JPH09290983A - エレベータ駆動装置の寿命改善方法及びエレベータ駆動装置 - Google Patents

エレベータ駆動装置の寿命改善方法及びエレベータ駆動装置

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JPH09290983A
JPH09290983A JP10683496A JP10683496A JPH09290983A JP H09290983 A JPH09290983 A JP H09290983A JP 10683496 A JP10683496 A JP 10683496A JP 10683496 A JP10683496 A JP 10683496A JP H09290983 A JPH09290983 A JP H09290983A
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sheave
rope
layer
weight
elevator drive
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JP10683496A
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Ryoji Okada
亮二 岡田
Masaaki Kagami
真▲卿▼ 各務
Mitsuaki Haneda
光明 羽田
Kensuke Kato
謙介 加藤
Masaki Ariga
正記 有賀
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Co Ltd
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Hitachi Ltd
Hitachi Building Systems Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】切削余裕のなく、且つ分解搬送が困難な構造の
エレベータシーブの寿命改善する方法を提供する。ま
た、容易にシーブ径を回復することのできるエレベータ
駆動装置を提供する。 【解決手段】駆動機2に接続された状態のシーブ円筒面
に肉盛り層3,4を形成し、次いで円筒面にロープを巻
きかける溝10を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はエレベータの駆動装
置の寿命改善方法、及びエレベータ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エレベータ駆動装置は乗りかごを牽引す
る複数本のロープを巻きかけて乗りかごを駆動するシー
ブ,シーブと連結しシーブを回転させる減速機,モータ
を含み、最上層の機械室に設置される。一般にシーブは
鋳鉄で製作され、従来は片状黒鉛鋳鉄、近年は球状黒鉛
鋳鉄が用いられている。
【0003】鋳鉄製シーブの外周面には複数本のロープ
を巻きかける複数の溝(以後、ロープ溝と表記する)が
形成されており、ロープとの摩擦係数を高めるため各種
形状の溝が検討,実用化されている。長期の使用によっ
てロープ溝はロープの微少すべりによって摩耗する。通
常、ロープ溝の摩耗は一様ではなく、溝ごとに異なり、
摩耗によって各溝における回転半径が異なってくる。回
転半径が異なるとロープ間の張力に差が生じ、設計時の
所定張力を超えるロープ,所定張力を下回るロープが生
じる。設計時の所定張力を超えるロープは一層のシーブ
摩耗を引き起こし、一方所定張力を下回るロープは、摩
擦力の低下によって乗りかごの牽引力の低下を引き起こ
す。
【0004】これらの問題を防ぐため、小型のシーブは
一定期間の使用後、新品と取り替える。しかし、大型シ
ーブは減速機からの取り外しが困難で、さらに大重量の
ため最上階での移動,上げおろしがきわめて困難であ
る。そこで、大型シーブの場合、駆動装置から取り外す
ことなく、摩耗したロープ溝をさらに切削し、新生面か
らなる新たなロープ溝を形成する方法が用いられる。一
般に取り外しが困難な大型シーブはあらかじめ切削する
肉厚が設計されており、一般にその肉厚は2〜3回の切
削に耐えうるものである。
【0005】また、摩耗限度に達したシーブに対して、
駆動機に連結した状態でロープ溝を切削し、高摩擦係数
の材料よりなるインサートリングを装着し、シーブの更
正を図る方法が特開昭57−138501号公報に開示されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】シーブ円筒面の2〜3
回の切削によって得られるシーブ寿命は約30〜40年
と予想される。しかしながら、建物の寿命を考慮すれば
エレベータのより長寿命化を図る必要がある。さらに十
分な作業設備のない最上階の機械室に配置され、且つ重
量物であるシーブは容易に移動できず、切削余裕のなく
なったシーブでもその寿命を改善する技術が必要となっ
てきた。
【0007】また、エレベータシーブは乗りかごの駆動
力を伝達する重要部品であるため、高い信頼性が求めら
れる。特にロープと接触するロープ溝は常時摩擦力によ
ってねじりが加わるため、駆動機と連結する軸と強固に
締結されねばならない。またロープ溝の摩擦件数が変動
するとロープすべりの原因となるため、安定した摩擦係
数が必要とされる。
【0008】従来技術では、切削余裕のなくなったシー
ブの寿命改善に関する検討がなされていなかった。ま
た、駆動機との連結する方法における信頼性に関する検
討がなされていなかった。
【0009】本発明の目的は切削余裕のなくなったエレ
ベータシーブを容易に回復するエレべータ駆動装置の寿
命改善方法を提供することにある。
【0010】また、本発明の他の目的は、容易にシーブ
径を回復することのできるエレベータ駆動装置を提供す
ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、以下の手段を用いる。
【0012】シーブの円筒面に複数層の肉盛り層を被覆
し、次いで円筒面にロープを巻きかける溝を形成する。
【0013】上記肉盛り層は最下層がNiを60重量%
以上含むNi合金,最外層をFeを80重量%以上含み
且つNi,Crのうち少なくとも一方を10重量%以
上,20重量%以下含むFe合金、或いは最下層をCを
1重量%以下含む低炭素鋼,最外層をFeを70重量%
以上含み且つNi,Crのうち少なくとも一方を10重
量%以上,20重量%以下含むFe合金とする。
【0014】上記最下層の厚みを0.5mm 以上,2mm以
下とし、最外層の厚みを1mm以上,5mm以下とする。
【0015】肉盛り層形成に粉末プラズマ肉盛り法を用
いる。
【0016】上記肉盛り処理、及びロープを巻きかける
溝形成を、シーブと減速機,モータとを連結した状態で
行う。
【0017】エレベータ駆動装置として、ロープを巻き
かける円筒面に、最下層がNiを60重量%以上含むN
i合金、或いは最下層がCを1重量%以下含む低炭素
鋼,最外層がFeを80重量%以上含み且つNi,Cr
のうち少なくとも一方を10重量%以上,20重量%以
下含むFe合金で形成される複数層の肉盛り層を被覆し
た片状黒鉛鋳鉄製シーブを用いる。
【0018】肉盛り処理は、摩耗によって肉厚の減じた
部材の回復方法として有効な表面処理法である。しか
し、一般に肉盛り処理は加熱を伴うため、黒鉛の析出し
ている鋳鉄製シーブは割れ、或いは肉盛り層の剥離が生
じやすい。シーブはエレベータ乗りかごを牽引するロー
プを摩擦力によって保持する重要部材であるため、安全
性の点から高い信頼性が必要とされる。従って、他の製
品部材のように単純な肉盛り処理の適用は困難である。
【0019】肉盛り層を2層とし、最下層にNiを60
重量%以上含むNi合金、或いはCを1重量%以下含む
低炭素鋼を厚み0.5mm 以上,2mm以下肉盛りし、最外
層にFeを80重量%以上含み且つNi,Crのうち少
なくとも一方を10重量%以上,20重量%以下含むF
e合金を厚み1mm以上,5mm以下肉盛りすることによっ
て以下の作用が生じる。
【0020】Niは凝固に際して炭素を黒鉛化する効果
があり、また比較的延性がある。従って肉盛り時の凝固
の際に素地の鋳鉄部にセメンタイトの析出が少なく、鋳
鉄との界面で亀裂の発生が少ない。さらに各種元素を加
えることによってより効果的とすることができる。例え
ばPを8〜12重量%添加し、Ni−P合金化すると共
晶反応によって融点が低下し、より低温でも肉盛り処理
が可能となる。或いは、Cuを30重量%加えたNi−
Cu合金は鋳鉄と優れた相性を有するため、良好な密着
力を発揮する。さらに、Ni合金は耐食性に優れ、他合
金との冶金的結合が容易である。Niの含有率が60重
量%以上のNi合金であれば、高い信頼性を求められる
エレベータシーブに適用できる上記作用を発揮する。低
炭素鋼は、鋳鉄との相性が良く、且つ炭素含有率が少な
いため凝固の際にセメンタイトの析出が少ない。その結
果、鋳鉄との界面で亀裂の発生が少なく、良好な肉盛り
層を形成できる。但し、C量を増すと割れの発生が増す
ため、その含有率は1重量%以下が望ましい。
【0021】また、これらの最下層の厚みは、0.5mm
以下では均一な肉盛り層を形成することが困難となる。
また2mmでは、肉盛り時の入熱過多によって割れが発生
しやすくなる。従って0.5mm 以上,2mm以下が望まし
い。
【0022】以上のようにNi合金、若しくはCを1重
量%以下含む低炭素鋼を最下層とすることで、高い信頼
性が必要とされるエレベータシーブの円筒面にも肉盛り
が可能となる。しかしながら、Ni合金の場合コスト高
となり、且つロープとのすべりに対する耐摩耗性が十分
ではない。低炭素鋼の場合も同様にロープとのすべりに
対する耐摩耗性が十分ではない。従って直接ロープとの
接触面に被覆することはできず、耐摩耗性に優れ、且つ
経済的な他合金の肉盛り層を多層化せねばならない。
【0023】Feを80重量%以上含み且つNi,Cr
のうち少なくとも一方を含むFe合金は、Ni合金,低
炭素鋼との冶金的相性が良く、且つマルテンサイトを形
成し高硬度化することによって優れた耐摩耗性を発揮す
る。経済性、及び耐摩耗性の点からNi,Crの含有率
は10重量%以上,20重量%以下が望ましい。この最
外層の厚みは、ロープ溝加工を考慮すれば1mm以上は必
要である。厚みが5mmを超えると肉盛り時の入熱過多に
よって割れが発生しやすくなる。従って1mm以上,5mm
以下が望ましい。
【0024】肉盛り法として粉末プラズマ法を用いるこ
とによって以下の作用が生じる。粉末プラズマ法は制御
が容易なプラズマを用いること、及び粉末の供給とプラ
ズマ出力が独立であることによって、肉盛り時の自由度
が高い。その結果、入熱を極力押さえた肉盛り処理が可
能であり、鋳鉄製エレベータシーブの割れ発生を抑制す
ることが可能である。また、供給材料が粉末であるた
め、肉盛り層の組成を自在にできる。エレベータシーブ
には使用するロープとの相性がきわめて重要であり、使
用するロープに合わせて肉盛り層の硬さ組成を変える必
要がある。さらに、粉末と母材の両方を溶融させるた
め、肉盛り層と母材は冶金的に結合するため、強固な密
着力が得られる。以上のごとく、高い信頼性を必要とさ
れるエレベータシーブの肉盛り方法として最も適した方
法である。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図1か
ら図4によって説明する。図1は本発明の一実施例であ
るエレベータ駆動装置の斜視図である。図1で1はシー
ブ、2は駆動機である。シーブ1は片状黒鉛鋳鉄製であ
り、円筒面に7本のロープ溝10がもうけられている。
なお、簡略化するためブレーキ装置,ロープ,そらせ車
は表記していない。シーブ1の円筒面にもうけられたロ
ープ溝にロープが巻きかかり、その一端には乗りかご
が、他端には釣り合い重りが連結される。シーブ1との
摩擦力によってロープに連結する乗りかごを駆動し、昇
降路を上下させる。
【0026】図2はシーブ1の断面図である。図2で、
3はFe−13Cr合金肉盛り層、4はNi肉盛り層、
5はシーブ材料のFC250である。Fe−13Cr合
金肉盛り層3は粉末プラズマ法によって形成し、膜厚は
2mmである。Ni肉盛り層4も粉末プラズマ法によって
形成し、膜厚は1mmである。なお、Ni肉盛り層4の膜
厚は肉盛り処理後未切削の状態の膜厚であり、Fe−1
3Cr合金肉盛り層3の膜厚は肉盛り処理時には4mmで
あり、切削し溝を形成した後の膜厚が2mmである。Ni
肉盛り層4の厚みは、0.5mm 以下では均一な肉盛り層
を形成することが困難となる。また2mmでは、肉盛り時
の入熱過多によって割れが発生しやすくなる。従って
0.5mm 以上,2mm以下が望ましい。Fe−13Cr合
金肉盛り層3の厚みは、ロープ溝加工を考慮すれば1mm
以上は必要である。厚みが5mmを超えると肉盛り時の入
熱過多によって割れが発生しやすくなる。従って1mm以
上,5mm以下が望ましい。
【0027】Ni層肉盛り4は凝固に際して炭素を黒鉛
化する効果があり、また比較的延性があるため、肉盛り
時の凝固の際に素地の鋳鉄部にセメンタイトの析出が少
なく、鋳鉄との界面で亀裂の発生が少ない。一方、Fe
−13Cr合金肉盛り層3は、Ni合金との冶金的相性
が良く、且つマルテンサイトによって高硬度であるため
優れた耐摩耗性を発揮する。
【0028】図3は本発明の別の実施例であるシーブ1
1の断面図である。3はFe−13Cr合金肉盛り層、
41は低炭素鋼肉盛り層、5はシーブ材料のFC250
である。Fe−13Cr合金肉盛り層3は粉末プラズマ
法によって形成し、膜厚は2mmである。低炭素鋼肉盛り
層41も粉末プラズマ法によって形成し、膜厚は1mmで
ある。なお、低炭素鋼肉盛り層41の膜厚は肉盛り処理
後、未切削の状態の膜厚であり、Fe−13Cr合金肉
盛り層3の膜厚は肉盛り処理時には4mmであり、切削し
溝を形成した後の膜厚が2mmである。低炭素鋼肉盛り層
41の厚みは、0.5mm 以下では均一な肉盛り層を形成
することが困難となる。また2mmでは、肉盛り時の入熱
過多によって割れが発生しやすくなる。従って0.5mm
以上,2mm以下が望ましい。Fe−13Cr合金肉盛り
層3の厚みは、ロープ溝加工を考慮すれば1mm以上は必
要である。厚みが5mmを超えると肉盛り時の入熱過多に
よって割れが発生しやすくなる。従って1mm以上,5mm
以下が望ましい。
【0029】低炭素鋼は、鋳鉄との相性が良く、且つ炭
素含有率が少ないため凝固の際にセメンタイトの析出が
少ない。その結果、鋳鉄との界面で亀裂の発生が少な
く、良好な肉盛り層を形成できる。但し、C量を増すと
割れの発生が増すため、その含有率は1重量%以下が望
ましい。
【0030】図2のシーブに施した本発明のシーブ寿命
改善方法を図4を用いて説明する。先ず、乗りかごを最
上階に配置し、別ロープで牽引し、ロープをシーブから
かけはずす。次いで、シーブ円筒面を洗浄しロープ油を
極力取り去る。次いで、シーブ円筒面に粉末プラズマ法
によってNi層を肉盛りする。この際、シーブは駆動機
から取り外さず、駆動機によって低速回転させながら肉
盛り処理を施す。肉盛り条件は、電圧20〜40V,電
流100〜200Aとし、粒度分布が50〜300μm
の純Ni粉末を用いた。なお、シールドガスとしてAr
を用い、溶融部分の酸化を防いだ。粉末プラズマ法は、
移行式アークによって母材,粉末の両方を溶融させるた
め、気孔欠陥の少ない緻密な肉盛り層を形成でき、高い
信頼性を必要とするエレベータシーブの表面処理として
最も適した肉盛り法である。Ni肉盛り層を形成後、再
び粉末プラズマ法によってFe−13Cr合金層の肉盛
り処理を施す。肉盛り条件は、電圧20〜40V,電流
100〜200Aとし、粒度分布が50〜300μmの
Fe−13Cr合金粉末を用いた。次いで、十分な冷却
後、シーブ側面に治具を用いてバイトを配置し、駆動機
によってシーブを低速回転させながらロープ溝を切削加
工し所定形状とする。ロープ溝の形状測定後、はずした
ロープをかけ直す。
【0031】本実施例では下層肉盛り層としてNiを用
いたが、本発明はNiに限定されるものではなく、Ni
を60重量%以上含むNi合金、例えばNi−Cr合
金,Ni−Cu合金であってもよい。また、別の実施例
では下層肉盛り層として低炭素鋼を用いたが、その組成
は特に限定するものではなく、炭素含有率が1重量%以
下であればよい。さらに、上層肉盛り層としてFe−1
3Cr合金を用いたが、本発明はFe−13Cr合金に
限定されるものではなく、耐食性,耐摩耗性に優れるF
eを80重量%以上含み且つNi,Crのうち少なくと
も一方を10重量%以上,20重量%以下含むFe合
金、例えばFe−18%Cr−8%Ni合金であっても
よい。
【0032】また、本実施例では、上昇肉盛り,下層肉
盛り共に粉末プラズマ法を用いたが、これに限定するも
のではない。すなわち、入熱による割れ発生の可能性の
高い下層肉盛りの際に粉末プラズマ法を用いる必要はあ
るが、上層の肉盛り処理まで限定する必要はない。上層
の肉盛り処理は通常の溶接肉盛り法を用いてもよい。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、交換が困難な構造のエ
レベータシーブを、駆動機から取り外すことなく、摩耗
による肉厚減を回復することができる。その結果、多大
に時間と労力を要するシーブ交換作業をすることなく、
エレベータ駆動装置の寿命を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例であるエレベータ駆動装置の
斜視図。
【図2】本発明の一実施例であるエレベータシーブの断
面図。
【図3】本発明の他の実施例であるエレベータシーブの
断面図。
【図4】本発明の一実施例であるエレベータ駆動装置の
寿命改善法の工程の説明図。
【符号の説明】
1…シーブ、2…駆動機、3…Fe−13Cr合金肉盛
り層、4…Ni肉盛り層、5…鋳鉄FC250、10…
ロープ溝、11…別の実施例のシーブ、41…低炭素鋼
層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽田 光明 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 加藤 謙介 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 有賀 正記 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式会 社日立製作所水戸工場内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】昇降路を移動する乗りかごを牽引するロー
    プ、前記ロープを巻きかけて前記乗りかごを駆動するシ
    ーブ、前記シーブと連結し前記シーブを回転させる減速
    機,モータを含むエレベータ駆動装置の寿命改善方法に
    おいて、前記シーブの円筒面に複数層の肉盛り層を形成
    し、次いで前記円筒面にロープを巻きかける溝を形成す
    ることを特徴とするエレベータ駆動装置の寿命改善方
    法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記肉盛り層は最下層
    がNiを60重量%以上含むNi合金,最外層がFeを
    80重量%以上含み且つNi,Crのうち少なくとも一
    方を10重量%以上,20重量%以下含むFe合金であ
    るエレベータ駆動装置の寿命改善方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記肉盛り層は最下層
    がCを1重量%以下含む低炭素鋼,最外層がFeを70
    重量%以上含み且つNi,Crのうち少なくとも一方を
    10重量%以上,20重量%以下含むFe合金であるエ
    レベータ駆動装置の寿命改善方法。
  4. 【請求項4】請求項2または3において、前記肉盛り層
    の形成に粉末プラズマ肉盛り法を用いるエレベータ駆動
    装置の寿命改善方法。
  5. 【請求項5】請求項1,2,3または4において、前記
    最下層の厚みを0.5mm 以上,2mm以下とし、前記最外
    層の厚みを1mm以上,5mm以下とするエレベータ駆動装
    置の寿命改善方法。
  6. 【請求項6】請求項1,2,3,4または5において、
    前記肉盛り処理、前記ロープを巻きかける溝の形成を、
    前記シーブと前記減速機、前記モータとを連結した状態
    で行うエレベータ駆動装置の寿命改善方法。
  7. 【請求項7】昇降路を移動する乗りかごを牽引するロー
    プ、前記ロープを巻きかけて前記乗りかごを駆動するシ
    ーブ、前記シーブと連結し前記シーブを回転させる減速
    機,モータを含むエレベータ駆動装置において、前記シ
    ーブは片状黒鉛鋳鉄で構成され、かつロープを巻きかけ
    る円筒面には最下層がNiを60重量%以上含むNi合
    金,最外層がFeを80重量%以上含み且つNi,Cr
    のうち少なくとも一方を10重量%以上,20重量%以
    下含むFe合金で形成される複数層の肉盛り層が形成さ
    れていることを特徴とするエレベータ駆動装置。
  8. 【請求項8】昇降路を移動する乗りかごを牽引するロー
    プ、前記ロープを巻きかけて前記乗りかごを駆動するシ
    ーブ、前記シーブと連結し前記シーブを回転させる減速
    機,モータを含むエレベータ駆動装置において、 前記シーブは片状黒鉛鋳鉄で構成され、かつロープを巻
    きかける円筒面には最下層がCを1重量%以下含む低炭
    素鋼,最外層がFeを80重量%以上含み且つNi,C
    rのうち少なくとも一方を10重量%以上,20重量%
    以下含むFe合金で形成される複数層の肉盛り層が形成
    されていることを特徴とするエレベータ駆動装置。
  9. 【請求項9】請求項1,2,3,4,5または6に記載
    のエレベータ駆動装置の寿命改善方法を用いて修理され
    たエレベータ駆動装置。
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