JPH09302018A - オレフィン・極性モノマー共重合体の製造方法 - Google Patents

オレフィン・極性モノマー共重合体の製造方法

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JPH09302018A
JPH09302018A JP7767496A JP7767496A JPH09302018A JP H09302018 A JPH09302018 A JP H09302018A JP 7767496 A JP7767496 A JP 7767496A JP 7767496 A JP7767496 A JP 7767496A JP H09302018 A JPH09302018 A JP H09302018A
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JP
Japan
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group
compound
transition metal
olefin
general formula
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Application number
JP7767496A
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English (en)
Inventor
Kenji Sugimura
健司 杉村
Kiyotaka Yorozu
清隆 萬
Yasuhiko Suzuki
靖彦 鈴木
Tetsuo Hayashi
哲雄 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 共重合体中に微粒子が均一に分散したオレフ
ィン・極性モノマー共重合体を効率よく製造する。 【解決手段】 下式で表される遷移金属化合物(A)
と、ルイス酸もしくはイオン化イオン性化合物(B−
1)、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)および
アルキルボロン酸誘導体(B−3)からなる群から選ば
れる少なくとも1種の化合物(B)とからなる触媒
(I);ならびに微粒子(II)を用いて、オレフィンと
極性モノマーとを共重合する。 【化1】 〔MはPd、NiまたはPt等の遷移金属、X1および
2はNまたはP、R1、R2、R6およびR7はHまたは
炭化水素基を示す。R1〜R7は相互に連結して環を形成
していてもよい。R4およびR5はH、ハロゲン、炭化水
素基等を示す。〕

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン・アクリ
ル酸メチル共重合体などのオレフィン・極性モノマー共
重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは遷移金属化合
物からなるイオン性錯体と微粒子を併用してオレフィン
と極性モノマーとを共重合させることにより、微粒子が
均一に分散した共重合体を効率よく製造することができ
るオレフィン・極性モノマー共重合体の製造方法に関す
る。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、微粒
子が均一に分散したオレフィン・極性モノマー共重合体
を効率よく製造することができるオレフィン・極性モノ
マー共重合体の製造方法を提案することである。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は次のオレフィン
・極性モノマー共重合体の製造方法である。 (1)(I)下記一般式(1)で表される遷移金属化合
物(A)と、ルイス酸もしくはイオン化イオン性化合物
(B−1)、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)
およびアルキルボロン酸誘導体(B−3)からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とからなる触
媒、ならびに(II)微粒子を用いて、オレフィンと極性
モノマーとを共重合することを特徴とするオレフィン・
極性モノマー共重合体の製造方法。
【化4】 〔式中、Mは後周期遷移金属、すなわち8族、9族およ
び10族から選ばれる遷移金属を示す。X1およびX2
それぞれ同一または相異なり、窒素原子またはリン原子
を示す。R1およびR2はそれぞれ同一または相異なり、
水素原子または炭化水素基を示す。
【化5】 (ただし、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R
13、R14、R15およびR16はそれぞれ同一または相異な
り、水素原子または炭化水素基を示す。)を示す。mお
よびnはそれぞれ1または2であって、X1およびX2
価数を満たす数である。R4およびR5は同一または相異
なり、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、−O
17、−SR18、−N(R19)2または−P(R20)2(ただ
し、R17〜R20はそれぞれ炭化水素基または有機シリル
基を示す。なおR19同士またはR20同士は互いに連結し
て環を形成していてもよい。)を示す。またR4および
5は連結して環を形成していてもよい。またR1
2、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13
14、R15およびR16は、これらの2個以上が相互に連
結して環を形成していてもよい。〕 (2)遷移金属化合物(A)と、ルイス酸もしくはイオ
ン化イオン性化合物(B−1)、有機アルミニウムオキ
シ化合物(B−2)およびアルキルボロン酸誘導体(B
−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
(B)とを、それぞれ反応系に供給することを特徴とす
る上記(1)記載の製造方法。 (3)遷移金属化合物(A)と、ルイス酸もしくはイオ
ン化イオン性化合物(B−1)、有機アルミニウムオキ
シ化合物(B−2)およびアルキルボロン酸誘導体(B
−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物
(B)とを、予め接触させた後反応系に供給することを
特徴とする上記(1)記載の製造方法。 (4)一般式(1)で表される遷移金属化合物(A)
が、下記一般式(1−1)で表される遷移金属化合物で
あることを特徴とする上記(1)ないし(3)のいずれ
かに記載の製造方法。
【化6】 〔式中、Mは後周期遷移金属、すなわち8族、9族およ
び10族から選ばれる遷移金属を示す。X1およびX2
それぞれ同一または相異なり、窒素原子またはリン原子
を示す。R1およびR2はそれぞれ同一または相異なり、
水素原子または炭化水素基を示す。R4およびR5は同一
または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
基、−OR17、−SR18、−N(R19)2または−P
(R20)2(ただし、R17〜R20はそれぞれ炭化水素基ま
たは有機シリル基を示す。なおR19同士またはR20同士
は互いに連結して環を形成していてもよい。)を示す。
またR4およびR5は連結して環を形成していてもよい。
6およびR7はそれぞれ同一または相異なり、水素原子
または炭化水素基を示す。またR1、R2、R6およびR7
は、これらの2個以上が相互に連結して環を形成してい
てもよい。〕
【0004】本発明の方法で共重合するオレフィンとし
ては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセ
ン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコ
セン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペン
テンなどの炭素数2〜20のα−オレフィンがあげられ
る。これらのオレフィンは1種単独で使用することもで
きるし、2種以上を併用することもできる。全モノマー
中に占めるオレフィンの割合は0.5〜99.5モル
%、好ましくは1〜99モル%であるのが望ましい。
【0005】本発明の方法で共重合する極性モノマーと
しては、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マ
レイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ
(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸
等のα,β−不飽和カルボン酸、およびそのナトリウ
ム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシ
ウム等の金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル等のα,β−
不飽和カルボン酸エステル;マレイン酸、イタコン酸、
無水マレイン酸等の不飽和ジカルボン酸およびその酸無
水物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル等のビニルエステ
ル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジ
ル、イタコン酸モノグリシジルエステル等の不飽和グリ
シジル基含有単量体などがあげられる。
【0006】これらの極性モノマーは1種単独で使用す
ることもできるし、2種以上を併用することもできる。
全モノマー中に占める極性モノマーの割合は0.5〜9
9.5モル%、好ましくは1〜99モル%であるのが望
ましい。
【0007】本発明では前記オレフィンおよび極性モノ
マーに加えて、共重合可能な他のモノマー、例えばブタ
ジエン、1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−
オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエ
ン等の共役または非共役ジエン;シクロプロペン、シク
ロブテン、シクロペンテン、ノルボルナジエン、ジシク
ロペンタジエン等の環状オレフィンなどを共重合するこ
ともできる。これらの他のモノマーは1種単独で使用す
ることもできるし、2種以上を併用することもできる。
全モノマー中に占める他のモノマーの割合は80モル%
以下、好ましくは70モル%以下である。
【0008】本発明の製造方法により得られるオレフィ
ン・極性モノマー共重合体の具体的なものとしては、α
−オレフィン・アクリル酸共重合体、α−オレフィン・
アクリル酸メチル共重合体、α−オレフィン・アクリル
酸エチル共重合体、α−オレフィン・アクリル酸イソプ
ロピル共重合体、α−オレフィン・アクリル酸n−ブチ
ル共重合体、α−オレフィン・アクリル酸イソブチル共
重合体、α−オレフィン・アクリル酸2−エチルヘキシ
ル共重合体、α−オレフィン・メタクリル酸共重合体、
α−オレフィン・メタクリル酸メチル共重合体、α−オ
レフィン・メタクリル酸エチル共重合体、α−オレフィ
ン・メタクリル酸イソプロピル共重合体、α−オレフィ
ン・メタクリル酸n−ブチル共重合体、α−オレフィン
・メタクリル酸イソブチル共重合体、α−オレフィン・
メタクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、α−オレフ
ィン・酢酸ビニル共重合体、α−オレフィン・プロピオ
ン酸ビニル共重合体、α−オレフィン・アクリル酸エチ
ル・無水マレイン酸共重合体、α−オレフィン・アクリ
ル酸エチル・メタクリル酸グリシジル共重合体、α−オ
レフィン・酢酸ビニル・メタクリル酸グリシジル共重合
体、α−オレフィン・メタクリル酸グルシジル共重合体
などがあげられる。
【0009】本発明で触媒成分として用いる遷移金属化
合物(A)は、前記一般式(1)で表される遷移金属化
合物(配位化合物)、すなわち後周期遷移金属である8
族、9族または10族の遷移金属化合物である。具体的
にはニッケル、パラジウムおよび白金化合物などがあげ
られる。
【0010】一般式(1)においてMは後周期遷移金
属、すなわち8族、9族または10族の遷移金属であ
り、好ましくはニッケル、パラジウムまたは白金であ
る。一般式(1)においてX1およびX2は窒素原子また
はリン原子である。X1とX2とは同一であっても、異な
っていてもよい。
【0011】一般式(1)においてR1またはR2で示さ
れる原子または基の具体的なものとしては、水素原子;
メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、
tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素
数1〜20の直鎖もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和
アルキル基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜2
0のアリール基;これらのアリール基にメチル基、エチ
ル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル
基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチ
ル基、ペンチル基、ヘキシル基等の置換基が1〜5個置
換した置換アリール基などがあげられる。R 1とR2とは
同一であっても、異なっていてもよい。
【0012】一般式(1)においてR3は前記式で表さ
れる基であり、R6〜R16で示される原子または基の具
体的なものとしては、前記R1およびR2として例示した
原子または基と同様のものがあげられる。R6〜R16
同一であっても、異なっていてもよい。
【0013】また一般式(1)におけるR1、R2、R6
〜R16は、2個以上、好ましくは隣接する基が相互に連
結して環を形成していてもよい。
【0014】一般式(1)においてR4およびR5で示さ
れる原子または基の具体的なものとしては、水素原子;
塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等のハロゲン原子;メチル
基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−
ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert
−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等の炭素数1〜2
0の直鎖もしくは分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル
基;フェニル基、ナフチル基等の炭素数6〜20のアリ
ール基;ベンジル基等の炭素数7〜20のアラルキル基
などがあげられる。これらのアリール基、アラルキル基
にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基など
の置換基が1個以上置換していてもよい。
【0015】また一般式(1)におけるR4およびR5
基としては、−OR17、−SR18、−N(R19)2または
−P(R20)2などの基もあげられる。ここでR17〜R20
の基の具体的なものとしては、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基等の炭素数1〜20の直鎖もしくは
分岐状の飽和もしくは不飽和アルキル基;シクロヘキシ
ル基等の炭素数6〜20のシクロアルキル基;フェニル
基、ナフチル基等の炭素数6〜20のアリール基;ベン
ジル基等の炭素数7〜20のアラルキル基;メチルシリ
ル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチル
シリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基等の
有機シリル基などがあげられる。上記アリール基、アラ
ルキル基には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec
−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシ
ル基などの置換基が1個以上置換していてもよい。R4
とR5とは同一であっても、異なっていてもよい。
【0016】一般式(1)で表される配位化合物として
は、前記一般式(1−1)で表される配位化合物が好ま
しい。一般式(1−1)で表される配位化合物の具体的
なものとしては、次の化合物などがあげられる。下記式
中、iPrはイソプロピル基を示す。
【0017】
【化7】
【0018】
【化8】
【0019】
【化9】
【0020】
【化10】
【0021】
【化11】
【0022】
【化12】
【0023】
【化13】
【0024】
【化14】
【0025】
【化15】
【0026】
【化16】
【0027】上記以外にも、一般式(1−1)で表され
る配位化合物の具体的なものとしては、上記化合物中の
パラジウムまたはニッケルが白金に置き代わった配位化
合物などがあげられる。
【0028】また一般式(1)で表される配位化合物の
具体的なものとしては、次の化合物などがあげられる。
下記式中、iPrはイソプロピル基を示す。
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】上記以外にも、一般式(1)で表される配
位化合物の具体的なものとしては、上記化合物中のパラ
ジウムまたはニッケルが白金に置き代わった配位化合物
などがあげられる。
【0032】本発明において(B−1)成分として使用
するルイス酸としては、BR3(ただしRはフッ素、メ
チル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有してい
てもよいフェニル基またはフッ素である。)で示される
化合物などがあげられ、例えばトリフルオロボロン、ト
リフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボ
ロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、
トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス
(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリ
ル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス
(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどがあげられ
る。
【0033】本発明で用いるイオン化イオン性化合物
(B−1)としては、イオン性化合物、ボラン化合物、
およびカルボラン化合物などを例示することができる。
【0034】(B−1)成分として使用する上記イオン
性化合物としては、例えば一般式(2)
【化19】 で表される化合物があげられる。
【0035】式中、R21はH+、カルボニウムカチオ
ン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホ
スホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオ
ン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどを例
示することができる。R22〜R 25はそれぞれ同一または
相異なる有機基、好ましくはアリール基または置換アリ
ール基である。
【0036】上記カルボニウムカチオンの具体的なもの
としては、トリフェニルカルボニウムカチオン、トリ
(メチルフェニル)カルボニウムカチオン、トリ(ジメ
チルフェニル)カルボニウムカチオン等の三置換カルボ
ニウムカチオンなどがあげられる。上記アンモニウムカ
チオンの具体的なものとしては、トリメチルアンモニウ
ムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプ
ロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウム
カチオン、トリ(n−ブチル)アンモニウムカチオン等
のトリアルキルアンモニウムカチオン;N,N−ジエチ
ルアニリニウムカチオン、N,N−2,4,6−ペンタ
メチルアニリニウムカチオン等のN,N−ジアルキルア
ニリニウムカチオン;ジ(イソプロピル)アンモニウム
カチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオン等の
ジアルキルアンモニウムカチオンなどがあげられる。
【0037】上記ホスホニウムカチオンの具体的なもの
としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ
(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメ
チルフェニル)ホスホニウムカチオン等のトリアリール
ホスホニウムカチオンなどがあげられる。R21として
は、カルボニウムカチオン、アンモニウムカチオンなど
が好ましく、特にトリフェニルカルボニウムカチオン、
N,N−ジエチルアニリニウムカチオンが好ましい。
【0038】(B−1)成分として使用する前記イオン
性化合物としては、式(3)
【化20】 (式中、Etはエチル基を示す。)で表わされるホウ素
化合物が好ましい。
【0039】その他にもイオン性化合物としては、トリ
アルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニ
リニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリール
ホスフォニウム塩などを使用することもできる。
【0040】(B−1)成分として使用する上記トリア
ルキル置換アンモニウム塩の具体的なものとしては、例
えばトリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ
素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ
素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリ
ル)ホウ素、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリ
ル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフ
ルオロフェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテ
トラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ素、トリブチル
アンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ホウ
素、トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリフルオロ
メチルフェニル)ホウ素、トリブチルアンモニウムテト
ラ(3,5−ジトリフルオロメチルフェニル)ホウ素、
トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)
ホウ素などがあげられる。
【0041】(B−1)成分として使用する前記N,N
−ジアルキルアニリニウム塩の具体的なものとしては、
例えばN,N−ジメチルアニリニウムテトラ(フェニ
ル)ホウ素、N,N−ジエチルアニリニウムテトラ(フ
ェニル)ホウ素、N,N−2,4,6−ペンタメチルア
ニリニウムテトラ(フェニル)ホウ素などがあげられ
る。
【0042】(B−1)成分として使用する前記ジアル
キルアンモニウム塩の具体的なものとしては、例えばジ
(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロ
フェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテト
ラ(フェニル)ホウ素などがあげられる。
【0043】さらに(B−1)成分として使用する前記
イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテ
トラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N
−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフ
ェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフル
オロフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムペ
ンタフェニルシクロペンタジエニル錯体、N,N−ジエ
チルアニリニウムペンタフェニルシクロペンタジエニル
錯体、下記式(4)で表されるホウ素化合物などをあげ
ることもできる。
【化21】
【0044】(B−1)成分として使用する前記ボラン
化合物としては、例えばデカボラン(14);ビス〔ト
リ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス
〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビ
ス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ウンデカボレー
ト、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ドデカボ
レート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカ
クロロデカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモ
ニウム〕ドデカクロロドデカボレート等のアニオンの
塩;トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ドデカハイ
ドライドドデカボレート)コバルト酸塩(III)、ビス
〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイ
ドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)等の金属
ボランアニオンの塩などがあげられる。
【0045】(B−1)成分として使用する前記カルボ
ラン化合物としては、例えば4−カルバノナボラン(1
4)、1,3−ジカルバノナボラン(13)、6,9−
ジカルバデカボラン(14)、ドデカハイドライド−1
−フェニル−1,3−ジカルバノナボラン、ドデカハイ
ドライド−1−メチル−1,3−ジカルバノナボラン、
ウンデカハイドライド−1,3−ジメチル−1,3−ジ
カルバノナボラン、7,8−ジカルバウンデカボラン
(13)、2,7−ジカルバウンデカボラン(13)、
ウンデカハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジ
カルバウンデカボラン、ドデカハイドライド−11−メ
チル−2,7−ジカルバウンデカボラン、トリ(n−ブ
チル)アンモニウム1−カルバデカボレート、トリ(n
−ブチル)アンモニウム1−カルバウンデカボレート、
トリ(n−ブチル)アンモニウム1−カルバドデカボレ
ート、トリ(n−ブチル)アンモニウム1−トリメチル
シリル−1−カルバデカボレート、トリ(n−ブチル)
アンモニウムブロモ−1−カルバドデカボレート、トリ
(n−ブチル)アンモニウム6−カルバデカボレート
(14)、トリ(n−ブチル)アンモニウム6−カルバ
デカボレート(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウ
ム7−カルバウンデカボレート(13)、トリ(n−ブ
チル)アンモニウム7,8−ジカルバウンデカボレート
(12)、トリ(n−ブチル)アンモニウム2,9−ジ
カルバウンデカボレート(12)、トリ(n−ブチル)
アンモニウムドデカハイドライド−8−メチル−7,9
−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アン
モニウムウンデカハイドライド−8−エチル−7,9−
ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモ
ニウムウンデカハイドライド−8−ブチル−7,9−ジ
カルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニ
ウムウンデカハイドライド−8−アリル−7,9−ジカ
ルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウ
ムウンデカハイドライド−9−トリメチルシリル−7,
8−ジカルバウンデカボレート、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウムウンデカハイドライド−4,6−ジブロモ−
7−カルバウンデカボレート等のアニオンの塩;
【0046】トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノ
ナハイドライド−1,3−ジカルバノナボレート)コバ
ルト酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス
(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボ
レート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウ
ムビス(ウンデカハイドライド−7,8−ジカルバウン
デカボレート)コバルト酸塩(III)、トリ(n−ブチ
ル)アンモニウムビス(ウンデカハイドライド−7,8
−ジカルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(III)、ト
リ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハイドラ
イド−7,8−ジカルバウンデカボレート)銅酸塩(II
I)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ウンデカハ
イドライド−7,8−ジカルバウンデカボレート)金酸
塩(III)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(ノナ
ハイドライド−7,8−ジメチル−7,8−ジカルバウ
ンデカボレート)鉄酸塩(III)、トリ(n−ブチル)ア
ンモニウムビス(ノナハイドライド−7,8−ジメチル
−7,8−ジカルバウンデカボレート)クロム酸塩(II
I)、トリ(n−ブチル)アンモニウムビス(トリブロモ
オクタハイドライド−7,8−ジカルバウンデカボレー
ト)コバルト酸塩(III)、トリス〔トリ(n−ブチル)
アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カル
バウンデカボレート)クロム酸塩(III)、ビス〔トリ
(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドラ
イド−7−カルバウンデカボレート)マンガン酸塩(I
V)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウ
ンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)コ
バルト酸塩(III)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニ
ウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデ
カボレート)ニッケル酸塩(IV)等の金属カルボランア
ニオンの塩などがあげられる。
【0047】上記のような(B−1)成分は1種単独で
使用することもできるし、2種以上を組合せて用いても
よい。
【0048】本発明で用いられる有機アルミニウムオキ
シ化合物(B−2)は、従来公知のアルミノオキサンで
あってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウム
オキシ化合物であってもよい。
【0049】このような従来公知のアルミノオキサン
は、具体的には下記一般式(5)または(6)で表され
る。
【化22】 (式中、R26はそれぞれ同一または相異なり、メチル
基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基
であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましく
はメチル基であり、mはゼロまたは正の整数、好ましく
は5〜40の整数である。)
【0050】ここで、このアルミノオキサンは式(OA
l(R27))で表わされるアルキルオキシアルミニウム
単位および式(OAl(R28))で表わされるアルキル
オキシアルミニウム単位(ここで、R27およびR28は前
記R26と同様の炭化水素基を例示することができ、R27
およびR28は相異なる基を表わす)からなる混合アルキ
ルオキシアルミニウム単位から形成されていてもよい。
【0051】従来公知のアルミノオキサンは、例えば下
記のような方法によって製造され、通常芳香族炭化水素
溶媒の溶液として回収される。 (1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有す
る塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和
物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩
化第1セリウム水和物などを懸濁した芳香族炭化水素溶
媒に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウ
ム化合物を添加して反応させて芳香族炭化水素溶媒の溶
液として回収する方法。 (2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラヒ
ドロフランなどの媒体中でトリアルキルアルミニウムな
どの有機アルミニウム化合物に直接水(水、氷または水
蒸気)を作用させて芳香族炭化水素溶媒の溶液として回
収する方法。
【0052】アルミノオキサンの溶液を製造する際に用
いられる有機アルミニウム化合物としては、具体的には
トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、ト
リプロピルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウ
ム、トリn−ブチルアルミニウム、トリイソブチルアル
ミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−
ブチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリ
ヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、ト
リデシルアルミニウム、トリシクロヘキシルアルミニウ
ム、トリシクロオクチルアルミニウム等のトリアルキル
アルミニウム; 一般式(i−C49)xAly(C510)z [式中、x、y、zは正の数であり、z≧2xであ
る。]で表わされるイソプレニルアルミニウムイソプレ
ニルアルミニウム等のアルケニルアルミニウム;ジメチ
ルアルミニウムクロリド、ジエチルアルミニウムクロリ
ド、ジエチルアルミニウムブロミド、ジイソブチルアル
ミニウムクロリド等のジアルキルアルミニウムハライ
ド;ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチル
アルミニウムハイドライド等のジアルキルアルミニウム
ハイドライド;ジメチルアルミニウムメトキシド、ジエ
チルアルミニウムエトキシド等のジアルキルアルミニウ
ムアルコキシド;ジエチルアルミニウムフェノキシド等
のジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどがあげら
れる。これらの中では、トリアルキルアルミニウムが特
に好ましい。上記のような有機アルミニウム化合物は、
単独であるいは組合せて用いられる。
【0053】(B−2)成分として使用する前記ベンゼ
ン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、例えばア
ルミノオキサンの溶液と、水または活性水素含有化合物
とを接触させる方法、あるいは上記のような有機アルミ
ニウム化合物と水とを接触させる方法などによって得る
ことができる。
【0054】(B−2)成分として使用する前記ベンゼ
ン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物は、この化合
物を赤外分光法(IR)によって解析して、1220c
-1付近における吸光度(D1220)と1260cm-1
近における吸光度(D1260)との比(D1260/D1220
が0.09以下、好ましくは0.08以下、特に好ましく
は0.04〜0.07の範囲にあることが望ましい。
【0055】上記のようなベンゼン不溶性の有機アルミ
ニウムオキシ化合物(B−2)は、下記一般式(7)で
表されるアルキルオキシアルミニウム単位を有すると推
定される。
【化23】
【0056】式中、R29は炭素数1〜12の炭化水素基
である。このような炭化水素基として、具体的にはメチ
ル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n
−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、
オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロオク
チル基などを例示することができる。これらの中ではメ
チル基、エチル基が好ましく、特にメチル基が好まし
い。
【0057】このベンゼン不溶性の有機アルミニウムオ
キシ化合物(B−2)は、上記一般式(7)で表わされ
るアルキルオキシアルミニウム単位の他に、下記一般式
(8)で表わされるオキシアルミニウム単位を含有して
いてよい。
【化24】
【0058】式中、R30は炭素数1〜12の炭化水素
基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜20の
アリーロキシ基、水酸基、ハロゲンまたは水素原子であ
る。またR30および前記一般式(7)中のR29は互いに
異なる基を表わす。
【0059】オキシアルミニウム単位を含有する場合に
は、アルキルオキシアルミニウム単位を30モル%以
上、好ましくは50モル%以上、特に好ましくは70モ
ル%以上の割合で含むアルキルオキシアルミニウム単位
を有する有機アルミニウムオキシ化合物が望ましい。
【0060】なお本発明で用いられる有機アルミニウム
オキシ化合物(B−2)は、少量のアルミニウム以外の
金属の有機化合物成分を含有していてもよい。上記のよ
うな(B−2)成分は1種単独で使用することもできる
し、2種以上を組合せて用いてもよい。
【0061】本発明で使用するアルキルボロン酸誘導体
(B−3)としては、下記一般式(9)で表される化合
物などがあげられる。
【化25】 (式中、R31は炭素数1〜10の炭化水素基を示す。R
32はそれぞれ同一または相異なり、水素原子、ハロゲン
原子、シロシキ基、低級アルキル基置換シロキシ基また
は炭素数1〜10の炭化水素残基を示す。)
【0062】一般式(9)で表されるアルキルボロン酸
誘導体(B−3)は、一般式(10)
【化26】 (式中、R31は前記と同じものを示す。)で表されるア
ルキルボロン酸と有機アルミニウム化合物とを、不活性
ガス雰囲気下に不活性溶媒中で、−80℃〜室温の温度
で1分間〜24時間反応させることにより製造すること
ができる。
【0063】一般式(10)で表されるアルキルボロン
酸の具体的なものとしては、メチルボロン酸、エチルボ
ロン酸、イソプロピルボロン酸、n−プロピルボロン
酸、n−ブチルボロン酸、イソブチルボロン酸、n−ヘ
キシルボロン酸、シクロヘキシルボロン酸、フェニルボ
ロン酸、3,5−ジフルオロボロン酸、ペンタフルオロ
フェニルボロン酸、3,5−ビス(トリフルオロメチ
ル)フェニルボロン酸などがあげられる。これらの中で
は、メチルボロン酸、イソブチルボロン酸、3,5−ジ
フルオロフェニルボロン酸、ペンタフルオロフェニルボ
ロが好ましく、特にメチルボロン酸が好ましい。これら
は1種単独で使用することもできるし、2種以上を併用
することもできる。
【0064】このようなアルキルボロン酸と反応させる
前記有機アルミニウム化合物としては、下記一般式(1
1)〜(13)で表される有機アルミニウム化合物など
があげられる。
【化27】 (式中、Xは水素原子またはハロゲン原子、R33はそれ
ぞれ同一または相異なり、水素原子、ハロゲン原子また
は炭素数1〜10の炭化水素残基、pは0≦p<3を示
す。R32はそれぞれ同一または相異なり、前記と同じも
のを示す。)
【0065】一般式(11)〜(13)で表される有機
アルミニウム化合物の具体的なものとしては、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブ
チルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオ
クチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリn
−ブチルアルミニウム、トリn−プロピルアルミニウ
ム、トリイソプレニルアルミニウム等のトリアルキルア
ルミニウム;ジメチルアルミニウムクロリド、ジエチル
アルミニウムモノクロリド、ジイソブチルアルミニウム
モノクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリド、エ
チルアルミニウムセスキクロリド、エチルアルミニウム
ジクロリド等のアルキルアルミニウムハライド;ジメチ
ルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハ
イドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等
のアルキルアルミニウムハイドライド;ジメチルアルミ
ニウム(トリメチルシロキシド)、ジエチルアルミニウ
ム(トリメチルシロキシド)等のアルキルアルミニウム
シロキシド;テトライソブチルアルモキサン、テトラエ
チルアルモキサン等のテトラアルキルアルモキサンなど
があげられる。これらの中では、トリメチルアルミニウ
ム、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミニウ
ムクロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、ジイ
ソブチルアルミニウムハイドライドなどが好ましく、特
にトリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウ
ムが好ましい。これらは1種単独で使用することもでき
るし、2種以上を併用することもできる。
【0066】上記のような(B−3)成分は1種単独で
使用することもできるし、2種以上を組合せて用いても
よい。
【0067】本発明では、触媒(I)として、遷移金属
化合物(A)と、ルイス酸もしくはイオン化イオン性化
合物(B−1)、有機アルミニウムオキシ化合物(B−
2)およびアルキルボロン酸誘導体(B−3)からなる
群から選ばれる少なくとも1種の化合物(B)とからな
る触媒を使用するが、(A)成分と(B)成分とはそれ
ぞれ反応系に供給して共重合を行うことができるほか、
(A)成分と(B)成分とを予め接触させた後反応系に
供給して共重合を行うこともできる。後者の場合、
(B)成分としてはルイス酸もしくはイオン化イオン性
化合物(B−1)を使用するのが好ましい。
【0068】遷移金属化合物(A)と予め接触させる好
ましい(B)成分の具体的なものとしては、前記一般式
(2)ないし(4)で表されるホウ素化合物などがあげ
られる。これらの中では一般式(3)で表されるホウ素
化合物が好ましい。
【0069】(A)成分と(B)成分とをそれぞれ反応
系に供給することにより、反応系内において下記一般式
(14)で表されるイオン性配位化合物が形成されると
推測される。また(A)成分と(B)成分とを予め接触
させた場合にも、下記一般式(14)で表されるイオン
性配位化合物が形成されると推測される。
【0070】
【化28】 〔式中、M、X1、X2、R1、R2、R3、mおよびnは
前記一般式(1)と同じである。R33は炭化水素基を示
す。Yは前記ルイス酸もしくはイオン化イオン性化合物
(B−1)、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)
およびアルキルボロン酸誘導体(B−3)からなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物(B)から形成され
る分子を示す。〕
【0071】一般式(14)において、R33は一般式
(1)のR4またはR5の炭化水素基、例えばアルキル基
であるか、あるいは後述のアルキル化剤(C)により導
入されるアルキル基である。
【0072】一般式(14)において、Yは遷移金属化
合物(A)と(B)成分との接触に伴って(B)成分か
ら形成される分子であって、例えば前記(B−1)のイ
オン化イオン性化合物を形成しているアニオンであり、
具体的なものとしては式(15)
【化29】 で表されるホウ素化合物があげられる。この式(15)
で表されるホウ素化合物は式(3)で表されるホウ素化
合物から形成される分子である。
【0073】上記以外のYの具体的なものとしては、
(B−1)で例示したイオン化イオン性化合物を形成し
ているアニオンがあげられ、例えばテトラキス(ペンタ
フルオロフェニル)ボレート、テトラ(フェニル)ホウ
素などがあげられる。
【0074】一般式(14)で表されるイオン性配位化
合物には、遷移金属化合物(A)と(B)成分との接触
に伴って(B)成分から形成されるエーテル化合物(エ
ーテル分子)などがMで表される遷移金属に配位する場
合がある。このようなイオン性配位化合物は下記一般式
(16)で表される。
【0075】
【化30】 〔式中、M、X1、X2、R1、R2、R3、mおよびnは
前記一般式(1)と同じである。R33およびYは前記一
般式(14)と同じである。R34は遷移金属化合物
(A)と(B)成分との接触に伴って(B)成分から形
成されるエーテル化合物(エーテル分子)を示す。〕
【0076】一般式(16)においてR34で示されるエ
ーテル化合物(エーテル分子)の具体的なものとして
は、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピル
エーテル、ジブチルエーテルなどがあげられる。
【0077】一般式(16)で表されるイオン性配位化
合物の具体的なものとしては、下記式(17)で表され
るイオン性配位化合物などがあげられる。
【化31】 (式中、iPrはイソプロピル基、Etはエチル基を示
す。)
【0078】(A)成分と(B)成分とを予め接触させ
て、一般式(14)または(16)で表されるイオン性
配位化合物を形成させるには、一般式(1)で表される
配位化合物のR4および/またはR5がアルキル基の場合
は、この配位化合物(A)と(B)成分とを、反応媒体
中で−120〜+20℃、好ましくは−80〜−20℃
で、5分間〜100時間、好ましくは30分間〜5時間
の条件で反応させることにより得ることができる。
【0079】また一般式(1)で表される配位化合物
(A)のR4およびR5の両者がアルキル基以外の場合、
例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシル基等の場
合は、メチルリチウム、エチルリチウム、プロピルリチ
ウム、ブチルリチウム、メチルマグネシウムブロミド、
メチルマグネシウムクロリド、エチルマグネシウムブロ
ミド、エチルマグネシウムクロリド、プロピルマグネシ
ウムブロミド、プロピルマグネシウムクロリド、ブチル
マグネシウムブロミド、ブチルマグネシウムクロリド、
ジメチルマグネシウム、ジエチルマグネシウム、ジブチ
ルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、トリメチ
ルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリブチル
アルミニウム、トリオクチルアルミニウム等のアルキル
化剤(C)の存在下に、配位化合物(A)と(B)成分
とを上記と同様の条件で反応させることにより得ること
ができる。この場合、上記アルキル化剤(C)のアルキ
ル基が一般式(14)または(16)のR33の基とな
る。なお、一般式(1)で表される配位化合物(A)の
4およびR5のいずれか一方がアルキル基であり、他方
がアルキル基以外の場合は、必ずしもアルキル化剤
(C)は必要ではないが、使用することもできる。
【0080】アルキル化剤(C)の使用量は、アルキル
化剤(C)と(A)成分とのモル比〔(C)/(A)〕
が通常1〜50、好ましくは1〜20とするのが望まし
い。
【0081】前記反応媒体としはヘキサン、ヘプタン、
オクタン、シクロヘキサン、ミネラルオイル、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素;クロロホ
ルム、メチレンクロリド、ジクロロエタン、クロロベン
ゼン等のハロゲン化炭化水素などが使用できる。
【0082】また本発明では、遷移金属化合物(A)
と、ルイス酸もしくはイオン化イオン性化合物(B−
1)、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)および
アルキルボロン酸誘導体(B−3)からなる群から選ば
れる少なくとも1種の化合物(B)とを予め接触させる
に際して、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(D)
を共存させることもできる。この場合、(B)成分とし
てはルイス酸もしくはイオン化イオン性化合物(B−
1)を使用するのが好ましい。
【0083】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(D)としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピ
ル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、ア
クリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル
酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリ
ル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどがあげら
れる。
【0084】(A)成分と(B)成分とを(メタ)アク
リル酸アルキルエステル(D)の存在下に予め接触させ
ることにより、下記一般式(18)で表されるイオン性
配位化合物が形成されると推測される。なお、(メタ)
アクリル酸アルキルエステル(D)は(A)成分と
(B)成分とをそれぞれ反応系に供給する場合にも共存
させることができ、この場合にも下記一般式(18)で
表されるイオン性配位化合物が形成されると推測され
る。
【0085】
【化32】 〔式中、M、X1、X2、R1、R2、R3、mおよびnは
前記一般式(1)と同じである。Yは前記一般式(1
4)と同じである。R35は炭化水素基の残基を示す。R
36およびR37は前記(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル(D)の残基の一部を示す。〕
【0086】一般式(18)において、R35は一般式
(1)のR4またはR5の炭化水素基、例えばアルキル基
の残基であるか、あるいは前記アルキル化剤(C)によ
り導入されるアルキル基の残基である。R35で示される
基の具体的なものとしては、
【化33】 などがあげられる。
【0087】一般式(18)において、R36およびR37
は遷移金属化合物(A)と(メタ)アクリル酸アルキル
エステル(D)との接触に伴って(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル(D)から形成される残基の一部であ
る。R36で示される基の具体的なものとしては、
【化34】 などがあげられる。
【0088】R37で示される基の具体的なものとして
は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピ
ル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、2
−エチルヘキシル基等の炭素数1〜20のアルキル基な
どがあげられる。
【0089】一般式(18)で表されるイオン性配位化
合物の具体的なものとしては、下記式(19)で表され
るイオン性配位化合物などがあげられる。
【化35】 (式中、iPrはイソプロピル基を示す。)
【0090】(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(D)の共存下に遷移金属化合物(A)と(B)成分と
を予め接触させて一般式(18)で表されるイオン性配
位化合物を形成させるには、一般式(1)で表される配
位化合物のR4および/またはR5がアルキル基の場合
は、この配位化合物(A)と(B)成分と(メタ)アク
リル酸アルキルエステル(D)とを、前記と同様の反応
媒体中で−120〜+40℃、好ましくは−80〜0℃
で、5分間〜100時間、好ましくは30分間〜5時間
の条件で反応させることにより得ることができる。
【0091】(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(D)の使用量は、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル(D)と(A)成分とのモル比〔(D)/(A)〕が
通常0.3〜3、好ましくは0.8〜1.1とするのが
望ましい。
【0092】また一般式(1)で表される配位化合物
(A)のR4およびR5の両者がアルキル基以外の場合、
例えば水素原子、ハロゲン原子、アルコキシル基等の場
合は、前記と同様のアルキル化剤(C)の存在下に、配
位化合物(A)と(B)成分と(メタ)アクリル酸アル
キルエステル(D)とを上記と同様の条件で反応させる
ことにより得ることができる。この場合、前記アルキル
化剤(C)のアルキル基の残基が一般式(18)のR35
の基となる。なお、一般式(1)で表される配位化合物
(A)のR4およびR5のいずれか一方がアルキル基であ
り、他方がアルキル基以外の場合は、必ずしもアルキル
化剤(C)は必要ではないが、使用することもできる。
【0093】本発明で用いる微粒子(II)としては、金
属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属塩化物、金属水酸化
物、金属硫酸塩、炭素質物およびこれらの混合物等の無
機微粒子、ならびに有機微粒子があげられる。上記金属
としては、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、スズなど
があげられる。
【0094】上記金属酸化物としては、アルミナ、チタ
ニア、ジルコニア、シリカ、酸化鉄、シリカ・アルミ
ナ、マイカ、フェライト、マグネシア、カルシアなどが
あげられる。上記金属炭酸塩としては、炭酸カルシウ
ム、炭酸バリウムなどがあげられる。上記炭素質物とし
ては、フアーネスブラック、ケツチエンブラック等のカ
ーボンブラック、グラファイト、黒鉛、活性炭などがあ
げられる。
【0095】上記有機微粒子としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ3−メチル−1−ブテン、ポリ4
−メチル−1−ペンテン、ポリスチレン、スチレン・ジ
ビニルベンゼン共重合体などがあげられる。
【0096】上記のような微粒子(II)は1種単独で使
用することもできるし、2種以上を組合せて使用するこ
ともできる。
【0097】微粒子(II)の形状は特に制限されず、い
ずれの形状のものでも使用できる。また微粒子(II)は
平均粒子径が通常3〜300μm、好ましくは5〜15
0μm、比表面積が2〜800m2/gの多孔性微粒子
が好ましく、例えば100〜800℃で熱処理して使用
することができる。
【0098】本発明において、遷移金属化合物(A)と
(B)成分とからなる触媒(I)、および微粒子(II)
を用いてオレフィンおよび極性モノマーを共重合するに
は種々の方法を採用することができるが、例えば 1)(A)成分、(B)成分および微粒子(II)をそれ
ぞれ別々に反応系に供給してオレフィンおよび極性モノ
マーを共重合する方法、 2)(A)成分と(B)成分とを予め接触させた後、こ
の予め接触させた触媒(I)および微粒子(II)をそれ
ぞれ別々に反応系に供給してオレフィンおよび極性モノ
マーを共重合する方法、 3)(A)成分の一部または全部と、(B)成分の一部
または全部とを予め接触させた後、この予め接触させた
触媒(I)、(A)成分および/または(B)成分のう
ち接触に使用しなかった残部、ならびに微粒子(II)を
それぞれ別々に反応系に供給してオレフィンおよび極性
モノマーを共重合する方法、 4)(A)成分および/または(B)成分の一部または
全部と、微粒子(II)の一部または全部とを予め接触さ
せた後、この予め接触させた成分、および接触に全部を
使用しなかった場合にはその残部をそれぞれ別々に反応
系に供給してオレフィンおよび極性モノマーを共重合す
る方法、 5)(A)成分、(B)成分および微粒子(II)のうち
一部または全部と、オレフィンとを予め接触させた後、
この予め接触させた成分、および接触に全部を使用しな
かった場合にはその残部をそれぞれ別々に反応系に供給
してオレフィンおよび極性モノマーを共重合する方法、 6)(A)成分、(B)成分および微粒子(II)のうち
一部または全部と、極性モノマーとを予め接触させた
後、この予め接触させた成分、および接触に全部を使用
しなかった場合にはその残部をそれぞれ別々に反応系に
供給してオレフィンおよび極性モノマーを共重合する方
法、 7)微粒子(II)に(A)成分および/または(B)成
分を担持させた後、反応系に供給してオレフィンおよび
極性モノマーを共重合する方法、 8)アルキル化剤(C)および/または(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル(D)を共存させる上記1)〜
7)のいずれかの方法 などを採用することができる。
【0099】(A)成分と(B)成分との接触は前記の
ようにして行うことができる。それ以外の接触は、通常
−100〜+100℃で10分間〜3時間行うのが好ま
しい。接触に際して(A)成分、(B)成分、微粒子
(II)、必要により使用されるアルキル化剤(C)およ
び/または(メタ)アクリル酸アルキルエステル
(D)、ならびにオレフィンおよび極性モノマーは溶液
またはスラリー状で用いることができる。このとき使用
する媒体としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シ
クロヘキサン、ミネラルオイル、ベンゼン、トルエン、
キシレン等の不活性炭化水素;クロロホルム、メチレン
クロリド、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲ
ン化炭化水素などがあげられる。
【0100】微粒子(II)に(A)成分および/または
(B)成分を担持させるには、例えば微粒子(II)と
(A)成分および/または(B)成分とを不活性媒体中
で混合接触させることにより調製するなどの方法より行
うことができる。
【0101】重合に際して、遷移金属化合物(A)は、
重合系内の遷移金属化合物(A)中の遷移金属原子の濃
度として、重合容積1 liter当り10-8〜1グラム原
子、好ましくは10-7〜0.1グラム原子となるような
量で用いられる。
【0102】ルイス酸もしくはイオン化イオン性化合物
(B−1)は、ルイス酸もしくはイオン化イオン性化合
物(B−1)と遷移金属化合物(A)とのモル比〔(B
−1)/(A)〕が0.01〜10、好ましくは0.5
〜5の範囲となるような量で用いられる。
【0103】有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)
は、有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)中のアル
ミニウム原子と遷移金属化合物(A)とのモル比〔(B
−2)/(A)〕が10〜10000、好ましくは20
〜5000の範囲となるような量で用いられる。
【0104】アルキルボロン酸誘導体(B−3)は、ア
ルキルボロン酸誘導体(B−3)と遷移金属化合物
(A)とのモル比〔(B−3)/(A)〕が5〜100
00、好ましくは10〜5000の範囲となるような量
で用いられる。
【0105】微粒子(II)の使用量は、生成する共重合
体の10-6〜10重量%、好ましくは10-5〜5重量%
となるように用いられる。
【0106】オレフィンおよび極性モノマーの共重合
は、通常担持触媒を使用する流動法、撹拌気相法、不活
性炭化水素溶媒中でのスラリー法、高温下における不活
性炭化水素溶媒中での溶液法、高温・高圧法など、いず
れの方法でも採用することができる。
【0107】共重合の反応条件は、気相法またはスラリ
ー法では、温度が−100〜+100℃、時間が10分
間〜6時間、圧力が常圧〜100kg/cm2(ゲージ
圧)とするのが好ましい。溶液法では、温度が−50〜
+250℃、時間が1分間〜1時間、圧力が常圧〜30
0kg/cm2(ゲージ圧)とするのが好ましい。高温
高圧法では、温度が+120〜+300℃、時間が5秒
〜10分間、圧力が400kg/cm2(ゲージ圧)以
上とするのが好ましい。
【0108】共重合に使用する反応媒体としては、ヘキ
サン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、ミネラル
オイル、ベンゼン、トルエン、キシレン等の不活性炭化
水素;クロロホルム、メチレンクロリド、ジクロロエタ
ン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素などがあげ
られる。
【0109】また本発明においては、重合活性の向上、
生成共重合体の固体触媒の形状保持、反応器への触媒の
導入の容易さ、反応器への触媒の付着の防止、気相反応
器中での流動性の向上などを目的として、オレフィンお
よび/または極性モノマーを予め予備(共)重合したも
のを使用することもできる。
【0110】このようにして微粒子(II)の存在下にオ
レフィンおよび極性モノマーを共重合することにより、
微粒子(II)が均一に分散したオレフィン・極性モノマ
ー共重合体が得られる。
【0111】
【発明の効果】本発明のオレフィン・極性モノマー共重
合体の製造方法は、遷移金属化合物(A)とルイス酸も
しくはイオン化イオン性化合物(B−1)、有機アルミ
ニウムオキシ化合物(B−2)およびアルキルボロン酸
誘導体(B−3)からなる群から選ばれる化合物(B)
とからなる触媒(I)、ならびに微粒子(II)を用いて
オレフィンおよび極性モノマーを共重合するようにした
ので、共重合体中に微粒子(II)が均一に分散したオレ
フィン・極性モノマー共重合体を効率よく製造すること
ができる。
【0112】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施例について説明
する。 実施例1 窒素ガス雰囲気下グローボックス中で700℃で焼成し
たシリカ10mgおよびパラジウムカチオン錯体(Mw
=1463.41)150mg(0.103mmol)
を200mlの三つ口フラスコに入れた。−78℃に冷
却後、エチレン(1atm)で置換した。乾燥トルエン
(CaH2で蒸留精製)を98ml加え、−65℃で3
0分間撹拌した。アクリル酸メチル2.21ml(2.
112g、24.53mmol)を−65℃で加えた
後、すぐに室温(30℃)まで昇温させた。室温(31
℃)で4時間撹拌しながら反応させた後、メタノール3
ml、ヘキサン50mlを加えた。反応液から溶媒を減
圧留去し、次に真空ポンプで減圧乾燥してエチレン・ア
クリル酸メチル共重合体2.9gを得た。反応条件を表
1、分析結果を表2にまとめる。
【0113】実施例2〜5 表1に示す条件で、実施例1と同様にしてエチレン・ア
クリル酸メチル共重合体を製造した。分析結果を表2に
示す。
【0114】実施例6 窒素ガス雰囲気下グローボックス中で700℃で焼成し
たシリカ10mg、パラジウムジメチル錯体(Mw=5
41.07)273mg(0.505mmol)および
ホウ素化合物(表1においてNo.4で示される化合
物、Mw=954.35)483mg(0.506mm
ol)を200mlの三つ口フラスコに入れた。−78
℃に冷却後、エチレン(1atm)で置換した。乾燥ト
ルエン(CaH2で蒸留精製)を90ml加え、−65
℃で30分間撹拌した。アクリル酸メチル10.56m
l(10.10g、117.3mmol)を−65℃で
加えた後、すぐに室温(30℃)まで昇温させた。室温
(29℃)で17時間撹拌しながら反応させた後、メタ
ノール3ml、ヘキサン50mlを加えた。反応液から
溶媒を減圧留去し、次に真空ポンプで減圧乾燥してエチ
レン・アクリル酸メチル共重合体を得た。反応条件を表
1、分析結果を表2に示す。
【0115】比較例1〜4 表1に示す条件で重合を行った。分析結果を表2に示
す。
【0116】
【表1】
【0117】表1の注 *1 触媒の種類は次の通りである。
【化36】 (式中、iPrはイソプロピル基、Etはエチル基を示
す。) *2 触媒の使用量の単位:moles(×106) *3 MA:アクリル酸メチル
【0118】
【表2】
【0119】実施例7 実施例1で得られたポリマーを用いて、ASTM D1
003に準じて厚さ0.5mmのプレスシートを成形
し、ヘイズを測定した結果4%であった。
フロントページの続き (72)発明者 林 哲雄 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)下記一般式(1)で表される遷移
    金属化合物(A)と、 ルイス酸もしくはイオン化イオン性化合物(B−1)、
    有機アルミニウムオキシ化合物(B−2)およびアルキ
    ルボロン酸誘導体(B−3)からなる群から選ばれる少
    なくとも1種の化合物(B)とからなる触媒、ならびに
    (II)微粒子を用いて、オレフィンと極性モノマーとを
    共重合することを特徴とするオレフィン・極性モノマー
    共重合体の製造方法。 【化1】 〔式中、Mは後周期遷移金属、すなわち8族、9族およ
    び10族から選ばれる遷移金属を示す。X1およびX2
    それぞれ同一または相異なり、窒素原子またはリン原子
    を示す。R1およびR2はそれぞれ同一または相異なり、
    水素原子または炭化水素基を示す。 【化2】 (ただし、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R
    13、R14、R15およびR16はそれぞれ同一または相異な
    り、水素原子または炭化水素基を示す。)を示す。mお
    よびnはそれぞれ1または2であって、X1およびX2
    価数を満たす数である。R4およびR5は同一または相異
    なり、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、−O
    17、−SR18、−N(R19)2または−P(R20)2(ただ
    し、R17〜R20はそれぞれ炭化水素基または有機シリル
    基を示す。なおR19同士またはR20同士は互いに連結し
    て環を形成していてもよい。)を示す。またR4および
    5は連結して環を形成していてもよい。またR1
    2、R6、R7、R8、R9、R10、R11、R12、R13
    14、R15およびR16は、これらの2個以上が相互に連
    結して環を形成していてもよい。〕
  2. 【請求項2】 遷移金属化合物(A)と、ルイス酸もし
    くはイオン化イオン性化合物(B−1)、有機アルミニ
    ウムオキシ化合物(B−2)およびアルキルボロン酸誘
    導体(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種
    の化合物(B)とを、それぞれ反応系に供給することを
    特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 遷移金属化合物(A)と、ルイス酸もし
    くはイオン化イオン性化合物(B−1)、有機アルミニ
    ウムオキシ化合物(B−2)およびアルキルボロン酸誘
    導体(B−3)からなる群から選ばれる少なくとも1種
    の化合物(B)とを、予め接触させた後反応系に供給す
    ることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表される遷移金属化合物
    (A)が、下記一般式(1−1)で表される遷移金属化
    合物であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の製造方法。 【化3】 〔式中、Mは後周期遷移金属、すなわち8族、9族およ
    び10族から選ばれる遷移金属を示す。X1およびX2
    それぞれ同一または相異なり、窒素原子またはリン原子
    を示す。R1およびR2はそれぞれ同一または相異なり、
    水素原子または炭化水素基を示す。R4およびR5は同一
    または相異なり、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素
    基、−OR17、−SR18、−N(R19)2または−P
    (R20)2(ただし、R17〜R20はそれぞれ炭化水素基ま
    たは有機シリル基を示す。なおR19同士またはR20同士
    は互いに連結して環を形成していてもよい。)を示す。
    またR4およびR5は連結して環を形成していてもよい。
    6およびR7はそれぞれ同一または相異なり、水素原子
    または炭化水素基を示す。またR1、R2、R6およびR7
    は、これらの2個以上が相互に連結して環を形成してい
    てもよい。〕
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007084791A (ja) * 2005-08-26 2007-04-05 Sumitomo Chemical Co Ltd エチレンとの閉環共重合
JP2009227994A (ja) * 2008-02-29 2009-10-08 Tokyo Institute Of Technology ジエン重合体およびその製造方法

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