JPH09288935A - シーソー式スイッチ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 接点に塵挨等が付着しないようにすることに
よって、操作不良が起こることがないとともに、導通不
良が起こることがないシーソー式スイッチを提供する。 【解決手段】 カム１５が回動可能に挿入されたケース
開口部２ａ９において、カム１５が傾斜する側の内側縁
２ａ５１、２ａ６１に弾性的に圧接可能にして、カム１
５とケース開口部２ａ９との隙間を閉塞可能な一対の舌
片１６ｂ、１６ｃを有するダストガード１６を備えてい
るシーソー式スイッチ１。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、回路を導通状態
や遮断状態に切換えるスイッチに関し、特に、シーソー
式に切換作動するシーソー式スイッチに関する。

【０００２】

【従来の技術】回路を導通状態や遮断状態に切換えるシ
ーソー式スイッチとしては、ケース内に配置された複数
個の固定接点ターミナル上にＶ字形状の可動接点プレー
トがシーソー式に回動可能に配置され、この可動接点プ
レートをカムによって押圧することによって、固定接点
ターミナルのいずれかに電気的に接続したり、遮断した
りして、固定接点ターミナルにケースの外側で電気的に
接続された回路を導通状態としたり、遮断状態とするも
のが知られている。

【０００３】このようなシーソー式スイッチでは、カム
がケースの外側から内部に連通形成されたケース開口部
内に回動可能に取付けられており、ケースの外側でカム
に取付けられた操作レバーが指によって押圧されること
により、カムがケース開口部内で回動し、可動接点プレ
ートを固定接点ターミナル側に押圧する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記した従
来のシーソー式スイッチでは、ケースに形成されたケー
ス開口部は、カムが回動する際に衝突しない分の寸法を
置いて、回動するカムの傾斜側に隙間が設けられている
ため、エアーを吹き付けることによって塵挨等を払いの
ける吹き出し式掃除機で車室内を掃除した場合、操作レ
バーの上やケースの上等、車室内の塵挨等がスライドピ
ンの摺動する可動接点プレートの表面に付着すると、摺
動抵抗が増大し、スライドピンを収容するカムの回動を
阻止して操作不良となりかねず、またケース内に浸入し
た塵埃等が可動接点プレートの他、固定接点プレートに
付着すると、可動接点プレートと固定接点ターミナルと
が電気的に接続される際に接点の導通不良などの原因と
なりうることから、ケース内に塵挨等を浸入させないよ
うにする必要があるという課題があった。また、上記と
は異なり、吸い込み式掃除機で車室内を掃除した場合
も、車室内に発生する気流によって塵挨等が上述した隙
間からケース内に浸入する可能性もあり、上記と同様に
して操作不良や導通不良の原因となりうる。

【０００５】

【発明の目的】この発明に係わるシーソー式スイッチ
は、ケース内に塵挨等が浸入しないようにすることによ
って、操作不良が起こることがないとともに、導通不良
が起こらないシーソー式スイッチを提供することを目的
としている。

【０００６】

【発明の構成】

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明の請求項１に係
わるシーソー式スイッチでは、ケースと、ケースに収容
された複数個の固定接点ターミナルと、固定接点ターミ
ナル上にシーソー式に回動可能に配置され、固定接点タ
ーミナルのいずれかに対して電気的に接続可能な可動接
点プレートと、ケースに回動可能に取付けられ、可動接
点プレートを固定接点ターミナルに対して押圧可能に配
置されたカムを備えたシーソー式スイッチであって、ケ
ースには、カムを挿入可能にして、回動するカムの傾斜
側に予め定められた開口長さを有するケース開口部が形
成され、ケース開口部内において、カムとケース開口部
との隙間を閉塞可能にして、カムが傾斜する側に弾性的
に圧接可能な一対の舌片を有するダストガードを備えて
いる構成としたことを特徴としている。

【０００８】この発明の請求項２に係わるシーソー式ス
イッチでは、ケースには、固定接点ターミナルが固定さ
れたロアケースと、ロアケースに組付けられたアッパケ
ースが備えられ、ケース開口部は、アッパケース上に突
出形成されていてカムを回動可能に支持するカム支持部
の内側に、カムの幅寸法よりもわずかに大きい開口幅に
して形成され、カムには、カム支持部に支持されたカム
本体の一部にダストガード取付部が形成され、ダストガ
ードには、カム本体に有するダストガード取付部に取付
けられたダストガード本体からケース開口部の開口長さ
方向側の内側縁に向けて突出状に舌片が形成されている
構成としたことを特徴としている。

【０００９】この場合、可動接点プレートを固定接点タ
ーミナルに電気的に接続するオン状態とするためケース
に対してカムが回動する際およびオフ状態とするためカ
ムが回動しない際、カムが回動可能に支持されているカ
ム支持部の内側に形成されたケース開口部の開口長さ方
向側の内側縁に、カムに有するカム本体のダストガード
取付部に取付けられたダストガードの舌片が弾性的に圧
接することによって、カムとケース開口部との隙間が閉
塞されるため、ケース開口部からケース内に塵挨が浸入
することがない。それ故、塵挨がケース内に浸入しない
ため、塵挨によってカムの回動を阻止することがないと
ともに、導通不良の原因となる固定接点ターミナル等に
塵挨が付着することがない。

【００１０】この発明の請求項３に係わるシーソー式ス
イッチでは、ダストガードに有する舌片は、ケース開口
部の開口幅に略等しく、且つ、ケース開口部に挿入可能
な幅寸法を有するとともに、カム本体から突出する寸法
は、カムがアッパケース上の回動端まで回動した際に、
ケース開口部より突出可能な大きさを有する構成とした
ことを特徴としている。

【００１１】この場合、可動接点プレートを固定接点タ
ーミナルに電気的に接続するオン状態とするためケース
に対してカムが回動する際およびオフ状態とするためカ
ムが回動しない際、カムが回動可能に支持されているカ
ム支持部の内側に形成されたケース開口部の開口長さ方
向側の内側縁に、カムに有するカム本体のダストガード
取付部に取付けられていて、ケース開口部の開口幅に略
等しいダストガードの舌片が、カムの回動に応動して、
ケース開口部より突出するものとして弾性的に圧接する
ことによって、カムとケース開口部との隙間が閉塞され
るため、ケース開口部からケース内に塵挨が浸入するこ
とがない。それ故、塵挨がケース内に浸入しないため、
塵挨によってカムの回動を阻止することがないととも
に、導通不良の原因となる固定接点ターミナル等に塵挨
が付着することがない。

【００１２】この発明の請求項４に係わるシーソー式ス
イッチでは、カムには、カム本体において、ケースの外
側に配置された一端側に操作レバーが取付けられている
とともに、ケースの内側に配置された他端側に可動接点
プレートを弾性的に押圧可能なスライドピンが収容され
ており、ダストガードには、カムに同芯な円弧状にして
ダストガード本体からカム本体の一端側に向けて突出形
成された舌片の外側に、ケース開口部の開口長さ方向側
の内側縁に摺接可能なケース摺接面が形成されている構
成としたことを特徴としている。

【００１３】この場合、操作レバーが操作されることに
よって、ケースに対してカムが回動し、スライドピンが
可動接点プレートを固定接点ターミナルに電気的に接続
してオン状態とするため押圧する際および操作レバーが
操作されないでオフ状態となっている際、カムが回動可
能に支持されているカム支持部の内側に形成されたケー
ス開口部の開口長さ方向側の内側縁に、カムに有するカ
ム本体のダストガード取付部に取付けられていて、ケー
ス開口部の開口幅に略等しいダストガードの舌片に有す
る摺接面が、カムの回動に応動してケース開口部より突
出するものとして弾性的に圧接することによって、カム
とケース開口部との隙間が閉塞されるため、ケース開口
部からケース内に塵挨が浸入することがない。それ故、
塵挨がケース内に浸入しないため、塵挨によってカムの
回動を阻止することがないとともに、導通不良の原因と
なる固定接点ターミナル等に塵挨が付着することがな
い。

【００１４】

【発明の作用】この発明の請求項１に係わるシーソー式
スイッチにおいて、可動接点プレートを固定接点ターミ
ナルに電気的に接続してオン状態とするためケースに対
してカムが回動する際およびオフ状態とするためカムが
回動しない際、カムが傾斜する側のケース開口部の内側
縁にダストガードの舌片が弾性的に圧接することによっ
て、カムとケース開口部との隙間が閉塞されるため、ケ
ース開口部からケース内に塵挨が浸入することがない。
それ故、スライドピンの摺動する可動接点プレートの表
面や固定接点ターミナル等に塵挨が付着することがな
い。

【００１５】この発明の請求項２、請求項３、請求項４
に係わるシーソー式スイッチにおいても、請求項１と同
様にして、ケース開口部からケース内に塵挨が浸入する
ことがないため、スライドピンの摺動する可動接点プレ
ートの表面や固定接点ターミナル等に塵挨が付着するこ
とがない。

【００１６】

【実施例】図１ないし図４には、この発明に係わるシー
ソー式スイッチの一実施例が示されている。

【００１７】図示するシーソー式スイッチ１は、主とし
て、ケース２、第１の固定接点ターミナル３、第２の固
定接点ターミナル４、第３の固定接点ターミナル５、第
４の固定接点ターミナル６、第５の固定接点ターミナル
７、第６の固定接点ターミナル８、第１の可動接点プレ
ート９、第２の可動接点プレート１０、第１のスライド
ピン１１、第２のスライドピン１２、第１の戻しばね１
３、第２の戻しばね１４、カム１５、ダストガード１
６、操作レバー１７から構成されており、図には、単一
のシーソー式スイッチ１のみが示されているが、通常、
複数個のシーソー式スイッチ１がケース２上に並べられ
て配置されている。

【００１８】ケース２は、図中の上方側に配置されたア
ッパケース２ａと、アッパケース２ａの下方側に嵌着さ
れたロアケース２ｂとからなる。

【００１９】アッパケース２ａは、図１に示されるよう
に、平板状をなす板部２ａ１のほぼ中央に、四角形の筒
状をなして板部２ａ１上に突出形成されたカム支持部２
ａ２が備えられている。このカム支持部２ａ２には、図
４に示されるように、後述するカム１５の幅方向に対向
する位置に、回動するカム１５に同芯にして湾曲状に形
成された端面をもつ第１、第２の側板２ａ３、２ａ４を
有するとともに、回動するカム１５が傾斜する側にそれ
ぞれ配置された第３、第４の側板２ａ５、２ａ６を有
し、第１、第２の側板２ａ３、２ａ４のほぼ中央に、丸
孔状に形成された枢支孔２ａ７、２ａ８がそれぞれ備え
られている。

【００２０】また、カム支持部２ａ２には、図２に示さ
れるように、後述するカム１５が回動する際に傾斜する
側に開口長さ寸法Ｌ１を有し、且つ、図４に示されよう
に、カム１５の幅寸法よりもわずかに大きい開口幅寸法
Ｌ２を有するケース開口部２ａ９が形成されている。ケ
ース開口部２ａ９内には後述するカム１５が挿入され
る。

【００２１】ロアケース２ｂ上には、第１の固定接点タ
ーミナル３、第２の固定接点ターミナル４、第３の固定
接点ターミナル５、第４の固定接点ターミナル６、第５
の固定接点ターミナル７、第６の固定接点ターミナル８
がそれぞれ絶縁して固定されている。

【００２２】第１の固定接点ターミナル３は、シーソー
式スイッチ１のほぼ中央に配置されており、図１に示さ
れるように、断面形状が略Ｕ字状をなすものとして、中
央部がロアケース２ｂに埋設されており、対向状に離れ
てロアケース２ｂ上に突出した両端部に、後述する第１
の可動接点プレート９をシーソー式にして回動可能に支
持するための切欠３ａ、３ｂが形成されている。第１の
固定接点ターミナル３の切欠３ａ、３ｂ上には、後述す
る第１の可動接点プレート９が載置されており、第１の
固定接点ターミナル３は、第１の可動接点プレート９に
常時電気的に接続されている。第１の固定接点ターミナ
ル３は図示しない外部回路に電気的に接続される。第１
の固定接点ターミナル３の両側には、第２の固定接点タ
ーミナル４、第３の固定接点ターミナル５が離れて配置
されている。

【００２３】第２の固定接点ターミナル４は、平板状に
形成されていて、第１の固定接点ターミナル３の一端部
から予め定められた寸法だけ距離を置いて配置されてお
り、ロアケース２ｂ上に突出した上端側が後述する第１
の可動接点プレート９に電気的に接続可能になってお
り、ロアケース２ｂの下方に突出した下端側が図示しな
い外部回路に電気的に接続される。

【００２４】第３の固定接点ターミナル５は、平板状に
形成されていて、第１の固定接点ターミナル３の他端部
から予め定められた寸法だけ距離を置いて配置されてお
り、ロアケース２ｂ上に突出した上端側が後述する第１
の可動接点プレート９に電気的に接続可能になってお
り、ロアケース２ｂの下方に突出した下端側が図示しな
い外部回路に電気的に接続される。

【００２５】第１の可動接点プレート９は、略Ｖ字形状
に形成されており、中央部が第１の固定接点ターミナル
３に有する切欠３ａ、３ｂ上に載置されている。この第
１の可動接点プレート９は、中央部が後述するカム１５
に収容された第１のスライドピン１１によって第１の固
定接点ターミナル３の切欠３ａ、３ｂに対して押圧され
ているため、第１の固定接点ターミナル３に電気的に接
続され、後述するカム１５が図１に示される中立位置Ａ
から図３に示される第１位置Ｂまで回動されると、シー
ソー式に回動することによって、第２の固定接点ターミ
ナル４に電気的に接続されるため、第１の固定接点ター
ミナル３と第２の固定接点ターミナル４とが導通され、
これに反して、後述するカム１５が中立位置Ａを中心と
して第１の位置Ｂとは反対側の第２の位置Ｃまで回動さ
れると、上記とは反対側にシーソー式に回動することに
よって、第３の固定接点ターミナル５に電気的に接続さ
れるため、第１の固定接点ターミナル３と第３の固定接
点ターミナル５とが導通される。

【００２６】第４の固定接点ターミナル６は、シーソー
式スイッチ１のほぼ中央において、上述した第１の固定
接点ターミナル３の図１中後方に配置されており、図１
に示されるように、断面形状が略Ｕ字状をなすものとし
て、中央部がロアケース２ｂに埋設されており、対向状
に離れてロアケース２ｂ上に突出した両端部に、後述す
る第２の可動接点プレート１０をシーソー式にして回動
可能に支持するための切欠６ａ、６ｂが形成されてい
る。第４の固定接点ターミナル６の切欠６ａ、６ｂ内に
は、後述する第２の可動接点プレート１０が載置されて
おり、第４の固定接点ターミナル６は、第２の可動接点
プレート１０に常時電気的に接続されている。第４の固
定接点ターミナル６は図示しない外部回路に電気的に接
続される。第４の固定接点ターミナル６の両側には、第
５の固定接点ターミナル７、第６の固定接点ターミナル
８が離れて配置されている。

【００２７】第５の固定接点ターミナル７は、平板状に
形成されていて、第４の固定接点ターミナル６の一端部
から予め定められた距離を置いて配置されており、ロア
ケース２ｂ上に突出した上端側が後述する第２の可動接
点プレート１０に電気的に接続可能になっており、ロア
ケース２ｂの下方に突出した下端側が図示しない外部回
路に電気的に接続される。

【００２８】第６の固定接点ターミナル８は、平板状に
形成されていて、第４の固定接点ターミナル６の他端部
から予め定められた距離を置いて配置されており、ロア
ケース２ｂ上に突出した上端側が後述する第２の可動接
点プレート１０に電気的に接続可能になっており、ロア
ケース２ｂの下方に突出した下端側が図示しない外部回
路に電気的に接続される。

【００２９】第２の可動接点プレート１０は、略Ｖ字形
状に形成されており、中央部が第４の固定接点ターミナ
ル６に有する切欠６ａ、６ｂ上に載置されている。この
第２の可動接点プレート１０は、中央部が後述するカム
１５に収容された第２のスライドピン１２によって第４
の固定接点ターミナル３の切欠３ａ、３ｂに対して押圧
されているため、第１の固定接点ターミナル３に常時電
気的に接続され、後述するカム１５が図１に示される中
立位置Ａから図３に示される第１位置Ｂまで回動される
と、シーソー式に回動することによって、第５の固定接
点ターミナル７に電気的に接続されるため、第４の固定
接点ターミナル６と第５の固定接点ターミナル７とが導
通され、これに反して、後述するカム１５が中立位置Ａ
を中心として第１の位置Ｂとは反対側の第２の位置Ｃま
で回動されると、上記とは反対側にシーソー式に回動す
ることによって、第６の固定接点ターミナル８に電気的
に接続されるため、第４の固定接点ターミナル６と第６
の固定接点ターミナル８とが導通される。

【００３０】第１のスライドピン１１、第２のスライド
ピン１２、第１の戻しばね１３、第２の戻しばね１４
は、カム１５に組付けられている。

【００３１】カム１５は、図２に示されるように、縦断
面形状が略Ｔ字形に形成されたカム本体１５ａの上部
に、アッパケース２ａのカム支持部２ａ２に有するケー
ス開口部２ａ９を覆うものとしてケース開口部２ａ９の
上方に配置されていてカム支持部２ａ２に有する第１、
第２の側板２ａ３、２ａ４の湾曲部分に摺接可能な湾曲
面１５ｂ１を有する操作レバー取付部１５ｂが備えられ
ている。カム本体１５ａの一端側に配置された操作レバ
ー取付部１５ｂには後述する操作レバー１７が嵌め付け
られている。操作レバー１７は乗員の指によって図１中
の右側または左側を押圧されるため、指によって図１中
の右側に押圧されることにより、カム１５が中立位置Ａ
から第１位置Ｂまで回動されると、図３に示されるよう
に、第１、第２の可動接点プレート９、１０のそれぞれ
の一端部が第２、第５の固定接点ターミナル４、７に電
気的に接続されて、第１の固定接点ターミナル３と第２
の固定接点ターミナル４、第４の固定接点ターミナル６
と第５の固定接点ターミナル７とを導通する。上記に反
して、操作レバー１７が指によって図１中の左側に押圧
されることにより、カム１５が第２の位置Ｃまで回動さ
れると、第１、第２の可動接点プレート９、１０のそれ
ぞれの他端部が第３、第６の固定接点ターミナル５、８
に電気的に接続されて、第１の固定接点ターミナル３と
第３の固定接点ターミナル５、第４の固定接点ターミナ
ル６と第６の固定接点ターミナル８とを導通する。

【００３２】また、カム本体１５ａの他端側である下部
には、カム支持部２ａ２に有するケース開口部２ａ９内
に挿入されたうえでカム支持部２ａ２に有する第１、第
２の側板２ａ３、２ａ４の枢支孔２ａ７、２ａ８にそれ
ぞれ挿入された枢軸１５ａ１、１５ａ２（図１中後方側
の枢軸１５ａ２は図示されていない。）が形成されてい
るため、枢軸１５ａ１、１５ａ２が枢支孔２ａ７、２ａ
８にそれぞれ支持されることによって、カム１５がカム
支持部２ａ１のケース開口部２ａ９内で回動される。

【００３３】そして、カム本体１５ａには、図２に示さ
れるように、下端の中央から上方に向けて丸孔状に切除
された第１のスライドピン収容部１５ｃ、第２のスライ
ドピン収容部１５ｄが並べて形成されている。第１のス
ライドピン収容部１５ｃには、第１の戻しばね１３を先
に第１のスライドピン１１が押し入れられており、この
第１のスライドピン１１の先端が第１の可動接点プレー
ト９の中央部に当接しているため、第１の戻しばね１３
の弾性反発力によって第１のスライドピン１１が第１の
可動接点プレート９を第１の固定接点ターミナル３の切
欠３ａ、３ｂ側に押圧している。第２のスライドピン収
容部１５ｄには、第２の戻しばね１４を先に第２のスラ
イドピン１２が押し入れられており、この第２のスライ
ドピン１２の先端が第２の可動接点プレート１０の中央
部に当接しているため、第２の戻しばね１４の弾性反発
力によって第２のスライドピン１２が第２の可動接点プ
レート１０を第４の固定接点ターミナル６の切欠６ａ、
６ｂ側に押圧している。

【００３４】そしてまた、カム本体１５ａの外側には、
枢軸１５ａ１、１５ａ２の下方側に、ダストガード取付
部１５ｅが備えられている。ダストガード取付部１５ｅ
には、カム本体１５ａの高さ方向に沿って予め定められ
た距離Ｌ３を置いて配置された第１の突部１５ｅ１、第
２の突部１５ｅ２が備えられており、第１の突部１５ｅ
１および第２の突部１５ｅ２は、一方の枢軸１５ａ１側
と他方の枢軸１５ａ２側との両側に対向して形成されて
いる。ダストガード取付部１５ｅの第２の突部１５ｅ２
は下端側が傾斜状に形成されているため、後述するダス
トガード１６を嵌め易くしている。ダストガード取付部
１５ｅには、後述するダストガード１６が嵌着されてい
る。ダストガード取付部１５ｅはカム本体１５ａの高さ
方向に沿って予め定められた距離Ｌ３を置いて配置され
た第１の突部１５ｅ１、第２の突部１５ｅ２に限らず、
カム本体１５ａの高さ方向に沿って予め定められた距離
Ｌ３をもってカム本体１５ａの対向する２方または４方
を凹溝状に形成してもよい。

【００３５】ダストガード１６は、若干の弾性反発力を
もち、低温時に硬化しにくい樹脂（例えば、ポリアセタ
ールやナイロン）又は鉄材を素材として成形されてお
り、矩形の輪状をなすダストガード本体１６ａと、この
ダストガード本体１６ａの上端側からカム本体１５ａの
一端側に向けて逆ハ字状にして突出形成された舌片１６
ｂ、１６ｃとがそれぞれ備えられている。

【００３６】ダストガード本体１６ａは、内寸がカム本
体１５ａに有するダストガード取付部１５ｅの外寸より
もわずかに大きく、高さ寸法がダストガード取付部１５
ｅに有する第１の突部１５ｅ１および第２の突部１５ｅ
２の離隔距離Ｌ３よりもわずかに小さいため、舌片１６
ｂ、１６ｃを先にしてカム本体１５ａの下方側から挿入
したうえで、ダストガード取付部１５ｅに有する第２の
突部１５ｅ２を乗り越えることによって、ダストガード
取付部１５ｅに有する第１の突部１５ｅ１と第２の突部
１５ｅ２とによって挟まれて、スナップアクション式に
カム本体１５ａに嵌め付けられている。

【００３７】舌片１６ｂ、１６ｃは、ダストガード本体
１６ａにおいてカム支持部２ａ２に有する第３、第４の
側板２ａ５、２ａ６側の対向する上端側から、カム本体
１５ａに有する枢軸１５ａ１、１５ａ２に同芯な円弧形
状にして、カム支持部２ａ２に有する第３、第４の側板
２ａ５、２ａ６の上方側にまで突出しており、幅寸法が
ケース開口部２ａ９の幅寸法Ｌ２よりもわずかに小さ
い。そして、舌片１６ｂ、１６ｃは、図４に示されるよ
うに、カム本体１５ａに対する取付け前の状態で、ケー
ス開口部２ａ９の開口長さ寸法Ｌ１よりも大きく拡がっ
ているため、カム本体１５ａに取付けられて、ケース開
口部２ａ９内に配置された状態で、カム支持部２ａ２の
第３、第４の側板２ａ５、２ａ６側に配置されたケース
摺接部１６ｂ１、１６ｃ１がカム支持部２ａ２に有する
第３、第４の側板２ａ５、２ａ６の対向する内側縁２ａ
５１、２ａ６１に対して弾性的に圧接される。

【００３８】そして、舌片１６ｂ、１６ｃは、カム支持
部２ａ２の第３、第４の側板２ａ５、２ａ６の上方側に
まで突出しているため、図１に示されるようにカム１５
が中立位置Ａにある際、図３に示されるようにカム１５
が第２位置Ｂまで回動した際、あるいは第３位置Ｃまで
回動した際のいずれにも、カム１５とケース開口部２ａ
９とのあいだにある隙間を塞ぐ機能をもつ。

【００３９】ダストガード１６は、ゴムを素材としたも
のと比較して、低温時に硬化することがなく、しかも、
舌片１６ｂ、１６ｃがカム１５の回動に同芯の湾曲形状
をなすため、ケース摺接部１６ｂ１、１６ｃ１がカム支
持部２ａ２に有する第３、第４の側板２ａ５、２ａ６の
内側縁２ａ５１、２ａ６１に対して圧接される際の摩擦
抵抗力が高温時、低温時を問わず均一になり、且つ、カ
ム１５の回動位置に拘らず均一になり、それによって、
操作レバー１７を押圧操作する際の操作に違和感を生ず
ることはなく、また、カム１５が中立位置Ａ、第１位置
Ｂ、第２位置Ｃのいずれにあっても、舌片１６ｂ、１６
ｃがカム支持部２ａ２に有する第３、第４の側板２ａ
５、２ａ６の内側縁２ａ５１、２ａ６１に摺接するた
め、カム１５とケース開口部２ａ９とのあいだにある隙
間が常時確実に塞がれる。

【００４０】このような構造をなすシーソー式スイッチ
１は、ロアケース２ｂの外側において、第１、第２、第
３、第４、第５、第６の固定接点ターミナル３、４、
５、６、７、８にパワーウインド装置等の外部回路が電
気的に接続され、ロアケース２ｂが車両のドアアームレ
スト部に取付けられる。

【００４１】そして、操作レバー１７が乗員の指によっ
て図１中の右側に押圧されると、カム１５が中立位置Ａ
から第１位置Ｂまで回動されるため、第１、第２の可動
接点プレート９、１０のそれぞれの一端部が第２、第５
の固定接点ターミナル４、７に電気的に接続されて、第
１の固定接点ターミナル３と第２の固定接点ターミナル
４、第４の固定接点ターミナル６と第５の固定接点ター
ミナル７とを別回路で導通し、ウインド閉側の電流をパ
ワーウインドモータに供給してウインドガラスを閉まる
側に駆動させる。

【００４２】上記とは異なり、操作レバー１７が乗員の
指によって図１中の左側に押圧されると、カム１５が中
立位置Ａから第２の位置Ｃまで回動されるため、第１、
第２の可動接点プレート９、１０のそれぞれの他端部が
第３、第６の固定接点ターミナル５、８に電気的に接続
されて、第１の固定接点ターミナル３と第３の固定接点
ターミナル５、第４の固定接点ターミナル６と第６の固
定接点ターミナル８とを別回路で導通し、ウインド開側
の電流をパワーウインドモータに供給してウインドガラ
スを開く側に駆動させる。

【００４３】そして、エアーを吹き付けることによって
塵挨等を払いのける吹き出し型掃除機で車室内を掃除し
た場合や、吸い込み型掃除機で車室内を掃除した場合
に、操作レバー１７の上やアッパケース２ａの上等、車
室内の塵挨が掃除機の気流によって流れて、カム１５と
ケース開口部２ａ９とのあいだに到達したとしても、カ
ム１５の回動位置に拘らず、カム１５とケース開口部２
ａ９との隙間がダストガード１６の舌片１６ｂ、１６ｃ
によって塞がれているため、上記の塵挨等がケース２内
に浸入することはなく、各固定接点ターミナル３、４、
５、６、７、８および各可動接点プレート９、１０に塵
挨等が付着することがないものとなる。

【００４４】

【発明の効果】以上説明してきたように、この発明の請
求項１に係わるシーソー式スイッチによれば、可動接点
プレートを固定接点ターミナルに電気的に接続してオン
状態とするためケースに対してカムが回動する際および
オフ状態とするためカムが回動しない際、カムが傾斜す
る側のケース開口部の内側縁にダストガードの舌片が弾
性的に圧接することによって、カムとケース開口部との
隙間が閉塞されるため、ケース開口部からケース内に塵
挨が浸入することがなく、それによって、スライドピン
の摺動部分に塵埃等が付着して摺動抵抗が増大し、スラ
イドピンを収容するカムの回動を妨げることがないの
で、操作不良を起こすことがないとともに、可動接点プ
レートまたは固定接点ターミナルに塵挨が付着すること
がないので、導通不良を起こすことがなく、品質の向上
を図ることができるという優れた効果を奏する。

【００４５】この発明の請求項２、請求項３、請求項４
に係わるシーソー式スイッチにおいても、請求項１と同
様にして、ケース開口部からケース内に塵挨が浸入する
ことがなく、それによって、スライドピンの摺動部分に
塵埃等が付着して摺動抵抗が増大し、スライドピンを収
容するカムの回動を妨げることがないので、操作不良を
起こすことがないとともに、可動接点プレートまたは固
定接点ターミナルに塵挨が付着することがないので、導
通不良を起こすことがなく、品質の向上を図ることがで
きるという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明に係わるシーソー式スイッチの一実施
例のカムが中立位置にある縦断側面図である。

【図２】図１に示したシーソー式スイッチにおいてのカ
ムまわりの縦断側面図である。

【図３】図１に示したシーソー式スイッチにおいてのカ
ムが第１位置にある縦断側面図である。

【図４】図１に示したシーソー式スイッチにおいての各
部品の組付け関係を説明する各部品の外観斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ シーソー式スイッチ ２ ケース ２ａ アッパケース ２ａ２ カム支持部 ２ａ９ ケース開口部 ２ａ５１ 内側縁 ２ａ６１ 内側縁 ２ｂ ロアケース ３ （固定接点ターミナル）第１の固定接点ターミナル ４ （固定接点ターミナル）第２の固定接点ターミナル ５ （固定接点ターミナル）第３の固定接点ターミナル ６ （固定接点ターミナル）第４の固定接点ターミナル ７ （固定接点ターミナル）第５の固定接点ターミナル ８ （固定接点ターミナル）第６の固定接点ターミナル ９ （可動接点プレート）第１の可動接点プレート １０ （可動接点プレート）第２の可動接点プレート １１ （スライドピン）第１のスライドピン １２ （スライドピン）第２のスライドピン １５ カム １５ａ カム本体 １５ｅ ダストガード取付部 １６ ダストガード １６ａ ダストガード本体 １６ｂ 舌片 １６ｂ１ ケース摺接面 １６ｃ 舌片 １６ｃ１ ケース摺接面 １７ 操作レバー

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ケースと、 上記ケースに収容された複数個の固定接点ターミナル
   と、 上記固定接点ターミナル上にシーソー式に回動可能に配
   置され、該固定接点ターミナルのいずれかに対して電気
   的に接続可能な可動接点プレートと、 上記ケースに回動可能に取付けられ、上記可動接点プレ
   ートを固定接点ターミナルに対して押圧可能に配置され
   たカムを備えたシーソー式スイッチであって、 上記ケースには、上記カムを挿入可能にして、回動する
   カムの傾斜側に予め定められた開口長さを有するケース
   開口部が形成され、 上記ケース開口部内において、上記カムと該ケース開口
   部との隙間を閉塞可能にして、上記カムが傾斜する側に
   弾性的に圧接可能な一対の舌片を有するダストガードを
   備えていることを特徴とするシーソー式スイッチ。
2. 【請求項２】 ケースには、固定接点ターミナルが固定
   されたロアケースと、該ロアケースに組付けられたアッ
   パケースとが備えられ、ケース開口部は、アッパケース
   上に突出形成されていてカムを回動可能に支持するカム
   支持部の内側に、カムの幅寸法よりもわずかに大きい開
   口幅にして形成され、 カムには、上記カム支持部に支持されたカム本体の一部
   にダストガード取付部が形成され、 ダストガードには、カム本体に有するダストガード取付
   部に取付けられたダストガード本体からケース開口部の
   開口長さ方向側の内側縁に向けて突出状に舌片が形成さ
   れていることを特徴とする請求項１に記載のシーソー式
   スイッチ。
3. 【請求項３】 ダストガードに有する舌片は、ケース開
   口部の開口幅に略等しく、且つ、ケース開口部に挿入可
   能な幅寸法を有するとともに、カム本体から突出する寸
   法は、カムがアッパケース上の回動端まで回動した際
   に、ケース開口部より突出可能な大きさを有することを
   特徴とする請求項２に記載のシーソー式スイッチ。
4. 【請求項４】 カムには、カム本体において、ケースの
   外側に配置された一端側に操作レバーが取付けられてい
   るとともに、ケースの内側に配置された他端側に可動接
   点プレートを弾性的に押圧可能なスライドピンが収容さ
   れており、 ダストガードには、カムに同芯な円弧状にしてダストガ
   ード本体からカム本体の一端側に向けて突出形成された
   舌片の外側に、ケース開口部の開口長さ方向側の内側縁
   に摺接可能なケース摺接面が形成されていることを特徴
   とする請求項３に記載のシーソー式スイッチ。