JPH09291950A - ワンウェイクラッチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ラチェット型ワンウェイクラッチの小型化、
軽量化及び製品コストの低減化を図ることにある。 【解決手段】 軸方向と直交する面に対して傾斜したカ
ム面１３を有する多数のカム部９を軸中心に円周等間隔
に配設した駆動部材１と、径方向に対して微小角度θだ
け傾斜した状態で前記駆動部材１と同軸状に配置され、
軸方向と直交する面に対して傾斜した複数のカム１６を
円周等間隔に配設したカム板２と、前記駆動部材１及び
カム板２と同軸状に配置され、カム板２のカム１６が収
納可能なポケット２１を前記カム１６と対応させて配設
した被駆動部材３と、前記カム板２と被駆動部材３との
間に介在し、カム板２を駆動部材側へ向けて押圧してカ
ム１６をカム面１３に当接させる波ばね４とで構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はワンウェイクラッチ
に関し、例えば、自動車用動力伝達装置の一部に組み込
まれるアキシャルタイプのラチェット型ワンウェイクラ
ッチに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、自動車用動力伝達装置の一部に
組み込まれるクラッチは、駆動軸と被駆動軸との間で、
エンジンから駆動系への動力の伝達を断接するもので、
ラチェット型、ローラクランプ型やスプラグ型ワンウェ
イクラッチなど種々のタイプがある。

【０００３】例えば、ラチェット型ワンウェイクラッチ
の一例としては、図９に示すような構造のラジアルタイ
プのものがある。このラジアルタイプのラチェット型ワ
ンウェイクラッチは、駆動軸と連結された駆動部材３１
と、その駆動部材３１と同心状に配置されて被駆動軸と
連結された環状の被駆動部材３２とからなる。駆動部材
３１は、その外周面に凹状のポケット３３を円周等配置
し、そのポケット３３内に爪３４を設けてばね（図示せ
ず）により外方へ弾性的に付勢した構造を有する。一
方、被駆動部材３２は、その内周面に前述したポケット
３３と対応させてノッチ３５を設けた構造を有する。

【０００４】このワンウェイクラッチでは、駆動部材３
１を図示時計方向へ回転させると、駆動部材３１の各爪
３４がばねの弾性力により外方へ付勢されているので、
それら複数の爪３４のうち、一つの爪３４が被駆動部材
３２のノッチ３５に係止される。この駆動部材３１の爪
３４が被駆動部材３２のノッチ３５に係止することによ
り、駆動部材３１の回転が被駆動部材３２に伝達されて
被駆動部材３２が回転する。

【０００５】逆に、駆動部材３１を図示反時計方向へ回
転させると、駆動部材３１の各爪３４がポケット３３に
収納されながら被駆動部材３２のノッチ３５で係止され
ないので、被駆動部材３２が回転せずに駆動部材３１の
みが空転し、駆動部材３１の回転が被駆動部材３２に伝
達されることはない。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したラ
チェット型ワンウェイクラッチはラジアルタイプである
ため、駆動部材３１の外周面に複数の爪３４を設け、そ
れら爪３４と係合するノッチ３５を設けた被駆動部材３
２を前記駆動部材３１の外周に配置し、而も、駆動部材
３１の爪３４が半径方向外側へ向けて動作する構造を有
する。そのため、駆動部材３１、爪３４及び被駆動部材
３２の各部材の配置構造からすると、ワンウェイクラッ
チの大型化が免れず、その結果、全体重量が大きくな
り、製品コストの低減化も困難であった。また、空転
時、ばねによって外方に付勢された爪３４はノッチ３５
と常に当接し、爪３４の摩耗などの問題があった。

【０００７】そこで、本発明は上記問題点に鑑みて提案
されたもので、その目的とするところは、ワンウェイク
ラッチの小型化、軽量化及び製品コストの低減化を図る
ことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の技術的手段として、本発明は、駆動部材又は被駆動部
材のいずれか一方の部材の軸方向と直交する面に多数の
カム部を軸中心に円周等間隔で配設し、前記軸方向と直
交する面に対して傾斜した複数のカムが円周等間隔に配
設されたカム板を径方向に対して微小角度だけ傾斜した
状態で前記一方の部材と同軸的に配置し、前記カム板の
カムの端面を係止する肩部が形成された駆動部材又は被
駆動部材の他方の部材を一方の部材及びカム板と同軸的
に配置し、そのカム板と他方の部材との間に、カム板を
一方の部材側へ向けて押圧してカムをカム部に当接させ
る押圧部材を介在させたことを特徴とする。

【０００９】また、本発明は、駆動部材又は被駆動部材
のいずれか一方の部材の軸方向と直交する面に多数のカ
ム部を軸中心に円周等間隔で配設し、前記軸方向と直交
する面に対して傾斜した複数のカムが円周等間隔に配設
された駆動部材又は被駆動部材の他方の部材を径方向に
対して微小角度だけ傾斜した状態で前記一方の部材と同
軸的に配置し、前記他方の部材を軸方向で揺動可能に一
方の部材側へ向けて押圧してカムをカム部に当接させる
押圧部材を具備したことを特徴とする。

【００１０】尚、前記カム部は、軸方向と直交する面に
対して傾斜したカム面を有し、また、前記肩部は、カム
を収納可能なポケットの一部であることが望ましい。

【００１１】また、本発明では、前記カム部のカム面を
径方向に対して微小角度だけ傾斜させることにより、そ
のカム面に沿わせて前記径方向に対して微小角度だけ傾
斜した状態で配置したカム板を表裏対称な形状とするこ
とが、カム板の組み付け性をよくする点で好ましい。

【００１２】尚、本発明では、前記押圧部材は、カムを
弾性的に付勢してカム面に当接させる環状の波ばねとす
ることが、カムを駆動部材側へ向けて適正に押圧して良
好な姿勢が得られる点で好ましい。

【００１３】更に、前記駆動部材、被駆動部材及びカム
板をプレス成形で製作することが製品コストを低減する
点で好ましい。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態を以下に説明す
る。この実施形態はアキシャルタイプのラチェット型ワ
ンウェイクラッチである。

【００１５】図１に示す実施形態のワンウェイクラッチ
は、駆動部材１、カム板２、被駆動部材３、押圧部材で
ある波ばね４及び止め輪５とで構成される。

【００１６】駆動部材１は、図２（ａ）（ｂ）に示すよ
うに例えばプレス加工などにより有底筒状に成形され、
筒状部６から延びる底部７に穴８を形成した鋼製のもの
である。この駆動部材１の底部７に多数のカム部９を軸
中心に円周等間隔に連設する。各カム部９は、段差面１
０、平坦面１１及び傾斜面１２からなる一連のカム面１
３を有する。このカム部９のカム面１３は、径方向に対
して微小角度θ（例えば、４°）だけ傾斜した状態に形
成される。尚、筒状部６の開口端部の近傍部位には、止
め輪５を固定するための環状凹溝１４が刻設されてい
る。また、筒状部６の外周面にはスリット１８が軸方向
に形成されている。

【００１７】カム板２は、前述した駆動部材１と同様、
図３（ａ）（ｂ）に示すように例えばプレス加工などに
より環状に成形され、その環状基部１５の円周等間隔部
位に複数、例えば３個のカム１６を突出させて形成した
鋼製のものである。それぞれのカム１６は、環状基部１
５の表裏面に対して所定の角度だけ傾斜し〔同図（ｂ）
参照〕、これにより、被駆動部材３のポケット２１（後
述）の端面で係止した状態で、駆動部材１のカム部９で
のカム面１３の段差面１０で選択的に係止することを可
能にしている。

【００１８】尚、カム板２に形成するカム１６の数につ
いては、前述した３個以下とすることも可能で個数の増
加に伴って高い分解能が得られるが、バランス面を考慮
すると３個のカム１６を形成することが好ましい。

【００１９】一方、駆動部材１のカム部９の数について
は、カム板２のカム１６の個数、即ち３の倍数でない個
数、例えば１４、１６、１９、２０個のカム部９を形成
することが必要である。このようにカム１６とカム部９
との個数を相互に設定することにより、３つのカム１６
のうち、１つのカム１６のみが被駆動部材３のポケット
２１と駆動部材１のカム部９との間で噛み合った状態と
なり、他の２つのカム１６はフリーな状態となる。

【００２０】被駆動部材３は、前述した駆動部材１及び
カム板２と同様、図４（ａ）（ｂ）に示すように例えば
プレス加工などにより成形され、被駆動軸（図示せず）
が挿通される軸穴にセレーション１７を形成した筒状部
１９とその筒状部１９に一体に形成されたフランジ部２
０とからなる。このフランジ部２０に、カム板２のカム
１６と対応させてそのカム１６が収納可能な３つのポケ
ット２１を円周等間隔に配設し、それらポケット２１と
連通してカム板２の環状基部１５が収納される環状凹部
２２を形成する。

【００２１】押圧部材としては、カム板２を駆動部材側
へ向けて弾性力でもって押圧する環状の波ばね４を使用
することが可能であり〔図１及び図５参照〕、他の例と
してはスポンジ等のクッション材を使用することも可能
である。また、止め輪５は、螺旋状に巻回しながら環状
に成形した鋼製の細い帯板状部材や、Ｃ字状に成形した
細い帯板状部材を使用すればよい。

【００２２】この実施形態のワンウェイクラッチは、前
述した駆動部材１、カム板２、被駆動部材３、波ばね４
及び止め輪５からなる各構成部材を以下の要領でもって
組み付けることにより製作される。即ち、図５に示すよ
うに駆動部材１に対して、カム板２、波ばね４及び被駆
動部材３の順で各構成部材を組み付けて、その駆動部材
１内にカム板２、波ばね４及び被駆動部材３を同軸状に
収納し、その上で止め輪５を前記駆動部材１の筒状部６
の環状凹溝１４に嵌め込む。この止め輪５は周囲からの
押圧力でもって強制的に縮径させ、その状態で駆動部材
１の環状凹溝１４内に配置してその押圧力の解除でもっ
て嵌め込まれる。

【００２３】このようにして各構成部材が組み付けられ
た状態では、被駆動部材３の環状凹部２２に波ばね４を
介してカム板２の環状基部１５が収納され、被駆動部材
３のポケット２１にカム板２のカム１６が収納される。

【００２４】この組み付け状態では、波ばね４によりカ
ム板２が駆動部材側へ弾性的に付勢されて押圧された状
態にあり、かつ、駆動部材１のカム部９が径方向に対し
て微小角度θ（例えば、４°）だけ傾斜しているため、
その波ばね４により押圧されたカム板２の一つのカム１
６が駆動部材１のカム部９のカム面１３に当接して噛み
合った状態になり、かつ、カム板２の他の二つのカム１
６がカム部９のカム面１３に当接せずにフリーな状態と
なる。従って、カム板２が、駆動部材１のカム部９のカ
ム面１３に倣って径方向に対して微小角度θ（例えば、
４°）だけ傾斜した状態で配置されることになる。

【００２５】このように駆動部材１のカム部９のカム面
１３を径方向に対して微小角度θだけ傾斜させて波ばね
４と組み合わせることにより、表裏面側で非対称な形状
を有するカム板を使用してカム板の一つのカムのみを駆
動部材のカム部に当接させる必要がなく、前述したよう
に表裏面側で対称な形状を有するカム板２〔図３（ａ）
（ｂ）参照〕を使用することが可能となる。その結果、
カム板２の組み付けでは、そのカム板２の方向性がない
ので組み付け性が良好となる。

【００２６】本発明のワンウェイクラッチでは、駆動軸
から被駆動軸へ回転トルクを伝達する場合、駆動部材１
を図示時計方向〔図２（ａ）参照〕へ回転させると、カ
ム板２が波ばね４により駆動部材側へ押圧された状態に
あるために径方向に対して微小角度θだけ傾斜した姿勢
でもって一つのカム１６が駆動部材１のカム部９に噛み
合う。

【００２７】即ち、図６（ａ）に示すように駆動部材１
の回転により静止状態にある一つのカム１６に対してカ
ム部９が図示矢印方向へ移動することにより、カム部９
の移動方向でのカム１６の前端面が被駆動部材３のポケ
ット２１の肩部である内周端面２１ａに当接して係止さ
れ、一方、カム１６の後端面がカム面１３の段差面１０
に当接して係止される。この時、他の二つのカム１６は
カム部９に噛み合った状態にはない。

【００２８】これにより、一つのカム１６が駆動部材１
のカム部９と被駆動部材３のポケット２１との間で噛み
合った状態となり、駆動部材１の回転が被駆動部材３へ
伝達されて被駆動部材３が回転する。

【００２９】逆に、駆動部材１を図示反時計方向〔図２
（ａ）参照〕へ回転させると、カム板２が波ばね４によ
り駆動部材側へ押圧された状態にあるために駆動部材１
のカム部９に噛み合うことはない。

【００３０】即ち、図６（ｂ）に示すように駆動部材１
の回転により静止状態にあるカム１６に対してカム部９
が図示矢印方向へ移動するが、すべてのカム１６はカム
部９のカム面１３を平坦面１１、段差面１０、傾斜面１
２の順に当接しながら移動するため、すべてのカム１６
の前端面がカム部９の段差面１０に当接して係止される
ことはない。

【００３１】この時、カム１６は被駆動部材３のポケッ
ト２１に収納されながらカム板２全体が径方向に対して
微小角度θだけ傾斜した範囲で軸方向の前後に揺動す
る。このようにすべてのカム１６が駆動部材１のカム部
９と被駆動部材３のポケット２１との間で噛み合わない
状態となり、駆動部材１の回転が被駆動部材３へ伝達さ
れないので駆動部材１のみが空転して被駆動部材３が回
転することはない。

【００３２】尚、駆動部材１を高速回転させた場合に
は、カム板２のカム１６が環状基部１５の表裏面に対し
て所定の角度だけ傾斜させているため〔同図（ｂ）参
照〕、高速回転による空気力（ワンウェイクラッチを液
中で使用した場合には、液圧力）によりカム板２が波ば
ね４の弾性力に抗して被駆動部材側へ押え付けられ、カ
ム板２のカム１６が駆動部材１のカム部９に接触して発
音することはない。

【００３３】次に、本発明の他の実施形態を図７及び図
８（ａ）（ｂ）に示す。この実施形態のワンウェイクラ
ッチは、図１乃至図５に示す構造を有するワンウェイク
ラッチを構成するカム板２と被駆動部材３とを一体化し
たものである。尚、他の構成部材において同一構造のも
のは同一参照符号を付して重複説明は省略する。

【００３４】この実施形態の被駆動部材２３は、図７及
び図８（ａ）（ｂ）に示すように例えばプレス加工など
により成形され、被駆動軸２９が挿通される軸穴にセレ
ーション２７を形成した筒状部２４と、その筒状部２４
の軸方向端部にフランジ状に形成された環状基部２５
と、その環状基部２５の円周等間隔部位に突出させて形
成された複数、例えば３個のカム２６とからなる鋼製の
ものである。尚、前述の実施形態の場合と同様、それぞ
れのカム２６は、環状基部２５の表裏面に対して所定の
角度だけ傾斜した形状を有し、これにより、駆動部材１
のカム部９でのカム面１３の段差面１０で選択的に係止
することを可能にしている。

【００３５】押圧部材としての波ばね４は、中心部分に
被駆動部材２３の筒状部２４が入り込む孔を有する円板
２８上に一体的に取り付けられる。この実施形態のワン
ウェイクラッチでは、駆動部材１に対して被駆動部材２
３を同軸上に配置した状態で波ばね４を介して円板２８
を止め輪５により押さえ付けることにより組み付けられ
る。

【００３６】この組み付け状態では、円板２８上の波ば
ね４が当接する被駆動部材２３の環状基部２５を駆動部
材側へ弾性的に付勢して押圧した状態にあり、かつ、駆
動部材１のカム部９が径方向に対して微小角度θ（例え
ば、４°）だけ傾斜しているため、波ばね４により押圧
された環状基部２５の一つのカム２６が駆動部材１のカ
ム部９のカム面１３に当接して噛み合った状態になり、
かつ、他の二つのカム２６がカム部９のカム面１３に当
接せずにフリーな状態となる。従って、被駆動部材２３
が、駆動部材１のカム部９のカム面１３に倣って径方向
に対して微小角度θ（例えば、４°）だけ傾斜した状態
で配置されることになる。

【００３７】尚、このように被駆動部材２３は、カム２
６が波ばね４により駆動部材１のカム面１３に対して弾
性的に付勢されて押圧されることによって傾斜した状態
に配置されるので、駆動部材１の空転時、被駆動部材２
３の全体が径方向に対して微小角度θだけ傾斜した範囲
で軸方向の前後に揺動する。そのため、被駆動部材２３
が軸方向の前後に揺動することが可能なように、被駆動
部材２３がセレーション２７により被駆動軸２９と噛み
合った状態でそのセレーション２７が形成された軸穴と
被駆動軸２９との間に若干の隙間３０を形成する必要が
ある。

【００３８】以上で説明した各実施形態では、カム部９
を形成した部材（駆動部材１）を駆動側としたが、本発
明はこれに限定されることなく、カム部９を形成した部
材（駆動部材１）を被駆動側とすることも可能である。

【００３９】

【発明の効果】本発明によれば、駆動部材、カム板、被
駆動部材及び押圧部材を同軸状に配置したアキシャルタ
イプのワンウェイクラッチとしたことにより、コンパク
ト化を容易に実現することができ、複数のカムをカム板
として一体に形成し、部品点数が少なく、軽量化、製品
コストの低減化を図ることもでき、その実用的価値は大
である。また、前述した駆動部材、カム板、被駆動部材
及び押圧部材からなる各構成部材の組み付け性も良好
で、組み付け作業性の向上も図れる。更に、前述したカ
ム板と駆動部材又は被駆動部材の一方の部材とを一体化
すれば、部品点数をより一層少なくすることができると
共にその一方の部材をシンプルな形状とすることが可能
となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明における実施形態のワンウェイクラッチ
の組立完了状態を示す断面図

【図２】（ａ）は図１のワンウェイクラッチを構成する
駆動部材を示す正面図 （ｂ）は（ａ）の断面図

【図３】（ａ）は図１のワンウェイクラッチを構成する
カム板を示す正面図 （ｂ）は（ａ）の平面図

【図４】（ａ）は図１のワンウェイクラッチを構成する
被駆動部材を示す正面図 （ｂ）は（ａ）の断面図

【図５】図１のワンウェイクラッチの組立分解断面図

【図６】（ａ）はカム板のカムが駆動部材のカム部に噛
み合った状態を示す部分拡大断面図 （ｂ）はカム板のカムが駆動部材のカム部に噛み合わな
い状態を示す部分拡大断面図

【図７】本発明の他の実施形態のワンウェイクラッチの
組立完了状態を示す断面図

【図８】（ａ）は本発明の他の実施形態のワンウェイク
ラッチを構成するカム板を一体的に設けた被駆動部材示
す正面図 （ｂ）は（ａ）の平面図

【図９】従来のラチェット型ワンウェイクラッチを示す
正面図

【符号の説明】

１ 駆動部材又は被駆動部材の一方の部材（駆動部
材） ２ カム板 ３ 駆動部材又は被駆動部材の他方の部材（被駆動部
材） ４ 押圧部材（波ばね） ９ カム部 １３ カム面 １６ カム ２１ ポケット ２１ａ 肩部 ２３ 駆動部材又は被駆動部材の他方の部材（被駆動
部材） θ 微小角度

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動部材又は被駆動部材のいずれか一方
   の部材の軸方向と直交する面に多数のカム部を軸中心に
   円周等間隔で配設し、前記軸方向と直交する面に対して
   傾斜した複数のカムが円周等間隔に配設されたカム板を
   径方向に対して微小角度だけ傾斜した状態で前記一方の
   部材と同軸的に配置し、前記カム板のカムの端面を係止
   する肩部が形成された駆動部材又は被駆動部材の他方の
   部材を一方の部材及びカム板と同軸的に配置し、そのカ
   ム板と他方の部材との間に、カム板を一方の部材側へ向
   けて押圧してカムをカム部に当接させる押圧部材を介在
   させたことを特徴とするワンウェイクラッチ。
2. 【請求項２】 駆動部材又は被駆動部材のいずれか一方
   の部材の軸方向と直交する面に多数のカム部を軸中心に
   円周等間隔で配設し、前記軸方向と直交する面に対して
   傾斜した複数のカムが円周等間隔に配設された駆動部材
   又は被駆動部材の他方の部材を径方向に対して微小角度
   だけ傾斜した状態で前記一方の部材と同軸的に配置し、
   前記他方の部材を軸方向で揺動可能に一方の部材側へ向
   けて押圧してカムをカム部に当接させる押圧部材を具備
   したことを特徴とするワンウェイクラッチ。
3. 【請求項３】 前記カム部は、軸方向と直交する面に対
   して傾斜したカム面を有することを特徴とする請求項１
   又は２記載のワンウェイクラッチ。
4. 【請求項４】 前記肩部は、カムを収納可能なポケット
   の一部であることを特徴とする請求項１記載のワンウェ
   イクラッチ。
5. 【請求項５】 前記カム部のカム面を径方向に対して微
   小角度だけ傾斜させることにより、そのカム面に沿わせ
   て前記径方向に対して微小角度だけ傾斜した状態で配置
   したカム板を表裏対称な形状としたことを特徴とする請
   求項１記載のワンウェイクラッチ。
6. 【請求項６】 前記押圧部材は、カムを弾性的に付勢し
   てカム面に当接させる環状の波ばねとしたことを特徴と
   する請求項１又は２記載のワンウェイクラッチ。
7. 【請求項７】 前記駆動部材、被駆動部材及びカム板を
   プレス成形で製作したことを特徴とする請求項１又は２
   記載のワンウェイクラッチ。