JPH09300364A - 曲がり管成形用芯型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単、正確かつ安全に所望の角度調節を行う
ことのできる曲がり管成形用芯型を提供する。 【解決手段】 複数の筒状部材１、１′同士が隣接する
端縁間の一点を支点として回転自在に連結されて芯型本
体が形成され、一側方の筒状部材１の中央側端部内に支
持部材１１が設けられ、その支持部材の他端側の筒状部
１側に回動部２１が装着され、その回動部２１に締結ボ
ルト５の一端が接続され、締結ボルト５の他端は側方筒
状部材の外側端部に係止された固定部材１４に締結自在
とされ、筒状部材１、１′同士が所望の曲がり角度に固
定可能となされている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、繊維強化樹脂製な
どの曲がり管を成形するための芯型に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、繊維強化樹脂製などの曲がり管
を成形する場合、筒状部材同士を任意角度で固定できる
ように連結した芯型が用いられる。

【０００３】従来より、この芯型としては、図５に示す
ように、筒状部材ａ同士がその端縁間の一点を支点ｂと
して連結されていた。また、使用する際には、この支点
ｂを中心に上側の筒状部材ａを吊り上げ、これら筒状部
材ａの内側に設けられた支持部材ｃ間にテンションバー
ｄを固定することで、所望の角度に調整していた。この
支持部材ｃには、所望の角度でテンションバーｄが固定
できるように、長孔ｅが設けられていた。そして、調節
後、筒状部材ａ間の開口した部分に被覆材ｆなどを設け
て、この開口部分を塞いでいた（例えば、特開平７−２
６６３４５公報に記載）。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の芯
型の場合、上側の筒状部材ａを吊り上げて角度調節をす
る際、支点ｂが一点であるため、バランス良く吊り上げ
ることができず、位置決めが難しくなるとともに危険を
伴うといった不都合を生じる。

【０００５】また、支持部材ｃ間を固定するテンション
バーｄは、支持部材ｃに設けた長孔ｅを介して任意の角
度に調節できるようにしているため、逆に正確な角度で
固定しようとした場合、長孔ｅによる遊びが大きすぎて
角度調節が難しくなるといった不都合を生じる。

【０００６】本発明の目的は、上記の問題を解決し簡
単、正確かつ安全に所望の角度調節を行うことのできる
曲がり管成形用芯型を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明１（請求項１記
載）の曲がり管成形用芯型は複数の筒状部材同士が隣接
する端縁間の一点を支点として回転自在に連結されて芯
型本体が形成され、一側方の筒状部材の中央側端部内に
支持部材が設けられ、その支持部材の他端側の筒状部側
に回動部が装着され、その回動部に締結ボルトの一端が
接続され、締結ボルトの他端は側方筒状部材の外側端部
に係止された固定部材に締結自在とされ、スペーサーの
幅及びそれに合わせた締結ボルトの締結具合によって、
筒状部材同士が所望の曲がり角度に固定可能となされて
いるものである。

【０００８】本発明において、芯型本体を形成する筒状
体は一対のものからなるものであってもよいし、３個以
上からなるものであってもよい。本発明２（請求項２記
載）の曲がり管成形用芯型は本発明１の曲がり管成形用
芯型において前記芯型本体の支点を中心に回動して開口
した部分にスペーサーが挟着され、その外側が、被覆材
により被覆されているものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して例を説明する。

【００１０】図１は本発明の曲がり管成形用芯型の例の
要部を示す断面図である。一対の筒状部材１、１′が直
列に並べられ、その隣接する端縁間のＰ点を支点として
回動自在に連結されて芯型本体が形成されている。一方
の筒状部材１の中央側端部内に支持部材１１が設けられ
ている。支持部材１１の筒状部材１′側に回動部２１が
装着されている。支持部材１１は略円盤状の板とされ、
その外周縁は筒状部材１の端部内周面に固定されてい
る。支持部材１１と筒状部材１の固定方法は特に限定さ
れず、溶接されてもよいし、螺嵌されてもよい。

【００１１】回動部２１は、たとえば図２に示す自在継
手のように、支持部材１１に固着された支点金具２３に
軸２２を中心に回動自在とされている。回動部２１には
雌ねじ部が設けられている。回動部２１には、雄ねじ部
が設けられた締結ボルト５の一端が螺着されている。締
結ボルト５の他端は他方の筒状部材１′の外側端部に係
止されたナット５１に締結自在とされている。図３は締
結ボルト５の他端が固定部材１４に締結されている状態
を示す正面図である。固定部材１４には長円形のボルト
孔１４１が設けられており、ボルト孔１４１内に締結ボ
ルト５の雄ねじが設けられた他端が挿通され、自在な角
度に設定されるよう移動し、所望の位置にてナット５１
にて締結されている。

【００１２】図４に示すように、他方の筒状部材１′の
中央側端部内には中心に孔のあいた支持部材１１′が設
けられており、孔内に締結ボルト５が挿通されている。

【００１３】芯型本体の支点Ｐを中心にして回動して開
口すた部分の間隙には、弧状のスペーサー４が挟着され
ている。スペーサー４の外側がエルボー状の被覆材３に
より被覆されている。スペーサー４の幅は一対の筒状部
材１、１′間のなす角度を規制する役割をはたす。

【００１４】他方の筒状体１′は、特に図示しないが、
回動可能にセットされた受口成形機に接続することがで
きるようにされている。この際芯型本体を何か支承して
おくといった必要が無い。そのため、スペーサー４の幅
に合わせてスパナ一本でナット５１の締結具合を調節す
るといった操作で、簡単かつ正確に所望の曲がり角度に
調節することができる。

【００１５】このようにしてセットした曲がり管成形用
芯型は、図１に示すように、曲がり管全体の成形用芯型
として組み立てられた後、曲がり管の成形に供される。
すなわち、まず、芯型の周りに、不飽和ポリエステル樹
脂などの樹脂液および適宜の硬化剤を混合して含浸させ
たガラス繊維よりなるマットなどを巻きつける。そし
て、その上に、不飽和ポリエステル樹脂などの樹脂液お
よび適宜の硬化剤を混合して含浸させたガラスロービン
グなどの長尺状強化材を巻回して成形層を形成した後、
硬化させる。硬化後は、曲がり管成形用芯型１および受
口成形用芯型１１を順次分解して抜去する。

【００１６】

【発明の効果】以上述べたように、本発明１によると、
一対の筒状部材を、スペーサーの幅及びそれにあわせた
締結ボルトの螺合具合の調節で回動させることができる
ので、細かな角度調節を正確に行うことが可能となる。
また、この角度調節は、ホイストなどによって吊り上げ
ることなく、簡単な操作で安全に行うことができる。さ
らに、本発明２によると開口した部分のスペーサーの幅
の調整を併用することにより、さらに角度調節を正確に
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明曲がり管成形用芯型の例の要部を示す断
面図である。

【図２】図１の要部を拡大して示す断面図である。

【図３】図１の矢印Ａ方向からみた側面図である。

【図４】図１のＢ−Ｂ′線断面の矢視図である。

【図５】従来の曲がり管成形用芯型の要部を示す断面図
である。

【符号の説明】

１、１′筒状部材 １１ 支持部材 １４ 固定部材 ２ 自在継手 ２１ 回転部 ３ 被覆部 ４ スペーサー ５ 締結ボルト

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の筒状部材同士が隣接する端縁間の
   一点を支点として回転自在に連結されて芯型本体が形成
   され、一側方の筒状部材の中央側端部内に支持部材が設
   けられ、その支持部材の他端側の筒状部側に回動部が装
   着され、その回動部に締結ボルトの一端が接続され、締
   結ボルトの他端は側方筒状部材の外側端部に係止された
   固定部材に締結自在とされ、筒状部材同士が所望の曲が
   り角度に固定可能となされていることを特徴とする曲が
   り管成形用芯型。
2. 【請求項２】芯型本体の支点を中心に回動して開口した
   部分にスペーサーが挟着され、その外側が、被覆材によ
   り被覆されていることを特徴とする請求項１記載の曲が
   り管成形用芯型。