JPH09296163A - 蓄熱材 - Google Patents
蓄熱材Info
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- JPH09296163A JPH09296163A JP8110862A JP11086296A JPH09296163A JP H09296163 A JPH09296163 A JP H09296163A JP 8110862 A JP8110862 A JP 8110862A JP 11086296 A JP11086296 A JP 11086296A JP H09296163 A JPH09296163 A JP H09296163A
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- glycerin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 温度5〜10℃範囲で明瞭な融点・凝固点を
有する蓄熱材を提供し、かつ過冷却が充分に抑制されて
おり、しかも繰り返し安定した相変化を示す蓄熱材とす
ることである。 【解決手段】 n−テトラデカン100重量部に対し
て、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンから選
ばれる一種以上の過冷却防止剤、またはグリセリン脂肪
酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステルから選ばれる一種以上の過冷却防止
剤を10重量部以下の割合で添加した蓄熱材とする。
有する蓄熱材を提供し、かつ過冷却が充分に抑制されて
おり、しかも繰り返し安定した相変化を示す蓄熱材とす
ることである。 【解決手段】 n−テトラデカン100重量部に対し
て、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンから選
ばれる一種以上の過冷却防止剤、またはグリセリン脂肪
酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセ
リン脂肪酸エステルから選ばれる一種以上の過冷却防止
剤を10重量部以下の割合で添加した蓄熱材とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、主として潜熱を
利用して蓄冷材等に用いられる蓄熱材に関する。
利用して蓄冷材等に用いられる蓄熱材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、主として潜熱を利用した蓄熱材と
して、凝固点・融点が約50℃以上のもの、または0℃
以下のものがよく知られている。
して、凝固点・融点が約50℃以上のもの、または0℃
以下のものがよく知られている。
【0003】特開平1−245082号公報に開示され
た蓄熱材は、融点が0℃以下のものに関し、炭酸ナトリ
ウムや炭酸水素カリウムなどの無機電解質と水とからな
る共晶化合物に、過冷却防止剤として臭素酸カリウムお
よび/またはリン酸三ナトリウムを添加したものであ
り、このような共晶化合物を繰り返し相変化させた場合
に相分離や凝固点変化等が起こるという欠点を改良した
ものである。
た蓄熱材は、融点が0℃以下のものに関し、炭酸ナトリ
ウムや炭酸水素カリウムなどの無機電解質と水とからな
る共晶化合物に、過冷却防止剤として臭素酸カリウムお
よび/またはリン酸三ナトリウムを添加したものであ
り、このような共晶化合物を繰り返し相変化させた場合
に相分離や凝固点変化等が起こるという欠点を改良した
ものである。
【0004】また、特開平1−245083号公報に開
示された蓄熱材は、凝固点・融点が約58℃の酢酸ナト
リウム系の水和塩を利用し、従来のゲル化剤に代えてポ
リグリセリンを用い、凝固・融解を繰り返した場合の相
分離現象を防止したものである。
示された蓄熱材は、凝固点・融点が約58℃の酢酸ナト
リウム系の水和塩を利用し、従来のゲル化剤に代えてポ
リグリセリンを用い、凝固・融解を繰り返した場合の相
分離現象を防止したものである。
【0005】このような蓄熱材のうち、ビルや地域的な
空調設備において冷房用に使用される蓄冷材は、凝固点
・融点が0℃以下のものであり、その利用形態として
は、比較的安価な夜間電力を利用して冷凍機を運転し、
所要の蓄冷熱を行なうことが一般的に行われている。
空調設備において冷房用に使用される蓄冷材は、凝固点
・融点が0℃以下のものであり、その利用形態として
は、比較的安価な夜間電力を利用して冷凍機を運転し、
所要の蓄冷熱を行なうことが一般的に行われている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、凝固点・融点
が0℃以下である蓄冷材は、空調(冷房)用の温度(7
〜12℃)が得られる凝固点・融点(5〜10℃、好ま
しくは7〜8℃)に比べてかなり低く、蓄冷材を冷やす
ための冷凍機の冷媒温度をそれだけ低くする必要があ
り、冷凍機の成績係数(COP)や運転コストを充分に
改善することができなかった。
が0℃以下である蓄冷材は、空調(冷房)用の温度(7
〜12℃)が得られる凝固点・融点(5〜10℃、好ま
しくは7〜8℃)に比べてかなり低く、蓄冷材を冷やす
ための冷凍機の冷媒温度をそれだけ低くする必要があ
り、冷凍機の成績係数(COP)や運転コストを充分に
改善することができなかった。
【0007】例えば、0℃の水を蓄冷材として用いる
と、冷凍機の冷媒温度は0℃以下、好ましくは−5〜−
10℃程度まで下げる必要があり、冷媒を冷却する装置
の成績係数は満足できるものではなかった。
と、冷凍機の冷媒温度は0℃以下、好ましくは−5〜−
10℃程度まで下げる必要があり、冷媒を冷却する装置
の成績係数は満足できるものではなかった。
【0008】また、潜熱を有効に利用するためには、過
冷却現象を抑制して融点・凝固点を可及的に明瞭にする
必要がある。ここで、融点・凝固点を明瞭にするという
ことは、できるだけ狭い温度域で実際に物質の融解また
は凝固を完了させるようにすることである。
冷却現象を抑制して融点・凝固点を可及的に明瞭にする
必要がある。ここで、融点・凝固点を明瞭にするという
ことは、できるだけ狭い温度域で実際に物質の融解また
は凝固を完了させるようにすることである。
【0009】しかしながら、冷房用の温度が得られる5
〜10℃範囲において、明瞭な融点・凝固点を有して過
冷却を防止し、かつ繰り返して何度も相変化させた場合
に、安定して過冷却を抑制できる蓄熱材はこれまでに得
られていない。
〜10℃範囲において、明瞭な融点・凝固点を有して過
冷却を防止し、かつ繰り返して何度も相変化させた場合
に、安定して過冷却を抑制できる蓄熱材はこれまでに得
られていない。
【0010】そこで、この発明の課題は、上記した問題
点を解決して蓄熱材を温度5〜10℃範囲で明瞭な融点
・凝固点を有し、過冷却が充分に抑制されており、しか
も、このような相変化時の特性が、繰り返し安定的に発
揮できる耐久性に優れた蓄熱材とすることである。
点を解決して蓄熱材を温度5〜10℃範囲で明瞭な融点
・凝固点を有し、過冷却が充分に抑制されており、しか
も、このような相変化時の特性が、繰り返し安定的に発
揮できる耐久性に優れた蓄熱材とすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明においては、n−テトラデカンを主成分と
し、過冷却防止剤としてグリセリンまたはグリセリンを
脱水縮合した多価アルコールを添加した蓄熱材としたの
である。
め、この発明においては、n−テトラデカンを主成分と
し、過冷却防止剤としてグリセリンまたはグリセリンを
脱水縮合した多価アルコールを添加した蓄熱材としたの
である。
【0012】または、n−テトラデカンを主成分とし、
グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種以
上の過冷却防止剤を添加した蓄熱材としたのである。
グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステ
ル、ポリグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種以
上の過冷却防止剤を添加した蓄熱材としたのである。
【0013】この発明の蓄熱材は、n−テトラデカンを
主成分としているので、温度5〜10℃範囲で融点・凝
固点を有する。そして、所定の過冷却防止剤として、グ
リセリンもしくはグリセリンを脱水縮合した多価アルコ
ール、またはグリセリンもしくはグリセリンを脱水縮合
した多価アルコールの脂肪酸エステルを採用して前記主
成分に添加したことにより、明瞭な融点・凝固点を有
し、かつ過冷却が防止されており、しかも繰り返し受け
る相変化に耐久性のある蓄熱材となる。
主成分としているので、温度5〜10℃範囲で融点・凝
固点を有する。そして、所定の過冷却防止剤として、グ
リセリンもしくはグリセリンを脱水縮合した多価アルコ
ール、またはグリセリンもしくはグリセリンを脱水縮合
した多価アルコールの脂肪酸エステルを採用して前記主
成分に添加したことにより、明瞭な融点・凝固点を有
し、かつ過冷却が防止されており、しかも繰り返し受け
る相変化に耐久性のある蓄熱材となる。
【0014】前記の過冷却防止剤としては、グリセリ
ン、ジグリセリン、ポリグリセリンから選ばれる一種以
上の過冷却防止剤、またはグリセリン脂肪酸エステル、
ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルから選ばれる一種以上の過冷却防止剤を採用でき
る。このような過冷却防止剤の添加割合は、n−テトラ
デカン100重量部に対して、10重量部以下の割合で
あることが好ましい。
ン、ジグリセリン、ポリグリセリンから選ばれる一種以
上の過冷却防止剤、またはグリセリン脂肪酸エステル、
ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エ
ステルから選ばれる一種以上の過冷却防止剤を採用でき
る。このような過冷却防止剤の添加割合は、n−テトラ
デカン100重量部に対して、10重量部以下の割合で
あることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】この発明に用いるn−テトラデカ
ンは、一般に融点5.9℃、比重0.8、潜熱54.7
cal /g(44.3cal/cm3)、である既存の化学物質で
あり、市販の工業材料等を使用することができる。
ンは、一般に融点5.9℃、比重0.8、潜熱54.7
cal /g(44.3cal/cm3)、である既存の化学物質で
あり、市販の工業材料等を使用することができる。
【0016】また、この発明において過冷却防止剤とし
て用いるグリセリンまたはグリセリンを脱水縮合した多
価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、ポ
リグリセリンから選ばれる一種以上のものが挙げられ
る。
て用いるグリセリンまたはグリセリンを脱水縮合した多
価アルコールとしては、グリセリン、ジグリセリン、ポ
リグリセリンから選ばれる一種以上のものが挙げられ
る。
【0017】ジグリセリンは、HOCH2 CH(OH)
CH2 OCH2 CH(OH)CH2OHで示される四価
のアルコールであり、グリセリンCH2 OHCH(O
H)CH2 OHの2分子を加熱し、脱水縮合して得られ
る。
CH2 OCH2 CH(OH)CH2OHで示される四価
のアルコールであり、グリセリンCH2 OHCH(O
H)CH2 OHの2分子を加熱し、脱水縮合して得られ
る。
【0018】また、ポリグリセリンは、HO−CH2 −
CH(OH)−CH2 O(CH2 −CH(OH)−CH
2 O)n −CH2 −CH(OH)−CH2 −OHで示さ
れ、グリセリンを苛性ソーダの存在下で約250℃で脱
水縮合して得られる多価アルコールである。
CH(OH)−CH2 O(CH2 −CH(OH)−CH
2 O)n −CH2 −CH(OH)−CH2 −OHで示さ
れ、グリセリンを苛性ソーダの存在下で約250℃で脱
水縮合して得られる多価アルコールである。
【0019】この発明に用いるポリグリセリンの重合度
(n)は、特に限定されるものではないが、市販品とし
ては、重合度5以上のものと、5以下のものがあり、選
択使用することができる。なお、この発明に用いるポリ
グリセリンの重合度は、10以下のものを採用すること
が好ましい。重合度が11以上になれば比重が小さくな
り、また分子量が大きくなるので、充分に混合し得ず分
離を起こす点で、この発明に好適でない。
(n)は、特に限定されるものではないが、市販品とし
ては、重合度5以上のものと、5以下のものがあり、選
択使用することができる。なお、この発明に用いるポリ
グリセリンの重合度は、10以下のものを採用すること
が好ましい。重合度が11以上になれば比重が小さくな
り、また分子量が大きくなるので、充分に混合し得ず分
離を起こす点で、この発明に好適でない。
【0020】この発明に用いるポリグリセリン脂肪酸エ
ステルは、上記したポリグリセリン(重合度n=1〜1
0)と、炭素数1〜20の脂肪酸とのエステルを使用す
ることが好ましい。炭素数が所定範囲外の脂肪酸は、比
重が小さくなり、また分子量が大きくなるので、充分に
混合し得ず分離を起こす点でこの発明に好適でない。
ステルは、上記したポリグリセリン(重合度n=1〜1
0)と、炭素数1〜20の脂肪酸とのエステルを使用す
ることが好ましい。炭素数が所定範囲外の脂肪酸は、比
重が小さくなり、また分子量が大きくなるので、充分に
混合し得ず分離を起こす点でこの発明に好適でない。
【0021】使用可能なグリセリン脂肪酸エステル、ジ
グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テルの化合物の例としては、モノ酢酸グリセリル(モノ
アセチン)、モノ酪酸グリセリル(モノブチリン)、二
酢酸グリセリル(ジアセチン)、三酢酸グリセリン(ト
リアセチン)、モノオレイン酸グリセリン、トリ酪酸グ
リセリンが挙げられる。
グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エス
テルの化合物の例としては、モノ酢酸グリセリル(モノ
アセチン)、モノ酪酸グリセリル(モノブチリン)、二
酢酸グリセリル(ジアセチン)、三酢酸グリセリン(ト
リアセチン)、モノオレイン酸グリセリン、トリ酪酸グ
リセリンが挙げられる。
【0022】上記したグリセリンもしくはグリセリンを
脱水縮合した多価アルコール、またはグリセリン脂肪酸
エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルから選ばれる一種以上の過冷却防止剤
の添加量は、n−テトラデカン100重量部に対して、
10重量部以下の割合とすることが好ましい。なぜな
ら、若干量(例えば0.1重量部)でも添加すれば、こ
の発明に所要の過冷却防止効果があり、10重量部を越
えて多量に添加すると、却って融点・凝固点が不明瞭に
なり、蓄熱材の潜熱利用量が、かなり減少することにな
るからである。なお、このような傾向から、より好まし
い過冷却防止剤の添加量は、2〜8重量部である。
脱水縮合した多価アルコール、またはグリセリン脂肪酸
エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルから選ばれる一種以上の過冷却防止剤
の添加量は、n−テトラデカン100重量部に対して、
10重量部以下の割合とすることが好ましい。なぜな
ら、若干量(例えば0.1重量部)でも添加すれば、こ
の発明に所要の過冷却防止効果があり、10重量部を越
えて多量に添加すると、却って融点・凝固点が不明瞭に
なり、蓄熱材の潜熱利用量が、かなり減少することにな
るからである。なお、このような傾向から、より好まし
い過冷却防止剤の添加量は、2〜8重量部である。
【0023】
〔実施例1〕n−テトラデカン(純度100%)100
重量部に対して、5重量部のグリセリンを添加して攪拌
により混合して蓄熱材を得た。
重量部に対して、5重量部のグリセリンを添加して攪拌
により混合して蓄熱材を得た。
【0024】得られた蓄熱材10ccを試験管に入れ、
その中央部に温度センサを挿入して恒温槽に収容し、2
0℃から−10℃の範囲で昇・降温速度2℃/分のヒー
トサイクルを連続して1000回実施し、1000回目
のヒートサイクルの結果を図1に示した。
その中央部に温度センサを挿入して恒温槽に収容し、2
0℃から−10℃の範囲で昇・降温速度2℃/分のヒー
トサイクルを連続して1000回実施し、1000回目
のヒートサイクルの結果を図1に示した。
【0025】また、昇・降温速度1℃/分としたこと以
外は、全く同様にしてヒートサイクルを連続して100
回実施し、2回目と100回目の結果を図2に示した。
外は、全く同様にしてヒートサイクルを連続して100
回実施し、2回目と100回目の結果を図2に示した。
【0026】〔比較例1、2〕n−テトラデカン(純度
100%)をコントロール試料(比較例1)とし、ま
た、n−テトラデカン(純度100%)100重量部に
対し、5重量部のカルボキシメチルセルロースナトリウ
ム(CMC)を添加して攪拌により混合して比較例2の
蓄熱材を得た。
100%)をコントロール試料(比較例1)とし、ま
た、n−テトラデカン(純度100%)100重量部に
対し、5重量部のカルボキシメチルセルロースナトリウ
ム(CMC)を添加して攪拌により混合して比較例2の
蓄熱材を得た。
【0027】比較例1および比較例2について、実施例
1に対して行なった昇・降温速度2℃/分のヒートサイ
クルを行ない、同様にして得た結果を図1中に併記し
た。
1に対して行なった昇・降温速度2℃/分のヒートサイ
クルを行ない、同様にして得た結果を図1中に併記し
た。
【0028】また、比較例1については、実施例1に対
して行なった昇・降温速度1℃/分とするヒートサイク
ルを連続して100回実施し、2回目と100回目の結
果を図3に示した。
して行なった昇・降温速度1℃/分とするヒートサイク
ルを連続して100回実施し、2回目と100回目の結
果を図3に示した。
【0029】〔実施例2、3〕n−テトラデカン(純度
100%)100重量部に対して、10重量部のグリセ
リンを添加して攪拌により混合して実施例2の蓄熱材を
得た。
100%)100重量部に対して、10重量部のグリセ
リンを添加して攪拌により混合して実施例2の蓄熱材を
得た。
【0030】また、2重量部のグリセリンを添加したこ
と以外は、上記同様にして実施例3の蓄熱材を得た。
と以外は、上記同様にして実施例3の蓄熱材を得た。
【0031】これらの実施例2、3については、実施例
1に対して行なった昇・降温速度1℃/分とするヒート
サイクルを連続して100回実施し、2回目と100回
目の結果を図2中に併記した。
1に対して行なった昇・降温速度1℃/分とするヒート
サイクルを連続して100回実施し、2回目と100回
目の結果を図2中に併記した。
【0032】図1の結果からも明らかなように、無添加
のn−テトラデカンからなる比較例1は、凝固は5〜6
℃から始まり、3〜4℃で終了し、また融解は3〜4℃
で始まり、6〜8℃で終了するという相変化であり、融
点・凝固点が不明瞭であった。
のn−テトラデカンからなる比較例1は、凝固は5〜6
℃から始まり、3〜4℃で終了し、また融解は3〜4℃
で始まり、6〜8℃で終了するという相変化であり、融
点・凝固点が不明瞭であった。
【0033】また、図3の結果からも明らかなように、
比較例1は、ヒートサイクル試験の開始当初(2回目)
に比べて、試験途中(100回目程度)から凝固点およ
び融点が不安定になり、繰り返し受ける相変化に耐久性
がなかった。
比較例1は、ヒートサイクル試験の開始当初(2回目)
に比べて、試験途中(100回目程度)から凝固点およ
び融点が不安定になり、繰り返し受ける相変化に耐久性
がなかった。
【0034】そして、図1の結果からは、n−テトラデ
カンにCMCを添加した比較例2の融点・凝固点が不明
瞭であるが、比較例1に比べては若干良好であった。し
かし、このものはヒートサイクル試験の途中から凝固点
および融点が不安定になり、比較例1と同様に繰り返し
相変化を受けた場合に耐久性がなかった。
カンにCMCを添加した比較例2の融点・凝固点が不明
瞭であるが、比較例1に比べては若干良好であった。し
かし、このものはヒートサイクル試験の途中から凝固点
および融点が不安定になり、比較例1と同様に繰り返し
相変化を受けた場合に耐久性がなかった。
【0035】これに対して、実施例1の蓄冷材は、ヒー
トサイクル1回目と図1に示した1000回目の結果が
ほぼ同じであって、凝固点および融点が約6℃付近に明
瞭であり、n−テトラデカンの本来の融点に比べて過冷
却が確実に防止されたものであった。
トサイクル1回目と図1に示した1000回目の結果が
ほぼ同じであって、凝固点および融点が約6℃付近に明
瞭であり、n−テトラデカンの本来の融点に比べて過冷
却が確実に防止されたものであった。
【0036】また、図2の結果からも明らかなように、
実施例1〜3の蓄冷材は、昇・降温速度1℃/分とする
ヒートサイクルを連続して100回実施した場合にも明
瞭な融点・凝固点を有し、また繰り返し受ける相変化に
も耐久性のあるため、実際の冷房装置の使用に耐えるも
のであり、例えば熱を急に取り出して負荷が急増した場
合にも対応できるという優れた蓄冷材であることが判っ
た。
実施例1〜3の蓄冷材は、昇・降温速度1℃/分とする
ヒートサイクルを連続して100回実施した場合にも明
瞭な融点・凝固点を有し、また繰り返し受ける相変化に
も耐久性のあるため、実際の冷房装置の使用に耐えるも
のであり、例えば熱を急に取り出して負荷が急増した場
合にも対応できるという優れた蓄冷材であることが判っ
た。
【0037】なお、実施例および比較例のいずれについ
ても、ヒートサイクルの昇降温度の速度を大きくする
と、融解・凝固温度差が広がって融解・凝固点が不明瞭
化する傾向が見られたが、実施例1〜3においては、1
〜2℃/分程度の昇降温度であれば使用に耐える過冷却
防止効果のあることが判明した。
ても、ヒートサイクルの昇降温度の速度を大きくする
と、融解・凝固温度差が広がって融解・凝固点が不明瞭
化する傾向が見られたが、実施例1〜3においては、1
〜2℃/分程度の昇降温度であれば使用に耐える過冷却
防止効果のあることが判明した。
【0038】
【発明の効果】この発明は、以上説明したように、n−
テトラデカンを主成分とする蓄熱材に、過冷却防止剤と
してグリセリンもしくはグリセリンを脱水縮合した多価
アルコール、またはグリセリン脂肪酸エステル、ジグリ
セリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル
から選ばれる一種以上の過冷却防止剤を添加したので、
この蓄熱材が、温度5〜10℃範囲で明瞭な融点・凝固
点を有し、過冷却が防止されるものとなって蓄熱装置の
成績係数を充分に向上させることができるものであり、
しかもこのような相変化時の特性が、繰り返し安定的に
発揮できる耐久性に優れた蓄熱材であるという利点があ
る。
テトラデカンを主成分とする蓄熱材に、過冷却防止剤と
してグリセリンもしくはグリセリンを脱水縮合した多価
アルコール、またはグリセリン脂肪酸エステル、ジグリ
セリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル
から選ばれる一種以上の過冷却防止剤を添加したので、
この蓄熱材が、温度5〜10℃範囲で明瞭な融点・凝固
点を有し、過冷却が防止されるものとなって蓄熱装置の
成績係数を充分に向上させることができるものであり、
しかもこのような相変化時の特性が、繰り返し安定的に
発揮できる耐久性に優れた蓄熱材であるという利点があ
る。
【図1】槽内温度および蓄熱材(実施例、比較例)の温
度と時間の関係を示す図表
度と時間の関係を示す図表
【図2】槽内温度および蓄熱材(実施例)の温度と時間
の関係を示す図表
の関係を示す図表
【図3】槽内温度および蓄熱材(比較例)の温度と時間
の関係を示す図表
の関係を示す図表
Claims (4)
- 【請求項1】 n−テトラデカンを主成分とし、過冷却
防止剤としてグリセリンまたはグリセリンを脱水縮合し
た多価アルコールを添加してなる蓄熱材。 - 【請求項2】 上記過冷却防止剤が、グリセリン、ジグ
リセリン、ポリグリセリンから選ばれる一種以上の過冷
却防止剤である請求項1記載の蓄熱材。 - 【請求項3】 n−テトラデカンを主成分とし、グリセ
リン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステルから選ばれる一種以上の過
冷却防止剤を添加してなる蓄熱材。 - 【請求項4】 上記過冷却防止剤の添加割合が、n−テ
トラデカン100重量部に対して、10重量部以下の割
合である請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄熱材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8110862A JPH09296163A (ja) | 1996-05-01 | 1996-05-01 | 蓄熱材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8110862A JPH09296163A (ja) | 1996-05-01 | 1996-05-01 | 蓄熱材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09296163A true JPH09296163A (ja) | 1997-11-18 |
Family
ID=14546568
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8110862A Pending JPH09296163A (ja) | 1996-05-01 | 1996-05-01 | 蓄熱材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09296163A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7824725B2 (en) | 2007-03-30 | 2010-11-02 | The Coca-Cola Company | Methods for extending the shelf life of partially solidified flowable compositions |
-
1996
- 1996-05-01 JP JP8110862A patent/JPH09296163A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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