JPH09298318A - 熱電変換素子 - Google Patents

熱電変換素子

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JPH09298318A
JPH09298318A JP8146379A JP14637996A JPH09298318A JP H09298318 A JPH09298318 A JP H09298318A JP 8146379 A JP8146379 A JP 8146379A JP 14637996 A JP14637996 A JP 14637996A JP H09298318 A JPH09298318 A JP H09298318A
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JP
Japan
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alloy
iron
thermoelectric
concn
electromotive force
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JP8146379A
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Inventor
Katsutoshi Ono
勝敏 小野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量産のきく導電性材料で、起電力の大きな大
電力の供給できる熱電素子を提供する。 【解決手段】 2つの異なった導電性物質からなる導体
を互いに2点で接合させて回路を作り、その2つの接合
部を互いに異なった温度に保持し、その開放回路の端子
間に前記異なった温度の温度差に応じて開放電圧を発生
させる熱電素子において、2つの異なった前記導電性物
質の一方の材料をFeとし、他方の材料を重量%でアル
ミニウムを4.0乃至12.0含有させたFeとしてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、温度差を有する
空気、水、海水、地熱など低温熱源もしくは自然エネル
ギーを電気エネルギーに変換する機能素子に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】2つの異なった導電性物質a,bからな
る導体を図1のように接合して回路を作り、2つの接合
部をそれぞれ異なった温度TとT(T>T)に
保つと、開放回路の端子間に温度差ΔT=T−T
応じた開放電圧Vabが発生する現象を熱電効果とい
う。また一方の接合部の温度の1℃の変化にたいするV
abの変化を物質aにたいする物質bの熱電係数とい
う。
【0003】大きい開放電圧が得られる物質a,bの組
み合わせとしては従来、金属間化合物ではBiTe
(p)・BiTe(n)、合金ではクロメル・コン
スタンタンなどが知られている。前者は銅製錬の副産物
である希有金属からなり、後者の合金成分はクロメルが
90%Ni−10%Cr,コンスタンタンが40%Ni
−60%Cuなどであり、いずれもニッケルを高濃度に
含有することが特徴であった(ここに記載する%は重量
%の意味であり、以下の記載も同じ意味である)。
【0004】[発明が解決しようとする課題]図1の開
放電圧Vabの値はΔTの関数であり、0℃以下の低い
温度においても素子が導電性物質からなり、かつ2つの
接合部に温度差があれば電気エネルギーの発生が可能で
ある。しかしこの原理により大電力を発生させるために
は、前述のような合金が多量に必要となるので、きわめ
て希有で高価なビスマスおよびテルル、高価なニッケル
を高濃度で含有するこれら化合物、合金の使用は、経済
的に実用性が無かった。
【0005】そこで本願人は、安価で大量に生産されて
いる鉄と組み合わせて良好な熱電効果を示す鉄を基本と
する合金、しかも添加元素が資源的に豊富であり、か
つ、少量添加で効果のある合金を鋭意調査した結果、本
発明のアルミニウムを4.0〜12.0%含むFe−A
l合金を開発した。
【0006】本発明の目的は、鉄と接合して得られる起
電力が、同じ温度および温度差のもとでクロメル・コン
スタンタンの接合により得られる起電力の3分の2に近
く、大電力が容易に得られる鉄を基本とした熱電素子を
提供せんとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本研究に係わる熱電素子は、2つの異なった導電性
物質からなる導体を互いに2点で接合させて回路を作
り、その2つの接合部を互いに異なった温度に保持し、
その開放回路の端子間に前記異なった温度の温度差に応
じて開放電圧を発生させる熱電素子において、2つの異
なった前記導電性物質の一方の材料をFeとし、他方の
材料を重量%でアルミニウムを4.0乃至12.0%含
有させたFe−Al合金であることを特徴とするもので
ある。
【0008】
【発明の実施の形態】Fe−Al合金にはAlの飽和溶
解度が12.0%のFe−Al固溶体、およびFeA
l,FeAl,FeAl5.,FeAlの4種の
金属間化合物がある。本発明の合金はこのうちFe−A
l固溶体である。鉄はアルミニウムの添加により塑性は
減じて硬度が増加する。また鉄はアルミニウム濃度の増
加とともに電気抵抗が増大し、熱伝導率は減少する。
【0009】熱電発電は機械的駆動部分の全くない極め
て単純な装置による電力への直接変換方式である。また
0℃以下をも含む温度域に存在する恒久的かつ無償の自
然エネルギーおよび低温廃熱源から産業用、家庭用の電
力を獲得できるならば、地球環境保全の観点からも意義
がある。そのための熱電変換素子が満たすべき条件は、
低いエネルギー変換効率を素子の量で補償するため素子
の材料は資源が豊富で安価に製造できること、0℃以下
の温度においても導電性が良好であること、および加工
性に富むことなどであることから、鉄以外には考えられ
ず、次には鉄と接合して大きい熱電係数を有する鉄基合
金の開発が必要とされた。
【0010】
【実施例】以下添付図面を参照し実施例により、本発明
の実施の形態をより具体的に説明する。鉄の熱電係数は
−30℃から100℃の温度範囲においてほぼ一定で+
16μV/Kである。図1の回路の発生電圧を大きくす
るためには、一方の物質を鉄とすれば他方の物質の熱電
係数は正の大きい値をとるか、または負の大きい値を具
備している必要がある。熱電係数が正の物質をp型、負
の物質をn型と称している。鉄はp型導電体であるので
鉄と接合させる相手としてn型導電体が必要とされ、鉄
をn型に転換させる元素としてアルミニウムを選定し、
Fe−Al合金を作製して熱電係数の測定を実施した。
【0011】純度99.9%の鉄を純度99.9%のア
ルミニウムとともにアルゴン雰囲気のもとで高周波誘導
加熱により100gの均質なFe−Al合金を溶製し
た。なお合金中のAlの組成範囲は0〜15重量%とし
た。図2は測定結果で、12.0%Alで熱電係数は負
で最小値−25.0μV/Kとなった。したがって、こ
の組成のFe−Al合金を選び鉄と接合して回路を形成
するとき最大の電圧が発生する。この電圧は2つの接合
部の温度差が1℃につき38.0μVとなり、高い開放
電圧が発生する。
【0012】なお、アルミニウム濃度の上限は、12.
0%である。これは12.0%を超えると鉄と接合して
起電力が減少する上に、導電率も減少するので、結果的
に出力が低下するために決定されたものである。他方、
アルミニウム濃度の下限は、アルミニウム濃度の減少と
ともに、導電率は増加するが、起電力は減少するので、
結果的に出力が減少するために4.0%と決定したもの
である。
【0013】また、鉄の純度については、普通鋼に通常
0.2%以下含まれている炭素、酸素、硫黄、燐などの
軽元素、および微量の金属元素などは、起電力にはほと
んど影響しないことが判明している。
【0014】
【表1】
【0015】一例として、鉄−12.0%アルミニウム
鉄の熱電係数を、従来知られている金属−合金対と比較
したのが表1である。表から明らかなように本発明の鉄
−12.0%アルミニウム鉄対の熱電係数は他の金属−
合金対と比較して僅かに劣るものの、12.0%のAl
以外は実質的にすべて鉄であり、高価な添加元素を必要
としない。経済的な量産という観点から、本発明のもつ
工業的価値は大きいと考えられる。
【0016】本発明に係わる合金を用いて熱を直接電気
エネルギーに変換できることを利用した製品としては、
地熱発電機、海洋温度差発電機、廃熱利用発電機、太陽
熱利用発電機、火力および原子力発電の廃熱利用発電
機、核分裂熱の直接利用発電機、ゴミ発電機など、商用
電力、自家用電力、遠隔地用電力、非常用電力に利用す
るのが好適である。
【0017】
【発明の効果】以上説明してきたことから明らかなよう
に、本発明によれば、安価で大量に生産されている鉄と
組み合わせて良好な熱電変換電圧が得られる熱電素子を
提供することができ、従って大電力の熱電素子の提供が
可能で、産業、家庭用の電力生産手段として期待される
素子の実現が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱電素子の原理を説明するための図である。
【図2】Fe・Fe−Al合金熱電素子のAl濃度と熱
電係数の関係を示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの異なった導電性物質からなる導体
    を互いに2点で接合させて回路を作り、その2つの接合
    部を互いに異なった温度に保持し、その開放回路の端子
    間に前記異なった温度の温度差に応じて開放電圧を発生
    させる熱電素子において、2つの異なった前記導電性物
    質の一方の材料をFeとし、他方の材料を重量%でアル
    ミニウムを4.0乃至12.0%含有させたFe−Al
    合金であることを特徴とする熱電素子。
JP8146379A 1996-05-02 1996-05-02 熱電変換素子 Pending JPH09298318A (ja)

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JP8146379A JPH09298318A (ja) 1996-05-02 1996-05-02 熱電変換素子

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JPH09298318A true JPH09298318A (ja) 1997-11-18

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004119648A (ja) * 2002-09-26 2004-04-15 Toshiba Corp p型熱電変換材料及びそれを用いた熱電変換素子
JP2011083783A (ja) * 2009-10-13 2011-04-28 Honda Motor Co Ltd 抵抗溶接方法
JP2019019382A (ja) * 2017-07-18 2019-02-07 新日鐵住金株式会社 低合金鋼
JP2019024044A (ja) * 2017-07-24 2019-02-14 学校法人東京理科大学 熱電物性測定装置及び熱電物性測定方法

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