JPH09298340A - 半導体レーザを用いたレーザ発光装置 - Google Patents
半導体レーザを用いたレーザ発光装置Info
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- JPH09298340A JPH09298340A JP8109396A JP10939696A JPH09298340A JP H09298340 A JPH09298340 A JP H09298340A JP 8109396 A JP8109396 A JP 8109396A JP 10939696 A JP10939696 A JP 10939696A JP H09298340 A JPH09298340 A JP H09298340A
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- semiconductor laser
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 固体レーザ発光装置において、光出力を安定
させる。 【解決手段】 横多モード発振を行う30μm 以上の幅広
ストライプ構造を有し該ストライプ構造の側面の少なく
とも一部に導波方向に凹凸を有する凹凸面を形成された
屈折率導波機構を有する半導体レーザ2を励起光源とし
て、前記半導体レーザ2から出射された励起光により固
体レーザ結晶4からレーザ発振させ、この固体レーザを
基本波として波長変換素子5により波長変換してSHG
光を出射する。
させる。 【解決手段】 横多モード発振を行う30μm 以上の幅広
ストライプ構造を有し該ストライプ構造の側面の少なく
とも一部に導波方向に凹凸を有する凹凸面を形成された
屈折率導波機構を有する半導体レーザ2を励起光源とし
て、前記半導体レーザ2から出射された励起光により固
体レーザ結晶4からレーザ発振させ、この固体レーザを
基本波として波長変換素子5により波長変換してSHG
光を出射する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はレーザ発光装置に関
し、特に詳しくは幅広ストライプ型半導体レーザを用い
た発光装置に関するものである。
し、特に詳しくは幅広ストライプ型半導体レーザを用い
た発光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、高出力・幅広発振領域半導体
レーザを励起光源として固体レーザや固体レーザに非線
形結晶を組み合わせて固体レーザから発振させた基本波
の波長を1/2の波長に変換して第二高調波を発振する
可視域の発光装置が広く知られている。
レーザを励起光源として固体レーザや固体レーザに非線
形結晶を組み合わせて固体レーザから発振させた基本波
の波長を1/2の波長に変換して第二高調波を発振する
可視域の発光装置が広く知られている。
【0003】励起光源として用いられる従来の高出力・
幅広発振領域半導体レーザとしては、幅広の単一ストラ
イプレーザ、幅広のストライプレーザを複数配置したレ
ーザアレイ、狭ストライプ単一モードレーザを複数配置
したレーザアレイやこれらのストライプ間の発振モード
を結合した位相同期レーザアレイなどがある。いずれも
単一モードレーザでは5μm程度である発振幅を20−30
μm以上に拡大して高出力化を図っている。
幅広発振領域半導体レーザとしては、幅広の単一ストラ
イプレーザ、幅広のストライプレーザを複数配置したレ
ーザアレイ、狭ストライプ単一モードレーザを複数配置
したレーザアレイやこれらのストライプ間の発振モード
を結合した位相同期レーザアレイなどがある。いずれも
単一モードレーザでは5μm程度である発振幅を20−30
μm以上に拡大して高出力化を図っている。
【0004】これら従来の高出力・幅広発振領域半導体
レーザにおいては、電流注入領域あるいは屈折率導波構
造を規定するストライプ領域の側面は、発振に寄与しな
い無効電流や光の導波散乱損失を低減するためほぼ平面
状となっている。
レーザにおいては、電流注入領域あるいは屈折率導波構
造を規定するストライプ領域の側面は、発振に寄与しな
い無効電流や光の導波散乱損失を低減するためほぼ平面
状となっている。
【0005】このような幅広発振領域半導体レーザは通
常多くの高次横モードが混在した発振モード(横多モー
ド)を示すため、発振出力を増していくと共振器内の高
光子密度分布に起因するキャリアの空間的ホールバーニ
ングによって容易に異なる横モードあるいはその組み合
わせヘ変位する。この際、近視野像、遠視野像および発
振スペクトルが変化すると共に、異なる横モードの電流
から光への各々の変換効率が異なるために光出力が変化
する。これは、半導体レーザの電流−光出力特性におい
てキンクと呼ばれている現象である。もっとも、上述の
ような横多モード半導体レーザにおいて全出力を用いる
場合には、全体としての横モード光出力は比較的安定で
ある。また、定常的に異なるモード間でのスイッチング
による雑音が生じているが、全光量では比較的低雑音で
ある。
常多くの高次横モードが混在した発振モード(横多モー
ド)を示すため、発振出力を増していくと共振器内の高
光子密度分布に起因するキャリアの空間的ホールバーニ
ングによって容易に異なる横モードあるいはその組み合
わせヘ変位する。この際、近視野像、遠視野像および発
振スペクトルが変化すると共に、異なる横モードの電流
から光への各々の変換効率が異なるために光出力が変化
する。これは、半導体レーザの電流−光出力特性におい
てキンクと呼ばれている現象である。もっとも、上述の
ような横多モード半導体レーザにおいて全出力を用いる
場合には、全体としての横モード光出力は比較的安定で
ある。また、定常的に異なるモード間でのスイッチング
による雑音が生じているが、全光量では比較的低雑音で
ある。
【0006】しかしながら、固体レーザ発光装置におい
て半導体レーザを固体レーザの励起光として利用する場
合、レンズ系を用いて集光される半導体レーザからの発
振光のうちの固体レーザ共振器の発振モードと結合する
成分のみが励起光として利用されるため、横モード変化
により著しい強度変化を生じる。また、固体レーザの吸
収スペクトルが狭い波長帯域に微細な吸収スペクトル構
造を有するため、前述の横モード変化による変動に加え
て発振スペクトルの変化が吸収光量の変化となり、結果
として固体レーザの光出力の変動を生じる。また、半導
体レーザの発振光の空間的な一部あるいは発振スペクト
ルの一部の光を利用することによりスイッチングに伴う
高周波雑音が増大する。
て半導体レーザを固体レーザの励起光として利用する場
合、レンズ系を用いて集光される半導体レーザからの発
振光のうちの固体レーザ共振器の発振モードと結合する
成分のみが励起光として利用されるため、横モード変化
により著しい強度変化を生じる。また、固体レーザの吸
収スペクトルが狭い波長帯域に微細な吸収スペクトル構
造を有するため、前述の横モード変化による変動に加え
て発振スペクトルの変化が吸収光量の変化となり、結果
として固体レーザの光出力の変動を生じる。また、半導
体レーザの発振光の空間的な一部あるいは発振スペクト
ルの一部の光を利用することによりスイッチングに伴う
高周波雑音が増大する。
【0007】上述のように、半導体レーザの横モード
(空間的発振パターン)や縦モード(発振スペクトル)
が変化すると固体レーザの励起光率が変化するため光出
力の変動および高周波雑音が生じる。
(空間的発振パターン)や縦モード(発振スペクトル)
が変化すると固体レーザの励起光率が変化するため光出
力の変動および高周波雑音が生じる。
【0008】さらに、実際の利用においては、固体レー
ザの光強度を変化させるため、および/または、SHG
の位相マッチングをとるために温度と半導体レーザの励
起電流を変化させる必要があり、この際にモード変化が
生じると発振レーザに著しい強度変動が生じる。これら
はDC成分であるが、いわゆるAC成分としての雑音は
定常的に生じる可能性が高い。
ザの光強度を変化させるため、および/または、SHG
の位相マッチングをとるために温度と半導体レーザの励
起電流を変化させる必要があり、この際にモード変化が
生じると発振レーザに著しい強度変動が生じる。これら
はDC成分であるが、いわゆるAC成分としての雑音は
定常的に生じる可能性が高い。
【0009】光出力の変動の強度や周波数スペクトル
は、半導体レーザの発振光のうち利用する強度や周波数
スペクトル部分、半導体レーザの励起電流および半導体
レーザの個体差等に依存しているため一様ではないが、
DC光に対して10%を超える強度変動を生じる場合も
あり、応用上大きな障害となる。特に、高品質画像形成
においてはl%以下の雑音が望ましいが、通常の高出力
・幅広発振領域半導体レーザにおいてはl%以下の雑音
レベルを再現性良く、安定に実現することは極めて困難
であった。また、第二高調波を発振させるために固体レ
ーザ結晶と非線形結晶を組み合わせるとこの雑音が非線
形効果により増大されることがあるので更に低雑音化が
必要となる。
は、半導体レーザの発振光のうち利用する強度や周波数
スペクトル部分、半導体レーザの励起電流および半導体
レーザの個体差等に依存しているため一様ではないが、
DC光に対して10%を超える強度変動を生じる場合も
あり、応用上大きな障害となる。特に、高品質画像形成
においてはl%以下の雑音が望ましいが、通常の高出力
・幅広発振領域半導体レーザにおいてはl%以下の雑音
レベルを再現性良く、安定に実現することは極めて困難
であった。また、第二高調波を発振させるために固体レ
ーザ結晶と非線形結晶を組み合わせるとこの雑音が非線
形効果により増大されることがあるので更に低雑音化が
必要となる。
【0010】ところで、上記のような固体レーザ発光装
置の励起光源となる高出力・幅広発振領域半導体レーザ
は多モード発振のため光ビーム形状における非対称性や
放射光の波面の歪みが大きく、ガスレーザなどと比べて
光ビームの光学品質が劣る。また放熱を必要とするため
小型化に限界がある。
置の励起光源となる高出力・幅広発振領域半導体レーザ
は多モード発振のため光ビーム形状における非対称性や
放射光の波面の歪みが大きく、ガスレーザなどと比べて
光ビームの光学品質が劣る。また放熱を必要とするため
小型化に限界がある。
【0011】そこで、半導体レーザと光ファイバとを結
合させて光ファイバの出力として半導体レーザの高出力
光を用いる装置が知られている。光ファイバを出力端と
して用いることにより、放熱を必要とする半導体レーザ
部を切り放して実質的な光源部分を小型化することがで
きるとともにファイバの伝搬モード以外の光が遮断され
るためモードフィルタとなって光学的品質を向上するこ
とができる。
合させて光ファイバの出力として半導体レーザの高出力
光を用いる装置が知られている。光ファイバを出力端と
して用いることにより、放熱を必要とする半導体レーザ
部を切り放して実質的な光源部分を小型化することがで
きるとともにファイバの伝搬モード以外の光が遮断され
るためモードフィルタとなって光学的品質を向上するこ
とができる。
【0012】ファイバ出力はそのまま高出力光源として
熱書き込みや医療、はんだ付けなどに利用されており、
また、ファイバ出力を励起光として固体レーザの発振に
も利用することができる。さらに、ファイバを光源とし
て用いると、複数のファイバのアレイ化や結合による合
波により更に高出力の光源を構成することが可能であ
る。
熱書き込みや医療、はんだ付けなどに利用されており、
また、ファイバ出力を励起光として固体レーザの発振に
も利用することができる。さらに、ファイバを光源とし
て用いると、複数のファイバのアレイ化や結合による合
波により更に高出力の光源を構成することが可能であ
る。
【0013】半導体レーザと光ファイバを結合させた場
合、集光レンズにより集光された半導体レーザからの発
振光の一部が光ファイバの導波モードと結合して、ファ
イバ内に入射して導波される。それ故、前述の固体レー
ザ発光装置と同様に半導体レーザの横モード変動に起因
する強度変動や横モード間スイッチングによる雑音を生
じることとなる。
合、集光レンズにより集光された半導体レーザからの発
振光の一部が光ファイバの導波モードと結合して、ファ
イバ内に入射して導波される。それ故、前述の固体レー
ザ発光装置と同様に半導体レーザの横モード変動に起因
する強度変動や横モード間スイッチングによる雑音を生
じることとなる。
【0014】上述のように、半導体レーザ励起固体レー
ザ発光装置や固体レーザ結晶と非線形結晶を組み合わせ
たSHG発光装置、若しくは半導体レーザに光ファイバ
を結合させたレーザ発光装置は小型・光信頼性・低消費
電力の光源として利用範囲を拡げつつある。それ故、光
出力の変動や高周波雑音を低減された発光装置が望まれ
ている。
ザ発光装置や固体レーザ結晶と非線形結晶を組み合わせ
たSHG発光装置、若しくは半導体レーザに光ファイバ
を結合させたレーザ発光装置は小型・光信頼性・低消費
電力の光源として利用範囲を拡げつつある。それ故、光
出力の変動や高周波雑音を低減された発光装置が望まれ
ている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、既に述
べたように従来用いられている高出力・幅広発振領域半
導体レーザは光学的安定性に欠けるところがあり、光出
力の安定性や低雑音の点で十分ではないため固体レーザ
発光装置の励起光源として、若しくは光ファイバと結合
させた発光装置として、印刷、写真、医療画像などの高
品質の画像形成に用いるには難があった。
べたように従来用いられている高出力・幅広発振領域半
導体レーザは光学的安定性に欠けるところがあり、光出
力の安定性や低雑音の点で十分ではないため固体レーザ
発光装置の励起光源として、若しくは光ファイバと結合
させた発光装置として、印刷、写真、医療画像などの高
品質の画像形成に用いるには難があった。
【0016】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
であって、光出力の安定した低雑音の発振を実現する固
体レーザ発光装置および光ファイバを用いた発光装置を
提供することを目的とするものである。
であって、光出力の安定した低雑音の発振を実現する固
体レーザ発光装置および光ファイバを用いた発光装置を
提供することを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】第一の発明に係る固体レ
ーザ発光装置は、半導体レーザを励起光源として用い、
前記半導体レーザから出射された励起光により固体レー
ザ結晶からレーザ発振させる固体レーザ発光装置におい
て、前記半導体レーザが、横多モード発振を行う30μm
以上の幅広ストライプ構造を有する幅広ストライプ型半
導体レーザであり、前記ストライプ構造の側面の少なく
とも一部に導波方向に凹凸を有する凹凸面が形成された
屈折率導波機構を有するものであることを特徴とするも
のである。
ーザ発光装置は、半導体レーザを励起光源として用い、
前記半導体レーザから出射された励起光により固体レー
ザ結晶からレーザ発振させる固体レーザ発光装置におい
て、前記半導体レーザが、横多モード発振を行う30μm
以上の幅広ストライプ構造を有する幅広ストライプ型半
導体レーザであり、前記ストライプ構造の側面の少なく
とも一部に導波方向に凹凸を有する凹凸面が形成された
屈折率導波機構を有するものであることを特徴とするも
のである。
【0018】前記固体レーザ発光装置は、前記固体レー
ザ結晶から出射されたレーザの光路上に、該レーザを基
本波として、該基本波の波長変換を行う波長変換素子を
備えたものであってもよい。
ザ結晶から出射されたレーザの光路上に、該レーザを基
本波として、該基本波の波長変換を行う波長変換素子を
備えたものであってもよい。
【0019】前記半導体レーザの前記凹凸面の凹凸の深
さが10μm 以下であることが好ましく、さらに、前記半
導体レーザの前記ストライプ構造側面が、前記ストライ
プ構造の劈開面である光出射端面から少なくとも10μm
の範囲に亘って平面状であることが望ましい。
さが10μm 以下であることが好ましく、さらに、前記半
導体レーザの前記ストライプ構造側面が、前記ストライ
プ構造の劈開面である光出射端面から少なくとも10μm
の範囲に亘って平面状であることが望ましい。
【0020】ここで、凹凸の深さとは連続する凹凸の振
幅をいう。また、ストライプ構造の側面が平面状である
というのは、その範囲においては凹凸が形成されていな
いことを意味する。
幅をいう。また、ストライプ構造の側面が平面状である
というのは、その範囲においては凹凸が形成されていな
いことを意味する。
【0021】第二の発明に係るレーザ発光装置は、少な
くとも半導体レーザと、該半導体レーザから出射された
レーザを一端から入力され、他端から出力する光ファイ
バとを備えるレーザ発光装置において、前記半導体レー
ザが、横多モード発振を行う30μm 以上の幅広ストライ
プ構造を有する幅広ストライプ型半導体レーザであり、
前記ストライプ構造の側面の少なくとも一部に導波方向
に凹凸を有する凹凸面が形成された屈折率導波機構を有
するものであることを特徴とするものである。
くとも半導体レーザと、該半導体レーザから出射された
レーザを一端から入力され、他端から出力する光ファイ
バとを備えるレーザ発光装置において、前記半導体レー
ザが、横多モード発振を行う30μm 以上の幅広ストライ
プ構造を有する幅広ストライプ型半導体レーザであり、
前記ストライプ構造の側面の少なくとも一部に導波方向
に凹凸を有する凹凸面が形成された屈折率導波機構を有
するものであることを特徴とするものである。
【0022】前記半導体レーザの前記凹凸面の凹凸の深
さが10μm 以下であることが望ましく、また、前記半導
体レーザの前記ストライプ構造側面が、前記ストライプ
構造の劈開面である光出射端面から少なくとも10μm の
範囲に亘って平面状であることが望ましい。
さが10μm 以下であることが望ましく、また、前記半導
体レーザの前記ストライプ構造側面が、前記ストライプ
構造の劈開面である光出射端面から少なくとも10μm の
範囲に亘って平面状であることが望ましい。
【0023】すなわち、本発明の発光装置は、安定した
横モード発振をすることのできる半導体レーザを励起光
源あるいは一次光源とすることにより、固体レーザ発光
装置および光ファイバと結合させたレーザ発光装置の光
出力を安定化し、低雑音化したものである。
横モード発振をすることのできる半導体レーザを励起光
源あるいは一次光源とすることにより、固体レーザ発光
装置および光ファイバと結合させたレーザ発光装置の光
出力を安定化し、低雑音化したものである。
【0024】
【発明の効果】第一の発明の固体レーザ発光装置は、横
多モード発振を行う30μm以上の幅広ストライプ構造を
有し、該ストライプ構造の側面の少なくとも一部に凹凸
を有する凹凸面を形成された屈折率導波機構を有する半
導体レーザを励起光源として用いることにより、半導体
レーザの共振器内の位相・波面の異なる高次横モードを
積極的に励起することにより、発振横モード変化に伴う
強度変化を高出力領域まで効果的に抑制でき、光出力が
安定し雑音が低減された励起光となり、該励起光により
発振された固体レーザの光出力は、従来の半導体レーザ
励起固体レーザ発光装置の光出力に比して、安定した低
雑音の発振を得ることができる。特に、前記凹凸の深さ
が10μm 以下である場合には安定性のよい光出力が得ら
れる。
多モード発振を行う30μm以上の幅広ストライプ構造を
有し、該ストライプ構造の側面の少なくとも一部に凹凸
を有する凹凸面を形成された屈折率導波機構を有する半
導体レーザを励起光源として用いることにより、半導体
レーザの共振器内の位相・波面の異なる高次横モードを
積極的に励起することにより、発振横モード変化に伴う
強度変化を高出力領域まで効果的に抑制でき、光出力が
安定し雑音が低減された励起光となり、該励起光により
発振された固体レーザの光出力は、従来の半導体レーザ
励起固体レーザ発光装置の光出力に比して、安定した低
雑音の発振を得ることができる。特に、前記凹凸の深さ
が10μm 以下である場合には安定性のよい光出力が得ら
れる。
【0025】第二の発明の光ファイバ結合型のレーザ発
光装置は、横多モード発振を行う30μm 以上の幅広スト
ライプ構造を有し該ストライプ構造の側面の少なくとも
一部に凹凸を有する凹凸面を形成された屈折率導波機構
を有する半導体レーザと、光ファイバとを結合させたこ
とにより、半導体レーザの共振器内の位相・波面の異な
る高次横モードを積極的に励起することにより、発振横
モード変化に伴う強度変化を高出力領域まで効果的に抑
制できるため、安定した低雑音のレーザ光を光ファイバ
に入力することができ、従来の光ファイバ結合型のレー
ザ発光装置に比して、光出力が安定し低雑音の光出力を
得ることができる。
光装置は、横多モード発振を行う30μm 以上の幅広スト
ライプ構造を有し該ストライプ構造の側面の少なくとも
一部に凹凸を有する凹凸面を形成された屈折率導波機構
を有する半導体レーザと、光ファイバとを結合させたこ
とにより、半導体レーザの共振器内の位相・波面の異な
る高次横モードを積極的に励起することにより、発振横
モード変化に伴う強度変化を高出力領域まで効果的に抑
制できるため、安定した低雑音のレーザ光を光ファイバ
に入力することができ、従来の光ファイバ結合型のレー
ザ発光装置に比して、光出力が安定し低雑音の光出力を
得ることができる。
【0026】従って、これらのレーザ発光装置を光源と
して用いた画像・情報システムの品位、例えば写真や医
療画像データの印刷時の画像品質を向上することができ
る。
して用いた画像・情報システムの品位、例えば写真や医
療画像データの印刷時の画像品質を向上することができ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】以下に図面を用いて発明の具体的
な実施の形態を説明する。
な実施の形態を説明する。
【0028】図1に第一の発明に係る固体レーザ発光装
置の一実施形態の固体レーザ発光装置1の構成図を示
す。本発明の固体レーザ発光装置1は、励起光を出射す
る高出力・幅広発振領域半導体レーザ2、該半導体レー
ザ2から出射された励起光を集光するレンズ3および集
光された励起光によりレーザ発振をするNd:YAG固体レー
ザ結晶4、該固体レーザ結晶(発振波長946nm )4から
発振されたレーザの波長を1/2の波長に変換して第二
高調波(波長473nm )を発生させるKNbO3 非線形結晶5
および前記固体レーザ結晶4の紙面左側の光入射面と共
に固体レーザ共振器10を形成する凹面鏡からなる出力ミ
ラー6を備えるものである。なお、固体レーザ結晶4に
Nd:YVO4等、非線形結晶5にKTP等を用いてもよいる。
置の一実施形態の固体レーザ発光装置1の構成図を示
す。本発明の固体レーザ発光装置1は、励起光を出射す
る高出力・幅広発振領域半導体レーザ2、該半導体レー
ザ2から出射された励起光を集光するレンズ3および集
光された励起光によりレーザ発振をするNd:YAG固体レー
ザ結晶4、該固体レーザ結晶(発振波長946nm )4から
発振されたレーザの波長を1/2の波長に変換して第二
高調波(波長473nm )を発生させるKNbO3 非線形結晶5
および前記固体レーザ結晶4の紙面左側の光入射面と共
に固体レーザ共振器10を形成する凹面鏡からなる出力ミ
ラー6を備えるものである。なお、固体レーザ結晶4に
Nd:YVO4等、非線形結晶5にKTP等を用いてもよいる。
【0029】まず、励起光源として用いられる半導体レ
ーザ2について説明する。
ーザ2について説明する。
【0030】図2は半導体レーザ2の層構成の一例の断
面を模式的に示した図である。減圧MOCVD法によ
り、n-GaAs基板21(Si=2×1018cm-3 ドープ)上にn-Ga
Asバッファ層22(Si=1×1018cm-3 ドープ、0.5μm)、
n-Al0.5Ga0.5Asクラッド層23(Si=1x1018cm-3 ドー
プ、2.5μm)、アンドープSCH(Separate Confineme
ntHeterostructure)活性層24、p-Al0.5Ga0.5Asクラッ
ド層25(Zn=1×1018cm-3ドープ、2μm)、p-GaAsキャ
ップ層26(Zn=5×1018cm-3 ドープ、0.3μm)を積層す
る。前記SCH活性層24の構成はn-GaAs基板21側からAl
0.25Ga0.75As光ガイド層(アンドープ、0.05μm)、Al
0.05Ga0.95As量子井戸層(アンドープ、8nm)、Al0.25G
a0.75As光ガイド層(アンドープ、0.05μm)である。
面を模式的に示した図である。減圧MOCVD法によ
り、n-GaAs基板21(Si=2×1018cm-3 ドープ)上にn-Ga
Asバッファ層22(Si=1×1018cm-3 ドープ、0.5μm)、
n-Al0.5Ga0.5Asクラッド層23(Si=1x1018cm-3 ドー
プ、2.5μm)、アンドープSCH(Separate Confineme
ntHeterostructure)活性層24、p-Al0.5Ga0.5Asクラッ
ド層25(Zn=1×1018cm-3ドープ、2μm)、p-GaAsキャ
ップ層26(Zn=5×1018cm-3 ドープ、0.3μm)を積層す
る。前記SCH活性層24の構成はn-GaAs基板21側からAl
0.25Ga0.75As光ガイド層(アンドープ、0.05μm)、Al
0.05Ga0.95As量子井戸層(アンドープ、8nm)、Al0.25G
a0.75As光ガイド層(アンドープ、0.05μm)である。
【0031】上記各層を積層後、フォトリソグラフィー
法と塩素プラズマを用いたECRプラズマエッチングに
より幅約50μm のメサ形状にエッチングを行う。メサ部
以外では、p-Al0.5Ga0.5Asクラッド層25の残し厚みが0.
2μmとなるようにエッチングを行い、メサ部で等価的な
屈折率が高くなるようにして屈折率導波路を形成する。
法と塩素プラズマを用いたECRプラズマエッチングに
より幅約50μm のメサ形状にエッチングを行う。メサ部
以外では、p-Al0.5Ga0.5Asクラッド層25の残し厚みが0.
2μmとなるようにエッチングを行い、メサ部で等価的な
屈折率が高くなるようにして屈折率導波路を形成する。
【0032】ここで、メサ部の形状はウエハ表面から見
たとき(図2上方から見たとき)に図3に示すようなノ
コギリ波型凹凸形状となるように形成した。このとき、
図中a、bをそれぞれ凹凸の振幅、周期という。
たとき(図2上方から見たとき)に図3に示すようなノ
コギリ波型凹凸形状となるように形成した。このとき、
図中a、bをそれぞれ凹凸の振幅、周期という。
【0033】図3に示すように、光出射端面から少なく
とも10μm 範囲のメサ部側面は凹凸のない平面状とし
て、劈開により形成される端面における凹凸の位相によ
る遠視野像のばらつきが大きくならないようにする。
とも10μm 範囲のメサ部側面は凹凸のない平面状とし
て、劈開により形成される端面における凹凸の位相によ
る遠視野像のばらつきが大きくならないようにする。
【0034】メサ部作製後、プラズマCVDでSiO2膜27
を形成し、フォトリソグラフィ法とエッチングによりメ
サ上部のSiO2膜を除去して電極窓30を形成する。その
後、p型側にはAuZn/Au 28、n型側にはAuGe/Ni/Au29に
よりそれぞれオーミック電極を形成する。
を形成し、フォトリソグラフィ法とエッチングによりメ
サ上部のSiO2膜を除去して電極窓30を形成する。その
後、p型側にはAuZn/Au 28、n型側にはAuGe/Ni/Au29に
よりそれぞれオーミック電極を形成する。
【0035】作製したレーザの前面には劈開面とほぼ同
じ反射率30%、後面には95%以上となるコーティン
グを施する。チップはヒートシンク上にp側電極側をボ
ンディングする。
じ反射率30%、後面には95%以上となるコーティン
グを施する。チップはヒートシンク上にp側電極側をボ
ンディングする。
【0036】上記半導体レーザについて表1に示すよう
に凹凸の振幅aと周期bが異なる数種の素子、および凹
凸のない従来型素子(a=b=0)を作製してそれぞれ
の特性を比較した。
に凹凸の振幅aと周期bが異なる数種の素子、および凹
凸のない従来型素子(a=b=0)を作製してそれぞれ
の特性を比較した。
【0037】
【表1】
【0038】これらの素子の水平方向の遠視野像の半値
全角は10゜程度であるが、このうち、遮蔽板を用いて
4゜の範囲の空間的部分光を光検知器に入力して電流−
光出力特性を測定し、凹凸形状の振幅aに依存するキン
クの出現率を観測した。
全角は10゜程度であるが、このうち、遮蔽板を用いて
4゜の範囲の空間的部分光を光検知器に入力して電流−
光出力特性を測定し、凹凸形状の振幅aに依存するキン
クの出現率を観測した。
【0039】図4は、100 −500 mWの範囲においてキ
ンクが1つでもある素子の出現確率(キンク素子出現確
率)を凹凸形状の振幅の関数として示したものである。
また、図5は、100 −500 mWの範囲におけるキンクの
総数を素子数で除した1素子当たりの平均キンク個数を
凹凸形状の振幅の関数として示したものである。
ンクが1つでもある素子の出現確率(キンク素子出現確
率)を凹凸形状の振幅の関数として示したものである。
また、図5は、100 −500 mWの範囲におけるキンクの
総数を素子数で除した1素子当たりの平均キンク個数を
凹凸形状の振幅の関数として示したものである。
【0040】従来の素子(凹凸形状の振幅a=0の場
合)では100−500mWの範囲において、全ての素子でモ
ード変化によるキンクが見られ、凹凸を有する素子は従
来の素子と比較してキンクが減少している。また、凹凸
形状の振幅が10μm以下の素子は、キンクが少なくこの
範囲が最適である。好ましくは2-10μmの振幅であり、
さらに好ましくは3-8μm である。
合)では100−500mWの範囲において、全ての素子でモ
ード変化によるキンクが見られ、凹凸を有する素子は従
来の素子と比較してキンクが減少している。また、凹凸
形状の振幅が10μm以下の素子は、キンクが少なくこの
範囲が最適である。好ましくは2-10μmの振幅であり、
さらに好ましくは3-8μm である。
【0041】また、25℃における各素子の電流光出力特
性の測定結果を、発振閾値電流とスロープ効率を凹凸形
状の振幅の関数として図6、図7にそれぞれ示す。
性の測定結果を、発振閾値電流とスロープ効率を凹凸形
状の振幅の関数として図6、図7にそれぞれ示す。
【0042】凹凸形状の振幅aが大きくなると光散乱に
よる損失が増大するため閾値電流が増加し、スロープ効
率が減少する。閾値電流の増加およびスロープ効率の減
少は半導体レーザの特性として望ましくなく、凹凸形状
の振幅が10μm 以下であれば凹凸のない従来素子と比べ
てこれらの特性劣化を2割程度以下に抑えることができ
る。
よる損失が増大するため閾値電流が増加し、スロープ効
率が減少する。閾値電流の増加およびスロープ効率の減
少は半導体レーザの特性として望ましくなく、凹凸形状
の振幅が10μm 以下であれば凹凸のない従来素子と比べ
てこれらの特性劣化を2割程度以下に抑えることができ
る。
【0043】次に、本発明の固体レーザ発光装置1の作
用を説明する。
用を説明する。
【0044】半導体レーザ2の発振光はレンズ3によっ
て固体レーザ4に集光され、集光された発振光のうち固
体レーザ共振器10の発振モードと結合する成分のみが励
起光として用いられて、固体レーザ結晶4から発振波長
946nm のレーザが励起される。固体レーザ結晶4で発振
されたレーザは非線形結晶により473nm のSHG光(青
色レーザ)として出力される。
て固体レーザ4に集光され、集光された発振光のうち固
体レーザ共振器10の発振モードと結合する成分のみが励
起光として用いられて、固体レーザ結晶4から発振波長
946nm のレーザが励起される。固体レーザ結晶4で発振
されたレーザは非線形結晶により473nm のSHG光(青
色レーザ)として出力される。
【0045】本実施の形態と同様の構成の発光装置にお
いて、従来の凹凸のない従来のストライプ半導体レーザ
を励起光源として用いた場合の光出力および雑音の測定
を行った。温度と駆動電流を変化させて出力を変えた場
合に、前述の半導体レーザのキンクに対応して光出力が
不連続に変化することがあり、また、1MHz 以下におけ
る雑音を測定したところキンクと同様に1%を超える雑
音を発生する電流・温度の領域が見られた。
いて、従来の凹凸のない従来のストライプ半導体レーザ
を励起光源として用いた場合の光出力および雑音の測定
を行った。温度と駆動電流を変化させて出力を変えた場
合に、前述の半導体レーザのキンクに対応して光出力が
不連続に変化することがあり、また、1MHz 以下におけ
る雑音を測定したところキンクと同様に1%を超える雑
音を発生する電流・温度の領域が見られた。
【0046】図8、9はその測定結果の一例である。
【0047】図8は駆動電流を変化させた場合の473nm
SHG光強度と相対雑音強度変化を示すものであり、図
9は図8中で雑音強度が1%を超えたa、bで示した箇
所における1MHz 以下の雑音を測定した雑音波形であ
る。雑音波形は2値間をスイッチングするような特性を
示しており、モード間スイッチングによることを示して
いる。
SHG光強度と相対雑音強度変化を示すものであり、図
9は図8中で雑音強度が1%を超えたa、bで示した箇
所における1MHz 以下の雑音を測定した雑音波形であ
る。雑音波形は2値間をスイッチングするような特性を
示しており、モード間スイッチングによることを示して
いる。
【0048】一方、本発明の凹凸形状側壁を有する半導
体レーザを励起光源として使用した本実施形態において
は、測定限界である0.5 %以上の雑音の発生は見られな
かった。
体レーザを励起光源として使用した本実施形態において
は、測定限界である0.5 %以上の雑音の発生は見られな
かった。
【0049】このように、本発明の固体レーザ発光装置
においては、安定した光出力を実現することができる。
においては、安定した光出力を実現することができる。
【0050】次に、第二の発明に係る光ファイバ結合型
のレーザ光源装置の一実施形態を図10に示す。本レーザ
光源装置は、レーザ光を発振する上述の半導体レーザ2
と該半導体レーザ2から出射されたレーザ光を平行光と
するコリメタレンズ12、レーザ光を集光させる集光レン
ズ13および光ファイバ14からなる。
のレーザ光源装置の一実施形態を図10に示す。本レーザ
光源装置は、レーザ光を発振する上述の半導体レーザ2
と該半導体レーザ2から出射されたレーザ光を平行光と
するコリメタレンズ12、レーザ光を集光させる集光レン
ズ13および光ファイバ14からなる。
【0051】半導体レーザ2から発振されたレーザ光は
コリメタレンズ12を経て集光レンズ13により光ファイバ
14の一端に集光される。光ファイバ14の一端に集光され
たレーザ光の一部が光ファイバ14の導波モードと結合し
て、ファイバ内に入射して導波される。
コリメタレンズ12を経て集光レンズ13により光ファイバ
14の一端に集光される。光ファイバ14の一端に集光され
たレーザ光の一部が光ファイバ14の導波モードと結合し
て、ファイバ内に入射して導波される。
【0052】本実施の形態においても、前記第一の実施
の形態と同様に、従来の半導体レーザを用いた場合、横
モード変化に起因する強度変動や横モード間スイッチン
グによる雑音を生じていたが、上述の半導体レーザ2を
用いることにより、雑音を著しく低減できる。
の形態と同様に、従来の半導体レーザを用いた場合、横
モード変化に起因する強度変動や横モード間スイッチン
グによる雑音を生じていたが、上述の半導体レーザ2を
用いることにより、雑音を著しく低減できる。
【0053】上記第二の実施の形態の光源装置により発
生させたレーザ光を励起光として固体レーザの発振に利
用することもでき、複数のファイバのアレイ化や結合に
よる合波により更に高出力の光源を構成することが可能
である。
生させたレーザ光を励起光として固体レーザの発振に利
用することもでき、複数のファイバのアレイ化や結合に
よる合波により更に高出力の光源を構成することが可能
である。
【0054】上記実施の形態においては、リッジ導波路
型の屈折率導波構造の半導体レーザを励起光源として示
したが、本発明はリッジ導波路型半導体レーザに限定さ
れるものではなく、一般的な屈折率導波構造の導波路の
側壁に対応する部分を凹凸形状とした半導体レーザを用
いることもできる。
型の屈折率導波構造の半導体レーザを励起光源として示
したが、本発明はリッジ導波路型半導体レーザに限定さ
れるものではなく、一般的な屈折率導波構造の導波路の
側壁に対応する部分を凹凸形状とした半導体レーザを用
いることもできる。
【0055】図11に、その例としての半導体レーザの断
面を模式的に示す。減圧MOCVD法により、n-GaAs基
板31(Si=2×1018cm-3 ドープ)上にn-GaAsバッファ層
32(Si=1×1018cm-3ドープ、0.5μm)、n-InGaAsP ク
ラッド層33(660nm に対応する組成、Si=1×1018cm-3
ドープ、2.5μm )、アンドープSCH(Separate Conf
inement Heterostructure)活性層34、p-InGaAsP第一ク
ラッド層35(660nmに対応する組成、Zn=1×1018cm-3ド
ープ、0.2μm )、p-InGaP 第二クラッド層36(Zn=1×
1018cm-3ドープ、1μm)、を積層後、塩酸を用いて、p-
InGaP 第二クラッド層36を選択的にメサエッチングす
る。この際に図3に示すような凹凸形状にメサ部を形成
する。
面を模式的に示す。減圧MOCVD法により、n-GaAs基
板31(Si=2×1018cm-3 ドープ)上にn-GaAsバッファ層
32(Si=1×1018cm-3ドープ、0.5μm)、n-InGaAsP ク
ラッド層33(660nm に対応する組成、Si=1×1018cm-3
ドープ、2.5μm )、アンドープSCH(Separate Conf
inement Heterostructure)活性層34、p-InGaAsP第一ク
ラッド層35(660nmに対応する組成、Zn=1×1018cm-3ド
ープ、0.2μm )、p-InGaP 第二クラッド層36(Zn=1×
1018cm-3ドープ、1μm)、を積層後、塩酸を用いて、p-
InGaP 第二クラッド層36を選択的にメサエッチングす
る。この際に図3に示すような凹凸形状にメサ部を形成
する。
【0056】次に、2回目のMOCVD成長によりn-Al
GaInP 電流狭窄層37を積層後、メサ上部の絶縁物マスク
上に堆積した多結晶をエッチング除去し、3回目のMO
CVD成長としてp-InGaP 第三クラッド層38(Zn=1×1
018cm-3ドープ、0.5μm )、p-GaAsキャップ層39(Zn=
5×1018cm-3ドープ、0.3μm )を成長する。SCH活性
層34の構成はn-GaAs基板31側からInGaAsP 光ガイド層
(700nm 対応組成、アンドープ、0.05μm )、InGaAsP
量子井戸層(発振波長809nm に対応した組成、アンドー
プ、8nm)、InGaAsP 光ガイド層(700nm 対応組成、ア
ンドープ、0.05μm)である。
GaInP 電流狭窄層37を積層後、メサ上部の絶縁物マスク
上に堆積した多結晶をエッチング除去し、3回目のMO
CVD成長としてp-InGaP 第三クラッド層38(Zn=1×1
018cm-3ドープ、0.5μm )、p-GaAsキャップ層39(Zn=
5×1018cm-3ドープ、0.3μm )を成長する。SCH活性
層34の構成はn-GaAs基板31側からInGaAsP 光ガイド層
(700nm 対応組成、アンドープ、0.05μm )、InGaAsP
量子井戸層(発振波長809nm に対応した組成、アンドー
プ、8nm)、InGaAsP 光ガイド層(700nm 対応組成、ア
ンドープ、0.05μm)である。
【0057】その後、p型側にはAuZn/Au 41、n型側に
はAuGe/Ni/Au42によりそれぞれオーミック電極を形成し
た。このレーザは活性層にAlを含まない材料を用いるこ
とにより高出力における信頼性を向上したものである。
はAuGe/Ni/Au42によりそれぞれオーミック電極を形成し
た。このレーザは活性層にAlを含まない材料を用いるこ
とにより高出力における信頼性を向上したものである。
【0058】このほかにも各種の屈折率導波構造におい
て、導波路の側壁を凹凸形状にした半導体レーザを用い
ることができる。
て、導波路の側壁を凹凸形状にした半導体レーザを用い
ることができる。
【図1】第一の発明に係る固体レーザ発光装置の一実施
形態の構成図
形態の構成図
【図2】第一の発明に係る固体レーザ発光装置の励起光
源および第二の発明にかかるレーザ発光装置の第一次光
源として使用される半導体レーザの断面構造を模式的に
示す説明図
源および第二の発明にかかるレーザ発光装置の第一次光
源として使用される半導体レーザの断面構造を模式的に
示す説明図
【図3】図2の半導体レーザにおける導波路の平面構造
の模式図を示す説明図
の模式図を示す説明図
【図4】部分光を測定した電流・光出力特性において10
0−500mWの光出力域にキンクのある素子の出現確立と
図3の凹凸形状の振幅との関係を示す説明図
0−500mWの光出力域にキンクのある素子の出現確立と
図3の凹凸形状の振幅との関係を示す説明図
【図5】部分光を測定した電流・光出力特性における10
0−500mWの光出力域における1素子あたりのキンクの
平均個数と図3の凹凸形状の振幅との関係を示す説明図
0−500mWの光出力域における1素子あたりのキンクの
平均個数と図3の凹凸形状の振幅との関係を示す説明図
【図6】図3の凹凸形状の振幅と発振閾値電流との関係
を示す説明図
を示す説明図
【図7】図3の凹凸形状の振幅と電流・光出力特性にお
けるスロープ効率との関係を示す説明図
けるスロープ効率との関係を示す説明図
【図8】従来の励起用半導体レーザを用いて図1に示す
固体レーザ発光装置を構成した場合の半導体レーザ励起
電流とSHG光出力およびSHG光の相対雑音強度との
関係を示す説明図
固体レーザ発光装置を構成した場合の半導体レーザ励起
電流とSHG光出力およびSHG光の相対雑音強度との
関係を示す説明図
【図9】図8の(a)および(b)における光出力の雑
音波形を示す説明図
音波形を示す説明図
【図10】第二の発明に係るファイバ結合型のレーザ発光
装置の一実施形態の構成図
装置の一実施形態の構成図
【図11】本発明のレーザ発光装置において使用されうる
半導体レーザの断面構造を模式的に示す説明図
半導体レーザの断面構造を模式的に示す説明図
1 固体レーザ発光装置 2 半導体レーザ 3 レンズ 4 固体レーザ結晶 5 非線形結晶 6 出力ミラー 10 共振器 21 n-GaAs基板 22 n-GaAsバッファ層 23 n-Al0.5Ga0.5As量子井戸層 24 アンドープSCH活性層 25 p-Al0.5Ga0.5Asクラッド層 26 p-GaAsキャップ層 27 SiO2膜 28、29 電極
Claims (7)
- 【請求項1】 半導体レーザを励起光源として用い、前
記半導体レーザから出射された励起光により固体レーザ
結晶からレーザ発振させる固体レーザ発光装置におい
て、 前記半導体レーザが、横多モード発振を行う30μm 以上
の幅広ストライプ構造を有する幅広ストライプ型半導体
レーザであり、前記ストライプ構造の側面の少なくとも
一部に導波方向に凹凸を有する凹凸面が形成された屈折
率導波機構を有するものであることを特徴とする固体レ
ーザ発光装置。 - 【請求項2】 前記固体レーザ結晶から出射されたレー
ザの光路上に、該レーザを基本波として、該基本波の波
長変換を行う波長変換素子を備えたことを特徴とする請
求項1記載の固体レーザ発光装置。 - 【請求項3】 前記半導体レーザの前記凹凸面の凹凸の
深さが10μm 以下であることを特徴とする請求項1また
は2記載の固体レーザ発光装置。 - 【請求項4】 前記半導体レーザの前記ストライプ構造
側面が、前記ストライプ構造の劈開面である光出射端面
から少なくとも10μm の範囲に亘って平面状であること
を特徴とする請求項1から3いずれか記載の固体レーザ
発光装置。 - 【請求項5】 少なくとも半導体レーザと、該半導体レ
ーザから出射されたレーザを一端から入力され、他端か
ら出力する光ファイバとを備えるレーザ発光装置におい
て、 前記半導体レーザが、横多モード発振を行う30μm 以上
の幅広ストライプ構造を有する幅広ストライプ型半導体
レーザであり、前記ストライプ構造の側面の少なくとも
一部に導波方向に凹凸を有する凹凸面が形成された屈折
率導波機構を有するものであることを特徴とするレーザ
発光装置。 - 【請求項6】 前記半導体レーザの前記凹凸面の凹凸の
深さが10μm 以下であることを特徴とする請求項5記載
のレーザ発光装置。 - 【請求項7】 前記半導体レーザの前記ストライプ構造
側面が、前記ストライプ構造の劈開面である光出射端面
から少なくとも10μm の範囲に亘って平面状であること
を特徴とする請求項5または6記載のレーザ発光装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8109396A JPH09298340A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 半導体レーザを用いたレーザ発光装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8109396A JPH09298340A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 半導体レーザを用いたレーザ発光装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09298340A true JPH09298340A (ja) | 1997-11-18 |
Family
ID=14509189
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8109396A Withdrawn JPH09298340A (ja) | 1996-04-30 | 1996-04-30 | 半導体レーザを用いたレーザ発光装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09298340A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1198042A2 (en) * | 2000-10-12 | 2002-04-17 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Semiconductor laser device with a current non-injection region near a resonator end face, and fabrication method thereof |
-
1996
- 1996-04-30 JP JP8109396A patent/JPH09298340A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1198042A2 (en) * | 2000-10-12 | 2002-04-17 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Semiconductor laser device with a current non-injection region near a resonator end face, and fabrication method thereof |
EP1198042A3 (en) * | 2000-10-12 | 2004-04-28 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Semiconductor laser device with a current non-injection region near a resonator end face, and fabrication method thereof |
US6888866B2 (en) | 2000-10-12 | 2005-05-03 | Fuji Photo Film Co., Ltd. | Semiconductor laser device with a current non-injection region near a resonator end face, and fabrication method thereof |
EP1583187A1 (en) * | 2000-10-12 | 2005-10-05 | Fuji Photo Film Co., Ltd | Semiconductor laser device with a current non-injection region near a resonator end face |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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