。
【0052】次に本発明の第二の実施形態について、図
面を参照して説明する。図3は第二の実施形態の圧力補
償弁の断面構造図(概念図)と方向制御弁、シャトル弁
との関係を示す説明図である。なお、第一の実施形態と
同様な部分については同じ符号を付し説明の一部を省略
する。第二の実施形態は、第一の実施形態に対し、圧力
補償弁の開き方向に作用する負荷油室、二次油室及び接
続ポートの構成を変えたものである。第一の実施形態の
圧力補償弁では、本体に小径穴と大径穴を設けたが、第
二の実施形態での圧力補償弁は、本体側を大径穴(径
穴)だけとし、小径穴に代わり外径を小径穴の径(d
2)とした補助ピストン184をスプール181の左端
面に摺動自在に内挿したものである。
【0053】即ち、図3に示すように、スプール181
の右端には、第一の実施形態の圧力補償弁と同様にスプ
ールの一端に設けられた軸穴83(穴径d2)に一端を
本体端面に当接可能なピストン84(ピストン外径d
2)を摺動可能に挿入してパイロット室85を形成し、
出口ポート66とパイロット油室とを連通する連通路8
6が設けられている。第二の実施形態においては、さら
に、スプール181の左端に軸穴83と同径の補助ピス
トン穴183(穴径d2)が設けられており、この補助
ピストン穴に油密かつ摺動可能に本体穴端面157に当
接可能な補助ピストン184(補助ピストン外径d2)
が挿入され補助ピストン室185が形成されている。補
助ピストン室185にはスプリング52が設けられてお
り、スプリングにより補助ピストン184がスプール外
方に付勢され本体穴端面157に押しつけるようにされ
ている。
【0054】本体穴158は、本体穴端面157より二
次圧力が導入される二次油室164と、第1の径穴(穴
径d1)161と、方向制御弁の下流側14,15の油
圧アクチュエータ負荷圧力が導入される負荷油室159
と、第1の径穴と同径の第2の径穴162と、他方の圧
力補償弁と接続する接続ポート62と、第1の径穴と同
径の第3の径穴163と、圧力補償弁の下流側6,7と
連通する出口ポート66と、第1の径穴と同径の第4の
径穴164と、ポンプ吐出油路3と連通する入口ポート
68と、第1の径穴と同径の第5の径穴165と、低圧
ライン(T)12に接続された端部油室70と、が順次
形成されている。
【0055】また、スプール181には、第1の径穴1
61に対応する径の第1のランド187と、本体151
の第2の径穴162とで絞りを形成する小径部188と
第2の径穴と同径の第2のランド190の段部に切換絞
部189が設けられ、第3の径穴163に第2のランド
が油密摺動可能にされている。第2のランドに続いて第
4及び第5の径穴164,165に対応する径のランド
であって、第4の径穴と入口ポート間に出口ポート66
と入口ポート68間を絞り開閉可能な絞り部191を有
する第3のランド192が形成されている。
【0056】さらに負荷油室159に開口するスプール
に明けられた横穴と、横穴に貫通するスプールの軸心に
あけた穴とで形成する負荷連通路186が補助ピストン
室185に開口しており、負荷油室と補助ピストン室と
が連通し、負荷圧力PLが補助ピストン室に導入され補
助ピストン184とスプール181を押し広げる方向に
作用する。従って、第二の実施形態においては、第一の
実施形態とはと負荷油室59,159(補助ピストン室
185)と接続ポート62に対して二次油室64,16
4の位置が入れ代わる。
【0057】かかる構成によれば、各々の径d1,d2
の関係を第一の実施形態と同様にしておけば、二次圧力
Pc、即ちポンプ吐出圧力と油圧アクチュエータの最高
負荷圧力との差圧はポンプ流量調整弁18のスプリング
19の作用力となるので、二次圧力Pcに対して、負荷
圧力PLが充分大きいので、補助ピストンは本体側端に
押しつけられ第一の実施形態の圧力補償弁と同様の作用
が得られる。即ち、ブーム用パイロット圧力8aにより
ブーム用の圧力補償弁が全開となること、及び、双方の
圧力補償弁が全開となった時点で、前述の切換絞部18
9と接続ポート62を介して接続油路47により双方の
負荷圧力が連通することから、第1の実施例と同一の作
用が得られることになる。
【0058】なお、第二の実施形態の圧力補償弁におい
ては、自走負荷のような負荷がマイナスになるなどして
二次圧力Pcに対して、負荷圧力PLが小さくなった場
合は、補助ピストンが本体穴端より離れスプールを付勢
するように働き、負荷圧力PLが作用する受圧面積A2
に、二次圧力Pcが作用することとなる。この場合は負
荷圧力がPcと同一とみなされて制御されることにな
り、方向制御弁の差圧が若干大きくなり流量がやや多目
になる。しかし、段付き穴を有する第一の実施形態に対
して、第二の実施形態においては、穴加工を段付きにす
る必要がなく加工が容易となる利点があり、また、二次
圧力Pcはもともと小さいため実使用においても問題が
少なく、さらに、負荷圧力そのものが常にある一定以上
の圧力である装置にはより適したものとなる。なお、二
次油室にパイロット圧力8aがかかる場合はスプールは
右方へ全開とされるので、かかる問題はない。
【0059】以上、本発明の第一及び第二の実施形態を
示したが、他にも様々な構成が可能である。本発明の特
長は、負荷圧力が極端に異なる2つの圧力補償弁に対し
て、低負荷側の方向制御弁が操作された際に、低負荷側
の圧力補償弁の二次圧力に代えて、外部からのパイロッ
ト圧力を入力して、低負荷側の圧力補償弁を全開とする
こと及び、双方の圧力補償弁が同時に全開に近い開度と
なった時に、圧力補償弁に設けた負荷圧力の切換絞部を
介して双方の負荷圧力が連通するように構成したことで
ある。従って、この精神を逸脱しない限り種々の改変が
可能であるが、本発明は、該改変されたものに及ぶこと
は当然である。
【0060】また、本発明の実施の形態において、基本
的な回路例として、図1のものを示したが、二次圧力を
供給するものとして、例えば、特開平1−266301
号公報に開示されているような電磁比例圧力制御弁等の
手段であってもよい。また、低負荷側の圧力補償弁を全
開とする手段として、操作レバーの操作量に応じたパイ
ロット圧力を発生する圧力制御操作弁のパイロット圧力
を使用したものを例として示したが、この手段は電気的
なセンサー等を使用し、油圧アクチュエータの動きや、
操作レバーの動きを検出して、電磁弁等の切換弁を用い
たり、または、手動の操作によって、二次圧力とパイロ
ット圧力を切り換えても良いことはいうまでもない。ま
た、ポンプ制御回路に二次圧力を作用させるのではなく
最高負荷圧力を作用させたものであってもよい。また、
ポンプは定馬力制御機構のない可変容量ポンプであって
も同様である。
【0061】
【発明の効果】本発明においては、特に極端に負荷の大
きさが異なった油圧アクチュエータの同時操作時に、低
負荷側の圧力補償弁に作用させる二次圧力に代えて、二
次圧力よりも高いパイロット圧力を作用させ、低負荷側
の圧力補償弁を全開とし、さらに、双方の圧力補償弁が
全開に近い開度で、圧力補償弁に設けた負荷圧力の切換
絞部を介して双方の負荷圧力が連通するようにしたの
で、高負荷側の負荷圧力が減少し、可変容量ポンプの吐
出流量規制を緩和し、吐出流量の低下を押えるととも
に、高負荷側の圧力補償弁の開度を小さくしてオーバロ
ードリリーフからのリリーフ流量を減少し、エネルギー
損失や原動機の負担を減少するものとなった。
【0062】また、小さな負荷側へも、充分に圧油を供
給することができるので、低負荷側の流量不足による油
圧アクチュエータの速度低下を解消するものとなった。
加えて、高負荷側の負荷圧力が急激に減少した場合にお
いても、圧力補償弁の開度が急変することがないので、
油圧アクチュエータの速度が急変せずにショックなくス
ムーズな操作が可能なものとなった。
【0063】従って、例えば油圧ショベルに於ける堀削
した土砂等をトラックに積み込むような作業に於いて
も、旋回初期にブームの速度が遅くなるという問題と同
時に旋回のオーバロードリリーフからのリリーフロスに
よるエネルギ損失を緩和するとともに、定常旋回後の旋
回負荷圧力の急激な低下に対しても夫々の圧力補償弁の
開度が急変しないので、夫々の油圧アクチュエータの速
度変化やショックの発生が無く、スムーズな動きが得ら
れ、作業効率が低下せず、オペレータに疲労を与えない
という優れた効果を奏するものとなった。
【0064】二次圧力とパイロット圧力の切換をパイロ
ット圧力で切換えるようにした油圧パイロット切換弁で
おこないパイロット圧力の高低で圧力補償弁の負荷油室
と接続ポートとを開閉するようにしたので、油圧パイロ
ット制御はもとより、電気−油圧制御も可能である。
【0065】さらに、パイロット圧力を油圧パイロット
式方向制御弁をパイロット圧力で遠隔制御する圧力制御
操作弁から取り出すので圧力制御操作弁の操作のみで複
合操作時のショック防止等の対策が簡単にできるものと
なった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一及び第二の実施形態にかかる油圧
駆動装置の油圧回路図である。
【図2】本発明の第一の実施形態である圧力補償弁の概
念図と方向制御弁、シャトル弁との関係を示す説明図で
ある。
【図3】本発明の第二の実施形態である圧力補償弁の概
念図と方向制御弁、シャトル弁との関係を示す説明図で
ある。
【図4】定馬力制御形可変容量ポンプの圧力流量特性図
である。
【図5】従来の油圧駆動装置の油圧回路図である。
【符号の説明】
2 ポンプ(可変容量ポンプ) 3,23 吐出油路 4 低負荷側圧力補償弁 5 高負荷側圧力補償弁 6,7 出力油路(方向制御弁上流側、圧力補償弁下
流側) 8,9 方向制御弁(油圧パイロット式方向制御弁) 8a パイロット圧力 10 低負荷側油圧アクチュエータ(ブームシリンダ
等) 11 高負荷側油圧アクチュエータ(旋回モータ) 12 低圧ライン(タンク) 14 低負荷側油圧アクチュエータ負荷圧力 15 高負荷側油圧アクチュエータ負荷圧力 16 油圧アクチュエータの最高負荷圧力 31 二次圧力を出力する手段(圧力制御弁) 32 二次圧力 32a 二次油路(二次圧力の油路) 42 導入口 42a 低負荷側圧力補償弁導入口 42b 高負荷側圧力補償弁導入口 43 切換弁(油圧パイロット切換弁) 47 接続油路 59,159 負荷油室 62 接続ポート 81,181 スプール 89,189 切換絞部 91,191 絞り部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変容量ポンプと、該可変容量ポンプの
    吐出する圧油によって駆動され小さな負荷を有する低負
    荷側油圧アクチュエータと、該油圧アクチュエータより
    大きな負荷を有する高負荷側油圧アクチュエータとを有
    し、該複数の油圧アクチュエータに流入する圧油をそれ
    ぞれ制御可能にされた流量調整機能を有する方向制御弁
    と、該方向制御弁の圧力補償をそれぞれ可能にする圧力
    補償弁と、前記可変容量ポンプの吐出圧力と前記複数の
    油圧アクチュエータの最高負荷圧力との差圧に比例した
    二次圧力を出力する手段と、を備えた油圧駆動装置にお
    いて、前記圧力補償弁は、前記方向制御弁の上流側に設
    けられ、該圧力補償弁の下流側の圧力でもって前記圧力
    補償弁のスプールの弁開度を閉じ方向に作用させ、前記
    方向制御弁の下流側の油圧アクチュエータの負荷圧力及
    び前記二次圧力がそれぞれスプールの弁開度を開き方向
    に独立して作用するようにされ、前記方向制御弁の下流
    側の油圧アクチュエータの負荷圧力が導入される負荷油
    室と外部に接続可能な接続ポートとを前記圧力補償弁の
    スプールに設けられた切換絞部により閉塞又は絞り連通
    可能にされており、かつ、各前記圧力補償弁は前記接続
    ポートが互いに接続され、さらに、前記低負荷側油圧ア
    クチュエータ用の圧力補償弁の前記二次圧力が供給され
    る導入口に、前記二次圧力と、前記二次圧力より高くか
    つ前記低負荷側油圧アクチュエータ用の圧力補償弁のス
    プールを前記負荷油室と前記接続ポートを連通可能に切
    換えるパイロット圧力と、を選択導入可能にする手段が
    設けられていることを特徴とする油圧駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記二次圧力と前記パイロット圧力とを
    選択導入可能にする手段は、前記二次圧力の油路と前記
    導入口間に設けられ、前記パイロット圧力により付勢さ
    れるスプールと、該スプールの他端に設けられたスプリ
    ングと、を有し、前記パイロット圧力により受けるスプ
    ールの受圧力が前記スプリング力より低い時は前記スプ
    ールにより前記二次圧力を前記導入口に導入し、前記パ
    イロット圧力が前記スプリング力より高い時は前記スプ
    ールにより前記パイロット圧力を前記導入口に導入する
    ようにされた油圧パイロット切換弁であることを特徴と
    する請求項1記載の油圧駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記方向制御弁は油圧パイロット式方向
    制御弁であって、前記パイロット圧力は前記油圧パイロ
    ット式方向制御弁をパイロット圧力で遠隔制御する圧力
    制御操作弁のパイロット圧力であることを特徴とする請
    求項1又は2記載の油圧駆動装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114233697A (zh) * 2021-12-14 2022-03-25 重庆敏泰液压技术有限公司 云梯搬运车用平衡阀

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CN114233697A (zh) * 2021-12-14 2022-03-25 重庆敏泰液压技术有限公司 云梯搬运车用平衡阀

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