JPH0929259A - 水処理用電極ユニット - Google Patents

水処理用電極ユニット

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JPH0929259A
JPH0929259A JP18735895A JP18735895A JPH0929259A JP H0929259 A JPH0929259 A JP H0929259A JP 18735895 A JP18735895 A JP 18735895A JP 18735895 A JP18735895 A JP 18735895A JP H0929259 A JPH0929259 A JP H0929259A
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JP
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electrodes
water treatment
electrode
electrode unit
water
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JP18735895A
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English (en)
Inventor
Takashi Kishioka
俊 岸岡
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Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】電極の不動態化を防止することができ、長期に
わたってメンテナンスを不要にできる水処理用電極ユニ
ットを提供すること。 【課題解決手段】対をなす環状の第1及び第2の電極(4
6,47)(48,49)を、通水方向45に交互に所定間隔毎に積層
した。第1及び第2の電極(46,47)(48,49)にそれぞれ埋
設した不溶解性の補助電極51が、互いの端面51a を相対
させることにより、第1及び第2の電極(46,47)(48,49)
間の電気の流れを確保する。 【効果】電極の不動態化を防止しメンテナンス頻度を少
なくできる。小型で酸化、還元の効率が良く、流水処理
にも対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業廃水、家庭廃
水等の廃水処理を要する被処理水、或いは水質改善を必
要とするその他の被処理水を電解処理する水処理用電極
ユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より廃水処理法として、電解処理法
があった。この電解処理法では、無機及び有機の電解質
を含む廃水に、外部から電気エネルギを与え、電気分解
反応を起こして廃水を処理する。上記の電気分解反応に
は、電極面と廃水との間に起こる一次反応と、電極反応
生成物と廃水中の成分とが作用する二次反応とがある。
前者の一次反応には、電気分解、電気析出、電解酸化及
び電解還元などがあり、後者の二次反応には、沈澱作
用、浮上分離作用、吸着作用及び電解中和、殺菌、殺藻
作用がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、電解処理法
の欠点としては、電極の汚損によって、電極の性能が悪
くなり電解効果が低下することがある。すなわち、陽極
では、酸化によって表面に酸化被膜が形成されることに
より、いわゆる不動態化が起こり、陰極では、金属の析
出や金属塩の吸着によって不動態化が起こる。このよう
に電極の不動態化が起こると、陽極と陰極の間で電気が
流れなくなるため、廃水の処理ができなくなる。したが
って、これを防止するため、頻繁に電極の交換等のメン
テナンスをする必要があった。
【0004】そこで、本発明は上記の課題に鑑みてなさ
れたものであり、不動態化を防止することができ、長期
にわたってメンテナンスを不要にすることができる水処
理用電極ユニットを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、 (1) 請求項1に係る発明の水処理用電極ユニットは、環
状をしており、通水方向に沿う同一軸線上に所定間隔を
あけて少なくとも一対が交互に対向配置された、互いに
反対の極性が与えられる第1及び第2の電極を含む電極
積層体と、隣接する第1及び第2の電極にそれぞれ端面
を露出して埋設され、互いの端面同士が相対する不溶解
性の補助電極とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】上記構成によれば、端面同士が互いに相対
した不溶解性の補助電極によって電気の流れを確保する
ことができるので、第1及び第2の電極のうち、陽極性
が与えられる電極で起こる酸化による不動態化を阻止
し、陰極性が与えられる電極で起こる電析や金属塩の付
着を抑制することができる。補助電極は不溶解性である
ので、殆ど劣化しない。
【0007】また、反対極性が与えられる環状の第1及
び第2の電極を、交互にして組み合わせたので、酸化、
還元反応をまんべんのない状態で効率良く行なうことが
できる。 (2) 請求項2に係る発明は、請求項1記載の水処理用電
極ユニットにおいて、隣接する第1の電極と第2の電極
との間に、両電極間の所要の対向面積を確保した状態で
両電極間の間隔を規制する、絶縁性の環状のスペーサを
介在していることを特徴とするものである。
【0008】上記構成によれば、第1及び第2の電極を
絶縁性のスペーサを介在させながら交互に積層すること
により、両電極を軸方向に位置決めしつつ、水処理用電
極ユニットを容易に組み立てることができる。なお、第
1及び第2の電極間には、所要の対向面積が確保される
ので、処理性能が不足することがない。 (3) 請求項3に係る発明は、請求項2記載の水処理用電
極ユニットにおいて、上記補助電極の端面の一部は、上
記スペーサによって覆われていることを特徴とするもの
である。
【0009】上記構成によれば、仮に第1及び第2の電
極が劣化して該第1又は第2の電極から補助電極が脱落
する可能性ができた場合でも、この脱落を上記スペーサ
によって阻止することができる。 (4) 請求項4に係る発明は、請求項1ないし3の何れか
に記載の水処理用電極ユニットにおいて、上記電極積層
体の通水方向上流側に環状体を配置し、この環状体に、
上記軸線を中心とする渦巻き流を通水に生じさせるらせ
ん状案内面を設けたことを特徴するものである。
【0010】上記構成によれば、第1及び第2の電極の
表面を物理洗浄することができる。また、水の、第1及
び第2の電極に対する接触頻度を高めることができる結
果、電極の有効表面積が実質的に増したと同様の処理性
能を達成できる。また、溶解を意図した電極の表面から
は、まんべんのない溶解を実現できる。 (5) 請求項5に係る発明は、請求項1ないし4の何れか
に記載の水処理用電極ユニットにおいて、上記第1及び
第2の電極を同一の溶解性材料により構成したことを特
徴とするものである。
【0011】上記構成によれば、第1及び第2の電極を
共用化できる。また、これらの電極に所定の周期で極性
を変換する直流交番電流が与えられる場合、両電極を交
互に溶解させていくことになり、全体としての電極寿命
を長くすることができる。 (6) 請求項6に係る発明は、請求項5記載の水処理用電
極ユニットにおいて、上記第1及び第2の電極は複数対
あり、第1及び第2の電極の組合せとして、アルミニウ
ム同士が組み合わされたものと、銀,銅及びチタニウム
のグループから少なくとも一つ選択される金属同士が組
み合わされたものとが含まれることを特徴とするもので
ある。
【0012】上記構成によれば、通常の電気分解の酸化
還元反応の他、生成した水酸化アルミウムによる懸濁物
質の凝集作用と、銀イオンによ殺菌作用、銅イオンによ
る殺藻作用又はチタニウムによる赤水防止作用等を組み
合わせて達成することができる。しかも、不必要に多い
銀イオン、銅イオン又はチタニウム等は、水酸化アルミ
ウムのフロックに包含され、流出が防止される。 (7) 請求項7に係る発明は、請求項1ないし4の何れか
に記載の水処理用電極ユニットにおいて、上記第1及び
第2の電極を相異なる金属材料により構成したことを特
徴とするものである。
【0013】上記構成によれば、異種の金属を組み合わ
せることで、2種類の異なった目的を達成することがで
きる。 (8) 請求項8に係る発明は、請求項7記載の水処理用電
極ユニットにおいて、上記第1及び第2の電極の何れか
一方はアルミニウムからなり、他方は銀,銅及び不溶解
性金属のグループから少なくとも一つ選択される金属か
らなることを特徴とするものである。
【0014】上記構成によれば、電極として、殺菌を目
的とする銀を用いた場合、目的を終えた過剰の銀イオン
が水酸化アルミニウムに包含されるという脱銀作用が起
こる。このため、上記目的を達成させるのに必要な量を
超える銀イオンを流出させない。同様にして、殺藻を目
的とする銅を電極として用いた場合にも、銅イオンを流
出させない。なお、赤水の防止を目的とするチタニウム
の場合、イオン流出のおそれはない。 (9) 請求項9に係る発明は、請求項1ないし8の何れか
に記載の水処理用電極ユニットにおいて、上記第1及び
第2の電極には、所定の周期で極性を変換する直流交番
電流が付与されることを特徴とするものである。
【0015】上記構成によれば、固定的な陽極で酸化に
よって表面に酸化被膜が形成されることにより起こる、
いわゆる不動態化、及び固定的な陰極で水中の正電荷物
質や陽極から溶解する、正電荷金属イオンが金属として
陰極表面に析出したり金属塩として吸着することにより
起こる不動態化を抑制できるので、第1及び第2の電極
の汚損劣化を防止できる結果、電極寿命を長くできる。
この場合、第1及び第2の電極を同一の材料で構成する
こととの組合せにおいて、電極寿命を延長することがで
きる。 (10)請求項10に係る発明は、請求項1ないし9の何れ
かに記載の水処理用電極ユニットにおいて、上記補助電
極は、炭素及び不溶解性金属の少なくとも一つを含むこ
とを特徴とするものである。
【0016】上記構成によれば、炭素又はチタニウム等
の不溶解性金属からなる補助電極は、実際上、ほとんど
劣化しないので、第1及び第2の電極の不動態化を効果
的に防止できる。 (11)請求項11に係る発明は、請求項1ないし10の何
れかに記載の水処理用電極ユニットにおいて、上記電極
積層体を収容し、且つ通水方向の両端に給水口及び排水
口をそれぞれ設けた筒状のハウジングをさらに備えたこ
とを特徴とするものである。
【0017】上記構成によれば、ハウジングを含めたユ
ニットとして構成されるので、これを、水処理経路の一
部に介在させて簡便に用いることができる。また、必要
に応じて、多数のユニットを直列に又は並列にする等
の、自在なレイアウトを簡便に達成できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しつつ本発
明の好ましい実施形態について詳述する。図1は本発明
に係る水処理用電極ユニットの概略断面図であり、図2
は水処理用電極ユニットの要部の分解斜視図である。こ
れらの図を参照して、水処理用電極ユニット40は、 一端に給水口41を設け他端に排水口42を設けた筒
状の絶縁性を有するハウジング43と、 このハウジング43内に区画され、給水口41から排
水口42に至る通水経路44と、 ハウジング43内に収容されて通水経路44の一部を区
画し、通水方向45 に沿う同一軸線K上に順に並べられ
て電極積層体7を構成する、環状の、第1の電極46,
第2の電極47,第1の電極48及び第2の電極49
と、 隣接する電極46〜49同士の間に介在してハウジン
グ43内に収容され、極間距離を規定する絶縁性のポリ
塩化ビニル等からなる環状のスペーサ50と、 各電極46〜49にそれぞれ埋設された非溶解性の補
助電極51と、 電極積層体7の反通水方向に隣接してハウジング43
内に収容された環状体52と を主要部として備えている。
【0019】上記環状体52は、給水口41から導入さ
れた被処理水に渦巻き状の運動性を与えるためのらせん
状の案内面52aを有している。この案内面52aによ
って、通水が軸線Kを中心とする渦巻き状に回転するこ
とになる。その結果、第1及び第2の電極46〜49の
表面を物理洗浄することができる。また、通水の、第1
及び第2の電極46〜49に対する接触頻度を高めるこ
とができる結果、電極46〜49の有効表面積が実質的
に増したと同様の処理性能を達成できる。また、溶解を
意図した電極の表面からは、まんべんのない溶解を実現
できると共に、各電極46〜49が、安定して消耗する
ことになる。
【0020】53は、ハウジング43内で最も排水口4
2寄りに収容された電極固定用の固定リングである。通
水経路44は、環状体52、第1及び第2の電極46〜
49、各スペーサ50、及び固定リング53により区画
される。上記ハウジング43は、円筒部43aと一対の
端面部43b,43cとをそれぞれ液密的にねじ結合し
たものからなる。一方の端面部43bに上記給水口41
が設けられ、他方の端面部43cに上記排水口42が設
けられている。
【0021】スペーサ50の内径は各電極46〜49の
内径よりもかなり大きく設定されており、これにより、
各電極46〜49の電極面積を稼いでいるので、電流密
度が不足することがない。また、各スペーサ50及び各
電極46〜49のそれぞれの外径は、ハウジング43の
内径に等しく設定されている。本水処理用電極ユニット
40を組み立てる際には、端面部43b及び43cの何
れか一方を取り外した状態のハウジング43内へ、固定
リング53、環状体52、各スペーサ50及び各電極4
6〜49を、所要の順序で挿入し、スペーサ50を介在
させながら第1及び第2の電極46〜49を交互に積層
した後、上記端面部43b又は43cを取り付けること
により、容易に水処理用電極ユニット40を組み立てる
ことができる。
【0022】そして、このように水処理用電極ユニット
40が、ハウジング43を含めたユニットとして構成さ
れているので、これを、水処理経路の一部に介在させて
簡便に用いることができる。また、必要に応じて、多数
の水処理用電極ユニット40を直列に又は並列にする等
の、自在なレイアウトを簡便に達成できる。上記第1の
電極46と第2の電極47が電極対Bをなしており、第
1の電極48と第2の電極49が電極対Cをなしてい
る。
【0023】上記第1の電極46,48と第2の電極4
7,49とには、互いに反対極性の直流交番電流が与え
られ、所定の周期で極性が変換されるようになってい
る。すなわち、第1の電極46,48が陽極となって第
2の電極47,49が陰極となる状態と、第1の電極4
6,48が陰極となって第2の電極47,49が陽極と
なる状態とを、交互に繰り返すことになる。これによ
り、固定的な陽極や陰極のもとで発生していた、不動態
化を防止することができる。すなわち、固定的な陽極で
は、酸化によって表面に酸化被膜が形成されることによ
り、不動態化が起こり、また、固定的な陰極では、水中
の正電荷物質や陽極から溶解する、正電荷金属イオンが
金属として陰極表面に析出したり金属塩として吸着する
ことによる不動態化が起こっていたが、この不動態化を
防止できる。
【0024】上記第1及び第2の電極46〜49を構成
する材料としては、全電極対B,Cに同一溶解性材料を
用いる第1の場合と、各電極対毎に同一溶解性材料を用
いる第2の場合と、各電極対B,Cを構成する第1及び
第2の電極同士(46,47)(48,49)に相異な
る金属材料を用いる第3の場合とがある。上記第1の場
合、全電極46〜49に、アルミニウム、銅、銀、チタ
ニウム、炭素及びSUS等から一つを選択して用いたも
のを例示することができる。
【0025】上記第2の場合、電極対B及びCの何れか
一方に、アルミニウムを用い、他方に銀、銅又はチタニ
ウムから一つ選択されたものも用いたものを例示するこ
とができる。上記第3の場合、相異なる金属材料の組合
せとしては、アルミニウムと銀、アルミニウムと銅、及
びアルミニウムとチタニウム等の各組合せを例示するこ
とができる。この場合、各電極対B,C毎に組合せが異
なっていても良い。例えば、電極対Bがアルミニウムと
銀であり、電極対Cがアルミニウムと銅であっても良
い。また、電極対が3対ある場合において、アルミニウ
ムと銀、アルミニウムと銅、及びアルミニウムとチタニ
ウムの3つの組合せが含まれていても良い。
【0026】上記の銀から溶解した銀イオンが殺菌作用
を持ち、銅から溶解した銅イオンが殺藻作用を持ち、チ
タニウムが赤水防止作用を持つので、それぞれの目的に
応じて用いられる。なお、上記第2及び第3の場合にお
いては、2種類の異なる目的を達成することができる。
また、上記第2及び第3の場合においてアルミニウム電
極を用いていれば、目的を終えた、銀イオンや銅イオン
が、水酸化アルミニウムに包含される、脱銀作用や脱銅
作用が起こる。したがって、目的を達するに必要な量を
超える分の銀イオンや銅イオンが、下流側へ流出するこ
とを防止することができ、安全性の向上に繋がる。
【0027】また、上記第1及び第2の場合において
は、特に、交番直流電流の付与との組合せにおいて、電
極寿命を長くすることができるという効果がある。とい
うのは、固定的な陽極のもとでは不動態化を早期に起こ
して溶解量が不足するという問題があるのに対して、交
番により溶解側となる陽極が交互に入れ替わるので、第
1及び第2の電極双方を溶解に寄与させることができる
結果、長期にわたって円滑な溶解を確保することができ
るからである。
【0028】上記補助電極51は、第1及び第2電極4
6〜49にそれぞれ埋設され、端面51a同士が互いに
相対している。補助電極51としては、炭素やチタニウ
ムを用いることができる。補助電極51としては、完全
に純粋なものが好ましいが、実際上、多少の不純物を含
んでいることも多く、この場合、多少の劣化はあるが実
用上、ほとんど問題がない。
【0029】また、補助電極51の端面51aの一部
は、上記スペーサ50によって覆われている。これは、
溶解性電極で構成される場合の第1及び第2の電極46
〜49が劣化して補助電極51が、第1又は第2の電極
46〜49から脱落する可能性ができた場合でも、この
脱落をスペーサ50によって阻止するためである。動作 被処理水としての廃水は、水処理用電極ユニット40を
通過する際、多段に形成され且つ交互に入れ替わる反対
極性が与えられる第1及び第2の電極46〜49を通過
することで、繰り返し酸化、還元作用を受け、溶存する
物質は、効率良く酸化分解処理を受ける。
【0030】また、第1及び第2の電極46〜49のう
ち陽極となったものから溶出する金属イオンは、金属水
酸化物となり、溶存した懸濁物質(以下SSという)を
吸着する。さらに金属イオンは、廃水中のSSの界面電
荷を中性化し(ゼータ電位=0)、中性化した粒子同士
は引力により互いに引き合って結合し団粒化し沈澱する
(イオンの凝集性)。特に電極としてアルミニウムを採
用することで、生成される金属水酸化物である水酸化ア
ルミニウムは、そのゲル体に微細孔(ポーラス)を有す
るので、より凝集性が高い。
【0031】本実施形態によれば、端面51a同士が互
いに相対した不溶解性の補助電極51によって、対をな
す第1と第2の電極(46,47)(48,49)間で
電気の流れを確保することができるので、陽極となった
側で起こる酸化による不動態化を阻止し、陰極となった
側で起こる電析や金属塩の付着を抑制することができ
る。その結果、電極46〜49へのメンテンナスを、長
期にわたって不要にすることができる。なお、補助電極
51は不溶解性であるので、殆ど劣化しない。
【0032】また、通水方向45に沿って配置した環状
の第1及び第2の電極46〜49を、交互にして組み合
わせたので、酸化、還元反応をまんべんのない状態で効
率良く行なうことができ、流水の処理にも十分対応でき
る。なお、本実施形態の水処理用電極ユニット40を、
ハウジング43を取り除いた状態で、廃水の電解反応処
理により生成したフロックを電解浮上させるための水処
理槽内に配置して適用することもできる。この場合、第
1及び第2電極46〜49は通水方向としての上下方向
に交互に積層されることになり、前述した実施形態と同
様にして、補助電極51によって電極の不動態化を阻止
し、第1及び第2の電極46〜49に対するメンテナン
スを長期にわたって不要にできる等の作用効果を奏する
ことができる。
【0033】また、本発明は上記実施形態に限定される
ものではなく、例えば電極対の数は1対でも良いし、3
対以上であっても良い。さらに、本実施形態において
は、交番電源を用いていたが、これを用いず、陽極及び
陰極を固定しても良い。この場合において、補助電極5
1としては、陽極は、酸素過電圧の高い無機質のもの、
例えば炭素(C)、また、不溶解性電極、例えば白金
(Pt)等の他、二酸化鉛(PbO2 )その他からなる
ものを例示することができる。一方、陰極は酸化反応に
関与しないため、不溶性の電極であれば、如何なる物で
も採用し得るが、電析や金属塩の吸着が起きにくくする
ためには、水素過電圧が高く導電性のある無機質の炭素
(C)を採用することが好ましい。
【0034】その他、特許請求の範囲内において種々の
変更が可能である。
【0035】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、端面同士
が互いに相対した不溶解性の補助電極によって電気の流
れを確保することができるので、第1及び第2の電極の
うち、陽極性が与えられる電極で起こる酸化による不動
態化を阻止し、陰極性が与えられる電極で起こる電析や
金属塩の付着を抑制することができる。また、補助電極
は不溶解性であるので、殆ど劣化しない。さらに、反対
極性が与えられる環状の第1及び第2の電極を、交互に
して組み合わせたので、酸化、還元反応をまんべんのな
い状態で効率良く行なうことができ、流水処理にも十分
対応できる。
【0036】請求項2に係る発明によれば、第1及び第
2の電極を絶縁性のスペーサを介在させながら交互に積
層することにより、両電極を軸方向に位置決めしつつ、
水処理用電極ユニットを容易に組み立てることができ
る。なお、第1及び第2の電極間には、所要の対向面積
が確保されるので、処理性能が不足することがない。請
求項3に係る発明によれば、仮に補助電極が劣化して第
1又は第2の電極から脱落する可能性ができた場合で
も、この脱落をスペーサによって阻止することができ
る。
【0037】請求項4に係る発明によれば、第1及び第
2の電極の表面を物理洗浄することができる。また、水
の、第1及び第2の電極に対する接触頻度を高めること
ができる結果、電極の有効表面積が実質的に増したと同
様の処理性能を達成できる。また、溶解を意図した電極
の表面からは、まんべんのない溶解を実現できる。請求
項5に係る発明によれば、第1及び第2の電極を共用化
できる。また、これらの電極に所定の周期で極性を変換
する直流交番電流が与えられる場合、両電極を交互に溶
解させていくことになり、全体としての電極寿命を長く
することができる。
【0038】請求項6に係る発明によれば、通常の電気
分解の酸化還元反応の他、生成した水酸化アルミウムに
よる懸濁物質の凝集作用と、銀イオンによる殺菌作用、
銅イオンによる殺藻作用又は不溶解性金属であるチタニ
ウムによる赤水防止作用及び電解浮上用気泡の発生作用
等を組み合わせて達成することができる。しかも、不必
要に多い銀イオン、銅イオン等は、水酸化アルミウムの
フロックに包含され、流出が防止される。
【0039】請求項7に係る発明によれば、異種の金属
を組み合わせることで、2種類の異なった目的を達成す
ることができる。請求項8に係る発明によれば、電極と
して、殺菌を目的とする銀を用いた場合、目的を終えた
過剰の銀イオンが水酸化アルミニウムに包含されるとい
う脱銀作用が起こる。このため、上記目的を達成させる
のに必要な量を超える銀イオンを流出させない。殺藻を
目的とする銅を電極として用いた場合に関しても同様で
ある。
【0040】請求項9に係る発明によれば、固定的な極
性の陽極のもとで発生していた酸化被膜の形成や負電荷
物の付着を抑制できるので、第1及び第2の電極の汚損
劣化を防止できる結果、電極寿命を長くできる。この場
合、第1及び第2の電極を同一の材料で構成することと
の組合せにおいて、電極寿命を延長することができる。
【0041】請求項10に係る発明によれば、炭素又は
不溶解性金属からなる補助電極は、実際上、ほとんど劣
化しないので、第1及び第2の電極の不動態化を効果的
に防止できる。請求項11に係る発明によれば、ハウジ
ングを含めたユニットとして構成されるので、これを、
水処理経路の一部に介在させて簡便に用いることができ
る。また、必要に応じて、多数のユニットを直列に又は
並列にする等の、自在なレイアウトを簡便に達成でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る水処理用電極を含む
水処理用電極ユニットの概略断面図である。
【図2】水処理用電極ユニットの要部の分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
7 電極積層体 40 水処理用電極ユニット 41 給水口 42 排水口 43 ハウジング 44 通水経路 45 通水方向 46,48 第1の電極 47,49 第2の電極 51 補助電極 51a 端面 52 環状体 52a 案内面 K 軸線

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】環状をしており、通水方向(45)に沿う同一
    軸線(K) 上に所定間隔をあけて少なくとも一対が交互に
    対向配置された、互いに反対の極性が与えられる第1及
    び第2の電極(46,47)(48,49)を含む電極積層体(7) と、 隣接する第1及び第2の電極(46,47)(48,49)にそれぞれ
    端面(51a) を露出して埋設され、互いの端面(51a) 同士
    が相対する不溶解性の補助電極(51)とを備えたことを特
    徴とする水処理用電極ユニット。
  2. 【請求項2】請求項1記載の水処理用電極ユニットにお
    いて、隣接する第1の電極と第2の電極(46,47)(48,49)
    との間に、両電極(46,47)(48,49)間の所要の対向面積を
    確保した状態で両電極(46,47)(48,49)間の間隔を規制す
    る、絶縁性の環状のスペーサ(50)を介在していることを
    特徴とする水処理用電極ユニット。
  3. 【請求項3】請求項2記載の水処理用電極ユニットにお
    いて、上記補助電極(51)の端面(51a) の一部は、上記ス
    ペーサ(50)によって覆われていることを特徴とする水処
    理用電極ユニット。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3の何れかに記載の水処理
    用電極ユニットにおいて、上記電極積層体(7) の通水方
    向(45)上流側に環状体(52)を配置し、この環状体(52)
    に、上記軸線(K) を中心とする渦巻き流を通水に生じさ
    せるらせん状案内面(52a) を設けたことを特徴する水処
    理用電極ユニット。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4の何れかに記載の水処理
    用電極ユニットにおいて、上記第1及び第2の電極(46,
    47)(48,49)を同一の溶解性材料により構成したことを特
    徴とする水処理用電極ユニット。
  6. 【請求項6】請求項5記載の水処理用電極ユニットにお
    いて、上記第1及び第2の電極(46,47)(48,49)は複数対
    あり、第1及び第2の電極(46,47) (48,49) の組合せと
    して、アルミニウム同士が組み合わされたものと、銀,
    銅及びチタンニウムのグループから少なくとも一つ選択
    される金属同士が組み合わされたものとが含まれること
    を特徴とする水処理用電極ユニット。
  7. 【請求項7】請求項1ないし4の何れかに記載の水処理
    用電極ユニットにおいて、上記第1及び第2の電極(46,
    47)(48,49)を相異なる金属材料により構成したことを特
    徴とする水処理用電極ユニット。
  8. 【請求項8】請求項7記載の水処理用電極ユニットにお
    いて、上記第1及び第2の電極(46,47)(48,49)の何れか
    一方はアルミニウムからなり、他方は銀,銅及び不溶解
    性金属のグループから少なくとも一つ選択される金属か
    らなることを特徴とする水処理用電極ユニット。
  9. 【請求項9】請求項1ないし8の何れかに記載の水処理
    用電極ユニットにおいて、上記第1及び第2の電極(46,
    47)(48,49)には、所定の周期で極性を変換する直流交番
    電流が付与されることを特徴とする水処理用電極ユニッ
    ト。
  10. 【請求項10】請求項1ないし9の何れかに記載の水処
    理用電極ユニットにおいて、上記補助電極(51)は、炭素
    及び不溶解性金属の少なくとも一つを含むことを特徴と
    する水処理用電極ユニット。
  11. 【請求項11】請求項1ないし10の何れかに記載の水
    処理用電極ユニットにおいて、上記電極積層体(7) を収
    容し、且つ通水方向(45)の両端に給水口(41)及び排水口
    (42)をそれぞれ設けた筒状のハウジング(43)をさらに備
    えたことを特徴とする水処理用電極ユニット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009158589A3 (en) * 2008-06-26 2010-03-25 David Rigby Electrochemical system and method for the treatment of water and wastewater
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CN108285232A (zh) * 2018-04-03 2018-07-17 中国科学院金属研究所 一种具有杀菌过滤功能的安保过滤器

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