JPH0929109A - メタル担体 - Google Patents

メタル担体

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JPH0929109A
JPH0929109A JP7206789A JP20678995A JPH0929109A JP H0929109 A JPH0929109 A JP H0929109A JP 7206789 A JP7206789 A JP 7206789A JP 20678995 A JP20678995 A JP 20678995A JP H0929109 A JPH0929109 A JP H0929109A
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JP
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corrugated
metal
honeycomb body
strip
corrugated strip
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JP7206789A
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Yasuji Sakamoto
保司 坂本
Haruo Serizawa
治夫 芹沢
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Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
Original Assignee
Usui Kokusai Sangyo Kaisha Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01NGAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
    • F01N3/00Exhaust or silencing apparatus having means for purifying, rendering innocuous, or otherwise treating exhaust
    • F01N3/08Exhaust or silencing apparatus having means for purifying, rendering innocuous, or otherwise treating exhaust for rendering innocuous
    • F01N3/10Exhaust or silencing apparatus having means for purifying, rendering innocuous, or otherwise treating exhaust for rendering innocuous by thermal or catalytic conversion of noxious components of exhaust
    • F01N3/24Exhaust or silencing apparatus having means for purifying, rendering innocuous, or otherwise treating exhaust for rendering innocuous by thermal or catalytic conversion of noxious components of exhaust characterised by constructional aspects of converting apparatus
    • F01N3/28Construction of catalytic reactors
    • F01N3/2803Construction of catalytic reactors characterised by structure, by material or by manufacturing of catalyst support
    • F01N3/2807Metal other than sintered metal
    • F01N3/281Metallic honeycomb monoliths made of stacked or rolled sheets, foils or plates
    • F01N3/2814Metallic honeycomb monoliths made of stacked or rolled sheets, foils or plates all sheets, plates or foils being corrugated
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F01MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
    • F01NGAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; GAS-FLOW SILENCERS OR EXHAUST APPARATUS FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINES
    • F01N2330/00Structure of catalyst support or particle filter
    • F01N2330/30Honeycomb supports characterised by their structural details
    • F01N2330/38Honeycomb supports characterised by their structural details flow channels with means to enhance flow mixing,(e.g. protrusions or projections)

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 S字状タイプまたは巴状タイプのメタルハニ
カム体を主要な構成要素とする排気ガス浄化用メタル担
体MSを提供する。 【解決手段】 波高t1 及び幅W1 を有する金属板製波
板状帯材1と、異質の波板状帯材2を交互に積層形成し
たスタック(S=S1 〜Sn ,nは1以上の整数)を使
用し、スタックの中央部を中心に巻回成形し、スタック
の波板状帯材1、2の端部がメタルケーシングの内壁面
に当る構造としたS字状または巴状タイプのメタルハニ
カム体とメタルケーシングよりなるメタル担体におい
て、波板状帯材2が、波板状帯材1の中央部から外縁部
(メタルケーシングの内壁面に当る部位)の方向にみ
て、波板状帯材1の幅W1 内で面積が増加する面積増加
型の波板2で構成され、その波形の形成角度(メタルハ
ニカム体の軸方向と波形の稜線がなす角度)が、波板状
帯材1の波形の形成角度と異るものより成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、一般に、自動車の排気
ガス浄化手段として排気系統に介装されて使用される、
排気ガス浄化用触媒を担持させるため金属製のハニカム
構造体(以下、メタルハニカム体という。)を主要な構
成要素とするメタル担体に関する。
【0002】更に詳しくは、本発明は、従来の典型的な
巻回タイプのメタルハニカム体に代えてS字状タイプや
巴状タイプのメタルハニカム体を採用するとともに、前
記S字状タイプなどのメタルハニカム体の構成部材(平
板状帯材及び波板状帯材)のうち、平板状帯材を特殊構
造の第二の波板で置換し、浄化性能、耐久性、及び耐振
性に優れるとともに経済性に優れた新しい構造のメタル
担体に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来の典型的な排気ガス浄化用のメタル
担体は、図17〜図18に示されるように、(i) 耐熱性
の薄肉金属板製の平板状帯材と波板状帯材で構成される
ハニカム構造体であって、排気ガス浄化用触媒(例えば
Pt,Rh,Pdなどを使用した触媒系)を担持するた
めのメタルハニカム体(H' )、及び前記メタルハニカ
ム体(H' )を内部に収容し、固定するための金属製の
ケーシング(以下、メタルケーシングという。)、とか
ら構成されるものである。なお、前記メタル担体は、当
業界においては、メタルサポート(Metal Support )ま
たはメタルサブストレート(Metal Substrate )といわ
れており、略記号MSが使用される。本発明の説明にお
いても、前記略記号MSが使用される。また、以下、メ
タルハニカム体については、ハニカム構造(Honeycomb
Structure )に因んで、従来技術のものを(H' )、本
発明のものを(H)という略記号で示す。更に、メタル
ケーシングについては、略記号Cが使用される。
【0004】前記した従来のメタル担体(MS)の主要
な構成要素であるメタルハニカム体(H' )としては、
種々の構造のものが提案されている。前記した図17〜
図18に示されるメタルハニカム体(H' )は、特に図
18に示されるように平板状帯材と波板状帯材が巻回積
層されていることから巻回タイプと称されているもので
ある。なお、図17は、従来の巻回タイプのメタルハニ
カム体(H' )をメタルケーシング(C)内に固定した
メタル担体(MS)の斜視図を示す。また、図18は前
記図17のメタル担体(MS)の正面図であり、特に従
来の巻回タイプのメタルハニカム体(H' )の正面図を
示している。
【0005】前記した従来の巻回タイプのメタルハニカ
ム体(H' )は、例えば100μm以下(好ましくは5
0μm以下)の耐熱性の薄肉鋼板からなる平板状帯材
(1')と、前記平板状帯材(1' )を波付加工して調
製した波板状帯材(2)とを、相互に当接部を有するよ
うに重積し、これを一括渦巻き状に巻回成形して軸方向
に排気ガス通路のための多数の網目状通気孔路(セル)
(3)を持つハニカム構造体としたものである。
【0006】そして、従来のメタル担体(MS)は、前
記した巻回タイプのメタルハニカム体(H' )を、メタ
ルケーシング(C)の内部に収容し、固着されて製造さ
れる。いうまでもなく、メタル担体(MS)は、排気ガ
ス系統という厳しい熱的環境の条件下で使用されるた
め、前記メタルハニカム体(H' )とメタルケーシング
(C)は強固に固着されて製造されるものである。
【0007】即ち、メタルハニカム体(H' )とメタル
ケーシング(C)の両構成要素は、排気ガス自体の高温
度、及び排気ガスと担持されている排気ガス浄化用触媒
との接触反応(発熱反応)により発生する高温度にさら
され、特にメタルハニカム体内部に熱応力に基づく大き
な変形力が誘発されるため、前記熱応力に耐え得るよう
に強固に固着される。なお、前記固着手段としては、当
業界において溶接、ろう接合などの固着手段が採用され
ている。
【0008】より具体的には、メタルハニカム体(H'
)とメタルケーシング(C)の当接面は、これら両構
成要素の離体を防止するという観点などから強固に固着
されるものである。前記した固着方式として、例えば、
メタルハニカム体(H' )内部に大きな熱応力が発生
し、これが両構成要素の当接面に集中・集積し両構成要
素の離体を誘発するため、前記熱応力を吸収・緩和させ
るために、前記当接面の特定部位を固着するという方式
が提案されている(例えば、実開昭62−19443号
参照)。
【0009】また、メタルハニカム体(H' )において
も、前記した過酷な使用条件下における耐久性の確保と
いう観点から、その構成部材である平板状帯材(1' )
と波板状帯材(2)の当接部は、種々の方法及び方式に
より固着される。例えば、メタルハニカム体内部の所定
部位の平板状帯材(1' )と波板状帯材(2)との当接
部がろう接合や溶接などにより固着される(例えば、特
公昭63−44466号、特開平2−218442号参
照)。
【0010】前記した従来のメタル担体(MS)の主要
な構成要素である巻回タイプのメタルハニカム体(H'
)は、従来のセラミック製のモノリスタイプのものよ
りも種々の点で優れているが、前記した厳しい熱的使用
条件下で生起する大きな熱応力に対して、まだ改善の余
地を残すものである。特に、メタルハニカム体内部に発
生する熱応力に基づく大きな変形力が、メタルケーシン
グ(C)の内壁面(内周面)に当接するメタルハニカム
体の外周部、及びその近傍部位に集中・集積するため、
両構成要素(メタルハニカム体とメタルケーシング)の
間の離体、及び前記部位におけるメタルハニカム体の構
成部材(平板状帯材と波板状帯材)の変形、座屈、破損
が生じ、耐久性を大きく損ねる。
【0011】これは、従来の巻回タイプのメタルハニカ
ム体(H' )においては、メタルハニカム体(H' )の
メタルケーシング(C)の内壁面に当接する外周部に注
目すると、前記外周部の構造が、一組の平板状帯材(1
' )と波板状帯材(2)がメタルケーシング(C)の内
壁面に沿うように当接する構造のものであること、即ち
面状に当接する構造のものであり、熱応力に基づく大き
な変形力を十分に吸収・緩和することができないためで
ある。
【0012】最近、前記した渦巻状の巻回タイプのメタ
ルハニカム体(H' )に代えて、一組の平板状帯材(1
' )と波板状帯材(2)から成る最小構成単位の複数組
を使用し、かつ前記最小構成単位の各端部(平板状帯材
と波板状帯材のそれぞれの端部)が、メタルケーシング
(C)の内壁面に当接する構造のメタルハニカム体(H
' )が提案されている。この種の新しい構造のメタルハ
ニカム体(H' )として、例えば、特開昭62−273
051号(特公平4−64740号)にS字状タイプと
称するものが、また特公表3−502660号に巴状タ
イプと称するものが提案されている。
【0013】前記したS字状タイプや巴状タイプのメタ
ルハニカム体(H' )は、後述するように本発明の改良
の対象とされるものであり、本発明の理解のために図示
されている。即ち、前記S字状タイプのメタルハニカム
体(H' )の構造と製造プロセスの概要が図19〜図2
1に示され、また巴状タイプのメタルハニカム体(H'
)の構造と製造プロセスの概要が図22〜図23に示
されている。なお、これらS字状タイプまたは巴状タイ
プのメタルハニカム体(H' )の構造や製造プロセスの
詳細は、後述される。
【0014】前記したS字状タイプまたは巴状タイプの
メタルハニカム体(H' )は、従来の渦巻状巻回タイプ
のメタルハニカム体(H' )と比較して熱応力の吸収、
緩和特性に優れたものである。これは、前記したように
従来の巻回タイプのメタルハニカム体(H' )において
は、一つの最小構成単位(一組の平板状帯材と波板状帯
材)の端部がメタルケーシング(C)の内壁面に沿うよ
うにして当接しているのに対し、前記したS字状タイプ
または巴状タイプのメタルハニカム体(H' )において
は、所望の数の最小単位の各端部が、メタルケーシング
(C)の内壁面に当接する構造のものであり、このため
各端部において熱応力を吸収、緩和することができるた
めである。
【0015】前記したように従来のS字状タイプまたは
巴状タイプのメタルハニカム体(H' )は、メタルハニ
カム体の外周部及びその近傍部位に集中、集積する熱応
力を各最小構成単位(一組の平板状帯材と波板状帯材)
が夫々に分担して吸収、緩和することができるため、メ
タルハニカム体の耐久性に一定の改善がなされているも
のである。
【0016】しかしながら、前記S字状タイプまたは巴
状タイプのメタルハニカム体(H')に対して、より高
度の性能や特性の実現、及びセラミックモノリスに対す
る経済性の追及(コスト低減化)が強く求められる。例
えば、これらS字状タイプや巴状タイプの特殊構造のメ
タルハニカム体(H' )において、その中心部と外周部
を比較した場合、前記したように外周部の耐久性は改善
されているが、それとの相対的関係において中心部の耐
久性が低下する結果になる。特に、この種のメタルハニ
カム体は激しい振動が印加される条件下で使用されるた
め、中心部の耐振性の向上は強く求められている。
【0017】また、この種のS字状タイプまたは巴状タ
イプのメタルハニカム体は、他の構造のメタルハニカム
体と同様に中心部においてテレスコーピング(スコーピ
ング、フィルムアウトなどともいわれている。)現象を
起し、耐久性を損ねるため、その対策が強く求められて
いる。前記テレスコーピング現象とは、メタルハニカム
体の中心部が排気ガス流方向に飛び出してしまう現象を
いう。これは、メタルハニカム体の中心部において、排
気ガス流の速度が最大であり、従って排気ガスと担持さ
れた排気ガス浄化用触媒との接触反応(発熱反応)によ
りメタルハニカム体の中心部は他の部位より高温度に加
熱され、大きな熱応力を発生するためである。前記テレ
スコーピング現象は、エンジンの始動、停止毎に繰り返
されて誘発されるため、メタルハニカム体の中心部の耐
久性を損ねるものである。
【0018】更に、従来の平板状帯材(1' )と波板状
帯材(2)を構成部材とするS字状タイプまたは巴状タ
イプのメタルハニカム体(H' )は、他の構造のメタル
ハニカム体と同様にその構成部材の当接部を固着して製
造されるものであるが、当接部に触媒を担持させること
ができないため、帯材の全表面に対する触媒担持のため
の有効面積は低くならざるを得ない。例えば、メタルハ
ニカム体用の帯材として使用されているFe−Cr(2
0%)−Al(5%)系などの厚さが50μm以下の耐
熱鋼箔の価格は、厚さ1.5mm程度のSUS 304
と比較して5倍前後と極めて高価なものである。従っ
て、材料費の節約、触媒担持のための有効面積の増大化
が強く求めている。
【0019】更にまた、前記したメタルハニカム体の構
成部材の固着に関連して、高価な高温ろう材の節約が強
く求められている。この種のメタルハニカム体の固着手
段として、一般的には固着操作の確実性、固着強度の安
定性などの観点からろう接合方式が採用されている。し
かしながら、使用されるろう材は、メタル担体(MS)
の高温雰囲気下での使用ということから、例えばNi
系、Ni−Cr系などの高価な高温用ろう材が使用され
ており、経済性の観点からその使用量の低減化が強く求
められている。なお、前記したろう材使用量の低減化の
要請は、次ぎの点からも求められているものである。前
記したように、従来のメタルハニカム体の構成部材(平
板状帯材と波板状帯材)の当接部の面積は大きいもので
あり、このため使用されるろう材も多くなり、ろう材成
分とメタルハニカム体の構成部材との合金化反応や拡散
反応により構成部材の耐熱性の低下、担持された触媒の
不活性化などの問題が誘発される。従ってこの面からも
ろう材使用量の低減化が強く求められている。
【0020】
【発明が解決しようとする問題点】本発明は、前記した
従来のS字状タイプまたは巴状タイプのメタルハニカム
体(H' )に対する要求特性の高度化や経済性の要求に
答えるべくなされたものである。本発明者らは、従来の
S字状タイプまたは巴状タイプのメタルハニカム体(H
' )の改善について鋭意、検討を加えた。その結果、従
来のS字状タイプまたは巴状タイプのメタルハニカム体
(H' )は、平板状帯材と波板状帯材を交互にかつ所望
段数に重積して構成したスタック(stack )を使用して
製造されるものであるが、前記スタックにおいて、前記
スタックを構成する平板状帯材を特殊構造の第二の波板
で置換した場合、前記した要求特性と経済性の実現が図
れるという知見を得た。
【0021】本発明は、前記知見をベースとして完成さ
れたものであり、本発明により排気ガスの浄化特性、耐
久性、及び耐振性に優れるとともに経済性に優れたS字
状タイプまたは巴状タイプのメタルハニカム体を主要な
構成要素とするメタル担体(MS)が提供される。
【0022】
【問題点を解決するための手段】本発明を概説すれば、
所望の波高(t1 )及び所望の幅(W1 )を有する薄肉
金属板製の第一波板状帯材(1)と、前記第一波板状帯
材(1)とは異質の第二波板状帯材(2)を交互に所望
段数に積層して形成した所望数のスタック(S=S1 〜
Sn ,nは1以上の整数)を使用し、前記各スタックの
略中央部を中心に巻回成形し、各スタックの第一〜第二
波板状帯材(1、2)の端部が外包するメタルケーシン
グの内壁面に当接する構造とした排気ガス浄化用触媒を
担持するためのS字状または巴状タイプのメタルハニカ
ム体、及び前記メタルハニカム体を外包するメタルケー
シング、とからなるメタル担体において、前記第二波板
状帯材(2)が、(i).前記第一波板状帯材(1)の中央
部から外縁部(メタルケーシングの内壁面に当接する部
位)の方向にみて、前記第一波板状帯材(1)の幅(W
1 )内で面積が増加する面積増加型の波板で構成され、
かつ、(ii).その波形の形成角度(メタルハニカム体の
軸方向と波形の稜線がなす角度)が、前記第一波板状帯
材(1)の波形の形成角度と相違したもので構成された
こと、を特徴とするメタル担体に関するものである。
【0023】以下、本発明の技術的構成及び実施態様を
図面を参照して詳しく説明する。なお、本発明は、図示
のものに限定されないことはいうまでもないことであ
る。
【0024】前記したように、本発明のメタル担体(M
S)は、その主要な構成要素であるメタルハニカム体
(H)として、従来の図19〜図21に示されるS字状
タイプ、及び図22〜図23に示される巴状タイプのメ
タルハニカム体(H' )を改良したものを採用する点に
特徴がある。そして、本発明は、特に、この種の特殊構
造のメタルハニカム体を利用したメタル担体(MS)に
おいて、排気ガスの浄化性能、耐久性、耐振性に優れる
と共に、経済性に優れると共に、経済性に優れたメタル
担体(MS)を提供しようとするものである。
【0025】そこで、本発明の理解を助けるために、ま
ず本発明が改良の対象としている前記した従来のS字状
タイプと巴状タイプのメタルハニカム体(H' )につい
て説明する。従来のS字状タイプのメタルハニカム体
(H' )とその製造プロセスを含めた概要は、図19〜
図21に示されている。即ち、図20は従来のS字状タ
イプのメタルハニカム体(H' )の正面図を示し、図1
7は前記メタルハニカム体(H' )を製造するために使
用される従来のスタック(S1')の斜視図を示し、図1
8は前記スタック(S1')の略中央部の上下最外面に二
つの巻回成形用治具(W1 ,W2 )を配設し、該巻回成
形用治具を同一方向に巻回してS字状タイプのメタルハ
ニカム体(H' )を製造する方法を示している。なお、
図19〜図21において、図を明確にするために、一部
の平板状帯材(1)と波板状帯材(2)のみが示されて
おり、他は省略されている。
【0026】図示されるように、従来の前記S字状タイ
プのメタルハニカム体(H' )は、薄肉金属板製の一組
の平板状帯材(1' )と波板状帯材(2)を最小構成単
位として製作される。即ち、図20に示されるように平
板状帯材(1' )と波板状帯材(2)を交互に所望段数
に積層してスタック(S1')を形成し、次いで図21に
示されるように前記スタック(S1')の外表面(上面及
び下面)に二つの巻回成形用治具(W1 ,W2 )を配設
し、該巻回成形用治具を同一方向(例えば時計回り方
向)に巻回することにより、図19に示されるS字状タ
イプのメタルハニカム体(H' )が製作される。図中、
(3)はセルを示す。なお、図19にみられるように、
メタルハニカム体(H' )の中心部において、スタック
(S1')を構成する平板状帯材(1' )と波板状帯材
(2)がS字状にわん曲した形状をしているため、当業
界においてはこの種のメタルハニカム体(H' )をS字
状タイプのメタルハニカム体と俗称している。
【0027】従って、本発明においてS字状タイプのメ
タルハニカム体(H)とは、前記製造プロセスによって
製造されるものの総称であることに留意すべきである。
即ち、本発明のS字状タイプのメタルハニカム体(H)
は、次に説明する巴状タイプのメタルハニカム体(H)
を包含する概念であり、使用するスタック数は所望のも
のであってもよいことはいうまでもないことである。
【0028】そして、前記のようにして製作された従来
S字状タイプのメタルハニカム体(H' )は、図19に
示されるように別体として調製されたメタルケーシング
(C)内に填装され、固着されてメタル担体(MS)と
される。
【0029】次に、本発明の理解を助けるために、従来
のメタルハニカム体(MS)の主要な構成要素である巴
状タイプのメタルハニカム体(H' )について説明す
る。従来の巴状タイプのメタルハニカム体(H' )とそ
の製造プロセスを含めた概要は、図22〜図23に示さ
れている。なお、図22は、巴状タイプのメタルハニカ
ム体(H' )の正面図であるが、図を明確にするために
一部の平板状帯材(1' )と波板状帯材(2)のみが示
されており、他は省略されている。
【0030】前記巴状タイプのメタルハニカム体(H'
)は、図23に示されるように、次のようにして製造
されるものである。即ち、平板状帯材(1' )と波板状
帯材(2)を所望段数に積層して形成した三つのスタッ
ク(S1',S2',S3')を使用し、各スタックの中心角
を120°にするとともに相互に当接させて組合わせ
る。次いで、各スタックの略中央部の外表面に一つづ
つ、合計三つの巻回成形用治具(W1 ,W2 ,W3 )を
図23に示されるように配設し、該巻回成形用治具を同
一方向(例えば時計回り方向)に巻回することにより、
図22に示される巴状タイプのメタルハニカム体(H'
)が製作される。なお、図22に示されるように、メ
タルハニカム体(H' )の中心部において、三つのスタ
ック(S1',S2',S3')が巴状(三つ巴状)になって
いるため、当業界においてはこの種のメタルハニカム体
(H' )を巴状タイプと俗称している。また、いうまで
もないことであるが、前記S字状タイプ及び巴状タイプ
のメタルハニカム体(H' )において、正面(断面)形
状は図示の円形のものに限定されず、レーストラック形
状などの任意形状のものであってもよい。
【0031】そして、図22に示されるように、前記従
来の巴状タイプのメタルハニカム体(H' )は、メタル
ケーシング(C)内に填装され固着されてメタル担体
(MS)とされる。
【0032】以下、本発明の技術的構成及び実施態様を
図面を参照して詳しく説明する。なお、以下に説明する
本発明のメタル担体(MS)において、その主要な構成
要素であるメタルハニカム体(H)は、説明の便宜上、
S字状タイプのものであるが、本発明はこれに限定され
るものではない。
【0033】図1〜図5は、本発明の第1実施態様のメ
タル担体(MS)を説明する図である。図1は、従来技
術に関する図19に対応する図であり、本発明の第1実
施態様のS字状タイプのメタルハニカム体(H)、及び
前記メタルハニカム体(H)を外包するメタルケーシン
グ(C)とからなるメタル担体(MS)の正面図であ
る。図1において、メタルハニカム体(H)部の太線部
分は、後述する第二波板状帯材(2)の介在部位を示し
ている。
【0034】図2は、本発明の第二波板状帯材(2)の
斜視図である。図示されるように、前記第二波板状帯材
(2)は、中央部(a)から両端部(b)の方向に面積
が増大するように構成され、かつ波形を有するもので構
成される。本発明の前記第二波板状帯材(2)は、S字
状タイプのメタルハニカム体(H)を調製するために使
用されるスタック(S1 )(従来技術に関する図20を
参照)に適用される重要な構成部材である。即ち、本発
明の第二波板状帯材(2)は、従来技術(図20参照)
の平板状帯材(1' )にとってかわる(置換する)重要
な構成部材となるものである。
【0035】図3は、本発明の第1実施態様のメタル担
体(MS)を製造するために使用されるスタック(S1
)の一部斜視図である。より正確には、図3に示され
るスタック(S1 )は第1実施態様のメタル担体(M
S)の主要な構成要素であるメタルハニカム体(H)を
製造するために使用されるものである。図示されている
ように、本発明の前記スタック(S1 )は、従来のスタ
ック(S1')(従来技術に関する図20参照)と比較し
て、従来技術の平板状帯材(1' )を前記第二波板状帯
材(2)で置換している点に特徴がある。即ち、本発明
のスタック(S1 )は、第一波板状帯材(1)(これは
従来の波板状帯材と同じ構成のものである。)と前記し
た第二波板状帯材(2)で構成している点に特徴があ
る。なお、本発明において、第一波板状帯材(1)の幅
(W1 )は、製造されるメタルハニカム体(H)の大き
さとの関連で所望の大きさのものに設定すればよい。
【0036】図2〜図3に示されるように、本発明の前
記第二波板状帯材(2)は、(1).第一波板状帯材(1)
の中央部(a)から外縁部(b)(メタルケーシングの
内壁面に当接する部位)の方向にみて、表面積が増加す
る(以下、面積増加型という。)波板で構成されるとと
もに、(2).その波形の形成角度、即ち製造されるメタル
ハニカム体(H)の軸方向と第二波板状帯材(2)の波
形の稜線がなす角度が、第一波板状帯材(1)の波形の
形成角度と相違したもので構成される、という点に特徴
を有する。
【0037】前記第一〜第二波板状帯材(1、2)の波
形の形成角度のもとにおいて、それぞれの帯材(1、
2)は、波の稜線の(メタルハニカム体の軸方向に対す
る)位相が異なるため、相互に落ち込むことはない。即
ち、一方の帯材の谷部(または山部)に他方の帯材の谷
部(または山部)が落込んで相互に重なり合うことがな
い。図4は、第一〜第二波板状帯材(1、2)の波形の
形成角度を説明するものである。図において、第一波板
状帯材(1)の波形の形成角度は、排気ガス流方向
(F)を基準にして、前記排気ガス流方向(F)と平行
な方向(f1 )、即ち(f1)は排気ガス流方向(F)
と0度の角度をもって形成されることを示している。ま
た、第二波板状帯材(2)の波形の形成角度は、前記方
向(f1 )に交わる任意の方向(f2 ,f2',F2'' )
のものであることを示している。なお、本発明におい
て、前記方向(f1 )と前記方向(f2 ,f2',f2''
)は相互に平行にならない限り、任意の方向のもので
あってよいことはいうまでもないことである。図2〜図
3においては、方向(f1 )と方向(f2 )が直交する
態様のものが示されている。
【0038】図5は、前記第一〜第二波板状帯材(1、
2)からなるスタック(S1 )から製作したメタルハニ
カム体(H)の構造を説明する図である。即ち、図5
は、排気ガス流方向(F)にみて、排気ガスが流入する
メタルハニカム体(H)の前面側端部の一部を切欠いた
斜視図である。本発明のメタルハニカム体(H)は、前
記した構造の第二波板状帯材(2)を使用して製造され
るため、第一波板状帯材(1)同士の間に第二波板状帯
材(2)が介在しない領域を有するものである。以下、
前記領域を空間スペース(SP)という。前記空間スペ
ース(SP)は、図示されるように第二波板状帯材
(2)の波高(t2 )に相当する間隔をもって第一波板
状帯材(1)同士の間に形成されることはいうまでもな
いことである。
【0039】本発明において、第一波板状帯材(1)の
波高(t1 )と波長(λ1 )は、所望の高さや大きさの
ものが採用されるが、当業界においてこの種のメタルハ
ニカム体に適用されている波板状帯材と同じものであっ
てもよい。一般に、前記波高(t1 )は、0.5〜2.
5mmであり、また波長(λ1 )は2〜5mmである。
【0040】本発明において、第二波板状帯材(2)の
波高(t2 )と波長(λ2 )は、前記第一波板状帯材
(1)との相対関係において小さい値に設定される。特
に、本発明において、第二波板状帯材(2)の波高(t
2 )は、形成される空間スペース(SP)の次のような
機能を勘案し、その機能が十分に発揮されるように設定
されることが好ましい。即ち、前記空間スペース(S
P)は、排気ガス流を攪拌・乱流化し、排気ガス浄化能
を向上させる上で重要である。一方、空間スペース(S
P)の上下両側を規定する第一波板状帯材(1)の壁面
にはウォッシュコート層が形成され、排気ガス浄化用触
媒が担持される。従って、空間スペース(SP)は前記
した触媒層の形成のための十分な空間を有し、かつ前記
した排気ガス流の攪拌・乱流化機能を発揮するに十分な
空間を有すべきである。
【0041】前記した点を考慮に入れて検討した結果、
空間スペース(SP)の大きさ、別言すれば第二波板状
帯材(2)の波高(t2 )は、第二波板状帯材の板厚
(前記したように当業界においては50μmのものが使
用されている。)の2倍〜4倍、具体的には100μm
〜200μmに設定されればよく、このような波高のも
とで十分な効果が発揮される。なお、本発明において、
前記空間スペース(SP)の大きさを規定する第二波板
状帯材(2)の波長(λ2 )は、前記した大きさに限定
されることなく、所望の値のものに設定されてもよいこ
とはいうまでもないことである。
【0042】本発明において、前記空間スペース(S
P)を積極的に設けることの意義は、耐熱疲労性を向上
させる観点からも重要なものである。即ち、従来のメタ
ルハニカム体(H' )のように、同幅の平板状帯材(1
' )と波板状帯材(2)を使用(図20参照)し、その
当接部をろう接合などにより固着するものにおいては、
メタルハニカム体内部に発生する熱応力を吸収・緩和す
る能力に劣る。一方、前記空間スペース(SP)の存在
は、この部位においてメタルハニカム体の構成部材が当
接せず、かつ固着されていないため、熱応力の吸収・緩
和ゾーンとして作用する。
【0043】前記空間スペース(SP)の大きさを規定
する他の因子は、面積増加型の第二波板状帯材(2)に
おいて、面積増加領域をどのような構成のもとに形成す
るかに係わる。その際、メタルハニカム体(H)の全体
的な強度、耐久性、耐振性、及び高価な帯材の節約度な
どを考慮すべきであることはいうまでもないことであ
る。なお、面積増加領域の形成態様は、後述の実施態様
で詳しく説明される。
【0044】本発明において、スタック(S1 )の構成
部材として前記第二波板状帯材(2)を採用することに
より、次のような効果を得ることができる。 (i).第二波板状帯材(2)の前記構造からして、中央
部から外縁部方向の単位長さ当りの第二波板状帯材
(2)の質量において、外縁部に比較して中央部が小さ
くなるため、メタルハニカム体(H)の中央部における
外部からの振動負荷に対する耐振性を向上させることが
できる。
【0045】(ii).第二波板状帯材(2)の前記構造か
らして、中央部(a)とその近傍部位において、自己変
形により熱応力を効果的に吸収、緩和することができ
る。これは、メタルハニカム体(H)の中心部でのフィ
ルムアウト(テレスコーピング)を効果的に抑制ないし
防止できることを意味する。また、本発明の前記第二波
板状帯材(2)と第一波板状帯材(1)の当接部を固着
して製作したメタルハニカム体(H)において、その中
心部は、従来の同幅の平板状帯材と波板状帯材の当接部
を固着して製作したメタルハニカム体(H' )の中心部
よりも、柔構造であるため、熱応力の吸収・緩和特性に
優れたものである。即ち、第二波板状帯材(2)の採用
により、メタルハニカム体(H)の中心部の耐久性は大
幅に改善される。
【0046】(iii).第二波板状帯材(2)の前記構造か
らして、メタルハニカム体(H)の内部、特に中心部と
その近傍部位に空間スペース(SP)が形成され、前記
部位において排気ガスが攪拌、乱流化されるため、排気
ガスの浄化性能が改善される。また、前記排気ガス流の
攪拌、乱流化に関連して、メタルハニカム体(H)内部
での排気ガスと担持触媒との接触反応がより均一化する
ため、メタルハニカム体(H)内部でのヒートスポット
の形成が防止される。これは局部的な熱応力に基づく構
造部材の変形、座屈などが防止されることを意味するも
のである。
【0047】(iv).第二波板状帯材(2)の採用によ
り、メタルハニカム体(H)の構成部材の当接部の固着
のために使用するNi基ベースなどの高価な高温用ろう
材の節約やメタルハニカム体の軽量化などのメリットを
享受することができる。
【0048】本発明において、前記したスタック(S1
)の構成部材、別言すればS字状タイプのメタルハニ
カム体(H)を構成する第一波板状帯材(1)と、第二
波板状帯材(2)としては、従来のメタルモノリスタイ
プのハニカム体(H' )の製作に使用されているものを
使用すればよい。より具体的には、クロム鋼(クロム1
3%〜25%)、Fe−Cr20%−Al 5%の耐熱
性のステンレス鋼、あるいはこれに耐高温酸化性を改善
するために希土類金属(REM)を加えた耐熱性のステ
ンレス鋼など、厚さが0.03〜0.1mm程度の帯材
を使用すればよい。なお、帯材(1、2)にAlを含有
させたものや、あるいはその表面にAl層を設けたもの
を熱処理し、その表面にウィスカー状もしくはマッシュ
ルーム状のアルミナ(Al2 3 )を析出させたものが
好ましい。前記ウィスカー状などのアルミナは、Pt,
Pd,Rhなどの排気ガス浄化用触媒を担持するための
ウォッシュコート層を強固に保持することができるので
好ましいものである。
【0049】本発明のS字状タイプのメタルハニカム体
(H)は、前記図19に示されるものと同様にメタルケ
ーシング(C)に収納、固着されて排気ガス浄化用のメ
タル担体(MS)とされるものである。前記メタル担体
(MS)を構成するメタルケーシング(C)を製作する
ために使用される材料としては、前記メタルハニカム体
(H)を構成する帯材(1、2)や補強板(11)と同
種の耐熱鋼を使用してもよい。あるいは、耐熱耐食性に
富む二重構造としたもの、具体的には内側部分にフェラ
イト型ステンレス鋼を、外側部分にオーステナイト型ス
テンレス鋼を使用した二重構造のメタルケーシング
(C)を使用してもよい。
【0050】前記メタル担体(MS)において、排気ガ
ス浄化用の触媒の担持は、常法に従って行えばよい。即
ち、メタルハニカム体(H)のハニカム構造の壁面に、
排気ガス浄化用触媒の支持体層としてのウォッシュコー
ト(wash coat )層を形成し、より具体的には触媒活性
を高めることができる大きな表面積を有するγ−Al2
3 のコーティング層を形成し、次いでPt,Pd,R
h型酸化還元触媒などの排気ガス浄化用触媒を担持すれ
ばよい。
【0051】図6は、本発明の第2実施態様のメタル担
体(MS)を製作するために使用されるスタック(S1
)を説明する図である。図6は、前記第1実施態様の
メタル担体(MS)を製作するために使用されるスタッ
ク(S1 )に関係する図3に対応する図である。図6に
示される第2実施態様のメタル担体(MS)を製作する
ために使用されるスタック(S1 )が、前記図3(第1
実施態様)に示されるものと大きく異なる点は、面積増
加型の第二波板状帯材(2)のほかに、前記第二波板状
帯材(1)よりも厚肉の第二波板状帯材(2A)を使用
しているという点である。
【0052】なお、本発明において、前記した厚肉の面
積増加型の第二波板状帯材(2A)は、メタルハニカム
体が製作されたときに、その中心部に配設されるように
スタック(S1 )に適用されることが好ましい。これ
は、メタルハニカム体(H)の中心部の強度が、前記厚
肉の面積増加型の第二波板状帯材(2A)により向上す
るためである。また、本発明において、前記した厚肉の
面積増加型の第二波板状帯材(2A)の使用枚数は、所
望枚数であってよいことはいうまでもないことである。
【0053】本発明において、第二波板状帯材(2)の
形状、構造には種々の変形例が可能である。以下、本発
明の第二波板状帯材(2)の変形例について図を参照し
て説明するが、本発明はこれらのものに限定されない。
【0054】図7は、前記図2〜図3に示される第1実
施態様の通常の肉厚の第二波板状帯材(2)、及び図6
に示される厚肉の第2実施態様の第二波板状帯材(2
A)に引き続く第3実施態様の第二波板状帯材(2)を
示す図(平面図)である。第3実施態様の第二波板状帯
材(2)(図7)が前記第1実施態様(図2)のものと
大きく異なる点は、第二波板状帯材(2)の両側部を中
心部(a)から外縁部(b)にかけて所望の曲率(R)
を有するようにした点である。
【0055】図8は、第二波板状帯材(2)の第4実施
態様を示す図であり、前記第1実施態様に関する図2に
対応する図である。第4実施態様の補強板(図8)が前
記第1実施態様のものと大きく異なる点は、製造される
メタルハニカム体(H)の前面部、即ち図中(F)で示
される排気ガス流方向にみて、排気ガスが流入する部位
(メタルハニカム体の前端部位)に第二波板状帯材
(2)が存在するように構成されている点である。図8
に示される構造の第二波板状帯材(2)の採用により、
従来技術においてS字状タイプのメタルハニカム体
(H)の前面部において観察される構成帯材の亀裂成
長、破損などが効果的に防止される。
【0056】図9は、第二波板状帯材(2)の第5実施
態様を示す図であり、前記第4実施態様の変形例であ
る。第5実施態様の第二波板状帯材(2)(図9)が、
前記第3実施態様のもの(図8)と大きく異なる点は、
排気ガス流出部側の縁部を曲率(R)をもつようにした
点である。
【0057】図10は、第二波板状帯材(2)の第6実
施態様を示す図である。また、図11は、第二波板状帯
材(2)の第7実施態様を示す図である。図10と図1
1は、それぞれ図8(第4実施態様)と図9(第5実施
態様)に対応するものである。第6〜第7実施態様(図
10〜図11)の第二波板状帯材(2)が、前記第4〜
第5実施態様(図8〜図9)のものと大きく異なる点
は、製造されるメタルハニカム体(H)の後面部、即ち
図中(F)で示される排気ガス流方向にみて、排気ガス
が流出する部位に第二波板状帯材(2)が存在するよう
に構成されている点である。前記構成の第二波板状帯材
(2)の採用により、この種のメタルハニカム体(H)
の排気ガス流出端側において観察されるテレスコーピン
グ(メタルハニカム体の中央部が排気ガス流方向に飛び
出してしまう現象をいう。スコーピング、フィルアウト
などともいわれている。)を低減化することができる。
【0058】図12〜図13は、それぞれ本発明の第二
波板状帯材(2)の第8〜第9実施態様を示す図であ
る。第8実施態様の第二波板状帯材(2)(図12)は
前記第1実施態様(図2)の変形例とみることができ、
また第9実施態様の第二波板状帯材(2)(図13)は
前記第6実施態様(図10)の変形とみることができ
る。第8〜第9実施態様(図12〜図13)の第二波板
状帯材(2)で特徴的な点は、中央部(a)から外縁部
(b)の方向にみて、段階的に面積が増加しているとい
う点である。そして、第二波板状帯材(2)は、大きさ
の異なる数種類の矩形状ストリップ材(e1 ,e2 ,e
3 )で構成されているという点である。前記したように
本発明の第二波板状帯材(2)は、耐熱鋼製の帯材(従
来のこの種の用途に使用されている平板状帯材及び波板
状帯材)と同種の材質のもので構成されるが、これら帯
材は極めて高価なものである。従って、本実施態様の第
二波板状帯材(2)は、前記した他の実施態様のものよ
りも経済的である。これは、帯材からの矩形状ストリッ
プ材の得率が高いことから明らかなことである。
【0059】図14〜図16は、更に別のカテゴリーに
属する本発明の第二波板状帯材(2)の実施態様を示す
図である。即ち、図14(第10実施態様)、図15
(第11実施態様)、及び図16(第12実施態様)に
示される第二波板状帯材(2)において特徴的な点は、
第二波板状帯材(2)が、その中心部(a)から外縁部
(b)の方向にみて、中心部から外縁部近傍の領域まで
面積一定領域を有し、それに連接されて面積増加領域を
有する点である。図14〜図16に示される構造の第二
波板状帯材(2)を採用することにより、メタルハニカ
ム体(H)の中心部に発生する大きな熱応力を前記第二
波板状帯材(2)を介してメタルハニカム体(H)の外
周部に伝播させることができ、外周部において前記熱応
力を効果的に吸収、緩和することができる。なお、前記
図示の面積増加領域は、一段階で面積を増大させる態様
のものであるが、本発明においては多段階に面積を増大
させたり、あるいは連続的に面積を増大させる態様のも
のであってもよいことはいうまでもないことである。
【0060】本発明において、S字状タイプまたは巴状
タイプのメタルハニカム体(H)を製造するときに使用
するスタック(S)は、使用するスタックの少なくとも
一つに前記した第二波板状帯材(2)を有すべきであ
る。いうまでもなく、例えば三個のスタックを使用して
巴状タイプのメタルハニカム体(H)を製造するとき、
その一つまたは全てに前記第二波板状帯材(2)を適用
してもよいものである。
【0061】
【発明の効果】本発明のメタル担体(MS)は、S字状
タイプまたは巴状タイプのメタルハニカム体(H)を主
要な構成要素とするものであるが、前記メタルハニカム
体(H)を製造するときに使用するスタックとして、従
来の平板状帯材に代えて特殊構造の波板状帯材、即ち従
来と同種の第一波板状帯材と特殊構造の波板状帯材、即
ち従来と同種の第一波板状帯材と特殊構造の第二波板状
帯材の二種の波板状帯材からなるスタックを採用する点
に特徴を有する。
【0062】即ち、本発明において、前記スタックは、
従来技術による平板状帯材に代えて、第二波板状帯材と
して、(i).第一波板状帯材の中央部から外縁部(メタル
ケーシングの内壁面に当接する部位)の方向にみて、(i
i).その波形の形成角度(メタルハニカム体の軸方向と
波形の稜線がなす角度)が、前記第一波板状帯材の波形
の形成角度と相違して構成されたもの、を使用する点に
特徴を有する。
【0063】本発明において、スタックの構成部材とし
て前記特殊構造の第二波板状帯材を採用することによ
り、以下の優れた効果を奏することができる。 (1).第二波板状帯材の前記構造からして、中央部から外
縁部の方向の単位長さ当りの第二波板状帯材の質量にお
いて、外縁部に比較して中央部が小さくなるため、メタ
ルハニカム体(H)の中央部における外部からの振動負
荷に対する耐振性を向上させることができる。
【0064】(2).第二波板状帯材の前記構造からして、
中央部とその近傍部位において、自己変形により熱応力
を効果的に吸収、緩和することができる。これは、メタ
ルハニカム体(H)の中心部でのフィルムアウトを効果
的に抑制ないし防止できることを意味する。また、本発
明の前記第二波板状帯材と第一波板状帯材の当接部を固
着して製作したメタルハニカム体(H)において、その
中心部は、従来の平板状帯材と波板状帯材の当接部を固
着して製作したメタルハニカム体(H' )の中心部より
も、柔構造であるため、熱応力の吸収・緩和特性に優れ
たものである。即ち、第二波板状帯材の採用により、メ
タルハニカム体(H)の中心部の耐久性は大幅に改善さ
れる。
【0065】(3).第二波板状帯材の前記構造からして、
メタルハニカム体(H)の内部、特に中心部とその近傍
部位に空間スペース(SP)が形成され、前記部位にお
いて排気ガスが攪拌、乱流化されるため、排気ガスの浄
化性能が改善される。また、前記排気ガス流の攪拌、乱
流化に関連して、メタルハニカム体(H)内部での排気
ガスと担持触媒との接触反応がより均一化するため、メ
タルハニカム体(H)内部でのヒートスポットの形成が
防止される。これは局部的な熱応力の防止、別言すれば
局部的な熱応力に基づく構造部材の変形、座屈などを防
止できることを意味する。
【0066】(4).第二波板状帯材の採用により、メタル
ハニカム体(H)の構成部材の当接部の固着のために使
用するNi基ベースなどの高価な高温用ろう材の節約や
メタルハニカム体の軽量化などのメリットを享受するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施態様のS字状タイプのメタ
ルハニカム体(H)を主要な構成要素とするメタル担体
(MS)の正面図である。
【図2】 本発明の第1実施態様のメタル担体(MS)
を製造するためのスタック(S1 )に適用される第1実
施態様の第二波板状帯材の斜視図である。
【図3】 本発明の第1実施態様のメタル担体(MS)
を製造するために使用されるスタック(S1 )の一部を
省略した斜視図である。
【図4】 第一波板状帯材と第二波板状帯材の波形の形
成角度を説明する図である。
【図5】 本発明の第1実施態様のメタル担体(MS)
のメタルハニカム体部の一部(排気ガス流入端部側)斜
視図である。
【図6】 本発明の第2実施態様のメタル担体(MS)
を製造するために使用される第2実施態様の第二波板状
帯材を利用したスタック(S1 )の一部を省略した斜視
図である。
【図7】 本発明のメタル担体(MS)を製造するため
のスタックに適用される第3実施態様の第二波板状帯材
の平面図である。
【図8】 本発明のメタル担体(MS)を製造するため
のスタックに適用される第4実施態様の第二波板状帯材
の平面図である。
【図9】 本発明のメタル担体(MS)を製造するため
のスタックに適用される第5実施態様の第二波板状帯材
の平面図である。
【図10】 本発明のメタル担体(MS)を製造するた
めのスタックに適用される第6実施態様の第二波板状帯
材の平面図である。
【図11】 本発明のメタル担体(MS)を製造するた
めのスタックに適用される第7実施態様の第二波板状帯
材の平面図である。
【図12】 本発明のメタル担体(MS)を製造するた
めのスタックに適用される第8実施態様の第二波板状帯
材の平面図である。
【図13】 本発明のメタル担体(MS)を製造するた
めのスタックに適用される第9実施態様の第二波板状帯
材の平面図である。
【図14】 本発明のメタル担体(MS)を製造するた
めのスタックに適用される第10実施態様の第二波板状
帯材の平面図である。
【図15】 本発明のメタル担体(MS)を製造するた
めのスタックに適用される第11実施態様の第二波板状
帯材の平面図である。
【図16】 本発明のメタル担体(MS)を製造するた
めのスタックに適用される第12実施態様の第二波板状
帯材の平面図である。
【図17】 従来の巻回タイプのメタルハニカム体(H
' )を主要な構成要素とするメタル担体(MS)の斜視
図である。
【図18】 図17に示されるメタル担体(MS)の正
面図である。
【図19】 従来のS字状タイプのメタルハニカム体
(H' )を主要な構成要素とするメタル担体(MS)の
一部を省略した正面図である。
【図20】 図19のメタルハニカム体(H' )を製造
するために使用されるスタック(S1')の斜視図であ
る。
【図21】 図20に示されるスタック(S1')の巻回
成形法を説明する図である。
【図22】 従来の巴状タイプのメタルハニカム体(H
' )を主要な構成要素とするメタル担体(MS)の一部
を省略した正面図である。
【図23】 図22のメタルハニカム体(H' )を製造
するために使用されるスタック(S1',S2',S3')の
巻回成形法を説明する図である。
【符号の説明】
MS ……… メタル担体 H ……… 本発明のメタルハニカム体 H' ……… 従来のメタルハニカム体 C ……… メタルケーシング S1 ……… 本発明のスタック S1',S2',S3' ……… 従来のスタック W1 ,W2 ……… 巻回成形用治具 F ……… 排気ガス流方向 1 ……… 第一波板状帯材 2 ……… 第二波板状帯材 3 ……… セル(網目状通気孔路) 1' ……… 平板状帯材(従来の構成部材) a ……… 中心部 b ……… 外縁部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所望の波高(t1 )及び所望の幅(W1
    )を有する薄肉金属板製の第一波板状帯材(1)と、
    前記第一波板状帯材(1)とは異質の第二波板状帯材
    (2)を交互に所望段数に積層して形成した所望数のス
    タック(S=S1〜Sn ,nは1以上の整数)を使用
    し、前記各スタックの略中央部を中心に巻回成形し、各
    スタックの第一〜第二波板状帯材(1、2)の端部が外
    包するメタルケーシングの内壁面に当接する構造とした
    排気ガス浄化用触媒を担持するためのS字状または巴状
    タイプのメタルハニカム体、及び前記メタルハニカム体
    を外包するメタルケーシング、とからなるメタル担体に
    おいて、前記第二波板状帯材(2)が、 (i).前記第一波板状帯材(1)の中央部から外縁部(メ
    タルケーシングの内壁面に当接する部位)の方向にみ
    て、前記第一波板状帯材(1)の幅(W1 )内で面積が
    増加する面積増加型の波板で構成され、かつ、 (ii).その波形の形成角度(メタルハニカム体の軸方向
    と波形の稜線がなす角度)が、前記第一波板状帯材
    (1)の波形の形成角度と相違したもので構成されたこ
    と、を特徴とするメタル担体。
  2. 【請求項2】 第二波板状帯材(2)の波形の形成角度
    と第一波板状帯材(1)の波形の形成角度が、直交する
    関係にある請求項1に記載のメタル担体。
  3. 【請求項3】 第二波板状帯材(2)の波形の形成角度
    と第一波板状帯材(1)の波形の形成角度が、0より大
    きく、かつ90°より小さい所望の交角をもつものであ
    る請求項1に記載のメタル担体。
  4. 【請求項4】 第二波板状帯材(2)の波高(t2 )
    が、第一波板状帯材の波高(t1 )より小さいものであ
    る請求項1に記載のメタル担体。
  5. 【請求項5】 第一波板状帯材(1)の波高(t1 )
    が、0.5mm〜2.5mmであり、第二波板状帯材
    (2)の波高(t2 )が、200μm以下である請求項
    4に記載のメタル担体。
  6. 【請求項6】 第二波板状帯材(2)の波高(t2 )
    が、100μm〜200μmである請求項5に記載のメ
    タル担体。
  7. 【請求項7】 第二波板状帯材(2)が、第一波板状帯
    材(1)の中央部から外縁部の方向にみて、面積漸増タ
    イプのものである請求項1に記載のメタル担体。
  8. 【請求項8】 第二波板状帯材(2)が、連続的に面積
    を増加するタイプのものである請求項7に記載のメタル
    担体。
  9. 【請求項9】 第二波板状帯材(2)が、段階的に面積
    を増加するタイプのものである請求項7に記載のメタル
    担体。
  10. 【請求項10】 第二波板状帯材(2)が、第一波板状
    帯材(1)の中央部から外縁部の方向にみて、面積一定
    領域のあとに、面積増加領域を有するものである請求項
    1に記載のメタル担体。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU692616B2 (en) * 1994-11-15 1998-06-11 Babcock-Hitachi Kabushiki Kaisha Catalyst structure and gas purification apparatus

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