JPH09291271A - 摩擦材 - Google Patents
摩擦材Info
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- JPH09291271A JPH09291271A JP10706296A JP10706296A JPH09291271A JP H09291271 A JPH09291271 A JP H09291271A JP 10706296 A JP10706296 A JP 10706296A JP 10706296 A JP10706296 A JP 10706296A JP H09291271 A JPH09291271 A JP H09291271A
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- Japan
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- coupling agent
- friction
- silane coupling
- friction coefficient
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 乾燥時と吸水時における摩擦係数の変化が小
さい摩擦材を提供すること。 【解決手段】 シラン系カップリング剤により表面処理
されたアラミド繊維を含む基材と、バインダとを用い、
加熱成形により製造された摩擦材。
さい摩擦材を提供すること。 【解決手段】 シラン系カップリング剤により表面処理
されたアラミド繊維を含む基材と、バインダとを用い、
加熱成形により製造された摩擦材。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、摩擦材に
関し、特に吸水吸湿時にも摩擦係数の変化が少ない小さ
い摩擦材に関するものである。
関し、特に吸水吸湿時にも摩擦係数の変化が少ない小さ
い摩擦材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ブレーキ等の摩擦材としては、ミネラル
ファイバー,スチールファイバー,ガラス繊維,チタン
酸カリウムウィスカー,セラミックスファイバー等の無
機繊維や、アラミド繊維等の有機繊維を含む基材と、グ
ラファイト,硫酸バリウム,金属粉,ゴム粉,カシュー
ダスト等の無機有機充填材と、フェノール樹脂等のバイ
ンダを混合して加熱加圧成形したものが知られている。
ファイバー,スチールファイバー,ガラス繊維,チタン
酸カリウムウィスカー,セラミックスファイバー等の無
機繊維や、アラミド繊維等の有機繊維を含む基材と、グ
ラファイト,硫酸バリウム,金属粉,ゴム粉,カシュー
ダスト等の無機有機充填材と、フェノール樹脂等のバイ
ンダを混合して加熱加圧成形したものが知られている。
【0003】ところが、この種の摩擦材では、梅雨時の
高湿度環境にさらされた後や、気温が下がった時に発生
する空気中の水分の結露、雨天時や洗車時等のように水
が摩擦材に散布された後等に、水分が摩擦材の表面又は
内部に吸着され、吸水吸湿時(以下吸水時と称する)の
摩擦係数が乾燥時のそれに比べて著しく変化していた。
従って、乾燥時と吸水時における摩擦係数の変化が小さ
い摩擦材が要求される。
高湿度環境にさらされた後や、気温が下がった時に発生
する空気中の水分の結露、雨天時や洗車時等のように水
が摩擦材に散布された後等に、水分が摩擦材の表面又は
内部に吸着され、吸水吸湿時(以下吸水時と称する)の
摩擦係数が乾燥時のそれに比べて著しく変化していた。
従って、乾燥時と吸水時における摩擦係数の変化が小さ
い摩擦材が要求される。
【0004】そこで、この要求を満たすために提案され
た技術として、例えば特開平3−103487号公報に
示されるものが知られている。このものは、無機繊維又
は無機充填材を弗素樹脂系又はシリコン樹脂系の表面処
理剤で処理したものである。
た技術として、例えば特開平3−103487号公報に
示されるものが知られている。このものは、無機繊維又
は無機充填材を弗素樹脂系又はシリコン樹脂系の表面処
理剤で処理したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、本発明者ら
は上記の摩擦材の乾燥時における摩擦係数と吸水時にお
ける摩擦係数を夫々測定し、摩擦係数の変化を調べたと
ころ、弗素樹脂系等の表面処理が施されていないものと
殆ど変わらないことを発見した。つまり、このもので
も、乾燥時と吸水時における摩擦係数の変化が未だ大き
い。
は上記の摩擦材の乾燥時における摩擦係数と吸水時にお
ける摩擦係数を夫々測定し、摩擦係数の変化を調べたと
ころ、弗素樹脂系等の表面処理が施されていないものと
殆ど変わらないことを発見した。つまり、このもので
も、乾燥時と吸水時における摩擦係数の変化が未だ大き
い。
【0006】故に、本発明は、乾燥時と吸水時における
摩擦係数の変化が小さい摩擦材を提供することを、技術
的課題とする。
摩擦係数の変化が小さい摩擦材を提供することを、技術
的課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
上記課題を解決するために熱心に研究した結果、基材と
して用いるアラミド繊維をシラン系カップリング剤で表
面処理することにより、乾燥時と吸水時における摩擦係
数の変化が小さくできることを見出した。
上記課題を解決するために熱心に研究した結果、基材と
して用いるアラミド繊維をシラン系カップリング剤で表
面処理することにより、乾燥時と吸水時における摩擦係
数の変化が小さくできることを見出した。
【0008】即ち、上記の技術的課題を解決するため
に、請求項1の発明に係る摩擦材は、シラン系カップリ
ング剤により表面処理されたアラミド繊維を基材として
用いるものである。
に、請求項1の発明に係る摩擦材は、シラン系カップリ
ング剤により表面処理されたアラミド繊維を基材として
用いるものである。
【0009】また、上記の技術的課題を解決するため
に、請求項2の発明に係る摩擦材は、シラン系カップリ
ング剤により表面処理されたアラミド繊維を含む基材
と、熱硬化性樹脂であるバインダとから成り、前記シラ
ン系カップリング剤の沸点が、前記バインダの熱硬化温
度よりも高くされたものである。
に、請求項2の発明に係る摩擦材は、シラン系カップリ
ング剤により表面処理されたアラミド繊維を含む基材
と、熱硬化性樹脂であるバインダとから成り、前記シラ
ン系カップリング剤の沸点が、前記バインダの熱硬化温
度よりも高くされたものである。
【0010】ここで、このものでは、シラン系カップリ
ング剤の沸点がバインダの熱硬化温度よりも高いので、
加熱処理によりバインダを硬化させる際に(摩擦材の製
造中に)シラン系カップリング剤が蒸発するのを回避で
き、乾燥時と吸水時における摩擦係数の変化が一層小さ
くできる。
ング剤の沸点がバインダの熱硬化温度よりも高いので、
加熱処理によりバインダを硬化させる際に(摩擦材の製
造中に)シラン系カップリング剤が蒸発するのを回避で
き、乾燥時と吸水時における摩擦係数の変化が一層小さ
くできる。
【0011】
【発明の実施の形態】本実施形態の摩擦材は、基材,潤
滑材,摩擦調整材及びバインダを混合して加熱加圧成形
したものである。
滑材,摩擦調整材及びバインダを混合して加熱加圧成形
したものである。
【0012】基材は、耐熱強度を向上させるための材料
で、スチール繊維,銅繊維等の金属繊維、ロックウー
ル,チタン酸カリウムウィスカー,セラミックス繊維,
ガラス繊維等の無機繊維、シラン系カップリング剤によ
り表面処理されたアラミドパルプを含む有機繊維等やそ
れらの混合物を用いることができる。
で、スチール繊維,銅繊維等の金属繊維、ロックウー
ル,チタン酸カリウムウィスカー,セラミックス繊維,
ガラス繊維等の無機繊維、シラン系カップリング剤によ
り表面処理されたアラミドパルプを含む有機繊維等やそ
れらの混合物を用いることができる。
【0013】アラミドパルプは、表面がミクロにフィブ
リル化しているため、そこに水分が取り込まれる恐れが
ある。ところが、本実施形態では、アラミドパルプはシ
ラン系カップリング剤により表面処理されているので、
アラミドパルプ表面への水分の付着を防ぐことができ
る。また、このシラン系カップリング剤は、アラミドパ
ルプとの密着性に優れるため、使用時にそれが剥離する
のを回避できる。ここで、シラン系カップリング剤とし
ては、ビニル基,エポキシ基,メタクリロキシ基,アミ
ノ基,クロロプロピル基,メルカプト基等をもつものを
使用できる。具体的には、N−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン,γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン,ビニルトリメトキシシラン,γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン,γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン等を用いることができる。尚、ア
ラミドパルプへの表面処理は、乾式,湿式(浸漬,真空
含浸等),スプレー法など何れの方法を採用しても良い
が、アラミドパルプ内部への浸漬が十分いきわたるよう
シラン系カップリング剤の処理液の粘度を設定する必要
がある。
リル化しているため、そこに水分が取り込まれる恐れが
ある。ところが、本実施形態では、アラミドパルプはシ
ラン系カップリング剤により表面処理されているので、
アラミドパルプ表面への水分の付着を防ぐことができ
る。また、このシラン系カップリング剤は、アラミドパ
ルプとの密着性に優れるため、使用時にそれが剥離する
のを回避できる。ここで、シラン系カップリング剤とし
ては、ビニル基,エポキシ基,メタクリロキシ基,アミ
ノ基,クロロプロピル基,メルカプト基等をもつものを
使用できる。具体的には、N−フェニル−γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン,γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン,ビニルトリメトキシシラン,γ
−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン,γ−クロ
ロプロピルトリメトキシシラン,γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン等を用いることができる。尚、ア
ラミドパルプへの表面処理は、乾式,湿式(浸漬,真空
含浸等),スプレー法など何れの方法を採用しても良い
が、アラミドパルプ内部への浸漬が十分いきわたるよう
シラン系カップリング剤の処理液の粘度を設定する必要
がある。
【0014】潤滑材は、自己及び相手材の耐摩耗性を向
上させるためのもので、グラファイト,金属硫化物等を
用いることができる。摩擦調整材は、摩擦係数を高める
ためのもので、ダスト,コークス,硫酸バリウム,マイ
カ類,金属粉等の有機無機充填材等を単独又は併せて用
いることができる。バインダは、基材,潤滑材及び摩擦
調整材を結合させるための樹脂で、エポキシ樹脂,フェ
ノール樹脂,メラミン樹脂等を用いることができる。
上させるためのもので、グラファイト,金属硫化物等を
用いることができる。摩擦調整材は、摩擦係数を高める
ためのもので、ダスト,コークス,硫酸バリウム,マイ
カ類,金属粉等の有機無機充填材等を単独又は併せて用
いることができる。バインダは、基材,潤滑材及び摩擦
調整材を結合させるための樹脂で、エポキシ樹脂,フェ
ノール樹脂,メラミン樹脂等を用いることができる。
【0015】上記の摩擦材は、アラミドパルプをシラン
系カップリング剤で表面処理し、他の材料と共に混合
し、加熱加圧成形することにより、得られる。
系カップリング剤で表面処理し、他の材料と共に混合
し、加熱加圧成形することにより、得られる。
【0016】
(実施例1)まず、N−フェニル−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン(信越化学工業製,KBM573,
沸点312℃)3重量部,脱イオン水5重量部,メタノ
ール92重量部を混合して、シランカップリング系表面
処理液を作った。この表面処理液によりアラミドパルプ
8重量部を表面処理し、乾燥させた。
トリメトキシシラン(信越化学工業製,KBM573,
沸点312℃)3重量部,脱イオン水5重量部,メタノ
ール92重量部を混合して、シランカップリング系表面
処理液を作った。この表面処理液によりアラミドパルプ
8重量部を表面処理し、乾燥させた。
【0017】次に、基材である上記表面処理が施された
アラミドパルプ15体積%,銅繊維6体積%及びセラミ
ックス繊維15体積%と、潤滑材であるグラファイト9
体積%と、摩擦調整材であるカシューダスト17体積%
及び硫酸バリウム15体積%と、バインダであるフェノ
ール樹脂23体積%とをアイリッヒミキサーによって5
分間混合した。次いで、混合物を160℃の金型に投入
し、圧力30MPaで10分間加熱加圧成形を行った。
成形後に230℃の炉内で3時間熱処理を行い、熱硬化
性樹脂であるフェノール樹脂を完全に硬化させ、摩擦材
であるディスクブレーキパッドを得た。
アラミドパルプ15体積%,銅繊維6体積%及びセラミ
ックス繊維15体積%と、潤滑材であるグラファイト9
体積%と、摩擦調整材であるカシューダスト17体積%
及び硫酸バリウム15体積%と、バインダであるフェノ
ール樹脂23体積%とをアイリッヒミキサーによって5
分間混合した。次いで、混合物を160℃の金型に投入
し、圧力30MPaで10分間加熱加圧成形を行った。
成形後に230℃の炉内で3時間熱処理を行い、熱硬化
性樹脂であるフェノール樹脂を完全に硬化させ、摩擦材
であるディスクブレーキパッドを得た。
【0018】このブレーキパッドの吸水性及び吸湿性を
以下のように調べた。吸水性については、20℃,50
%RHの雰囲気中で水滴を適量(例えば20μl)滴下
してから、それが吸水されるまでの時間(分)を測定し
た。また、吸湿性については、上記のブレーキパッドを
30×30×5mmのサイズに切断し、それを10℃,
80%の恒温恒湿槽内に4時間放置し、放置前後の重量
変化を測定することにより、吸湿された水分の量(mg
/cm3 )を測定した。これらの測定結果を表1に示
す。
以下のように調べた。吸水性については、20℃,50
%RHの雰囲気中で水滴を適量(例えば20μl)滴下
してから、それが吸水されるまでの時間(分)を測定し
た。また、吸湿性については、上記のブレーキパッドを
30×30×5mmのサイズに切断し、それを10℃,
80%の恒温恒湿槽内に4時間放置し、放置前後の重量
変化を測定することにより、吸湿された水分の量(mg
/cm3 )を測定した。これらの測定結果を表1に示
す。
【0019】更に、上記吸湿試験前後の摩擦係数も測定
した。これらの摩擦係数の測定は、ダイナモメーターで
測定した。具体的には、JASO−C406−82に準
拠してすりあわせを行い、24℃,初速35km/hで
摩擦係数を測定した。最後に、吸湿試験前のパッドの摩
擦係数と吸湿試験後のパッドの摩擦係数との差Δμを計
算した。その結果も表1に示す。
した。これらの摩擦係数の測定は、ダイナモメーターで
測定した。具体的には、JASO−C406−82に準
拠してすりあわせを行い、24℃,初速35km/hで
摩擦係数を測定した。最後に、吸湿試験前のパッドの摩
擦係数と吸湿試験後のパッドの摩擦係数との差Δμを計
算した。その結果も表1に示す。
【0020】(実施例2)実施例1のN−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学
工業製,KBM503,沸点255℃)を用いたもの
で、それ以外は実施例1と同一である。ここで、得られ
たブレーキパッドの吸水性及び吸湿性並びに吸湿試験前
後の摩擦係数の変化(差)を実施例1と同様に測定し
た。その結果を表1に示す。
−アミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越化学
工業製,KBM503,沸点255℃)を用いたもの
で、それ以外は実施例1と同一である。ここで、得られ
たブレーキパッドの吸水性及び吸湿性並びに吸湿試験前
後の摩擦係数の変化(差)を実施例1と同様に測定し
た。その結果を表1に示す。
【0021】(実施例3)実施例1のN−フェニル−γ
−アミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、ビニ
ルトリエトキシシラン(信越化学工業製,KBM100
3,沸点161℃)を用いたもので、それ以外は実施例
1と同一である。ここで得られたブレーキパッドの吸水
性及び吸湿性並びに吸湿試験前後の摩擦係数の変化
(差)を実施例1と同様に測定した。その結果を表1に
示す。
−アミノプロピルトリメトキシシランの代わりに、ビニ
ルトリエトキシシラン(信越化学工業製,KBM100
3,沸点161℃)を用いたもので、それ以外は実施例
1と同一である。ここで得られたブレーキパッドの吸水
性及び吸湿性並びに吸湿試験前後の摩擦係数の変化
(差)を実施例1と同様に測定した。その結果を表1に
示す。
【0022】(従来例1)アラミドパルプをシラン系カ
ップリング剤で表面処理しない代わりに、セラミックス
繊維を弗素系樹脂(昭和電工製,SA200)で表面処
理したもので、それ以外は実施例1〜3と同一である。
この従来例1のブレーキパッドの吸水性及び吸湿性並び
に吸湿試験前後の摩擦係数の変化(差)を実施例1と同
様に測定した。その結果を表1に示す。
ップリング剤で表面処理しない代わりに、セラミックス
繊維を弗素系樹脂(昭和電工製,SA200)で表面処
理したもので、それ以外は実施例1〜3と同一である。
この従来例1のブレーキパッドの吸水性及び吸湿性並び
に吸湿試験前後の摩擦係数の変化(差)を実施例1と同
様に測定した。その結果を表1に示す。
【0023】(従来例2)アラミドパルプを(だけでな
くセラミックス繊維も)表面処理しないもので、それ以
外は実施例1〜3と同一である。この従来例1のブレー
キパッドの吸水性及び吸湿性並びに吸湿試験前後の摩擦
係数の変化(差)を実施例1と同様に測定した。その結
果を表1に示す。
くセラミックス繊維も)表面処理しないもので、それ以
外は実施例1〜3と同一である。この従来例1のブレー
キパッドの吸水性及び吸湿性並びに吸湿試験前後の摩擦
係数の変化(差)を実施例1と同様に測定した。その結
果を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、本実施例1〜3
のブレーキパッドは、従来例1,2の摩擦材に比べて、
吸湿試験前後の摩擦係数の変化(差)が小さい。これ
は、水分を取り込み易いアラミドパルプを密着性に優れ
るシラン系カップリング剤で表面処理したためと考えら
れる。
のブレーキパッドは、従来例1,2の摩擦材に比べて、
吸湿試験前後の摩擦係数の変化(差)が小さい。これ
は、水分を取り込み易いアラミドパルプを密着性に優れ
るシラン系カップリング剤で表面処理したためと考えら
れる。
【0026】また、実施例1,2のものは、従来例1,
2のものに比べて、耐吸水性が著しく向上していると共
に、吸湿試験前後の摩擦係数の変化(差)が著しく小さ
い。これは、アラミドパルプを密着性に優れ且つその沸
点が成形温度(160℃)及び熱処理温度(230℃)
よりも高い(つまりバインダの熱硬化温度よりも高い)
シラン系カップリング剤で表面処理したためと考えられ
る。
2のものに比べて、耐吸水性が著しく向上していると共
に、吸湿試験前後の摩擦係数の変化(差)が著しく小さ
い。これは、アラミドパルプを密着性に優れ且つその沸
点が成形温度(160℃)及び熱処理温度(230℃)
よりも高い(つまりバインダの熱硬化温度よりも高い)
シラン系カップリング剤で表面処理したためと考えられ
る。
【0027】更に、実施例1,2のものは、実施例3の
ものに比べて、耐吸水吸湿性が向上していると共に、吸
湿試験前後の摩擦係数の変化(差)が著しく小さい。こ
れは、アラミドパルプをその沸点が成形温度(160
℃)及び熱処理温度(230℃)よりも高いシラン系カ
ップリング剤で表面処理したためと考えられ、成形時や
熱処理時にシラン系カップリング剤が蒸発しなかったた
めと考えられる。
ものに比べて、耐吸水吸湿性が向上していると共に、吸
湿試験前後の摩擦係数の変化(差)が著しく小さい。こ
れは、アラミドパルプをその沸点が成形温度(160
℃)及び熱処理温度(230℃)よりも高いシラン系カ
ップリング剤で表面処理したためと考えられ、成形時や
熱処理時にシラン系カップリング剤が蒸発しなかったた
めと考えられる。
【0028】尚、表1から明らかなように、セラミック
ス繊維(無機繊維)を弗素系樹脂で表面処理した従来例
1でも、表面処理されていない従来例2と比べて、耐吸
水性,耐吸湿性の向上は殆ど見られず、吸湿試験前後の
摩擦係数の変化も未だ大きい。
ス繊維(無機繊維)を弗素系樹脂で表面処理した従来例
1でも、表面処理されていない従来例2と比べて、耐吸
水性,耐吸湿性の向上は殆ど見られず、吸湿試験前後の
摩擦係数の変化も未だ大きい。
【0029】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、アラミドパル
プをシラン系カップリング剤で表面処理したので、従来
技術と比べて、乾燥時と吸水時における摩擦係数の変化
を小さくできる。
プをシラン系カップリング剤で表面処理したので、従来
技術と比べて、乾燥時と吸水時における摩擦係数の変化
を小さくできる。
【0030】請求項2の発明によれば、請求項1の効果
に加えて、シラン系カップリング剤の沸点がバインダの
熱硬化温度よりも高いので、加熱処理によりバインダを
硬化させる際に(摩擦材の製造中に)シラン系カップリ
ング剤が蒸発するのを回避でき、乾燥時と吸水時におけ
る摩擦係数の変化が一層小さくできる。
に加えて、シラン系カップリング剤の沸点がバインダの
熱硬化温度よりも高いので、加熱処理によりバインダを
硬化させる際に(摩擦材の製造中に)シラン系カップリ
ング剤が蒸発するのを回避でき、乾燥時と吸水時におけ
る摩擦係数の変化が一層小さくできる。
Claims (2)
- 【請求項1】 シラン系カップリング剤により表面処理
されたアラミド繊維を含む基材を用いた摩擦材。 - 【請求項2】 シラン系カップリング剤により表面処理
されたアラミド繊維を含む基材と、熱硬化性樹脂である
バインダとから成り、 前記シラン系カップリング剤の沸点は、前記バインダの
熱硬化温度よりも高い摩擦材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10706296A JPH09291271A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 摩擦材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10706296A JPH09291271A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 摩擦材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09291271A true JPH09291271A (ja) | 1997-11-11 |
Family
ID=14449535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10706296A Pending JPH09291271A (ja) | 1996-04-26 | 1996-04-26 | 摩擦材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09291271A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1996
- 1996-04-26 JP JP10706296A patent/JPH09291271A/ja active Pending
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