JPH09297096A - ガス検知方法 - Google Patents

ガス検知方法

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JPH09297096A
JPH09297096A JP11232396A JP11232396A JPH09297096A JP H09297096 A JPH09297096 A JP H09297096A JP 11232396 A JP11232396 A JP 11232396A JP 11232396 A JP11232396 A JP 11232396A JP H09297096 A JPH09297096 A JP H09297096A
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雅之 中村
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岩雄 杉本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度で、小型な、膜厚および温度補正機能
付きのガス検知センサと検知方法を低原価で提供する。 【解決手段】 ガス吸着前の所定膜厚値を有するカウン
タ出力から周波数変化(吸着量)を計算し(S00
4)、膜厚のばらつき補正(S005)、温度変化によ
る補正(S006)を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は表面に吸着膜を有す
る水晶発振子を用いて、共振周波数の変化に基づいてガ
スの検知と判別を行なうガス検知センサ、及び、前記吸
着膜の製造過程で生じる膜厚のばらつきを補正する方
法、並びに温度変化によるセンサ応答の変化を補正する
方法を含むガス検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガス検知センサにおいては、火災などに
よって発生する微量の燃焼ガスや有機化合物ガスを感度
よく検知し判別を行なうことが必要である。従来、この
ような用途に対するセンサとして、被検知ガスに対する
広い選択性を持った吸着膜を水晶発振子に塗布し、時間
の推移と共にその共振周波数を計測してガスを検知する
ものがある。水晶発振子の共振周波数はその表面に吸着
した物質の重量に比例して減少するので、共振周波数を
計測することによってガス吸着量を求めることができ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記吸着膜を有する水
晶発振子によるガス検知センサには以下のような問題点
があった。すなわち、水晶発振子を用いたセンサは、そ
の出力である共振周波数を精度よく測定するのに高価な
周波数カウンタが必要である。すなわち、低原価な乗算
&サンプリング回路、分周回路、カウンタを用いて周波
数を測定する場合には、カウンタのビット数に制限され
るから、常に精度のよい計測ができるとは限らない。ま
た、この種のセンサに使用する吸着膜は、製造過程で膜
厚にばらつきが生じやすく、同一材質で同一膜厚を有す
る吸着膜を使用しても、センサの特性にもばらつきを生
ずるのが一般的傾向である。さらに、温度変化によって
もセンサ出力は変動するため、実際にはガスが発生して
いないにも拘らず、温度が変化したためにセンサの出力
に変化が現れることもあり誤検知の要因となるおそれが
ある。
【0004】本発明の目的は、比較的低原価な乗算&サ
ンプリング回路、分周回路、カウンタを用いて実現が可
能であり、高精度で、小型な、膜厚および温度補正機能
付きのガス検知センサと検知方法を提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する手
段として、乗算&サンプリング回路、分周回路、カウン
タを用いて周波数変化を測定することに関して、ガス吸
着前の吸着膜の膜厚値に基づくカウンタ出力の変化値を
用いて、周波数そのものではなく、周波数の変化値を計
算するものである。すなわち、本発明は、表面に吸着膜
を有する水晶発振子のセンサを用い、被検知ガスの前記
吸着膜への吸着による前記水晶発振子の共振周波数の変
化を求めることにより被検知ガスを検知するガス検知方
法において、ガス吸着前の膜厚値から換算した、基準発
振子の共振周波数とガス吸着後の前記センサの共振周波
数との差から共振周波数の変化を求めることを特徴とす
るガス検知方法である。
【0006】また、センサ出力値に膜厚比を乗算して膜
厚のばらつきを補正する。さらに、温度変化に対する影
響を消去するには、同一の吸着膜を有する2つのセンサ
を設け、一方のセンサは、金属などのカバーを用いセン
サの吸着膜を覆ってガスに接触しないようにし、このセ
ンサの出力値の定数倍を、検知するセンサの出力値から
差し引いて温度変化の影響を補正するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のガス検知方法の
実施の形態を示す周波数の変化計算、膜厚補正、温度補
正のフローチャートである。図2は、本発明のガス検知
方法の実施の形態の構成を示すブロック図である。図2
における温度補正用センサの構成のほかは、従来技術の
準用が可能である。以下図1、図2を参照して説明す
る。乗算&サンプリング回路&分周回路8、カウンタ9
を用いて水晶発振子センサ3、4の共振周波数fiを測
定するには、分周数N、基準水晶発振子の周波数fr
(一定)、カウンタ出力Cとすると、センサの共振周波
数と基準発振子周波数の差fdは、 fd=fr−fi …(1) fd=N・fr/C …(2) 式(1)、式(2)から fi=(1−N/C)・fr …(3) が得られ、式(3)を使って共振周波数fiを計算す
る。この方法は周波数測定でよく用いられるレシプロカ
ル方式と同等である。
【0008】周波数測定の分解能を高めることは、カウ
ンタ9の出力変化に対する周波数変化の値を小さくする
ことであり、それには分周数Nを大きくすればよい。と
ころがカウンタのビット数は限られているので、Nの値
が大きすぎると、カウンタ9がオーバーフローし真のC
の値がわからなくなる。この種のガスセンサにおいて
は、ガスを感知する前のセンサの共振周波数とガスを感
知した後の共振周波数の変化値、すなわち−Δfiが、
ガスの吸着量となる。ここで吸着量が増加するとfiは
減少すので、共振周波数の変化値の符号は負となる。セ
ンサ出力として必要なのは、fiではなく−Δfiである
から式(1)から式(4)が導かれる。
【0009】すなわち、 Δfd=−Δfi …(4) となり、Δfdを精度良く求めればよいことになる。限
られたビット数のカウンタでは、fiを精度良く求める
よりもΔfdを精度良く求める方が容易である。
【0010】式(2)を変形して式(5)を求める。
【0011】 C=(N・fr)/fd …(5) 吸着膜がガスを吸着することにより、C、fdがそれぞ
れΔC、Δfdだけ変化すると、 C+ΔC=(N・fr)/(fd+Δfd) …(6) となる。式(5)、式(6)からCを消去すると、 −Δfi=Δfd=−fd・〔1−1/{1+(fd・ΔC)/(N・fr)}〕… …(7) となる。ここでfdはセンサと基準発振子の共振周波数
の差で、センサの膜厚を周波数換算したものである。セ
ンサの膜厚は製造後に計測しているので既知の量であ
る。
【0012】経時変化などにより膜厚が変化することも
あり得るので、より精密な共振周波数の変化値を求める
には、ガス吸着量を測定する前に式(2)においてカウ
ンタ9がオーバーフローしないNを用いてfdを求めて
おく(S003)。式(7)においてガスの吸着量−Δ
fiを求めるのにCの値を知る必要はなく、カウンタ9
出力の変化ΔCがわかればよい。カウンタ9がオーバー
フローすることがあってもΔCを求めることができ、Δ
Cの範囲はカウンタ9のビット数だけあると考えられる
ので、広範囲な周波数変化を計測できる。この方法によ
り低原価な乗算&サンプリング回路&分周回路8、カウ
ンタ9を用いて周波数変化を精度良く計算することがで
きる(S004)。
【0013】また、センサの材質が同一ならば、ガス吸
着量はセンサの膜厚に比例することが知られている。膜
厚fd0のセンサを用いて作成したデータベースによって
ガスの判別をする場合には、当然用いるセンサも膜厚f
d0のセンサでなければならない。しかし、膜厚はセンサ
の製造過程において、ばらつきを生ずるのが一般的であ
る。同一材質で、膜厚がfdのセンサをfd0の膜厚のセ
ンサ特性に補正するために、膜厚fdのセンサ出力であ
る前記(7)式をfd0/fd倍する。すなわち、 −Δfi・(fd0/fd)=Δfd・(fd0/fd) =−fd・(fd0/fd)・〔1−1/{1+(fd・ΔC)/(N・fr)}〕 =−fd0・〔1−1/{1+(fd・ΔC)/(N・fr)}〕…(8) これにより、得られた値はfd0の膜厚のセンサ出力と同
値になる。こうして製造過程で生じるセンサ膜厚のばら
つきによるセンサ出力を補正することができる(S00
5)。
【0014】さらに、ガスを感度良く感知するには温度
変化によるセンサ出力への影響を消去する補正をしてや
らなければならない。カバーにより被覆して吸着膜がガ
スに曝されないようにしたセンサの出力は、温度変化に
対応するので、ある時刻tにおけるセンサ出力s(t)
はカバーで被覆したセンサの出力sc(t)の定数倍を
引き算し、s(t)−χ・sc(t)とすることによっ
て、温度変化による出力への影響を消去することができ
る。ここで、χはガスが存在ない時に温度を変化させた
ときの両センサの出力比である。すなわち、 χ=s(t)/sc(t)…(9) とすると、χの値はセンサによって異なる。これにより
センサ出力に含まれる温度変化に対応する成分を差し引
き、ガス吸着量のみを取り出すことができる。このよう
にして膜厚補正、温度補正したセンサ出力をガス検知、
判別に利用することができる(S006)。
【0015】図2において、雰囲気に曝されるセンサセ
ル0には、基準水晶発振子1と、表面にガス吸着膜2を
設けた水晶発振子3と、ガス吸着膜2を被覆してあるが
ガスに曝されないように空気を封入してカバーを被せた
水晶発振子4が設けられている。これらの水晶発振子
1、3、4の共振周波数は9MHzである。水晶発振子
3、4は8個まで取り付け可能であり、各ガス吸着膜2
は材質、作製条件を変えてそれぞれ吸着特性を変えてあ
る。
【0016】また、水晶発振子3には発振回路6、カバ
ーを被せた水晶発振子4には発振回路5が対応して設け
られ、この発振回路5、6は対応する水晶発振子3、カ
バーを被せた水晶発振子4の共振周波数で発振するよう
になっている。マルチプレクサ7は、何れか一つの発振
回路5を選択し、乗算&サンプリング&分周回路8は、
選択された発振回路5と発振回路6の出力の周波数差を
周波数とする信号を出力する。カウンタ9は、この信号
の周波数を計測してコンピュータ10に送る。コンピュ
ータ10はカウンタ9の出力、ガス吸着膜2の膜厚を用
いて周波数変化で表されるガス吸着量を計算し、ガス検
知、判別を行い、その判別結果をLED、CRTなどの
表示器11に表示する。検知器を複数台製造するとき、
各センサは同じ材質のものは同じ特性を有することが望
ましいが、センサの膜厚にばらつきが生じることがあ
り、このときセンサ特性もばらつくが、ある膜厚のセン
サ特性に統一して規格化する必要があるため、膜厚比を
定数としてセンサ出力を定数倍する。
【0017】次に、このガス検知器の動作について説明
する。各発振回路5、6を動作状態にすると、基準水晶
発振子1、水晶発振子3、カバーを被せた水晶発振子4
は発振を開始する。基準水晶発振子1、水晶発振子3、
カバーを被せた水晶発振子4は同一のセル0内にあるの
で各センサの温度は同一である。ガスが発生すると、各
水晶発振子3上のガス吸着膜2に対して被検知ガス分子
の吸着が開始し、吸着量に応じて各水晶発振子3の共振
周波数がシフトし、各発振回路5の発振周波数がシフト
する。この発振周波数のシフトは、各水晶発振子3のガ
ス吸着膜2に吸着した被検知ガスの質量に比例する。
【0018】一方、カバーを被せた水晶発振子4上のガ
ス吸着膜2には、発生ガスが吸着しないので共振周波数
は変化しない。ただし、カバーを被せた水晶発振子4
は、温度変化によってカバー内の空気の吸着量が変化す
る。すなわち、温度変化によって各水晶発振子3への空
気の吸着量は変化するが、変化の大きさはカバーを被せ
た水晶発振子4の出力の定数倍になるので、各水晶発振
子3の出力からカバーを被せた水晶発振子4の出力の定
数倍を引き算することによって、各水晶発振子3の出力
から温度変化に対応する成分を打ち消している。このよ
うにして、温度変化によるセンサ出力の誤検知要因を消
去することができる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面に基づい
て説明する。本実施例に基づいた測定結果について説明
する。fd=50kHzの膜厚(約1.1ミクロンに相
当)を有するPTFE&PE(ポリテトラフロロエチレ
ンとポリエチレン)を原材料としたセンサ、N=204
8、fr=9MHz、16ビットのカウンタを使用すると
して、Cの最大値を65536としたとき、膜厚を利用
せずに乗算&サンプリング回路、分周回路、カウンタを
用いて周波数を計測しようとすると、ガスが吸着しない
状態で、式(5)に示したC=N・fr/fdにより、C=
368640となり、このカウンタでは測定できないこ
とになる。そこで、分解能を低下させて、N=256と
すると、C=46080となり測定可能となるが、C=
46080での分解能は、 fi(46080)−fi(46079)=fd(460
79)−fd(46080)=1.09(Hz) となる。ガスが吸着してCが減ると分解能はさらに低下
する。例えば、ガスが吸着してΔfd=10kHzとなる
とカウンタの値はC=38399となりこのときの分解
能は、 fi(38399)−fi(38398)=fd(383
98)−fd(38399)=1.56(Hz) である。
【0020】膜厚を利用する式(7)から吸着量を計算
する。膜厚fd=50kHzは、センサ製造後に計測して
おいた値を用いるか、あるいは式(2)においてN=2
56とした時のカウンタ値C=46080から求める。
共振周波数変化の測定には、N=2048を使用する。
通常、ガスが吸着するとCは小さくなるので、ΔCの符
号は負である。ΔCの計測にはカウンタのビット数いっ
ぱい計測できるので、−65536<ΔC<0となり、
最大ΔC=−65536のとき、−Δfi(−6553
6)=10810.8(Hz)を、分解能 −Δfi(−65536)−(−Δfi(−6553
5))=0.2(Hz) によって計測できる。さらにΔC=0においては −Δfi(−1)−{−Δfi(0)}=0.136(H
z) の分解能である。すなわち、本方法を使えば同じ回路で
N=2048を利用することができ、約10.8kHz
までの周波数変化を分解能約0.2Hz以下で測定でき
る。もちろん、Nの値を大きくすればその分さらに分解
能は高くなる。
【0021】さらに、図3はPTFE&PEを原材料と
したセンサの膜厚を変化させたときのアセトン1000
ppmに対する吸着量をプロットしたものである。図3
より膜厚と吸着量の間には比例関係が成り立ち、膜厚f
d(例えば、27.8kHz=0.6ミクロン)のセンサ
(出力100Hz)をfd0(55.6kHz=1.2ミク
ロン)の膜厚のセンサ(出力200Hz)の特性に補正
するには、膜厚がfdのセンサ出力、すなわち、−Δfi
をfd0/fd倍、すなわち2倍すればよいことがわか
り、これにより式(8)が膜厚補正の式として有効であ
ることが知られる。
【0022】膜厚補正がガスの判別に有効である実施例
を示す。図4は、PCTFE(ポリクロロトリフロロエ
チレン)センサ(膜厚0.82ミクロン)とPTFE&
PEセンサ(膜厚1.16ミクロン)の濃度350pp
mアセトン(□印)と、濃度360ppmメタノール
(○印)に対する25℃における最大吸着量a、bを下
記(数1)のように正規化したベクトルをプロットした
ものである。
【0023】
【数1】
【0024】これらのセンサはある一種類だけのガスに
反応するのではなく、多種のガスに反応するという広い
選択性を持つので、各ガスに対するベクトルのプロット
を集めたデータベースをもとにしてガスの判別を行う。
このベクトルがどこにプロットされるかによってガスの
判別を行うことができる。ある未知のガスに対する両セ
ンサのプロットが□印に近いか○印に近いかによってア
セトンとメタノールを判別できる。ここでは特にアセト
ンを選択的に検知しようとしするものである。
【0025】〈実施例2〉ここで、別のPTFE&PE
センサ(膜厚0.47ミクロン)が製造され、このセン
サを膜厚1.16ミクロンのPTFE&PEセンサのか
わりに使用する。ガスの判別は図4のプロットを参照し
なければならないが、PTFE&PEセンサの膜厚が異
なるのでこのままでは図4を利用することはできない。
濃度350ppmアセトンに対するベクトルは図5の×
印のようになるが、明らかに図4のアセトンとメタノー
ルのプロットから外れており、このガスをアセトンであ
ると判別するのは困難である。
【0026】式(8)の膜厚補正の式を用いて膜厚1.
16ミクロンのPTFE&PEセンサの出力に補正しプ
ロットしたものを図6の×印に示す。アセトンのプロッ
ト(□印)に非常に近く、このガスがアセトンであると
判別できることがわかる。図7は、使用した各センサの
最大吸着量a、bを示す図表である。
【0027】さらに図8は、空気中で温度(□印)を変
えた場合のフェニルアラニンを原材料としたセンサ(膜
厚0.93ミクロン)(○印)とカバーを被せた温度補
正用のフェニルアラニンを原材料としたセンサ(膜厚
0.87ミクロン)(×印)の出力を示す特性図であ
る。ガスが存在しないのにセンサ出力が現れるのは温度
変化による影響である。この温度変化による応答成分は
望ましくないので、温度補正用のセンサ出力を用いてキ
ャンセルする。熱電対出力(温度曲線)よりも温度補正
用のセンサ出力の方がセンサ出力との相関が高いことが
はっきりわかり、温度補正用のセンサを用いた方が温度
補正が適当であると期待できる。この場合、センサ出力
s(t)から温度補正用センサ出力sc(t)に係数χ
=1を掛けたものを引き算し、 s(t)−χ・sc(t)=s(t)−sc(t)…(10) としたものをプロットしたものが図9の○印で示されて
いる。s(t)もあわせて□印でプロットしてあるが、
これと比較してその大きさが殆ど0で、温度補正が適当
であることがわかる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、比較的低
原価な乗算&サンプリング回路、分周回路、カウンタを
用いて、高精度で、小型な、膜厚および温度補正機能付
きのガス検知センサと検知方法を提供することができ
る。また、製造過程で生じる膜厚のばらつきによるセン
サ出力の変化を補正するので、膜厚が異なっても同じ材
質のセンサであれば吸着特性を規格化することができ
る。また、温度変化によるセンサ出力への影響を消去す
ることができるので、温度変化に起因する誤検知を防止
することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のガス検知方法の実施の形態を示す周波
数の変化計算、膜厚補正、温度補正のフローチャートで
ある。
【図2】本発明のガス検知方法の実施の形態の構成を示
すブロック図である。
【図3】PTFE&PEを用いたセンサの膜厚と吸着量
の関係を示す特性図である。
【図4】PCTFEセンサ(膜厚0.82ミクロン)と
PTFE&PEセンサ(膜厚1.16ミクロン)のアセ
トンとメタノールの正規化最大吸着量の関係を示す図で
ある。
【図5】図4におけるPCTFEセンサ(膜厚0.82
ミクロン)とPTFE&PEセンサ(膜厚0.47ミク
ロン)のアセトンとメタノールに対する正規化最大吸着
量の関係を示す図である。
【図6】図4におけるPCTFEセンサ(膜厚0.82
ミクロン)とPTFE&PEセンサ(膜厚0.47ミク
ロン)のアセトンに対する膜厚補正後の正規化最大吸着
量を重ねた関係を示す図である。
【図7】図4、図5、図6で用いた各センサの各ガスに
対する最大吸着量を示す図表である。
【図8】フェニルアラニンを原材料としたセンサ(膜厚
0.93ミクロン)の出力と、カバーで被覆した温度補
正用のフェニルアラニンを原材料としたセンサ(膜厚
0.87ミクロン)の出力特性図である。
【図9】未補正センサ出力と温度補正センサ出力特性図
である。
【符号の説明】
0…センサセル 1…基準水晶発振子 2…ガス吸着膜 3、4…センサ用水晶
発振子 5、6…発振回路 7…マルチプレクサ 8…乗算&サンプリング&分周回路 9…カウンタ 10…コンピュータ 11…表示器

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に吸着膜を有する水晶発振子のセンサ
    を用い、被検知ガスの前記吸着膜への吸着による前記水
    晶発振子の共振周波数の変化を求めることにより被検知
    ガスを検知するガス検知方法において、 ガス吸着前の膜厚値から換算した、基準発振子の共振周
    波数とガス吸着後の前記センサの共振周波数との差か
    ら、共振周波数の変化を求めることを特徴とするガス検
    知方法。
  2. 【請求項2】前記センサの出力値に前記吸着膜の膜厚比
    を乗算し、膜厚のばらつきによるガス吸着量の変化を補
    正することを特徴とする請求項1記載のガス検知方法。
  3. 【請求項3】被検知ガスの吸着防止カバーを設けた発振
    子出力の定数倍を、前記センサの出力値から減算するこ
    とにより、温度変化によるガス吸着量の変化を補正する
    ことを特徴とする請求項1記載のガス検知方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016167067A1 (ja) * 2015-04-17 2016-10-20 株式会社日立産機システム 樹脂の劣化計測センサおよび劣化計測システム
CN111103395A (zh) * 2018-10-29 2020-05-05 三星电子株式会社 气体感测装置、包括其的电子装置以及气体感测系统
US10705052B2 (en) 2016-08-09 2020-07-07 Taiyo Yuden Co., Ltd. Gas sensor

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