JPH09298898A - ステッパモータ式駆動装置 - Google Patents

ステッパモータ式駆動装置

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JPH09298898A
JPH09298898A JP8108057A JP10805796A JPH09298898A JP H09298898 A JPH09298898 A JP H09298898A JP 8108057 A JP8108057 A JP 8108057A JP 10805796 A JP10805796 A JP 10805796A JP H09298898 A JPH09298898 A JP H09298898A
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JP
Japan
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stepper motor
drive
driven member
cycle
driven
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Application number
JP8108057A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Ichinomoto
和宏 一本
Takeo Kume
建夫 久米
Kazumasa Iida
和正 飯田
Katsuhiko Miyamoto
勝彦 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

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  • Exhaust-Gas Circulating Devices (AREA)
  • Control Of Stepping Motors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ステッパモータ式駆動装置に関
し、ポジションセンサに頼らずにステッパモータ式駆動
位置を把握できるようにして簡素で信頼性の高い駆動シ
ステムにおいて、ステッパモータの脱調を防止できるよ
うにすることを目的としている。 【解決手段】 被駆動部材30Eと、被駆動部材30E
を駆動するステッパモータ30Fと、被駆動部材の位置
検出手段161と、被駆動部材の目標位置設定手段16
2と、目標位置情報と現在位置情報とからステッパモー
タ30Fにパルス信号を付与し作動させるステッパモー
タ駆動手段163とをそなえ、ステッパモータ駆動手段
163が、ステッパモータ30Fを限界位置側へ駆動す
るときであって且つ被駆動部材30Eの現在位置が該限
界位置に接近したときに、ステッパモータ30Fの作動
速度を低速に切り替える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステッパモータに
より駆動される被駆動部材の脱調を防止して適正に行な
わせるのに適したステッパモータ式駆動装置に関し、被
駆動部材の脱調を防止することで被駆動部材の現在位置
情報を得るための限界位置情報の初期化を適切に行なう
のに好適な、ステッパモータ式駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ステッパモータは、小刻みに正確な回転
角度だけ作動するため、種々の駆動対象(被駆動部材)
を駆動するのに用いられている。このステッパモータ
は、パルス電流を印加することで、パルス数に応じて作
動するため、被駆動部材を電子制御するのに適してお
り、被駆動部材の正確な動きを期待できる。
【0003】そこで、例えばエンジンにおいて、電子制
御スロットル弁や、アイドルスピードコントロール用の
スロットルバイパス弁や、EGR弁(排ガス還流バル
ブ)等の各種開閉弁の駆動のために、このステッパモー
タが用いられている。このようなステッパモータの作動
を制御するには、ステッパモータの位置(又は、被駆動
部材の位置)を検出して、この検出結果に基づいて目標
位置への制御を行なうが、ステッパモータの場合には、
特にポジションセンサを設けずに、ステッパモータに印
加される電流のパルス数をカウントしながら、ステッパ
モータの位置(又は、被駆動部材の位置)を算出するこ
とが行なわれている。
【0004】つまり、ステッパモータに印加される電流
のパルス数をカウントして、予め得たステッパモータの
基準位置情報(即ち、被駆動部材の基準位置情報)に対
してこのパルス数のカウント値を積算することで実際の
位置情報を得るようにして、こうして得られた実位置情
報をコントローラ(ECU=電子制御ユニット)内の記
憶装置に保存させ、被駆動部材を目標位置へ駆動するた
めのポジションフィードバック用実位置情報として使用
するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
にステッパモータにより被駆動部材を駆動する場合、常
に正確に被駆動部材を駆動できるとは限らない。つま
り、被駆動部材に生じる駆動摩擦や慣性力によって、付
与したステップ数まで被駆動部材を駆動できないこと
や、付与したステップ数よりも多く被駆動部材を駆動し
てしまうことも考えられ、この場合、ECU内に保存し
た実位置情報が実際の位置とずれて、いわゆる脱調が発
生することになる。
【0006】上述のように、ステッパモータを作動を制
御するにあたってポジションセンサ出力を利用しない
で、ステッパモータに付与したステップ数をカウントし
ながら被駆動部材の位置を検出する場合には、このよう
に脱調が発生すると、被駆動部材を目標位置へ正確に位
置調整することが困難になってしまう。ところで、この
ような脱調は、ステッパモータへ付与される駆動パルス
の周期が短くなるほど、即ち、ステッパモータの駆動速
度が高速になればなるほど、その蓋然性が高くなる。
【0007】他方、被駆動部材の制御応答性を高める観
点から、被駆動部材の駆動速度は極力速いことが要求さ
れるため、この要求を見たそうとすると、必然的に脱調
の発生確率は増大する。そこで、一定の高速条件下でス
テッパモータを駆動した場合に、現実に問題となるよう
な大きな脱調が発生する状況を考察したところ、主とし
て次の2つの状況で大きな脱調が発生することがわかっ
た。
【0008】被駆動部材が機械的限界位置(バルブの
場合には、全閉位置又は前回位置等が相当する)に達し
た際にストッパ等に衝突してバウンスする場合 被駆動部材の駆動方向が例えば正転から逆転へという
ように急激に切り替えられる場合 のように被駆動部材が機械的限界位置に衝突する機会
としては、次のようなものが考えられる。
【0009】つまり、例えば特開昭57−26238号
等に開示されているように、ECU内に記憶されたステ
ッパモータ又は被駆動部材の実位置情報を初期化する際
に、被駆動部材を機械的限界位置に強制的に衝突させる
ときや、ステッパモータの通常駆動中に、何らかの原因
で実際の被駆動部材の位置がECUに記憶された実位置
情報よりも機械的限界位置側にずれて脱調を発生してい
る状態で、目標位置が機械的限界位置又はその近傍に設
定されて被駆動部材がその目標位置へ駆動されたときで
ある。
【0010】また、のように被駆動部材の駆動方向が
急激に切り替えられる機会は、被駆動部材の目標位置へ
の駆動中や目標位置への駆動完了直後に目標位置が変更
されて急に逆方向へ被駆動部材を駆動することになって
しまう場合が想定される。また、脱調するしないに係わ
らず、被駆動部材が機械的限界位置に衝突した場合には
異音が発生するので、この異音が耳障りとなる点も問題
となる。
【0011】ところで、の被駆動部材の衝突に対処す
るものとして、特開平7−34945号公報の技術があ
る。この技術は、被駆動部材(スロットル弁)が機械的
限界位置へ駆動指示されたときには、ポジションセンサ
出力を用いて、被駆動部材の機械的限界位置への衝突そ
のものを抑止して、その際に、実位置情報の初期化も行
なうものであり、この公報には、さらに、スロットル弁
の全閉近傍では駆動速度を低減することや、位置情報の
初期化時にも最終的に低速で駆動を行なうことが記載さ
れている。
【0012】しかしながら、この技術では、被駆動部材
の限界位置への衝突を抑止するロジックが複雑な上、本
願発明の対象となる装置とは異なりポジションセンサを
用いているため、ポジションセンサの耐久性,信頼性が
問題となる。すなわち、この技術では、より簡素なロジ
ックで被駆動部材の限界位置への衝突時のバウンスを抑
止できるようにするという課題や、ポジションセンサの
耐久性,信頼性等の不安を解消できるようにするという
課題が残される。
【0013】また、特開平2−95763号公報には、
ステッパモータの駆動初速を遅くしてその後駆動速度を
速くする技術が開示されているが、目標位置での駆動の
停止や逆転駆動時に関しては明確な開示がない。このた
め、のように目標位置の変更により被駆動部材を急に
逆方向へ駆動しなくてはならない場合等に生じやすい脱
調については何ら対応することができない。
【0014】本発明は、上述の課題に鑑み創案されたも
ので、ポジションセンサに頼らずにステッパモータ式駆
動位置を把握できるようにして簡素で信頼性の高い駆動
システムにおいて、ステッパモータの脱調を防止できる
ようにするとともに、被駆動部材が機械的限界位置に衝
突した場合の異音の発生も抑制できるようにした、ステ
ッパモータ式駆動装置を提供することを目的としてい
る。
【0015】また、この脱調を防止するという本発明の
目的について、さらに具体的に上げれば、初期化時に被
駆動部材が限界位置へ衝突した際のバウンスを低減し初
期化を確実に行なうようにして脱調を防止することであ
り、通常制御時の被駆動部材の限界位置への駆動時に予
め許容範囲内での脱調が生じていた場合にバウンスによ
り脱調が助長されるのを抑制して制御上問題となる脱調
が生じないようにすることであり、ステッパモータの駆
動方向の変更を工夫してこれに関する脱調を抑制するこ
とであり、特に、EGR弁の駆動用に好適な装置を提供
できるようにすることである。
【0016】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明のステッパモータ式駆動装置は、機械的に定め
られた限界位置又はその直近まで駆動可能な被駆動部材
と、パルス信号に応じて作動し該被駆動部材を駆動する
とともに正逆回転可能で且つ作動速度が可変のステッパ
モータと、該ステッパモータへのパルス信号のパルス数
のカウント結果を該被駆動部材の現在位置情報として保
持する位置検出手段と、該被駆動部材の目標位置を設定
する目標位置設定手段と、該目標位置設定手段からの目
標位置情報と該位置検出手段からの現在位置情報とに基
づいて該被駆動部材の位置が該目標位置となるように該
ステッパモータにパルス信号を付与し作動させるステッ
パモータ駆動手段とをそなえ、該ステッパモータ駆動手
段が、該ステッパモータを該限界位置側へ駆動するとき
であって且つ該位置検出手段から得られる該被駆動部材
の現在位置が該限界位置に接近したときに、該ステッパ
モータの作動速度を低速に切り替えて該ステッパモータ
へパルス信号を付与することを特徴としている。
【0017】請求項2記載の本発明のステッパモータ式
駆動装置は、機械的に定められた限界位置又はその直近
まで駆動可能な被駆動部材と、パルス信号に応じて作動
し該被駆動部材を駆動するとともに正逆回転可能で且つ
作動速度が可変のステッパモータと、該ステッパモータ
へのパルス信号のパルス数のカウント結果を該被駆動部
材の現在位置情報として保持する位置検出手段と、該被
駆動部材の目標位置を設定する目標位置設定手段と、該
目標位置設定手段からの目標位置情報と該位置検出手段
からの現在位置情報とに基づいて該被駆動部材の位置が
該目標位置となるように該ステッパモータに駆動用パル
スを付与するとともに、該ステッパモータを該限界位置
方向へ正転駆動するときには正転用駆動周期で逆転駆動
するときには該正転用駆動周期と同一又は異なる逆転用
駆動周期でそれぞれ該駆動用パルスを付与して該ステッ
パモータを駆動するステッパモータ駆動手段とをそな
え、該ステッパモータ駆動手段が、該ステッパモータを
該限界位置側へ駆動するときであって且つ該位置検出手
段から得られる該被駆動部材の現在位置が該限界位置に
接近したときに、該ステッパモータの正転方向への駆動
周期を該正転用駆動周期よりも長い限界用駆動周期に切
り替えて該ステッパモータへ駆動用パルスを付与するこ
とを特徴としている。
【0018】請求項3記載の本発明のステッパモータ式
駆動装置は、請求項2記載の装置において、特定の指令
情報に応答して作動し、該ステッパモータに対して該被
駆動部材が該限界位置に到達するのに必要な最小パルス
数を超過する数の駆動パルスを付与して該ステッパモー
タを駆動して、このときに該位置検出手段から得られる
現在位置情報が該限界位置に対応するものとして該現在
位置情報を初期化する初期化手段をそなえ、該初期化手
段が、該初期化時の該被駆動部材を該限界位置に到達さ
せる際の該ステッパモータへ付与する駆動パルスの周期
を該正転用駆動周期よりも長い該限界用駆動周期と同一
又は該限界用駆動周期とは異なる初期化用駆動周期とす
ることを特徴としている。
【0019】請求項4記載の本発明のステッパモータ式
駆動装置は、請求項2又は3記載の装置において、該被
駆動部材がEGR弁であり、該限界位置が該EGR弁の
全閉位置であり、該正転用駆動周期よりも該逆転用駆動
周期の方が長く設定されるとともに、該逆転用駆動周期
よりも該限界位置用駆動周期の方が長く設定されている
ことを特徴としている。
【0020】請求項5記載の本発明のステッパモータ式
駆動装置は、機械的に定められた限界位置又はその直近
まで駆動可能な被駆動部材と、パルス信号に応じて作動
し該被駆動部材を駆動するとともに正逆回転可能で且つ
作動周期が可変のステッパモータと、該ステッパモータ
へのパルス信号のパルス数のカウント結果を該被駆動部
材の現在位置情報として保持する位置検出手段と、該被
駆動部材の目標位置を設定する目標位置設定手段と、該
目標位置設定手段からの目標位置情報と該位置検出手段
からの現在位置情報とに基づいて該被駆動部材の位置が
該目標位置となるように該ステッパモータに駆動用パル
スを付与するとともに、該ステッパモータを該限界位置
方向へ正転駆動するときには正転用駆動周期で逆転駆動
するときには該正転用駆動周期と同一又は異なる逆転用
駆動周期でそれぞれ該駆動用パルスを付与して該ステッ
パモータを駆動するステッパモータ駆動手段と、特定の
指令情報に応答して作動し、該ステッパモータに対して
該被駆動部材が該限界位置に到達するのに必要な最小パ
ルス数を超過する数の駆動パルスを付与して該ステッパ
モータを駆動して、このときに該位置検出手段から得ら
れる現在位置情報が該限界位置に対応するものとして該
現在位置情報を初期化する初期化手段をそなえ、該初期
化手段が、該初期化時の該被駆動部材を該限界位置に到
達させる際の該ステッパモータへ付与する駆動パルスの
周期を該正転用駆動周期よりも長い該限界用駆動周期と
同一又は該限界用駆動周期とは異なる初期化用駆動周期
とすることを特徴としている。
【0021】請求項6記載の本発明のステッパモータ式
駆動装置は、被駆動部材と、パルス信号に応じて作動し
該被駆動部材を駆動するとともに正逆回転可能で且つ作
動周期が可変のステッパモータと、該ステッパモータへ
のパルス信号のパルス数のカウント結果を該被駆動部材
の現在位置情報として保持する位置検出手段と、該被駆
動部材の目標位置を設定する目標位置設定手段と、該目
標位置設定手段からの目標位置情報と該位置検出手段か
らの現在位置情報とに基づいて該被駆動部材の位置が該
目標位置となるように該ステッパモータに駆動用パルス
を付与するとともに、該ステッパモータを第1の方向へ
駆動するときには第1の駆動周期で駆動パルスを発し、
該ステッパモータを該第1の方向とは反対の第2の方向
へ駆動するときには該第1の駆動周期と同一又は該第1
の駆動周期よりも長い第2の駆動周期で駆動パルスを発
して該ステッパモータを駆動するステッパモータ駆動手
段と、該ステッパモータ駆動手段から付与される駆動パ
ルスによるステッパモータの駆動方向が切り替わるとき
には切替前後の駆動停止期間を該第2の駆動周期よりも
長く設定する切替時制御手段とをそなえていることを特
徴としている。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明すると、図1〜図15は本発明の一
実施形態としてのステッパモータ式駆動装置,本駆動装
置を有する排出ガス還流制御装置及びこの排出ガス還流
制御装置を有する内燃機関に関して示すものである。
【0023】本実施形態では、ステッパモータにより駆
動される被駆動部材が、EGR弁(排ガス還流バルブ)
である場合を例に説明する。ここで、まず、EGR弁3
0について説明する。
【0024】このEGR弁30は、図2に示すように、
バルブケース30A内に、流入路30B及び流出路30
Cからなる流路をそなえ、この流入路30Bと流出路3
0Cとの間に、バルブシート30D及びこのバルブシー
ト30Dに密着当接しうる弁体(スプール弁)30Eが
配設されており、この弁体30Eが、被駆動部材そのも
のに相当する。
【0025】この弁体30Eは、ステッパモータ30F
で所要の開度に駆動されるようになっている。つまり、
弁体30Eは、弁軸30Jに装着されており、この弁軸
30Jは同軸上に配設された軸30K,軸30Lと連動
して進退するようになっており、軸30Lの外周に、ス
テッパモータ30Fで回転駆動されるロータ30Mが螺
合している。そして、ステッパモータ30Fでロータ3
0Mが回転駆動されると、軸30Lとの螺合部で、回転
運動が軸の進退運動に変換されて、軸30Kを介して弁
軸30Jが進退しながら弁体30Eを駆動して開度制御
を行なうようになっている。
【0026】さらに、このステッパモータ30Fのフェ
イル時にそなえて弁体30Eを閉鎖側へ付勢するリター
ンスプリング30Gが装備されている。これにより、ス
テッパモータ30Fのフェイル時には、弁体30Eが閉
鎖され、EGRは停止状態になる。また、30Hは、カ
ーボン除去フィルタであり、弁体30Eの摺動部へのカ
ーボンを除去して弁体30Eの固着(スティック)を防
止している。
【0027】ここで、ステッパモータ30Fについて説
明する。ステッパモータ30Fには、永久磁石型(PM
型),可変レラクタンス型(VR型),複合型(ハイブ
リッド型)などの既存の種々のステッパモータを利用で
きるが、例えば永久磁石型の場合には、図3に示すよう
な構成のものを利用できる。この永久磁石型ステッパモ
ータは、図3(A)に示すように、円周方向に磁化され
た永久磁石で構成された回転子300と、回転子300
の外周に所要のステップ角(ここでは90°)毎にそな
えられた第1〜第4の電磁石301,302,303,
304とをそなえている。なお、4つの電磁石のうち、
301と303とをA相,302と304とをB相とす
る。
【0028】また、図4に示すように、A相を構成する
第1及び第3の電磁石301,303のコイル(図中の
第1コイル,第3コイル)301A,303Aの端子
は、一端側(図中で示す)を共にバッテリに接続さ
れ、他端側(図中,で示す)をスイッチング端子と
して、適宜アース接続され、B相を構成する第2及び第
4の電磁石302,304のコイル(図中の第2コイ
ル,第4コイル)302A,304Aの端子も、一端側
(図中で示す)を共にバッテリに接続され、他端側
(図中,で示す)をスイッチング端子として、適宜
アース接続される。
【0029】このような各電磁石301〜304のスイ
ッチング端子,,,は、図5に示すような組み
合わせの2相励磁方式で励磁される。つまり、位相番号
0では、図3の(A)に示すように第4及び第1の電磁
石304,301が励磁され、位相番号1では、図3の
(B)に示すように第1及び第2の電磁石301,30
2が励磁され、位相番号2では、図3の(C)に示すよ
うに第2及び第3の電磁石302,303が励磁され、
位相番号3では、図3の(D)に示すように第3及び第
4の電磁石303,304が励磁される。
【0030】ここでは、位相番号0,1,2,3,0,
1,・・・の順序で、励磁していく場合、即ち、図3の
(A),(B),(C),(D),・・・の順序で図3
中で右回りに回転するとEGR弁が開放していき、逆
に、位相番号0,3,2,1,0,3,・・・の順序
で、励磁していく場合、即ち、図3の(A),(D),
(C),(B),・・・の順序で図3中で左回りに回転
するとEGR弁が閉鎖していくようになっている。
【0031】このようなステッパモータ式駆動装置で
は、基準位置「0」から正転方向(閉鎖する方向)に回
転させる場合には、例えば図6に示すように、正転信号
(ステップ数が正である旨の信号)と、所要(ステップ
数に応じた)のパルス数のパルス信号を送ることで、ス
テッパモータは、正転信号及びパルス信号に応じて、位
相番号を0から1,2,3,0,1,・・・の順にパル
ス数だけ変化させて回転していく。また、基準位置
「0」から逆転方向(開放する方向)に回転させる場合
には、逆転信号(ステップ数が負である旨の信号)と、
所要(ステップ数に応じた)のパルス数のパルス信号を
送ることで、ステッパモータは、逆転信号及びパルス信
号に応じて、位相番号を0から3,2,1,0,3,・
・・の順にパルス数だけ変化させて回転していくことに
なる。
【0032】したがって、例えばステップ数4に相当す
る駆動信号としては、図6中で基準位置(ステップ数
0)から上方(正転方向)へ4ステップ移行するように
与え、位相番号を0から1,2,3,0へと変化させて
いくことになり、また、ステップ数−3に相当する駆動
信号としては、図6中で基準位置(ステップ数0)から
下方(逆転方向)へ3ステップ移行するように与え、位
相番号を0から3,2,1へと変化させていくことにな
る。
【0033】したがって、たとえば位相番号が0でバル
ブが全閉となるものとすると、適当な開度からバルブを
全閉にするには、位相番号を・・・・・3,2,1と変
化させて最後には0になるように制御することになる。
また、たとえば位相番号が3でバルブが全開となるもの
とすると、適当な開度からバルブを全開にするには、位
相番号を・・・・・0,1,2と変化させて最後には3
になるように制御することになる。
【0034】ところで、このような本ステッパモータ式
駆動装置では、図1に示すように、ステッパモータ30
Fを駆動するために、電子制御ユニット(ECU)16
が用いられるが、このECU16内には、被駆動部材と
しての弁体30Eの位置を検出する機能(位置検出手
段)161と、被駆動部材としての弁体30Eの目標位
置を設定する機能(目標位置設定手段)162と、上述
のようにステッパモータ30Fにパルス信号を付与して
ステッパモータ30Fを作動させる機能(ステッパモー
タ駆動手段)163とをそなえている。
【0035】位置検出手段161は、弁体30Eの位置
を直接検出するポテンショメータ等ではなく、ステッパ
モータ30Fへ与えたパルス信号のパルス数をカウント
してこれを積算しながら、被駆動部材である弁体30E
の位置を検出するものである。このようにパルス数のカ
ウントによリ位置を検出するには、予め弁体30Eの位
置を認識することが必須である。
【0036】そこで、弁体30Eの位置を予め機械的限
界位置(例えば全閉位置又は全開位置)へ駆動して、こ
の位置を基準にパルス数のカウントによリ位置検出を行
えるようにする機能(初期化手段)164がそなえられ
ている。この初期化設定手段164は、特定の指令情報
(ここでは、イグニッションスイッチがオンとなったエ
ンジン始動情報)に応答して作動し、この初期化時に
は、ステッパモータ30Fの全ストローク分、即ち、全
閉から全開まで又は全開から全閉まで駆動するのに要す
るステップ数SN分だけのパルス数PNmax 、又は、こ
の全ストローク分に相当するパルス数よりも幾分多いパ
ルス数(PNmax +α)だけ、同一回転方向にパルス信
号を与える。
【0037】したがって、たとえば位相番号が0でバル
ブが全閉となるもので初期化時にバルブを全閉とする場
合、全ストローク分だけのパルス数PNmax 、又は、こ
れよりも幾分多いパルス数(PNmax +α)を付与する
ことで位相番号が最後には0になるように制御し、たと
えば位相番号が3でバルブが全開となるもので初期化時
にバルブを全開とする場合、全ストローク分だけのパル
ス数PNmax 、又は、これよりも幾分多いパルス数(P
Nmax +α)を付与することで位相番号が最後には3に
なるように制御する必要がある。
【0038】初期化時に弁体30Eの位置を全閉位置へ
駆動する場合には、上述のようなパルス信号の付与によ
り、初期化前にバルブが例え全開位置にあったとしても
確実に全閉位置に戻して初期化することができるのであ
る。逆に、初期化時に弁体30Eの位置を全開位置へ駆
動する場合には、初期化前にバルブが例え全閉位置にあ
ったとしても確実に全開位置に戻して初期化することが
できるのである。
【0039】位置検出手段161では、この初期化され
たバルブ位置(全閉位置又は全閉位置)を基準位置とし
て、この基準位置にその後のパルス数をカウントしなが
らこれを積算していって、バルブ位置(被駆動部材の現
在位置)の情報を得るようになっている。また、位置検
出手段161では、その記憶部にこのバルブ位置情報を
記憶(保持)するようになっている。
【0040】目標位置設定手段162では、例えば後述
する図8〜図10に示すようにエンジンの燃焼モード等
に応じてEGR弁30の開度を設定するが、目標位置設
定手段162では、目標有効圧Peとエンジン回転速度
Neとから、マップに基づいてEGRの流量を設定し、
この設定したEGR流量に対応してEGR弁の目標開口
度(即ち、目標位置)Etpを設定する。この設定につ
いての詳細は後述する。
【0041】ステッパモータ駆動手段163では、目標
位置設定手段162で設定された目標位置、即ち、EG
R弁の目標開口度Etpに応じてステッパモータに駆動
用の駆動方向信号(正転信号又は逆転信号)及びパルス
信号を送って回動させる。この駆動にかかる信号は、設
定された目標位置と位置検出手段161に記憶されたバ
ルブ位置情報とに基づいて、現在位置から目標位置へ正
転すべきか逆転すべきか、及び、何ステップだけ正転又
は逆転すべきかにより決定される。
【0042】ところで、ステッパモータ駆動手段163
では、弁体の位置情報,弁体の駆動方向(ステッパモー
タ30Fの回転方向)や、初期化用の駆動であるか否か
等に応じて、ステッパモータ30Fの駆動周期を変更し
て、その作動を制御するようになっているほか、正転,
逆転切替時には、弁体30Eの慣性力による動きが収ま
るのを待ってから、ステッパモータ30Fの駆動を開始
するようになっている。
【0043】すなわち、本装置では、ステッパモータの
駆動周期として、逆転駆動用周期(開駆動用周期)T
1,正転駆動用周期(閉駆動用周期)T2,初期化用
(イニシャライズ用)兼限界用駆動周期T3の3通りが
設定されており、これらはT3>T1>T2の関係、即
ち、正転駆動用周期(閉駆動用周期)T2が最も短く、
ついで、逆転駆動用周期(開駆動用周期)T1が短く、
イニシャライズ用兼限界用駆動周期T3は最も長く設定
されている。
【0044】イニシャライズ用兼限界用駆動周期T3を
最も長く設定するのは、ステッパモータを例えばバルブ
の全閉位置や全開位置などの機械的な限界位置へ駆動す
ると、被駆動体即ちバルブ本体が機械的な衝突をしてバ
ウンスするおそれがあり、この際に生じる不具合を回避
するためである。つまり、図3〜6に示すように、90
°毎に0,1,2,3の各位相位置が設定されると、バ
ルブ本体が高速で機械的な衝突をしてバウンスすると、
本来ステップ数0の位相位置が0の位置にあるべきバル
ブ本体が、4ステップ離れたステップ数4の位相位置0
にずれてしまうおそれがある。
【0045】即ち、イニシャライズ時に全閉位置や全開
位置で大きくバウンスしては、バルブ本体を確実に全閉
位置又は全開位置へと駆動することができず、これでは
正確なイニシャライズは達成できない。また、イニシャ
ライズ時に限らず通常駆動時においても、同様に全閉位
置や全開位置といった期間的な限界位置でバウンスして
は、同様に脱調を招いてしまう。
【0046】そこで、このようなバウンスを回避できる
ように、イニシャライズ時用兼限界駆動周期T3を長く
設定して、ステッパモータの実質的な駆動速度を緩やか
にしようとするものである。もちろん、ステッパモータ
の位置保持力がバルブの慣性力に負けてしまうと、バル
ブの全閉位置や全開位置などの機械的な限界位置でなく
てもバルブのずれが生じるおそれがあるが、これは、ス
テッパモータが、この主の装置がそなえる性能の許容範
囲内であれば、機械的な限界位置でのバウンスのような
現象が発生するおそれは少なく、通常の駆動周期T1,
T2は、ステッパモータの位置保持力がバルブの慣性力
に負けない範囲で、イニシャライズ時用兼限界駆動周期
T3よりも短く設定しうる。
【0047】さらに、逆転駆動用周期(開駆動用周期)
T1を、正転駆動用周期(閉駆動用周期)T2よりも長
く設定するのは、EGR弁の開駆動は、比較的長い周期
T1でステッパモータの実質的な駆動速度を緩やかにし
て、EGR弁の開動速度を遅くし、急激なEGR導入を
回避しようとするものである。一方、EGR弁の閉駆動
は、比較的短い周期T2でステッパモータの実質的な駆
動速度を速くして、EGR弁の閉動速度を速め、EGR
導入の停止を速やかにすることで、早急に新気エアの増
加を実現させて、エンジン出力の向上を速やかに高めら
れるようにするためである。
【0048】また、正転(閉動)から逆転(開動)へ又
は逆転(開動)から正転(閉動)へと被駆動部材である
弁体30Eの駆動方向が逆転するときには、逆転タイマ
を作動させるようになっている。この逆転タイマは、正
転・逆転切替時に、弁体30Eの慣性力による動きが収
まるのを待つための切替待機時間であり、所定値TSの
待機時間が設定されている。
【0049】この切替待機時間TSだけモータの作動を
停止させておくことで、弁体30Eの慣性力による動き
が収まって、弁体30Eの逆方向への駆動を正確に行え
るようにしているのである。なお、この切替待機時間T
Sは前述の各駆動用周期T1,T2,T3の何れよりも
長く設定されているのである(つまり、TS>T3>T
1>T2)。
【0050】本ステッパモータ式駆動装置を用いた排出
ガス還流制御装置(EGR)はこのように構成される
が、ここで、本実施形態にかかる排出ガス還流制御装置
(EGR)を有するエンジンの構成について図7を参照
して説明する。このエンジンはガソリンエンジンであ
り、図7において、1はエンジン本体、2は吸気通路、
3はスロットル弁設置部分、4はエアクリーナ、5はバ
イパス通路(第1バイパス通路)、6はバイパスバルブ
である。吸気通路2は、上流側から吸気管7,サージタ
ンク8,吸気マニホールド9の順で接続された構成にな
っており、バイパス通路5はサージタンク8の上流側に
設けられている。
【0051】また、バイパス通路5に設けられるバイパ
スバルブ〔これを、エアバイパスバルブ(ABV)とよ
ぶ〕は、本実施形態では互いに並列に設けられた第1エ
アバイパスバルブ(第1バルブ)10と第2エアバイパ
スバルブ(第2バルブ)11とからなる。つまり、バイ
パス通路5のバイパスバルブ設置箇所は2つの通路部分
5a,5bに分岐しており、各通路部分5a,5bは互
いに等しい流路面積を有するように構成されている。
【0052】また、第1エアバイパスバルブ10,第2
エアバイパスバルブ11も互いに大きさの等しい同規格
の電磁弁で構成されているが、第1エアバイパスバルブ
10は、オンオフ弁であり、第2エアバイパスバルブ1
1はデューティ制御弁である。したがって、第1エアバ
イパスバルブ10は全閉状態と全開状態とのいずれに切
り替えられ、第2エアバイパスバルブ11は設定された
デューティ比に応じるようにしてオンオフを繰り返しな
がら時間平均の弁開度が調整される。
【0053】また、12はアイドルスピートコントロー
ラ(ISC)であり、バイパス通路(第2バイパス通
路)13とバイパスバルブとしてのISCバルブ(第3
バルブ)14とからなり、ISCバルブ14は図示しな
いステッパモータで駆動されるようになっている。15
はスロットルバルブであり、バイパス通路13及びバイ
パス通路5は、吸気通路2のスロットルバルブ15の装
着部分をバイパスするようにしてそれぞれの上流端及び
下流端を吸気通路2に接続されている。
【0054】なお、第1エアバイパスバルブ10,第2
エアバイパスバルブ11,ISCバルブ14の開度制御
は、これらの各バルブの開度による合計流量が所要のエ
アバイパス流量となるように相互関連しながら制御され
るようになっている。したがって、リーン燃焼運転とリ
ッチ燃焼運転との切替時には、第1エアバイパスバルブ
10のオンオフ制御により、速やかにエアバイパス流量
を変更でき、また、エアバイパス流量の微調整は第2エ
アバイパスバルブ11及びISCバルブ14により行な
うことができる。
【0055】そして、第1エアバイパスバルブ10,第
2エアバイパスバルブ11,ISCバルブ14の各開閉
制御は電子制御装置(ECU)16を通じて行なわれる
ようになっている。また、17は排気通路、18は燃焼
室であり、吸気通路2及び排気通路17の燃焼室18へ
の開口部、即ち吸気ポート2A及び排気ポート17Aに
は、吸気弁19及び排気弁20が装備されている。さら
に、21は燃料噴射弁(インジェクタ)であり、本実施
形態では、インジェクタ21が燃焼室18へ直接燃料噴
射するように配設されている。
【0056】そして、22は燃料タンク、23A〜23
Eは燃料供給路、24は低圧燃料ポンプ、25は高圧燃
料ポンプ、26は低圧レギュレータ、27は高圧レギュ
レータ、28はデリバリパイプであり、燃料タンク22
内の燃料を低圧燃料ポンプ24で駆動して更に高圧燃料
ポンプ25で加圧して所定の高圧状態で燃料供給路23
A,23B,デリバリパイプ28を通じてインジェクタ
21へ供給するようになっている。この際、低圧燃料ポ
ンプ24から吐出された燃料圧力は低圧レギュレータ2
6で調圧され、高圧燃料ポンプ25で加圧されてデリバ
リパイプ28に導かれる燃料圧力は高圧レギュレータ2
7で調圧されるようになっている。
【0057】また、29は排気ガス還流通路(EGR通
路)、30は前述のようにEGR29を通じた排気ガス
の還流量を調整するEGR弁(排ガス還流バルブ)であ
り、31はブローバイガスを還元する流路であり、32
はクランク室積極換気用の通路、33はクランク室積極
換気用のバルブであり、34はキャニスタであり、35
は排気ガス浄化用触媒(ここでは、三元触媒)である。
【0058】ところで、ECU16では、図7に示すよ
うに、第1エアバイパスバルブ10,第2エアバイパス
バルブ11,ISCバルブ14の開閉制御又は開度制御
を行なうほか、インジェクタ21や図示しない点火プラ
グのための点火コイルやEGR弁の制御や高圧レギュレ
ータ27による燃圧制御も行なうようになっている。こ
れらの制御のために、図7に示すように、エアフローセ
ンサ(図示略),吸気温度センサ36,スロットル開度
を検出するスロットルポジションセンサ(TPS)3
7,アイドルスイッチ38,ブーストセンサ39,エア
コンスイッチ(図示略),変速ポジションセンサ(図示
略),車速センサ(図示略),パワーステアリングの作
動状態を検出するパワステスイッチ(図示略),スター
タスイッチ(図示略),第1気筒検出センサ40,クラ
ンク角センサ41,エンジンの冷却水温を検出する水温
センサ42,排気ガス中の酸素濃度を検出するO2 セン
サ43等が設けられ、ECU16に接続されている。な
お、ここでは、O2 センサ43にヒータが付設され、E
CU16を通じたヒータ制御で温度調整されるようにな
っている。ECU16を通じた制御については、さら
に、後述する。
【0059】次に、ECU16を通じたエンジンに関す
る制御内容について、図8の制御ブロック図に基づいて
説明する。なお、本エンジンでは、エンジンの運転モー
ドとして、後期リーン燃焼運転モード,前期リーン燃焼
運転モード,ストイキオフィードバック運転燃焼運転モ
ード,オープンループ燃焼運転モードがあり、各モード
において、EGRを作動させる場合とEGRを停止させ
る場合とが設定されており、エンジンの運転状態や車両
の走行状態等に応じてこれらのモードの何れかが選択さ
れる。
【0060】このうち、後期リーン燃焼運転モードは、
本実施形態では総合空燃比が約24以上の領域に設定さ
れており、最も希薄燃焼を実現できるが、このモードで
は、燃料噴射を圧縮行程後期のように極めて点火時期に
近い段階で行ない、しかも燃料を点火プラグの近傍に集
めて部分的にはリッチにし全体的にはリーンとしながら
着火性,燃焼安定性を確保しつつ節約運転を行なうよう
にしている。なお、後期リーン燃焼運転モード(層状燃
焼のリーン燃焼運転モード)の領域を本実施形態よりも
低く総合空燃比が約23以上程度の範囲に設定してもよ
く、また、本実施形態よりも高く設定してもよい。
【0061】また、前期リーン燃焼運転モードも希薄燃
焼を実現できるが、このモードでは、燃料噴射を後期リ
ーン燃焼運転モードよりも前に行ない、燃料を予混合し
て全体的には理論空燃比よりもリーンとしながら着火
性,燃焼安定性を確保しつつある程度の出力を得るよう
にしながら、節約運転を行なうようにしている。ここで
は、前期リーン燃焼運転モードの領域を、総合空燃比が
約24以下で理論空燃比以上の領域に設定されている。
【0062】ストイキオフィードバック燃焼運転モード
は、O2 センサの出力に基づいて、空燃比をストイキオ
状態に維持しながら十分なエンジン出力を効率よく得ら
れるようにしている。また、オープンループ燃焼運転モ
ードでは、加速時や発進時等に十分な出力が得られるよ
うに、オープンループ制御によりストイキオ又はリッチ
な空燃比での燃焼を行なう。これらのモードでは、吸気
行程での燃料噴射に基づく予混合燃焼が行なわれる。
【0063】まず、各バルブ10,11,14の開度制
御から説明すると、図9に示すように、スロットルセン
サで検出されたスロットル開度θthとクランク角センサ
からの検出情報に基づいたエンジン回転速度Neとか
ら、マップに基づいて目標エンジン負荷(目標Pe)を
設定する(ブロックB1)。一方、エアコンスイッチか
らの情報に基づいてエアコンディショナがオンであれば
エンジン回転速度Neからマップに基づいてエアコン対
応補正量ΔPeacを設定し(ブロックB2)、パワステ
スイッチからの情報に基づいてパワーステアリングがオ
ンであればエンジン回転速度Neからマップに基づいて
パワステ対応補正量ΔPepsを設定し(ブロックB
3)、インヒビタスイッチからの情報に基づいて始動時
にはエンジン回転速度Neからマップに基づいてインヒ
ビタ対応補正量ΔPeinh を設定する(ブロックB
4)。
【0064】そして、適宜これらの対応補正量ΔPea
c,ΔPeps,ΔPeinh によって、目標Peを補正す
る。そして、この補正後目標PeをスイッチS1を通じ
て適宜フィルタリングし(ブロックB5)、このように
して得られた目標Peとエンジン回転速度Neとから、
マップに基づいて要求空気量(又は、目標吸入空気量)
Qに応じたバルブ開度に関する制御量Posを設定す
る。
【0065】この制御量Posの設定にあたっては、ブ
ロックB7に示すように複数のマップからエンジンの運
転状態に応じたものを選択して用いられ、スイッチS
2,S3を通じて、エンジンの運転状態に応じて信号が
出力される。ここでは、エンジンの運転状態として、最
も希薄燃焼となる後期リーンモードと、これに次いだ希
薄燃焼となる前期リーンモードと、ストイキオ運転モー
ドの内のEGR作動中との3モードに関してマップが設
けられ、これらのモードの場合にのみ要求空気量を設定
する。
【0066】また、スイッチS4により、アイドル運転
状態が成立した場合には、ブロックB8に示すようにエ
ンジン回転数のフィードバックに基づいた要求空気量
(又は、目標吸入空気量)ISCQの制御量ISCPo
s(この場合には、ISCバルブを主体とした目標開度
となる)を設定する。このようにして得られた制御量P
os又はISCPosに応じて、第1エアバイパスバル
ブ10をオンオフの何れにするかの判定(ブロックB
9)、第2エアバイパスバルブ11のデューティ比の設
定(ブロックB10)、ISCバルブ14の開度位置の
設定(ブロックB11)が行なわれ、第1エアバイパス
バルブ10,第2エアバイパスバルブ11,ISCバル
ブ14が所要の状態に制御される。なお、第2エアバイ
パスバルブ11のデューティ比の設定(ブロックB1
0)、ISCバルブ14の開度位置の設定(ブロックB
11)に関しては、ヒステリシスが設けられており、要
求空気量の増加時と減少時とで異なるマップを用いてい
る。
【0067】これらの第1エアバイパスバルブ10,第
2エアバイパスバルブ11,ISCバルブ14の開度制
御は相互関連して行なう。さらに、図8,図9に基づい
て、インジェクタ,点火コイル,EGRの各制御につい
て説明する。インジェクタの駆動のためには、インジェ
クタの噴射開始時期と噴射終了時期とを設定する必要が
あるが、ここでは、インジェクタ駆動時間Tinj とイン
ジェクタの噴射終了時期とを設定して、これに基づい
て、インジェクタの噴射開始時期を逆算しながら、イン
ジェクタの駆動のタイミングを決定している。
【0068】インジェクタ駆動時間Tinj の設定には、
まず、フィルタリング処理(ブロックB6)された補正
後目標Peとエンジン回転速度Neとから、マップに基
づいて空燃比A/Fを設定する(ブロックB12)。こ
の場合の設定マップも、後期リーンモードでEGR作動
中と、後期リーンモードでEGR停止中と、前期リーン
モードと、オープンループモードとの4モードに関して
設けられており、エンジンの運転状態に応じたものを選
択して用いられる。
【0069】こうして得られた空燃比A/Fと、ブース
トセンサで検出されたブースト圧pb,及び体積効率補
正値から得られる吸気量Qpbとから、インジェクタ駆動
時間Tinj を算出する(ブロックB13)。なお、体積
効率補正値は、エンジン回転速度Neから運転状態に応
じたマップに基づいて設定される(ブロックB19)。
この場合のマップ(ブロックB19)は、後期リーンモ
ードでEGR作動中と、後期リーンモードでEGR停止
中と、前期リーンモードと、オープンループ運転又はス
トイキオフィードバック運転でEGR作動中と、オープ
ンループ運転又はストイキオフィードバック運転でEG
R停止中との5モードに関して設けられている。
【0070】そして、このインジェクタ駆動時間Tinj
に、気筒別インジェクタ不均率補正(ブロックB14)
及び気筒別デッドタイム補正(ブロックB15)を施
す。また、一方、目標Peとエンジン回転速度Neとか
ら減速時用燃料噴射時間TDECを算出して(ブロックB
16)、減速時で且つ後期リーン燃焼運転時には、スイ
ッチS5を通じて、ブロックB13で得られたインジェ
クタ駆動時間Tinj とこの減速時用燃料噴射時間TDEC
とのうちの小さいほうを選択して(ブロックB17)、
これをインジェクタ駆動時間とする。
【0071】インジェクタの噴射終了時期の設定も、フ
ィルタリング処理(ブロックB6)された補正後目標P
eとエンジン回転速度Neとから、マップに基づいて空
燃比A/Fを設定する(ブロックB18)。この場合の
設定マップも、後期リーンモードでEGR作動中と、後
期リーンモードでEGR停止中と、前期リーンモード
と、オープンループ運転又はストイキオフィードバック
運転のモードとの4モードに関して設けられており、エ
ンジンの運転状態に応じたものを選択して用いられる。
【0072】こうして得られた噴射終了時期に後期リー
ンモードの場合には水温補正を施して噴射終了時期を得
るようにしている。このようにして得られたインジェク
タ駆動時間Tinj 及び噴射終了時期に基づいて、インジ
ェクタの駆動を行なう。また、点火コイルによる点火プ
ラグの点火時期についても、フィルタリング処理(ブロ
ックB6)された補正後目標Peとエンジン回転速度N
eとから、マップに基づいて点火時期を設定する(ブロ
ックB20)。この場合の設定マップは、後期リーンモ
ードでEGR作動中と、後期リーンモードでEGR停止
中と、前期リーンモードと、ストイキオフィードバック
運転でEGR作動中と、オープンループ運転又はストイ
キオフィードバック運転でEGR停止中の5モードに関
して設けられている。こうして得られた点火時期に各種
リタード補正(進角補正も含む)を施して(ブロックB
21)、これに基づいて点火コイルの制御を行なう。
【0073】特に、このリタード補正及び進角補正に
は、予混合燃焼による前期リーンモードでは所要量リタ
ードさせて、層状燃焼による後期リーンモードでは所要
量進角させるようになっており、これにより、排気ガス
を導入しないか又は導入が少ないので燃焼スピードが速
まる予混合燃焼では、点火時期をリタードさせることで
遅めに点火することがノッキング防止効果となり、排気
ガスを導入するので燃焼スピードが遅くなる層状燃焼で
は、点火時期を進角させて早めに点火することが燃費節
約上で有利となる。
【0074】つぎに、本願発明にかかるEGRの流量制
御について説明すると、目標位置設定手段162では、
EGRの流量を設定し、この設定した流量に対応してE
GR弁の目標開口度(即ち、目標位置)Etpを設定す
る。つまり、目標位置設定手段162では、図9,図1
0に示すように、フィルタリング処理(ブロックB6)
された補正後目標Peとエンジン回転速度Neとから、
マップに基づいてEGRの流量を設定する(ブロックB
22)。この場合の設定マップは、Dレンジでの後期リ
ーンモードと、Nレンジでの後期リーンモードと、Dレ
ンジでのストイキオフィードバック運転モードと、Nレ
ンジでのストイキオフィードバック運転モードとの4モ
ードに関して設けられている。
【0075】こうして得られたEGRの流量を水温補正
(ブロックB23)を施して、開度に応じた制御量(デ
ューティ比)を設定して(ブロックB24)、EGRの
流量制御を行なう。なお、水温補正(ブロックB23)
に関しても、エンジンの運転状態(ここでは、後期リー
ンモードとストイキオフィードバック運転モードとの2
モード)に応じたマップが用いられている。
【0076】例えばEGR弁の目標開口度Etpは、ブ
ロックB22で求められた、EGRの流量に対応する基
本開口度Ebtpと、ブロックB23で求められた水温
補正係数Kwtとから、次式により度、算出することが
できる。 Etp=Ebtp×数Kwt さらに、このようなEGR弁の目標開口度Etpに対し
て、EGR弁の制御量(調整量)としての目標ステップ
は、図10に示すようなマップから設定することができ
る。
【0077】また、ここでは、エンジンの運転状態が、
ストイキオ燃焼運転モードか後期リーン燃焼運転モード
かの場合のみ、EGR導入を行ない、他の場合、つま
り、前期リーン燃焼運転モードやオープンループモード
では、EGR導入を行なわないようになっている。これ
は、前期リーンの場合、EGRを投入すると、燃焼が悪
化して、NOx低減や燃費向上の効果が非常に小さいた
めであり、特に、EGR流量を増大すると失火に至るこ
とがあるため、このモードではEGRの大量導入は不可
能であるためである。また、オープンループモードで
は、なによりもエンジン出力の確保を優先させるためで
ある。
【0078】なお、ストイキオ運転モード時に行なわれ
るEGRの導入量は、原則として後期リーンに比べ少な
く設定されている。これは、ストイキオ運転時には、主
として燃費向上を目的としてEGRの導入を行なうが、
大量にEGRを導入すると燃焼が悪化するからである。
そして、このストイキオ運転時のEGRの導入率は最大
で20〜25%程度であり、これは最小の場合は0であ
ってもかまわない。
【0079】また、層状燃焼時(後期リーン燃焼運転モ
ード時)には、空燃比が大きくなるほど、該吸気通路内
に還流させる該排出ガスを大きくするように設定されて
いる。この際のEGRの導入率は30〜60%程度で
る。なお、エンジンによっては、燃焼悪化を抑える観点
から、層状燃焼時のEGR導入率が特定運転時に例外的
にストイキオ運転時よりも少なく設定される場合もあ
る。
【0080】次に、後期リーン燃焼運転時のEGR導入
率及び空燃比の設定について、図12を参照して説明す
る。図12は、後期リーン燃焼運転としての一般的な運
転状態における例であり、例えばエンジン回転状態が1
500rpm ,正味平均有効圧が0.3MPaといった条
件下のものである。
【0081】図12において、横軸は空燃比(A/F)
であり、縦軸はNOx排出率であり、このNOx排出率
はストイキオ運転時のNOx排出量に対する後期リーン
燃焼運転時のNOx排出量の割合である。また、図中、
曲線L1は安定燃焼限界を示し、この曲線の外側(つま
り、左方や下方)では後期リーン燃焼運転による安定燃
焼は行なえない。曲線L2は吸気(=新気エア+EG
R)が0.1MPa(即ち、約1気圧)の状態でのWO
T(スロットル全開)のものであり、この曲線の外側
(つまり、右方や下方)による運転は行なえない。
【0082】そして、曲線a1〜a3は燃費向上率、即
ち、ストイキオ運転時の燃費に対する後期リーン燃焼運
転時の燃費の向上率を示すもので、曲線a1は燃費向上
率10%,曲線a2は燃費向上率20%,曲線a3は燃
費向上率30%を示す。また、曲線b1〜b3はEGR
導入率、即ち、吸気量中のEGR導入量の割合を示すも
ので、曲線b1はEGR導入率0%,曲線b2はEGR
導入率20%,曲線b3はEGR導入率40%を示す。
【0083】後期リーン燃焼運転は、図12中の曲線L
1,L2よりも上方の領域で運転が可能であり、この領
域内で、燃費向上率が高く且つNOx低減率が高く(即
ち、NOx排出率が低く)なるように空燃比(A/F)
及びEGR導入率を設定すれば、燃費向上とNOx低減
とが両立する。例えば図12中にハッチングを付す領域
のように、燃費向上率が30%以上で且つNOx低減率
が90%以上(即ち、NOx排出率が10%以上)の領
域で、後期リーン燃焼運転を行なうように、空燃比及び
EGR導入率を設定することが考えられる。なお、図1
2中、L3はNOx低減率90%を示す。
【0084】図12に示す例では、空燃比をおよそ28
〜33程度の範囲内のいずれかに設定し、EGR導入率
を30〜60%程度の範囲内のいずれかに設定して、燃
費向上率が30%以上で且つNOx低減率が90%以上
を達成しながら、安定燃焼による後期リーン燃焼運転を
行なうことができる。もちろん、図12は後期リーン燃
焼運転における一つの代表例を示すもので、このような
特性は、エンジンの負荷状態やエンジン回転数によって
変化し、各運転状態に応じて、燃費向上率が高く且つN
Ox低減率が高くなるような空燃比及びEGR導入率を
設定し、この設定に基づいて制御を行なうようにすれば
よい。
【0085】この場合、上述のような燃費向上率が30
%以上で且つNOx低減率が90%以上といった目標値
を常に達成できるわけではないが、運転状態によって
は、燃費向上率を重視して空燃比及びEGR導入率を設
定したり、また、NOx低減率を重視して空燃比及びE
GR導入率を設定したりすることが考えられる。なお、
エンジンの運転は常に定常運転とは限らず、運転状態は
時々変化していくことが多いが、このように、変化する
運転状態に応じて運転モードも適宜切り替えられるが、
後期リーン燃焼運転モード内でも、変化する運転状態に
応じて目標空燃比や目標EGR導入率が変更されていく
ことになる。この場合、目標空燃比や目標EGR導入率
を同時に変更する手法のほかに、目標空燃比制御を重視
して、例えば目標空燃比を変更して次に目標EGR導入
率を変更するという手法も考えられる。
【0086】ところで、エンジンの運転時には、負荷状
態や回転数の変化に応じて、燃焼モードが切り替えられ
るが、通常は、低負荷状態から負荷が増加する場合に
は、後期リーン燃焼運転モードから前期リーン燃焼運転
モードを経てストイキオ燃焼運転モードへと切り替えら
れ、さらに負荷が増加すればオープンループモード(エ
ンリッチ燃焼運転モード)へと切り替えられる。逆に、
高負荷状態から負荷が減少する場合には、例えばストイ
キオ燃焼運転モードから前期リーン燃焼運転モードを経
て後期リーン燃焼運転モードへと切り替えられる。ただ
し、運転者から加速や発進の指令があった場合には、後
期リーンモードからストイキオモードへ直接切り替えら
れる。
【0087】一般には、エンジン回転数及びエンジン負
荷に対して、図13に示すような領域傾向で、エンリッ
チ燃焼運転モード,ストイキオ燃焼運転モード,前期リ
ーン燃焼運転モード,後期リーン燃焼運転モードが設定
される。
【0088】このとき、後期リーン燃焼運転モード及び
ストイキオ燃焼運転モードではEGR導入を行なうがそ
の他のモードではEGR導入を行なわない。したがっ
て、モード切替とともにEGRの切替(導入と停止との
間の切替)も行なわれる。ところが、予混合燃焼による
前期リーン燃焼運転或いは前期ストイキオ運転から、層
状燃焼による後期リーン燃焼運転への運転モードの切替
時や、予混合燃焼時の前期リーン燃焼運転から前期スト
イキオ運転への運転モードの切替時のようにEGRの導
入量が増加する場合には、新気エアの導入量が減少して
しまい、急激な出力変動(トルクショック)を生じて、
車両搭載のエンジンではドライバビリティを損ないやす
い。
【0089】そこで、本装置では、特に、予混合燃焼に
よる前期リーン燃焼運転或いは前期ストイキオ燃焼運転
から層状燃焼による後期リーン燃焼運転への運転モード
の切替時、及び、予混合燃焼における前期リーン燃焼運
転から前期ストイキオ燃焼運転への運転モードの切替時
に、吸気量調整とEGR切替とをずらせるようにして、
空燃比の切替に伴う吸気量の調整を行なった後に、EG
Rの導入又は停止の切替を行なうようにしている。
【0090】つまり、図10(A)に示すように、運転
モードが、前期リーン燃焼運転から前期ストイキオ燃焼
運転へ切り替えられた場合には、図10(B)にで示
すようにEGRの切替を遅らせるようにしている。この
ような運転モードの切替は、加速が要求される運転に移
行することになるため、新気エアの導入量を確保し目標
出力を得ようとすることが望まれるが、吸気量の調整と
EGR量の調整とを同時に行なうと、EGR導入によっ
て新気エアの導入量を十分に確保できず、目標とするエ
ンジン出力が得られなくなり、ドライバビリティの悪化
を招く。このため、EGR導入を遅延させて、新気エア
の導入量を十分に確保してエンジン出力を十分に得られ
るようにしているのである。
【0091】また、図10(A)に示すように、運転モ
ードが、前期ストイキオ燃焼運転から後期リーン燃焼運
転へ切り替えられた場合には、図10(B)にで示す
ようにEGRの切替を遅らせるようにしている。このよ
うな運転モードの切替の場合、その切替変化の過程で前
期リーン燃焼運転状態(即ち、燃焼状態が悪化する運
転)が存在し、この過程でEGRを導入してしまうと出
力変化が生じてドライバビリティの悪化を招く。このた
め、EGR導入を遅延させて、途中の前期リーン燃焼運
転状態でのEGR導入を防止しているのである。
【0092】さらに、図10(A)に示すように、運転
モードが、前期リーン燃焼運転から後期リーン燃焼運転
へ切り替えられた場合には、図10(B)にで示すよ
うにEGRの切替を遅らせるようにしている。このよう
な運転モードの切替の場合にも、前期リーン燃焼運転か
ら後期リーン燃焼運転へ切替が瞬時に行なわれるもので
はなく、切替過渡時には、後期リーン燃焼運転へ完全に
移行しないで前期リーン燃焼運転が残存している状態で
EGRを導入してしまうことがあり、このような状況下
では上述と同様に出力変化が生じてドライバビリティの
悪化を招く。このため、EGR導入を遅延させて、途中
の前期リーン燃焼運転でのEGR導入を防止しているの
である。
【0093】なお、この前期リーン燃焼運転から後期リ
ーン燃焼運転への切替に際しては、EGRの切替の遅延
を行なわないようにしてもよい。これは、前期リーン燃
焼運転から後期リーン燃焼運転への切替に際しては、設
定空燃比の変化が少なく、要求される空気量が少ない場
合には、EGR調整(ここでは、EGR導入)を吸気量
調整と同時に行なっても、吸気量の増量変化をEGRが
妨げることがないためてある。
【0094】また、上述のEGR切替の遅延時間は、モ
ード切替後に燃焼が安定するまでの時間として各エンジ
ンの特性に応じて設定することができる。
【0095】また、ここでは、ストイキオ燃焼運転,後
期リーン燃焼運転から前期リーン燃焼運転への切替時、
及び、後期リーン燃焼運転からストイキオ燃焼運転への
切替時には、EGR切替の遅延は行なっていない。これ
は、このようなストイキオ燃焼運転,後期リーン燃焼運
転から前期リーン燃焼運転への切替時、及び、後期リー
ン燃焼運転からストイキオ燃焼運転への切替時には、E
GRを停止又は減少させることで、スロットルバルブ下
流の負圧が増加するため新気エアの導入量が増加して、
空燃比を上げるにはむしろ好都合となるため、空燃比の
切替(増加)のためのエアバイパスの流量増加と同時に
EGR切替を行なうのである。
【0096】さらに、ここでは、ストイキオ燃焼運転モ
ードか後期リーン燃焼運転モードかの場合にも、EGR
禁止条件が成立したとき、即ち、エンスト時,始動時,
エンジンの運転状態検出手段の異常時(例えば、大気圧
センサのフェール時),リーン燃焼運転モード以外での
減速時には、いずれもEGR弁を全閉に切替制御するよ
うになっている。また、このようなEGR禁止条件が解
除されたら、EGR弁は全閉から所要の開度に切替制御
するようになっている。
【0097】ここで、ステッパモータを用いたEGR弁
の開閉駆動の具体的な制御手法について、図14,図1
5のフローチャートを参照して説明する。なお、この説
明では、目標EGR弁開度PS が設定されるが、この目
標EGR弁開度PS は、前述のEGR弁の目標開口度E
tpに対応する。まず、EGR弁開度の設定手法を図1
4を参照して説明する。図14に示すようなEGR弁開
度設定ルーチンが考えられ、まず、エンジンが始動モー
ドか否か(ステップA10)が判定され、ここで、始動
モードでなければエンジンが冷態か否か(ステップA2
0)、ここで、エンジンが冷態でなければステッパモー
タのイニシャライズフラグがセットされているか否か
(ステップA30)が判定される。ここで、イニシャラ
イズフラグがセットされてなければ、ステップA50へ
進むが、エンジンが始動モードであるか、エンジンが冷
態であるか、ステッパモータのイニシャライズフラグが
セットされているか、のいずれかであれば、EGR導入
条件でないので、ステップA40へ進み、目標EGR弁
開度PS を全閉(即ち、PS =0)に設定する。
【0098】一方、ステップA50へ進むと、現在の燃
料噴射モードが、後期噴射モード(具体的には、後期リ
ーン燃焼運転モード)か否かが判定され、後期噴射モー
ドでなければ、ステップA60へ進んで、リーンモード
(具体的には、前期リーン燃焼運転モード)か否かが判
定される。ここで、リーンモード(前期リーン燃焼運転
モード)でなければ、次に、ステップA70へ進んで、
エンリッチモード(エンリッチ燃焼運転モード)か否か
が判定される。
【0099】ここで、エンリッチモードでなければ、ス
トイキオモード(ストイキオ燃焼運転モード)であり、
まず、ステップA72でモードタイマ2が設定値に達し
ているか否かが判定される。ここで、モードタイマ2が
設定値に達していれば、ステップA74に進み、モード
タイマ3を初期値0に設定して、ステップA80に進
む。
【0100】ところで、モードタイマ2,モードタイマ
3は、後述するモードタイマ1とともに、モード切替時
に、EGR制御の切替タイミングを吸気量調整よりも遅
れるようにするためのものである。すなわち、モードタ
イマ1は、前期リーン燃焼運転モードから後期リーン燃
焼運転モードへのモード切替時に、EGR制御の導入開
始タイミングを吸気量調整よりも遅れるようにするため
のものであり、このモードタイマ1は後述するステップ
A110で前期リーン燃焼運転モード時には常に0にリ
セットされるため、前期リーン燃焼運転モードから後期
リーン燃焼運転モードへと切り替わってから設定値に応
じた時間を経るまで、EGRの導入開始が遅延されるこ
とになる。なお、前述のように、前期リーン燃焼運転か
ら後期リーン燃焼運転への切替に際しては、EGRの切
替の遅延を行なわないようにしてもよいので、EGRの
切替の遅延を行なわない場合には、モードタイマ1にか
かる設定値は0となる。
【0101】モードタイマ2は、前期リーン燃焼運転モ
ードから前期ストイキオ燃焼運転モードへのモード切替
時に、EGR制御の導入開始タイミングを吸気量調整よ
りも遅れるようにするためのものであり、このモードタ
イマ2もやはりステップA110で前期リーン燃焼運転
モード時には常に0にリセットされるため、前期リーン
燃焼運転モードから前期ストイキオ燃焼運転モードへと
切り替わってから設定値に応じた時間を経るまで、EG
Rの導入開始が遅延されることになる。
【0102】また、モードタイマ3は、前期ストイキオ
燃焼運転モードから後期リーン燃焼運転モードへのモー
ド切替時に、EGR制御の導入量増加タイミングを吸気
量調整よりも遅れるようにするためのものであり、この
モードタイマ3は前述のステップA74で前期ストイキ
オ燃焼運転モード時には常に0にリセットされるため、
前期ストイキオ燃焼運転モードから後期リーン燃焼運転
モードへと切り替わってから設定値に応じた時間を経る
まで、EGRの導入量増加開始が遅延されることにな
る。
【0103】したがって、前期リーン燃焼運転モードか
ら前期ストイキオ燃焼運転モードへと切り替わってから
設定値に応じた時間を経ると、ステップA72で、モー
ドタイマ2が設定値に達したと判定され、ステップA7
4を経て、ステップA80に進み、前期ストイキオ燃焼
運転モードに応じたEGRの導入を行なうことになる。
つまり、ステップA80では、機関の運転状態、即ち、
エンジン回転数及びエンジン負荷に応じてストイキオモ
ードにおける設定特性で目標EGR弁開度PSS TOを設定
する。このストイキオ運転時の目標EGR弁開度PSSTO
は、前述のように、EGR導入率を最大で20〜25%
程度とするような開度であり、運転状態によっては、E
GR導入率が0即ち全閉状態が設定されることもある。
【0104】そして、このように設定された目標EGR
弁開度PSSTOを、EGR弁開度制御指令用の目標EGR
弁開度PS とする(ステップA90)。一方、ステップ
A72でモードタイマ2が設定値に達していないと判定
された場合や、ステップA70でエンリッチモードと判
定された場合には、ステップA120へ進んで、目標E
GR弁開度PS を全閉(即ち、PS =0)に設定して、
新気エアの導入率を増加させて出力要求に応じる。
【0105】また、ステップA60でリーンモード(前
期リーン燃焼運転モード)と判定された場合には、ステ
ップA110へ進んで、モードタイマ1,2を初期値つ
まり0にセットする。ステップA110の処理の後は、
ステップA120へ進んで、目標EGR弁開度PS を全
閉(即ち、PS =0)に設定して、新気エアの導入率を
増加させて、前期リーン燃焼運転モード即ち吸気行程リ
ーン燃焼運転での燃焼安定性を確保する。
【0106】また、ステップA50で現在の燃料噴射モ
ードが後期噴射モードと判定されると、ステップA13
0へ進んで、モードタイマ1が設定値になったか否かが
判定される。モードタイマ1は、前述のように、前期リ
ーン燃焼運転モード時には常に0にリセットされる(ス
テップA110)ため、前期リーンモードから後期リー
ンモードへ切り替わってから設定値に応じた時間を経る
まで、前期リーンモードと同様に目標EGR弁開度PS
が全閉(即ち、PS =0)に設定される。
【0107】そして、モードタイマ1が設定値に応じた
時間を経たら、ステップA140へ進んで、モードタイ
マ3が設定値になったか否かが判定される。モードタイ
マ3は、前述のように、前期ストイキオ燃焼運転モード
時には常に0にリセットされる(ステップA74)た
め、前期ストイキオモードから後期リーンモードへ切り
替わってから設定値に応じた時間を経るまで、目標EG
R弁開度PS は、直前の前期ストイキオモードのステッ
プA90で設定された値(即ち、PS =PSSTO)が設定
される。
【0108】前期ストイキオモードから後期リーンモー
ドへ切り替わってから設定値に応じた時間を経ると、モ
ードタイマ3が設定値に達するので、ステップA150
へ進んで、機関の運転状態、即ち、エンジン回転数及び
エンジン負荷に応じて後期リーンにおける設定特性で目
標EGR弁開度PSLEAN を設定する。この後期リーン運
転時の目標EGR弁開度PSLEAN は、前述のように、実
際には、空燃比(A/F)に応じてEGR導入率を30
〜60%程度とするような開度である。
【0109】そして、このように設定された目標EGR
弁開度PSLEAN を、EGR弁開度制御指令用の目標EG
R弁開度PS とする(ステップA160)。このように
して、EGR弁の目標開度PS を設定することができる
が、さらに、EGR弁の駆動制御に関しては、図15に
示すような手法で行なうことができる。なお、ここで
は、EGR弁駆動用のステッパモータを正転させると開
方向へ駆動することになり、ステッパモータを逆転させ
ると閉方向へ駆動することになるように設定されてい
る。
【0110】また、ここでは、前述のように、ステッパ
モータの駆動周期として、逆転駆動用周期(開駆動用周
期)T1,正転駆動用周期(閉駆動用周期)T2,イニ
シャライズ用兼限界用駆動周期T3の3通りが設定され
ており、これらは正転駆動用周期(閉駆動用周期)T2
が最も短く、ついで、逆転駆動用周期(開駆動用周期)
T1が短く、イニシャライズ用兼限界駆動周期T3は最
も長く設定されている。
【0111】図15に示すように、まず、ステッパモー
タのイニシャライズフラグがセットされているか否か
(ステップB10)が判定される。ここで、イニシャラ
イズフラグがセットされていなければ、ステップB20
へ進み、ステッパモータ(STM)のイニシャライズ指
令が有るか否かが判定される。このイニシャライズ指令
は、エンジン停止直後やキースイッチオン直後に発せら
れる。
【0112】ステッパモータ(STM)のイニシャライ
ズ指令が有れば、ステップB30へ進み、イニシャライ
ズフラグをセットして、ステップB40で、初期化用駆
動パルス数PPとして所定値βを設定して、ステップB
50へ進む。なお、この所定値βは、ステッパモータの
イニシャライズ時に駆動するステップ数であり、例えば
ステッパモータの全駆動ステップ数(即ち、弁の全開か
ら全閉まで駆動するステップ数)以上に設定すること
で、確実なイニシャライズを行なえる。
【0113】また、ステップB10でイニシャライズフ
ラグがセットされていると判定された場合もこのステッ
プB50へ進むが、ステップB50では、初期化用駆動
パルス数PPが0か否かが判定される。もしも、初期化
用駆動パルス数PPが0ならば、イニシャライズフラグ
をリセットして(ステップB60)、ステップB80へ
進む。また、初期化用駆動パルス数PPが0でなけれ
ば、初期化用駆動パルス数PPを1ステップ分減じて
(ステップB70)、ステップB110へ進む。
【0114】ステップB110では、ステッパモータの
目標駆動パルス周期データT0としてイニシャライズ用
兼限界用駆動周期T3を設定する。一方、ステップB2
0でイニシャライズ指令がなしと判定されると、ステッ
プB80へ進み、EGR弁の目標開度(目標ポジショ
ン)PS と実開度(実ポジション)Prとの差ΔP(=
S −Pr)を算出し、さらに、ステップB90で、差
ΔPが所定値−αよりも小さいか否かが判定される。
【0115】なお、所定値αは、EGR弁の開度の許容
誤差範囲に相当し、差ΔPの大きさ(=|ΔP|)が所
定値αよりも小さければ(即ち、−α≦ΔP≦α)、E
GR弁が目標開度に達しているものとする。ステップB
90で、差ΔPが所定値−αよりも小さいと判定される
と、即ち、目標開度PS が実開度Prよりも小さくこの
差が所定値αよりも小さい場合には、ステッパモータを
正転させる必要があり、まず、ステップB100へ進
み、実開度(実ポジション)Prが所定値γ以下か否か
が判定される。実開度(実ポジション)Prが所定値γ
以下なら、ステップB110へ進み、目標駆動パルス周
期データT0としてイニシャライズ用兼限界駆動周期T
3を設定する。
【0116】これは、実ポジションPrが所定値γ以下
になった場合、バルブ本体が正転駆動周期で全閉位置へ
と駆動されると、バルブ本体が機械的な衝突をしてバウ
ンスするおそれがあり、これを回避するためである。こ
のようなバルブ本体の衝突は、もしもステッパモータが
初期設定の段階で脱調していたらバルブ本体が実際の全
閉位置でなくても生じる虞があり、また、ステッパモー
タが脱調していなくても、バルブ本体の応答性を考えて
駆動速度が速い状態でバルブ本体が全閉位置へと駆動さ
れると、バルブ本体が機械的な衝突をしてバウンスする
おそれがある。特に、全閉位置への駆動時には、バウン
スするおそれが高い。そこで、このようなバウンスを回
避できるように、イニシャライズ用駆動周期T3を用い
て、ステッパモータの実質的な駆動速度を緩やかにしよ
うとするものである。
【0117】ステップB110の処理を終えたら、ステ
ップB120で、正転フラグをセット(このフラグはス
テッパモータの正転駆動時にセットされる)して、ステ
ップB130へ進む。一方、実ポジションPrが所定値
γ以下になっていなければ、ステップB210に進み、
比較的短い駆動パルス周期T2を目標駆動パルス周期デ
ータT0として設定する。そして、ステップB120へ
進み、正転フラグをセットして、ステップB130へ進
む。
【0118】また、ステップB90で、差ΔPが所定値
−αよりも小さくないと判定された場合には、ステップ
B220へ進み、差ΔPが所定値αよりも大きいか否か
が判定される。ここで、差ΔPが所定値αよりも大きく
なければ、EGR弁が目標開度に達しているものとし
て、今回の駆動制御は行なわない。ステップB220
で、差ΔPが所定値αよりも大きいと判定されると、即
ち、目標開度PS が実開度Prよりも大きくこの差が所
定値αよりも大きい場合には、ステッパモータを逆転さ
せる必要があり、まず、ステップB230へ進み、正転
時(閉駆動時)よりも比較的長い駆動パルス周期T1を
目標駆動パルス周期データT0として設定する。つい
で、ステップB240へ進み、正転フラグをリセットし
て、ステップB130へ進む。
【0119】そして、ステップB130へ進み、周期計
測用タイマ値Tが目標駆動パルス周期T0以上か否かが
判定される。周期計測用タイマ値Tが目標駆動パルス周
期T0以上でなければリターンするが、周期計測用タイ
マ値Tが目標駆動パルス周期T0以上になれば、ステッ
プB140へ進み、まず、駆動用タイマ値Tを0にリセ
ットして、ステップB150で、正転フラグがセットさ
れているか否かが判定される。
【0120】正転フラグがセットされている場合には、
ステップB160で、逆転タイマが所定値TS以上か否
かが判定される。この逆転タイマは、逆転駆動時に0に
リセットされる(ステップB260)ので、逆転駆動状
態から正転駆動状態へ切り替える場合には、逆転駆動停
止後所定値TS以上経過しないと正転駆動を開始できな
いようになっている。この所定値TSは、正転・逆転切
替時に、弁体の慣性力による動きが収まるのを待って、
反転駆動しようとする正転・逆転切替用待機時間であ
り、所定値TSは前述の周期T1,T2,T3の何れよ
りも長く設定されている(つまり、TS>T3>T1>
T2)。
【0121】したがって、少なくとも、逆転駆動が終了
して正転・逆転切替用待機時間TSが経過したら、ステ
ップB170で、正転タイマを0にリセットした後、ス
テッパモータ(STM)に閉側駆動パルス(正転駆動パ
ルス)を1パルスだけ出力する(ステップB180)。
そして、実ポテンショデータが全閉位置(Pr=0)か
否かを判定して(ステップB190)、実ポテンショデ
ータが全閉位置出ない場合には、実ポテンショデータP
rを駆動パルス1だけ減じる(ステップB200)。
【0122】一方、逆転フラグがセットされている場合
には、ステップB250で、正転タイマが所定値TS以
上か否かが判定される。この正転タイマは、前述のよう
に正転駆動時に0にリセットされる(ステップB17
0)ので、正転駆動状態から逆転駆動状態へ切り替える
場合には、正転駆動停止後所定値TS以上経過しないと
正転駆動を開始できないようになっている。この所定値
TSも、前出のように正転・逆転切替時に、弁体の慣性
力による動きが収まるのを待って、反転駆動しようとす
る正転・逆転切替用待機時間であり、所定値TSは前述
の周期T1,T2,T3の何れよりも長く設定されてい
る(つまり、TS>T3>T1>T2)。
【0123】したがって、少なくとも、正転駆動が終了
して正転・逆転切替用待機時間TSが経過したら、ステ
ップB260で、逆転タイマを0にリセットした後、ス
テッパモータ(STM)に開側駆動パルス(逆転駆動パ
ルス)を1パルスだけ出力する(ステップB270)。
そして、ステップB280に進み、実ポテンショデータ
Prを駆動パルス1だけ増加するのである。
【0124】本発明の一実施形態としてのステッパモー
タ式駆動装置,本駆動装置を有する排出ガス還流制御装
置及びこの排出ガス還流制御装置を有する内燃機関は、
上述のように構成されているので、次のような利点や効
果が得られる。つまり、EGR弁の駆動用ステッパモー
タを、閉動時には、駆動周期を短くして速やかに閉鎖
し、開動時には、駆動周期を長くして緩やかに開放して
いるので、次のような利点がある。
【0125】燃費節約を重視した層状燃焼(後期リーン
運転)から、出力確保を重視した予混合燃焼(ストイキ
オ運転や前期リーン運転)に切り替わる燃焼変化の場合
は、機関の出力要求が高まっていると考えられるが、こ
のときには、EGR弁を速やかに閉駆動して排出ガスの
流量のカット又は減少を素早く行なうことで、新気導入
量が速やかに増加するようになり、燃焼の悪化を招くこ
となく機関の出力要求に素早く答えることができる。
【0126】また、予混合燃焼(ストイキオ運転や前期
リーン運転)から層状燃焼(後期リーン運転)に切り替
わる燃焼変化の場合は、EGR弁を緩やかに開駆動して
排出ガス量を緩やかに増加するので、過渡時の燃焼悪化
を招くことなく、排出ガス導入量による排気ガスの浄化
(NOx低減)を行ないながらの層状燃焼への切替を過
渡時の燃焼悪化を招くことなく行なえる。
【0127】そして、EGR弁のイニシャライズ時や全
閉駆動時に、ステッパモータの駆動周期が長くされてゆ
るやかな速度で駆動するので、弁のバウンスが防止さ
れ、ステッパモータの脱調を招くことなく、弁の駆動が
確実に行なわれ、イニシャライズも正確に行なえる。ま
た、バルブ本体の機械的衝突時の衝突音も抑制される効
果がある。
【0128】この弁のバウンスの防止についてさらに説
明すれば、図3〜6に示すように、90°毎に0,1,
2,3の各位相位置が設定されると、バルブ本体が機械
的な衝突をしてバウンスすると、本来ステップ数0の位
相位置が0の位置にあるべきバルブ本体が、4ステップ
離れたステップ数4の位相位置0にずれてしまうおそれ
があるが、バルブの速度が抑制されるため、バルブは例
えばステップ数0の位相位置0の全閉位置に確実に停止
されるのである。
【0129】もちろん、EGR弁の全開駆動時にも、ス
テッパモータの駆動周期を長くされてゆるやかな速度で
駆動するように構成すれば、弁のバウンスが防止され、
ステッパモータの脱調を招くことなく、弁の駆動が確実
に行なわれ、全開によるイニシャライズも正確に行なえ
る。なお、本実施形態では、バルブ本体が機械的限界位
置に達しようとする場合に、全駆動期間でステッパモー
タの駆動周期を長くしてゆるやかな駆動速度とするが、
全駆動期間ではなく、ステッパモータが機械的限界位置
の近傍となる位置で部分的にステッパモータの駆動周期
を長くするようにしてもよく、この場合、弁の応答性を
確保しながら弁のバウンスを防止することができる。
【0130】また、本実施形態のように通常制御時とは
別に初期化(イニシャライズ)の機会を設けていれば、
機械的限界位置に被駆動部材が駆動される際の駆動周期
を長くして作動速度を低下させるような制御は、初期化
時のみに行なって、初期化時以外の通常制御時には行わ
ないようにすれば、初期化を確実に実施しながら、通常
制御中の応答性を高めることができる。
【0131】さらに、EGR弁の逆方向への駆動時に
は、タイムラグ(TS)が与えられるので、EGR弁の
慣性力がEGR弁の作動に影響することなく、EGR弁
が確実に作動する利点がある。また、本実施形態では、
ステッパモータにより駆動される被駆動部材を、EGR
弁としているが、本発明の技術は、電子制御スロットル
弁やアイドルスピードコントロール用のスロットルバイ
パス弁などのその他のエンジン部品や、エンジン部品や
弁等に限らず、各種工作機器やOA機器などにそなえら
れたステッパモータ式駆動装置など、ステッパモータに
よる各種の駆動対象に適用することができる。
【0132】また、本実施形態にかかる内燃機関に関し
て説明しておくと、エンジンの運転状態に応じて、エン
ジンの運転モードとして、後期リーン燃焼運転モード,
前期リーン燃焼運転モード,ストイキオフィードバック
運転燃焼運転モード,オープンループ燃焼運転モードが
選択されて、各モードに応じて空燃比や燃料量や点火時
期やEGRが制御される。
【0133】燃料量は、エンジンに要求される出力状態
に応じて燃料噴射量として制御され、この燃料噴射量に
対応する空燃比の制御は、スロットルバルブ15に加え
て、エアバイパスバルブ10,11,ISCバルブ14
の開閉制御や開度制御等を通じて制御される。また、E
GRも運転モードに応じて、投入・停止が切り替えられ
るが、本装置では、図10に示すように、前期リーン燃
焼運転と後期リーン燃焼運転との間での運転モードの切
替時に、吸気量調整とEGR切替とをずらせるようにし
て、空燃比の切替に伴う吸気量の調整を行なった後に、
EGRの導入又は停止の切替を行なうようにしている。
【0134】これにより、図11(A)に示すように、
前期リーン燃焼運転では空燃比とともにNOxは低減し
て、後期リーン燃焼運転ではEGR無しでは空燃比とと
もにNOxが増大するところを、EGR導入によりNO
xを積極的に減少させることができるのである。また、
ストイキオ運転時には、燃焼安定性を確保しつつEGR
を適当に導入しながら、NOxを低減することができ
る。
【0135】また、後期リーン燃焼運転から前期リーン
燃焼運転やストイキオ運転に切り替えた場合には空燃比
の低下を速やかに実現できて、エンジン出力の不足を回
避して、望んでいる出力増加を速やかに実現できる。ま
た、前期リーン燃焼運転やストイキオ運転から後期リー
ン燃焼運転に切り替えた場合には、新気エアの導入量を
確保できて、急激な出力変動(トルクショック)を回避
して車両搭載のエンジンではドライバビリティの悪化を
回避することができる。
【0136】なお、図11(B)に示すように、EGR
率(新気エアに対するEGRの量の割合)に応じてNO
x低減効果が得られるが、後期リーン燃焼運転時には、
EGR率を高めることで十分なNOx低減効果を得るこ
とができる。特に、層状燃焼時(後期リーン燃焼運転モ
ード時)には、空燃比が大きくなるほど、該吸気通路内
に還流させる排出ガスを大きくするように設定すること
で、十分なNOx低減効果を得ることができる。
【0137】また、予混合燃焼による前期リーンモード
では点火時期所要量リタードさせて、層状燃焼による
後期リーンモードでは点火時期が所要量進角させるの
で、排気ガスを導入しないか又は導入が少ないので燃焼
スピードが速まる予混合燃焼では、点火時期をリタード
させることで遅めに点火することがノッキング防止効果
があり、排気ガスを導入するので燃焼スピードが遅くな
る層状燃焼では、点火時期を進角させて早めに点火する
ことが燃費節約上で有利となる。
【0138】また、本実施形態では、第1エアバイパス
バルブ10と第2エアバイパスバルブ11とを同規格の
ものとして部品を共用できるようにしているので、コス
ト低減効果もある。なお、本実施形態では、第1エアバ
イパスバルブ10と第2エアバイパスバルブ11とIS
Cバルブ14との3つのバルブをそなえたが、例えば第
2エアバイパスバルブ11とISCバルブ14とのいず
れか一方を省略して、2つのバルブのみで、エアバイパ
スの流量を制御することも考えられる。例えば第1エア
バイパスバルブ10と第2エアバイパスバルブ11のみ
からエアバイパスの流量を制御するように構成したり、
第1エアバイパスバルブ10とISCバルブ14のみか
ら構成することもできる。
【0139】この場合にも、EGR停止からEGR投入
へと切り替わる際には、主として第1エアバイパスバル
ブ10によるオフからオンへの切替で瞬時にエアバイパ
ス流量を増大でき、これに第2エアバイパスバルブ11
又はISCバルブ14による流量制御を加えることで、
応答性良く所要の新気吸入量の確保を実現することがで
きる。
【0140】また、本発明のステッパモータ式駆動装置
にかかる排出ガス還流制御装置は、本実施形態のよう
に、筒内噴射型内燃機関に用いることで大きな効果があ
るが、本排出ガス還流制御装置は、かかる内燃機関に限
定されるものでなく、この他の内燃機関の吸気系にも広
く適用しうるものである。
【0141】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1又は2記
載の本発明のステッパモータ式駆動装置によれば、ポジ
ションセンサに頼らずにステッパモータ式駆動位置を把
握できるようにして簡素で信頼性の高い駆動システムに
おいて、被駆動部材が機械的限界に駆動された場合のバ
ウンスによるステッパモータの脱調を防止できるように
なる利点があり、被駆動部材が機械的限界を目標位置と
して駆動された場合に限らず、駆動被駆動部材が機械的
限界に向けて脱調を生じている場合に機械的限界の近く
を目標位置として駆動された場合にもバウンスによるス
テッパモータの脱調を増大を抑制しうる。また、被駆動
部材の機械的限界への衝突時の異音も抑制される。
【0142】請求項3記載の本発明のステッパモータ式
駆動装置によれば、ポジションセンサに頼らずにステッ
パモータ式駆動位置を把握できるようにして簡素で信頼
性の高い駆動システムにおいて、被駆動部材が機械的限
界に駆動される初期化時のバウンスを抑制することがで
き、初期化時に被駆動部材を確実に初期化位置へと駆動
することができるようになって、初期化を確実に行うこ
とができる利点がある。また、確実な初期化を実現でき
ることから、初期化を何度も行わずに済み、初期化時間
の短縮にも結びつくことになる。勿論、被駆動部材の機
械的限界への衝突時の異音も抑制される。
【0143】請求項4記載の本発明のステッパモータ式
駆動装置によれば、機関の出力要求が高まっている場合
にEGR弁を速やかに閉駆動して排出ガスの流量のカッ
ト又は減少を素早く行なえるので、新気導入量が速やか
に増加するようになり、燃焼の悪化を招くことなく機関
の出力要求に素早く答えることができ、EGR弁を緩や
かに開駆動して排出ガス量を緩やかに増加することで、
過渡時の燃焼悪化を招くことなく、排出ガス導入量によ
る排気ガスの浄化(NOx低減)を行ないながらの燃焼
の切替等を過渡時の燃焼悪化を招くことなく行なえる。
【0144】請求項5記載の本発明のステッパモータ式
駆動装置によれば、ポジションセンサに頼らずにステッ
パモータ式駆動位置を把握できるようにして簡素で信頼
性の高い駆動システムにおいて、初期化時に被駆動部材
が機械的限界に駆動された場合のバウンスを抑制するこ
とができ、初期化時に被駆動部材を確実に初期化位置へ
と駆動することができるようになって、初期化を確実に
行うことができる利点がある。また、確実な初期化を実
現できることから、初期化を何度も行わずに済み、初期
化時間の短縮にも結びつくことになる。勿論、被駆動部
材の機械的限界への衝突時の異音も抑制される。
【0145】請求項6記載の本発明のステッパモータ式
駆動装置によれば、ステッパモータの駆動方向の変更の
工夫によりこれに関する脱調を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動装
置の構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動装
置を有する排出ガス還流制御弁の構成を示す断面図であ
る。
【図3】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動装
置のステッパモータの例を示す模式的な断面図である。
【図4】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動装
置のステッパモータの端子構成例を示す模式な回路図で
ある。
【図5】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動装
置のステッパモータの駆動時の位相番号を示す図であ
る。
【図6】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動装
置のステッパモータの駆動時の位相番号とステップ数と
の関係を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動装
置を有する内燃機関の要部構成を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動装
置を有する排出ガス還流制御装置の制御ブロック図であ
る。
【図9】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動装
置を有する排出ガス還流制御装置を有する内燃機関の制
御ブロック図である。
【図10】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動
装置を有する排出ガス還流制御装置の制御例を示す図で
あり、(A)は運転モードに関し、(B)はEGRの状
態に関する。
【図11】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動
装置を有する排出ガス還流制御装置の制御効果を示す図
であり、(A)は空燃比制御に対する排気ガス中のNO
x低減効果を示し、(B)は排出ガス導入率(EGR
率)に対する排気ガス中のNOx低減効果を示す。
【図12】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動
装置を有する排出ガス還流制御装置における後期リーン
燃焼運転時のEGR導入率及び空燃比の設定について説
明する図である。
【図13】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動
装置を有する排出ガス還流制御装置を有する内燃機関の
運転モードについて説明する図である。
【図14】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動
装置を有する排出ガス還流制御装置におけるEGR弁の
開度設定の例を示すフローチャートである。
【図15】本発明の一実施形態のステッパモータ式駆動
装置を有する排出ガス還流制御装置におけるEGR弁の
駆動例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 エンジン本体 2 吸気通路 2A 吸気ポート 3 スロットル弁設置部分 4 エアクリーナ 5 バイパス通路(第1バイパス通路) 5a,5b 通路部分 6 バイパスバルブ 7 吸気管 8 サージタンク 9 吸気マニホールド 10 第1エアバイパスバルブ(第1バルブ) 11 第2エアバイパスバルブ(第2バルブ) 12 アイドルスピートコントローラ(ISC) 13 バイパス通路(第2バイパス通路) 14 バイパスバルブとしてのISCバルブ(第3バル
ブ) 15 スロットルバルブ 16 電子制御装置(ECU) 17 排気通路 17A 排気ポート 18 燃焼室 19 吸気弁 20 排気弁 21 燃料噴射弁(インジェクタ) 22は燃料タンク 23A〜23Eは燃料供給路 24 低圧燃料ポンプ 25 高圧燃料ポンプ 26 低圧レギュレータ 27 高圧レギュレータ 28 デリバリパイプ 29 排気ガス還流通路(EGR通路) 30 EGR弁 30A バルブケース 30B 流入路 30C 流出路 30D バルブシート 30E 弁体(スプール弁) 30F ステッパモータ 30G リターンスプリング 30H カーボン除去フィルタ 30J,30K,30L 軸 30M ロータ 31 ブローバイガス還元流路 32 クランク室積極換気用通路 33 クランク室積極換気用バルブ 34 キャニスタ 35 排気ガス浄化用触媒 36 吸気温度センサ 37 スロットルポジションセンサ(TPS) 38 アイドルスイッチ 39 ブーストセンサ 40 第1気筒検出センサ 41 クランク角センサ 42 水温センサ 43 O2 センサ 161 位置検出手段 162 目標位置設定手段 163 ステッパモータ駆動手段 164 初期化手段 300 回転子 301,302,303,304 電磁石 301A,302A,303A,304A コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宮本 勝彦 東京都港区芝五丁目33番8号 三菱自動車 工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機械的に定められた限界位置又はその直
    近まで駆動可能な被駆動部材と、 パルス信号に応じて作動し該被駆動部材を駆動するとと
    もに正逆回転可能で且つ作動速度が可変のステッパモー
    タと、 該ステッパモータへのパルス信号のパルス数のカウント
    結果を該被駆動部材の現在位置情報として保持する位置
    検出手段と、 該被駆動部材の目標位置を設定する目標位置設定手段
    と、 該目標位置設定手段からの目標位置情報と該位置検出手
    段からの現在位置情報とに基づいて該被駆動部材の位置
    が該目標位置となるように該ステッパモータにパルス信
    号を付与し作動させるステッパモータ駆動手段とをそな
    え、 該ステッパモータ駆動手段が、該ステッパモータを該限
    界位置側へ駆動するときであって且つ該位置検出手段か
    ら得られる該被駆動部材の現在位置が該限界位置に接近
    したときに、該ステッパモータの作動速度を低速に切り
    替えて該ステッパモータへパルス信号を付与することを
    特徴とする、ステッパモータ式駆動装置。
  2. 【請求項2】 機械的に定められた限界位置又はその直
    近まで駆動可能な被駆動部材と、 パルス信号に応じて作動し該被駆動部材を駆動するとと
    もに正逆回転可能で且つ作動速度が可変のステッパモー
    タと、 該ステッパモータへのパルス信号のパルス数のカウント
    結果を該被駆動部材の現在位置情報として保持する位置
    検出手段と、 該被駆動部材の目標位置を設定する目標位置設定手段
    と、 該目標位置設定手段からの目標位置情報と該位置検出手
    段からの現在位置情報とに基づいて該被駆動部材の位置
    が該目標位置となるように該ステッパモータに駆動用パ
    ルスを付与するとともに、該ステッパモータを該限界位
    置方向へ正転駆動するときには正転用駆動周期で逆転駆
    動するときには該正転用駆動周期と同一又は異なる逆転
    用駆動周期でそれぞれ該駆動用パルスを付与して該ステ
    ッパモータを駆動するステッパモータ駆動手段とをそな
    え、 該ステッパモータ駆動手段が、該ステッパモータを該限
    界位置側へ駆動するときであって且つ該位置検出手段か
    ら得られる該被駆動部材の現在位置が該限界位置に接近
    したときに、該ステッパモータの正転方向への駆動周期
    を該正転用駆動周期よりも長い限界用駆動周期に切り替
    えて該ステッパモータへ駆動用パルスを付与することを
    特徴とする、ステッパモータ式駆動装置。
  3. 【請求項3】 特定の指令情報に応答して作動し、該ス
    テッパモータに対して該被駆動部材が該限界位置に到達
    するのに必要な最小パルス数を超過する数の駆動パルス
    を付与して該ステッパモータを駆動して、このときに該
    位置検出手段から得られる現在位置情報が該限界位置に
    対応するものとして該現在位置情報を初期化する初期化
    手段をそなえ、 該初期化手段が、該初期化時の該被駆動部材を該限界位
    置に到達させる際の該ステッパモータへ付与する駆動パ
    ルスの周期を該正転用駆動周期よりも長い該限界用駆動
    周期と同一又は該限界用駆動周期とは異なる初期化用駆
    動周期とすることを特徴とする、請求項2記載のステッ
    パモータ式駆動装置。
  4. 【請求項4】 該被駆動部材がEGR弁であり、該限界
    位置が該EGR弁の全閉位置であり、該正転用駆動周期
    よりも該逆転用駆動周期の方が長く設定されるととも
    に、該逆転用駆動周期よりも該限界位置用駆動周期の方
    が長く設定されていることを特徴とする、請求項2又は
    3記載のステッパモータ式駆動装置。
  5. 【請求項5】 機械的に定められた限界位置又はその直
    近まで駆動可能な被駆動部材と、 パルス信号に応じて作動し該被駆動部材を駆動するとと
    もに正逆回転可能で且つ作動周期が可変のステッパモー
    タと、 該ステッパモータへのパルス信号のパルス数のカウント
    結果を該被駆動部材の現在位置情報として保持する位置
    検出手段と、 該被駆動部材の目標位置を設定する目標位置設定手段
    と、 該目標位置設定手段からの目標位置情報と該位置検出手
    段からの現在位置情報とに基づいて該被駆動部材の位置
    が該目標位置となるように該ステッパモータに駆動用パ
    ルスを付与するとともに、該ステッパモータを該限界位
    置方向へ正転駆動するときには正転用駆動周期で逆転駆
    動するときには該正転用駆動周期と同一又は異なる逆転
    用駆動周期でそれぞれ該駆動用パルスを付与して該ステ
    ッパモータを駆動するステッパモータ駆動手段と、 特定の指令情報に応答して作動し、該ステッパモータに
    対して該被駆動部材が該限界位置に到達するのに必要な
    最小パルス数を超過する数の駆動パルスを付与して該ス
    テッパモータを駆動して、このときに該位置検出手段か
    ら得られる現在位置情報が該限界位置に対応するものと
    して該現在位置情報を初期化する初期化手段をそなえ、 該初期化手段が、該初期化時の該被駆動部材を該限界位
    置に到達させる際の該ステッパモータへ付与する駆動パ
    ルスの周期を該正転用駆動周期よりも長い周期であって
    該限界用駆動周期と同一又は該限界用駆動周期とは異な
    る初期化用駆動周期とすることを特徴とする、ステッパ
    モータ式駆動装置。
  6. 【請求項6】 被駆動部材と、 パルス信号に応じて作動し該被駆動部材を駆動するとと
    もに正逆回転可能で且つ作動周期が可変のステッパモー
    タと、 該ステッパモータへのパルス信号のパルス数のカウント
    結果を該被駆動部材の現在位置情報として保持する位置
    検出手段と、 該被駆動部材の目標位置を設定する目標位置設定手段
    と、 該目標位置設定手段からの目標位置情報と該位置検出手
    段からの現在位置情報とに基づいて該被駆動部材の位置
    が該目標位置となるように該ステッパモータに駆動用パ
    ルスを付与するとともに、該ステッパモータを第1の方
    向へ駆動するときには第1の駆動周期で駆動パルスを発
    し、該ステッパモータを該第1の方向とは反対の第2の
    方向へ駆動するときには該第1の駆動周期と同一又は該
    第1の駆動周期よりも長い第2の駆動周期で駆動パルス
    を発して該ステッパモータを駆動するステッパモータ駆
    動手段と、 該ステッパモータ駆動手段から付与される駆動パルスに
    よるステッパモータの駆動方向が切り替わるときには切
    替前後の駆動停止期間を該第2の駆動周期よりも長く設
    定する切替時制御手段とをそなえていることを特徴とす
    る、ステッパモータ式駆動装置。
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