JPH09301031A - 乗物シートに取付けるロック機構およびその機構を取付けた乗物シート - Google Patents

乗物シートに取付けるロック機構およびその機構を取付けた乗物シート

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JPH09301031A
JPH09301031A JP9009410A JP941097A JPH09301031A JP H09301031 A JPH09301031 A JP H09301031A JP 9009410 A JP9009410 A JP 9009410A JP 941097 A JP941097 A JP 941097A JP H09301031 A JPH09301031 A JP H09301031A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衝撃の一部をも吸収することを意図した、従
来の乗物シートヒンジにおける、複雑で高価な構造の改
善。 【解決手段】 乗物シートヒンジ４は、固定第１側板１
０、歯の内向きの円形の組を備えた可動第２側板２０、
可動側板の歯と共働するのに適した少なくとも一つのス
ラグ４０有し、前記スラグ４０は、乗物が所定のレベル
の衝撃をうけた場合ヒンジ４をロックするため、アクチ
ュエータ装置５８によって制御されるカム５８により半
径方向に変位可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は乗物シート用、とく
に自動車シート用ロック機構に、またそのような機構を
備えた乗物シートにも関する。とくに本発明は、乗物シ
ートに取付けるロック機構であって、機構がそれぞれシ
ート本体および横方向旋回軸線の周りにシート本体に対
して旋回可能に取付けられた背もたれを有する車両シー
トに取付けるロック機構において、該機構が、 ・一方はシート本体に固定するための他方は背もたれに
固定するための、第１および第２の側板であって、該側
板が旋回軸線の周りに相対的に旋回可能に取付けられた
前記側板、 ・第１および第２の側板を相対的にロックするロック装
置、および、 ・少なくとも乗物がうける所定の前方および後方衝撃に
対応するアクチュエータ装置であって、前記アクチュエ
ータ装置が前記所定の衝撃発生の際にロック装置を介し
て第１および第２の側板を相対的にロックするため設け
られた、前記アクチュエータ装置 を有する前記ロック機構に関する。
【０００２】この種のロック機構は、通常背もたれの傾
斜を調節するため設けられるヒンジ機構を補強するため
付加され、それにより車両がうける前方および後方衝撃
の場合に付加的強度を加える。ＦＲ−Ａ−２ ５６５
８０１明細書にはこのようなロック機構の例が記載され
ている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】前記明細書に記載され
たロック機構は乗物が所定の衝撃をうけたときに二つの
側板を相対的にロックするだけでなく、衝撃の機械的エ
ネルギの一部を吸収すべく設計され、そのためロック機
構は比較的複雑かつ高価になる。本発明の目的はこれら
の欠点を軽減することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】このため、本発明によれ
ば、この種のロック機構は、ロック装置が本質的に、 ・第２側板に固定された一組の歯であって、前記歯の組
が少なくとも旋回軸線上に中心を有する円弧上に延長し
かつ半径方向内方に向いた前記一組の歯、 ・第２側板の歯の組と共働するのに適した外向きの歯の
組を備えた少なくとも一つのスラグであって、前記スラ
グが第１側板に固定された案内によって案内されスラグ
が第２側板の歯と共働してヒンジをロックする係合位置
と第２側板の歯と共働しない引込位置との間で半径方向
に摺動する前記スラグ、および ・スラグの摺動を制御しかつそれ自体前記アクチュエー
タ装置によって制御されるロックカムであって、該ロッ
クカムは通常スラグがその引込位置に向って摺動し得る
休止位置にあり、アクチュエータ装置がロックカムをそ
れが上記所定の衝撃発生の場合にスラグをロック位置に
変位するため設けられた前記ロックカム を有することを特徴としている。
【０００５】このロック機構に使用されるスラグおよび
歯装置は、その傾斜を調節するため背もたれを旋回する
ため釈放し得る或る広く使用されるシートヒンジ機構に
使用されるスラグおよび歯装置と同様である。したがっ
て、本発明のロック機構は簡単かつすぐ習熟し得る構造
であるばかりでなく、適当な場合、上記ヒンジ機構を製
造するためすでに使用されているものと同じ工具を使用
することによって少なくとも部分的に製造することが可
能で、それによりさらに経費を低減することができる。
【０００６】好適な実施例において、下記の構成を採用
することができる。すなわち、 ・上記所定の衝撃のないとき、ロックカムは弾性装置に
よって休止位置に保持される。 ・ロックカムが旋回軸線の周りに回転すべく取付けら
れ、前記ロックカムは、前記スラグをその係合位置に置
くため、ロックカムがその休止位置からいずれかの方向
に角度的に変位せしめられる場合、スラグと共働するの
に適した第１および第２カム面を有する。 ・ロックカムが旋回軸線の周りに回転すべく取付けら
れ、前記ロックカムをその休止位置に保持する弾性装置
が前記ロックカムにスラグの両側で前記ロックカムにそ
れぞれ取付けられた両端の間に延長する弾性金属ワイヤ
を有し、前記弾性金属ワイヤがスラグの突出部分を半径
方向内方に支持し、ロックカムがその休止位置にある限
り前記スラグをその引込位置に保持する中央部分を有す
る。
【０００７】・背もたれの傾斜を調節するヒンジ機構を
構成する機構が、さらに、 −スラグの摺動を制御する調節カムであって、前記調節
カムがスラグをその係合位置に置く休止位置に弾性装置
によって保持される前記調節カム、および −調節カムをその休止位置からスラグをその引込位置に
向かって摺動せしめ得る作動位置に移動する制御部材を
さらに有し、これらの構成は、それらが背もたれ傾斜調
節機構をロック機構と同じ集合体に一体化し、スラグお
よび対応する内向き歯は衝撃の場合に背もたれをロック
するとともに、衝撃のない場合に背もたれを使用者によ
って設定された位置に保持することにおいてとくに有利
である。
【０００８】・ロックおよび調節カムが二つの隣接する
平面内で旋回軸線の周りに別々に相対的に回転すべく取
付けられ、スラグが隣接するカムと同じ平面内に位置し
かつスラグの外向きの歯を有する本体、ならびにロック
カムの平面内に位置し前記ロックカムと共働する突出部
分を有する。 ・ロックカムをその休止位置に保持する弾性装置が、ス
ラグの突出部分の両側にそれぞれ固定された両端の間に
延長する弾性金属ワイヤを有し、前記弾性金属ワイヤが
スラグの突出部分を半径方向に支持し、前記スラグをそ
の引込位置に向かって調節カムに作用する弾性装置の作
用の下で前記スラグに加えられる押圧力より小さい力で
押圧する中央部分を有する。
【０００９】・弾性金属ワイヤの中央部分が突出部分を
有し、該突出部分が半径方向外方に突出しかつスラグの
突出部分に対して半径方向に係合し、スラグの前記突出
部分の外郭部分上に載置する。 ・スラグが前記スラグの歯の付近からスラグの反対方向
に向きかつ前記歯に近接して位置する肩部まで延長する
二つの向き合った接触面であって、少なくとも強い強度
を示す前記接触面、それぞれ二つの接触面およびそれら
の肩部に向いて配置されかつ接触面の強度より弱い強度
を有する二つの対向接触面を有し、またスラグがその係
合位置にあるとき、向き合った接触面および対向接触面
は、側面の一方が回転軸線の周りに所定の最小トルクを
超える旋回トルクをうけるとき、接触面の一方に対して
十分に小さい面積で互に接触しついで案内の対応する接
触面に食込む。 ・所定の最小トルクが５０ｍｄａＮから２００ｍｄａＮ
の範囲にある。 本発明はシート本体および横方向旋回軸線の周りにシー
ト本体に対して旋回すべく取付けられ背もたれを有する
乗物シートであって、シートは上記ロック機構を取付け
られる、乗物シートに関する。
【００１０】シートの好適な実施例において、下記の構
成の一つまたはそれ以上が採用される。すなわち、 ・ロックカムが旋回軸線に対して回転すべく取付けら
れ、前記ロックカムを作動する装置がレバーアームを介
して前記第２カムに連結されかつ旋回軸線に対して垂直
に偏倚した飛動重錘を有すること、 ・ロックカムを作動する装置が、前記所定の衝撃の場合
に、前記ロックカムをそのロック位置に置くためロック
カムに連結されたアクチュエータ部材によってきわめて
迅速に変位させるのに適した火薬装置を有すること、お
よび ・ロックカムを作動する装置が、背もたれ内側を横方向
に固定第１端部と前記ロックカムに連結された可動第２
端部との間に延長する可撓性リンクを有し、前記可撓性
リンクがシートの使用者が背もたれの中に押圧される場
合張力をうけ、ついで前記可撓性リンクがロックカムを
そのロック位置に向かって押圧すること。 本発明の他の特徴および利点は、図面を参照して、非限
定的実施例として記載される下記の種々の実施例に関す
る詳細な記載から明らかになるであろう。
【００１１】
【発明の実施の形態】種々の図面において、同じ参照符
号は同一または同様の部品を示す。図１は乗物シート
１、とくに自動車のフロントシートを示す。シートはシ
ート本体２およびヒンジ機構４を介してシート本体２に
対して横方向軸線ｘの周りに旋回可能に取付けられた背
もたれ３よりなり、ヒンジ機構４は背もたれの傾斜の調
節を可能にするとともに乗物が衝撃をうける場合にロッ
クする。シート１の使用者が背もたれの傾斜を調節しよ
うとするとき、使用者はヒンジ４を釈放するためハンド
ル５または他の制御部材を作動し、背もたれ３に直接作
用することにより所望の傾斜に調節することができ、そ
の後使用者はハンドル５を釈放してヒンジ４をふたたび
ロックする。
【００１２】シートは選択的に両側に同様のヒンジを備
えることができ、両方のヒンジは好適には単一のハンド
ル５によって制御される。シート１はまた、選択的に、
背もたれの頂部に機械的に連結されたシート取付け安全
ベルトを備えることができる。この機械的連結は全体的
に背もたれ３の片側に形成された開口６ａを通してベル
ト６の摺動可能に取付けることを含み、ベルト６は前記
開口６ａから（図示しない）巻取機まで背もたれ３内部
に延長している。
【００１３】ヒンジ４の詳細は図２から５に詳細に図示
されている。通常のように、ヒンジは下記の構成を備え
ている（ＦＲ−Ａ−２ ５７８ ６０２明細書の同様の
機構を参照されたい）。すなわち、 ・シートにおけるシート本体２のフレーム構造２ａに固
定された“固定”金属側板１０。 ・背もたれ３のフレーム構造３ａに固定されかつ前記背
もたれの回転軸線ｘの周りに旋回する“可動”金属側板
２０であって、固定および可動側板は一緒に丸い箱を形
成し、可動側板２０は半径方向内向きのかつ箱の内側に
設けられた円形の歯の組を有する前記可動金属側板２
０。
【００１４】・固定側板１０の周りにクリンプされ箱を
閉じるため部分的に可動側板２０の上に載置し二つの側
板を相対的に押付ける金属板リング３０。 ・箱の内側に設置され、それぞれ可動側板２０の内向き
歯２１と共働するのに適した外向き歯４２を有する本体
４１を備えた三つの金属スラグ４０であって、三つのス
ラグは固定側板に設けられかつ箱の内側に突入する突起
１２の間に形成された案内溝１１に沿って半径方向に摺
動すべく案内される前記三つの金属スラグ４０。 ・軸線ｘの周りに回転可能な第１カム３１であって、前
記カム３１はスラグ４０と同じ半径方向平面内にある金
属板であり、第１カム３１はスラグをスラグの外向き歯
４２が可動側板の内向き歯２１と共働して前記可動側板
を所定位置にロックする係合位置に向かって外方に押圧
する休止位置と、前記第１カムがスラグをそれらの外向
き歯がもはや可動側板の内向き歯と共働しない引込位置
に向かって反転し得る作動位置との間で角度的に変位可
能である、前記第１カム３１。 ・第１カムをその休止位置に向かって押圧する三つの金
属ばね３２、およびハンドル５に連結された軸３３であ
って、前記軸がｘ軸線に沿って縦方向に延長しかつ第１
カム３１に固定された前記軸３３。
【００１５】しかして、使用者がハンドル５を作動して
第１カムその作動位置に回転せしめるとき、スラグ４０
は自由にそれらの引込位置に向かって反転し、それによ
り可動側板２０を回転可能にし、背もたれの傾斜の調節
を可能にする。使用者がハンドルを釈放するとき、第１
カムはばね３２から駆動されてその休止位置に戻り、そ
れによりスラグ４０をそれらの係合位置に戻す。ついで
スラグは可動側板２０したがって背もたれ３の回転を阻
止する。
【００１６】本発明によれば、ヒンジ４はまた箱の内側
に、第１カム３１の面に近い半径方向面に置かれた第２
カム５０を有する。この第２カム５０は第１カム３１と
は別に軸線ｘの周りに回転可能であり、第２カム５０は
スラグ４０の突出部分４３と共働する。第２カム５０
は、各突出部分に対して、前記突出部分を半径方向外向
きに押圧し、対応するスラグ４０を前記第２カムが図３
に示されたその休止位置からいずれかの方向に角度的に
動かされるときその係合位置に置くのに適した二つのカ
ム面５１を有する。
【００１７】また、第２カムは各スラグ４０の両側にほ
ぼ半径方向外向きに延長する二つのフインガ５２を有
し、フインガ５２はその上に弾性金属ワイヤ５３の二つ
の端部が弾性的にクリップ止めして固定されている。三
つの各弾性金属ワイヤ５３はほぼ、スラグ４０の一つの
突出部分４３の半径方向外側を通る、その二つの端部の
間の円弧に沿って延長している。ワイヤの中央部分は、
半径方向外方に突出しかつ対応するスラグの突出部分４
３の外郭部分に沿い、前記突出部分４３を半径方向内向
きに支持する突起５４を有し、突起５４は半径方向内向
きに突出する二つの突起５５の間に設けられている。
【００１８】しかして、弾性金属ワイヤは第２カム５０
をその休止位置に弾性的に保持し、それらはまたスラグ
４０をそれらの引込位置に向かって、前記第１カムがそ
の休止位置にあるとき、ばね３２に駆動される第１カム
３１によって前記スラグに加えられる力よりも小さい力
で、それらの引込位置に向かって押圧する。また第２カ
ムは、図示の実施例において、中空でかつ軸３３を囲
む、軸５６に固定されている。中空軸はそれ自体、その
回転が乗物がうける前方または後方の衝撃に対して応答
するアクチュエータ装置によって制御されるレバーアー
ム５７に固定されている。
【００１９】図６に一層明瞭に示すように、これらのア
クチュエータ装置は、レバーアーム５７の端部に固定さ
れた飛動重錘５８によって構成され、該レバーアーム５
７は好適にはヒンジがシートに取付けられるとき中空軸
５７からほぼ垂直に下方に延長する。しかして、乗物が
十分に大きい前方または後方衝撃をうけるとき、飛動重
錘５８はレバー５７および第２カム５０を回転し、それ
により種々のスラグの突出部分４３を半径方向外向きに
確実に押圧させ、スラグはそれぞれ第２カム５０のカム
面５１を介して押圧される。したがって、もしシート使
用者が、衝撃が発生する瞬間に背もたれの傾斜を調節し
ようとすると、第２カム５０はスラグ４０を係合位置に
戻し、それによりヒンジ４をロックする。また、シート
使用者が、たとえ衝撃が発生するとき背もたれの傾斜を
調節しなくても、第２カム５０は衝撃の瞬間にスラグ４
０が歯の組２１から離れるのを防止するように作用す
る。
【００２０】図７に示された本発明の装置は、図１から
６に示された実施例とは、単にレバーアーム５７がもは
や飛動重錘５８を備えないが、ケーブルまたはロッド６
０を介して火薬装置５９に連結され、火薬装置５９はシ
ート本体のフレーム構造２ａに連結されていることだけ
が相違する。火薬装置５９は、たとえば、衝撃の場合に
自動車のシートベルトを緊張するのに通常使用される種
類の予張器によって構成することができる。ＦＲ−Ａ−
２７０６ ５４４およびＦＲ−Ａ−２ ７１６ ４２３
明細書には、本発明に対して使用し得るこの種の予張器
の例が記載されている。火薬装置５９は衝撃センサ５９
ａに接続され、衝撃センサ５９ａは車両が十分に強い衝
撃、とくに前方衝撃または後方衝撃をうけるとき前記装
置５９の点火を開始し、火薬装置５９は一秒以下で高い
レベルの牽引力をケーブル６０に加え、それによりレバ
ーアーム５７および第２カム５０を回転することによっ
てヒンジ４をロックする。
【００２１】最後に図８に示された本発明の装置は、図
１から６に示された実施例とは、単にレバーアーム５７
が下方に延長する代わりに上方に延長し、かつ飛動重錘
５８を備えないが代わりにストラップ６１の可動端部６
１ａに固定されていることだけが相違する。その可動端
部６１ａから始まって、ストラップは後方に背もたれの
フレーム構造３ａの第１の側の直立材に固定された変向
ループ６２まで延長し、その後ストラップ６１は背もた
れ３を横切ってほぼ水平に、背もたれのフレーム構造３
ａの第２の横直立材の固定点６３に固定された固定端部
６１ａまで延長している。シートの使用者が後方に押圧
され、とくに前記使用者が乗物がうける後方衝撃の作用
によって背もたれに沈むとき、ストラップ６１は牽引力
をうけ、その結果その可動端部６１ａはレバー５７の頂
端を後方に引く。したがって、乗物が十分に強い後方衝
撃をうけるとき、ストラップ６１はレバー５７をカムと
一緒に角度的に変位し、それによりヒンジ４をロックす
る。
【００２２】図９および１０に示された機構４ａは、単
に乗物が十分に強い前方または後方衝撃をうけた場合に
背もたれ３を保持する付加的強度を与えることを意図し
たものである。しかしてロック機構４ａは、なお背もた
れ３の傾斜をシート本体２に対して調節し得るヒンジ機
構７０（図１３参照）を備えている。ヒンジ機構は手動
制御ノブ７１からの駆動力によって、または多分（図示
しない）電気的調節装置からの駆動力によって、積極的
に背もたれ３の旋回を制御する。このようなヒンジ機構
の一例は、中でも、ＥＰ−Ａ−０ ５０５ ２２９明細
書に記載されている。
【００２３】ヒンジ機構７０は制御ハンドルの作動に対
応してシート本体に対する背もたれ３の旋回をロックま
たは解放することだけに役立つ。そのようなヒンジ機構
の例は、中でも、ＦＲ−Ａ−２ ５７８ ６０２明細書
に記載されている。ヒンジ機構７０は好適にはシートの
一側に配置され、ロック機構４ａは好適にはシートの反
対側に配置されるが、しかしながら、ヒンジ機構７０お
よびロック機構４ａを共にシートの同じ側に配置するこ
ともできるか、または二つのロック機構４ａを一方はヒ
ンジ機構７０に隣接して、他方はシートの反対側に設け
ることもできる。シートは、一側にロック機構４ａをま
た他側に上記種類のヒンジ機構を備えることもできる。
【００２４】図９および１０から分かるように、ロック
機構４ａは上記ヒンジ機構とは、単にそれが第１カム３
１、ばね３２、または制御軸３３を含まないことだけが
相違し、そこでロック機構のスラグ４０は通常それらの
引込位置に弾性金属ワイヤ５３によって保持される。ス
ラグ４０は乗物が十分な強さの前方または後方衝撃をう
ける場合に、第２カム５０によって係合位置に押圧され
る。カム５０は、たとえば飛動重錘５８（図１１）、火
薬装置５９（図１２）または背もたれ内部で横方向に延
長するベルト６１を有するアクチュエータ装置によって
制御され、これらの種々のアクチュエータ装置はヒンジ
機構４の上記のアクチュエータ装置と同じである。
【００２５】フランス国特許出願第９５ ００２０６号
明細書に開示されたように、その内容を本発明に参考の
ため引用するが、各スラグ４０は好適にはスラグの歯４
２の付近からスラグの前記歯の組の反対方向に向いた肩
部４５まで延長しかつそれに近接して位置する二つの接
触面４４を有する。接触面４４は大きい機械的強度を有
し、案内１１はそれぞれ接触面４４に向いた、接触面４
４より強度が小さい二つの対向する接触面１３を有す
る。スラグ４０がその係合位置にあるとき、向合った接
触面４４および対向接触面１３はスラグの接触面４４に
対して十分に小さい面積で互いに接触し、背もたれ３が
回転軸線ｘの周りに十分に大きい旋回トルクをうけると
き対応する案内の対向接触面１３に食込む。しかしてス
ラグ４０は、乗物がうける衝撃がどのように強くともそ
れらの係合位置にロックされたままになる。スラグの接
触面４４が対向接触面１３に食込む最少トルクは、たと
えば５０ｍｄａＮから２００ｍｄａＮの範囲内、多分１
００ｍｄａＮから２００ｍｄａＮの範囲内とすることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１実施例を構成する、ロック機構を
取付けられた乗物シートの側面線図。
【図２】図１のシートに取付けられたロック機構を通る
破断断面図で、断面は図４のII−II線に沿うの半径方向
面に沿う。
【図３】図２の機構の別の断面図で、断面は同様に図４
のIII −III 線に沿う半径方向面に沿う。
【図４】図２および３のIV＝IV線に沿う軸線方向断面
図。
【図５】図２のＶ−Ｖ線に沿う断面図。
【図６】図２から５の機構が作動し得る方法の一つを示
す図。
【図７】図６とは異なる別の方法を示す図。
【図８】図５および６とは異なるさらに別の方法を示す
図。
【図９】本発明の第２実施例を構成するロック機構を通
る破断断面図で、断面は図１０のIX−IX線に沿いかつ図
面はスラグの一つの上方で部分的に破断されている。
【図１０】図９のＸ−Ｘ線に沿う断面図。
【図１１】図９および１０のロック機構を適用し得る特
殊な方法を示す図。
【図１２】図９および１０のロック機構を適用し得る別
の特殊な方法を示す図。
【図１３】図９および１０のロック機構を適用し得るさ
らに別の特殊な方法を示す図。
【符号の説明】
１ 乗物シート ２ シート本体 ３ 背もたれ ４ ヒンジ構造 １０ 第１側板 １１ 案内溝 １３ 接触面 ２０ 第２側板 ２１ 歯 ３１ 調節カム ３２ 弾性装置 ３３ 制御部材 ４０ スラグ ４２ 歯 ４３ 突出部分 ４４ 接触面 ４５ 肩部 ５０ ロックカム ５１ カム面 ５３ 金属ワイヤ ５４ 中央部分 ５７ レバーアーム ５８ 飛動重錘 ５９ 飛動重錘 ６１ ストラップ ６１ａ 可動端部 ６１ｂ 固定端部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 シート本体（２）および横方向旋回軸線
    （ｘ）の周りにシート本体に対して旋回可能に取付けら
    れた背もたれ（３）を有する乗物シート（１）に取付け
    るロック機構であって、該機構が、 一方はシート本体（２）に固定するための他方は背もた
    れ（３）に固定するための、第１および第２の側板（１
    ０，２０）であって、該側板が旋回軸線（ｘ）の周りに
    相対的に旋回可能に取付けられた前記側板、 第１および第２の側板を相対的にロックするロック装置
    （４０，５０）、および、 少なくとも乗物がうける所定の前方および後方衝撃に対
    応するアクチュエータ装置（５８；５９；６１）であっ
    て、前記アクチュエータ装置が前記所定の衝撃発生の際
    にロック装置を介して第１および第２の側板を相対的に
    ロックするため設けられた前記アクチュエータ装置を有
    する前記ロック機構において、該機構が、 第２側板（２０）に固定された一組の歯（２１）であっ
    て、前記歯の組が少なくとも旋回軸線（ｘ）上に中心を
    有する円弧上に延長しかつ半径方向内方に向いた前記一
    組の歯、 第２側板の歯の組と共働するのに適した外向きの歯（４
    ２）の組を備えた少なくとも一つのスラグ（４０）であ
    って、前記スラグが第１側板に固定された案内（１１）
    によって案内されスラグ（４０）が第２側板の歯（２
    １）と共働してヒンジをロックする係合位置と、第２側
    板の歯と共働しない引込位置との間で半径方向に摺動す
    る前記スラグ（４０）、およびスラグ（４０）の摺動を
    制御しかつそれ自体前記アクチュエータ装置（５８；５
    ９；６１）によって制御されるロックカム（５０）であ
    って、該ロックカム（５０）は通常スラグ（４０）がそ
    の引込位置に向って摺動し得る休止位置にあり、アクチ
    ュエータ装置がロックカムをそれが上記所定の衝撃発生
    の場合にスラグをその係合位置に置くロック位置に変位
    するため設けられた前記ロックカム（５０）を有するこ
    とを特徴とする前記ロック機構。
  2. 【請求項２】 上記所定の衝撃のないとき、ロックカム
    （５０）が弾性装置（５３）によって休止位置に保持さ
    れる請求項１に記載された機構。
  3. 【請求項３】 ロックカム（５０）が旋回軸線（ｘ）の
    周りに回転すべく取付けられ、前記ロックカムが、前記
    スラグをその係合位置に置くため、ロックカムがその休
    止位置からいずれかの方向に角度的に変位せしめられる
    場合、スラグ（４０）と共働するのに適した第１および
    第２カム面（５１）を有する請求項１または２に記載さ
    れた機構。
  4. 【請求項４】 ロックカム（５０）が旋回軸線（ｘ）の
    周りに回転すべく取付けられ、前記ロックカムをその休
    止位置に保持する弾性装置がスラグ（４０）の両側で前
    記ロックカムにそれぞれ取付けられた両端の間に延長す
    る弾性金属ワイヤ（５３）を有し、前記弾性金属ワイヤ
    がスラグの突出部分（４３）を半径方向内方に支持し、
    ロックカム（５０）がその休止位置にある限り前記スラ
    グをその引込位置に保持する中央部分（５４）を有する
    請求項１から３のいずれか一項に記載された機構。
  5. 【請求項５】 スラグ（４０）の摺動を制御する調節カ
    ム（３１）であって、前記調節カムがスラグをその係合
    位置に置く休止位置に弾性装置（３２）によって保持さ
    れる前記調節カム（３１）、および調節カムをその休止
    位置からスラグをその引込位置に向かって摺動せしめ得
    る作動位置に移動する制御部材（３３）をさらに有する
    請求項１から３のいずれか一項に記載された機構。
  6. 【請求項６】 ロックおよび調節カム（３１，５０）が
    二つの隣接する平面内で旋回軸線（ｘ）の周りに別々に
    相対的に回転すべく取付けられ、スラグ（４０）が調節
    カム（３１）と同じ平面内に位置しかつスラグの外向き
    の歯（４２）を有する本体（４１）ならびに前記ロック
    カム（５０）の平面内に位置し前記ロックカムと共働す
    る突出部分（４３）を有する請求項５に記載された機
    構。
  7. 【請求項７】 ロックカム（５０）をその休止位置に保
    持する弾性装置が、スラグの突出部分（４３）の両側で
    それぞれロックカム（５０）に固定された両端の間に延
    長する弾性金属ワイヤ（５３）を有し、前記弾性金属ワ
    イヤが、スラグの突出部分にそれを半径方向内方に押圧
    するように当接し、前記スラグをその引込位置に向かっ
    て、調節カム（３１）に作用する弾性装置（３２）の作
    用の下で前記スラグに加えられる押圧力より小さい力
    で、押圧する中央部分（５４）を有する請求項６に記載
    された機構。
  8. 【請求項８】 弾性金属ワイヤの中央部分が突出部分
    （５４）を有し、該突出部分が半径方向外方に突出しか
    つスラグの突出部分（４３）に対して半径方向に係合し
    スラグの前記突出部分の外郭部分上に載置する請求項４
    または７に記載された機構。
  9. 【請求項９】 スラグ（４０）が前記スラグの歯（４
    ２）の付近からスラグの歯の反対方向に向きかつ前記歯
    に近接して位置する肩部（４５）まで延長する二つの向
    合った接触面（４４）であって、少なくともスラグの接
    触面（４４）は強い強度を示す前記接触面、それぞれ二
    つの接触面（４４）およびそれらの肩部（４５）に向い
    て配置されかつ接触面（４４）の強度より弱い強度を有
    する二つの対向接触面（１３）を有し、またスラグ（４
    ０）がその係合位置にあるとき、向合った接触面および
    対向接触面は、側面（１０，２０）の一方が回転軸線
    （ｘ）の周りに所定の最小トルクを超える旋回トルクを
    うけるとき、接触面（４４）の一方に対して十分に小さ
    い面積で相互に接触しついで案内の対応する接触面に食
    込む請求項１から８のいずれか一項に記載された機構。
  10. 【請求項１０】 所定の最小トルクが５０ｍｄａＮから
    ２００ｍｄａＮの範囲にある請求項９に記載された機
    構。
  11. 【請求項１１】 シート本体（２）および横方向旋回軸
    線（ｘ）の周りにシート本体に対して旋回すべく取付け
    られた背もたれ（３）を有する乗物シートであって、前
    記シートが請求項１から１０のいずれか一項に記載され
    たロック機構を有する前記乗物シート。
  12. 【請求項１２】 ロックカム（５０）が旋回軸線（ｘ）
    に対して回転すべく取付けられ、前記ロックカムを作動
    する装置がレバーアーム（５７）を介して前記第２カム
    に連結されかつ旋回軸線（ｘ）に対して垂直に偏倚した
    飛動重錘（５８）を有する請求項１１に記載されたシー
    ト
  13. 【請求項１３】 ロックカム（５０）を作動する装置
    が、前記所定の衝撃の場合に、前記ロックカム（５０）
    をそのロック位置に置くためロックカム（５０）に連結
    されたアクチュエータ部材（６０）をきわめて迅速に変
    位させるのに適した火薬装置（５９）を有する請求項１
    １に記載されたシート
  14. 【請求項１４】 ロックカム（５０）を作動する装置
    が、背もたれ内側で横方向に固定第１端部（６１ｂ）と
    前記ロックカム（５０）に連結された可動第２端部（６
    １ａ）との間に延長する可撓性リンク（６１）を有し、
    前記可撓性リンクがシートの使用者が背もたれの中に押
    圧される場合に張力をうけ、ついで前記可撓性リンクが
    ロックカムをそのロック位置に向かって押圧するように
    構成された請求項１１に記載されたシート
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