JPH09292353A - X線ロッキングカーブの測定方法及び測定装置 - Google Patents

X線ロッキングカーブの測定方法及び測定装置

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JPH09292353A
JPH09292353A JP10748096A JP10748096A JPH09292353A JP H09292353 A JPH09292353 A JP H09292353A JP 10748096 A JP10748096 A JP 10748096A JP 10748096 A JP10748096 A JP 10748096A JP H09292353 A JPH09292353 A JP H09292353A
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昇 福原
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】X線ロッキングカーブの測定において、X線測
定装置のθ軸の駆動における機械的な誤差を補償し、X
線ロッキングカーブの測定精度を確保するとともに、よ
り高い再現性を確保すること。 【解決手段】試料へのX線入射角度θをスキャンし、θ
に対するX線の回折強度を測定するX線ロッキングカー
ブの測定方法において、試料へのX線入射角度θとθ軸
の機械的角度7とが独立に制御可能なように、回転軸の
回転中心6がθ軸の回転中心と同一であり、かつθ軸回
転駆動系とは独立して駆動できるφ軸回転駆動系を設
け、該φ軸回転駆動系を調整することにより、測定する
試料の設置角度を調整し、試料のブラッグ条件となるθ
の機械的角度を測定毎に同じにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線ロッキングカー
ブの測定方法および測定装置に関する。特に、AlGa
As等の混晶半導体の高分解能ロッキングカーブの測定
方法および測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】GaAs、InP等の化合物半導体を用
いた装置として、高周波増幅素子、高速論理素子等の高
速電子装置、半導体レーザー、発光素子(以下、LED
と記すことがある。)等の光電子装置が実用化されてい
る。近年、さらに高性能な装置の開発が急速に進展して
いる。それにともない、薄膜半導体結晶形成技術、高度
な素子作製技術が要求されるようになっている。とく
に、半導体結晶層の薄膜形成技術は、素子構造を作製す
る重要な鍵になっており、有機金属気相成長法(以下、
MOCVD法と記すことがある。)、分子線エピタキシ
ャル成長法(以下、MBE法と記すことがある。)等の
方法が開発されている。
【0003】実際の素子用の化合物半導体薄膜は、通
常、単結晶基板の上に上記の結晶薄膜成長法を用いて製
造される。該化合物半導体は、高度に制御された物性の
異なる化合物半導体薄膜層が複数積層されている。これ
らの化合物半導体のエピタキシャル基板は、構成元素及
び組成の異なる、たとえば、GaAs層とAlx Ga1-
x As層(ただし、0<x<1)とが接合したようない
わゆるヘテロ接合構造が形成できるので、性能の向上、
機能の発現に寄与している。
【0004】これらの結晶層の評価方法の一つとして、
X線ロッキングカーブの測定方法がある。近年、高感
度、高分解能のX線測定装置が開発されるようになると
ともに、シミュレーション技術の進歩により化合物半導
体の積層構造の解析に用いられるようになった。X線ロ
ッキングカーブとは、単結晶に一定方向から単色X線を
あて、ブラッグ条件を満たす方位付近で結晶を回転した
ときの回折線の強度分布曲線のことである。一般に、結
晶が完全であるほど曲線の半値幅は狭く、ピークは高
く、積分強度は小さくなる。
【0005】これらのヘテロ接合を形成する化合物半導
体の逆格子点の近傍のロッキングカーブを高感度、高分
解能で測定することにより、例えば、Alx Ga1-x
s(ただし、0<x<1)などの混晶半導体の組成xの
測定、超格子層などの周期構造の膜厚の測定のみならず
単層の厚さも測定が可能となる(T.J.Rogers J.M.Balli
ngall M.Lrsen and E.L.Hall J.Vac.Sci.Technol B 13
(2),777 (1995) )。たとえば、化合物半導体の混晶の
組成は、混晶の格子面間隔が混晶組成に依存し変化する
ことを利用して、基板結晶のブラッグ反射ピークと混晶
層のブラッグ反射ピークの角度差を測定することにより
決定できる。
【0006】X線ロッキングカーブの測定は、測定前に
試料の特別な処理が不要であり、かつ非破壊測定であり
簡便であるという特徴をもつ。これらの膜厚、混晶組成
の信号は、ロッキングカーブのθ値の相対的な間隔とし
て現れる。よって、これらを正確に測定するにはθ軸を
高精度で駆動する必要がある。例えば、GaAs基板上
のAlx Ga1-x As層(ただし、0<x<1)の混晶
組成xを測定する場合を説明する。ベガード則を仮定
し、格子緩和が発生していない範囲で、基板からのブラ
ッグ反射角度θsub と混晶層からのブラッグ反射角度θ
layer との角度差Δθは、Alの組成xを用いて、 Δθ=tan(θb )・(1+(νAlAs・x+νGaAs
(1−x)))÷(1−(νAlAs・x+νGaAs・(1−
x)))・((dAlAs−dGaAs)/dGaAs)・x と表される。ただし、Δθは、基板のGaAsのブラッ
グ反射ピークの角度θGaAsと混晶Alx Ga1-x As
(ただし、0<x<1)のブラッグ反射ピークの角度θ
AlGaAsの差である。θb は、基板GaAsのブラッグ反
射条件のX線入射角度である。波長1.5406ÅのX
線を用いた場合、GaAs(004)面の反射を測定す
る。θb は、33.034°となる。
【0007】νAlAsおよびνGaAsは、それぞれAlAs
およびGaAsのポアソン比、dAl AsおよびdGaAsは、
それぞれAlAsおよびGaAsの格子定数である(A
lAsおよびGaAsは、立方晶系。)。Alx Ga
1-x As(ただし、0<x<1)のAl組成を高精度に
決定する場合、このΔθをいかに正確に測定するかが重
要になる(M.S.Goorsky, T.F.Kuech,M.A.Tischler,and
R.M.Potemski Appl.Phys.Lett.59(18) 2269 (1991)な
ど)。このとき、GaAsおよびAlAsの格子定数お
よびポアソン比の正確な値を用いるべきである。特に、
GaAsとAlAsでは格子定数が近いため、格子定数
の精度により組成の値が大きく変動する。しかしなが
ら、AlAsのバルク結晶は作製できないため格子定
数、ポアソン比を正確に決定することが困難であり、
((dAlAs−dGaAs)/dGaAs)の値は、充分な信頼性
がないのが実情である。
【0008】そこで、一般的には、実用的な組成の試料
をXRD法以外の方法で決定し、XRD法の測定値が一
致するようにdAlAsの値を調整するのが一般的である。
よって、組成の測定は、相対的な値を、いかに再現性よ
く測定するかが重要となる。Δθの測定値の再現性精度
は、XRD測定装置のθ軸の駆動精度で直接的に決ま
る。Δθは、Al組成xに対しておよそ Δθ(arcsec)≒400・x となる。Al組成が0.2のときは、Δθ値は80ar
csec程度になる。例えば、組成を±2%以下のバラ
ツキで測定するためには、Δθを±1.6arcsec
以下のバラツキで測定する必要がある。
【0009】しかしながら、組成測定のために、Δθの
測定を上記のバラツキ以下に抑えるのは容易ではなかっ
た。θ軸は、10〜20cm程度の半径の円周上の点
を、パルスモーター等の回転を減速して駆動するのが普
通である。たとえば、θ軸から20cm離れた地点を駆
動した場合、1arcsecでおよそ1μmの移動量と
なる。この場合、前記の精度を得るためには、θ軸の駆
動点を±2μm以内の精度で駆動する必要がある。しか
し、駆動部の機械的な誤差により、要求される精度を得
るのは極めて困難である。前記円周上の点を、歯車等で
駆動するときに場所により歯車等の精度が一般に異なる
ので、例えば8000arcsec駆動した場合、誤差
が±200arcsec以下であったとしても、80a
rcsec駆動した場合に誤差が±2arcsecにな
る保証はない。
【0010】図4に従来のX線ロッキングカーブ測定装
置を示す。試料3を試料台5に設置する。この試料に単
色のX線を入射し(入射X線1)、試料から回折したX
線2の強度をX線検出器4で測定する。回転中心6が、
ほぼ試料上のX線が入射する場所を通るように、X線の
試料への入射角度を変える回転軸であるθ軸、および検
出器の角度を変える回転軸である2θ軸を備える。通常
の測定手順は、θ軸、2θ軸、およびX線入射方向の試
料への投影線と垂直方向の試料の傾き角度を、特定の結
晶面からのブラッグ反射条件にする。この条件から、回
転中心6を中心に、θ、2θをスキャンし、X線ロッキ
ングカーブを測定する。このとき、2θ軸はθ軸に対し
2倍の角度駆動する。しかし、化合物半導体エピタキシ
ャル基板のX線ロッキングカーブの測定の場合、2θの
分解能は低くてよいので、2θの絶対角度が正確にθの
2倍になる必要はない。また、2θ軸は固定してもかま
わない。このとき、試料と試料台との僅かな傾き、試料
面と結晶面との傾き等が測定毎に異なるので、試料から
の回折ピークが検出されるθ軸の機械的な角度が測定毎
に変動する。そのため局所的なθ軸の駆動の機械的な誤
差により測定値の再現性は悪化する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、X線
ロッキングカーブの測定において、X線測定装置のθ軸
の駆動における機械的な誤差を補償し、X線ロッキング
カーブの測定精度を確保するとともに、より高い再現性
を確保することができるX線ロッキングカーブの測定方
法及び測定装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な問題を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到
達した。すなわち、本発明は、〔1〕試料へのX線入射
角度θをスキャンし、θに対するX線の回折強度を測定
するX線ロッキングカーブの測定方法において、試料へ
のX線入射角度θとθ軸の機械的角度とが独立に制御可
能なように、回転軸の回転中心がθ軸の回転中心と同一
であり、かつθ軸回転駆動系とは独立して駆動できるφ
軸回転駆動系を設け、該φ軸回転駆動系を調整すること
により、測定する試料の設置角度を調整し、試料のブラ
ッグ条件となるθの機械的角度を測定毎に同じにするX
線ロッキングカーブの測定方法に係るものである。更
に、本発明は、〔2〕前記〔1〕記載のX線ロッキング
カーブの測定方法を用いて、基板のブラッグ反射角度θ
sub と混晶半導体層のブラッグ反射角度θla yer との角
度差Δθを測定して、化合物半導体基板上に形成した混
晶半導体層の混晶組成を求める測定方法において、予め
Δθのθ軸の機械的角度の依存性を測定しておき、θ
sub およびθlayer がΔθのθ軸角度の依存性の最も小
さい領域になるようφ軸を調整する混晶半導体層の混晶
組成の測定方法に係るものである。また、本発明は、
〔3〕試料へのX線入射角度θをスキャンし、θに対す
るX線の回折強度を測定するX線ロッキングカーブを測
定するためのX線測定装置において、試料へのX線入射
角度θとθ軸の機械的角度とが独立に制御可能なよう
に、回転軸の回転中心がθ軸の回転中心と同一であり、
かつθ軸回転駆動系とは独立して駆動できるφ軸回転駆
動系を備えてなるX線ロッキングカーブの測定装置に係
るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】次に本発明を詳細に説明する。本
発明のX線ロッキングカーブの測定方法及び測定装置
は、測定すべき結晶の特定の面のブラッグ反射を生じる
θ軸の機械的な角度が再現性のよい範囲内にするよう
に、測定すべき結晶の設置角度を調整するためのθ軸の
回転と同一回転中心であり、θ回転駆動系上に設置され
た独立に駆動可能なφ回転駆動系を有することにより、
測定すべき結晶の設置角度を調整することを特徴とす
る。
【0014】更に、本発明は、化合物半導体基板上に形
成した混晶半導体層の混晶組成を、X線回折法ロッキン
グカーブを用いて測定する方法において、基板のブラッ
グ反射角度のθ軸の機械的な角度θsub が特定範囲内に
なるように基板を設置し測定することを特徴とする。ま
た、本発明は、前記θsub とそれに近接した化合物半導
体基板上に形成した混晶半導体層のブラッグ反射角度の
θ軸の機械的な角度θlayer の差Δθのθsu b 依存性を
予め測定しておき、θsub に応じてΔθの測定値を補正
して混晶組成を算出することを特徴とする。
【0015】また、本発明は、前記化合物半導体基板上
に形成した混晶半導体層のロッキングカーブを測定する
とき、前記θsub とθlayer が、前記Δθのθsub 依存
性が小さい領域になるようθsub を設定することを特徴
とする。また、本発明において、前記Δθのθsub 依存
性の測定に用いる試料のロッキングカーブは、化合物半
導体基板のブラッグ反射とそれに近接した化合物半導体
基板上に形成した混晶半導体層のブラッグ反射の2つの
ピークを持ち、その角度差Δθは、混晶組成を測定した
い試料と同じかそれより小さいことを備えてなるよう構
成される。
【0016】本発明では、XRD測定装置のθの駆動に
機械的な誤差があっても、機械的な誤差を予め把握して
おくことによりΔθを補正することにより測定結果の再
現性を確保できるとともに、Δθの測定誤差がいつも同
じになる機械的な角度領域を用いることにより高い再現
性を確保できる。このとき、Δθのθによる変化の小さ
い領域を用いることによりさらに測定値が安定する。
【0017】
【実施例】次に、本発明を更に詳細に説明するために実
施例を示すが、これらにより本発明が限定されるもので
はない。GaAs基板上にMOCVD法で成長したAl
x Ga1-x As層をXRD法により測定した実施例、比
較例を以下に示す。Al組成xはおよそ0.2であり、
該Alx Ga1-x As層の厚さは2μm程度である。 実施例1 (測定装置)図1に、本発明のX線ロッキングカーブの
測定装置の概略図を示す。X線が試料3に入射し(入射
X線1)、試料で回折したX線2の強度を検出器4で測
定する。回転中心6がほぼ試料上のX線が入射する場所
を通るように、X線の試料への入射角度を変える回転軸
であるθ軸、およびX線検出器の角度を変える回転軸で
ある2θ軸を備える。さらに、試料へのX線入射角度と
θ軸の機械的角度7が、独立に制御可能なように、回転
軸の回転中心がθ軸の回転中心6と同じで独立に制御で
きるφ軸の駆動で回転する試料台8を備える。測定前の
試料のセッティングでは、θ軸と2θ軸およびX線の入
反射方向の試料面への投影線の直角方向の向きの傾き
(図には記載省略)を、基板のGaAsの(004)面
のブラッグ反射条件に調整する。このときφを調整しθ
軸の機械的角度を特定の範囲にする。これを原点に、φ
軸は固定しθ軸および2θ軸を駆動して、X線ロッキン
グカーブを測定する。なお、このときX線検出器のスリ
ットを大きくして、2θ駆動はなくてもよい。
【0018】このように試料の試料台にたいする僅かな
傾きや、試料面と結晶面の傾きがあっても、θ軸と回転
中心が同軸で独立に制御できる回転軸φを動かすことに
より、GaAsのブラッグ反射条件となるθ軸の機械的
な角度を特定の範囲になるようにすることができる。駆
動軸に機械的な誤差が存在しても、θ軸の機械的角度が
常に同じ範囲であるため再現性が向上する。なお、ロッ
キングカーブ測定時には、φ軸は固定しており測定精度
はφ軸ではなくθ軸の駆動に依存する。よって、φ軸は
θ軸ほどの精度は必要ない。なお、図1中では、このと
き、φ軸の回転機構は、θ軸の回転上にのっているが、
逆にφ回転軸機構上に、θ軸回転機構が乗っていても同
じ作用が可能である。また、θ軸スキャンが、試料を固
定し、X線源を動かす装置では、φ軸はθ軸とは独立な
試料回転軸となる。図2は、上記測定装置を用い、φを
0.1°ステップで変えたときの、GaAs基板上のA
x Ga1-x As層のX線ロッキングカーブを測定した
結果を示す。θ軸表示値の0点は任意である。φの量だ
け、ブラッグ反射条件のθ角度が移動している。つま
り、基板のホルダーへの置き方、基板のoff角度によ
らず、φを調整することで、所定の信号を特定のθ軸の
機械的角度の範囲に入れることが可能となる。
【0019】実施例2 (Δθのθ依存性測定方法)図3は、φを0.02°
(72arcsec)ステップで変え、ロッキングカー
ブを測定し、Al組成が約0.2のAlx Ga1-x As
層の回折ピークとGaAs基板の回折ピークの差Δθを
θ軸の機械的な角度に対してプロットした図である。θ
軸表示値の0点は任意である。θによりΔθの測定値が
変動している。この変動は、θに対して再現性があり、
θ軸駆動の機械的な変動を現している。
【0020】測定するAl組成と同じかまたはそれより
小さい組成のAlx Ga1-x As層を用い、Δθとほぼ
等しいステップでφ軸をスキャンすることで、予めθ軸
駆動の機械的な誤差をほぼくまなく測定することが可能
となる。この結果を用いて、測定に使うθ軸の機械的角
度の範囲をAl組成測定値のθ軸の機械的角度依存性の
小さい領域を用い測定をすることにより安定なものにで
きる。また、θ軸の機械的な角度に応じ、よりΔθをよ
り正確な値に補正が可能となる。
【0021】実施例3 (Alx Ga1-x As組成の測定)表1は同一試料の、
同一場所のAl組成を複数回測定した結果である。φ軸
を調整し、GaAsのブラッグ反射条件のθ軸の読みと
り値を、図3の4500〜4800arcsecの範囲
に設定した。θ軸表示値の0点は任意であるが、0点の
θ軸の機械的角度は常に一定である。φを調整すること
で機械的θ角度をほぼ一定にし、かつΔθのθ依存性が
小さい領域を用いることで測定値の安定性が確保でき
た。
【0022】
【表1】
【0023】比較例1 表2は,図4に示す従来の測定装置により、Alx Ga
1-x As層の組成値測定を同一試料で複数回行った結果
である。試料は、実施例3と同じである。基板をホルダ
ーにセットする際に、基板が僅かに傾くことにより、ブ
ラッグ反射条件のθの値が変化する。θの変化によりΔ
θが変化しAl組成測定値の再現性が確保できていない
ことがわかる。
【0024】
【表2】
【0025】
【発明の効果】本発明のX線ロッキングカーブの測定方
法および測定装置により、測定試料の設置方法、結晶の
試料面との傾きによらず、X線ロッキングカーブの所定
の信号のθの機械的角度が同じになり、θ駆動の機械的
な変動に左右されず安定した測定が可能となる。さら
に、変動量を定量的に測定することにより測定値の補正
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線ロッキングカーブの測定装置の一
例の概略図。
【図2】本発明のX線ロッキングカーブの測定装置を用
いて測定したX線ロッキングカーブ。
【図3】実施例2で測定されたθ軸の機械的角度とΔθ
との相関を示す図。
【図4】従来のX線ロッキングカーブの測定装置の一例
の概略図。
【符号の説明】
1・・・入射X線 2・・・試料で回折したX線 3・・・測定試料 4・・・X線検出器 5・・・θ軸の駆動で回転する試料台 6・・・回転中心 7・・・θ軸の機械的角度 8・・・φ軸の駆動で回転する試料台

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料へのX線入射角度θをスキャンし、θ
    に対するX線の回折強度を測定するX線ロッキングカー
    ブの測定方法において、試料へのX線入射角度θとθ軸
    の機械的角度とが独立に制御可能なように、回転軸の回
    転中心がθ軸の回転中心と同一であり、かつθ軸回転駆
    動系とは独立して駆動できるφ軸回転駆動系を設け、該
    φ軸回転駆動系を調整することにより、測定する試料の
    設置角度を調整し、試料のブラッグ条件となるθの機械
    的角度を測定毎に同じにすることを特徴とするX線ロッ
    キングカーブの測定方法。
  2. 【請求項2】試料が、化合物半導体エピタキシャル基板
    であることを特徴とする請求項1記載のX線ロッキング
    カーブの測定方法。
  3. 【請求項3】請求項1記載のX線ロッキングカーブの測
    定方法を用いて、基板のブラッグ反射角度θsub と混晶
    半導体層のブラッグ反射角度θlayer との角度差Δθを
    測定して、化合物半導体基板上に形成した混晶半導体層
    の混晶組成を求める測定方法において、予めΔθのθ軸
    の機械的角度の依存性を測定しておき、θsub およびθ
    layer がΔθのθ軸角度の依存性の最も小さい領域にな
    るようφ軸を調整することを特徴とする混晶半導体層の
    混晶組成の測定方法。
  4. 【請求項4】化合物半導体基板がGaAsであり、この
    基板上に形成した混晶半導体はAlx Ga1-x As(た
    だし、0<x<1)であることを特徴とする請求項3記
    載の混晶組成の測定方法。
  5. 【請求項5】試料へのX線入射角度θをスキャンし、θ
    に対するX線の回折強度を測定するX線ロッキングカー
    ブを測定するためのX線測定装置において、試料へのX
    線入射角度θとθ軸の機械的角度とが独立に制御可能な
    ように、回転軸の回転中心がθ軸の回転中心と同一であ
    り、かつθ軸回転駆動系とは独立して駆動できるφ軸回
    転駆動系を備えてなることを特徴とするX線ロッキング
    カーブの測定装置。
  6. 【請求項6】試料が、化合物半導体エピタキシャル基板
    であることを特徴とする請求項5記載のX線ロッキング
    カーブの測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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