JPH09301367A - 荷物運搬用パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価でしかも堅固な木質製の荷物運搬用パレ
ットを得る。 【解決手段】 多数の紙管製の筒脚（４）の壁に、該筒
脚（４）の軸長よりも長い複数本の連結ピン（５）を軸
方向に貫通させ、前記筒脚（４）を木質製の上面板
（２）と脚板（３）との間に所定ピッチで介装するとと
もに、各連結ピン（５）の両端部（５ｂ）を前記上面板
（２）及び脚板（３）に打ち込んで上面板（２）、筒脚
（４）及び脚板（３）を一体的に連結する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、フォークリフトに
より荷物を運搬する際に使用される荷物運搬用パレット
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来は、荷物が載置される正方形状の上
面板、該上面板を持ち上げる脚、及び脚の倒れを防止す
る細長い長方形状の脚板を天然木材製の板材及び角材に
より形成し、これらを釘打ちあるいは金具止めにより組
み付けて荷物運搬用パレットを形成するようにしてい
た。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のものは、釘
打ちあるいは金具止めにより組み付けるようにしていた
ので、少量生産における手作業による組付けの場合に
は、手数及び熟練を要し、また、多量生産における自動
組付けの場合には、自動化の設備が大型となって設備費
が嵩み、いずれの場合にも高価になる欠点があった。ま
た、脚を天然木材製の角材により形成していたので、材
料費が嵩むとともに有限資源の浪費につながる欠点があ
った。本発明は、紙管製の脚の壁に、複数本の連結ピン
を軸方向に貫通させ、この連結ピンの両端を上面板（及
び脚板に打ち込むことにより、上記欠点を解消した新規
な荷物運搬用パレットを得ることを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために以下の如く構成したものである。即ち、多
数の紙管製の筒脚の壁に、該筒脚の軸長よりも長い複数
本の連結ピンを軸方向に貫通させ、前記筒脚を木質製の
上面板と脚板との間に所定ピッチで介装するとともに、
各連結ピンの両端部を前記上面板及び脚板に打ち込んで
上面板、筒脚及び脚板を一体的に連結する構成にしたも
のである。この場合、前記筒脚の両端と前記上面板及び
脚板との当接部を接着剤により固着するとよい。また、
前記各連結ピンの両端部に、反先端方向に向かって次第
に半径方向外方に突出する楔状の係止突起を形成すると
よい。

【０００５】

【発明の実施の形態】以下本発明の実施例を図面に基い
て説明する。図面において、図１は本発明の実施例を示
す部分正面図、図２はその部分側面図、図３は図１のＡ
部拡大断面図である。図１において、１は荷物運搬用パ
レットであり、一枚の正方形状の上面板２、三枚の長方
形状の脚板３、及び９本の円筒状の筒脚４を組み付けて
なる。

【０００６】上記上面板２は、図３、図７に示すよう
に、例えば、厚さＴ１が９．５ｍｍの木材チップ製の板
材（ＯＳＢ；Ｏｒｉｅｎｔｅｄ Ｓｔｒａｎｄ Ｂｏａ
ｒｄ等）により、横（左右）の幅Ｌ１及び縦（上下）の
幅Ｌ２が共に約１１００ｍｍとなる正方形状に形成す
る。また、脚板３は、上記上面板２と同材質の板材及び
同じ厚さにより、図８に示すように、縦（上下）の幅Ｌ
３が約１２５ｍｍ、横（左右）の幅Ｌ４が約１０８０ｍ
ｍとなる細長い長方形状に形成する。また、上記筒１４
は、図３、図４に示すように、例えば、耐水性の丸紙管
材により、高さＨが約６０ｍｍ、内径Ｄ１が約９０ｍ
ｍ、肉厚Ｔ２が約８ｍｍとなる短寸の円筒状に形成す
る。なお、上記上面板２及び脚板３は、パーチクルボー
ド、合板等にしてもよい。

【０００７】上記各筒脚４の壁に、図４に示すように、
直径約５．５ｍｍのピン孔４ａを軸方向に貫通形成す
る。このピン孔４ａは各筒脚４にそれぞれ４個づつ、円
周方向に等ピッチで明ける。上記各筒脚４のピン孔４ａ
に、上面板２及び脚板３よりも硬くした硬質プラスチッ
ク製の連結ピン５を貫通させる。この連結ピン５は、図
５に示すように、外径Ｄ２が約５．５ｍｍ、全長の長さ
Ｌ３が約８１ｍｍ、胴部５ａの長さＬ４が筒脚４の高さ
Ｈと等しい約６０ｍｍとなる細長いピン状に形成する。
また、上記連結ピン５の両端部５ｂに、複数個、本例で
は３個の係止突起６を軸方向に所定の間隔をおいて形成
する。この係止突起６は、先端側が小径に反先端側が大
径となるリング形の楔状に形成する。また、連結ピン５
の両端（両先端）は円錐端面にする。なお、上記連結ピ
ン５は金属材により形成してもよい。

【０００８】そして、各筒脚４連結ピン５が挿通された
各筒脚４を上面板２と脚板３との間に、所定ピッチで介
装し、プレス（図示省略）により上面板２を下方つまり
脚板３方向に押圧し、上面板２及び脚板３を各筒脚４に
当接させる。さすれば、各連結ピン５の上下両端部５ｂ
が上面板２及び脚板３に打ち込まれ、上面板２と脚板３
とが一体的に連結されて図１及び図２に示すように荷物
運搬用パレット１が構成される。この場合、上面板２及
び脚板３から露出しようとする各連結ピン５の上下端
は、プレス機の加圧面（図示省略）により軸方向に押し
つぶされて上面板２及び脚板３と同一面となり、他部品
に引っ掛からなくなる。

【０００９】なお、上記各連結ピン５の上下両端部５ｂ
を上面板２及び脚板３に打ち込む前に、各筒脚４の上下
両端面に接着剤を塗布し、この接着剤により筒脚４の上
下両端面を上面板２及び脚板３に固着するようにすれ
ば、上面板２、筒脚４、脚板３をより強固に連結するこ
とができて好ましい。また、上記連結ピン５の長さは、
筒脚４の軸長、上面板２及び脚板３の板厚の和の寸法と
等しいか、これよりも若干短い寸法にし、連結ピン５を
打ち込んだ際に、この両端が上面板２及び脚板３から露
出しないようにしてもよい。

【００１０】上記実施例によれば、筒脚４の壁部に、該
筒脚４の軸長よりも長い連結ピン５を貫通させ、この連
結ピン５の上下両端部５ｂ，５ｂを上面板２及び脚板３
に打ち込むとともに、各連結ピン５の両端部５ｂ，５ｂ
に楔状の係止突起６を形成し、該係止突起６により上面
板２及び脚板３に係合させるようにしたので、上面板
２、筒脚４、脚板３の三者が強固に連結されることにな
る。また、横（水平）方向の衝撃（負荷）に対しては、
各連結ピン５が剪断応力でもって受け持つことになり、
フォークリフトの爪等による横方向からの衝撃に対して
筒脚４が上面板２及び脚板３に対して横ずれしなくな
る。

【００１１】また、上面板２及び脚板３に下孔を形成す
ることなく各連結ピン５を直接打ち込むようにしたの
で、上面板２及び脚板３の加工費が低減するとともに、
筒脚４のピッチ、個数を上面板２及び脚板３の大きさ、
用途に応じて任意に設定することができる。また、上面
板２及び脚板３に連結ピン５を打ち込む際には、各連結
ピン５が筒脚４のピン孔４ａに案内されるので、姿勢が
崩れず、簡素なプレス機、工具等の設備により正確に打
ち込むことができる。また、簡素な設備で組付けできる
ので、ノックダウン等、現地での組付けが可能となる。

【００１２】

【発明の効果】以上の説明から明らかな如く、本発明
は、紙管製の筒脚の壁に連結ピンを軸方向に貫通させ、
この連結ピンの両端部を上面板及び脚板に打ち込んで上
面板、筒脚及び脚板を一体的に連結するようにしたの
で、簡素な設備（プレス機あるいは工具）により迅速か
つ正確に組み付けることができるとともに、堅牢な荷物
運搬用パレットを得ることができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す部分正面図である。

【図２】図１の部分側面図である。

【図３】図１のＡ部拡大断面図である。

【図４】本発明による筒脚の斜視図である。

【図５】本発明による連結ピンの正面図である。

【図６】図５の平面図である。

【図７】本発明による上面板の平面図である。

【図８】本発明による脚板の平面図である。

【符号の説明】

１ 荷物運搬用パレット ２ 上面板 ３ 脚板 ４ 筒脚 ４ａ ピン穴 ５ 連結ピン ５ａ 胴部 ５ｂ 両端部 ６ 係止突起

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】多数の紙管製の筒脚（４）の壁に、該筒脚
   （４）の軸長よりも長い複数本の連結ピン（５）を軸方
   向に貫通させ、前記筒脚（４）を木質製の上面板（２）
   と脚板（３）との間に所定ピッチで介装するとともに、
   各連結ピン（５）の両端部（５ｂ）を前記上面板（２）
   及び脚板（３）に打ち込んで上面板（２）、筒脚（４）
   及び脚板（３）を一体的に連結したことを特徴とする荷
   物運搬用パレット。
2. 【請求項２】前記筒脚（４）の両端と前記上面板（２）
   及び脚板（３）との当接部を接着剤により固着したこと
   を特徴とする請求項１記載の荷物運搬用パレット。
3. 【請求項３】前記各連結ピン（５）の両端部（５ｂ）
   に、反先端方向に向かって次第に半径方向外方に突出す
   る楔状の係止突起（６）を形成した特徴とする請求項１
   又は２記載の荷物運搬用パレット。