JPH09299481A - 注射器 - Google Patents

注射器

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JPH09299481A
JPH09299481A JP8148619A JP14861996A JPH09299481A JP H09299481 A JPH09299481 A JP H09299481A JP 8148619 A JP8148619 A JP 8148619A JP 14861996 A JP14861996 A JP 14861996A JP H09299481 A JPH09299481 A JP H09299481A
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JP
Japan
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plunger rod
rubber stopper
syringe
rod
plunger
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JP8148619A
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English (en)
Inventor
Makoto Kakiuchi
誠 垣内
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ARTE KK
Original Assignee
ARTE KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラバーストッパーが予めシリンジ内に密嵌さ
れている注射器において、プランジャーロッドをラバー
ストッパーに螺着させる従来の注射器と比べ、より簡単
な操作でプランジャーロッドとラバーストッパーとを接
続することができ、プランジャーロッドとラバーストッ
パーとの接続時にラバーストッパーが移動するおそれを
軽減することもできる注射器を提供する。 【解決手段】 空間部を有する有底筒状のラバーストッ
パー2を、空間部の開口をシリンジ3のプランジャーロ
ッド挿入口33へ向けてシリンジ3内に密嵌する。ラバ
ーストッパー2の内周面には、該内周面の周方向へ伸び
る第1係合片を突設する。プランジャーロッド4の桿部
41の先端面には、ラバーストッパー2の空間部内に挿
入される挿入部43を突設する。その挿入部43には、
プランジャーロッド4の回動によって前記第1係合片の
下側に配置される第2係合片を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラバーストッパー
が予めシリンジ内に密嵌されており、該ラバーストッパ
ーとプランジャーロッドとが非係合で1セットとされて
いる注射器、特に、シリンジ内にラバーストッパーで予
め薬液を密封充填して保管し、注射の際にはラバースト
ッパーにプランジャーロッドを接続して使用するように
構成された注射器の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の注射器、特に、図17に図示され
ているところの、シリンジB内に予め薬液Cが密封充填
されている所謂容器兼用注射器Aにおいては、プランジ
ャーロッドDが予めラバーストッパーEに接続,固定さ
れているタイプのものと、注射時に、プランジャーロッ
ドDの先端のネジ部FをラバーストッパーEの後端面の
ネジ穴Gに螺着して使用するタイプのものとがある。
【0003】ところで、プランジャーロッドDが予めラ
バーストッパーEに接続,固定されているタイプのもの
は、保管時等にプランジャーロッドDに不用意に外圧が
作用すると、ラバーストッパーEが移動して、シリンジ
Bの筒先部Hを密封する閉鎖キャップIがずれ、シリン
ジB内の密封性が喪失されて、保管中に薬液Cが漏出す
る可能性や、保管中の薬液Cの品質変化や汚染等に起因
する重大な医療事故が発生する可能性を有している。
【0004】これらの可能性を無くするため、プランジ
ャーロッドDが予めラバーストッパーEに接続,固定さ
れているタイプのものでは、容器兼用注射器A全体を硬
質の包材で梱包しているが、プランジャーロッドDの突
出形態のため、注射時にプランジャーロッドDをラバー
ストッパーEに螺着するタイプのものと比べて、製品の
包装外形が大きく、製造,流通,保管等の各段階で不経
済となっている。
【0005】これに対し、プランジャーロッドDをラバ
ーストッパーEに螺着するタイプのものは、前述した可
能性とか不経済性等は無いものの、注射時にプランジャ
ーロッドDをシリンジBのプランジャーロッド挿入口J
からシリンジB内に挿入して、シリンジB内のラバース
トッパーEに螺着させる作業が必要となるため、医師や
看護婦の注射時の作業を煩雑にしている。
【0006】また、プランジャーロッドDをラバースト
ッパーEに螺着するタイプのものは、この螺着の際に
は、摩擦抵抗に抗してプランジャーロッドDを回転させ
て、弾力性を有するラバーストッパーEのネジ穴Gにプ
ランジャーロッドDのネジ部Fをねじ込む必要があるた
め、このねじ込む際に押進力がラバーストッパーEに作
用して、ラバーストッパーEが移動してしまうおそれも
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来技術
の問題点に鑑み、本発明では、注射時にプランジャーロ
ッドをラバーストッパーに接続するタイプの注射器であ
って、プランジャーロッドをラバーストッパーに螺着す
るタイプの従来の注射器と比べ、より簡単な操作でプラ
ンジャーロッドとラバーストッパーとを接続することが
でき、しかも、プランジャーロッドとラバーストッパー
との接続時にラバーストッパーが移動するおそれを軽減
することもできる注射器の提供を課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、請求項1に係る発明では、ラバーストッ
パーが予めシリンジ内に密嵌されており、該ラバースト
ッパーとプランジャーロッドとが非係合で1セットとさ
れている注射器において、前記ラバーストッパーが、空
間部を有する有底筒状とされ、該空間部の開口をシリン
ジのプランジャーロッド挿入口へ向けてシリンジ内に密
嵌されており、前記空間部を形成するラバーストッパー
の内周面には、該内周面の周方向へ伸びる第1係合片が
少なくとも1枚突設され、ラバーストッパーの前記開口
側の端面に当接させられるプランジャーロッドの桿部の
先端面には、ラバーストッパーの前記空間部内に挿入さ
れる挿入部が突設され、該挿入部には、プランジャーロ
ッドの回動によって前記第1第1係合片の下側に配置さ
れる第2係合片が形成されている、という構成を採用し
ている。
【0009】請求項2に係る発明では、ラバーストッパ
ーには第1阻止手段が形成され、プランジャーロッドに
は、該ロッドの第2係合片がラバーストッパーの第1係
合片の下側に配置された位置で、前記第1阻止手段に係
合してプランジャーロッドの回動を阻止する第2阻止手
段が形成されている、という構造を請求項1に係る発明
に付加している。
【0010】請求項3に係る発明では、プランジャーロ
ッドの桿部が、該桿部の先端面から後方へ伸びる第1部
分と、該第1部分に続く第2部分とを具備し、該第2部
分には前記桿部の軸方向へ伸びる突条が少なくとも1本
形成されて、該第2部分の横断面の最長寸法が、前記第
1部分の横断面の最長寸法に前記突条の高さを加えた長
さとされており、シリンジ内の、ラバーストッパーの開
口側の端面からプランジャーロッド挿入口へ向かって所
定距離だけ離れた部位には、プランジャーロッドの回動
を規制する回動規制部が付設され、該規制部はプランジ
ャーロッドが挿脱可能な穴を有し、該穴は、プランジャ
ーロッドの前記第1部分が回転可能な貫通孔と、プラン
ジャーロッドの前記第2部分を挿脱可能ならしめる該第
2部分の突条用の貫通溝とで形成されており、プランジ
ャーロッドの前記第1部分の長さが前記所定距離より長
く選定され、プランジャーロッドの前記第2部分の長さ
は、ラバーストッパーがシリンジ内を初期密嵌位置から
注射終了位置まで移動する移動長さより長く選定されて
いる、という構造を請求項2に係る発明に付加してい
る。
【0011】
【発明の実施の形態】図1図示の注射器1は、請求項1
〜3に係る各発明を併せて実施した実施の一例であっ
て、ラバーストッパー2が予めシリンジ3内に密嵌さ
れ、ラバーストッパー2とプランジャーロッド4とが非
係合で1セットとされている注射器であり、図17に図
示されているような所謂容器兼用注射器であっても良い
し、注射時に薬液をシリンジ3内に吸引する通常の注射
器であっても良い。
【0012】注射器1のシリンジ3は、図1,図2に図
示されているように、ガラス,合成樹脂等で成形された
シリンジ主体31と合成樹脂製のフィンガーグリップ3
2とを具備し、シリンジ主体31の開口部分の外側にフ
ィンガーグリップ32が密嵌されて、シリンジ3のプラ
ンジャーロッド挿入口33が形成されていると共に、該
挿入口33近傍のシリンジ3内に、後述する請求項3に
係る発明の回動阻止部34が付設されている。
【0013】なお、シリンジ3のプランジャーロッド挿
入口33は、所謂容器兼用注射器や通常の注射器と同
様、プランジャーロッド4が回転自在かつ挿脱可能なシ
リンジ3の開口部である。
【0014】ラバーストッパー2は、図1,図3,図4
に図示されているように、合成ゴム等のゴム製の一体成
形品であって、空間部21を有する有底円筒状とされ、
その空間部21の開口22をシリンジ3のプランジャー
ロッド挿入口33へ向けてシリンジ3内に密嵌されてお
り、空間部21を形成するラバーストッパー2の内周面
23には、その内周面23の周方向へ水平に伸びる平板
状の4枚の第1係合片24a,24b,24c,24d
が突設されている。
【0015】この第1係合片24a,24b,24c,
24dは、第1係合片24aと第1係合片24bとが、
ラバーストッパー2の内周面23の上端に180度間隔
で配置されており、第1係合片24cが第1係合片24
aの下側に配置され、第1係合片24dが第1係合片2
4bの下側に配置されている。
【0016】なお、ラバーストッパー2の第1係合片2
4a,24b,24c,24dは、水平な平板状に限定
されず、水平からある角度を持って傾斜していても良
く、あるいは、波形、上や下に凸の山型等であっても良
い。
【0017】プランジャーロッド4は、図1及び図5〜
図9に図示されているように、ラバーストッパー2の開
口22側の端面25に当接させられる桿部41の先端面
42に、ラバーストッパー2の空間部21内に挿入され
る挿入部43が突設されており、この挿入部43には、
プランジャーロッド4の回動によってラバーストッパー
2の第1係合片24a,24b,24c,24dの下側
に配置される水平平板状の第2係合片44a,44b,
44c,44dが形成されている。
【0018】なお、プランジャーロッド4の挿入部43
の第2係合片44a,44b,44c,44dは、水平
な平板状に限定されず、ラバーストッパー2の第1係合
片24a,24b,24c,24dの形状との関連で決
定される形状であれば良く、従って、水平からある角度
を持って傾斜していても良く、あるいは、波形、上や下
に凸の山型等であっても良い。
【0019】以上説明した注射器1では、プランジャー
ロッド4をシリンジ3のプランジャーロッド挿入口31
からシリンジ3内のラバーストッパー2へ向かって挿入
し、プランジャーロッド4の挿入部43をラバーストッ
パー2の空間部21の開口22から空間部21内に挿入
して、プランジャーロッド4の桿部41の先端面42を
ラバーストッパー2の開口22側の端面25に当接さ
せ、プランジャーロッド4を回動させて、プランジャー
ロッド4の挿入部43の第2係合片44a,44b,4
4c,44dをラバーストッパー2の第1係合片24
a,24b,24c,24dの下側に配置して、プラン
ジャーロッド4の回動を停止させることにより、プラン
ジャーロッド4とラバーストッパー2との接続が完了す
る。
【0020】そして、この接続が完了した後、プランジ
ャーロッド4を押進させると、プランジャーロッド4の
桿部41の先端面42がラバーストッパー2の開口22
側の端面25に当接して、ラバーストッパー2がプラン
ジャーロッド4と共に押進させられ、この押進の後にプ
ランジャーロッド4を引き上げると、プランジャーロッ
ド4の挿入部43の第2係合片44a,44b,44
c,44dがラバーストッパー2の第1係合片24a,
24b,24c,24dに当接して、ラバーストッパー
2がプランジャーロッド4と共に引き上げられる。
【0021】従って、請求項1に係る発明では、プラン
ジャーロッド4の挿入部43をラバーストッパー2の空
間部21内に挿入して、プランジャーロッド4を回動さ
せ、プランジャーロッド4の挿入部43の第2係合片4
4a,44b,44c,44dをラバーストッパー2の
第1係合片24a,24b,24c,24dの下側に配
置することによって、プランジャーロッド4とラバース
トッパー2とが接続される。
【0022】しかも、この接続に際しては、プランジャ
ーロッド4の挿入部43は、ラバーストッパー2の空間
部21内に挿入されれば良いのであるから、ラバースト
ッパー2に非接触とすることでき、プランジャーロッド
4の挿入部43に形成されている第2係合片44a,4
4b,44c,44dは、プランジャーロッド4の回動
によってラバーストッパー2の第1係合片24a,24
b,24c,24dの下側に配置されれば良いのである
から、ラバーストッパー2の第1係合片24a,24
b,24c,24dに非接触とすることができる。
【0023】これに対し、図17に図示されているとこ
ろの、プランジャーロッドDをラバーストッパーEに螺
着するタイプの従来の注射器Aは、プランジャーロッド
DをラバーストッパーEに接続する際には、摩擦抵抗に
抗してプランジャーロッドDを回転させて、プランジャ
ーロッドDのネジ部FをラバーストッパーEのネジ穴G
にねじ込む必要がある。
【0024】従って、請求項1に係る発明では、プラン
ジャーロッド4をラバーストッパー2に接続する際に、
プランジャーロッドDをラバーストッパーEに螺着する
タイプの従来の注射器Aと比べて、接続に必要なプラン
ジャーロッド4の回転をより少なくすることができ、摩
擦抵抗をより小さくすることもできる。
【0025】なお、プランジャーロッド4を介してラバ
ーストッパー2を引き上げる際には、プランジャーロッ
ド4の第2係合片44a,44b,44c,44dがラ
バーストッパー2の第1係合片24a,24b,24
c,24dに当接して、ラバーストッパー2がプランジ
ャーロッド4と共に引き上げられる。
【0026】このため、プランジャーロッド4を介して
ラバーストッパー2を引き上げる際の、ラバーストッパ
ー2の第1係合片24a,24b,24c,24dに作
用する力のバランスを考えると、ラバーストッパー2の
第1係合片24a,24b,24c,24dは、1枚で
あるより、複数枚を180度間隔や120度間隔等、バ
ランス良く等間隔に配置する方が好ましい。
【0027】ところで、注射器1のプランジャーロッド
4の挿入部43には、図5,図7に図示されているよう
に、挿入部43の第2係合片44aの一方の端部からプ
ランジャーロッド4の桿部41の先端面42に向かって
伸びる平板状の第2阻止手段45aと、挿入部43の軸
芯線に対して第2阻止手段45aと線対称の位置に配置
された平板状の第2阻止手段45bとが形成されてい
る。
【0028】この第2阻止手段45a,45bは、プラ
ンジャーロッド4の第2係合片44a,44b,44
c,44dがラバーストッパー2の第1係合片24a,
24b,24c,24dの下側に配置された位置で、第
1係合片24a,24bであるラバーストッパー2の第
1阻止手段26に当接して、プランジャーロッド4の回
動を阻止する。
【0029】なお、注射器1では、ラバーストッパー2
の第1係合片24a,24bが第1阻止手段26を兼
ね、プランジャーロッド4の挿入部43に第2阻止手段
45a,45bが形成されているが、請求項2に係る発
明では、第1阻止手段26はラバーストッパー2の第1
係合片24a,24bに限定されず、第2阻止手段45
a,45bの形成箇所はプランジャーロッド4の挿入部
43に限定されない。
【0030】すなわち、請求項2に係る発明では、例え
ば、図10に図示されているように、ラバーストッパー
102の第1阻止手段126は、ラバーストッパー10
2の開口122側の端面125に凹設された係合穴等で
あっても良い。
【0031】そして、この係合穴がラバーストッパー1
02の第1阻止手段126である場合は、図11に図示
されているように、プランジャーロッド104の挿入部
143の第2係合片144a,144b,144c,1
44dがラバーストッパー102の第1係合片124
a,124b,124c,124dの下側に配置された
位置で、前記第1阻止手段126に係合する突起状の第
2阻止手段145が、プランジャーロッド104の桿部
141の先端面142に形成されることになる。
【0032】従って、請求項2に係る発明では、ラバー
ストッパー2に第1阻止手段26が形成され、プランジ
ャーロッド4には、該ロッド4の第2係合片44a,4
4b,44c,44dがラバーストッパー2の第1係合
片24a,24b,24c,24dの下側に配置された
位置で、前記第1阻止手段26に係合してプランジャー
ロッド4の回動を阻止する第2阻止手段45a,45b
が形成されていれば良い。
【0033】そして、請求項2に係る発明では、プラン
ジャーロッド4をラバーストッパー2に接続する際に、
プランジャーロッド4の挿入部43をラバーストッパー
2の空間部21内に挿入して、プランジャーロッド4を
回動させると、プランジャーロッド4の第2係合片44
a,44b,44c,44dがラバーストッパー2の第
1係合片24a,24b,24c,24dの下側に配置
された位置で、プランジャーロッド4の第2阻止手段が
45a,45bラバーストッパー2の第1阻止手段26
と係合して、前記位置でプランジャーロッド4の回動が
確実に停止する。
【0034】ところで、注射器1のプランジャーロッド
4の桿部41は、図5,図8,図9に図示されているよ
うに、桿部41の先端面42から後方へ伸びる第1部分
46と、その第1部分46に続く第2部分47とを具備
しており、その第2部分47には、桿部41の軸方向へ
伸びる突条48が2本形成されて、その第2部分47の
横断面の最長寸法Lが、第1部分46の横断面の最長寸
法Mに前記突条48の高さを加えた長さとされている。
【0035】そして、図1,図2に図示されているよう
に、シリンジ3内の、ラバーストッパー2の開口22側
の端面25から所定距離Nだけ離れたプランジャーロッ
ド挿入口33近傍の部位には、プランジャーロッド4の
回動を規制する回動規制部34が付設され、該規制部3
4は、プランジャーロッド4が挿脱可能な穴35を有
し、該穴35は、プランジャーロッド4の桿部41の第
1部分46が回転可能な貫通孔35aと、プランジャー
ロッド4の桿部41の第2部分47を挿脱可能ならしめ
る該第2部分47の突条48用の貫通溝35bとで形成
されている。
【0036】しかも、図5に図示されているように、プ
ランジャーロッド4の第1部分46の長さPは前記所定
距離Nより長く選定され、プランジャーロッド4の第2
部分47の長さQは、ラバーストッパー2がシリンジ3
内を図1図示の初期密嵌位置から注射終了位置(図示せ
ず)まで移動する移動長さより長く選定されている。
【0037】なお、注射器1では、図1に図示されてい
るように、シリンジ3内のプランジャーロッド挿入口3
3の近傍に回動規制部34が付設されているが、請求項
3に係る発明では、回動規制部34の付設箇所は、シリ
ンジ3内のプランジャーロッド挿入口33の近傍に限定
されず、シリンジ内3の、ラバーストッパー2の開口2
2側の端面25からプランジャーロッド挿入口33へ向
かって所定距離Nだけ離れた部位であれば良い。
【0038】以上説明した請求項3に係る発明では、プ
ランジャーロッド4の桿部41の第1部分46の長さP
が前記所定距離Nより長く選定されており、シリンジ3
の回動規制部34の穴35は、プランジャーロッド4の
桿部41の第1部分46が回転可能な貫通孔35aを有
しているので、プランジャーロッド4の挿入部43をラ
バーストッパー2の空間部21内に挿入して、プランジ
ャーロッド4を回動させることにより、プランジャーロ
ッド4の第2阻止手段45a,45bをラバーストッパ
ー2の第1阻止手段26と係合させ、プランジャーロッ
ド4の挿入部43の第2係合片44a,44b,44
c,44dをラバーストッパー2の第1係合片24a,
24b,24c,24dの下側に配置して、プランジャ
ーロッド4とラバーストッパー2とを接続することがで
きる。
【0039】この接続が完了した後、プランジャーロッ
ド4の第2阻止手段45a,45bとラバーストッパー
2の第1阻止手段26との係合を維持しながらプランジ
ャーロッド4を回動させて、プランジャーロッド4の第
2部分47の突条48を回動規制部34の穴35の貫通
溝35bに一致させ、この一致した位置でプランジャー
ロッド4を押進させると、プランジャーロッド4は、そ
の第2部分47の突条48が回動規制部34の穴35の
貫通溝35bに挿入されて、その回動がシリンジ3の回
動規制部34によって阻止される。
【0040】しかも、プランジャーロッド4の桿部41
の第2部分47の長さQは、ラバーストッパー2がシリ
ンジ3内を初期密嵌位置から注射終了位置まで移動する
移動長さより長く選定されているので、請求項3に係る
発明では、プランジャーロッド4の回動がシリンジ3の
回動規制部34によって阻止された状態は、ラバースト
ッパー2がシリンジ3内を注射終了位置に移動するまで
継続される。
【0041】このため、請求項3に係る発明では、例え
ば、シリンジ3内に注射液を吸引する際等、プランジャ
ーロッド4を介してラバーストッパー2を引き上げる際
に、プランジャーロッド4が回動してプランジャーロッ
ド4の第2係合片44a,44b,44c,44dが、
ラバーストッパー2の第1係合片24a,24b,24
c,24dとの当接から外れることがない。
【0042】従って、請求項3に係る発明では、プラン
ジャーロッド4を介してラバーストッパー2を引き上げ
る際に、プランジャーロッド4がラバーストッパー2か
ら抜けてしまうおそれがなく、プランジャーロッド4を
介してラバーストッパー2を確実に引き上げることがで
きる。
【0043】ところで、図12,図13には、請求項3
に係る発明の第2の実施例である注射器200が図示さ
れているが、この注射器200は、特開昭62−535
7号公報で公知の2室式容器兼用注射器に請求項3に係
る発明を応用したものである。
【0044】注射器200は、シリンジ203内におけ
る第1密封栓205と第2密封栓206との間に第1薬
液207が予め密封され、シリンジ203内における第
2密封栓207とラバーストッパー2との間に第2薬液
208が予め密封されており、第1薬液207と第2薬
液208とを注射時に混合して注射する2室式の容器兼
用注射器である。
【0045】なお、以下に行なう注射器200の説明に
おいて、ラバーストッパー2に関しては、注射器1のラ
バーストッパー2と同一の構造を有しているので、注射
器1で使用した符号と同一の符号を使用し、その説明を
省略する。
【0046】また、シリンジ203のフィンガーグリッ
プ32と、そのフィンガーグリップ32によってシリン
ジ203内に付設される回動規制部34に関しても、注
射器1のフィンガーグリップ32と同一の構造を有して
いるので、注射器1で使用した符号と同一の符号を使用
し、その説明を省略する。
【0047】更に、フィンガーグリップ32を除くシリ
ンジ203の構造は特開昭62−5357号公報等で公
知であるので説明を省略し、図14に図示されている注
射器200のプランジャーロッド204における先端部
243及び桿部241の第1部分246の構造も、注射
器1のプランジャーロッド4における先端部43及び桿
部41の第1部分46の構造と同一であるので、説明を
省略する。
【0048】図14〜図16に図示されているように、
注射器200のプランジャーロッド204における桿部
241の第2部分247は、桿部241の第1部分24
6に続く先端部247aと、その先端部247aに続く
後端部247bよりなり、先端部247aの長さと後端
部247bの長さを合計したプランジャーロッド204
の第2部分247の長さQは、ラバーストッパー2がシ
リンジ203内を図12図示の初期密嵌位置から注射終
了位置(図示せず)まで移動する移動長さより長く選定
されている。
【0049】プランジャーロッド204の第2部分24
7における先端部247aと後端部247bには何れ
も、桿部241の軸方向へ伸びる突条248が2本形成
されており、第2部分247の横断面の最長寸法Lは、
第1部分246の横断面の最長寸法Mに前記突条248
の高さを加えた長さとされているが、先端部247aの
突条248と後端部247bの突条248とは、位相が
90度ずらされている。
【0050】そして、プランジャーロッド204は、そ
の桿部241の先端面242から第2部分247におけ
る後端部247bの突条248の先端部247a側の端
面248aまでの長さRが、ラバーストッパー2がシリ
ンジ203内を図13に示される中間位置まで移動した
際の、ラバーストッパー2の開口22側の端面25から
シリンジ203の回動阻止部234の表面までの距離S
に等しく選定されている。
【0051】以上説明した注射器200では、図12,
図13に示されているように、プランジャーロッド20
4をラバーストッパー2に接続し、プランジャーロッド
204の桿部241の第2部分247における先端部2
47aの突条248をシリンジ203の回動規制部34
における穴35の貫通溝35b(図2参照)に挿入し
て、プランジャーロッド204を押進させると、ラバー
ストッパー2がシリンジ203内を図13に示される中
間位置まで移動した時点で、プランジャーロッド204
の第2部分247の後端部247bにおける突条248
の先端部247a側の端面248aがシリンジ203の
回動規制部34に当接して、プランジャーロッド204
の押進が停止させられる。
【0052】そして、前記中間位置では、第2密封栓2
06がシリンジ203のバイパス溝236直下に位置
し、ラバーストッパー2が第2密封栓236に当接して
いるので、ラバーストッパー2と第2密封栓236との
間のシリンジ203内に予め密封されていた第2薬液2
08は、その全量が、バイパス溝236を通ってシリン
ジ203内の第1薬液207側へ移動している。
【0053】このため、注射器200では、プランジャ
ーロッド204の押進が一旦停止した時点で注射器20
0全体をよく振ることにより、第1薬液207と第2薬
液208とをシリンジ203内で完全に混合させて、最
適な注射液を注射前に確実に作ることができる。
【0054】最適な注射液を作った後、注射器200で
は、プランジャーロッド204の第2阻止手段245
a,245bとラバーストッパー2の第1阻止手段26
との係合を維持しながらプランジャーロッド204を回
動させ、プランジャーロッド204の第2部分247の
後端部247bの突条248をシリンジ203の回動規
制部34の穴35の貫通溝35b(図2参照)に挿入し
て、プランジャーロッド204の回動を規制し、この規
制した状態で患者等に注射することによって、最適な注
射液を患者等に注射をすることができる。
【0055】しかも、この注射をする際には、シリンジ
203の回動規制部34によってプランジャーロッド2
04の回動が規制されているので、注射器200では、
注射をする際に、ナースアスピレーション等の目的でプ
ランジャーロッド204を介してラバーストッパー2を
引き上げても、プランジャーロッド204がラバースト
ッパー2から抜けてしまうおそれがなく、プランジャー
ロッド204を介してラバーストッパー2を確実に引き
上げることができる。
【0056】
【発明の効果】請求項1〜請求項3に係る各発明では、
プランジャーロッドをラバーストッパーに接続する際
に、プランジャーロッドをラバーストッパーに螺着する
タイプの従来の注射器と比べて、接続に必要なプランジ
ャーロッドの回転をより少なくすることができ、摩擦抵
抗をより小さくすることもできるので、より簡単な操作
でプランジャーロッドとラバーストッパーとを接続する
ことができ、接続時にラバーストッパーが移動するおそ
れを軽減することもできる。
【0057】請求項2,請求項3に係る両発明では、プ
ランジャーロッドをラバーストッパーに接続する際に、
プランジャーロッドの第2係合片がラバーストッパーの
第1係合片の下側に配置された位置で、プランジャーロ
ッドの第2阻止手段がラバーストッパーの第1阻止手段
と係合して、プランジャーロッドの回動が停止するの
で、プランジャーロッドを最適な停止位置で確実に停止
させることができる。
【0058】請求項3に係る発明では、プランジャーロ
ッドを介してラバーストッパーを引き上げる際に、シリ
ンジの回動阻止部によってプランジャーロッドの回動が
阻止されるので、プランジャーロッドがラバーストッパ
ーから抜けてしまうおそれがなく、従って、プランジャ
ーロッドを介してラバーストッパーを確実に引き上げる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜請求項3に係る各発明を併せて実施
した実施の一例の要部を一部断面で示す正面図である。
【図2】図1中のシリンジの平面図である。
【図3】図1中のラバーストッパーを半分断面で示す正
面図である。
【図4】図3に示すものの平面図である。
【図5】図1中のプランジャーロッドを示す正面図であ
る。
【図6】図5に示すものの左側面図である。
【図7】図5に示すもののV−V線断面図である。
【図8】図5に示すもののW−W線断面図である。
【図9】図5に示すもののX−X線断面図である。
【図10】図3図示のラバーストッパーとは別のラバー
ストッパーを示す平面図である。
【図11】図5図示のプランジャーロッドとは別のプラ
ンジャーロッドの要部を示す正面図である。
【図12】請求項3に係る発明の第2の実施例を示す縦
断面図である。
【図13】図12に示すもののプランジャーロッド押進
停止状態を示す縦断面図である。
【図14】図12中のプランジャーロッドを示す正面図
である。
【図15】図14に示すもののY−Y線断面図である。
【図16】図14に示すもののZ−Z線断面図である。
【図17】従来品の一例の縦断面図である。
【符号の説明】
1,200 注射器 2,102 ラバーストッパー 3,203 シリンジ 4,104,204 プランジャーロッド 21 空間部 22 空間部の開口 23 ラバーストッパーの内周面 24a,24b,24c,24d 第1係合片 25,125 ラバーストッパーの開口側の端面 26,126 第1阻止手段 33 プランジャーロッド挿入口 34 回動規制部 35 穴 35a 貫通孔 35b 貫通溝 41,141,241 プランジャーロッドの桿部 42,142,242 桿部の先端面 43,143,243 挿入部 44a,44b,44c,44d 第2係合片 45a,45b,145 第2阻止手段 46,246 第1部分 47,247 第2部分 48,248 突条 124a,124b,124c,124d 第1係合片 144a,144b,144c,144d 第2係合片 L 第2部分の横断面の最長寸法 M 第1部分の横断面の最長寸法 N 所定距離 P プランジャーロッドの第1部分の長さ Q プランジャーロッドの第2部分の長さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラバーストッパーが予めシリンジ内に密
    嵌されており、該ラバーストッパーとプランジャーロッ
    ドとが非係合で1セットとされている注射器において、
    前記ラバーストッパーが、空間部を有する有底筒状とさ
    れ、該空間部の開口をシリンジのプランジャーロッド挿
    入口へ向けてシリンジ内に密嵌されており、前記空間部
    を形成するラバーストッパーの内周面には、該内周面の
    周方向へ伸びる第1係合片が少なくとも1枚突設され、
    ラバーストッパーの前記開口側の端面に当接させられる
    プランジャーロッドの桿部の先端面には、ラバーストッ
    パーの前記空間部内に挿入される挿入部が突設され、該
    挿入部には、プランジャーロッドの回動によって前記第
    1係合片の下側に配置される第2係合片が形成されてい
    ることを特徴とする注射器。
  2. 【請求項2】 ラバーストッパーには第1阻止手段が形
    成され、プランジャーロッドには、該ロッドの第2係合
    片がラバーストッパーの第1係合片の下側に配置された
    位置で、前記第1阻止手段に係合してプランジャーロッ
    ドの回動を阻止する第2阻止手段が形成されている請求
    項1記載の注射器。
  3. 【請求項3】 プランジャーロッドの桿部が、該桿部の
    先端面から後方へ伸びる第1部分と、該第1部分に続く
    第2部分とを具備し、該第2部分には前記桿部の軸方向
    へ伸びる突条が少なくとも1本形成されて、該第2部分
    の横断面の最長寸法が、前記第1部分の横断面の最長寸
    法に前記突条の高さを加えた長さとされており、シリン
    ジ内の、ラバーストッパーの開口側の端面からプランジ
    ャーロッド挿入口へ向かって所定距離だけ離れた部位に
    は、プランジャーロッドの回動を規制する回動規制部が
    付設され、該規制部はプランジャーロッドが挿脱可能な
    穴を有し、該穴は、プランジャーロッドの前記第1部分
    が回転可能な貫通孔と、プランジャーロッドの前記第2
    部分を挿脱可能ならしめる該第2部分の突条用の貫通溝
    とで形成されており、プランジャーロッドの前記第1部
    分の長さが前記所定距離より長く選定され、プランジャ
    ーロッドの前記第2部分の長さは、ラバーストッパーが
    シリンジ内を初期密嵌位置から注射終了位置まで移動す
    る移動長さより長く選定されている請求項2記載の注射
    器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009240646A (ja) * 2008-03-31 2009-10-22 Terumo Corp プレフィルドシリンジ用注射器、プレフィルドシリンジおよび包装済みプレフィルドシリンジ
JP2019517361A (ja) * 2016-09-12 2019-06-24 ウェイ,ミン 薬物搬送装置

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