JPH09288356A - 感光性樹脂印刷版用現像液及び感光性樹脂印刷版の製造方法 - Google Patents

感光性樹脂印刷版用現像液及び感光性樹脂印刷版の製造方法

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JPH09288356A
JPH09288356A JP24689096A JP24689096A JPH09288356A JP H09288356 A JPH09288356 A JP H09288356A JP 24689096 A JP24689096 A JP 24689096A JP 24689096 A JP24689096 A JP 24689096A JP H09288356 A JPH09288356 A JP H09288356A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の水素引き抜き剤による架橋反応を利用
した樹脂硬化物表面層の表面粘着性除去方法により生じ
る作業性、あるいは生産性への問題を解決し、かつより
効果的な表面粘着性除去を実現するための感光性樹脂印
刷版用現像液及び感光性樹脂印刷版の製造方法を提供す
る。 【解決手段】 活性光線を照射されることによって化合
物中の水素原子を引き抜くことのできる水素引き抜き剤
を含有することを特徴とする感光性樹脂印刷版用現像
液。及び該現像液を用いて露光した感光性樹脂を現像し
た後、得られた硬化版表面に活性光線を照射することを
特徴とする感光性樹脂印刷版の製版方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素引き抜き剤を
含有する感光性樹脂印刷版用現像液及び該現像液を用い
た凸版印刷用の刷版として広く用いられている感光性樹
脂印刷版の製造方法(以下場合により製版方法あるいは
製版と略記する)に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性樹脂印刷版は、一般に活性光線照
射によるラジカル重合反応によりレリーフ部分の感光層
のみを硬化させる露光工程の後、レリーフ部分以外の未
硬化樹脂を所定の洗浄液(現像液)で溶解除去、あるい
は膨潤分散させて機械的に除去することにより、硬化部
分のみをレリーフとして版表面に出現させる現像工程に
よって得られる。
【0003】一般的にラジカル重合反応を利用した感光
性樹脂では、ラジカル活性種の消失反応が生長反応と競
争して起こるため、高感度すなわち反応速度を速くした
場合には重合度を高くすることが困難とされ、その重合
度は開始剤濃度で決定される。感光性樹脂として印刷に
適したレリーフを得るため、また製版作業を効率よく簡
便に行うために必要な感度すなわち反応速度を得るため
には、所定の開始剤量が必要であり、該使用領域では重
合度に限界があり硬化した後にも未反応物が残っていた
りして、得られた印刷版表面は多かれ少なかれべとつき
すなわち粘着性を有している。
【0004】感光性樹脂印刷版の製版は、一般的に露
光、現像、後露光、乾燥の4工程で行われており、後露
光は、現像後に得られた硬化版の内部及び表面の未反応
物を硬化させることにより機械的強度を増加させたり、
版の表面粘着性を減じるためにさらに活性光線を印刷版
に照射する工程である。しかし後露光工程を行った印刷
版でも表面粘着性の除去は必ずしも十分ではない。
【0005】この様な粘着性の大きな印刷版を印刷に使
用した場合、版の版胴への装・脱着時の作業性不良、置
版時に於ける版同志の接着やゴミ付着、さらに印刷中の
紙粉の付着、紙ムケ等の問題がある。特に印刷中、版の
粘着性が原因となり紙粉付着や紙ムケを起こした場合、
印刷を中断し版拭きを行う必要があり作業効率の低下が
著しい。
【0006】上記の如き問題を解消する方法として、後
露光時、液体中に感光性樹脂版を浸して活性光線を照射
したり(水中後露光方法)、不活性ガス中で後露光して
感光性樹脂層表面の重合を促進する方法や、各種ゴムラ
テックス、サランラテックス等のコーティング材を感光
性樹脂版にコーティングし表面を低粘着化したり、ある
いは酸化剤、還元剤を単独使用もしくは混合使用し感光
性樹脂版を化学処理する方法若しくはこれらを組み合わ
せた方法等が採用されている。またコーティング法の一
種として高級アルキル基を有するある特定の化合物を感
光性樹脂組成物中に含有させ、製版後該化合物が印刷版
表面に結晶化析出することを利用した表面粘着性除去方
法(特開昭61−120142号公報)も提案されてい
る。
【0007】しかし乍ら、これらの方法は効果そのもの
が不十分であったり、効果はあっても使用薬品の取り扱
い性が問題となる場合がある。具体的には、(1)コー
ティング法は印刷中にコーティング層が剥がれていくと
いう欠点があり、効果の持続性が不十分である。(2)
感光性樹脂組成物の種類によっては、液体中、不活性ガ
ス中のような酸素を遮断した雰囲気中における後露光で
も粘着性除去そのものが不十分な場合がある。(3)酸
化剤、還元剤を使用する処理方法は、一般に使用する薬
剤の取り扱いに注意が必要であったり、該処理液が接触
する装置に錆止加工が必要になる。
【0008】特に(2)は、酸素を遮断して組成物中の
重合性二重結合のラジカル重合を効率よく行わせること
によって三次元構造化させ、機械的強度の増加と同時に
未反応(すなわち、架橋されていない)のプレポリマー
の存在を極力なくして粘着性低減をはかろうとするもの
である。しかし、プレポリマー1分子中の重合性2重結
合の数が2以下のものを多く含む場合には、機械的強度
増加は認められるが粘着性除去効果は不十分であり、ま
た重合性2重結合の数が2を越えるものの場合には、十
分な粘着性除去効果を達成するためには活性光線の照射
時間を非常に長く必要とする。
【0009】つまり現状の製版工程では末端二重結合を
すべて反応させることは困難であるし、プレポリマー末
端に有する二重結合がすべて反応しても粘着性が全くな
い版は得られない場合が多い。従ってこの様なプレポリ
マーを含む感光性樹脂組成物の粘着性除去をより十分に
行うためには、重合性2重結合の重合以外の方法も行わ
せてプレポリマーを三次元架橋させることが有効であ
る。
【0010】二重結合以外の反応による三次元架橋とし
て特公昭56ー16182号公報では、末端二重結合が
モノマーあるいはプレポリマーと反応したプレポリマー
主鎖の水素を引き抜くことによりラジカルを生成させ、
プレポリマー主鎖間に結合を生じさせることにより架橋
する方法を開示している。すなわち、活性光線を照射さ
れることによって化合物中の水素原子を引き抜くことの
できる水素引き抜き剤を、ラジカル重合性樹脂硬化物の
表面層に含浸させた後、該硬化物の含浸部分に300n
m以下、好ましくは200〜300nmの波長を有する
活性光線を照射することによって、ラジカル重合性樹脂
硬化物の表面粘着性を除去する方法である。
【0011】特公昭56−16182号公報では、水素
引き抜き剤をラジカル重合性樹脂硬化物表面層に含浸す
る方法の具体的記載として、エタノール、イソプロパノ
ールまたは水/エタノール(1/4)混合液に水素引き
抜き剤を溶解し、得られた溶液中に硬化物を浸漬した
り、溶液をスプレーによって硬化物表面層に噴霧する例
示がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の如き方
法により水素引き抜き剤を含浸させた場合、表面粘着性
除去効果は十分に認められるものの、通常の工程で製版
された版に対して水素引き抜き剤の含浸工程が別途必要
であり、製版工程の増加、煩雑化にともなう生産量の減
少あるいは新規設備の投入により製版コストが増大して
しまう。また、アルコールのような有機溶媒では、引火
点が低いため上記のような使い方では取り扱い性が難し
く、新たに防爆型の乾燥機、強制排気装置等の高価な設
備が必要となる。
【0013】そこで本発明は、水素引き抜き剤による架
橋反応を利用した特公昭56−16182公報の表面粘
着性除去方法における作業性、生産性あるいは薬品取り
扱い性を改善し、且つより効果的な表面粘着性除去を実
現するための感光性樹脂印刷版用現像液及び感光性樹脂
印刷版の製造方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題を解決するため鋭意研究した結果、現像液に水素引き
抜き剤を含有させることにより新たに浸漬工程等を付与
することなく、通常の製版工程(露光、現像、後露光、
乾燥)において版表面に粘着性のない感光性樹脂印刷版
が得られるという知見を得て、本発明を完成するに到っ
た。
【0015】すなわち本発明の一つは、活性光線を照射
されることによって化合物中の水素原子を引き抜くこと
のできる水素引き抜き剤を含有することを特徴とする感
光性樹脂印刷版用現像液であり、もう一つは、露光した
感光性樹脂を該現像液により現像した後、得られた硬化
版表面に活性光線を照射することを特徴とする感光性樹
脂印刷版の製造方法である。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明を
適用し得る感光性樹脂組成物は、特に制限されるもので
はないが、好ましく適応できる感光性樹脂組成物の代表
的なものとしては次の(1)、(2)の2種類を挙げる
ことができる。
【0017】(1)重合性2重結合を分子中少なくとも
1個以上有するプレポリマーと光重合開始剤、重合性2
重結合を有するエチレン性不飽和単量体を含む感光性樹
脂組成物であり、プレポリマーとしては、例えば不飽和
ポリエステル、不飽和ポリウレタン、不飽和ポリアミ
ド、不飽和ポリアクリレート樹脂、不飽和ポリメタクリ
レート樹脂及びこれらの各種変性物等を少なくとも1種
類以上用いたものを挙げることができる。このような感
光性樹脂組成物としては、特開平1−245245号公
報、特開平3−157657、特開昭55−03493
0号公報に記載されているものを挙げることができる。
【0018】(2)少なくとも未加硫ゴムとエチレン性
2重結合を有する単量体、光重合開始剤からなる感光性
ゴム組成物、いわゆる感光性エラストマーである。例え
ば、特開平5−134410号公報に記載されている感
光性樹脂組成物を挙げることができる。
【0019】本発明の一つである水素引き抜き剤を含有
することを特徴とする感光性樹脂印刷版用現像液につい
て詳細に説明する。本発明による感光性樹脂印刷版用現
像液のうち水素引き抜き剤以外の成分は、現像液として
硬化反応部分を浸食することなく未硬化部分を洗い流す
ことができるという本来の役割を果たすものであれば特
に制限されるものではない。例えば、水、界面活性剤を
含む水溶液、アルカリ水溶液、有機溶媒、塩素系溶媒な
ど未硬化部分を溶解、乳化、あるいは未硬化部分の樹脂
を膨潤させるものを挙げることができる。
【0020】本発明に用いる水素引き抜き剤としては、
活性光線照射によって励起し他の化合物中の水素原子を
引き抜くことが可能な有機カルボニル化合物が望ましい
が、該水素引き抜き反応が励起状態のカルボニル基の他
の反応、例えば、ノリッシュ(Norrish)の1型
反応、すなわちカルボニル化合物が光照射下でそのα位
開裂をする反応、又は2型反応、すなわちカルボニル基
のγ位に引き抜かれる水素を持ったケトンが光照射下で
オレフィンと低分子ケトン化合物に開裂する反応、に比
べ同程度かそれ以上の反応を示す有機カルボニル化合物
が適している。
【0021】本発明に使用し得る代表的な有機カルボニ
ル化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベン
ゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、
4−クロロベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェ
ノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサル
ファイド、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフ
ェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、4−メチ
ルベンゾフェノンといった置換又は無置換ベンゾフェノ
ン類;
【0022】アセトフェノン、4’−メチルアセトフェ
ノン、2’,4’−あるいは3’,5’−ジメチルアセ
トフェノン、4’−メトキシアセトフェノン、2−クロ
ロ−2−フェニルアセトフェノン、3’,4’−ジクロ
ロアセトフェノン、4’−ヒドロキシアセトフェノン等
の置換又は無置換アセトフェノン類;
【0023】ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、
ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエ
ーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等、ベンゾイン
アルキルエーテル化合物やデオキシベンゾイン、ベンジ
ルジメチルケタール、ベンジル、2−ナフチルフェニル
ケトン、ジベンゾスベロンといった置換または無置換芳
香族ケトン類;
【0024】1,4−ベンゾキノン、2,6−ジメチル
−1,4−ベンゾキノン、2,6−ジクロロ−1,4−
ベンゾキノン、アントラキノン、2−クロロアントラキ
ノン、2−エチルアントラキノン、1,4−ナフトキノ
ン、2,3−ジクロロ−1,4−ナフトキノン、2,3
−ジメチル−1,4−ナフトキノン、2−エチル−1,
4−ナフトキノン、フェナントレンキノン、1,2−ナ
フトキノン、カンファーキノンといった各種o,p−キ
ノン化合物類;
【0025】チオキサントン、2−クロロチオキサント
ン、2−メチルチオキサントン、2−イソプロピルチオ
キサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4
−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサ
ントンといった置換または無置換チオキサントン類など
各種の有機カルボニル化合物が本発明の水素引き抜き剤
として用いることができる。
【0026】好ましくは、有機カルボニル化合物が、カ
ルボニル炭素に少なくとも1つの置換、あるいは無置換
の芳香族が結合したものであり、次に示す式(1)又は
(2)で表される構造を有する有機カルボニル化合物
は、本発明の水素引き抜き剤として効果的である。式
(1)又は(2)で示される化合物は少なくとも1つを
使用すればよいが、もちろん2種以上の水素引き抜き剤
を組み合わせて使用しても良い。
【0027】
【化1】 (式中X1 は硫黄(−S−)、カルボニル基(−CO
−)、エチレン基(−CH2 −CH1 −)を表す。また
1 、R2 及びR3 は同一でも異なっていてもよく、水
素原子、炭素数が1〜5のアルキル基、炭素数が1〜5
のアルコキシル基、F、Cl、Br、Iのハロゲン原
子、炭素数が1〜5のヒドロキシアルキル基、炭素数が
1〜5のヒドロキシアルコキシル基又は4級アンモニウ
ム塩誘導体を表わす。)
【0028】
【化2】 (式中X2 は下記一般式で示される置換もしくは非置換
のベンゾイル基、フェニル基、ナフチル基を表わす。ま
たR4 は水素原子、F、Cl、Br、Iのハロゲン原
子、炭素数1〜5のアルコキシル基、ヒドロキシル基、
炭素数1〜5のアルキル基、炭素数が1〜5のヒドロキ
シアルキル基又は炭素数が1〜5のヒドロキシアルコキ
シル基を表わす。)
【0029】
【化3】 (式中R5 はF、Cl、Br、Iのハロゲン原子、水素
原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアル
コキシル基、炭素数が1〜5のヒドロキシアルキル基、
炭素数が1〜5のヒドロキシアルコキシル基又は4級ア
ンモニウム塩誘導体を示す。)
【0030】また、式(1)又は(2)の誘導体として
は、重合性二重結合を有するものでも本発明の水素引き
抜き剤として用いることができる。この様な化合物とし
て具体的には、ベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシ
ベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、アン
トラキノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルア
ントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−
クロロチオキサントンなどが挙げられ、式(1)又は
(2)の4級アンモニウム塩誘導体としては、(2−ア
クリロイルオキシ)(4−ベンゾイルベンジル)ジメチ
ル臭化アンモニウム塩、(4−ベンゾイルベンジル)塩
化トリメチルアンモニウム、2−(3−ジメチルアミノ
−2−ヒドロキシプロポキシ)−3,4−ジメチル−9
H−チオキサントン−9−オンメソクロライドなどが挙
げられる。この中では、分散性、単位重量当たりの水素
引き抜き効果等の点からベンゾフェノンが最も効果的で
ある。
【0031】本発明の一つの効果、すなわち非粘着性の
感光性樹脂印刷版が得られるという効果が十分に発揮さ
れるためには、水素引き抜き剤を含有した現像液による
現像工程において、感光性樹脂印刷版中の樹脂硬化物表
面に水素引き抜き剤を付着含浸させることが必要であ
り、そのためには現像液組成のうち水素引き抜き剤が現
像液中に分散していることが必要である。
【0032】現像中での水素引き抜き剤の状態は溶解し
ていることが最適であるが、懸濁状態として均一分散し
ていれば効果は発現される。均一分散状態とは、現像中
に必要量の水素引き抜き剤が沈降しないで溶解、浮遊し
ている状態を表わし、より詳しくは、後述する適正現像
温度において必要量の水素引き抜き剤が24時間以上沈
殿物とならないことを示す。分散状態の水素引き抜き剤
の粒径については、粒径が小さい方が硬化部表面への含
浸に効果的であり、特に制限するところではないが10
-5cm以下のものであることが望ましい。
【0033】現像液中で水素引き抜き剤が均一分散して
いない状態、すなわち現像機槽内で水素引き抜き剤が沈
降し、必要量の分散が維持されない状態では、現像機底
部に滞留した水素引き抜き剤成分が樹脂硬化部表面層へ
の付着含浸に関与しないため粘着性除去効果が十分でな
くなる。またスプレー型現像機では、ノズル部分で結晶
化した水素引き抜き剤が詰まることによりスプレー圧の
低下が生じ、さらには装置故障の原因と成り得る。
【0034】水素引き抜き剤を現像液中で均一分散させ
るための混合方法としては、次のような方法が挙げられ
る。水素引き抜き剤が現像液に溶解あるいは均一分散す
る場合には、そのまま水素引き抜き剤を現像液に投入し
混合する。また現像液の一部を分け取り、水素引き抜き
剤を混合したものを現像液に投入しても良い。
【0035】しかし、多くの水素引き抜き剤は10〜2
0℃で固体であり、また液体であっても特に水系現像液
に対しては溶解あるいは均一分散しないものが多い。こ
のように水素引き抜き剤を溶解あるいは分散する能力に
乏しい現像液では、現像液組成の変更あるいは分散助剤
の添加によって水素引き抜き剤の溶解性あるいは均一分
散性を付与することも可能である。特に20〜60℃の
現像液使用温度において引火点を持たないことを特徴と
する水系現像液では、水素引き抜き剤を乳化し得る界面
活性剤の使用が効果的である。
【0036】また水素引き抜き剤を単体で現像液に混合
しても溶解あるいは均一分散が困難な場合には、あらか
じめ現像液中で分散状態になるような方法で混合しなけ
ればならない。例えば(1)あらかじめ水素引き抜き剤
を融点まで加熱して液体にしたものを投入し混合する、
(2)あらかじめ水素引き抜き剤の固体をミキサー等の
機械的粉砕により極微少な粉末にしたものを現像液に投
入し混合する方法、(3)あらかじめ水素引き抜き剤と
現像液とに溶解性を有する溶媒により水素引き抜き剤溶
液を作成し、この溶液を現像液に投入し混合する方法、
(4)あらかじめ水素引き抜き剤を溶解あるいは均一分
散させる界面活性剤により水素引き抜き剤溶液あるいは
均一分散液を作成し、その溶液あるいは均一分散液を現
像液に投入し混合する方法等が挙げられる。
【0037】液状感光性樹脂の現像液として一般的な水
系現像液では、1〜5%の界面活性剤水溶液が用いられ
ており、あらかじめ調合されたウオッシュアウト剤と称
する界面活性剤を主剤とする原液を水で希釈し、必要に
応じて適量の消泡剤を添加することにより作成される。
水系現像液に使用する界面活性剤に対して水素引き抜き
剤の溶解性、分散性が優れる場合には、前述した混合方
法(4)を用いてあらかじめ水素引き抜き剤を溶解ある
いは均一分散させたウオッシュアウト剤を調合して、現
像液を作成することができる。
【0038】この方法によれば、現像液作成工程での水
素引き抜き剤の単体、溶液あるいは分散液の添加工程が
なく、ウオッシュアウト剤の希釈という従来の現像液作
成方法により水素引く抜き剤を含有する現像液の作成が
可能となり、作業性に優れるばかりか引火点の低い有機
溶剤を使用することもないので薬品取り扱い性、作業環
境の点でも有利である。
【0039】本発明では、樹脂硬化部表面層への水素引
き抜き剤の付着含浸を現像工程で行うものであるため、
その含浸条件は現像液温度、現像液中の水素引き抜き剤
含有量、現像時間により決定される。現像液の温度は特
に制約はなく、通常製版工程において現像性能の点から
求められる現像温度で差し支えない。現像液温度を高く
すると一般的に現像液に対する水素引き抜き剤の溶解
性、均一分散性が向上し、また樹脂硬化部表面の膨潤が
大きくなり、水素引き抜き剤の含浸量が増大するために
表面粘着性除去効果が増大する。安定した版表面の粘着
性除去効果を得るためには、現像液温度が20〜60℃
に保たれていることが好ましい。
【0040】特公昭56−16182号公報に記載の版
浸漬による表面粘着性除去方法では、浸漬時間と水素引
き抜き剤濃度の最適化により粘着性除去効果の調整が可
能であったが、本発明では現像時間が樹脂硬化部への水
素引き抜き剤の含浸時間となるため、現像時間を変えず
に効果を出そうとしたとき水素引き抜き剤の含有量で表
面粘着性除去効果の調整を行うことになる。したがって
この場合、現像時間については、未露光樹脂を十分に洗
い流すことができる時間であればよい。例えば、厚みが
5〜7mmの感光性樹脂版の一般的な現像時間は5〜1
0分である。
【0041】現像液中の水素引き抜き剤の含有量につい
ては、感光性樹脂組成物の種類、水素引き抜き剤の種
類、現像温度、現像時間、現像方法(スプレー、ブラシ
等、これに付随する条件の変化)等により最適含有量は
異なるが、十分な表面粘着性除去効果を得るためには、
現像液100重量部に対して水素引き抜き剤0.01〜
10重量部であり、好ましくは0.05〜10重量部で
ある。0.01重量部以下の含有量では表面粘着性除去
効果が十分ではなく、10重量部を超えた含有量では表
面粘着性除去効果の増大がないばかりか、現像液への負
荷が大きくなるため現像性への悪影響が生じる。
【0042】本発明の効果の一つである非粘着性の感光
性樹脂印刷版を得るためには、(1)水素引き抜き剤を
含有する現像液で露光した感光性樹脂を現像すること、
(2)現像後、該硬化版に活性光線を照射して水素引き
抜き剤を活性化(励起)して水素引き抜き反応を起こす
ことが必要である。これら二つの工程を感光性樹脂印刷
版の製造工程として一般的な、露光、現像、後露光、乾
燥の4つの工程の中で行い、また装置的改良を必要とし
ないことは、本発明の一つであり、効果である。
【0043】本発明において、樹脂硬化物表面層への水
素引き抜き剤の含浸を現像工程で行うのは、単に現像工
程と含浸工程を一体化するといった工程的簡略化のみな
らず、現像液と樹脂の親和性により水素引き抜き剤の含
浸がより効果的に行われることを期待したものである。
結果的にメカニズムの詳細は明らかでないが、特開昭5
6−16182号公報に記載の方法に対して現像液の化
学的性質により表面粘着性の除去効果が増大しているば
かりか、表面粘着性除去効果の増大に対しては現像性改
善のための現像機の様式が物理的に寄与するところも大
きい。
【0044】次に本発明の一つである、露光した感光性
樹脂を水素引き抜き剤を含有する現像液により現像した
後、該硬化版表面に活性光線を照射することを特徴とす
る感光性樹脂印刷版の製造方法について詳細に説明す
る。液状感光性樹脂の露光工程は、液状樹脂を一定厚み
に整える成型工程を併せて行われる。この様な液状感光
性樹脂の成型・露光工程を行う装置を製版機と呼ぶ。
【0045】液状感光性樹脂を用いた凸版印刷用の刷版
の成型・露光工程は、(1)紫外線透過性のガラス板上
にネガフィルムを置き、薄い保護フィルムでカバーした
後、その上に液状感光性樹脂を流し、これが一定の版厚
になるようスペーサーを介して支持体となるベースフィ
ルムを貼りあわせ、さらにその上から紫外線透過性のガ
ラス版で押さえつけることによる成型工程、(2)紫外
線蛍光灯を光源とする活性光線(300nm以上に波長
分布を有する)を下部ガラス側からネガフィルムを介し
て照射し画像形成を行うレリーフ形成露光工程、(3)
上部ガラス側から支持体を介して下部と同様の活性光線
を短時間照射することにより、版の支持体側全面に均一
な薄い硬化樹脂層すなわち床部形成層(バック析出層)
を析出させるバック露光工程、を順次行うことで成され
る。
【0046】フレキソ印刷に用いるような刷版の厚みが
4mm以上の場合には、印刷時の印圧に対するレリーフ
の強度を補うために土台となるシェルフ層を形成する必
要がある。この場合、レリーフ露光前に上部ガラス側か
ら専用のネガフィルムを用いたマスキング露光を行う必
要がある。
【0047】固体(シート)状感光性樹脂は、感光性樹
脂層を一定厚みに成型し、保護フィルム層、保護膜層、
感光性樹脂層、ベースフィルム(支持体)層からなる複
合構成体であるためその露光工程は、(1)紫外線透過
性のガラス板上に固体(シート)状感光性樹脂の支持体
側が接するように配置し、紫外線蛍光灯を光源とする活
性光線を下部ガラス側から照射するバック露光工程、
(2)保護フィルムを剥離して露出した保護膜上にネガ
フィルムを密着させ、上部からネガフィルムを介して下
部と同様の活性光線を照射するレリーフ露光工程、を順
次行うことで成される。以上の露光工程は、一般的に行
われている方法の一例に過ぎず、本発明の露光工程は、
露光後に現像液での現像を必要とする方式であれば、そ
の様式に依らず全てに適応できる。
【0048】本発明の現像工程では、前記した水素引き
抜き剤を含有する現像液を使用することを特徴としてい
る。しかし現像方法としては、一般的に用いられている
現像方法と同様の方法が適用できる。例えば、現像液中
に露光した感光性樹脂版を浸漬する方法、現像液をスプ
レーノズルから露光した感光性樹脂版面上に吹き付け未
硬化樹脂を溶解除去する方法、あるいは浸漬・スプレー
により膨潤した未硬化樹脂をブラシで掻き取る方法など
が挙げられ、感光性樹脂の湿式現像に関する公知技術の
全てに適応できる。
【0049】本発明における現像後硬化版への活性光線
照射は、通常製版の後露光工程と供して行うことが望ま
しいが、通常製版の後露光工程として以下に示す活性光
線の適正を満たさない場合、別途適正な活性光線照射工
程を付加しなければならない。
【0050】水素引き抜き剤を含有した現像液により現
像した硬化樹脂版に照射する活性光線は、水素引き抜き
剤を効率よく励起させる波長領域に波長を有しているこ
とが必要であり、活性光線の波長について特に制限する
ものではない。上述した有機カルボニル化合物を水素引
き抜き剤として用いる場合、特に300nm以下の短波
長領域に波長分布を有する紫外線を用いることが好まし
い。しかし200nm以下に波長を有する活性光線を空
気中で照射する場合、オゾンの発生、硬化物に対する酸
化反応が無視できないため200〜300nmの波長領
域に分布を有する活性光源が好ましい。たとえば低圧水
銀灯、殺菌灯、重水素ランプ等を挙げることができる。
【0051】液状感光樹脂製版工程の後露光工程は、機
械的強度の促進、表面粘着性除去を主目的とした現像後
硬化樹脂版への活性光照射であり、レリーフ露光に用い
る300nm以上の波長領域に分布を有する活性光源
(例えば高圧水銀灯、超高圧水銀灯、紫外線蛍光灯、カ
ーボンアーク灯、キセノンランプ等)と200〜300
nmの波長領域に分布を有する活性光源を併用して用い
られている場合が多いので、本発明の活性光線照射を後
露光工程に供して行うことが可能であり、また生産性に
おいても好ましい。
【0052】固体(シート)状感光性樹脂製版工程の後
露光工程においては、表面粘着性の除去を目的に200
〜300nmの波長領域に分布を有する活性光線の照射
を行うのが一般的であるため、本発明の活性光線照射を
後露光工程に供して行うことが可能であり、また生産性
においても好ましい。また該活性光線の照射は、空気中
の酸素による重合反応阻害を防止するための水中露光方
式で行っても良いし、また空気中、すなわち酸素阻害へ
の対策を行わない方法(空中露光方式)で露光しても良
い。
【0053】ただし、空中露光方式による該活性光線照
射で得られた印刷版は、印刷に供する画像部分表面つま
りレリーフ露光により得られた凸部表面では十分に粘着
性除去が行われるが、印刷性、版取り扱い性の為に形成
されるシェルフ層、バック析出層表面(支持体側から露
光し形成する)では十分に粘着性が除去されない場合が
あり、特に液状感光性樹脂では顕著である。シェルフ
層、バック析出層の表面粘着性が紙粉付着、紙ムケ等へ
及ぼす影響は軽微であり、印刷版としては実用可能なも
のも得られるが、版表面全体に粘着性を除去する方法と
しては水中後露光方式が望ましい。
【0054】十分な表面粘着性除去効果を得るための適
正露光量は、硬化樹脂版の樹脂組成、水素引き抜き剤の
種類、樹脂組成に対する水素引き抜き剤の含浸量により
異なるが、少なくとも500mJ/cm2 (オーク製作
所紫外線測定器UV−M02により250nmの波長に
おける照射量を測定し、照射時間から算出した値)以上
を必要とし、通常1000〜3000mJ/cm2 の範
囲で露光することが好ましい。5000mJ/cm2
上の露光量では版表面に微少なクラックが生じるので好
ましくない。乾燥工程は、版表面の水分がなくなるまで
行えば良く、特に温度、時間、方式について制限すると
ころではない。
【0055】
【発明の実施の形態】印刷版表面の粘着性評価は、直径
50mm、巾13mmのアルミニウム輪の円周部表面に
ポリエチレンフィルムを貼り付けたものをレリーフ表面
層に接触させ、アルミニウム輪に500gの荷重をかけ
て4秒間放置した後、毎分30mmの速度でアルミニウ
ム輪を引き上げ、アルミニウム輪がレリーフ表面から離
れる時の粘着力をプッシュブルゲージで読みとるタイプ
のタックテスター(東洋精機社製)により行った。タッ
クテスターの値(以後タック値と記載)は小さい方が表
面粘着性がない印刷版であるといえる。ただし恒久的粘
着性評価では、印刷時に剥がれ落ちてしまうコーティン
グ層がない状態、すなわち感光性樹脂組成中に表面粘着
性除去を目的とした化合物が含まれる場合はそれを除去
して、感光性樹脂基質の粘着性を測定しなければならな
い。
【0056】タックテスターによる指示値がおよそ50
gを超えるものは、印刷版表面に異物が付着して印刷物
に不良をきたし、また100gを超えるものは、印刷版
を重ね置きしたときに版同志が密着したり、被印刷物が
紙である場合には印刷面と紙との粘着により紙ムケの現
象が起こる。良好な印刷版としては0gであることが望
ましいが、30g以下であれば実用上粘着性に起因する
問題は起こり得ないと考えられている。印刷版の中でも
特に粘着性が悪いとされている液状感光性樹脂印刷版で
は、表面粘着性除去の為の何らかの処置を施していない
場合、タックテスターによる指示値が100gを超える
ものが一般的である。
【0057】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0058】実施例1 特開平1−245245号公報記載の実施例1により得
られる感光性樹脂組成物(以後液状感光性樹脂Aと記
載、ポリエーテル系不飽和ポリウレタンポリマー使用)
をALF−213E型製版機(旭化成工業(株)製)を
用いて露光工程まで終了した7mm版を作成した。露光
量はレリーフ深度2mm、シェルフ層5mm、バック析
出層1mm、また65 line/inch3%のハイ
ライト形成が可能となる適正露光条件とした。
【0059】液状感光性樹脂Aを乳化し得るAPR(登
録商標)ウオッシュアウト剤:タイプW−8(主剤:ア
ニオン系界面活性剤使用、旭化成工業(株)製)にベン
ゾフェノンを3.5%の濃度に溶解しウオッシュアウト
剤:WZ−8を調合した。AL−400W型現像機(ド
ラム回転スプレー式、旭化成工業(株)製)の現像液漕
(70リットル)でWZ−8が2%になるよう水で希釈
し、消泡剤SH−4(シリコーン混和物、旭化成工業
(株)製)を0.3%添加して現像液とした。結果的に
この現像液中には、0.07%のベンゾフェノンが含有
されていることになる。
【0060】準備した現像液を40℃に温調を行った
後、露光工程まで終了した液状感光性樹脂Aからなる7
mm版を10分間の現像時間で現像した。次いで、現像
した版を水道水で現像液による泡が落ちる程度に洗浄し
た後、AL−200UP型後露光機(旭化成工業(株)
製)で紫外線蛍光灯、殺菌灯共に2500mJ/cm2
の露光量で水中後露光を行った。その後AL−100P
型乾燥機(旭化成工業(株)製)で版表面の水分が無く
なるまで約30分乾燥を行った後、20℃恒温室にて一
晩放置して印刷版を得た。
【0061】得られた液状感光性樹脂A印刷版の印刷に
供する画像表面(以下、印画部と略記)をエチルアルコ
ールを染み込ませた布で激しく拭いて、エチルアルコー
ルが揮発した後、版表面粘着性を前記した方法により測
定したところ、タック値は0gであった。バック析出層
についても触感評価により粘着性がないことを確認し
た。
【0062】実施例2 特開平3ー157657号公報記載の実施例3により得
られる感光性樹脂組成物(以後液状感光性樹脂Bと記
載、ポリエーテル/ポリエステル系不飽和ポリウレタン
ポリマー使用)を用いて実施例1と同様に露光工程まで
終了した7mm版を作成した。次いでW−8が液状感光
性樹脂Bをも乳化し得るウオッシュアウト剤であるた
め、現像液としてWZ−8の2%水溶液を用いて、実施
例1と同様に現像、水中後露光、乾燥工程を行って印刷
版を得た。得られた液状感光性樹脂B印刷版の印画部表
面エチルアルコール拭き後タック値は20gであった。
【0063】実施例3 特公昭55−034930号公報に記載の実施例1によ
り得られる感光性樹脂組成物(以後液状感光性樹脂Cと
記載、1,2−水添ポリブタジエン系不飽和ポリウレタ
ンポリマー使用)をALF−213E型製版機を用いて
露光工程まで終了した3mm版を作成した。露光量はレ
リーフ深度2mm、バック析出層1mm、また100
line/inch3%のハイライト形成が可能な最適
露光条件とした。液状感光性樹脂Cを乳化し得るAPR
ウオッシュアウト剤:タイプW−6(主剤:ノニオン系
界面活性剤、アニオン系界面活性剤併用、旭化成工業
(株)製)にベンゾフェノンを5%の濃度に溶解しウオ
ッシュアウト剤:WZ−6を調合した。
【0064】AL−400W型現像機の現像液漕(70
リットル)でWZ−6が2%になるよう水で希釈し、消
泡剤SH−4を0.3%添加して現像液とした。結果的
にこの現像液中には、0.1%のベンゾフェノンが含有
されていることになる。上記組成の現像液:WZ−6の
2%水溶液を使い実施例1と同様の方法で成型・露光さ
れた液状感光性樹脂Cからなる3mm版を現像、後露
光、乾燥して印刷版を得た。得られた液状感光性樹脂C
印刷版の印画部表面エチルアルコール拭き後タック値は
50gであった。
【0065】実施例4 特開平5−134410号公報記載の実施例1により得
られる感光性エラストマー組成物をシート状に加圧成型
したもの(以後固体(シート)状感光性樹脂Dと記載、
スチレン/ブタジエン共重合ポリマー使用、2.84m
m版)をレリーフ深度2mm、100 line/in
ch3%のハイライト形成が可能となる露光条件で露光
した。次いでテトラクロルエチレン/n−ブチルアルコ
ール(3/1)の混合液にベンゾフェノンを0.3%溶
解した溶液を用いてブラシによる未露光部分の洗い出し
(現像)を行い、60℃で1時間乾燥後、室温一晩放置
し、殺菌灯を光源とする後露光装置により露光量100
0mJ/cm2 で後露光して印刷版を得た。製版工程は
AFP1500システム(旭化成工業(株)製)により
行った。得られた固体(シート)状感光性樹脂D印刷版
の印画部表面エチルアルコール拭き後、タック値は30
gであった。
【0066】実施例5 現像液として、ウオッシュアウト剤W−8:2%、消泡
剤SH−4:0.3%を含有する水溶液70リットルに
(4−ベンゾイルベンジル)塩化トリメチルアンモニウ
ムを150g添加した液を用いること以外は実施例1と
同様の方法で印刷版を得た。得られた液状感光性樹脂A
印刷版の印画部表面エチルアルコール拭き後タック値は
10gであった。
【0067】実施例6 あらかじめベンゾフェノン:50gをエタノール:0.
5リットルで溶解し、ベンゾフェノン−エタノール溶液
を作成した。ウオッシュアウト剤W−8:2%、消泡剤
SH−4:0.3%で調合した水溶液70リットルに上
記ベンゾフェノン/エタノール溶液を添加して現像液と
した。結果的にこの現像液中には、0.07%のベンゾ
フェノンが含有されていることになる。該現像液の引火
点を測定した結果、99℃において液が沸騰して引火点
は測定不能であった。上記現像液を用いること以外は実
施例1と同様の方法で製版した。得られた液状感光性樹
脂A印刷版の印画部表面エチルアルコール拭き後タック
値は0gであった。
【0068】実施例7 実施例1と同様の方法により現像まで行った版を水道水
で界面活性剤による泡が落ちる程度に洗浄した後、AL
−200UPの水槽に水を入れないで使用して、紫外線
蛍光灯、殺菌灯共に2500mJ/cm2 の露光量で後
露光を行い、次いで乾燥工程を行うことにより印刷版を
得た。得られた液状感光性樹脂A印刷版の印画部表面エ
チルアルコール拭き後タック値は10gであった。バッ
ク析出層については、触感による評価の結果、一部でべ
とつきが残っている部分があることが確認された。
【0069】比較例1 ウオッシュアウト剤としてベンゾフェノンの含有されて
いないW−8を使用すること以外はすべて実施例1と同
様の方法で製版した。得られた液状感光性樹脂A印刷版
の印画部表面エチルアルコール拭き後タック値は100
gであった。バック析出層については触感評価の結果、
全体にべとつきがあることが確認された。
【0070】比較例2 ウオッシュアウト剤としてベンゾフェノンの含有されて
いないW−8を使用すること以外はすべて実施例2と同
様の方法で製版した。得られた液状感光性樹脂B印刷版
の印画部表面エチルアルコール拭き後タック値は400
gであった。
【0071】比較例3 ウオッシュアウト剤としてベンゾフェノンの含有されて
いないW−6を使用すること以外はすべて実施例3と同
様の方法で製版した。得られた印刷版の印画部表面エチ
ルアルコール拭き後タック値は410gであった。
【0072】比較例4 現像液としてベンゾフェノンを添加しないテトラクロル
エチレン/n−ブチルアルコール(3/1)の混合液使
用すること以外はすべて実施例4と同様の方法で製版し
た。得られた固体(シート)状感光性樹脂D印刷版の印
画部表面エチルアルコール拭き後タック値は70gであ
った。
【0073】比較例5 実施例1のAL−200UPによる水中後露光工程にお
いて、殺菌灯を光源とする活性光線の照射を行わず、紫
外線蛍光灯だけで後露光を行うこと以外はすべて同様の
方法で製版した。液状感光性樹脂A印刷版の印画部表面
エチルアルコール拭き後タック値は420gであった。
【0074】比較例6 比較例1と同様の方法により現像まで行った版を水道水
で界面活性剤による泡が落ちる程度に洗浄し、AL−1
00Pで版表面の水分が無くなるまで乾燥を行った。そ
の後、AL−200UPの水槽に水を入れないで使用し
て、紫外線蛍光灯、殺菌灯共に2500mJ/cm2
露光量で後露光し、次いで乾燥工程を行うことにより印
刷版を得た。得られた液状感光性樹脂A印刷版の印画部
表面エチルアルコール拭き後タック値は230gであっ
た。バック析出層については、触感評価の結果、全体に
粘着性を有していることを確認した。
【0075】比較例7 比較例1と同様の方法により現像まで行った版を40℃
に加温した0.7g/リットルのベンゾフェノンのエチ
ルアルコール溶液に10分間浸漬し、版表面のエチルア
ルコールが揮発するまで室温で放置した後、AL−20
0UPの水槽に水を入れないで使用して紫外線蛍光灯、
殺菌灯共に2500mJ/cm2 の露光量で後露光を行
うことにより印刷版を得た。得られた液状感光性樹脂A
印刷版の印画部表面エチルアルコール拭き後タック値は
410gであった。バック析出層について触感評価を行
ったところ、未硬化粘着物が手に付着するほどべとつき
があった。
【0076】比較例8 ベンゾフェノン/エチルアルコール溶液の濃度を10g
/リットルとする以外は比較例7と同様の方法で製版し
た。得られた液状感光性樹脂A印刷版の印画部表面エチ
ルアルコール拭き後タック値は300gであった。バッ
ク析出層については触感評価の結果、全体にべたつきが
あることを確認した。
【0077】比較例9 比較例1で得られた版を40℃に加温した10g/リッ
トルのベンゾフェノンのエチルアルコール溶液に10分
間浸漬し、版表面のエチルアルコールが揮発するまで室
温で放置した後、AL−200UPの水槽に水を入れな
いで使用して殺菌灯1000mJ/cm2 で露光を行う
ことによって印刷版を得た。得られた液状感光性樹脂A
印刷版の印画部表面エチルアルコール拭き後タック値は
0gであった。バック析出層についても触感評価を行っ
た結果、べとつきがないことを確認した。
【0078】この方法では、表面粘着性除去効果として
は十分発揮されているものの、一連の製版工程に加えて
版浸漬・乾燥・殺菌光熱照射といった表面処理工程を付
属することから製版時間にかかる影響が大きい。また浸
漬液溶媒として有機溶剤(エタノールの引火点は13
℃)を用いるため、取り扱い性、作業環境の点から実用
製版設備としては、装置の防爆化、各種排気装置の設置
等、大幅な設備的改善が必要となる。
【0079】比較例10 比較例1で得られた版を40℃に加温した10g/リッ
トルのベンゾフェノン/水−エチルアルコール溶液(水
/エチルアルコール=1/1)に10分間浸漬し、版表
面の水分が揮発する迄AL−100Pで乾燥した後、A
L−200UPの水槽に水を入れないで使用して殺菌灯
1000mJ/cm2 で露光を行うことによって印刷版
を得た。得られた液状感光性樹脂A印刷版の印画部表面
エチルアルコール拭き後タック値は10gであった。ベ
ンゾフェノンの水−エチルアルコール溶液の引火点を測
定したところ25℃であった。
【0080】AL−100Pは防爆仕様ではなく引火点
25℃の溶媒の乾燥には適していないため、本格的な製
版工程として使用するには装置的改良が必要である。室
温放置による乾燥を試みたが、浸漬後の液きりをよく行
っても1時間以上かかってしまい、乾燥が十分でない状
態で殺菌灯による露光を行うと液が付着した部分では粘
着性除去が十分に行われず100g前後の測定値を示
し、また印刷版表面で外観上問題となるレベルのシミの
様な模様が発生した。
【0081】
【発明の効果】本発明による感光性樹脂印刷版用現像液
は、従来の現像液に比べ取り扱いの点でなんら変わるこ
とがない。該現像液を用いた製版方法により得られた感
光性樹脂版は、印刷前後ならびに印刷中において版表面
の粘着性が現れることはなく、製版を行った後、印刷
中、置き版時において版表面に異物が付着することがな
いため版表面を拭く等の作業を行う必要がなく、その作
業性はゴム版を用いる場合とほとんど変わることなく取
り扱い得る。
【0082】本発明による感光性樹脂印刷版の製造方法
では、液状感光性樹脂を用いた印刷版製版工程として挙
げられる製版・露光工程、現像(ウオッシュアウト)工
程、後露光工程、乾燥工程、また固体(シート)状感光
性樹脂を用いた印刷版製版工程として挙げられる露光工
程、現像(ウオッシュアウト)工程、乾燥工程、後露光
工程の一連の作業工程を増やすことがないため製版コス
トにかかる影響は全くない。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性光線を照射されることによって化合
    物中の水素原子を引き抜くことのできる水素引き抜き剤
    を含有することを特徴とする感光性樹脂印刷版用現像
    液。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の感光性樹脂印刷版用現
    像液を用いて、露光した感光性樹脂を現像した後、得ら
    れた硬化版表面に活性光線を照射することを特徴とする
    感光性樹脂印刷版の製造方法。
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