JPH09290265A - アルカリ水の製造方法及び電解槽 - Google Patents

アルカリ水の製造方法及び電解槽

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JPH09290265A
JPH09290265A JP12794996A JP12794996A JPH09290265A JP H09290265 A JPH09290265 A JP H09290265A JP 12794996 A JP12794996 A JP 12794996A JP 12794996 A JP12794996 A JP 12794996A JP H09290265 A JPH09290265 A JP H09290265A
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water
cathode
anode
alkaline water
chamber
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JP12794996A
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Takayuki Shimamune
孝之 島宗
Masashi Tanaka
正志 田中
Yoshinori Nishiki
善則 錦
Yasuo Nakajima
保夫 中島
Hideto Shimizu
秀人 清水
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De Nora Permelec Ltd
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Permelec Electrode Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
    • C02F1/46104Devices therefor; Their operating or servicing
    • C02F1/4618Devices therefor; Their operating or servicing for producing "ionised" acidic or basic water

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の酸性水及びアルカリ水の製造方法で
は、アルカリ水のみが必要な場合には供給する水の半分
しか有効利用できない。本発明は、供給する水を無駄に
することなく、飲用に適した酸化還元電位の低いアルカ
リ水を生成する方法及び電解槽を提供する。 【構成】 イオン交換膜2により陽極室3と陰極室4に
区画された電解槽本体の陽極室に原料水を供給して酸性
水を生成させ、その少なくとも一部を連結管8を通して
陰極室に供給して更に電解を行ないアルカリ水を製造す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2室型電解槽を使用し
て効率良くアルカリ水を製造する方法及び電解槽に関
し、より詳細には供給する水を無駄にすることなく、飲
用に適した酸化還元電位の低いアルカリ水を生成するた
めの方法及び電解槽に関する。
【0002】
【従来技術とその問題点】水道水を隔膜用電解槽で電解
して得られる陰極液はいわゆるアルカリイオン水として
薬効があると言われ、また味覚が向上することから広く
使用されている。特に最近では水道水の水質低下による
異臭の発生や味覚の悪化が生じ、この対策として前記電
解槽に活性炭やマイクロフィルターを組み込んで不純物
除去や脱臭も同時に行なうようにしたアルカリイオン水
(アルカリ水)の製造装置が広く使用されている。一方
電子部品の製造や洗浄には、従来から該用途のために特
別に調製された硫酸、フッ酸、過酸化水素、塩酸等が使
用されてきたが、不純物の混入や該不純物除去のための
精製が煩雑であることから、水電解による洗浄用酸性水
の製造が提案されている。この電解は陽極室に微量の塩
素イオンを添加し電解を行なうもので、酸性で酸化還元
電位(ORP)の極めて高い電解液が得られる。この溶
液は強い殺菌作用、消毒作用を有すると同時に使用後の
液には通常の水道水並みの食塩又は塩素イオンが残るの
みであるため、そのまま排水しても二次公害などの問題
を起こさないことから、用途に応じて広く使用されてい
る。しかしながら場合によっては微量ながら有機塩素化
合物の発生の可能性もあり、人体には無害とは断定でき
ない。
【0003】この水電解では陽極室の電解質として例え
ば塩化アンモニウム(NH4 Cl)や食塩(NaCl)
を使用すると、陽極反応は、 2Cl- → Cl2 + 2e- となり、生成する塩素ガスが水と反応して、 Cl2 + H2 O → 2H+ + Cl- + Cl
- + 2e- の不均化反応となり、生成する塩化水素の水素イオンに
より酸性となりかつ酸化性の強いpHが3以下でORP
>1.2 Vの次亜塩素酸の溶液が生成する。一方陰極室側
には水酸イオンが生成し、同時に電場によりミネラル分
の一部が陰極側に移動し陰極液として健康上有効なミネ
ラル分が付与された、僅かにアルカリ性で、水酸イオン
と発生水素によりORPを極めて低くした健康増進に寄
与する飲用水が生成する。つまり陰極還元による水道水
中の活性塩素の還元による分解、電解により発生する水
素によるORPの低下、又電解により同時に生成する水
酸基によるアルカリ化、カルシウムイオンの陰極側への
移動などが水質改善に繋がり、飲用として供する際の味
覚の向上に寄与するものと広く認識されている。
【0004】この酸性水及びアルカリ水の製造では、陽
極室と陰極室に同時に水を供給し、陽極室に供給した水
が酸性水として、又陰極室に供給した水がアルカリ水と
して取り出され、酸性水は主として半導体洗浄や洗顔液
として、又アルカリ水は飲用として利用される。従って
酸性水とアルカリ水の必要量がバランスしている場合は
問題ないが、一方のみを必要とし、他方が不要であるか
僅少量しか必要でない場合、例えばアルカリ水のみが必
要な場合には、この従来の水電解槽では陽極室で生成す
る酸性水が無駄になり、供給する水量の半分しか有効に
使用されないことになる。従って不要な電流を必要とし
たり、装置が大型化するといった問題点が生じている。
【0005】更にこれらの装置では電解槽に供給する前
の水を活性炭や精密濾過機器を組み合わせて不純物除去
を行なっているが、アルカリ水のみが必要な場合にはそ
の処理水量が2倍になるという欠点がある。電解後のア
ルカリ水を活性炭や精密濾過機器を使用して処理するこ
とにより処理水量の減少は達成できるものの、活性炭処
理によりアルカリ水の水質が変化したり、処理を一時中
止した後に再度操作を開始する際に前記活性炭や精密濾
過機器に残留していた性質の異なる水(残留塩素が除去
されているので細菌が繁殖している可能性がある)を取
り出すことになるという問題点がある。更に市水を陰極
室に供給して処理するのみでは、十分に殺菌が行なわれ
ない可能性もある。
【0006】
【発明の目的】本発明は、水電解により生成する酸性水
及びアルカリ水のうちアルカリ水のみを必要とする場合
に、電解槽に供給される水を無駄にすることなく、必要
な量のアルカリ水を電解的に生成するための方法及びア
ルカリ水製造用電解槽を提供することを目的とする。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明方法は、イオン
交換膜により陽極室及び陰極室に区画された水電解槽の
陽極室に原料水を供給しながら電解を行ない、得られる
酸性水の少なくとも一部を陰極室に供給して電解を行な
いアルカリ水を製造することを特徴とするアルカリ水の
製造方法であり、本発明に係わる電解槽は、原料水導入
口を有する陽極室、アルカリ水取出口を有する陰極室、
該陽極室及び陰極室を区画するイオン交換膜、該イオン
交換膜の両側に密着して設置された陽極及び陰極、及び
陽極室と陰極室を連結する連結管を含んで成ることを特
徴とするアルカリ水製造用電解槽である。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明の特
徴は、イオン交換膜で陽極室と陰極室に区画された水電
解槽の陽極室に水を供給して酸性水を生成し、この酸性
水の少なくとも一部、好ましくは全部を陰極室に循環供
給して、該酸性水をアルカリ水に変換し、生成するアル
カリ水の量に対する前記電解槽に供給される水の量を2
倍未満、好ましくは同量とすることにより、効率良く所
望の性質のアルカリ水を得る点にある。従来は、市水等
の水を陰極室に供給し電解することにより、健康上有効
なミネラル分が付与された、僅かにアルカリ性で、OR
Pの極めて低い健康増進に寄与するアルカリ水を製造し
ている。これに対し本発明では、原料である水は陰極室
へ供給する前にまず陽極室へ供給され電解されて酸性水
を一旦生成し、これを陰極室へ循環供給して陰極室で電
解する。
【0009】これにより従来は酸性水として使用され又
は廃棄されていた陽極室で生成する酸性水をアルカリ水
へ変換し使用することを可能にしている。本発明では、
水道水等の原料水をまず陽極室に供給し電解処理して酸
性水とした後に、陰極室へ循環供給して原料水全てをア
ルカリ水に変換することが望ましいが、例えば少量の酸
性水と多量のアルカリ水を必要とする場合には、陽極室
で得られる酸性水の一部を陽極室から取り出し、残りを
陰極室へ循環供給しても良く、この場合には分岐弁を使
用して取り出し及び循環を制御し、あるいは陽極室に酸
性水取出口を別個に形成しても良い。又原料水の全てを
陽極室に供給しその後陰極室に循環供給するのではな
く、原料水の一部を直接陰極室に供給しても良く、この
場合には陰極室に原料水導入口を形成する必要がある
が、これ以外の場合には陰極室に原料水導入口を形成し
なくても良い。本発明で原料水として使用可能な水道水
等の市水には細菌が棲息していることがあり、この細菌
の殺菌は水道水に含まれる活性塩素だけでは不十分なこ
とがある。しかし本発明では陰極室へ循環供給される段
階の水は、陽極酸化処理されているため十分な殺菌が行
なわれており、その後還元処理が行なわれ、所望の性質
のアルカリ水を得るようにしているため、本発明では前
記所望の性質以外にも従来のアルカリ水製造では達成で
きなかった殺菌が十分に行なわれたアルカリ水を得るこ
とができる。
【0010】従って例えば同量のアルカリ水と酸性水が
必要な場合にも、原料水を全て陽極室に供給して酸化処
理した後、得られる酸性水の半分をそのまま酸性水とし
て取り出し、残部を陰極室へ循環供給して殺菌されたア
ルカリ水を得るようにしても良い。本発明では隔膜とし
てイオン交換膜特に陽イオン交換膜を使用する。該イオ
ン交換膜はその近傍で酸化作用の強いオゾンを一部に含
む生成物が生ずるため、耐久性の優れたパーフルオロカ
ーボンスルホン酸型の陽イオン交換膜を使用することが
好ましく、又この種の陽イオン交換膜はそれ自身が触媒
として機能しオゾン発生に寄与するため更に好ましい。
更に本発明の電解処理では、電解液の電気伝導度が低い
ため、陽極及び陰極は前記イオン交換膜に近接させるこ
と、更に該イオン交換膜が実質的な固体電解質となるよ
うに、陽極及び陰極の一方又は両方を前記イオン交換膜
に密着させて前記したゼロギャップタイプの電解槽を構
成することも望ましい。生成する酸性水に対する安定性
を高めかつ電解電圧を低下させるために行なうこのゼロ
ギャップタイプ又はそれに近い電解においても前記陽イ
オン交換膜は安定で長寿命が期待できる。このゼロキャ
ップタイプ以外に、イオン交換膜表面に電極物質をめっ
きや蒸着又は焼成により被覆して構成するSPE型電解
槽を使用することも可能であるが、ミネラル分の沈澱等
を考慮すると前記ゼロギャップタイプの電解槽の方が望
ましい。
【0011】イオン交換膜の電気伝導度は条件にもよる
が一般に1〜10Ω/cm2 程度であり、水の電気伝導度と
比較して極めて小さく、10A/dm2 以上の高電流密度での
電解においても数V程度の電解電圧であり、電力節約効
果が大きい。但し僅かではあるが次亜塩素酸を生成する
電流効率が低下する可能性があり、前記ゼロキャップを
使用するか通常の電解とするかは目的に応じて選択すれ
ば良い。なおイオン交換膜として陰イオン交換膜を使用
することも可能であるが、現状ではオゾンに対する耐久
性を有しないこと、フッ素樹脂系の陰イオン交換膜の入
手が困難であること等から実際的ではない。陽イオンは
電場により陽イオン交換膜を通して、陽極室から陰極室
へ移動するが、陰極室の水酸イオンは陽イオン交換膜に
より陽極室への移動が抑制される。従って陽極室では電
解により生成する水素イオンが過剰となり他の陽イオン
の移動分だけ酸性になる。又陰極室では陽極室からの陽
イオンと水酸イオンとで水酸化物を生成し安定したアル
カリ性水となる。
【0012】従来はイオン交換膜を固体電解質として使
用するためには、電解槽に供給される原料水のミネラル
分特にマグネシウムやカルシウムが沈澱してイオン交換
膜中又はその近傍に蓄積されることを防止するため、そ
の濃度が1ppm 以下でなければ安定な連続運転ができな
いとされてきた。しかし本発明者らは適当な時間の間隔
で逆方向に通電することにより前記ミネラル部の沈澱を
溶解除去できることを見出している。実際にはこの逆通
電によってもイオン交換膜中にミネラル分の沈澱が生じ
イオン交換膜の構造を僅かずつ破壊するが、実質的な電
解操作に影響するのは陰極室側に生成する苛性ソーダ濃
度が20%以上になるような強アルカリ性の場合のみであ
り、生成するアルカリの濃度がほぼ零である本発明によ
るアルカリ水製造ではごく僅かな電圧上昇が生ずる可能
性がある以外の悪影響はなく、2年以上の継続使用が可
能である。
【0013】この逆通電によるミネラル分の除去を可能
にしたことにより、本発明では原料水として水道水等の
市水を使用することができるが、勿論導電物質を溶解し
た純水を使用しても差し支えない。このようにイオン交
換膜を電解質として使用することにより、従来1A/dm2
程度の低い電流密度で20V以上であった電圧を、電流密
度を10倍の10A/dm2 としても4〜5V程度と極めて低く
維持でき、従って従来より小さい電極面積で同一又はそ
れ以上の電流を流すことを可能にしている。電流密度を
高くすると塩素発生効率は低くなり(限界電流密度は1
A/dm2 程度)、電極物質にもよるが例えば白金電極では
オゾンが生成し活性塩素を分解しながら高い酸化力を示
す。従って処理後は長時間の殺菌作用は期待できない代
わりに殺菌などが十分に行なわれ、しかも水の中の有機
物質も十分に分解され飲用水として問題になる臭気はほ
ぼ完全に除かれる。
【0014】本発明に使用する電極物質は、電流効率が
高く消耗量が少なければ特に制限されないが、電流効率
の他に安定性、及び電極物質の溶出が起こった場合の飲
用水の安全性を考慮すると白金電極を使用することが望
ましい。該白金電極は、白金めっき/チタン電極でも白
金メッシュ電極でも良く、電流量に応じて選択すれば良
いが、原料水を電極自身及びイオン交換膜に十分接触さ
せること、及び電解で生成するガスや液を円滑に取り出
すことを考慮する多孔性であることが好ましく、例えば
厚さ0.2 〜0.5 mmのチタン板を加工して開孔径を3mm以
下としたエクスパンドメッシュが最適である。本発明で
は逆方向の通電を間欠的に行なうことが望ましく、その
ため陽極物質と陰極物質は同一物質とすることが好まし
い。従って陰極物質も陽極物質と同様に白金電極を使用
することが望ましい。
【0015】このような電解槽を使用して原料水を陽極
室に供給して電解を行ない、得られる酸性水の少なくと
も一部を陰極室へ循環供給し陰極室でアルカリ水を生成
させる。この電解条件は特に限定されないが、電流密度
は5A/dm2 以上とすることが望ましく、一方電極の寿命
や必要な電流量を考慮すると最高電流密度は50A/dm2
下であることが望ましく、最適電流密度は5〜30A/dm2
である。本発明では一旦原料水を陽極室に供給して酸化
処理することにより、原料水中の有機物質や臭気を除去
した後、陰極室で発生水素や水酸イオンにより還元処理
されてアルカリ水が生成するため、得られるアルカリ水
は従来のアルカリ水ではなく、殺菌や脱臭が行なわれた
更に純度が高くかつORPの低い健康に寄与しかつ良好
な味のアルカリ水となる。
【0016】図1は、本発明に係わるアルカリ水製造用
電解槽の一例を示す概略断面図である。電解槽本体1は
陽イオン交換膜2により陽極室3と陰極室4に区画さ
れ、該イオン交換膜2の陽極室面及び陰極室面には、そ
れぞれメッシュ状陽極5及びメッシュ状陰極6が密着状
態で設置されている。陽極室3底面と陰極室4とは、中
間に三方弁7を有する連結管8で連結され、該三方弁7
には前記連結管8と直角方向に酸性水取出管9が連結さ
れている。前記陽極室3の天板には原料水導入口10が、
又陰極室4の天板及び側壁上部にはそれぞれ生成ガス取
出口11及びアルカリ水取出口12が形成されている。
【0017】このような構成から成る電解槽本体1の前
記三方弁7により図1に示すように陽極室3と陰極室4
のみを連結しかつ陽極室3に原料水導入口10から水道水
を供給しながら陽極5及び陰極6間に通電すると、陽極
室3に供給された水道水が陽極5に接触して酸化処理さ
れ殺菌及び不純物除去が施されて酸性水に変換された
後、連結管8及び三方弁7を通って陰極室4に達する。
該陰極室6に達した酸性水は陰極6と接触して発生水素
や水酸イオンにより還元処理されて、殺菌及び不純物除
去が行なわれた飲用に適したアルカリ水としてアルカリ
水取出口12から取り出される。又三方弁を図示の位置か
ら時計方向に90°回転させると、陽極室3と酸性水取出
管9が連結されて陽極室5内で生成する酸性水を電解槽
外に取り出すことができる。前記三方弁を更に時計方向
に90°回転させると、陽極室5内の酸性水の陰極室6へ
の循環供給と電解槽外への取り出しを同時に行なうこと
ができる。
【0018】
【実施例】次に本発明にアルカリ水の製造方法の実施例
を記載するが、該実施例は本発明を限定するものではな
い。
【0019】
【実施例1】白金触媒を熱分解法で担持した厚さ0.3 mm
のチタン製エキスパンドメッシュ2枚を、陽イオン交換
膜であるデュポン社製のナフィオン117 (登録商標)の
両側に1kg/cm2の圧力で密着させ、前記イオン交換膜を
挟み付けて図1に示した電解槽を構成した。なお三方弁
は図示の通り陽極室と陰極室のみを連結する配置とし
た。陽極室にのみ水道水を100 ミリリットル/分で供給
し電流密度10A/dm2 で電解を行ない生成する酸性水を全
て陰極室へ100 ミリリットル/分で循環供給した。生成
するアルカリ水(陰極液)のpHは8.4 、ORPは−12
0 mV、槽電圧は3.8Vであった。なお活性塩素は検出で
きなかった。
【0020】
【比較例1】陽イオン交換膜の代わりにフッ素樹脂製の
不織布を使用し、電極面積を10倍にした白金被覆チタン
製エキスパンドメッシュから成る陽極及び陰極を該不織
布から1mmの距離をおいて設置し、陽極室及び陰極室に
水道水を100 ミリリットル/分で別個に供給しながら電
流密度1A/dm2 で電解を行ない生成する酸性水及びアル
カリ水を別々に電解槽外に取り出した。なお電流密度を
上昇させることを試みたが、電源の関係で不可能であっ
た。得られたアルカリ水(陰極液)は水道水供給量の20
0 ミリリットル/分に対し半分の100 ミリリットル/分
であり、pHは5.6 、ORPは800 mV、槽電圧は22Vで
あり、ORPが若干高かった。これは陰極液中にごく僅
かではあるが、未分解の活性塩素が残留しているためと
推測できる。なお陽極室で得られた酸性水のpHは4.8
、ORPは900 mVで、活性塩素量は2.5 ppm に達して
いた。
【0021】
【実施例2】図1の電解槽の三方弁を回転し陽極室と酸
性水取出管のみを連結させたこと以外は実施例1と同一
条件で電解を行ない、陽極液(酸性水)のみを取り出
し、陰極室には水道水を満たし以後の供給は行なわなか
った。得られた酸性水のpHは4.0 、ORPは1100mVで
あった。なおこの酸性水の活性塩素量はほぼ零であり、
高いORPはオゾンによるものであることが判った。比
較例1で得られた酸性水と比較すると、pHが低く、O
RPが高くかつ活性塩素量が低下していることが判る。
【0022】
【実施例3】実施例1と同一条件で連続電解を3時間継
続したところ、イオン交換膜の陰極室側に白色の水酸化
カルシウムを主とする沈澱の生成が見られた。1時間の
電解毎に3分間同じ電流密度で逆方向の通電を行なった
ところ、逆方向通電の間だけ液中に僅かなフロックの浮
遊が見られたが、長時間の電解においても目立った沈澱
の形成は観察されず、100 時間経過後も性能は初期性能
から変化しなかった。
【0023】
【発明の効果】本発明方法は、イオン交換膜により陽極
室及び陰極室に区画された水電解槽の陽極室に原料水を
供給しながら電解を行ない、得られる酸性水の少なくと
も一部を陰極室に供給して電解を行ないアルカリ水を製
造することを特徴とするアルカリ水の製造方法である。
本発明方法では、陽極室での酸化処理により生成する酸
性水の少なくとも一部を陰極室に循環供給して還元処理
を行ない所望の性質を有するアルカリ水を得るようにし
ているため、不要である酸性水を廃棄することなく有効
利用して、生成するアルカリ水の量に対する電解槽に供
給される水の量を2倍未満、好ましくは同量とすること
ができ、無駄な酸性水の生成を防止できる。更に陽極室
を経て陰極室に循環供給される液は陽極室において殺菌
処理及び不純物除去が行なわれているため、直接原料水
を陰極室へ供給して生成するアルカリ水よりも、細菌や
不純物が存在しない分、清澄なアルカリ水を得ることが
できる。
【0024】又本発明のアルカリ水製造装置は、原料水
導入口を有する陽極室、アルカリ水取出口を有する陰極
室、該陽極室及び陰極室を区画するイオン交換膜、該イ
オン交換膜の両側に密着して設置された陽極及び陰極、
及び陽極室と陰極室を連結する連結管を含んで成ること
を特徴とするアルカリ水製造用電解槽である。本発明装
置でも、同様に供給される原料水の有効利用とより清澄
なアルカリ水を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1本発明に係わるアルカリ水製造用電解槽の一
例を示す概略断面図。
【符号の説明】
1・・・電解槽本体 2・・・陽イオン交換膜 3・・
・陽極室 4・・・陰極室 5・・・陽極 6・・・陰
極 7・・・三方弁 8・・・連結管 9・・・酸性水
取出管 10・・・原料水導入口 11・・・生成ガス取出
口 12・・・アルカリ水取出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 秀人 神奈川県横浜市港北区富士塚2丁目10番地 20号

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン交換膜により陽極室及び陰極室に
    区画された水電解槽の陽極室に原料水を供給しながら電
    解を行ない、得られる酸性水の少なくとも一部を陰極室
    に供給して電解を行ないアルカリ水を製造することを特
    徴とするアルカリ水の製造方法。
  2. 【請求項2】 原料水導入口を有する陽極室、アルカリ
    水取出口を有する陰極室、該陽極室及び陰極室を区画す
    るイオン交換膜、該イオン交換膜の両側に密着して設置
    された陽極及び陰極、及び陽極室と陰極室を連結する連
    結管を含んで成ることを特徴とするアルカリ水製造用電
    解槽。
JP12794996A 1996-04-24 1996-04-24 アルカリ水の製造方法及び電解槽 Pending JPH09290265A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020068318A (ko) * 2001-08-22 2002-08-27 이수테크 주식회사 전해수 생성장치
WO2013058497A1 (ko) * 2011-10-21 2013-04-25 Lim Dong Won 3조 1포트식 전기분해 장치

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