JPH09300426A - ノーパンクタイヤ用充填体 - Google Patents

ノーパンクタイヤ用充填体

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JPH09300426A
JPH09300426A JP8145190A JP14519096A JPH09300426A JP H09300426 A JPH09300426 A JP H09300426A JP 8145190 A JP8145190 A JP 8145190A JP 14519096 A JP14519096 A JP 14519096A JP H09300426 A JPH09300426 A JP H09300426A
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filler
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発泡体内の気泡ガスが抜け難い構造で、しか
も、断面径を大きくすることなくガス圧を上げて、転が
り抵抗を小さくでき、長期に亘って軽快な性能維持が図
れるノーパンクタイヤ用充填体を提供する。 【解決手段】 二層押出し成形加工品で、横断面ほぼ円
形にしてブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムを主成分
とする独立気泡性の弾性発泡体31と、該弾性発泡体3
1の外周面を覆って層状に一体形成されるブチルゴム又
はハロゲン化ブチルゴムが主成分のソリッド皮膜材32
と、を備えて、タイヤ殻1とリム2とで形成されるリン
グ状の内部空洞4を埋めるように圧縮挿着した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自転車などで、タ
イヤ車輪のリムとタイヤ殻とで形成した内部空洞に詰め
られ、いわゆるノーパンクタイヤ向けに使用されるノー
パンクタイヤ用充填体に関する。
【0002】
【従来の技術】自転車は、手軽な移動用の足として重宝
されているが、通勤通学用として使用されている時の突
然のパンクやチューブへの空気補充に煩わしさがあり、
メンテナンスフリーの要求が高まりつつある。また、震
災時等の緊急用に対しても同様な気運が高まっている。
そこで、タイヤの中に入るチューブ部分をソリッドにし
たり発泡ゴムを入れたりするいわゆるノーパンクタイヤ
と呼ばれるタイヤ車輪が検討され出している。斯るタイ
ヤ車輪は、構造的にはかなり以前から考えられており、
実公昭40−11446号公報,特開昭47−2647
6号公報,特開昭57−155101号公報等には、既
にタイヤ本体内に弾性体,軟質ゴム層等を収納して、パ
ンクの虞れのないタイヤ車輪技術が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、従来のノー
パンクタイヤと呼ばれるタイヤ車輪は、パンク修理を回
避できるものの、充填体の比重が大きく(通常、0.4
以上である。)、重量的に重くなり取扱いが難儀であっ
た。もちろん、最近、ポリウレタン又はエチエン-プロ
ピレン-ジエンゴム(EPDM)のスポンジをタイヤ本
体内に収納したノーパンクタイヤが実用化されてはいる
が、上記問題点が解消されるまでに至ってなかった。そ
して、タイヤ本体内に収納する充填体を独立気泡タイプ
の発泡体で造っても、EPDM等の材料構成では独立気
泡内のガスが抜け易かった。更に、タイヤ本体内には断
面径の大きな充填体を挿着した方が、充填体内の独立気
泡ガスが圧縮され、ガス圧が上がり、転がり抵抗を小さ
くできるので、有意義になるのであるが、断面径の大き
なものは挿着し難かった。具体的には、26インチサイ
ズ自転車では、断面径35mmφ未満の充填体でない
と、挿着が不可能で、実際問題として、断面径31.5
mmφ〜34mmφ程度のもので許容するしかなかっ
た。
【0004】本発明は上記問題点を克服するもので、発
泡体内の気泡ガスが抜け難い構造で、しかも、断面径を
大きくすることなくガス圧を上げて、転がり抵抗を小さ
くでき、長期に亘って軽快な性能維持が図れるノーパン
クタイヤ用充填体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項1に記載の本発明の要旨は、二層押出し成形加工
品で、横断面ほぼ円形にしてブチルゴム又はハロゲン化
ブチルゴムを主成分とする独立気泡性の弾性発泡体と、
該弾性発泡体の外周面を覆って層状に一体形成されるブ
チルゴム又はハロゲン化ブチルゴムが主成分のソリッド
皮膜材と、を備えて、タイヤ殻とリムとで形成されるリ
ング状の内部空洞を埋めるように圧縮挿着されるノーパ
ンクタイヤ用充填体にある。ここで、「独立気泡性の弾
性発泡体」とは、独立気泡で大部分を占めている発泡体
をいう。「独立気泡」とは、発泡体のセルが皮膜で仕切
られていて連通性のないものをいう。独立気泡に対比さ
れるものに「連泡」と呼ばれるものがあるが、これは上
記皮膜に穴が開いているものやセルが骨格のみで仕切ら
れているものである。また、請求項2に記載の本発明の
ノーパンクタイヤ用充填体は、請求項1のソリッド皮膜
材の膜厚を0.5mm〜2mmの範囲内とすることを特
徴とする。
【0006】請求項1の発明のごとく、横断面ほぼ円形
にしてブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムを主成分と
する独立気泡性の弾性発泡体が、充填体の主構成要素と
して採用されると、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴ
ムの性質である気体の透過性が小さいという最大の特長
が活かされ、独立気泡タイプの弾性発泡体から得られる
快適な乗り心地を永きに亘って保持できる。加えて、ブ
チルゴム又はハロゲン化ブチルゴムを主成分とするソリ
ッド皮膜材が弾性発泡体の外周面を覆うと、ソリッドの
もつバリア−機能がいかんなく発揮でき、ブチルゴム又
はハロゲン化ブチルゴムの気体の透過性が小さいという
特性とも相まって、独立気泡内のガス抜け防止に更なる
効果が生まれる。そして、こうした弾性発泡体とソリッ
ド皮膜材を備えたノーパンクタイヤ用充填体が二層押出
し成形で造られるので、その製造にさほど困難性がな
く、充填体そのものは高額にはならない。請求項2のご
とく、ソリッド皮膜材の膜厚を0.5mm〜2mmの範
囲内とすると、ソリッドのもつ取扱いの悪さを最小限に
抑えながら、発泡圧を上げれるようになり、転がり抵抗
を小さくするのに役立つ。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳述する。図1〜図4は、本発明に係るノーパンクタイ
ヤ用充填体(以下、単に「充填体」という。)の一形態
を示す。図1はノーパンクタイヤ用充填体の部分断面斜
視図、図2は図1の拡大横断面図、図3はタイヤ殻とリ
ムとで形成した内部空洞に充填体を圧縮挿着する姿態を
示す横断面図、図4は充填体の全体斜視図である。自転
車用タイヤに適用するものである。
【0008】充填体3は、タイヤ車輪にあって、タイヤ
殻1とリム2とで形成されるリング状の内部空洞4を埋
めるように圧縮挿着されるものである(図3)。タイヤ
殻1は、通常の製造工程で造られたゴムタイヤで、例え
ば、簾織物に薄いゴムを被覆して布状体とし、これをド
ーナツ状に成形したカーカス部に、路面との接合性を良
くするトレッドを付与したものである。タイヤ殻1の形
成過程で、一対のビードワイヤ11が断面U字状の開口
両側縁に配されている。ビードワイヤ11は、カーカス
部に巻きつけられて固定されることによって、タイヤに
生ずる力をビード部1aが受け止め、リム2にその力を
伝達する役割も担っている。
【0009】リム2は、上記タイヤ殻1のビード部1a
を圧着させてこれを支持するものである。リム2はタイ
ヤ殻1の大きさに対応する一般的な仕様品で、リム2に
タイヤ殻1が取着されると、リング状の内部空洞4が形
成される。
【0010】充填体3は、横断面ほぼ円形で独立気泡性
の弾性発泡体31と、該弾性発泡体の外周面を覆って層
状に一体形成されるソリッド皮膜材32とを備える(図
1)。斯る構成の充填体3は、二層押出し成形で造って
いる。充填体3は、無発泡のソリッド皮膜材32で表面
が被覆され、内部にのみ弾性発泡体31の気泡が存在す
る形態となる。弾性発泡体31だけでは、長年の使用で
気泡からガスが抜け出し充填体3がへたってしまう。充
填体3の表面を、一定以上の膜厚を有するソリッドで覆
うことによって、それを防いでいる。充填体3は、棒状
体3aをまず成形し(図1)、次に、この中間材を適当
な位置で切断し、タイヤサイズに合わせてリング形状に
両端を接着結合したものである(図4)。種々のタイヤ
サイズに適合させるためで、量産対応を睨んでいる。
【0011】弾性発泡体31を造る発泡化方法は、ここ
では、発泡剤を使って練りゴムを発泡化させる方法を採
用する。そして、弾性発泡体31の外周面をソリッド皮
膜材32で被覆することによって、発泡段階で、ソリッ
ド皮膜材32の引張応力(モジュラス)を働かせ、独立
気泡内の発泡圧を高く維持できるようにしている。ソリ
ッド皮膜材32がなければ、断面径を大きくしてしまう
充填体3が、ソリッド皮膜材32の形成によってその断
面径を小さくとどめている。従来、内部空洞4への圧縮
挿着によって、独立気泡内のガス圧を上げようとして
も、断面径が大きすぎて挿着できなかった充填体は、ソ
リッド皮膜材32がその引張応力で弾性発泡体31を締
めつけているために、挿着前段階で、既にその径を小さ
くして発泡圧の高い弾性発泡体が得られている。ソリッ
ド皮膜材32のない弾性発泡体単独品で断面径の大きな
ものを苦労して内部空間4に挿着したときとほぼ同じ状
態になっている。
【0012】ところで、ソリッド皮膜材32の膜厚t
は、0.5mm〜2mmの範囲内とするのが好適である
(図2)。発泡圧の高い弾性発泡体31を得るには膜厚
が大きいほどよいのであるが、2mmを越えると、ソリ
ッド皮膜材32が厚くなりすぎ、充填体3の圧縮変形が
難しくなって、内部空間4への挿着に支障をきたすから
である。加えて、ソリッド皮膜材32のもつ高い硬度が
影響し始め、乗った場合のショック吸収が劣り始めるた
めである。一方、膜厚tを0.5mm未満にすると、気
泡内からのガス漏れを引き起こし、ソリッドのもつバリ
ア−機能を十分に発揮できなくなるからである。また、
発泡圧の高い弾性発泡体31も得難くなるためである。
ソリッド皮膜材32の形成に伴う弾性発泡体31の気泡
内のガス圧については、大気圧より高く、上記膜厚範囲
で、約1.1×105 Pa程度は得られていると推定さ
れる。これは、例えば、充填体からソリッド皮膜材を取
り去った場合、弾性発泡体31の膨張率が元の体積より
110%〜115%程度膨らむことからも確認できる。
【0013】前述のごとく、充填体3は、 大気圧下
で、外力を受けないフリー状態(自由状態)にあって
も、ソリッド皮膜材32の形成で気泡内のガス圧が高く
なっている。しかし、充填体3の断面積については、内
部空洞4の断面積よりも多少大きく設定している。故
に、充填体3は少し圧縮し、内部空洞4に押し込むよう
にして圧縮挿着することになる(図3)。単に内部空洞
4に挿着するだけだと、内部空洞4の断面形状は充填体
3のそれと完全には一致しないことから、充填体3とタ
イヤ殻1との間に部分的に隙間ができ、クッション性等
にムラが生じる。これに対し、充填体3が圧縮挿着され
ると、斯る隙間がなくなり、また、弾性発泡体内のガス
が更に圧縮されることになり、反発弾性が上がり転がり
抵抗を小さくすることができるからである。勿論、弾性
発泡体31の気泡内のガス圧が既に高くなっているた
め、従来のように大きく圧縮させる必要はない。かくし
て、フリー状態にある充填体3の大きさは、内部空洞4
に比し、少し大きめに造られる。詳しくは、充填体3は
圧縮度合を10%〜30%の範囲内として内部空洞4に
圧縮挿着されるようするのが好適となる。圧縮度合は1
0%未満となると、タイヤ殻1とのフィット性が低下
し、クッション性が劣る他、走行時にタイヤ殻1と充填
体3との擦れ合う不具合が現われる。一方、圧縮度合が
30%を越えると、転がり抵抗は小さくなるものの充填
体自体が硬くなりすぎて緩衝力がなくなり、乗り心地を
悪くするからである。
【0014】上記充填体3を構成する弾性発泡体31
は、ブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムを含有し、A
STM D1056に規定される吸水試験による値が5
%以下で示される独立気泡率の弾性発泡体(独立気泡タ
イプの弾性発泡体)からなるものである。いわゆる独立
気泡性の弾性発泡体である。弾性発泡体31はブチルゴ
ム又はハロゲン化ブチルゴムを含有した固体に発泡剤,
安定剤,架橋剤等を配合し、混練した後、加熱発泡成形
する方法や、ゴムラテックスを用いて上記と同様、発泡
剤,安定剤,架橋剤等を配合、注入後、発泡加硫工程を
経て乾燥して得る方法等で造られる。ここで、ブチルゴ
ム(ハロゲン化ブチルゴムを含む)をほぼ100%独立
気泡体として製造するには、型を用いた二段加硫として
発泡成形される。その製造プロセスは以下のごとくであ
る。まず、第一の型で発泡剤の分解温度より低い温度
(100℃〜140℃)状態で、一次加硫として、加硫
度30%〜50%程度に加硫する。こうすることで、発
泡圧で破れることのないセル皮膜が形成される。その
後、第二の型で二次加硫として、発泡剤を分解させる温
度(150℃〜180℃)状態で発泡させると共に加硫
度90%〜100%に加硫する。第二の型へ移す目的は
発泡成形品の寸法を決めるためである。弾性発泡体31
の代表的組成割合は、例えば、表1のごとくである。
【0015】
【表1】
【0016】表1で、ゴム成分は、ブチルゴムや、この
ブチルゴムをハロゲン化した臭素化ブチル,塩素化ブチ
ル等である。ここで、ブチルゴムは、気体の透過性が小
さく、充填体3をつくる弾性発泡体の独立気泡内にある
ガスが抜け難く、長期に亘ってクッション性を維持でき
る。これに対し、他の材料(EPDM,天然ゴムなど)
では、独立気泡は出来るものの気泡内のガスが抜け易
く、圧縮してタイヤ内に入れると、すぐに充填体が痩せ
てしまう。その結果、ガスによる反発弾性を得ることが
できない。更に、ブチルゴムは衝撃吸収が大きく、化学
的に安定で耐候性,耐熱性に優れ、自転車タイヤ内の充
填体に使用する際に好適な材料になっている。臭素化ブ
チル,塩素化ブチルも、ブチルゴムと同様の特長を有
し、加えて、ブチルゴムに比し加硫速度が速い長所があ
る。加硫剤は、粉末硫黄,コロイド硫黄,不溶性硫黄の
無機系等で、加硫促進剤は亜鉛華,酸化マグネシウム,
消石灰,2−メルカプトベンゾチアゾール(MBT)等
のチアゾール系,Zn−ジメチル・ジチオカルバメート
(PZ)等のジチオ酸塩類,テトラメチルチウラムモノ
スルフィド(TMTM)等のチウラム系などが用いられ
る。また、老化防止剤はトリメチルジヒドロキノン類,
フェニレンジアミン類等で、発泡剤としては、炭酸アン
モニア,重炭酸ソーダ等の無機発泡剤やニトロソ系,ス
ルホヒドラジド系,アゾ系の有機発泡剤等である。安定
剤としては、三塩基性硫酸鉛等の無機塩類,塩基性ステ
アリン酸鉛等の金属石けん,ジブチル錫ラウレート系な
どがあり、充填剤にはカーボンブラック,炭酸カルシウ
ム,クレーなどがある。可塑剤はDOP,DBP,DI
DP,脂肪酸エステル,パラフィン系プロセスオイル等
である。充填体3の組成物として、他に、紫外線吸収
剤,帯電防止剤,補強剤等が含まれている。
【0017】弾性発泡体31の実際の配合状況につい
て、より具体的な例を示せば、表2のα〜γのようにな
る。
【0018】
【表2】
【0019】一方、充填体3を構成するソリッド皮膜材
32は、前記弾性発泡体31の配合成分から発泡剤を取
り除いたものである。ここでも、ガス透過性の小さいブ
チルゴム又はハロゲン化ブチルゴム(臭素化ブチル,塩
素化ブチル等)を主成分とする材料が、弾性発泡体31
の外周面を覆うことによって、弾性発泡体の気泡内のガ
ス抜けを効果的に防止する役目を担っている。
【0020】また、出来た充填体3からソリッド皮膜材
32を取り去り、大気圧下で膨張した弾性発泡体31
(フリー状態にある)の見掛け比重ρは、発泡剤の調合
により発泡倍率を3.5〜13.0にすることで、0.
08〜0.30の範囲内に設定している。市販のEPD
M仕様のノーパンクタイヤに係る充填体の見掛け比重ρ
が0.4以上に比し、充填体3は同じ大きさでも重量的
にかなり軽くなっている。但し、本発明に係る充填体3
のフリー状態の見掛け比重ρが0.08未満であると、
充填体3を内部空洞4に圧縮挿着した状態でも、その時
の見掛け比重は依然として低くなる。従って、充填体3
が柔らかいままで緩衝機能を発揮せず、クッション性が
悪くなる。例えば、底づきする欠陥も現われる。一方、
見掛け比重ρが0.30を越えると、充填体3の重量が
重くなり、また、充填体自体が硬くなりすぎて充填体を
内部空洞4に挿着した場合、クッション性が悪くなる。
見掛け比重ρのより好ましい範囲は、0.1〜0.3の
範囲内にある。このとき、26インチサイズ自転車に係
る一本のタイヤ車輪当りの充填体3の重量は210g/
本〜530g/本で、自転車全体に占める充填体の重量
は小さく、ノーパンクタイヤ機能を備えながら軽量を維
持できる。
【0021】尚、タイヤ車輪を構成するものとしては、
上記タイヤ殻1,リム2,充填体3の他にスポーク,ハ
ブ,軸などがあるが、これらは汎用品タイプのものと同
じで、これらの説明は省略する。
【0022】このように構成した充填体3は、クッショ
ン性に富み、且つ軽く、内部空間4に圧縮挿着すれば常
時膨らんだ形態を保ち、パンクしない。すなわち、空気
入りではないので、タイヤに小さな穴があいてもパンク
状態とならず事故を防止しやすい。また、パンク修理か
らの煩わしさからも開放される。そして、ソリッド皮膜
材32の形成によって、充填体3の気泡内のガスが既に
圧縮された状態になっているので、従来品よりも充填体
3の断面径を随分と小さくして内部空間4へ容易に圧縮
挿着できる。その結果、所望の転がり抵抗をもつタイヤ
車輪が得られる。気泡内のガス圧が上がれば反発性が強
くなり転がり抵抗が下がることから、従来は、断面径の
大きな充填体を内部空間に組み込むことが試みられてい
た。しかし、断面径が35mmφ以上のものは事実上困
難であった。これに対し、本実施形態では、充填体3が
既に圧縮された状態になっているので、小さい断面径の
ものを比較的簡単に内部空間4に納めて、従来品で断面
径が35mmφ以上のものを圧縮挿着したのと同じガス
圧をたやすく得ることができる。
【0023】また、従来は、気泡内のガス抜けが生じ、
充填体が縮んだり、太さ,長さが変化したりする不具合
があったが、ソリッド皮膜材32が弾性発泡体31の外
周面を覆ってガス抜けを防ぎ、その不具合を解消する。
更に、弾性発泡体31をガス透過性の小さいブチルゴム
又はハロゲン化ブチルゴムが主成分の材料で形成するこ
とによって、気泡内のガス抜け防止を図り、加えて、ソ
リッド皮膜材32にもガス透過性の小さい同様のものを
採用することによって、気泡内のガス抜け防止の徹底化
が図られている。事実、本実施形態の充填体3を内部空
間4に圧縮挿着したものは、長期に亘って軽快な走行が
できるのを確認した。
【0024】尚、本発明においては、前記実施形態に示
すものに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で
種々変更できる。実施形態では、自転車になっている
が、原動付き自転車,荷車,農耕作業車,車イス等にも
適用することができる。また、棒状体3aを接着接合に
よりリング状としたが、直接リング形状の充填体3を圧
縮成形等で造ることもできる。
【0025】
【発明の効果】以上のごとく、本発明に係るノーパンク
タイヤ用充填体は、断面径を小さくして内部空間への圧
縮挿着を容易にしながら所望のガス圧に上げて転がり抵
抗を小さくでき、しかも、そのガスが抜け難い構造にな
っているなど品質向上,作業性向上等に優れた効果を発
揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態で、ノーパンクタイヤ用充
填体の部分断面斜視図である。
【図2】図1の拡大横断面図である。
【図3】タイヤ殻とリムとで形成した内部空洞に充填体
を圧縮挿着する姿態を示す横断面図である。
【図4】充填体の全体斜視図である。
【符号の説明】
1 タイヤ殻 2 リム 3 充填体 31 弾性発泡体 32 ソリッド皮膜材 4 内部空洞

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二層押出し成形加工品で、横断面ほぼ円
    形にしてブチルゴム又はハロゲン化ブチルゴムを主成分
    とする独立気泡性の弾性発泡体と、該弾性発泡体の外周
    面を覆って層状に一体形成されるブチルゴム又はハロゲ
    ン化ブチルゴムが主成分のソリッド皮膜材と、を備え
    て、タイヤ殻とリムとで形成されるリング状の内部空洞
    を埋めるように圧縮挿着されるノーパンクタイヤ用充填
    体。
  2. 【請求項2】 前記ソリッド皮膜材の膜厚を0.5mm
    〜2mmの範囲内とする請求項1記載のノーパンクタイ
    ヤ用充填体。
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Cited By (4)

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JP2001080310A (ja) * 1999-09-17 2001-03-27 Bridgestone Corp 二輪自動車用のタイヤとリムとの組立体
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