JPH09298753A - 動画像符号化方法及び動画像符号化装置 - Google Patents

動画像符号化方法及び動画像符号化装置

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JPH09298753A
JPH09298753A JP32046696A JP32046696A JPH09298753A JP H09298753 A JPH09298753 A JP H09298753A JP 32046696 A JP32046696 A JP 32046696A JP 32046696 A JP32046696 A JP 32046696A JP H09298753 A JPH09298753 A JP H09298753A
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元樹 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレーム間予測符号化回路の前段にプリフィ
ルタを置く構成の動画像符号化装置において、フレーム
の中で部分的に、ローパスプリフィルタの特性を変更で
きると共に、予測画像間でお互いの画像信号の帯域が異
ることによる符号化効率の低下を小さくする。 【解決手段】 入力動画像を少なくとも1画素からなる
小ブロックに分割する動きベクトル検出回路24と、所
定の方法により入力動画像の小ブロックの符号化難易度
dを計算する符号化難易度測定回路26と、入力動画像
の小ブロックの符号化難易度dと当該入力動画像の小ブ
ロックがフレーム間予測で参照する小ブロックで使われ
たフィルタ係数k_refとに基づいて、入力動画像の小ブ
ロックに対してプリフィルタ22にて適応的にローパス
フィルタ処理を施す際のフィルタ特性を決定するプリフ
ィルタ制御回路27とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、動画像信号を、例
えば光磁気ディスクや磁気テープなどの記録媒体に記録
したり、テレビ会議システム,テレビ電話システムや放
送用機器など、動画像信号を伝送路を介して送信側から
受信側に伝送する場合などに用いて好適な動画像符号化
方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、テレビ会議システムやテレビ電
話システムなどのように、動画像信号を遠隔地に伝送す
るシステムにおいては、高品質の伝送を実現するため
に、上記動画像信号をディジタル化することが行われて
いる。また、動画像信号を信号記録媒体に記録する場合
においても、同様にディジタル化した動画像信号を記録
することが行われている。
【0003】ここで、ディジタル化した動画像信号はデ
ータ量が膨大であるので、記録又は伝送する場合には、
データの符号化(圧縮)が行われることが多い。しか
し、動画像信号を符号化(圧縮)すると、多少の画質劣
化は避けられないものである。この画質劣化としては、
例えば、ブロック状歪みや輪郭部のリンギング(モスキ
ートノイズ)がある。このような画質劣化を少なくする
ために、従来より、プリフィルタ(例えばローパスフィ
ルタ)を使用し、符号化前の入力画像信号に対してフィ
ルタリング処理を施すことが多い。
【0004】図23には、上記プリフィルタを使用する
従来の動画像信号の符号化装置の一例を示す。
【0005】図23に示す符号化装置おいて、端子20
1から入力されるディジタル動画像信号S210は、プ
リフィルタ回路202でフィルタリング処理される。上
記フィルタリング処理がなされた処理画像信号S211
は、次段の符号化回路205へ入力される。
【0006】符号化回路205は、動き補償フレーム間
予測とDCT(離散コサイン変換)などの変換符号化を
組み合わせたハイブリッド符号化方法を用いてディジタ
ル動画像信号を符号化するものである。すなわち符号化
回路205は、入力信号S211に対して、フレーム間
/内適応予測を施し、演算器206にて予測誤差信号S
212を取り出す。さらに、DCT器207にて予測誤
差信号に対して2次元DCTを施す。そして、量子化器
208にて、上記計算されたDCT係数を量子化し、符
号化出力信号S215を端子220から出力する。ここ
で、量子化器208は、出力信号S215のビットレー
トが一定となるような量子化ステップサイズを決定して
いる。
【0007】一方、出力信号S215は、逆量子化器2
09にて逆量子化された後、逆DCT器210にて逆D
CT処理され予測誤差信号が復元され、さらに演算器2
11にて当該予測誤差信号に予測画像信号が加算されて
局部復号がなされる。この加算により得られた復号画像
信号S213がフレームメモリ212へ記憶される。
【0008】一般に、符号化回路205では、入力動画
像の絵柄が複雑だったり、動きが大きい程、予測残差信
号S212が大きくなる。この時、符号化の発生情報量
を定められたビットレートに抑えるために、量子化器2
08にて粗い量子化を用いると、視覚上目立つブロック
歪みが発生し、主観画質が劣化する。
【0009】そこで、図23に示した符号化装置では、
入力画像のフレーム間差分信号の大きさがフレーム間予
測符号化の発生符号量に影響を与えることを考慮して、
入力画像のフレーム間差分信号の大きさに応じて、入力
画像に対するプリフィルタのローパス(Low Pass)通過帯
域を制限している。これにより、予測誤差信号S212
のエネルギが減衰され、粗い量子化を防ぐことができる
ので、主観的な画質を向上させることができる。
【0010】この符号化装置における可変プリフィルタ
制御方法を説明する。
【0011】演算器204では、端子201から入力さ
れる画像信号S210とフレームメモリ212から入力
される画像信号S214とのフレーム間差分rが計算さ
れる。ここで、画像信号S214は、入力画像信号S2
10のフレーム間予測で参照される信号である。フレー
ム間差分rは、プリフィルタ制御器203へ入力され、
このプリフィルタ制御器203では、上記フレーム間差
分rの大きさに応じて、プリフィルタ202のローパス
通過帯域を制御するためのパラメータとしてプリフィル
タ係数kを生成出力する。当該プリフィルタ202は、
図24の2次元ローパスフィルタ特性を持ち、ローパス
通過帯域は、上記プリフィルタ係数kに対して単調増加
である。図25には、フレーム間差分rとプリフィルタ
係数kの関係を示す。このように、プリフィルタ制御器
203では、上記関係により、入力画像のフレーム間差
分信号の大きさに応じてプリフィルタのローパス特性を
制御している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、フレームの
中では、局所的に予測残差の大きい部分と予測残差の小
さい部分が存在する。例えば、前者は、局所的に動きが
速い部分又は絵柄が複雑な部分であり、後者は、動きが
遅い部分又は絵柄が平坦な部分である。そして、人間の
目は、動きの速い部分又は絵柄が複雑な部分では解像度
の低下に鈍感であるが、動きの遅い部分又は絵柄が平坦
な部分では、解像度の低下に敏感である。したがって、
予測残差の大きい部分では、通過帯域の比較的狭いロー
パスフィルタを使用し、一方、予測残差の小さい部分に
は、通過帯域の比較的広いローパスフィルタを使用する
ことが好ましく、これにより発生情報量が低減される共
に、主観的な画質が向上することになる。
【0013】しかしながら、図23の構成のように、プ
リフィルタ202は、符号化回路205の予測符号化ル
ープの外に置かれているため、フレームの内部で部分的
に、プリフィルタの特性を頻繁に変更すると、予測画像
間でローパスの通過帯域が異なった場合に、符号化効率
が低下してしまう可能性がある。すなわち、予測画像間
で使用したプリフィルタの特性が異なるためにお互いの
画像信号の帯域が異なると、図23の構成において、入
力画像信号S210とその予測画像信号S214の予測
残差信号のエネルギよりも、フィルタ処理された画像信
号S211とその予測画像信号S214の予測残差信号
のエネルギの方が大きくなる可能性がある。例えば、入
力画像信号S210がローパスフィルタ処理され、画像
信号S211では高周波数成分が減衰していている一方
で、予測画像信号S214では高周波数成分が残ってい
る場合、入力画像信号S210と予測画像信号S214
の予測残差信号のエネルギよりも、フィルタ処理された
画像信号S211と予測画像信号S214の予測残差信
号のエネルギの方が大きくなり、符号化効率が低下して
しまう虞れがある。
【0014】そこで、本発明は、このような状況に鑑み
てなされたものであり、フレーム間予測符号化回路の前
段にプリフィルタを置く構成の動画像符号化装置におい
て、フレームの中で部分的に、ローパスプリフィルタの
特性を変更できるとともに、予測画像間でお互いの画像
信号の帯域が異なることによる符号化効率の低下を小さ
くすることを可能にするものである。
【0015】すなわち、本発明の目的は、フレームの中
で部分的に、局所的な予測残差の相違に従ってローパス
プリフィルタの特性を変更して、主観画質を改善できる
ようにした動画像符号化方法及び動画像符号化装置を提
供することにある。
【0016】また、本発明の他の目的は、参照する画像
間でお互いの画像信号の帯域が異なることによる符号化
効率の低下を小さくして、主観画質を改善できるように
した動画像符号化方法及び動画像符号化装置を提供する
ことにある。
【0017】また、本発明の他の目的は、時間的に近接
する画像間でお互いの画像信号の帯域が極端に異なるこ
とによる主観的画質の劣化を小さくするようにした動画
像符号化方法及び動画像符号化装置を提供することにあ
る。
【0018】さらに、本発明の他の目的は、同一画像内
で空間的に近接する小ブロック間の画像信号の帯域が極
端に異なることによる主観的画質の劣化を小さくするよ
うにした動画像符号化方法及び動画像符号化装置を提供
することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明では、入力動画像
を少なくとも1画素からなる小ブロックに分割し、所定
の方法により小ブロックの符号化難易度を計算し、この
小ブロックの符号化難易度と当該小ブロックが画像間予
測で参照する小ブロックで使われたフィルタ制御情報と
に基づいて、当該小ブロックに対して適応的にローパス
フィルタ処理を施す際のフィルタ特性を決定することに
より、上述の課題を解決する。
【0020】すなわち、本発明によれば、入力動画像信
号に対するローパスフィルタ処理の際のフィルタ特性を
決定する場合に、現在の符号化対象の小ブロックの符号
化難易度とともに、画像間予測で参照される小ブロック
で使われたフィルタ制御情報を合わせて考慮している。
これにより、ローパスプリフィルタ処理された動画像
は、従来よりも、符号化画質の主観的印象が良く、かつ
符号化効率の良いものとすることが可能となる。
【0021】また、本発明では、フィルタ特性を決定す
るために参照するフィルタ特性画像と、参照しない非フ
ィルタ特性画像に入力動画像を分類して、フィルタ特性
を次のように決定する。
【0022】すなわち、上記入力動画像がフィルタ特性
画像である場合は、当該入力動画像を少なくとも1画素
からなる小ブロックに分割し、小ブロックの符号化難易
度を計算し、当該入力動画像内で小ブロックの符号化難
易度を平滑化する。そして、この小ブロックの符号化難
易度と当該小ブロックが画像間予測で参照する小ブロッ
クで使われたフィルタ制御情報に基づいて、当該小ブロ
ックに対して適応的にローパスフィルタ処理を施す際の
フィルタ特性を決定する。
【0023】また、上記入力動画像が非フィルタ特性画
像である場合は、画像を少なくとも1画素からなる小ブ
ロックに分割し、当該入力画像の小ブロックが画像間予
測で参照する過去参照画像における小ブロックのフィル
タ制御情報と、未来参照画像における小ブロックのフィ
ルタ制御情報とに基づいた所定の方法による内挿補間に
より当該小ブロックのフィルタ特性に対してローパスフ
ィルタ処理を施す際のフィルタ特性を算出する。更に、
近接する画像の空間的に同じ位置の小ブロックのフィル
タ制御情報に基づいて最終的なフィルタ特性を決定す
る。
【0024】このように、本発明では、入力動画像信号
に対するローパスフィルタ処理の際のフィルタ特性を決
定する場合に、フィルタ特性画像として互いに類似の符
号化難易度特性を持つ画像、例えばMPEG方式におけ
るPピクチャなど、を選択してフィルタ特性を算出し、
非フィルタ特性画像としてフィルタ特性画像と符号化難
易度特性の異なる画像、例えばMPEG方式におけるI
ピクチャ、Bピクチャなど、を選択して、フィルタ特性
画像より内挿補間を行ってフィルタ特性を算出すること
で、連続する画像間のローパスの通過帯域が極端に異な
ることをなくす。
【0025】また、フィルタ特性画像、非フィルタ特性
画像の双方で、現在の符号化対象の小ブロックが画像間
予測で参照する小ブロックで使われたフィルタ制御情報
を考慮することで、フィルタ係数の極端な相違による符
号化効率の低下を防ぐ。
【0026】これらにより、ローパスプリフィルタ処理
された動画像は、従来よりもさらに符号化画質の主観的
印象が良く、かつ符号化効率の良いものとすることが可
能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態について、図面を参照しながら説明する。
【0028】本発明の動画像符号化方法が適用される動
画像符号化装置の第1の構成例を図1に示す。
【0029】この図1に示す本発明の第1の構成例の動
画像符号化装置において、入力端子20から入力される
ディジタル動画像信号S30は、フレームメモリ群21
に送られ、記憶される。
【0030】このフレームメモリ群21に記憶された画
像データS23を用いて、動きベクトル検出回路24
は、フレーム間の動きベクトルを検出する。具体的に言
うと、動きベクトル検出回路24では、フレームを小ブ
ロックに分割し、この小ブロック単位に動きベクトルM
Vを計算する。ここで、小ブロックは例えば16画素×
16ラインで構成されており、動きベクトル検出は例え
ば参照フレームと現在の小ブロックとのパターンマッチ
ングで行う。すなわち、式(1) に示すように、現在の小
ブロックの信号Aijと、任意の動きベクトルにより参照
される小ブロックの信号Fijの差の絶対値の和Ef を求
める。
【0031】 Ef = Σ|Aij−Fij| (i=0〜15, j=0〜15) (1) 動きベクトル検出回路24は、上記Ef の値が最小とな
る動きベクトルを動きベクトル信号MVとして出力す
る。
【0032】画像データS23と動きベクトル信号MV
は、符号化難易度測定回路26へ入力され、ここで入力
画像の小ブロック毎に、その符号化難易度d(d_curren
t) が計算される。この第1の構成例での符号化難易度
dは、後述する動画像符号化回路23での発生符号量を
定められたビットレートに圧縮する時の難易度を表すパ
ラメータである。符号化難易度測定回路26の具体的な
構成例については、後述する。
【0033】次に、プリフィルタ制御回路27へは、上
述のように求めた現在の符号化対象の小ブロックの符号
化難易度dが入力される。
【0034】また、プリフィルタ制御情報記憶回路25
には、過去に入力された小ブロックで使われたプリフィ
ルタ係数が記憶されている。ここで、このプリフィルタ
制御情報記憶回路25には、現在の小ブロックのフレー
ム上での位置を表すブロックアドレスmb_addressと現在
の小ブロックの動きベクトル信号MVとが入力され、そ
れらに基づいて、このプリフィルタ制御情報記憶回路2
5では、現在の小ブロックがフレーム間予測で参照する
小ブロックで使用されたローパスプリフィルタの通過帯
域制限を指定するパラメータとしてのフィルタ係数k_r
efを読み出す。このフィルタ係数k_refは、プリフィル
タ制御回路27へ入力される。なお、上記フィルタ係数
k_refを読み出す場合には、ブロックアドレスmb_addre
ssだけを使用して、フレーム間予測で参照するフレーム
上の同じブロックアドレスmb_addressの位置にある小ブ
ロックで使用されたローパスプリフィルタの通過帯域制
限を指定するパラメータを上記フィルタ係数k_refとし
て読み出すようにしても良い。この場合は、プリフィル
タ制御情報記憶回路25へ動きベクトル信号MVを入力
する必要はない。
【0035】プリフィルタ制御回路27は、上記符号化
難易度dとフィルタ係数k_refが入力されると、これら
に基づいて、現在の小ブロックに使用するローパスプリ
フィルタの通過帯域制限を指定するパラメータとしてフ
ィルタ係数k_currentを生成出力し、これをプリフィル
タ22へ入力する。ここで、当該プリフィルタ22の特
性は、例えば前述した図24のような特性とする。した
がって、ここでは、フィルタ係数k_currentが小さいほ
ど、通過帯域の狭いローパスフィルタ特性となる。
【0036】なお、プリフィルタ22の特性は、前記図
24に示した特性のローパスフィルタに限らず、これ以
外の特性をもつローパスフィルタであってもよい。
【0037】プリフィルタ制御回路27で計算されたフ
ィルタ係数k_currentは、また、プリフィルタ制御情報
記憶回路25へ入力されて記憶され、これが未来に入力
される小ブロックに使うプリフィルタ係数を決定する時
の参照値(フィルタ係数k_ref)として利用されること
になる。
【0038】フィルタ係数k_currentの計算方法の例に
ついて以下に説明する。ここでは、図2に示すように入
力動画像の入力順にNフレーム毎(N≧1)のグループ
を作り、このグループを処理の1単位としている。以
下、図3のフローチャートを用いて、プリフィルタ係数
の制御について説明する。
【0039】図3に示すフローチャートにおいて、先
ず、ステップST40では、現在の符号化対象のフレー
ムを含むNフレーム間でのフィルタの制御を開始する。
【0040】ステップST41では、そのNフレーム間
での符号化難易度の平均値d_aveを計算し、次のステッ
プST42では、そのNフレーム間でのプリフィルタ係
数の代表値k_gopを計算する。プリフィルタ係数の代表
値k_gopは、Nフレーム間での符号化難易度の平均値d
_aveに対して、代表的な(平均的な)プリフィルタ係数
への対応が、予め経験的に決められている。ここでは、
前記図25で説明したように、符号化難易度が大きいほ
ど、通過帯域の狭いローパスフィルタ特性を対応付けて
おく(すなわちk_gopが小さくなる)。上記符号化難易
度の平均値d_aveとプリフィルタ係数の代表値k_gopの
対応関係は、例えば図4に示すようになる。
【0041】次に、ステップST43では、1フレーム
内でのフィルタの制御を開始する。
【0042】先ず、ステップST44では、現在の符号
化対象の小ブロックの符号化難易度d(以下d_current
とする)を読み込み、ステップST45では、図2に示
すように現在の小ブロックがフレーム間予測で参照する
小ブロックで使用されたローパスプリフィルタ係数k_r
efを読み込む。
【0043】次に、ステップST46では、上記符号化
難易度d_current とローパスプリフィルタ係数k_ref
から現在の小ブロックで使用するローパスプリフィルタ
係数k_currentを計算する。
【0044】上記ローパスプリフィルタ係数k_current
の計算例を図5に示す。この図5に示す計算例では、先
ず、式(a) のように、上記d_currentとk_gopとから統
計的にk_currentを仮に計算するが、ここでは、上記d
_currentが上記d_aveより大きければ、上記k_current
は上記k_gopよりも小さくなり(すなわち通過帯域の狭
いローパスフィルタ特性となり)、逆に、上記d_curre
ntが上記d_aveより小さければ、上記k_currentは上記
k_gopよりも大きくなる(すなわち通過帯域の広いロー
パスフィルタ特性となる)。上記符号化難易度d_curre
ntと上記ローパスプリフィルタ係数k_currentとの対応
関係は、例えば図6に示すようになる。
【0045】この図5に示す計算例では、次に、条件
(b)及び条件(c)のように、上記ローパスプリフィルタ係
数k_currentと現在の小ブロックがフレーム間予測で参
照する小ブロックで使用されたローパスプリフィルタ係
数k_refとを比較する。そして、上記k_currentとk_r
efの変化が、予め決めた閾値より大きい時は、その変化
を抑えるように制御する。具体的には、図5に示す計算
例では、条件(b) のように、上記k_currentがk_refの
A倍(A>1)より大きい時は、当該k_currentをA倍
のk_refへ変更する。また、条件(c) のように、上記k
_currentが上記k_refのB倍(B<1)より小さい時
は、上記k_currentをB倍のk_refへ変更する。以上の
ようにして、現在の小ブロックで使用するローパスプリ
フィルタ係数k_currentを計算する。
【0046】図3のフローチャートに戻って、上述した
ステップST46の次のステップST47では、現在の
小ブロックがフレーム内の最後のブロックであるか否か
の判定をする。このステップST47の判定において、
現在の小ブロックがフレーム内の最後のブロックでない
と判定した場合は、ステップST44へ戻る。一方、こ
のステップST47の判定において、現在の小ブロック
がフレーム内の最後のブロックであると判定した場合
は、ステップST48へ進む。
【0047】ステップST48では、現在のフレームが
Nフレームからなるグループの最後のフレームであるか
否かの判定をする。このステップST48の判定におい
て、現在のフレームがNフレームからなるグループの最
後のフレームでないと判定した場合はステップST43
へ戻り、一方、現在のフレームがNフレームからなるグ
ループの最後のフレームであると判定した場合はステッ
プST49に進む。
【0048】このステップST49にて、Nフレームか
らなるグループでのフィルタの制御を終了する。
【0049】以上のようにして、プリフィルタ制御回路
27は、プリフィルタ係数k_currentを決定する。
【0050】なお、図3のフローチャートにおいて、ス
テップST45,ST46において、上記フィルタ係数
k_refを使用する代わりに、現在の小ブロックがフレー
ム間予測で参照する小ブロックの符号化難易度d_refを
使用しても良い。
【0051】この場合のプリフィルタ係数k_currentの
計算方法の例について、図7に示すフローチャートを用
いて説明する。この図7のフローチャートにおいて前述
の図3のフローチャートとの違いは、ステップST55
とステップST56であり、それぞれ図3ではステップ
ST45とステップST46に対応する。なお、この図
7におけるステップST50からステップST54まで
は、図3におけるステップST40からステップST4
4の場合と同じであり、図7のステップST57以降も
図3のステップST47以降と同じであるので、それら
のステップの説明は省略する。
【0052】この図7のフローチャートにおいて、ステ
ップST55では、図2に示したように現在の小ブロッ
クがフレーム間予測で参照する小ブロックの符号化難易
度d_refを読み込む。
【0053】次にステップST56では、現在の符号化
対象の小ブロックの符号化難易度d_currentと上記符号
化難易度d_refから現在の小ブロックで使用するローパ
スプリフィルタ係数k_currentを計算する。
【0054】図8には、当該ローパスプリフィルタ係数
k_currentの計算例を示す。この図8に示す計算例で
は、条件(d) と条件(e) のように、上記現在の符号化対
象の小ブロックの符号化難易度d_currentと現在の小ブ
ロックがフレーム間予測で参照する小ブロックで使用さ
れた符号化難易度d_refとを比較する。そして、d_cur
rentとd_refの変化が、予め決めた閾値より大きい時
は、その変化を抑えるように制御する。具体的には、条
件(d) のように、上記d_currentが上記d_refのC倍
(C>1)より大きい時は、当該d_currentをC倍のd
_refへ変更する。また、条件(e) のように、上記d_cur
rentが上記d_refのD倍(D<1)より小さい時は、当
該d_current をD倍のd_ref へ変更する。以上のよう
にして、現在の小ブロックで使用する符号化難易度d_c
urrentを検査する。次に、図8の式(f)のように、上記
d_currentとk_gopとから統計的にk_currentを仮に計
算する。この時の特性は、前記図6で説明したものと同
様である。
【0055】上述した図7のフローチャートの場合、図
1のプリフィルタ制御情報記憶回路25には、過去に計
算された小ブロックの符号化難易度d_refが記憶されて
いて、現在の小ブロックのブロックアドレスmb_address
と動きベクトル信号MVからフレーム間予測で参照する
小ブロックの符号化難易度d_refを読み出す。
【0056】なお、この時、前述したように、上記符号
化難易度d_refを読み出す場合に、ブロックアドレスmb
_addressだけを使用して、フレーム間予測で参照するフ
レーム上の同じブロックアドレスmb_addressの位置にあ
る小ブロックで使用されたローパスプリフィルタの通過
帯域制限を指定するパラメータをフィルタ係数d_refと
して読み出しても良い。この場合は、プリフィルタ制御
情報記憶回路25へ動きベクトル信号MVを入力する必
要がない。
【0057】図1に戻って、プリフィルタ22は、現在
の小ブロックに対して、プリフィルタ係数k_currentで
指定されるローパスフィルタ処理を施して、処理画像信
号S22を出力する。
【0058】当該処理画像信号S22とその動きベクト
ル信号MVは、動画像符号化回路23へ入力され、ここ
で所定のフレーム間予測符号化処理が施され、符号化ビ
ットストリームS24として出力端子28から出力され
る。
【0059】図9には、図1の動画像符号化回路23の
構成例を示す。なお、この図9には、動画像符号化回路
23の具体例として、例えばいわゆるMPEG方式のよ
うな動き補償フレーム間予測とDCTとを組み合わせた
ハイブリッド符号化を行うものを示している。
【0060】この図9において、入力端子61には前記
動きベクトル検出回路24から入力される動きベクトル
信号MVが供給される。一方、入力端子50からは、当
該動画像符号化回路(ハイブリッド符号化器)23への
入力動画像信号S65が供給される。
【0061】また、当該符号化回路23の動き補償フレ
ーム間/内予測回路57は、画像メモリを備え、上記入
力端子61からの動きベクトル信号MVに基づいて当該
画像メモリから読み出した予測画像信号S68を出力す
る。
【0062】演算器51は、上記入力端子50からの入
力動画像信号S65を加算信号とし、上記動き補償フレ
ーム間/内予測回路57からの上記予測画像信号S68
を減算信号として加算処理を行うことにより、上記入力
動画像信号S65と予測画像信号S68の差分を計算
し、当該差分を予測残差信号S66として出力する。な
お、シーンチェンジがあった時は予測を行わず、入力動
画像信号S65がそのまま取り出される。
【0063】次に、予測残差信号S66(予測を行わな
い時は原信号)は、DCT回路52に送られる。このD
CT回路52では上記予測残差信号S66に対して2次
元DCTを施す。このDCT回路52から出力されたD
CT係数は、量子化回路53にてスカラー量子化され
る。この量子化回路53の量子化出力信号は、可変長符
号化(VLC)回路58と逆量子化回路54とに送られ
る。VLC回路58では、上記量子化出力信号に対して
例えばハフマン符号化を施す。このVLC回路58の出
力信号はバッファメモリ59に送られる。当該バッファ
メモリ59では出力端子60から伝送路に出力するデー
タ列のビットレートを平滑化する。また、当該バッファ
メモリ59がオーバーフローしそうになった時には、そ
のことを量子化制御情報として量子化回路53にフィー
ドバックする。このとき、量子化回路53では量子化ス
テップを大きくし、これにより量子化回路53から出力
される情報量が小さくなされる。
【0064】一方、逆量子化回路54では、量子化回路
53より供給される量子化ステップ情報q_step に対応
して、上記量子化出力信号に逆量子化処理を施す。当該
逆量子化回路54の出力は、逆DCT回路55に入力さ
れ、ここで逆DCT処理されて復号された予測残差信号
S67が、演算器56へ入力される。
【0065】また、この演算器56には、演算器51に
供給されている予測画像信号S68と同一の信号が供給
されている。演算器56は、上記予測残差信号S67に
予測画像信号S68を加算する。これにより、局所復号
した画像信号が得られる。この画像信号は、受信側での
出力画像と同じ信号である。
【0066】次に、図10には、図1の符号化難易度測
定回路26の構成例を示す。この図10の構成は、基本
的には図9で説明した動画像符号化回路と同じであり、
異なる点は、量子化回路73で固定の量子化スケールが
使用される点と、VLC回路78からの発生符号量につ
いてバッファメモリの占有量の管理をしない点である。
すなわち、VLC回路78からの発生符号量は、カウン
タ79にて、小ブロック毎にビット量が数えあげられ、
符号化難易度dが出力端子80から出力される。なお、
他の図9と同じ構成要素の説明については省略する。
【0067】以上のような構成の動画像符号化装置で
は、入力動画像信号S30の現在の符号化対象となって
いるフレームを、少なくとも1画素からなる小ブロック
に分割し、この小ブロック単位に符号化難易度(動画像
符号化装置の発生符号量を定められたビットレートに圧
縮する時の難易度を表すパラメータ)を計算し、当該現
在の符号化対象の小ブロックに対してローパスプリフィ
ルタ処理を施す場合に、現在の小ブロックの符号化難易
度と現在の小ブロックがフレーム間予測で参照する小ブ
ロックで使われたプリフィルタ制御情報とに基づいて適
応的にローパスプリフィルタの特性を決定し、この特性
によりローパスプリフィルタ処理した動画像信号に対し
て符号化処理を施す。
【0068】すなわち、本発明の第1の構成例の動画像
符号化装置では、フレーム間予測符号化を施す動画像信
号に対するプリフィルタ処理の際のフィルタ特性を決定
する場合に、現在の符号化対象の小ブロックの符号化難
易度とともに、フレーム間予測で参照される小ブロック
で使われたプリフィルタ制御情報を合わせて考慮してい
る。具体的には、先ず第1段階として、視覚特性を考慮
して、局所的に速い動きや複雑な絵柄であって符号化難
易度の大きい部分では、通過帯域の比較的狭いローパス
フィルタを選択し、一方、遅い動きや平坦な絵柄であっ
て符号化難易度の小さい部分では、通過帯域の比較的広
いローパスフィルタを選択するようにしている。次に第
2段階として、現在の符号化対象の小ブロックがフレー
ム間予測で参照する小ブロックで使われたプリフィルタ
制御情報を考慮して、フレーム間予測符号化効率が低下
しないように、第1段階で選択されたフィルタ特性を修
正して、最終的に現在の符号化対象の小ブロックに対す
るプリフィルタ特性を決定するようにしている。これに
より、ローパスプリフィルタ処理された動画像は、符号
化画質の主観的印象が良く、かつ符号化効率の良いもの
となる。
【0069】次に、本発明の第2の構成例の動画像符号
化装置を図11に示す。
【0070】この図11に示す第2の構成例において、
上述した第1の構成例の動画像符号化装置との大きな違
いは、プリフィルタ制御回路97に入力する符号化難易
度d(d_current)として、動きベクトル検出回路96
から出力される予測残差、すなわち前述の式(1) で計算
される、現在のブロックの信号Aijと任意の動きベクト
ルにより参照されるブロックの信号Fijの差の絶対値の
和Ef を用いている点である。
【0071】この図11において、入力端子90から入
力されるディジタル動画像信号S100は、フレームメ
モリ群91に送られ、記憶される。このフレームメモリ
群91に記憶された画像データS103を用いて、動き
ベクトル検出回路96は、フレーム間の動きベクトルを
前記第1の構成例で説明したように検出する。そして、
動きベクトル検出回路96は、入力画像の小ブロック毎
に動きベクトル信号MVと上述の式(1)から計算される
予測残差Efを計算する。当該予測残差Efは、その小
ブロックの符号化難易度dとして、動きベクトル検出回
路96から出力される。
【0072】プリフィルタ制御回路97へは、現在の符
号化対象の小ブロックの符号化難易度dが入力される。
また、プリフィルタ制御情報記憶回路95には、過去に
入力された小ブロックで使われたプリフィルタ係数が記
憶されている。ここで、このプリフィルタ制御情報記憶
回路95には、現在の小ブロックのフレーム上での位置
を表すブロックアドレスmb_addressと現在の小ブロック
の動きベクトル信号MVが入力され、このプリフィルタ
制御情報記憶回路95では、これらに基づいて現在の小
ブロックがフレーム間予測で参照する小ブロックで使用
されたローパスプリフィルタの通過帯域制限を指定する
パラメータとしてフィルタ係数k_refを読み出し、これ
をプリフィルタ制御回路97へ入力する。なお、フィル
タ係数k_refを読み出す場合は、ブロックアドレスmb_a
ddressだけを使用して、フレーム間予測で参照するフレ
ーム上の同じブロックアドレスmb_addressの位置にある
小ブロックで使用されたローパスプリフィルタの通過帯
域制限を指定するパラメータをフィルタ係数k_refとし
て読み出しても良い。この場合は、プリフィルタ制御情
報記憶回路95へ動きベクトル信号MVを入力する必要
はない。
【0073】プリフィルタ制御回路97は、上記符号化
難易度dとフィルタ係数k_refが入力されると、これら
の基づいて現在の小ブロックに使用するローパスプリフ
ィルタの通過帯域制限を指定するパラメータとしてフィ
ルタ係数k_currentを生成出力し、これをプリフィルタ
回路92へ入力する。ここで、当該プリフィルタ回路9
7の特性は、例えば前述した図24のような特性とす
る。したがって、ここでは、上記フィルタ係数k_curre
ntが小さいほど、通過帯域の狭いローパスフィルタ特性
となる。
【0074】なお、プリフィルタ92の特性は、図24
に示した特性のローパスフィルタに限らず、これ以外の
特性をもつローパスフィルタであってもよい。
【0075】プリフィルタ制御回路97で計算されたフ
ィルタ係数k_currentは、また、プリフィルタ制御情報
記憶回路95へ入力されて記憶され、これが未来に入力
される小ブロックに使うプリフィルタ係数を決定する時
の参照値k_refとして利用されることになる。
【0076】フィルタ係数k_currentの計算方法の例
は、第1の構成例において図5を用いて説明した方法と
同様である。
【0077】プリフィルタ回路92は、現在の小ブロッ
クに対して、プリフィルタ係数k_currentで指定される
ローパスフィルタ処理を施して、処理画像信号S102
を出力する。
【0078】当該処理画像信号S102とその動きベク
トル信号MVは、動画像符号化回路93へ入力され、所
定のフレーム間予測符号化処理(例えばいわゆるMPE
G方式の符号化処理)が施され、この符号化ビットスト
リームS104が出力端子98から出力される。動画像
符号化回路93の構成は、第1の構成例において図9を
用いて説明したものと同様である。
【0079】このような構成の動画像符号化装置では、
プリフィルタ制御回路97に入力する符号化難易度d
(d_current)として、動きベクトル検出回路96から
出力される予測残差、すなわち、現在のブロックの信号
Aijと任意の動きベクトルにより参照されるブロックの
信号Fijの差の絶対値の和Ef を用いることにより、フ
レーム間予測符号化効率が低下しないように、選択され
たフィルタ特性を修正して、最終的に現在の符号化対象
の小ブロックに対するプリフィルタ特性を決定する。こ
れにより、ローパスプリフィルタ処理された動画像は、
符号化画質の主観的印象が良く、かつ符号化効率の良い
ものとすることできる。
【0080】なお、特開平6−225276号公報に開
示されている動画像符号化におけるプリフィルタ制御方
法及び装置も、入力画像信号に対してプリフィルタ処理
を行うようにしているが、この公報記載の技術は、1画
面内でプリフィルタ係数を変えることは行っておらず画
面内では一定で、また複数フレーム単位でフィルタ係数
を一定にしている。
【0081】これに対して、上述のような第1の構成例
や第2の構成例の画像符号化装置では、フレーム間予測
符号化を施す動画像信号に対するプリフィルタ処理の際
のフィルタ特性を、画面を分割する小ブロック単位の符
号化難易度dに応じて適応的に変更可能としているの
で、視覚特性を考慮して、画面内の局所的に速い動きや
複雑な絵柄であり符号化難易度の大きい部分では通過帯
域の比較的狭いローパスフィルタを選択でき、一方、遅
い動きや平坦な絵柄であり符号化難易度の小さい部分で
は通過帯域の比較的広いローパスフィルタを選択でき
る。さらにこの小ブロック単位のプリフィルタ係数を決
定する場合には、上記小ブロックの符号化難易度dだけ
でなく、現在の符号化対象の小ブロックがフレーム間予
測で参照する小ブロックで使われたプリフィルタ制御情
報をも合わせて考慮しており、フレーム間予測符号化効
率が低下しないように、上述のように選択されたフィル
タ特性を修正して、最終的に現在の符号化対象の小ブロ
ックに対するプリフィルタ特性を決定するようにしてい
るので、ローパスプリフィルタ処理された動画像は、従
来よりも、符号化画質の主観的印象が良く、かつ符号化
効率の良いものとすることできる。
【0082】ところで、MPEG方式などで用いられて
いるフレーム間予測符号化では、図12に示すように予
測を行わないで内部符号化するIピクチャと、順方向予
測のみを行うBピクチャと、双方向予測を行うBピクチ
ャがあり、一般に、これらの画像間では符号化難易度の
ダイナミックレンジや小ブロック毎の符号化難易度の分
布が異なっている。MPEG方式では、このように符号
化難易度の特性の異なる画像が連続しているため、全入
力画像の符号化難易度に従ってローパスフィルタ処理の
フィルタ特性を決定すると、時間的に近接する画像間で
フィルタ特性が極端に異なることに起因する主観的画質
の劣化が生じる可能性がある。
【0083】上述の第1及び第2の構成例により説明し
た実施の形態においては、入力画像の小ブロックの符号
化難易度と当該小ブロックが画像間予測で参照する小ブ
ロックで使われたフィルタ制御情報とに基づいて、ロー
パスフィルタ処理のフィルタ特性を決定しているが、内
部符号化を行うIピクチャや、フィルタ特性の参照画像
との間にBピクチャが存在するPピクチャ及び時間的に
連続する画像間のフィルタ特性に関して考慮していな
い。
【0084】また、フレーム間予測を行う画像におい
て、予測を行わずに内部符号化を行う小ブロックが存在
することがあるため、同一画像内においても、空間的に
近接する小ブロックと比較して、極端に符号化難易度の
高い小ブロックが存在することがある。
【0085】このような画像に対して、小ブロック毎の
符号化難易度に従って適応的にローパスフィルタ処理の
フィルタ特性を決定すると、時間的/空間的に局所的に
ローパスの通過帯域の異なる小ブロックが存在すること
になり、主観的画質の劣化が生じる可能性がある。
【0086】そこで、図13に示す本発明の第3の構成
例の動画像符号化装置では、フレーム間予測符号化を施
す動画像信号に対するプリフィルタ処理の際のフィルタ
特性を決定する場合に、入力動画像信号S30の現在の
符号化対象となっているフレームを、少なくとも1画素
からなる小ブロックに分割し、現在の符号化対象の画像
がフィルタ特性画像であるか非フィルタ特性画像である
かの判定を行い、現在の小ブロックのプリフィルタ情報
とともに、フレーム間予測で参照される小ブロックで使
われたプリフィルタ制御情報及び時間的に近接する画像
の空間的に同じ位置の小ブロックで使われたプリフィル
タ制御情報を合わせて考慮している。
【0087】具体的には、先ず第1段階として、MPE
G方式における、I、P、Bピクチャなどの符号化タイ
プによって符号化難易度が異なることを考慮して、特定
の符号化タイプの入力画像をフィルタ特性画像として判
定し、それ以外の符号化タイプの画像を非フィルタ特性
画像として判定する。ここで、例えばフィルタ特性画像
にはPピクチャを用い、非フィルタ特性画像にはI、B
ピクチャを用いる。
【0088】入力画像をフィルタ特性画像として判定し
た場合は所定の方法で当該画像の小ブロック毎の符号化
難易度を計算し、所定の方法で当該画像内で当該符号化
難易度を平滑化する。
【0089】第2段階として視覚特性を考慮して、局所
的に速い動きや複雑な絵柄であるために符号化難易度の
大きい小ブロックでは、通過帯域の比較的狭いローパス
フィルタを選択し、一方、遅い動きや平坦な絵柄である
ために符号化難易度の小さい小ブロックでは、通過帯域
の比較的広いローパスフィルタを選択するようにしてい
る。更に、現在の符号化対象の小ブロックがフレーム間
予測で参照する小ブロックで使われたプリフィルタ制御
情報を考慮し、主観的に画質が劣化せず、かつ、フレー
ム間予測符号化効率が低下しないように、選択されたフ
ィルタ特性を修正して、現在の符号化対象の小ブロック
に対するプリフィルタ特性を決定する。
【0090】非フィルタ特性画像の場合は、第2段階と
して現在の符号化対象の小ブロックがフレーム間予測で
参照する過去参照画像の小ブロックで使われたプリフィ
ルタ制御情報と未来参照画像の小ブロックで使われたプ
リフィルタ制御情報から所定の方法で内挿補間を行い当
該画像の小ブロックのプリフィルタ特性を算出する。更
に、時間的に近接する画像の空間的に同じ位置の小ブロ
ックで使われたプリフィルタの制御情報を考慮して、主
観的に画質が劣化せず、かつ、フレーム間予測符号化効
率が低下しないように、算出したフィルタ特性を修正し
て、現在の符号化対象の小ブロックに対するプリフィル
タ特性を決定する。
【0091】ここで、非フィルタ特性画像が予測を用い
ない内部符号化画像、例えばMPEG方式におけるIピ
クチャである場合には、時間的に前後するPピクチャの
空間的に同じ位置の小ブロックのプリフィルタ制御情報
に基づいて内挿補間を行い、現在の符号化対象の小ブロ
ックのプリフィルタ特性を決定する。
【0092】これらにより、ローパスプリフィルタ処理
された動画像は、符号化画質の主観的印象が良く、かつ
符号化効率の良いものとなる。
【0093】この図13に示す本発明の第3の構成例の
動画像符号化装置において、入力端子120から入力さ
れるディジタル動画像信号S30は、フレームメモリ群
121に送られ、記憶される。
【0094】MPEG方式においては、予測符号化を行
う際に、双方向予測を行うことから、図14(a),
(b)に示すように画像の入力順序と符号化順序が異な
るため、フレームメモリ群21では符号化順序に従って
入力画像の順序入替えを行う。
【0095】このフレームメモリ群121に記憶された
画像データS23を用いて、動きベクトル検出回路12
4は、フレーム間の動きベクトルを検出する。具体的に
言うと、動きベクトル検出回路124では、フレームを
小ブロックに分割し、この小ブロック単位に動きベクト
ルMVを計算する。ここで、小ブロックは例えば16画
素×16ラインで構成されており、動きベクトル検出は
例えば参照フレームと現在の小ブロックとのパターンマ
ッチングで行う。すなわち、上述の式(1) により、現在
の小ブロックの信号Aijと、任意の動きベクトルにより
参照される小ブロックの信号Fijの差の絶対値の和Ef
を求める。
【0096】動きベクトル検出回路124は、上記Ef
の値が最小となる動きベクトルを動きベクトル信号MV
として出力する。
【0097】画像処理タイプ判定回路128では、入力
された画像データS23のピクチャータイプによって、
出力する回路切替え信号pict_type の内容を変え、以降
の処理を変える。
【0098】画像データS23がフィルタ特性画像とし
て用いる画像、例えばPピクチャ、であったならば、画
像データS23を符号化難易度参照回路126に入力
し、回路切替え信号pict_type(1)を動きベクトル検出回
路124及びプリフィルタ制御情報記憶回路125に入
力する。
【0099】回路切替え信号pict_type(1)を入力された
動きベクトル検出回路124では、動きベクトル信号M
Vを動画像符号化回路123、プリフィルタ制御情報記
憶回路125及び符号化難易度測定回路126に入力す
る。
【0100】画像データS23と動きベクトル信号MV
を入力された符号化難易度測定回路126では、入力画
像の小ブロック毎に、その符号化難易度d(d_raw) を
計算する。
【0101】この第3の構成例での符号化難易度d(d
_raw) 、後述する動画像符号化回路123での発生符
号量を定められたビットレートに圧縮する時の難易度を
表すパラメータである。符号化難易度測定回路126の
具体的な構成例については、後述する。
【0102】符号化難易度平滑化回路129では、近接
する小ブロック間で、フィルタ係数が極端に異なること
を避けるために、入力したd(d_raw) をフレーム内で
平滑化し、平滑化符号化難易度情報d(d_current) を
計算する。符号化難易度平滑化回路129では、横方向
にi番目、縱方向にj番目の現在の符号化対象の小ブロッ
クの符号化難易度をd(i,j)としたとき、 例えば次の式
(2) d(d_current)={d(i-1,j-1)+d(i,j-1)+d(i-1,j+1) +d(i-1,j) +d(i,j) +d(i+1,j) +d(i-1,j+1)+d(i,j+1)+d(i+1,j+1)}/9 (2) により平滑化を行う。
【0103】次に、プリフィルタ制御回路127へは、
上述のように求めた現在の符号化対象の小ブロックの符
号化難易度d(d_current) が入力される。
【0104】また、プリフィルタ制御情報記憶回路12
5には、過去に入力された小ブロックで使われたプリフ
ィルタ係数が記憶されている。
【0105】ここで、このプリフィルタ制御情報記憶回
路125には、現在の小ブロックのフレーム上での位置
を表すブロックアドレスmb_address と現在の小ブロッ
クの動きベクトル信号MV及び回路切替え信号pict_typ
e(1)が入力され、それらに基づいて、このプリフィルタ
制御情報記憶回路125では、現在の小ブロックがフレ
ーム間予測で参照する小ブロックで使用されたローパス
プリフィルタの通過帯域制限を指定するパラメータとし
てのフィルタ係数k_ref(1)を読み出し、プリフィルタ
制御回路127へ入力する。
【0106】なお、上記フレーム間予測で参照する小ブ
ロックのフィルタ係数k_ref(1)を読み出す場合には、
ブロックアドレスmb_address だけを使用して、フレー
ム間予測で参照するフレーム上の同じブロックアドレス
mb_addressの 位置にある小ブロックで使用されたロー
パスプリフィルタの通過帯域制限を指定するパラメータ
を上記フィルタ係数k_ref(1)として読み出すようにし
ても良い。この場合は、プリフィルタ制御情報記憶回路
125へ動きベクトル信号MVを入力する必要はない。
【0107】プリフィルタ制御回路127は、上記符号
化難易度d(d_current) とフィルタ係数k_ref(1)が
入力されると、これらに基づいて、現在の小ブロックに
使用するローパスプリフィルタの通過帯域制限を指定す
るパラメータとしてフィルタ係数k_current を生成出
力し、これをプリフィルタ122へ入力する。
【0108】プリフィルタ制御回路127で計算された
フィルタ係数k_current は、また、プリフィルタ制御
情報記憶回路25へ入力されて記憶され、これが未来に
入力される小ブロックに使うプリフィルタ係数を決定す
る時の参照値(フィルタ係数k_ref) として利用され
ることになる。
【0109】次に、画像データS23が非フィルタ特性
画像、例えばMPEG方式におけるI、Bピクチャ、で
あったならば、画像処理タイプ判定回路128は現在の
小ブロックのフレーム上での位置を表すブロックアドレ
スmb_address をプリフィルタ制御情報記憶回路125
に入力し、回路切替え信号pict_type(2)を動きベクトル
検出回路124及びプリフィルタ制御情報記憶回路12
5に入力する。
【0110】回路切替え信号pict_type(2)を入力された
動きベクトル検出回路124では、動きベクトル信号M
Vを動画像符号化回路123及びプリフィルタ制御情報
記憶回路125に入力する。
【0111】現在の小ブロックのブロックアドレスmb_
address と現在の小ブロックの動きベクトルMVを入力
されたプリフィルタ制御情報記憶回路125は現在の小
ブロックがフレーム間予測で参照する未来参照画像と過
去参照画像の小ブロックで使用されたローパスプリフィ
ルタの通過帯域制限を指定するパラメータとしてのフィ
ルタ係数k_ref(2)、k_ref(3)と時間的に近接する画
像の空間的に同じ位置の小ブロックで使用されたローパ
スプリフィルタの通過帯域制限を指定するパラメータと
してのフィルタ係数k_ref(4)を読み出し、内挿補間回
路130に入力する。
【0112】なお、上記フィルタ係数k_ref(2)、k_
ref(3)を読み出す場合には、ブロックアドレスmb_addr
ess だけを使用して、フレーム間予測で参照するフレー
ム上の同じブロックアドレスmb_address の位置にある
小ブロックで使用されたローパスプリフィルタの通過帯
域制限を指定するパラメータを上記フィルタ係数k_re
f(2)、k_ref(3)として読み出すようにしても良い。こ
の場合は、プリフィルタ制御情報記憶回路125へ動き
ベクトル信号MVを入力する必要はない。
【0113】現在の小ブロックのパラメータとしてのフ
ィルタ係数k_ref(2)、k_ref(3)、k_ref(4)を入力
された内挿補間回路130は、過去参照画像のフィルタ
係数k_ref(2)と未来参照画像のフィルタ係数k_ref
(3)を基に内挿補間を行い、更に時間的に近接する画像
の空間的に同じ位置の小ブロックのフィルタ係数k_re
f(4)を用いて現在の小ブロックのフィルタ係数k_curr
ent を生成出力し、これをプリフィルタ122へ入力す
る。
【0114】ここで、現在の小ブロックと時間的に近接
する画像の空間的に同じ位置の小ブロックで使用された
フィルタ係数k_ref(4)を用いず、現在の小ブロックが
フレーム間予測で参照する小ブロックで使用されたフィ
ルタ係数k_ref(2)、k_ref(3)のみを読み出して現在
の小ブロックのフィルタ係数k_current を生成出力す
ようにしても良い。
【0115】また、非フィルタ特性画像が例えばMPE
G方式のIピクチャーのように、フレーム間予測を行わ
ない画像であった場合には、時間的に前後するフィルタ
特性画像の空間的に同じ位置の小ブロックのフィルタ係
数を過去参照画像のフィルタ係数k_ref(2)と未来参照
画像のフィルタ係数k_ref(3)として読み出し、内挿補
間を行う。この場合は時間的に近接する画像の空間的に
同じ位置の小ブロックのフィルタ係数k_ref(4)は用い
ない。
【0116】内挿補間回路で計算されたフィルタ係数k
_current は、また、プリフィルタ制御情報記憶回路1
25へ入力されて記憶され、これが未来に入力される小
ブロックに使うプリフィルタ係数を決定する時の参照値
(フィルタ係数k_ref )として利用されることにな
る。
【0117】以上のようにして、適応的にプリフィルタ
122のフィルタ係数を決定し、符号化画質の主観的印
象が良く、かつ符号化効率の良い符号化方式を実現す
る。
【0118】ここで、当該プリフィルタ122の特性
は、例えば上述の図25のような特性とする。したがっ
て、ここでは、フィルタ係数k_current が小さいほ
ど、通過帯域の狭いローパスフィルタ特性となる。ま
た、プリフィルタ122は、上述の図24に示した特性
のローパスフィルタやこれ以外の特性をもつローパスフ
ィルタを用いることができる。
【0119】フィルタ係数k_current の計算方法の例
について以下に説明する。ここでは、図15に示すよう
に入力動画像の入力順に、フィルタ特性画像、非フィル
タ特性画像の双方を含むNフレーム毎(N≧1)のグル
ープを作り、このグループを処理の1単位としている。
図16のフローチャートを用いて、プリフィルタ係数の
制御について説明する。
【0120】図16のフローチャートにおいて、先ず、
ステップST140では、現在の符号化対象のフレーム
を含むNフレーム間でのフィルタの制御を開始する。
【0121】ステップST141では、そのNフレーム
間でのフィルタ特性画像の符号化難易度の平均値d_av
e を計算し、次のステップST42では、そのNフレー
ム間でのプリフィルタ係数の代表値k_gop を計算す
る。プリフィルタ係数の代表値k_gop は、Nフレーム
間での符号化難易度の平均値d_ave に対して、代表的
な(平均的な)プリフィルタ係数への対応が、予め経験
的に決められている。ここでは、上述の図25に示した
ように、符号化難易度が大きいほど、通過帯域の狭いロ
ーパスフィルタ特性を対応付けておく(すなわちk_go
p が小さくなる)。上記符号化難易度の平均値d_ave
とプリフィルタ係数の代表値k_gop の対応関係は、例
えば上述の図6に示すようになる。
【0122】次に、ステップST143では、現在符号
化対象フレームがフィルタ特性画像であるか、非フィル
タ特性画像であるかの判定を行う。フィルタ特性画像で
あるならば、ステップST144へ進み、非フィルタ特
性画像であるならば、ステップST151に移る。
【0123】ステップST144では、フィルタ特性画
像の1フレーム内でのフィルタの制御を開始する。先
ず、ステップST145では、現在の符号化対象の小ブ
ロックの平滑化した符号化難易度d(以下d_current
とする)を読み込み、ステップST146では、図15
(a)に示すように現在の小ブロックがフレーム間予測
で参照する小ブロックで使用されたローパスプリフィル
タ係数k_ref(1)を読み込む。
【0124】次に、ステップST147では、上記符号
化難易度d_current とローパスプリフィルタ係数k_
ref(1)から現在の小ブロックで使用するローパスプリフ
ィルタ係数k_current を例えば上述の図7に示した計
算例と同様に計算する。
【0125】次のステップST148では、現在の小ブ
ロックがフレーム内の最後のブロックであるか否かの判
定をする。このステップST148の判定において、現
在の小ブロックがフレーム内の最後のブロックでないと
判定した場合は、ステップST145へ戻る。一方、こ
のステップST148の判定において、現在の小ブロッ
クがフレーム内の最後のブロックであると判定した場合
は、ステップST149へ進む。
【0126】ステップST149では、現在のフレーム
がNフレームからなるグループの最後のフィルタ特性画
像であるか否かの判定をする。このステップST149
の判定において、現在のフレームがNフレームからなる
グループの最後のフィルタ特性画像でないと判定した場
合はステップST143へ戻り、一方、現在のフレーム
がNフレームからなるグループの最後のフィルタ特性画
像であると判定した場合はステップST150に進む。
【0127】ステップST151では、非フィルタ特性
画像の1フレーム内でのフィルタの制御を開始する。先
ず、ステップST152では、図15(b)に示すよう
に現在の小ブロックがフレーム間予測で参照する、過去
参照画像と未来参照画像の小ブロックで各々使用された
ローパスプリフィルタ係数k_ref(2)とk_ref(3)を読
み込み、ステップST153では、図15(b)に示す
ように時間的に近接するフレームの空間的に同じ位置の
小ブロックで使用されたローパスプリフィルタ係数k_
ref(4)を読み込む次に、ステップST54では、上記フ
ィルタ係数k_ref(2)とk_ref(3)とk_ref(4)から現
在の小ブロックで使用するローパスプリフィルタ係数k
_currentを計算する。
【0128】図17に上記ローパスプリフィルタ係数k
_current の計算例を示す。現在の符号化対象画像と過
去参照画像、未来参照画像が図15(b)に示すような
位置関係である場合、図17に示す計算例では、先ず、
式(g) のように、上記k_ref(2)とk_ref(3)からk_
current を各々の画像の距離に従った内挿補間によって
計算する。次に、条件(h)及び条件(i)のように、現在の
符号化対象画像の小ブロックと時間的に近接する画像の
空間的に同じ位置の小ブロックで使用されたローパスプ
リフィルタ係数k_ref(4)とを比較する。そして、上記
k_current とk_ref(4)の変化が、予め決めた閾値よ
り大きい時は、その変化を抑えるように制御する。
【0129】具体的には、図17に示す計算例では、条
件(h) のように、上記k_currentがk_ref(4)のE倍
(E>1)より大きい時は、当該k_current をE倍の
k_ref(4)へ変更する。また、条件(i) のように、上記
k_current が上記k_ref(4)のF倍(D<1)より小
さい時は、上記k_current をF倍のk_ref(4)へ変更
する。以上のようにして、現在の小ブロックで使用する
ローパスプリフィルタ係数k_current を決定する。
【0130】また、非フィルタ特性画像がIピクチャで
ある場合は、過去参照画像の同じ位置の小ブロックで使
用したローパスフィルタ係数をk_ref(2)とし、未来参
照画像の同じ位置の小ブロックで使用したローパスフィ
ルタ係数をk_ref(3)として同様に計算する。
【0131】図16のフローチャートに戻って、上述し
たステップST154の次のステップST155では、
現在の小ブロックがフレーム内の最後のブロックである
か否かの判定をする。このステップST155の判定に
おいて、現在の小ブロックがフレーム内の最後のブロッ
クでないと判定した場合は、ステップST152へ戻
る。一方、このステップST155の判定において、現
在の小ブロックがフレーム内の最後のブロックであると
判定した場合は、ステップST156へ進む。
【0132】ステップST156では、現在のフレーム
がNフレームからなるグループの最後の非フィルタ特性
画像であるか否かの判定をする。このステップST15
6の判定において、現在のフレームがNフレームからな
るグループの最後の非フィルタ特性画像でないと判定し
た場合はステップST156へ戻り、一方、現在のフレ
ームがNフレームからなるグループの最後の非フィルタ
特性画像であると判定した場合はステップST150に
進む。
【0133】このステップST150にて、Nフレーム
からなるグループでのフィルタの制御を終了する。
【0134】以上のようにして、プリフィルタ制御回路
127及び、内挿補間回路130では、プリフィルタ係
数k_current を決定する。
【0135】なお、図16のステップST146,ST
147,ST152,ST153,ST154におい
て、上記フィルタ係数k_ref(1),k_ref(2),k_re
f(3),k_ref(4)を使用する代わりに、現在の小ブロッ
クがフレーム間予測で参照する小ブロックの符号化難易
度d_ref(1),d_ref(2),d_ref(3),d_ref(4)を
使用しても良い。
【0136】なお、この場合は、像処理タイプ判定回路
128において入力画像を非フィルタ特性画像と判定し
た場合でも画像データS123を符号化難易度測定回路
126に入力し、動きベクトル検出回路124から動き
ベクトル信号MVを符号化難易度測定回路126に入力
して符号化難易度d_ref(4)を計算する必要がある。
【0137】この場合のプリフィルタ係数k_current
の計算方法の例について、図18を用いて説明する。こ
の図18において前述の図16のフローチャートとの違
いは、ステップST164,ST165,ST170,
ST171,ST172であり、それぞれ図16ではス
テップST145,ST147,ST152,ST15
3,ST154に対応する。なお、この図18のステッ
プST158〜ST163,ステップST166〜ST
169,ステップST172以降は各々、図16のステ
ップST140〜ST145,ステップST148〜ス
テップST151,ステップST155以降と同じであ
るので、それらのステップの説明は省略する。
【0138】この図18において、ステップST164
では、図15(a)に示したように現在の小ブロックが
フレーム間予測で参照する小ブロックの符号化難易度d
_ref(1)を読み込む。次にステップST165では、現
在の符号化対象の小ブロックの符号化難易度d_curren
t と上記符号化難易度d_ref(1)から現在の小ブロック
で使用するローパスプリフィルタ係数k_current を例
えば上述の図8に示した計算例と同様に計算する。
【0139】また、ステップST70では、図15
(b)に示すように現在の小ブロックがフレーム間予測
で参照する、過去参照画像と未来参照画像の小ブロック
で各々使用された符号化難易度d_ref(2)とd_ref(3)
を読み込み、ステップST53では、図15(b)に示
すように時間的に近接するフレームの空間的に同じ位置
の小ブロックで使用されたローパスプリフィルタ係数k
_ref(4)を読み込む。
【0140】図19には上記ローパスプリフィルタ係数
k_current の計算例を示す。現在の符号化対象画像と
過去参照画像、未来参照画像が図15(b)に示すよう
な位置関係である場合、図19に示す計算例において
は、先ず、式(j) のように、上記d_ref(2)とd_ref
(3)からd_currentを内挿補間によって計算する。次
に、条件(k)及び条件(l)のように、現在の符号化対象画
像の小ブロックと時間的に近接する画像の空間的に同じ
位置の小ブロックの符号化難易度係数d_ref(4)とを比
較する。そして、上記d_current とd_ref(4)の変化
が、予め決めた閾値より大きい時は、その変化を抑える
ように制御する。
【0141】具体的には、図19に示す計算例では、条
件(k) のように、上記d_currentがd_ref(4)のC倍
(C>1)より大きい時は、当該d_current をC倍の
d_ref(4)へ変更する。また、条件(l) のように、上記
d_current が上記d_ref(4)のD倍(D<1)より小
さい時は、上記d_current をD倍のd_ref(4)へ変更
する。以上のようにして、現在の小ブロックの符号化難
易度d_current を決定する。そして、条件(j)のよう
に上記符号化難易度d_current とk_gopから現在の
小ブロックで使用するローパスプリフィルタ係数k_cu
rrent を計算する。
【0142】また、非フィルタ特性画像がIピクチャで
ある場合は、過去参照画像の同じ位置の小ブロックの符
号化難易度をd_ref(2)とし、未来参照画像の同じ位置
の小ブロックの符号化難易度をd_ref(3)とする。
【0143】上述した図18のフローチャートの場合、
プリフィルタ制御情報記憶回路125には、過去に計算
された小ブロックの符号化難易度d_ref が記憶されて
いて、現在の小ブロックのブロックアドレスmb_addres
s と動きベクトル信号MVからフレーム間予測で参照す
る小ブロックの符号化難易度d_ref を読み出す。
【0144】なお、この時、前述したように、上記符号
化難易度d_ref を読み出す場合に、ブロックアドレス
mb_address だけを使用して、フレーム間予測で参照す
るフレーム上の同じブロックアドレスmb_address の位
置にある小ブロックで使用されたローパスプリフィルタ
の通過帯域制限を指定するパラメータをフィルタ係数d
_refとして読み出しても良い。この場合は、プリフィ
ルタ制御情報記憶回路125へ動きベクトル信号MVを
入力する必要がない。
【0145】図13に戻って、プリフィルタ122は、
現在の小ブロックに対して、プリフィルタ係数k_curr
ent で指定されるローパスフィルタ処理を施して、処理
画像信号S122を出力する。
【0146】当該処理画像信号S22とその動きベクト
ル信号MVは、動画像符号化回路123へ入力され、こ
こで所定のフレーム間予測符号化処理が施され、符号化
ビットストリームS24として出力端子128から出力
される。
【0147】プリフィルタ122の構成例を図20に示
す。この図20に示す構成例において、入力端子300
には当該プリフィルタ122への入力画像信号S300
が供給される。一方、入力端子305にはプリフィルタ
制御回路127又は内挿補間によるプリフィルタ制御回
路130から入力されるローパスプリフィルタ係数k_
current が入力される。
【0148】ここで、ローパスプリフィルタ係数k_cu
rrent は、0≦k_current ≦1の値を取るように定め
る。
【0149】入力画像信号S300は、ローパスフィル
タ301に入力され、ここでローパスフィルタ処理され
る。ローパスフィルタ301による処理画像信号S30
1は、演算器302に入力される。演算器302は、処
理画像信号S301と入力画像信号S300との差分信
号S302を出力する。ここに、 S302=S301−S300 である。
【0150】次に、差分信号S302は、演算器303
に入力される。演算器303は、差分信号S302にロ
ーパスプリフィルタ係数k_current を乗算した信号S
303を出力する。ここに、 S303=S302×k_current である。
【0151】次に、演算器303からの信号S303
は、演算器304に入力される。演算器304は、信号
S303と入力画像信号S300との加算信号であるプ
リフィルタ処理画像信号S304を出力する。ここに、 S304=S303−S302 =(1−k_current)×S300+(1−k_current)×S301 である。
【0152】また、動画像符号化回路123には、例え
ば上述の図9に示した構成のものが用いられる。また、
符号化難易度測定回路126には、例えば上述の図10
に示した構成のものが用いられる。
【0153】次に、本発明の第4の構成例の動画像符号
化装置を図21に示す。
【0154】この図21に示す第4の構成例において、
上述した第3の構成例の動画像符号化装置との大きな違
いは、プリフィルタ制御回路197に入力する符号化難
易度d(d_current )として、動きベクトル検出回路
196から出力される予測残差、すなわち前述の式(1)
で計算される、現在のブロックの信号Aijと任意の動き
ベクトルにより参照されるブロックの信号Fijの差の絶
対値の和Ef を用いている点である。
【0155】この図21において、入力端子190から
入力されるディジタル動画像信号S100は、フレーム
メモリ群191に送られ、記憶される。このフレームメ
モリ群191に記憶された画像データS103を用い
て、動きベクトル検出回路196は、フレーム間の動き
ベクトルを前記第3の構成例で説明したにように検出す
る。
【0156】動きベクトル検出回路196では、入力画
像の小ブロック毎に動きベクトル信号MVと上述の式
(1) から計算される予測残差Ef を計算し、動きベクト
ル信号MVを動画像符号化回路193とプリフィルタ制
御情報記憶回路195に入力する。
【0157】画像処理タイプ判定回路194では、入力
された画像データの処理番号pict_numberより、現在処
理中の画像がフィルタ特性画像であるか非フィルタ特性
画像であるかの判定を行う。現在処理中の画像がフィル
タ特性画像、例えばPピクチャ、であったならば、回路
切替え信号pict_type(1)をフィルタ制御情報記憶回路1
95と動きベクトル検出回路196に入力する。
【0158】回路切替え信号pict_type(1) を入力され
た動きベクトル検出回路96では、予測残差Ef を、そ
の小ブロックの符号化難易度d(d_raw)として出力す
る。
【0159】符号化難易度平滑化回路109では、近接
する小ブロック間で、フィルタ係数が極端に異なること
を避けるために、入力したd(d_raw )をフレーム内で
平滑化し、平滑化符号化難易度情報d(d_current )を
計算する。符号化難易度平滑化回路199での平滑化処
理は第3の構成例と同様に行う。プリフィルタ制御回路
197へは、現在の符号化対象の小ブロックの符号化難
易度d(d_current)が入力される。また、プリフィル
タ制御情報記憶回路195には、過去に入力された小ブ
ロックで使われたプリフィルタ係数が記憶されている。
ここで、このプリフィルタ制御情報記憶回路195に
は、現在の小ブロックのフレーム上での位置を表すブロ
ックアドレスmb_address と現在の小ブロックの動きベ
クトル信号MV及び、回路切替え信号pict_type(1)が入
力される。
【0160】このプリフィルタ制御情報記憶回路195
では、これらに基づいて現在の小ブロックがフレーム間
予測で参照する小ブロックで使用されたローパスプリフ
ィルタの通過帯域制限を指定するパラメータとしてフィ
ルタ係数k_ref(1)を読み出し、これをプリフィルタ制
御回路197へ入力する。
【0161】なお、フィルタ係数k_ref(1)を読み出す
場合は、ブロックアドレスmb_address だけを使用し
て、フレーム間予測で参照するフレーム上の同じブロッ
クアドレスmb_address の位置にある小ブロックで使用
されたローパスプリフィルタの通過帯域制限を指定する
パラメータをフィルタ係数k_ref として読み出しても
良い。この場合は、プリフィルタ制御情報記憶回路19
5へ動きベクトル信号MVを入力する必要はない。
【0162】プリフィルタ制御回路197は、上記符号
化難易度dとフィルタ係数k_ref(1)が入力されると、
これらに基づいて現在の小ブロックに使用するローパス
プリフィルタの通過帯域制限を指定するパラメータとし
てフィルタ係数k_currentを生成出力し、これをプリ
フィルタ192へ入力する。ここで、当該プリフィルタ
197の特性は、例えば前述した図24のような特性と
する。したがって、ここでは、上記フィルタ係数k_cu
rrent が小さいほど、通過帯域の狭いローパスフィルタ
特性となる。
【0163】なお、プリフィルタ192の特性は、図2
4に示した特性のローパスフィルタに限らず、これ以外
の特性をもつローパスフィルタであってもよい。
【0164】プリフィルタ制御回路197で計算された
フィルタ係数k_current は、また、プリフィルタ制御
情報記憶回路195へ入力されて記憶され、これが未来
に入力される小ブロックに使うプリフィルタ係数を決定
する時の参照値k_ref として利用されることになる。
【0165】また、画像処理タイプ判定回路194にお
いて、入力されたpict_number より、現在処理中の画
像が非フィルタ特性画像、例えばI、Bピクチャ、であ
ると判定した場合、回路切替え信号 pict_type(2) をフ
ィルタ制御情報記憶回路195と動きベクトル検出回路
196に入力し、現在の小ブロックのフレーム上での位
置を表すブロックアドレスmb_address をプリフィルタ
制御情報記憶回路195と内挿補間回路200に入力す
る。
【0166】回路切替え信号 pict_type(2) を入力され
た動きベクトル検出回路196では、予測残差Ef の出
力を行わない。
【0167】現在の小ブロックのブロックアドレスmb_
address と現在の小ブロックの動きベクトルMV及び、
回路切替え信号 pict_type(2) を入力されたプリフィル
タ制御情報記憶回路195は現在の小ブロックがフレー
ム間予測で参照する未来参照画像と過去参照画像の小ブ
ロックで使用されたローパスプリフィルタの通過帯域制
限を指定するパラメータとしてのフィルタ係数k_ref
(2)、k_ref(3)と時間的に近接する画像の空間的に同
じ位置の小ブロックで使用されたローパスプリフィルタ
の通過帯域制限を指定するパラメータとしてのフィルタ
係数k_ref(4)を読み出し、内挿補間回路200に入力
する。
【0168】なお、上記フィルタ係数k_ref(2)、k_
ref(3)を読み出す場合には、ブロックアドレスmb_addr
ess だけを使用して、フレーム間予測で参照するフレー
ム上の同じブロックアドレスmb_address の位置にある
小ブロックで使用されたローパスプリフィルタの通過帯
域制限を指定するパラメータを上記フィルタ係数k_re
f(2),k_ref(3)として読み出すようにしても良い。こ
の場合は、プリフィルタ制御情報記憶回路195へ動き
ベクトル信号MVを入力する必要はない。
【0169】現在の小ブロックの動きベクトル信号MV
及び、パラメータとしてのフィルタ係数k_ref(2),k
_ref(3),k_ref(4)を入力された内挿補間回路200
は、過去参照画像のフィルタ係数k_ref(2)と未来参照
画像のフィルタ係数k_ref(3)を基に内挿補間を行い、
更に時間的に近接する画像の空間的に同じ位置の小ブロ
ックのフィルタ係数k_ref(4)を用いて現在の小ブロッ
クのフィルタ係数k_current を生成出力し、これをプ
リフィルタ292へ入力する。
【0170】ここで、現在の小ブロックと時間的に近接
する画像の空間的に同じ位置の小ブロックで使用された
フィルタ係数k_ref(4)を用いず、現在の小ブロックが
フレーム間予測で参照する小ブロックで使用されたフィ
ルタ係数k_ref(2)、k_ref(3)のみを読み出して現在
の小ブロックのフィルタ係数k_current を生成出力す
ようにしても良い。
【0171】また、非フィルタ特性画像が例えばMPE
G方式のIピクチャーのように、フレーム間予測を行わ
ない画像であった場合には、時間的に前後するフィルタ
特性画像の空間的に同じ位置の小ブロックのフィルタ係
数を過去参照画像のフィルタ係数k_ref(2)と未来参照
画像のフィルタ係数k_ref(3)として読み出し、内挿補
間を行う。この場合は時間的に近接する画像の空間的に
同じ位置の小ブロックのフィルタ係数k_ref(4)は用い
ない。
【0172】また、Iピクチャーにおいても、動き予測
を行っている場合には、Iピクチャーもフィルタ特性画
像として用いても良い。ここで、当該プリフィルタ19
2の特性は、例えば前述した図24のような特性とす
る。したがって、ここでは、フィルタ係数k_current
が小さいほど、通過帯域の狭いローパスフィルタ特性と
なる。
【0173】内挿補間回路で計算されたフィルタ係数k
_current は、また、プリフィルタ制御情報記憶回路1
95へ入力されて記憶され、これが未来に入力される小
ブロックに使うプリフィルタ係数を決定する時の参照値
(フィルタ係数k_ref )として利用されることにな
る。
【0174】以上のようにして、適応的にプリフィルタ
192のフィルタ係数を決定し、符号化画質の主観的印
象が良く、かつ符号化効率の良い符号化方式を実現す
る。
【0175】フィルタ係数k_current の計算方法は、
第1の構成例において図5を用いて説明した計算例と同
様である。
【0176】プリフィルタ192は、現在の小ブロック
に対して、プリフィルタ係数k_current で指定される
ローパスフィルタ処理を施して、処理画像信号S102
を出力する。
【0177】当該処理画像信号S102とその動きベク
トル信号MVは、動画像符号化回路193へ入力され、
所定のフレーム間予測符号化処理(例えばいわゆるMP
EG方式の符号化処理)が施され、この符号化ビットス
トリームS104が出力端子198から出力される。動
画像符号化回路193の構成は、第2の構成例において
図9を用いて説明したものと同様である。
【0178】このような第3の構成例の動画像符号化装
置では、フレーム間予測符号化を施す動画像信号に対す
るプリフィルタ処理の際のフィルタ特性を、画面を分割
する小ブロック単位の符号化難易度dに応じて適応的に
変更可能としているので、視覚特性を考慮して、画面内
の局所的に速い動きや複雑な絵柄であり符号化難易度の
大きい部分では通過帯域の比較的狭いローパスフィルタ
を選択でき、一方、遅い動きや平坦な絵柄であり符号化
難易度の小さい部分では通過帯域の比較的広いローパス
フィルタを選択できる。
【0179】また、MPEG方式のように画像毎に符号
化難易度の異なる符号化方式を考慮し、連続する画像間
で極端にプリフィルタ係数が異なることがないようにす
るために、符号化難易度を参照する画像を特定してい
る。
【0180】更に、第4の構成例の動画像符号化装置で
は、上記小ブロックの符号化難易度dだけでなく、現在
の符号化対象の小ブロックがフレーム間予測で参照する
小ブロック及び、近接する画像の空間的に同じ位置の小
ブロックで使われたプリフィルタ制御情報をも合わせて
考慮しており、フレーム間予測符号化効率が低下しない
ように、上述のように選択されたフィルタ特性を修正し
て、最終的に現在の符号化対象の小ブロックに対するプ
リフィルタ特性を決定するようにしているので、ローパ
スプリフィルタ処理された動画像は、従来よりも、符号
化画質の主観的印象が良く、かつ符号化効率の良いもの
とすることができる。
【0181】ここで、上述した第1乃至第4の構成例の
動画像符号化装置での符号化により得られた符号化ビッ
トストリームは、信号記録媒体に記録されたり、伝送路
を介して伝送されることになる。
【0182】図22には、信号記録媒体の一例として光
ディスク704を用いた例について説明する。この図2
2において、端子700には、上記符号化ビットストリ
ームと、量子化スケール等の後の復号化に必要な情報と
からなるデータ列が供給される。このデータ列は、EC
Cエンコーダ701によってエラーコレクションコード
が付加され、変調回路702に送られる。当該変調回路
702では上記ECCエンコーダ701の出力に対し
て、所定の変調処理、例えば8−14変調等の処理を施
す。この変調回路702の出力は記録ヘッド703に送
られ、当該記録ヘッド703にて光ディスク704に記
録される。
【0183】なお、図22の例では、信号記録媒体とし
て光ディスクを例に挙げたが、磁気テープ等のテープ状
記録媒体や、ハードディスクやフレキシブルディスク等
の磁気ディスク媒体、ICカードや各種メモリ素子等の
半導体記憶媒体等の信号記録媒体に対して、本発明装置
にて符号化した信号を記録することも可能である。ま
た、光ディスクとしては、ピットによる記録がなされる
ディスクや、光磁気ディスクの他に、相変化型光ディス
クや有機色素型光ディスク、紫外線レーザ光により記録
がなされる光ディスク、多層記録膜を有する光ディスク
等の各種のディスクを用いることができる。
【0184】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
おいては、入力動画像を少なくとも1画素からなる小ブ
ロックに分割し、所定の方法により小ブロックの符号化
難易度を計算し、この小ブロックの符号化難易度と当該
小ブロックが画像間予測で参照する小ブロックで使われ
たフィルタ制御情報とに基づいて、当該小ブロックに対
して適応的にローパスフィルタ処理を施す際のフィルタ
特性を決定することにより、ローパスプリフィルタ処理
された動画像は、従来よりも、符号化画質の主観的印象
が良く、かつ符号化効率の良いものとすることが可能と
なる。すなわち、本発明によれば、フレーム間予測符号
化回路の前段にプリフィルタを置く構成の動画像符号化
装置において、フレームの中で部分的に、ローパスプリ
フィルタの特性を変更できるとともに、予測画像間でお
互いの画像信号の帯域が異なることによる符号化効率の
低下を小さくすることが可能である。
【0185】また、本発明においては、入力動画像を少
なくとも1画素からなる小ブロックに分割し、入力画像
をフィルタ特性画像と非フィルタ特性画像に分類し、所
定の方法によりフィルタ特性画像の小ブロックの符号化
難易度を計算し、フィルタ特性画像においては、この小
ブロックの符号化難易度と当該小ブロックが画像間予測
で参照する小ブロックで使われたフィルタ制御情報とに
基づいて、当該小ブロックに対して適応的にローパスフ
ィルタ処理を施す際のフィルタ特性を決定し、非フィル
タ特性画像においては、過去の参照画像と未来の参照画
像とから所定の方法により内挿補間を用いて、当該小ブ
ロックに対して適応的にローパスフィルタ処理を施す際
のフィルタ特性を算出することにより、ローパスプリフ
ィルタ処理された動画像は、従来よりも、符号化画質の
主観的印象が良く、かつ符号化効率の良いものとするこ
とが可能となる。すなわち、本発明によれば、フレーム
間予測符号化回路の前段にプリフィルタを置く構成の動
画像符号化装置において、フレームの中で部分的に、ロ
ーパスプリフィルタの特性を変更できるとともに、予測
画像間でお互いの画像信号の帯域が異なることによる符
号化効率の低下を小さくすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の動画像符号化装置の第1の構成例を示
すブロック回路図である。
【図2】フレームと小ブロックの関係を示す図である。
【図3】プリフィルタ制御方法の一例を示すフローチャ
ートである。
【図4】符号化難易度の平均値d_aveとプリフィルタ係
数の代表値k_gopの対応関係を示す図である。
【図5】現在の小ブロックのフレーム間予測で参照され
る小ブロックで使われたプリフィルタ特性を考慮して、
プリフィルタ係数を計算する一例を示す図である。
【図6】符号化難易度d_currentとローパスプリフィル
タ係数k_currentとの対応関係を示す図である。
【図7】プリフィルタ係数k_currentの計算方法の一例
を示すフローチャートである。
【図8】ローパスプリフィルタ係数k_currentの計算例
を示す図である。
【図9】本発明構成例の動画像符号化装置内の動画像符
号化回路の構成例を示すブロック回路図である。
【図10】本発明構成例の動画像符号化装置内の符号化
難易度測定回路の構成例を示すブロック回路図である。
【図11】本発明の動画像符号化装置の第2の構成例を
示すブロック回路図である。
【図12】MPEG方式の予測構造及び各ピクチャタイ
プの構成を示す図である。
【図13】本発明の動画像符号化装置の第3の構成例を
示すブロック回路図である。
【図14】MPEG方式における表示順序と符号化順序
を示す図である。
【図15】フィルタ特性画像と非フィルタ特性画像のフ
レームと小ブロックの関係を示す図である。
【図16】プリフィルタ制御方法の一例を示すフローチ
ャートである。
【図17】非フィルタ特性画像において、現在の小ブロ
ックのフレーム間予測で参照される小ブロックで使われ
たプリフィルタ特性を用いて内挿補間により、プリフィ
ルタ係数を計算する一例を示す図である。
【図18】プリフィルタ係数k_current の計算方法の
一例を示すフローチャートである。
【図19】非フィルタ特性画像のローパスプリフィルタ
係数k_current の計算例を示す図である。
【図20】プリフィルタの構成例を示す図である。
【図21】本発明の動画像符号化装置の第4の構成例を
示すブロック回路図である。
【図22】信号記録媒体の一例として光ディスクに符号
化ビットストリームを記録するための構成を示すブロッ
ク回路図である。
【図23】従来の動画像符号化装置の構成例を示すブロ
ック回路図である。
【図24】プリローパスフィルタの係数を示す図であ
る。
【図25】プリフィルタ係数と符号化難易度の関係を示
す図である。
【符号の説明】
21,91,121,191 フレームメモリ群、2
2,92,122,192 プリフィルタ、23,9
3,123,193 動画像符号化回路、24,96,
124,196 動きベクトル検出回路、25,95,
125,195 プリフィルタ制御情報記憶回路、2
6,126 符号化難易度測定回路、27,97,12
7,197 プリフィルタ制御回路、301 ローパス
フィルタ、302,303,304 演算器

Claims (36)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力動画像を少なくとも1画素からなる
    小ブロックに分割し、 所定の方法により上記入力動画像の小ブロックの符号化
    難易度を計算し、 上記入力動画像の小ブロックの符号化難易度と、当該入
    力動画像の小ブロックが画像間予測で参照する小ブロッ
    クで使われたフィルタ制御情報とに基づいて、上記入力
    動画像の小ブロックに対して適応的にローパスフィルタ
    処理を施す際のフィルタ特性を決定することを特徴とす
    る動画像符号化方法。
  2. 【請求項2】 上記入力動画像の小ブロックに使うロー
    パスフィルタの帯域制限値と、当該入力動画像の小ブロ
    ックが画像間予測で参照する小ブロックで使われたロー
    パスフィルタの帯域制限値とを比較して比較値を求め、 当該比較値が予め決められた閾値より大きい時は、当該
    比較値を上記閾値以内に抑えるように、上記入力動画像
    の小ブロックに使うローパスフィルタの帯域制限値を制
    御することを特徴とする請求項1記載の動画像符号化方
    法。
  3. 【請求項3】 上記入力動画像に対して予測符号化及び
    /又は直交変換符号化を施して係数データを生成し、 当該係数データを一定の量子化ステップで量子化するこ
    とにより上記小ブロック単位の発生符号量を求め、 当該小ブロック単位で求めた発生符号量を上記符号化難
    易度とすることを特徴とする請求項1記載の動画像符号
    化方法。
  4. 【請求項4】 上記入力動画像の画像間の動きベクトル
    を上記小ブロック単位で検出して予測残差を求め、 当該小ブロック単位で求めた予測残差を上記符号化難易
    度とすることを特徴とする請求項1記載の動画像符号化
    方法。
  5. 【請求項5】 上記入力動画像の小ブロックが画像間予
    測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照され
    るフレーム上において上記入力動画像の小ブロックの動
    きベクトルにより参照される位置にある小ブロックであ
    ることを特徴とする請求項1記載の動画像符号化方法。
  6. 【請求項6】 上記入力動画像の小ブロックが画像間予
    測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照され
    るフレーム上において上記入力動画像の小ブロックの動
    きベクトルにより参照される位置にある小ブロックであ
    ることを特徴とする請求項2記載の動画像符号化方法。
  7. 【請求項7】 上記入力動画像の小ブロックが画像間予
    測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照され
    るフレーム上において上記入力動画像の小ブロックと同
    じ空間的位置にある小ブロックであることを特徴とする
    請求項1記載の動画像符号化方法。
  8. 【請求項8】 上記入力動画像の小ブロックが画像間予
    測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照され
    るフレーム上において上記入力動画像の小ブロックと同
    じ空間的位置にある小ブロックであることを特徴とする
    請求項2記載の動画像符号化方法。
  9. 【請求項9】 上記決定されたフィルタ特性でローパス
    フィルタ処理された動画像信号に対し、符号化処理を施
    すことを特徴とする請求項1記載の動画像符号化方法。
  10. 【請求項10】 入力動画像を少なくとも1画素からな
    る小ブロックに分割する分割手段と、 所定の方法により上記入力動画像の小ブロックの符号化
    難易度を計算する計算手段と、 上記入力動画像の小ブロックの符号化難易度と、当該入
    力動画像の小ブロックが画像間予測で参照する小ブロッ
    クで使われたフィルタ制御情報とに基づいて、上記入力
    動画像の小ブロックに対して適応的にローパスフィルタ
    処理を施す際のフィルタ特性を決定するフィルタ特性決
    定手段とを有することを特徴とする動画像符号化装置。
  11. 【請求項11】 上記フィルタ特性決定手段は、 上記入力動画像の小ブロックに使うローパスフィルタの
    帯域制限値と、当該入力動画像の小ブロックが画像間予
    測で参照する小ブロックで使われたローパスフィルタの
    帯域制限値とを比較して比較値を求める比較手段と、 上記比較値が予め決められた閾値より大きい時は当該比
    較値を上記閾値以内に抑えるように上記入力動画像の小
    ブロックに使うローパスフィルタの帯域制限値を制御す
    る制御手段とを備えることを特徴とする請求項10記載
    の動画像符号化装置。
  12. 【請求項12】 上記計算手段は、 上記入力動画像に対して予測符号化及び/又は直交変換
    符号化を施して係数データを生成する係数データ生成手
    段と、 当該係数データを一定の量子化ステップで量子化するこ
    とにより上記小ブロック単位の発生符号量を求める発生
    符号量生成手段とを備え、 当該小ブロック単位で求めた発生符号量を上記符号化難
    易度とすることを特徴とする請求項10記載の動画像符
    号化装置。
  13. 【請求項13】 上記計算手段は、 上記入力動画像の画像間の動きベクトルを上記小ブロッ
    ク単位で検出して予測残差を求める予測残差生成手段を
    備え、 当該小ブロック単位で求めた予測残差を上記符号化難易
    度とすることを特徴とする請求項10記載の動画像符号
    化装置。
  14. 【請求項14】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックの
    動きベクトルにより参照される位置にある小ブロックで
    あることを特徴とする請求項10記載の動画像符号化装
    置。
  15. 【請求項15】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックの
    動きベクトルにより参照される位置にある小ブロックで
    あることを特徴とする請求項11記載の動画像符号化装
    置。
  16. 【請求項16】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックと
    同じ空間的位置にある小ブロックであることを特徴とす
    る請求項10記載の動画像符号化装置。
  17. 【請求項17】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックと
    同じ空間的位置にある小ブロックであることを特徴とす
    る請求項11記載の動画像符号化装置。
  18. 【請求項18】 上記決定されたフィルタ特性でローパ
    スフィルタ処理された動画像信号に対し、符号化処理を
    施す符号化手段を有することを特徴とする請求項10記
    載の動画像符号化装置。
  19. 【請求項19】 入力動画像を所定の方法により、適応
    的にローパスフィルタ処理を施す際のフィルタ特性を決
    定する際に参照する参照画像と、適応的にローパスフィ
    ルタ処理を施す際のフィルタ特性を決定する際に参照し
    ない非参照画像に分類し、 上記入力動画像を少なくとも1画素からなる小ブロック
    に分割し、 上記入力動画像がフィルタ特性の参照画像である場合
    は、所定の方法により計算した当該入力動画像内の小ブ
    ロックの符号化難易度及び上記小ブロックに近接する同
    一画像内の小ブロックの符号化難易度と、上記入力動画
    像の小ブロックが画像間予測で参照する小ブロックで使
    われたフィルタ制御情報に基づいて、上記入力動画像の
    小ブロックに対して適応的にローパスフィルタ処理を施
    す際のフィルタ特性を決定し、 上記入力動画像がフィルタ特性の非参照画像の場合は、
    上記入力動画像の小ブロックが画像間予測で参照する過
    去参照画像における小ブロックのフィルタ制御情報と、
    未来参照画像における小ブロックのフィルタ制御情報と
    に基づいて、上記入力動画像の小ブロックに対して適応
    的にローパスフィルタ処理を施す際のフィルタ特性を決
    定することを特徴とする動画像符号化方法。
  20. 【請求項20】 上記入力動画像がフィルタ特性の参照
    画像である場合には、上記入力動画像内の全小ブロック
    の符号化難易度を当該入力動画像内で平滑化して算出し
    た小ブロックのローパスフィルタの帯域制限値と、当該
    入力動画像の小ブロックが画像間予測で参照する小ブロ
    ックで使われたローパスフィルタの帯域制限値とを比較
    して比較値を求め、当該比較値が予め決められた閾値よ
    り大きい時は、当該比較値を上記閾値以内に抑えるよう
    に、上記入力動画像の小ブロックに使うローパスフィル
    タの帯域制限値を制御し、 上記入力動画像がフィルタ特性の非参照画像である場合
    には、当該入力動画像の小ブロックが画像間予測で参照
    する過去参照画像における小ブロックで使われたローパ
    スフィルタの帯域制限値と未来参照画像における小ブロ
    ックで使われたローパスフィルタの帯域制限値から、所
    定の方法で内挿補間によって上記入力動画像の小ブロッ
    クに使うローパスフィルタの帯域制限値を計算し、当該
    帯域制限値と当該入力動画像に時間的に近接する画像の
    空間的に同じ位置の小ブロックで使われたローパスフィ
    ルタの帯域制限値とを比較して比較値を求め、当該比較
    値が予め決められた閾値より大きい時は、当該比較値を
    上記閾値以内に抑えるように、上記入力動画像の小ブロ
    ックに使うローパスフィルタの帯域制限値を制御するこ
    とを特徴とする請求項19記載の動画像符号化方法。
  21. 【請求項21】 上記参照画像に対して予測符号化及び
    /又は直交変換符号化を施して係数データを生成し、当
    該係数データを一定の量子化ステップで量子化すること
    により上記小ブロック単位の発生符号量を求め、当該小
    ブロック単位で求めた発生符号量を上記符号化難易度と
    することを特徴とする請求項19記載の動画像符号化方
    法。
  22. 【請求項22】 上記参照画像の画像間の動きベクトル
    を上記小ブロック単位で検出して予測残差を求め、当該
    小ブロック単位で求めた予測残差を上記符号化難易度と
    することを特徴とする請求項19記載の動画像符号化方
    法。
  23. 【請求項23】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックの
    動きベクトルにより参照される位置にある小ブロックで
    あることを特徴とする請求項19記載の動画像符号化方
    法。
  24. 【請求項24】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックの
    動きベクトルにより参照される位置にある小ブロックで
    あることを特徴とする請求項20記載の動画像符号化方
    法。
  25. 【請求項25】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックと
    同じ空間的位置にある小ブロックであることを特徴とす
    る請求項19記載の動画像符号化方法。
  26. 【請求項26】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックと
    同じ空間的位置にある小ブロックであることを特徴とす
    る請求項20記載の動画像符号化方法。
  27. 【請求項27】 上記決定されたフィルタ特性でローパ
    スフィルタ処理された動画像信号に対し、符号化処理を
    施すことを特徴とする請求項19記載の動画像符号化方
    法。
  28. 【請求項28】 入力動画像を少なくとも1画素からな
    る小ブロックに分割する分割手段と、 上記入力動画像をフィルタ特性の参照画像とフィルタ特
    性の非参照画像に分類する分類手段と、 上記入力動画像がフィルタ特性の参照画像である場合に
    は、所定の方法により当該入力動画像の小ブロックの符
    号化難易度を計算する計算手段と、 上記入力動画像の小ブロックの符号化難易度と、当該入
    力動画像内の全小ブロックの符号化難易度を平滑化する
    平滑化手段と、 上記入力動画像の小ブロックが画像間予測で参照する小
    ブロックで使われたフィルタ制御情報とに基づいて、当
    該入力動画像の小ブロックに対して適応的にローパスフ
    ィルタ処理を施す際のフィルタ特性を決定するフィルタ
    特性決定手段と、 上記入力動画像がフィルタ特性の非参照画像である場合
    には、当該入力動画像の小ブロックが画像間予測で参照
    する過去参照画像における小ブロックで使われたフィル
    タ制御情報と未来参照画像における小ブロックで使われ
    たフィルタ制御情報と時間的に近接する画像の空間的に
    同じ位置の小ブロックで使われたフィルタ制御情報とに
    基づいて、上記入力動画像の小ブロックに対して適応的
    にローパスフィルタ処理を施す際のフィルタ特性を決定
    するフィルタ特性決定手段とを有することを特徴とする
    動画像符号化装置。
  29. 【請求項29】 上記フィルタ特性決定手段は、 上記入力動画像がフィルタ特性の参照画像である場合
    に、上記入力動画像の小ブロックに使うローパスフィル
    タの帯域制限値と、当該入力動画像の小ブロックが画像
    間予測で参照する小ブロックで使われたローパスフィル
    タの帯域制限値とを比較して比較値を求める比較手段
    と、 上記比較値が予め決められた閾値より大きい時は当該比
    較値を上記閾値以内に抑えるように上記入力動画像の小
    ブロックに使うローパスフィルタの帯域制限値を制御す
    る制御手段と、 上記入力動画像がフィルタ特性の非参照画像である場合
    に、上記入力動画像の小ブロックが画像間予測で参照す
    る過去参照画像における小ブロックで使われたローパス
    フィルタの帯域制限値と未来参照画像における小ブロッ
    クで使われたローパスフィルタの帯域制限値から、内挿
    補間によって当該入力動画像の小ブロックのローパスフ
    ィルタの帯域制限値を得る内挿補間手段とを備えること
    を特徴とする請求項28記載の動画像符号化装置。
  30. 【請求項30】 上記計算手段は、 上記入力動画像に対して予測符号化及び/又は直交変換
    符号化を施して係数データを生成する係数データ生成手
    段と、 上記係数データを一定の量子化ステップで量子化するこ
    とにより上記小ブロック単位の発生符号量を求める発生
    符号量生成手段とを備え、 上記小ブロック単位で求めた発生符号量を上記符号化難
    易度とすることを特徴とする請求項28記載の動画像符
    号化装置。
  31. 【請求項31】 上記計算手段は、 上記入力動画像の画像間の動きベクトルを上記小ブロッ
    ク単位で検出して予測残差を求める予測残差生成手段を
    備え、 上記小ブロック単位で求めた予測残差を上記符号化難易
    度とすることを特徴とする請求項28記載の動画像符号
    化装置。
  32. 【請求項32】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックの
    動きベクトルにより参照される位置にある小ブロックで
    あることを特徴とする請求項28記載の動画像符号化装
    置。
  33. 【請求項33】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックの
    動きベクトルにより参照される位置にある小ブロックで
    あることを特徴とする請求項29記載の動画像符号化装
    置。
  34. 【請求項34】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックと
    同じ空間的位置にある小ブロックであることを特徴とす
    る請求項28記載の動画像符号化装置。
  35. 【請求項35】 上記入力動画像の小ブロックが画像間
    予測で参照する小ブロックは、フレーム間予測で参照さ
    れるフレーム上において上記入力動画像の小ブロックと
    同じ空間的位置にある小ブロックであることを特徴とす
    る請求項29記載の動画像符号化装置。
  36. 【請求項36】 上記決定されたフィルタ特性でローパ
    スフィルタ処理された動画像信号に対し符号化処理を施
    す符号化手段を有することを特徴とする請求項28記載
    の動画像符号化装置。
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