JPH09288042A - かみ合い式歯車測定方法 - Google Patents
かみ合い式歯車測定方法Info
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- JPH09288042A JPH09288042A JP8099938A JP9993896A JPH09288042A JP H09288042 A JPH09288042 A JP H09288042A JP 8099938 A JP8099938 A JP 8099938A JP 9993896 A JP9993896 A JP 9993896A JP H09288042 A JPH09288042 A JP H09288042A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】かみ合い式歯車測定方法において、測定すべき
歯車対がそれの各歯車の歯数が互いに素であるか否かと
は無関係に、歯車対の総合かみ合い伝達誤差から各歯車
の個別かみ合い伝達誤差を測定することを可能にする。 【解決手段】歯車対をかみ合い試験機にセットし(S1
〜5)、1回目の測定工程において、その歯車対を回転
させて歯車対の総合かみ合い伝達誤差を測定する(S
6)。その後、歯車対のかみ合い状態を解除し、その歯
車対のかみ合い位置を1ピッチ分だけ変更し(S7〜1
0)、その状態で、2回目の測定工程において、1回目
の測定と同様にして歯車対の総合かみ合い伝達誤差を測
定する(S11〜13)。その後、歯車対のうちの被測
定歯車の各歯毎に、2回目の測定結果から1回目の測定
結果を引き算することにより、被測定歯車の個別かみ合
い伝達誤差を演算する。
歯車対がそれの各歯車の歯数が互いに素であるか否かと
は無関係に、歯車対の総合かみ合い伝達誤差から各歯車
の個別かみ合い伝達誤差を測定することを可能にする。 【解決手段】歯車対をかみ合い試験機にセットし(S1
〜5)、1回目の測定工程において、その歯車対を回転
させて歯車対の総合かみ合い伝達誤差を測定する(S
6)。その後、歯車対のかみ合い状態を解除し、その歯
車対のかみ合い位置を1ピッチ分だけ変更し(S7〜1
0)、その状態で、2回目の測定工程において、1回目
の測定と同様にして歯車対の総合かみ合い伝達誤差を測
定する(S11〜13)。その後、歯車対のうちの被測
定歯車の各歯毎に、2回目の測定結果から1回目の測定
結果を引き算することにより、被測定歯車の個別かみ合
い伝達誤差を演算する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、かみ合い式歯車測
定方法に関するものであり、特に、歯車対についての総
合かみ合い伝達誤差からその歯車対における各歯車につ
いての個別かみ合い伝達誤差を取得する技術の改良に関
するものである。
定方法に関するものであり、特に、歯車対についての総
合かみ合い伝達誤差からその歯車対における各歯車につ
いての個別かみ合い伝達誤差を取得する技術の改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】上記かみ合い式歯車測定方法の一形式
に、歯車対をかみ合い回転させてその歯車対の総合かみ
合い伝達誤差を測定し、その測定された総合かみ合い伝
達誤差に基づき、歯車対のうちの被測定歯車の個別かみ
合い誤差を測定する方法が存在する。ここに「総合かみ
合い伝達誤差」は、歯車対間におけるかみ合い伝達誤差
を意味し、実際歯車である被測定歯車が同じく実際歯車
である相手歯車とかみ合って回転する際にその歯車対間
に存在する角度伝達誤差として記述される。また、「個
別かみ合い伝達誤差」は、歯車対における各歯車単独の
かみ合い伝達誤差を意味し、実際歯車である被測定歯車
が理想歯車である相手歯車とかみ合って回転する際にそ
の歯車対間に存在する角度伝達誤差として記述される。
に、歯車対をかみ合い回転させてその歯車対の総合かみ
合い伝達誤差を測定し、その測定された総合かみ合い伝
達誤差に基づき、歯車対のうちの被測定歯車の個別かみ
合い誤差を測定する方法が存在する。ここに「総合かみ
合い伝達誤差」は、歯車対間におけるかみ合い伝達誤差
を意味し、実際歯車である被測定歯車が同じく実際歯車
である相手歯車とかみ合って回転する際にその歯車対間
に存在する角度伝達誤差として記述される。また、「個
別かみ合い伝達誤差」は、歯車対における各歯車単独の
かみ合い伝達誤差を意味し、実際歯車である被測定歯車
が理想歯車である相手歯車とかみ合って回転する際にそ
の歯車対間に存在する角度伝達誤差として記述される。
【0003】そして、上記形式のかみ合い式歯車測定方
法の一従来例として、各歯車の歯数が互いに素である歯
車対についてのかみ合い式歯車測定方法が存在する。こ
の従来の方法は以下のようなものである。
法の一従来例として、各歯車の歯数が互いに素である歯
車対についてのかみ合い式歯車測定方法が存在する。こ
の従来の方法は以下のようなものである。
【0004】各歯車の歯数が互いに素である歯車対につ
いては、その歯車対の一方の歯車の歯数をP、他方の歯
車の歯数をGとすれば、歯車対が一方の歯車については
G回、他方の歯車についてはP回回転するように回転
し、各歯車における各歯が相手歯車と(P×G)回かみ
合ったときに、結果的に、各歯車の全歯がそれぞれ相手
歯車の全歯とかみ合うことになる。そして、そのように
歯車対を回転させることによって取得された複数の総合
かみ合い伝達誤差の中に必ず、歯車対の一方である被測
定歯車における2個の歯について測定された一対の総合
かみ合い伝達誤差であってそれら各歯がそれぞれ相手歯
車と同じ歯でかみ合った際に測定されたものが存在す
る。上記従来の方法は、そのような事実を利用するもの
であって、上記一対の総合かみ合い伝達誤差の差を求め
ることにより、その一対の総合かみ合い伝達誤差におい
て共通の誤差である相手歯車の個別かみ合い伝達誤差を
相殺し、被測定歯車の個別かみ合い伝達誤差を演算する
ものである。
いては、その歯車対の一方の歯車の歯数をP、他方の歯
車の歯数をGとすれば、歯車対が一方の歯車については
G回、他方の歯車についてはP回回転するように回転
し、各歯車における各歯が相手歯車と(P×G)回かみ
合ったときに、結果的に、各歯車の全歯がそれぞれ相手
歯車の全歯とかみ合うことになる。そして、そのように
歯車対を回転させることによって取得された複数の総合
かみ合い伝達誤差の中に必ず、歯車対の一方である被測
定歯車における2個の歯について測定された一対の総合
かみ合い伝達誤差であってそれら各歯がそれぞれ相手歯
車と同じ歯でかみ合った際に測定されたものが存在す
る。上記従来の方法は、そのような事実を利用するもの
であって、上記一対の総合かみ合い伝達誤差の差を求め
ることにより、その一対の総合かみ合い伝達誤差におい
て共通の誤差である相手歯車の個別かみ合い伝達誤差を
相殺し、被測定歯車の個別かみ合い伝達誤差を演算する
ものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の方法では、歯車対において各歯車の歯数が互いに素
でなければならないという制約があるため、測定可能な
歯車対の種類が制限されてしまうという問題があった。
さらに、この従来の方法では、歯車対を各歯車がそれの
歯数と同じ数回転するように何回も回転させなければな
らないため、歯車誤差の測定に時間がかかってしまうと
いう問題もあった。
来の方法では、歯車対において各歯車の歯数が互いに素
でなければならないという制約があるため、測定可能な
歯車対の種類が制限されてしまうという問題があった。
さらに、この従来の方法では、歯車対を各歯車がそれの
歯数と同じ数回転するように何回も回転させなければな
らないため、歯車誤差の測定に時間がかかってしまうと
いう問題もあった。
【0006】そこで、請求項1ないし3に係る第1ない
し第3発明は、総合かみ合い伝達誤差の測定を少なくと
も2回、その歯車対のかみ合い位置の初期状態を互いに
異ならせて行うことにより、測定可能な歯車対の種類の
制約を緩和することを課題としてなされたものである。
し第3発明は、総合かみ合い伝達誤差の測定を少なくと
も2回、その歯車対のかみ合い位置の初期状態を互いに
異ならせて行うことにより、測定可能な歯車対の種類の
制約を緩和することを課題としてなされたものである。
【0007】特に、第2発明は、第1発明の望ましい一
実施形態を提供することを課題としてされたものであ
る。
実施形態を提供することを課題としてされたものであ
る。
【0008】また、第3発明は、測定可能な歯車対の種
類の制約を緩和するとともに、所要測定時間の短縮を図
ることを課題としてなされたものである。
類の制約を緩和するとともに、所要測定時間の短縮を図
ることを課題としてなされたものである。
【0009】
【第1発明の課題解決手段,作用および効果】第1発明
は、その課題を解決するために、歯車対をかみ合い回転
させてその歯車対の総合かみ合い伝達誤差を測定し、そ
の測定された総合かみ合い伝達誤差に基づき、歯車対の
うちの被測定歯車の個別かみ合い誤差を測定する方法で
あって、(a) 前記歯車対をかみ合い回転させ、その歯車
対の総合かみ合い伝達誤差を測定する第1の測定工程
と、(b) 前記歯車対のかみ合い状態を解除し、その歯車
対のかみ合い位置を、前記被測定歯車が前記歯車対の他
方である相手歯車と前記第1の測定工程の開始時におけ
る歯とは異なる歯でかみ合うように変更するかみ合い位
置変更工程と、(c) 前記かみ合い位置の変更後、再度、
前記歯車対をかみ合い回転させ、その歯車対の総合かみ
合い伝達誤差を測定する第2の測定工程と、(d) 前記第
1の測定工程と前記第2の測定工程とでそれぞれ取得さ
れた2種類の総合かみ合い伝達誤差に基づき、前記被測
定歯車の個別かみ合い誤差を演算する演算工程とを含む
ことを特徴とする。
は、その課題を解決するために、歯車対をかみ合い回転
させてその歯車対の総合かみ合い伝達誤差を測定し、そ
の測定された総合かみ合い伝達誤差に基づき、歯車対の
うちの被測定歯車の個別かみ合い誤差を測定する方法で
あって、(a) 前記歯車対をかみ合い回転させ、その歯車
対の総合かみ合い伝達誤差を測定する第1の測定工程
と、(b) 前記歯車対のかみ合い状態を解除し、その歯車
対のかみ合い位置を、前記被測定歯車が前記歯車対の他
方である相手歯車と前記第1の測定工程の開始時におけ
る歯とは異なる歯でかみ合うように変更するかみ合い位
置変更工程と、(c) 前記かみ合い位置の変更後、再度、
前記歯車対をかみ合い回転させ、その歯車対の総合かみ
合い伝達誤差を測定する第2の測定工程と、(d) 前記第
1の測定工程と前記第2の測定工程とでそれぞれ取得さ
れた2種類の総合かみ合い伝達誤差に基づき、前記被測
定歯車の個別かみ合い誤差を演算する演算工程とを含む
ことを特徴とする。
【0010】前述のように、被測定歯車における2個の
歯についての一対の総合かみ合い伝達誤差であってそれ
ら各歯がそれぞれ相手歯車と同じ歯でかみ合った際のも
のが取得されれば、被測定歯車の個別かみ合い伝達誤差
を取得することが可能である。そして、その一対の総合
かみ合い伝達誤差は、歯車対における各歯車の歯数が互
いに素でなくても、総合かみ合い伝達誤差の測定を少な
くとも2回、その歯車対のかみ合い位置の初期状態を互
いに異ならせて行えば、取得することが可能である。
歯についての一対の総合かみ合い伝達誤差であってそれ
ら各歯がそれぞれ相手歯車と同じ歯でかみ合った際のも
のが取得されれば、被測定歯車の個別かみ合い伝達誤差
を取得することが可能である。そして、その一対の総合
かみ合い伝達誤差は、歯車対における各歯車の歯数が互
いに素でなくても、総合かみ合い伝達誤差の測定を少な
くとも2回、その歯車対のかみ合い位置の初期状態を互
いに異ならせて行えば、取得することが可能である。
【0011】そのような知見に基づき、第1発明に係る
かみ合い式歯車測定方法においては、第1の測定工程に
より、歯車対の総合かみ合い伝達誤差が測定され、かみ
合い位置変更工程により、歯車対のかみ合い位置の初期
状態が変更され、その状態で、第2の測定工程により、
再度、歯車対の総合かみ合い伝達誤差が測定され、演算
工程により、それら測定された2種類の総合かみ合い伝
達誤差に基づき、被測定歯車の個別かみ合い誤差が演算
される。
かみ合い式歯車測定方法においては、第1の測定工程に
より、歯車対の総合かみ合い伝達誤差が測定され、かみ
合い位置変更工程により、歯車対のかみ合い位置の初期
状態が変更され、その状態で、第2の測定工程により、
再度、歯車対の総合かみ合い伝達誤差が測定され、演算
工程により、それら測定された2種類の総合かみ合い伝
達誤差に基づき、被測定歯車の個別かみ合い誤差が演算
される。
【0012】したがって、この第1発明によれば、歯車
対において各歯車の歯数が互いに素でなければならない
という制約がなくなるから、総合かみ合い伝達誤差から
個別かみ合い伝達誤差を取得可能な歯車対の種類が増加
するという効果が得られる。
対において各歯車の歯数が互いに素でなければならない
という制約がなくなるから、総合かみ合い伝達誤差から
個別かみ合い伝達誤差を取得可能な歯車対の種類が増加
するという効果が得られる。
【0013】
【第2発明の課題解決手段,作用および効果】第2発明
は、その課題を解決するために、第1発明に係るかみ合
い式歯車測定方法であって、前記演算工程が、前記2種
類の総合かみ合い伝達誤差に基づき、前記被測定歯車に
おける2個の歯について測定された一対の総合かみ合い
伝達誤差であってそれら各歯がそれぞれ前記相手歯車と
同じ歯でかみ合った際に測定されたものを取得し、その
取得された一対の総合かみ合い伝達誤差の差を、前記2
個の歯のいずれか一方の個別かみ合い伝達誤差として演
算することを特徴とする。
は、その課題を解決するために、第1発明に係るかみ合
い式歯車測定方法であって、前記演算工程が、前記2種
類の総合かみ合い伝達誤差に基づき、前記被測定歯車に
おける2個の歯について測定された一対の総合かみ合い
伝達誤差であってそれら各歯がそれぞれ前記相手歯車と
同じ歯でかみ合った際に測定されたものを取得し、その
取得された一対の総合かみ合い伝達誤差の差を、前記2
個の歯のいずれか一方の個別かみ合い伝達誤差として演
算することを特徴とする。
【0014】前述のように、被測定歯車における2個の
歯について測定された一対の総合かみ合い伝達誤差であ
ってそれら各歯がそれぞれ相手歯車と同じ歯でかみ合っ
た際に測定されたものの間で引き算を行えば、相手歯車
の個別かみ合い伝達誤差が相殺され、被測定歯車の個別
かみ合い伝達誤差のみが残る。
歯について測定された一対の総合かみ合い伝達誤差であ
ってそれら各歯がそれぞれ相手歯車と同じ歯でかみ合っ
た際に測定されたものの間で引き算を行えば、相手歯車
の個別かみ合い伝達誤差が相殺され、被測定歯車の個別
かみ合い伝達誤差のみが残る。
【0015】そのような知見に基づき、この第2発明に
係るかみ合い式歯車測定方法においては、第1発明にお
ける演算工程が、第1の測定工程と第2の測定工程とで
それぞれ測定された2種類の総合かみ合い伝達誤差に基
づき、引き算対象である一対の総合かみ合い伝達誤差を
取得し、その取得された一対の総合かみ合い伝達誤差の
差を、被測定歯車の個別かみ合い伝達誤差として演算す
るものとされている。
係るかみ合い式歯車測定方法においては、第1発明にお
ける演算工程が、第1の測定工程と第2の測定工程とで
それぞれ測定された2種類の総合かみ合い伝達誤差に基
づき、引き算対象である一対の総合かみ合い伝達誤差を
取得し、その取得された一対の総合かみ合い伝達誤差の
差を、被測定歯車の個別かみ合い伝達誤差として演算す
るものとされている。
【0016】したがって、この第2発明によれば、前記
第1発明を実施するのに好適な一形態が提供されるとい
う効果が得られる。
第1発明を実施するのに好適な一形態が提供されるとい
う効果が得られる。
【0017】なお、この第2発明において「被測定歯車
における2個の歯」は例えば、互いに隣接した2個の歯
としたり、固定された基準の歯および各歯とすることが
できる。そして、前者の場合には、それら2個の歯につ
いて取得される個別かみ合い伝達誤差が隣接ピッチ誤差
となる。
における2個の歯」は例えば、互いに隣接した2個の歯
としたり、固定された基準の歯および各歯とすることが
できる。そして、前者の場合には、それら2個の歯につ
いて取得される個別かみ合い伝達誤差が隣接ピッチ誤差
となる。
【0018】
【第3発明の課題解決手段,作用および効果】第3発明
は、その課題を解決するために、第2発明に係るかみ合
い式歯車測定方法であって、前記演算工程が、前記被測
定歯車において互いに隣接した2個の歯について測定さ
れた一対の総合かみ合い伝達誤差であってそれら各歯が
それぞれ前記相手歯車と同じ歯でかみ合った際に測定さ
れたものを前記一対の総合かみ合い伝達誤差として取得
するものであり、前記かみ合い位置変更工程が、前記か
み合い位置を、前記被測定歯車が前記相手歯車と前記第
1の測定工程の開始時における歯とは1歯分だけ異なる
歯でかみ合うように変更するものであることを特徴とす
る。
は、その課題を解決するために、第2発明に係るかみ合
い式歯車測定方法であって、前記演算工程が、前記被測
定歯車において互いに隣接した2個の歯について測定さ
れた一対の総合かみ合い伝達誤差であってそれら各歯が
それぞれ前記相手歯車と同じ歯でかみ合った際に測定さ
れたものを前記一対の総合かみ合い伝達誤差として取得
するものであり、前記かみ合い位置変更工程が、前記か
み合い位置を、前記被測定歯車が前記相手歯車と前記第
1の測定工程の開始時における歯とは1歯分だけ異なる
歯でかみ合うように変更するものであることを特徴とす
る。
【0019】ところで、前記第2発明は例えば、前記一
対の総合かみ合い伝達誤差を、被測定歯車において互い
に隣接した2個の歯(以下、「隣接歯対」という)の位
置がその被測定歯車の周方向に沿って変化するにもかか
わらず、相手歯車とかみ合う歯の位置が変化しないとの
規則に従って取得する態様で実施することが可能であ
る。例えば、被測定歯車の第1番目の歯と第2番目の歯
とについての一対の総合かみ合い伝達誤差を、相手歯車
の第1番目の歯とかみ合うときのものであることを条件
に取得し、被測定歯車の第2番目の歯と第3番目の歯と
についての一対の総合かみ合い伝達誤差も、相手歯車の
第1番目の歯とかみ合うときのものであることを条件に
取得するというように取得する態様で実施することが可
能なのである。しかし、被測定歯車において隣接歯対の
位置が周方向に1個ずつ変化するのに伴って、相手歯車
とかみ合う歯の位置がそれの周方向に沿って1個ずつ変
化するとの規則に従って取得する態様で実施することも
可能である。例えば、被測定歯車の第1番目の歯と第2
番目の歯とについての一対の総合かみ合い伝達誤差を、
相手歯車の第2番目の歯とかみ合うときのものであるこ
とを条件に取得し、被測定歯車の第2番目の歯と第3番
目の歯とについての一対の総合かみ合い伝達誤差を、相
手歯車の第3番目の歯とかみ合うときのものであること
を条件に取得するというように取得する態様で実施する
ことが可能なのである。
対の総合かみ合い伝達誤差を、被測定歯車において互い
に隣接した2個の歯(以下、「隣接歯対」という)の位
置がその被測定歯車の周方向に沿って変化するにもかか
わらず、相手歯車とかみ合う歯の位置が変化しないとの
規則に従って取得する態様で実施することが可能であ
る。例えば、被測定歯車の第1番目の歯と第2番目の歯
とについての一対の総合かみ合い伝達誤差を、相手歯車
の第1番目の歯とかみ合うときのものであることを条件
に取得し、被測定歯車の第2番目の歯と第3番目の歯と
についての一対の総合かみ合い伝達誤差も、相手歯車の
第1番目の歯とかみ合うときのものであることを条件に
取得するというように取得する態様で実施することが可
能なのである。しかし、被測定歯車において隣接歯対の
位置が周方向に1個ずつ変化するのに伴って、相手歯車
とかみ合う歯の位置がそれの周方向に沿って1個ずつ変
化するとの規則に従って取得する態様で実施することも
可能である。例えば、被測定歯車の第1番目の歯と第2
番目の歯とについての一対の総合かみ合い伝達誤差を、
相手歯車の第2番目の歯とかみ合うときのものであるこ
とを条件に取得し、被測定歯車の第2番目の歯と第3番
目の歯とについての一対の総合かみ合い伝達誤差を、相
手歯車の第3番目の歯とかみ合うときのものであること
を条件に取得するというように取得する態様で実施する
ことが可能なのである。
【0020】また、一対の総合かみ合い伝達誤差を後者
の規則に従って取得し、その取得された一対の総合かみ
合い伝達誤差に基づいて個別かみ合い伝達誤差を演算す
る場合には、第1の測定工程の終了後、歯車対のかみ合
い位置を、被測定歯車が相手歯車とその第1の測定工程
の開始時における歯とは1歯分だけ異なる歯でかみ合う
ように変更すれば、前記第1の測定工程の実行と前記第
2の測定工程の実行とにより、個別かみ合い伝達誤差の
演算に必要な総合かみ合い伝達誤差がすべて取得される
こととなる。
の規則に従って取得し、その取得された一対の総合かみ
合い伝達誤差に基づいて個別かみ合い伝達誤差を演算す
る場合には、第1の測定工程の終了後、歯車対のかみ合
い位置を、被測定歯車が相手歯車とその第1の測定工程
の開始時における歯とは1歯分だけ異なる歯でかみ合う
ように変更すれば、前記第1の測定工程の実行と前記第
2の測定工程の実行とにより、個別かみ合い伝達誤差の
演算に必要な総合かみ合い伝達誤差がすべて取得される
こととなる。
【0021】例えば、第1の測定工程により取得され
た、被測定歯車の第i番目の歯と相手歯車の第j番目の
歯とについての一対の総合かみ合い伝達誤差Aを基準と
すれば、第1の測定工程により、その直後に取得される
総合かみ合い伝達誤差は、被測定歯車の第(i+1)番
目の歯と相手歯車の第(j+1)番目の歯とについての
一対の総合かみ合い伝達誤差Bとなり、また、かみ合い
位置変更工程により、例えば、相手歯車をそれの回転方
向において1歯分だけ回転させたとすれば、第2の測定
工程により、一対のかみ合い伝達誤差Aに対応する時期
に取得される一対の総合かみ合い伝達誤差は、被測定歯
車の第i番目の歯と相手歯車の第(j+1)番目の歯と
についての一対の総合かみ合い伝達誤差Cとなる。そし
て、被測定歯車の第i番目の歯と第(i+1)番目の歯
とについての個別かみ合い伝達誤差を取得するために
は、それら一対のかみ合い伝達誤差A,B,Cのうち、
相手歯車とかみ合う歯が共通するBとCが必要であり、
それらBとCは、第1の測定工程と第2の測定工程とに
おいてそれぞれ必ず取得される。したがって、歯車対の
かみ合い位置を、被測定歯車が相手歯車とその第1の測
定工程の開始時におけるとは1歯分だけ異なる歯でかみ
合うように変更して第2の測定工程を実行すれば、それ
ら第1の測定工程の実行と第2の測定工程の実行とによ
り、個別かみ合い伝達誤差の演算に必要な総合かみ合い
伝達誤差がすべて取得されることとなるのである。
た、被測定歯車の第i番目の歯と相手歯車の第j番目の
歯とについての一対の総合かみ合い伝達誤差Aを基準と
すれば、第1の測定工程により、その直後に取得される
総合かみ合い伝達誤差は、被測定歯車の第(i+1)番
目の歯と相手歯車の第(j+1)番目の歯とについての
一対の総合かみ合い伝達誤差Bとなり、また、かみ合い
位置変更工程により、例えば、相手歯車をそれの回転方
向において1歯分だけ回転させたとすれば、第2の測定
工程により、一対のかみ合い伝達誤差Aに対応する時期
に取得される一対の総合かみ合い伝達誤差は、被測定歯
車の第i番目の歯と相手歯車の第(j+1)番目の歯と
についての一対の総合かみ合い伝達誤差Cとなる。そし
て、被測定歯車の第i番目の歯と第(i+1)番目の歯
とについての個別かみ合い伝達誤差を取得するために
は、それら一対のかみ合い伝達誤差A,B,Cのうち、
相手歯車とかみ合う歯が共通するBとCが必要であり、
それらBとCは、第1の測定工程と第2の測定工程とに
おいてそれぞれ必ず取得される。したがって、歯車対の
かみ合い位置を、被測定歯車が相手歯車とその第1の測
定工程の開始時におけるとは1歯分だけ異なる歯でかみ
合うように変更して第2の測定工程を実行すれば、それ
ら第1の測定工程の実行と第2の測定工程の実行とによ
り、個別かみ合い伝達誤差の演算に必要な総合かみ合い
伝達誤差がすべて取得されることとなるのである。
【0022】そのような知見に基づき、この第3発明に
係るかみ合い式歯車測定方法においては、前記第2発明
における演算工程が、前記被測定歯車において互いに隣
接した2個の歯について測定された一対の総合かみ合い
伝達誤差であってそれら各歯がそれぞれ前記相手歯車と
同じ歯でかみ合った際に測定されたものを前記一対の総
合かみ合い伝達誤差として取得するものとされ、前記第
2発明におけるかみ合い位置変更工程が、かみ合い位置
を、被測定歯車が相手歯車と第1の測定工程の開始時に
おけるとは1歯分だけ異なる歯でかみ合うように変更す
るものとされている。
係るかみ合い式歯車測定方法においては、前記第2発明
における演算工程が、前記被測定歯車において互いに隣
接した2個の歯について測定された一対の総合かみ合い
伝達誤差であってそれら各歯がそれぞれ前記相手歯車と
同じ歯でかみ合った際に測定されたものを前記一対の総
合かみ合い伝達誤差として取得するものとされ、前記第
2発明におけるかみ合い位置変更工程が、かみ合い位置
を、被測定歯車が相手歯車と第1の測定工程の開始時に
おけるとは1歯分だけ異なる歯でかみ合うように変更す
るものとされている。
【0023】したがって、この第3発明によれば、第1
および第2発明の効果に加えて、個別かみ合い伝達誤差
を演算するために必要な総合かみ合い伝達誤差の測定回
数が減少し、所要測定時間の短縮を容易に図り得るとい
う効果も得られる。
および第2発明の効果に加えて、個別かみ合い伝達誤差
を演算するために必要な総合かみ合い伝達誤差の測定回
数が減少し、所要測定時間の短縮を容易に図り得るとい
う効果も得られる。
【0024】
【発明の望ましい実施態様】以下、本発明の望ましい実
施態様のいくつかを特許請求の範囲と同じ表現形式で列
挙する。 (1) 請求項1ないし3のかみ合い式歯車測定方法であっ
て、前記歯車対が、リング状のギヤとピニオンとであっ
て両者の軸心が互いに交差するかさ歯車であるかみ合い
式歯車測定方法。 (2) 実施態様(1) のかみ合い式歯車測定方法であって、
前記かさ歯車が、ハイポイドギヤであることを特徴とす
るかみ合い式歯車測定方法。 (3) 実施態様(1) または(2) のかみ合い式歯車測定方法
であって、前記かさ歯車が自動車の駆動系において最終
減速機として使用されるものであるかみ合い式歯車測定
方法。 (4) 請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(3) のいず
れかのかみ合い式歯車測定方法であって、(a) 前記歯車
対の一方である駆動歯車に駆動トルクを付与する駆動モ
ータと、(b) 他方である被動歯車に制動トルクを付与す
る制動モータと、(c) 各歯車の回転角度を検出する2個
の回転角度検出装置と、(d) 各歯車についてそれぞれ検
出された回転角度相互の関係とその歯車対が理想的であ
る場合の減速比との関係に基づき、その歯車対の総合か
み合い伝達誤差を演算する演算装置とを有するかみ合い
試験機を使用することにより、歯車対の総合かみ合い伝
達誤差を演算するかみ合い式歯車測定方法。 (5) 実施態様(4) のかみ合い式歯車測定方法であって、
前記かみ合い試験機が、さらに、前記歯車対をかみ合わ
せることとそのかみ合いを解除することとを選択的に行
う自動かみ合わせ装置も有し、前記かみ合い位置変更工
程が、その自動かみ合わせ装置を用いて前記歯車対のか
み合わせの実行と解除とをそれぞれ行うものであるかみ
合い式歯車測定方法。 (6) 実施態様(5) のかみ合い式歯車測定方法であって、
前記かみ合い位置変更工程が、前記自動かみ合わせ装置
により、前記第1の測定工程を開始するときにおける前
記歯車対の軸心の相対位置をメモリに記憶させ、前記第
2の測定工程を開始するときにおける前記歯車対の軸心
の相対位置を、前記メモリに記憶されているものに一致
させるものであるかみ合い式歯車測定方法。 (7) 請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(6) のかみ
合い式歯車測定方法であって、前記かみ合い位置変更工
程が、前記歯車対の一方をそれについて予め定められて
いる回転方向と同じ方向に1歯分だけ回転させることに
より、前記かみ合い位置の変更を行うものであるかみ合
い式歯車測定方法。 (8) 請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(6) のかみ
合い式歯車測定方法であって、前記かみ合い位置変更工
程が、前記歯車対の一方をそれについて予め定められて
いる回転方向とは逆の方向に1歯分だけ回転させること
により、前記かみ合い位置の変更を行うものであるかみ
合い式歯車測定方法。 (9) 請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(6) のかみ
合い式歯車測定方法であって、前記第1の測定工程が、
前記歯車対の回転を、前記被測定歯車が少なくとも1回
転と1歯分との和回転する間行い、その間、前記総合か
み合い伝達誤差を測定するものであり、前記第2の測定
工程が、前記歯車対の回転を、前記被測定歯車が少なく
とも1回転する間行い、その間、前記総合かみ合い伝達
誤差を測定するものであるかみ合い式歯車測定方法。 (10)請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(9) のかみ
合い式歯車測定方法であって、前記個別かみ合い伝達誤
差が、隣接ピッチ誤差であるかみ合い式歯車測定方法。 (11)請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(10)のかみ
合い式歯車測定方法であって、前記第1の測定工程およ
び第2の測定工程がいずれも、前記歯車対の総合かみ合
い伝達誤差を、前記被測定歯車の回転角度に応じて連続
的に変化する連続値として取得するものであるかみ合い
式歯車測定方法。 (12)実施態様(11)のかみ合い式歯車測定方法であって、
前記演算工程が、(a) 連続値である前記2種類の総合か
み合い伝達誤差から、複数の離散値である、前記被測定
歯車と前記相手歯車とが互いにかみ合う一対のかみ合い
歯毎の総合かみ合い伝達誤差を取得する離散化工程と、
(b) それら複数の総合かみ合い伝達誤差の中から、前記
一対の総合かみ合い伝達誤差を選出する選出工程とを有
するものであるかみ合い式歯車測定方法。 (13)請求項1ないし3,実施形態(1) ないし(12)のいず
れかであるかみ合い式歯車測定方法を実施するためにコ
ンピュータにより実行されるプログラムが予め記録され
たことを特徴とする記録媒体。なお、この記録媒体には
例えば、フロッピーディスク,ハードディスク,ROM
等が含まれる。
施態様のいくつかを特許請求の範囲と同じ表現形式で列
挙する。 (1) 請求項1ないし3のかみ合い式歯車測定方法であっ
て、前記歯車対が、リング状のギヤとピニオンとであっ
て両者の軸心が互いに交差するかさ歯車であるかみ合い
式歯車測定方法。 (2) 実施態様(1) のかみ合い式歯車測定方法であって、
前記かさ歯車が、ハイポイドギヤであることを特徴とす
るかみ合い式歯車測定方法。 (3) 実施態様(1) または(2) のかみ合い式歯車測定方法
であって、前記かさ歯車が自動車の駆動系において最終
減速機として使用されるものであるかみ合い式歯車測定
方法。 (4) 請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(3) のいず
れかのかみ合い式歯車測定方法であって、(a) 前記歯車
対の一方である駆動歯車に駆動トルクを付与する駆動モ
ータと、(b) 他方である被動歯車に制動トルクを付与す
る制動モータと、(c) 各歯車の回転角度を検出する2個
の回転角度検出装置と、(d) 各歯車についてそれぞれ検
出された回転角度相互の関係とその歯車対が理想的であ
る場合の減速比との関係に基づき、その歯車対の総合か
み合い伝達誤差を演算する演算装置とを有するかみ合い
試験機を使用することにより、歯車対の総合かみ合い伝
達誤差を演算するかみ合い式歯車測定方法。 (5) 実施態様(4) のかみ合い式歯車測定方法であって、
前記かみ合い試験機が、さらに、前記歯車対をかみ合わ
せることとそのかみ合いを解除することとを選択的に行
う自動かみ合わせ装置も有し、前記かみ合い位置変更工
程が、その自動かみ合わせ装置を用いて前記歯車対のか
み合わせの実行と解除とをそれぞれ行うものであるかみ
合い式歯車測定方法。 (6) 実施態様(5) のかみ合い式歯車測定方法であって、
前記かみ合い位置変更工程が、前記自動かみ合わせ装置
により、前記第1の測定工程を開始するときにおける前
記歯車対の軸心の相対位置をメモリに記憶させ、前記第
2の測定工程を開始するときにおける前記歯車対の軸心
の相対位置を、前記メモリに記憶されているものに一致
させるものであるかみ合い式歯車測定方法。 (7) 請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(6) のかみ
合い式歯車測定方法であって、前記かみ合い位置変更工
程が、前記歯車対の一方をそれについて予め定められて
いる回転方向と同じ方向に1歯分だけ回転させることに
より、前記かみ合い位置の変更を行うものであるかみ合
い式歯車測定方法。 (8) 請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(6) のかみ
合い式歯車測定方法であって、前記かみ合い位置変更工
程が、前記歯車対の一方をそれについて予め定められて
いる回転方向とは逆の方向に1歯分だけ回転させること
により、前記かみ合い位置の変更を行うものであるかみ
合い式歯車測定方法。 (9) 請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(6) のかみ
合い式歯車測定方法であって、前記第1の測定工程が、
前記歯車対の回転を、前記被測定歯車が少なくとも1回
転と1歯分との和回転する間行い、その間、前記総合か
み合い伝達誤差を測定するものであり、前記第2の測定
工程が、前記歯車対の回転を、前記被測定歯車が少なく
とも1回転する間行い、その間、前記総合かみ合い伝達
誤差を測定するものであるかみ合い式歯車測定方法。 (10)請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(9) のかみ
合い式歯車測定方法であって、前記個別かみ合い伝達誤
差が、隣接ピッチ誤差であるかみ合い式歯車測定方法。 (11)請求項1ないし3,実施態様(1) ないし(10)のかみ
合い式歯車測定方法であって、前記第1の測定工程およ
び第2の測定工程がいずれも、前記歯車対の総合かみ合
い伝達誤差を、前記被測定歯車の回転角度に応じて連続
的に変化する連続値として取得するものであるかみ合い
式歯車測定方法。 (12)実施態様(11)のかみ合い式歯車測定方法であって、
前記演算工程が、(a) 連続値である前記2種類の総合か
み合い伝達誤差から、複数の離散値である、前記被測定
歯車と前記相手歯車とが互いにかみ合う一対のかみ合い
歯毎の総合かみ合い伝達誤差を取得する離散化工程と、
(b) それら複数の総合かみ合い伝達誤差の中から、前記
一対の総合かみ合い伝達誤差を選出する選出工程とを有
するものであるかみ合い式歯車測定方法。 (13)請求項1ないし3,実施形態(1) ないし(12)のいず
れかであるかみ合い式歯車測定方法を実施するためにコ
ンピュータにより実行されるプログラムが予め記録され
たことを特徴とする記録媒体。なお、この記録媒体には
例えば、フロッピーディスク,ハードディスク,ROM
等が含まれる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明のさらに具体的な実
施形態であるかみ合い式歯車測定方法を図面に基づいて
説明する。
施形態であるかみ合い式歯車測定方法を図面に基づいて
説明する。
【0026】図1には、上記かみ合い式歯車測定方法を
実施するのに好適なかみ合い試験機が示されている。図
において中央に示す歯車対10は、駆動歯車12として
のピニオンと被動歯車14としてのリング状のギヤとが
かみ合わされて成るハイポイドギヤである。この歯車対
10は自動車の駆動系において最終減速機として使用さ
れるものであり、ピニオンがエンジンによって駆動され
る駆動歯車、ギヤが車輪と共に回転する被動歯車とされ
ている。
実施するのに好適なかみ合い試験機が示されている。図
において中央に示す歯車対10は、駆動歯車12として
のピニオンと被動歯車14としてのリング状のギヤとが
かみ合わされて成るハイポイドギヤである。この歯車対
10は自動車の駆動系において最終減速機として使用さ
れるものであり、ピニオンがエンジンによって駆動され
る駆動歯車、ギヤが車輪と共に回転する被動歯車とされ
ている。
【0027】かみ合い試験機は、測定対象である駆動歯
車12と被動歯車14とを自動的にかみ合わせる自動か
み合わせ装置16を備えている。自動かみ合わせ装置1
6は、それら駆動歯車12と被動歯車14とをかみ合わ
せる際、そのかみ合い位置を1歯〜N歯ずらすことが可
能とされている。また、自動かみ合わせ装置16は、駆
動歯車12と被動歯車14とについて、それぞれの軸心
位置をXYZ座標系において自動的に調整可能とされ、
さらに、センサにより歯溝を検出可能とされており、駆
動歯車12と被動歯車14との軸間距離a(図2参
照)、すなわち、駆動歯車12と被動歯車14とがかみ
合い回転する際に両者間に発生するバックラッシの大き
さを調整可能とされている。これにより、駆動歯車12
と被動歯車14とは、実際のバックラッシと実質的に同
じバックラッシの存在下に、かみ合い回転させられるこ
ととなる。
車12と被動歯車14とを自動的にかみ合わせる自動か
み合わせ装置16を備えている。自動かみ合わせ装置1
6は、それら駆動歯車12と被動歯車14とをかみ合わ
せる際、そのかみ合い位置を1歯〜N歯ずらすことが可
能とされている。また、自動かみ合わせ装置16は、駆
動歯車12と被動歯車14とについて、それぞれの軸心
位置をXYZ座標系において自動的に調整可能とされ、
さらに、センサにより歯溝を検出可能とされており、駆
動歯車12と被動歯車14との軸間距離a(図2参
照)、すなわち、駆動歯車12と被動歯車14とがかみ
合い回転する際に両者間に発生するバックラッシの大き
さを調整可能とされている。これにより、駆動歯車12
と被動歯車14とは、実際のバックラッシと実質的に同
じバックラッシの存在下に、かみ合い回転させられるこ
ととなる。
【0028】かみ合い試験機はまた、駆動モータ20を
備えている。駆動モータ20は、運動伝達機構としての
ベルト機構22を経て駆動歯車12に連結され、駆動歯
車12を駆動する。かみ合い試験機はさらに、制動モー
タ24をも備えている。制動モータ22は、運動伝達機
構としてのベルト機構26を経て被動歯車14に連結さ
れ、被動歯車14に制動トルクを付与し、これにより、
ハイポイドギヤ10において実際の回転状態を再現す
る。
備えている。駆動モータ20は、運動伝達機構としての
ベルト機構22を経て駆動歯車12に連結され、駆動歯
車12を駆動する。かみ合い試験機はさらに、制動モー
タ24をも備えている。制動モータ22は、運動伝達機
構としてのベルト機構26を経て被動歯車14に連結さ
れ、被動歯車14に制動トルクを付与し、これにより、
ハイポイドギヤ10において実際の回転状態を再現す
る。
【0029】かみ合い試験機においては、駆動歯車12
および被動歯車14の回転角度がそれぞれ、回転角度検
出装置としてのロータリエンコーダ(図においては「R
/E」で表す)30,32によって検出される。それら
ロータリエンコーダ30,32は、検出対象としての駆
動歯車12または被動歯車14が基準回転位置にあると
きに起点信号を出力するとともに、一定角度回転する毎
にパルス信号を出力する。
および被動歯車14の回転角度がそれぞれ、回転角度検
出装置としてのロータリエンコーダ(図においては「R
/E」で表す)30,32によって検出される。それら
ロータリエンコーダ30,32は、検出対象としての駆
動歯車12または被動歯車14が基準回転位置にあると
きに起点信号を出力するとともに、一定角度回転する毎
にパルス信号を出力する。
【0030】それらロータリエンコーダ30,32は同
じ演算装置40に接続されている。演算装置40は、駆
動歯車12および被動歯車14間の減速比(理想値)
と、回転角度毎に対応して各ロータリエンコーダ30,
32から出力された一対のパルス信号の位相差との関係
に基づき、駆動歯車12の回転が被動歯車14に伝達さ
れる際の誤差である総合かみ合い伝達誤差を回転角度毎
に演算する。
じ演算装置40に接続されている。演算装置40は、駆
動歯車12および被動歯車14間の減速比(理想値)
と、回転角度毎に対応して各ロータリエンコーダ30,
32から出力された一対のパルス信号の位相差との関係
に基づき、駆動歯車12の回転が被動歯車14に伝達さ
れる際の誤差である総合かみ合い伝達誤差を回転角度毎
に演算する。
【0031】演算装置40は、主制御装置50に接続さ
れている。主制御装置50は、CPU52,ROM54
およびRAM56を含むコンピュータ58を主体として
構成されている。ROM54に予め記憶された各種制御
プログラムがCPU52によりRAM56を利用しつつ
実行されることにより、かみ合い試験機の作動状態が制
御される。
れている。主制御装置50は、CPU52,ROM54
およびRAM56を含むコンピュータ58を主体として
構成されている。ROM54に予め記憶された各種制御
プログラムがCPU52によりRAM56を利用しつつ
実行されることにより、かみ合い試験機の作動状態が制
御される。
【0032】ここで、総合かみ合い伝達誤差から各歯車
の個別かみ合い伝達誤差の一例である隣接ピッチ誤差を
演算する原理を、被動歯車14が被測定歯車である場合
を例にとり、説明する。
の個別かみ合い伝達誤差の一例である隣接ピッチ誤差を
演算する原理を、被動歯車14が被測定歯車である場合
を例にとり、説明する。
【0033】まず、被動歯車14につき、1回目の測定
を行う。具体的には、図2に示すように、駆動歯車12
の第1番目の歯と被動歯車である被動歯車14の第1番
目の歯とをそれぞれ測定開始歯とし、歯車対10をかみ
合い回転させて総合かみ合い伝達誤差を測定する。この
測定は、被動歯車14の回転角度に関連付けて、かつ、
被動歯車14が1回転と1ピッチ分(1歯分)との和だ
け回転する間、行う。なお、図2は、説明の便宜上、ハ
イポイドギヤが平歯車対に置換されて示されている。こ
のことは図3についても同じである。
を行う。具体的には、図2に示すように、駆動歯車12
の第1番目の歯と被動歯車である被動歯車14の第1番
目の歯とをそれぞれ測定開始歯とし、歯車対10をかみ
合い回転させて総合かみ合い伝達誤差を測定する。この
測定は、被動歯車14の回転角度に関連付けて、かつ、
被動歯車14が1回転と1ピッチ分(1歯分)との和だ
け回転する間、行う。なお、図2は、説明の便宜上、ハ
イポイドギヤが平歯車対に置換されて示されている。こ
のことは図3についても同じである。
【0034】ところで、被動歯車14の歯数Gは駆動歯
車12の歯数Pより大きいから、被動歯車14が1回転
する間に駆動歯車12はn(1より大きい小数(整数を
含む広義の概念))回転する。ここに「n」は、整数
と、0より大きく1より小さい小数(整数を除く狭義の
概念)との和、すなわち、被動歯車14の歯数Gを駆動
歯車12の歯数Pで割ったときの商とその余りとの和で
あると考えることができる。なお、その商を、歯数Gを
歯数Pで割った値の整数部という意味において、INT
〔G/P〕で表すこととする。
車12の歯数Pより大きいから、被動歯車14が1回転
する間に駆動歯車12はn(1より大きい小数(整数を
含む広義の概念))回転する。ここに「n」は、整数
と、0より大きく1より小さい小数(整数を除く狭義の
概念)との和、すなわち、被動歯車14の歯数Gを駆動
歯車12の歯数Pで割ったときの商とその余りとの和で
あると考えることができる。なお、その商を、歯数Gを
歯数Pで割った値の整数部という意味において、INT
〔G/P〕で表すこととする。
【0035】駆動歯車12の1回転目は、被動歯車14
の第1番目の歯と駆動歯車12の第1番目の歯、被動歯
車14の第2番目の歯と駆動歯車12の第2番目の歯、
・・・、被動歯車14の第P番目の歯と駆動歯車12の
第P番目の歯というように、被動歯車14の第i番目の
歯は、駆動歯車12の第j番目の歯(ただし、j=i)
とかみ合う。
の第1番目の歯と駆動歯車12の第1番目の歯、被動歯
車14の第2番目の歯と駆動歯車12の第2番目の歯、
・・・、被動歯車14の第P番目の歯と駆動歯車12の
第P番目の歯というように、被動歯車14の第i番目の
歯は、駆動歯車12の第j番目の歯(ただし、j=i)
とかみ合う。
【0036】これに対し、駆動歯車12の2回転目は、
被動歯車14の第(P+1)番目の歯と駆動歯車12の
第1番目の歯、被動歯車14の第(P+2)番目の歯と
駆動歯車12の第2番目の歯、・・・というように、被
動歯車14の第i番目の歯は、駆動歯車12の第j(=
i−P)番目の歯とかみ合う。
被動歯車14の第(P+1)番目の歯と駆動歯車12の
第1番目の歯、被動歯車14の第(P+2)番目の歯と
駆動歯車12の第2番目の歯、・・・というように、被
動歯車14の第i番目の歯は、駆動歯車12の第j(=
i−P)番目の歯とかみ合う。
【0037】また、駆動歯車12の3回転目は、被動歯
車14の第(2P+1)番目の歯と駆動歯車12の第1
番目の歯、被動歯車14の第(2P+2)番目の歯と駆
動歯車12の第2番目の歯、・・・というように、被動
歯車14の第i番目の歯は、駆動歯車12の第j(=i
−2P)番目の歯とかみ合う。
車14の第(2P+1)番目の歯と駆動歯車12の第1
番目の歯、被動歯車14の第(2P+2)番目の歯と駆
動歯車12の第2番目の歯、・・・というように、被動
歯車14の第i番目の歯は、駆動歯車12の第j(=i
−2P)番目の歯とかみ合う。
【0038】また、駆動歯車12の最終回転目の直前の
回転目、すなわち、INT〔G/P〕回転目は、被動歯
車14の第(P×(INT〔G/P〕−1)+1)番目
の歯と駆動歯車12の第1番目の歯、被動歯車14の第
(P×(INT〔G/P〕−1)+2)番目の歯と駆動
歯車12の第2番目の歯、・・・というように、被動歯
車14の第i番目の歯は、駆動歯車12の第j(=i−
P×(INT〔G/P〕−1)番目の歯とかみ合う。
回転目、すなわち、INT〔G/P〕回転目は、被動歯
車14の第(P×(INT〔G/P〕−1)+1)番目
の歯と駆動歯車12の第1番目の歯、被動歯車14の第
(P×(INT〔G/P〕−1)+2)番目の歯と駆動
歯車12の第2番目の歯、・・・というように、被動歯
車14の第i番目の歯は、駆動歯車12の第j(=i−
P×(INT〔G/P〕−1)番目の歯とかみ合う。
【0039】また、駆動歯車12の最終回転目、すなわ
ち、(INT〔G/P〕+1)回転目は、被動歯車14
の第(P×INT〔G/P〕+1)番目の歯と駆動歯車
12の第1番目の歯、被動歯車14の第(P×INT
〔G/P〕+2)番目の歯と駆動歯車12の第2番目の
歯、・・・というように、被動歯車14の第i番目の歯
は、駆動歯車12の第j(=i−P×INT〔G/
P〕)番目の歯とかみ合うが、iの最終値はGであるか
ら、被動歯車14の最後の歯、すなわち、第G番目の歯
は、駆動歯車12の第(G−P×INT〔G/P〕)番
目の歯とかみ合う。
ち、(INT〔G/P〕+1)回転目は、被動歯車14
の第(P×INT〔G/P〕+1)番目の歯と駆動歯車
12の第1番目の歯、被動歯車14の第(P×INT
〔G/P〕+2)番目の歯と駆動歯車12の第2番目の
歯、・・・というように、被動歯車14の第i番目の歯
は、駆動歯車12の第j(=i−P×INT〔G/
P〕)番目の歯とかみ合うが、iの最終値はGであるか
ら、被動歯車14の最後の歯、すなわち、第G番目の歯
は、駆動歯車12の第(G−P×INT〔G/P〕)番
目の歯とかみ合う。
【0040】ここで、総合かみ合い伝達誤差を「e」で
表し、しかも、被動歯車14の第i番目の歯と駆動歯車
12の第j番目の歯とがかみ合うときにおける総合かみ
合い伝達誤差を「ei.j 」で表すこととすれば、被動歯
車14が1回転する間に、以下のような総合かみ合い伝
達誤差eが取得される。
表し、しかも、被動歯車14の第i番目の歯と駆動歯車
12の第j番目の歯とがかみ合うときにおける総合かみ
合い伝達誤差を「ei.j 」で表すこととすれば、被動歯
車14が1回転する間に、以下のような総合かみ合い伝
達誤差eが取得される。
【0041】e1.1 , e2.2 , e3.3 ,・・・,
eP.P ,eP+1.1 ,・・・,eG.G-PxINT[ G/P]
eP.P ,eP+1.1 ,・・・,eG.G-PxINT[ G/P]
【0042】なお、図4には、被動歯車14が1回転す
る間に総合かみ合い伝達誤差eが変化する様子の一例が
グラフで示されている。この図の例では、被動歯車14
が1回転する間、駆動歯車12が4回転している。
る間に総合かみ合い伝達誤差eが変化する様子の一例が
グラフで示されている。この図の例では、被動歯車14
が1回転する間、駆動歯車12が4回転している。
【0043】また、被動歯車14をさらに1ピッチ分
(1歯分)だけ回転させると、以下のような総合かみ合
い伝達誤差eが取得される。
(1歯分)だけ回転させると、以下のような総合かみ合
い伝達誤差eが取得される。
【0044】e1.G-PxINT[G/P]+1
【0045】次に、被動歯車14につき、2回目の測定
を行う。ただし、図3に示すように、その測定に先立
ち、被動歯車14については、それの第1番目の歯が測
定開始位置に位置するように位置決めし、一方、駆動歯
車12については、それの第1番目の歯が1回目の測定
の測定開始位置におけるより回転方向において1ピッチ
だけ進んだ位置となるように位置決めする。
を行う。ただし、図3に示すように、その測定に先立
ち、被動歯車14については、それの第1番目の歯が測
定開始位置に位置するように位置決めし、一方、駆動歯
車12については、それの第1番目の歯が1回目の測定
の測定開始位置におけるより回転方向において1ピッチ
だけ進んだ位置となるように位置決めする。
【0046】そして、この状態で被動歯車14を1回転
させると、以下のような総合かみ合い伝達誤差eが取得
される。
させると、以下のような総合かみ合い伝達誤差eが取得
される。
【0047】e1.2 , e2.3 , e3.4 ,・・・,
eP.1 ,eP+1.2 ,・・・,eG.G-PxINT[ G/P]+1
eP.1 ,eP+1.2 ,・・・,eG.G-PxINT[ G/P]+1
【0048】また、総合かみ合い伝達誤差eは、被動歯
車14の個別かみ合い伝達誤差(累積ピッチ誤差)g
と、駆動歯車12の個別かみ合い伝達誤差(累積ピッチ
誤差)pとの和であると考えることができ、具体的に
は、被動歯車14の第i番目の歯と駆動歯車12の第j
番目の歯とがかみ合う際における総合かみ合い伝達誤差
e i.j は、被動歯車14の第i番目の歯における個別か
み合い伝達誤差gi と、駆動歯車12の第j番目の歯に
おける個別かみ合い伝達誤差pj との和、すなわち、 ei.j =gi +pj であると考えることができる。
車14の個別かみ合い伝達誤差(累積ピッチ誤差)g
と、駆動歯車12の個別かみ合い伝達誤差(累積ピッチ
誤差)pとの和であると考えることができ、具体的に
は、被動歯車14の第i番目の歯と駆動歯車12の第j
番目の歯とがかみ合う際における総合かみ合い伝達誤差
e i.j は、被動歯車14の第i番目の歯における個別か
み合い伝達誤差gi と、駆動歯車12の第j番目の歯に
おける個別かみ合い伝達誤差pj との和、すなわち、 ei.j =gi +pj であると考えることができる。
【0049】それらの知見に基づき、本実施形態におい
ては、以下の式により、被動歯車14の個別かみ合い伝
達誤差(隣接ピッチ誤差)Δi (i=1〜P〜G)を取
得する。
ては、以下の式により、被動歯車14の個別かみ合い伝
達誤差(隣接ピッチ誤差)Δi (i=1〜P〜G)を取
得する。
【0050】 e1.2 −e2.2 =(g1 +p2 )−(g2 +p2 )=
(g1 −g2 )=Δ1 e2.3 −e3.3 =(g2 +p3 )−(g3 +p3 )=
(g2 −g3 )=Δ2 ・ ・ ・ eP.P −eP+1.P =(gP +pP )−(gP+1 +pP )
=(gP −gP+1 )=ΔP ・ ・ ・ eG.G-PxINT[G/P]+1−e1.G-PxINT[G/P]+1=(gG +p
G-PxINT[G/P]+1)−(g1 +pG-PxINT[G/P]+1)=(g
G −g1 )=ΔG
(g1 −g2 )=Δ1 e2.3 −e3.3 =(g2 +p3 )−(g3 +p3 )=
(g2 −g3 )=Δ2 ・ ・ ・ eP.P −eP+1.P =(gP +pP )−(gP+1 +pP )
=(gP −gP+1 )=ΔP ・ ・ ・ eG.G-PxINT[G/P]+1−e1.G-PxINT[G/P]+1=(gG +p
G-PxINT[G/P]+1)−(g1 +pG-PxINT[G/P]+1)=(g
G −g1 )=ΔG
【0051】ここに、上記各式の左辺における右項はす
べて、1回目の測定によって取得されるものであり、ま
た、左項はすべて、2回目の測定によって取得されるも
のである。したがって、本実施形態においては、個別か
み合い伝達誤差Δの演算に必要なデータを取得するため
に、総合かみ合い伝達誤差eの測定を2回行えば足りる
ことになる。
べて、1回目の測定によって取得されるものであり、ま
た、左項はすべて、2回目の測定によって取得されるも
のである。したがって、本実施形態においては、個別か
み合い伝達誤差Δの演算に必要なデータを取得するため
に、総合かみ合い伝達誤差eの測定を2回行えば足りる
ことになる。
【0052】前記主制御装置50は、図5にフローチャ
ートで表されている制御プログラムを実行する。
ートで表されている制御プログラムを実行する。
【0053】この制御プログラムにおいては、まず、ス
テップS1(以下、単に「S1」で表す。他のステップ
についても同じとする。)において、作業者により、ワ
ークとしての歯車対10が相互に離間する状態で、か
つ、各歯車の軸心位置がかみ合い試験機において予め設
定された各原点位置に一致するようにかみ合い試験機に
取り付けられるのを待つ状態となる。取り付けられたな
らば、S2において、作業者により、その歯車対10の
かみ合い位置の初期状態(歯車対10の最初のかみ合い
状態において、被動歯車14のどの歯が測定開始位置に
あり、その歯にかみ合う駆動歯車12の歯がどれである
かを示す)が設定され、続いて、S3において、その設
定されたかみ合い位置に応じて、自動かみ合わせ装置1
6により、歯車対10が相互に接近させられてかみ合わ
せられる。
テップS1(以下、単に「S1」で表す。他のステップ
についても同じとする。)において、作業者により、ワ
ークとしての歯車対10が相互に離間する状態で、か
つ、各歯車の軸心位置がかみ合い試験機において予め設
定された各原点位置に一致するようにかみ合い試験機に
取り付けられるのを待つ状態となる。取り付けられたな
らば、S2において、作業者により、その歯車対10の
かみ合い位置の初期状態(歯車対10の最初のかみ合い
状態において、被動歯車14のどの歯が測定開始位置に
あり、その歯にかみ合う駆動歯車12の歯がどれである
かを示す)が設定され、続いて、S3において、その設
定されたかみ合い位置に応じて、自動かみ合わせ装置1
6により、歯車対10が相互に接近させられてかみ合わ
せられる。
【0054】その後、S4において、その歯車対10に
バックラッシが設定される。作業者の操作に基づき、自
動かみ合わせ装置16を利用して、その歯車対10に、
実際の使用状態で存在することが予想されるバックラッ
シが設定されるのである。続いて、S5において、各歯
車12,14の軸心位置の座標(X,Y,Z)がRAM
56に記憶される。歯車測定は同じ歯車対10について
2回行われるが、それら2回の測定が同じバックラッシ
の存在下に行われることを保証するために、最初の軸心
位置を予め記憶させておき、後でその値を利用可能とす
るのである。
バックラッシが設定される。作業者の操作に基づき、自
動かみ合わせ装置16を利用して、その歯車対10に、
実際の使用状態で存在することが予想されるバックラッ
シが設定されるのである。続いて、S5において、各歯
車12,14の軸心位置の座標(X,Y,Z)がRAM
56に記憶される。歯車測定は同じ歯車対10について
2回行われるが、それら2回の測定が同じバックラッシ
の存在下に行われることを保証するために、最初の軸心
位置を予め記憶させておき、後でその値を利用可能とす
るのである。
【0055】その後、S6において、1回目の測定が行
われる。具体的には、制動モータ24により被動歯車1
4に制動トルクを付与しつつ、駆動モータ20により駆
動歯車12を一定速度で回転させるとともに、その間、
各歯車12,14の回転角度を各ロータリエンコーダ3
0,32で測定し、両者の測定値に基づき、被動歯車1
4の各回転角度毎に、総合かみ合い伝達誤差eを演算す
る。この際、被動歯車14は、少なくとも1回転と1ピ
ッチ分との和回転させられる。この測定により、総合か
み合い伝達誤差eが被動歯車14の回転角度に関連付け
て連続値として取得される。
われる。具体的には、制動モータ24により被動歯車1
4に制動トルクを付与しつつ、駆動モータ20により駆
動歯車12を一定速度で回転させるとともに、その間、
各歯車12,14の回転角度を各ロータリエンコーダ3
0,32で測定し、両者の測定値に基づき、被動歯車1
4の各回転角度毎に、総合かみ合い伝達誤差eを演算す
る。この際、被動歯車14は、少なくとも1回転と1ピ
ッチ分との和回転させられる。この測定により、総合か
み合い伝達誤差eが被動歯車14の回転角度に関連付け
て連続値として取得される。
【0056】この1回目の測定が終了したならば、S7
において、自動かみ合わせ装置16の作動により、歯車
対10が相互に離間させられ、各歯車12,14が各原
点位置に復帰させられ、これにより、歯車対10のかみ
合い状態が解除される。その後、S8において、各歯車
12,14の回転軸の回転角度位置が初期位置に復帰さ
せられる。続いて、S9において、駆動歯車12のみ
が、1ピッチ分だけ、回転方向に回転させられる。駆動
歯車12と被動歯車14とのかみ合い位置の初期状態が
1回目の測定における位置とは1歯分だけ異なる位置と
されるのである。その後、S10において、自動かみ合
わせ装置16により、歯車対10が相互に接近させられ
てかみ合わされ、この際、各歯車12,14の軸心位置
が前記S5において記憶されたものに一致させられ、バ
ックラッシが1回目の測定におけると同じ大きさとされ
る。
において、自動かみ合わせ装置16の作動により、歯車
対10が相互に離間させられ、各歯車12,14が各原
点位置に復帰させられ、これにより、歯車対10のかみ
合い状態が解除される。その後、S8において、各歯車
12,14の回転軸の回転角度位置が初期位置に復帰さ
せられる。続いて、S9において、駆動歯車12のみ
が、1ピッチ分だけ、回転方向に回転させられる。駆動
歯車12と被動歯車14とのかみ合い位置の初期状態が
1回目の測定における位置とは1歯分だけ異なる位置と
されるのである。その後、S10において、自動かみ合
わせ装置16により、歯車対10が相互に接近させられ
てかみ合わされ、この際、各歯車12,14の軸心位置
が前記S5において記憶されたものに一致させられ、バ
ックラッシが1回目の測定におけると同じ大きさとされ
る。
【0057】続いて、S11において、2回目の測定が
行われる。この2回目の測定は、1回目の測定と同様に
行われるが、被動歯車14は、少なくとも1回転させら
れる。
行われる。この2回目の測定は、1回目の測定と同様に
行われるが、被動歯車14は、少なくとも1回転させら
れる。
【0058】その後、S12において、各歯車12,1
4が各原点位置に復帰させられ、これにより、歯車対1
0がかみ合い状態から解除される。続いて、S13にお
いて、作業者により、ワークとしての歯車対10がかみ
合い試験機から取り外されるのを待つ状態となる。以上
で本プログラムの一回の実行が終了する。
4が各原点位置に復帰させられ、これにより、歯車対1
0がかみ合い状態から解除される。続いて、S13にお
いて、作業者により、ワークとしての歯車対10がかみ
合い試験機から取り外されるのを待つ状態となる。以上
で本プログラムの一回の実行が終了する。
【0059】以上のようにして2回の測定が行われたな
らば、次に、作業者は、図6にフローチャートで表され
ている個別誤差演算プログラムであってROM54に予
め記憶されているもの(プロッピーディスク等、磁気記
録媒体に予め記録されたものであって、外部記憶装置に
より読み出されてRAM56に一時的に記憶されている
ものでもよい。)をコンピュータ58に実行させること
により、取得された総合かみ合い伝達誤差データに基づ
いて被動歯車14の個別かみ合い伝達誤差を取得する。
らば、次に、作業者は、図6にフローチャートで表され
ている個別誤差演算プログラムであってROM54に予
め記憶されているもの(プロッピーディスク等、磁気記
録媒体に予め記録されたものであって、外部記憶装置に
より読み出されてRAM56に一時的に記憶されている
ものでもよい。)をコンピュータ58に実行させること
により、取得された総合かみ合い伝達誤差データに基づ
いて被動歯車14の個別かみ合い伝達誤差を取得する。
【0060】この個別誤差演算プログラムにおいては、
まず、S101において、1回目の測定と2回目の測定
とによりそれぞれ取得された2種類の連続的な測定デー
タに基づき、歯車対10についての離散的な総合かみ合
い伝達誤差eが演算される。例えば、各種類の測定デー
タにおいては、図4に示すように、その測定データによ
り表される連続的な総合かみ合い伝達誤差eが正の値で
ある領域では極大値、負の値である領域では極小値がそ
れぞれ、被動歯車14と駆動歯車12とがかみ合う各か
み合い歯対に対応する総合かみ合い伝達誤差eとなると
いう事実を利用し、各かみ合い歯対毎に、離散的な総合
かみ合い伝達誤差eが演算される。その結果、歯車対1
0については、1回目の測定により取得された測定デー
タに基づき、e1.1 ,e2.2 ,e3.3 ,・・・,e
1.G-PxINT[G/P]+1が演算され、一方、2回目の測定によ
り取得された測定データに基づき、e1.2 ,e2.3 ,e
3.4 ,・・・,eG.G-PxINT[G/P]+1が演算される。
まず、S101において、1回目の測定と2回目の測定
とによりそれぞれ取得された2種類の連続的な測定デー
タに基づき、歯車対10についての離散的な総合かみ合
い伝達誤差eが演算される。例えば、各種類の測定デー
タにおいては、図4に示すように、その測定データによ
り表される連続的な総合かみ合い伝達誤差eが正の値で
ある領域では極大値、負の値である領域では極小値がそ
れぞれ、被動歯車14と駆動歯車12とがかみ合う各か
み合い歯対に対応する総合かみ合い伝達誤差eとなると
いう事実を利用し、各かみ合い歯対毎に、離散的な総合
かみ合い伝達誤差eが演算される。その結果、歯車対1
0については、1回目の測定により取得された測定デー
タに基づき、e1.1 ,e2.2 ,e3.3 ,・・・,e
1.G-PxINT[G/P]+1が演算され、一方、2回目の測定によ
り取得された測定データに基づき、e1.2 ,e2.3 ,e
3.4 ,・・・,eG.G-PxINT[G/P]+1が演算される。
【0061】次に、S102において、S101におい
て取得された複数の総合かみ合い伝達誤差eの中から、
被動歯車14において互いに隣接した2個の歯について
の一対の総合かみ合い伝達誤差eであってそれら各歯が
それぞれ駆動歯車12と同じ歯でかみ合った際に測定さ
れたものが、引き算対象対の総合かみ合い伝達誤差eと
して選出される。その結果、歯車対10については、e
1.2 とe2.2 ,e2.3とe2.2 ,・・・がそれぞれ、引
き算対象対の総合かみ合い伝達誤差eとして選出され
る。
て取得された複数の総合かみ合い伝達誤差eの中から、
被動歯車14において互いに隣接した2個の歯について
の一対の総合かみ合い伝達誤差eであってそれら各歯が
それぞれ駆動歯車12と同じ歯でかみ合った際に測定さ
れたものが、引き算対象対の総合かみ合い伝達誤差eと
して選出される。その結果、歯車対10については、e
1.2 とe2.2 ,e2.3とe2.2 ,・・・がそれぞれ、引
き算対象対の総合かみ合い伝達誤差eとして選出され
る。
【0062】その後、S103において、選出された各
引き算対象対毎に、その各対を構成する2個の値の差が
演算され、それが被動歯車14の各歯の個別かみ合い伝
達誤差Δとされる。その結果、歯車対10については、
例えば、e1.2 とe2.2 という引き算対象対の総合かみ
合い伝達誤差eについては、e1.2 からe2.2 を引き算
することにより、被動歯車14の第1番目の歯について
の個別かみ合い伝達誤差Δ1 が演算され、e2.3 とe
3.3 という引き算対象対の総合かみ合い伝達誤差eにつ
いては、e2.3 からe3.3 を引き算することにより、被
動歯車14の第2番目の歯についての個別かみ合い伝達
誤差Δ2 が演算される。
引き算対象対毎に、その各対を構成する2個の値の差が
演算され、それが被動歯車14の各歯の個別かみ合い伝
達誤差Δとされる。その結果、歯車対10については、
例えば、e1.2 とe2.2 という引き算対象対の総合かみ
合い伝達誤差eについては、e1.2 からe2.2 を引き算
することにより、被動歯車14の第1番目の歯について
の個別かみ合い伝達誤差Δ1 が演算され、e2.3 とe
3.3 という引き算対象対の総合かみ合い伝達誤差eにつ
いては、e2.3 からe3.3 を引き算することにより、被
動歯車14の第2番目の歯についての個別かみ合い伝達
誤差Δ2 が演算される。
【0063】以上のようにして被動歯車14の全歯(歯
数G)につき、個別かみ合い伝達誤差Δが演算される。
数G)につき、個別かみ合い伝達誤差Δが演算される。
【0064】以上、被測定歯車が被動歯車14である場
合を例にとり、総合かみ合い伝達誤差eから個別かみ合
い伝達誤差Δを演算する技術を説明したが、被測定歯車
が被動歯車14である場合にも同様にして総合かみ合い
伝達誤差eから個別かみ合い伝達誤差Δを演算すること
ができる。
合を例にとり、総合かみ合い伝達誤差eから個別かみ合
い伝達誤差Δを演算する技術を説明したが、被測定歯車
が被動歯車14である場合にも同様にして総合かみ合い
伝達誤差eから個別かみ合い伝達誤差Δを演算すること
ができる。
【0065】以上の説明から明らかなように、本実施形
態によれば、歯車対10につき、それぞれの歯数が互い
に素でなくても、被測定歯車の個別かみ合い伝達誤差が
測定可能となるため、測定可能な歯車対10の種類が増
加し、かみ合い試験機の汎用性が向上するという効果が
得られる。
態によれば、歯車対10につき、それぞれの歯数が互い
に素でなくても、被測定歯車の個別かみ合い伝達誤差が
測定可能となるため、測定可能な歯車対10の種類が増
加し、かみ合い試験機の汎用性が向上するという効果が
得られる。
【0066】ところで、本実施形態のかみ合い式歯車測
定方法に対し、次のような方法が既に知られている。
定方法に対し、次のような方法が既に知られている。
【0067】各歯車の歯数が互いに素である歯車対につ
いては、各歯車を複数回連続的に回転させれば各歯車が
相手歯車とかみ合う歯が変化し、歯車対の一方である駆
動歯車の歯数をP、他方である被動歯車の歯数をGと
し、その歯車対を駆動歯車についてはG回、被動歯車に
ついてはP回回転するように回転させれば、各歯車の各
歯が相手歯車の全歯とかみ合い、その結果、以下のよう
な総合かみ合い伝達誤差eが取得される。
いては、各歯車を複数回連続的に回転させれば各歯車が
相手歯車とかみ合う歯が変化し、歯車対の一方である駆
動歯車の歯数をP、他方である被動歯車の歯数をGと
し、その歯車対を駆動歯車についてはG回、被動歯車に
ついてはP回回転するように回転させれば、各歯車の各
歯が相手歯車の全歯とかみ合い、その結果、以下のよう
な総合かみ合い伝達誤差eが取得される。
【0068】
【0069】また、被測定歯車において互いに隣接した
2個の歯についての一対の総合かみ合い伝達誤差eであ
って相手歯車とそれの第1番目の歯でかみ合ったときに
測定されたものの差と、被測定歯車の個別かみ合い伝達
誤差Δとの関係を式で表せば以下のようになる。
2個の歯についての一対の総合かみ合い伝達誤差eであ
って相手歯車とそれの第1番目の歯でかみ合ったときに
測定されたものの差と、被測定歯車の個別かみ合い伝達
誤差Δとの関係を式で表せば以下のようになる。
【0070】 e1.1 −e2.1 =(g1 +p1 )−(g2 +p1 )=
(g1 −g2 )=Δ1 e2.1 −e3.1 =(g2 +p1 )−(g3 +p1 )=
(g2 −g3 )=Δ2 ・ ・ ・ eG.1 −e1.1 =(gG +p1 )−(g1 +p1 )=
(gG −g1 )=ΔG
(g1 −g2 )=Δ1 e2.1 −e3.1 =(g2 +p1 )−(g3 +p1 )=
(g2 −g3 )=Δ2 ・ ・ ・ eG.1 −e1.1 =(gG +p1 )−(g1 +p1 )=
(gG −g1 )=ΔG
【0071】そこで、その従来方法は、そのような知見
に基づき、歯数が互いに素である歯車対については、か
み合い状態の解除なしで歯車対を複数回連続的に回転さ
せることにより、総合かみ合い伝達誤差から個別かみ合
い伝達誤差を取得する。しかし、この従来方法では、個
別かみ合い伝達誤差Δを測定するために、歯車対を歯数
がGである被動歯車についてはP回、歯数がPである駆
動歯車についてはG回回転するように、何回も回転させ
なければならない。
に基づき、歯数が互いに素である歯車対については、か
み合い状態の解除なしで歯車対を複数回連続的に回転さ
せることにより、総合かみ合い伝達誤差から個別かみ合
い伝達誤差を取得する。しかし、この従来方法では、個
別かみ合い伝達誤差Δを測定するために、歯車対を歯数
がGである被動歯車についてはP回、歯数がPである駆
動歯車についてはG回回転するように、何回も回転させ
なければならない。
【0072】これに対し、本実施形態においては、歯車
対を被測定歯車が少なくとも2回転と1歯分との和回転
するように回転させればよい。したがって、本実施形態
によれば、個別かみ合い伝達誤差Δの取得に必要な総合
かみ合い伝達誤差eの測定回数が少なくて済み、所要測
定時間が短縮されるという効果も得られる。
対を被測定歯車が少なくとも2回転と1歯分との和回転
するように回転させればよい。したがって、本実施形態
によれば、個別かみ合い伝達誤差Δの取得に必要な総合
かみ合い伝達誤差eの測定回数が少なくて済み、所要測
定時間が短縮されるという効果も得られる。
【0073】以上、本発明の一実施形態を図面に基づい
て詳細に説明したが、本発明はその他の形態で実施する
ことも可能である。
て詳細に説明したが、本発明はその他の形態で実施する
ことも可能である。
【0074】例えば、本実施形態においては、測定すべ
き歯車対10がハイポイドギヤとされているが、他のか
さ歯車としたり、平歯車対等、他の種類の歯車対とする
ことが可能である。
き歯車対10がハイポイドギヤとされているが、他のか
さ歯車としたり、平歯車対等、他の種類の歯車対とする
ことが可能である。
【0075】また、本実施形態においては、各回の測定
により取得された連続的な測定データから離散的な各か
み合い歯対毎の総合かみ合い伝達誤差eを取得するに際
し、測定データにより表される連続的な総合かみ合い伝
達誤差eが被測定歯車の回転角度の増加に対して極値
(ただし、総合かみ合い伝達誤差eが正の値である領域
では極大値、負の値である領域では極小値)となる回転
角度が抽出され、その抽出された各回転角度に対応する
総合かみ合い伝達誤差eが、離散的な各かみ合い位置毎
の総合かみ合い伝達誤差eとして演算されるようになっ
ているが、例えば、被測定歯車の回転角度とその被測定
歯車の各歯の位置との関係を予め取得しておき、その関
係と測定データとを関連付けることにより、被測定歯車
の各歯毎に、すなわち、かみ合い歯対毎に、離散的な歯
車対の総合かみ合い伝達誤差eを演算することもでき
る。
により取得された連続的な測定データから離散的な各か
み合い歯対毎の総合かみ合い伝達誤差eを取得するに際
し、測定データにより表される連続的な総合かみ合い伝
達誤差eが被測定歯車の回転角度の増加に対して極値
(ただし、総合かみ合い伝達誤差eが正の値である領域
では極大値、負の値である領域では極小値)となる回転
角度が抽出され、その抽出された各回転角度に対応する
総合かみ合い伝達誤差eが、離散的な各かみ合い位置毎
の総合かみ合い伝達誤差eとして演算されるようになっ
ているが、例えば、被測定歯車の回転角度とその被測定
歯車の各歯の位置との関係を予め取得しておき、その関
係と測定データとを関連付けることにより、被測定歯車
の各歯毎に、すなわち、かみ合い歯対毎に、離散的な歯
車対の総合かみ合い伝達誤差eを演算することもでき
る。
【0076】これらの他にも、特許請求の範囲を逸脱す
ることなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良
を施した形態で本発明を実施することが可能である。
ることなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,改良
を施した形態で本発明を実施することが可能である。
【図1】本発明の一実施形態であるかみ合い式歯車測定
方法を実施するのに好適なかみ合い試験機を示す図であ
る。
方法を実施するのに好適なかみ合い試験機を示す図であ
る。
【図2】上記かみ合い式歯車測定方法の原理を説明する
ための図である。
ための図である。
【図3】上記かみ合い式歯車測定方法の原理を説明する
ための別の図である。
ための別の図である。
【図4】歯車対における総合かみ合い伝達誤差の変化の
一例を示すグラフである。
一例を示すグラフである。
【図5】上記かみ合い式歯車測定方法の内容を説明する
ためのフローチャートである。
ためのフローチャートである。
【図6】上記かみ合い式歯車測定方法の内容を説明する
ための別のフローチャートである。
ための別のフローチャートである。
10 歯車対 12 駆動歯車 14 被動歯車 16 自動かみ合わせ装置 30,32 ロータリエンコーダ 40 演算装置 50 主制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水野 圭造 愛知県豊田市トヨタ町2番地 株式会社ト ヨタマックス内
Claims (3)
- 【請求項1】歯車対をかみ合い回転させてその歯車対の
総合かみ合い伝達誤差を測定し、その測定された総合か
み合い伝達誤差に基づき、歯車対のうちの被測定歯車の
個別かみ合い誤差を測定する方法であって、 前記歯車対をかみ合い回転させ、その歯車対の総合かみ
合い伝達誤差を測定する第1の測定工程と、 前記歯車対のかみ合い状態を解除し、その歯車対のかみ
合い位置を、前記被測定歯車が前記歯車対の他方である
相手歯車と前記第1の測定工程の開始時における歯とは
異なる歯でかみ合うように変更するかみ合い位置変更工
程と、 前記かみ合い位置の変更後、再度、前記歯車対をかみ合
い回転させ、その歯車対の総合かみ合い伝達誤差を測定
する第2の測定工程と、 前記第1の測定工程と前記第2の測定工程とでそれぞれ
取得された2種類の総合かみ合い伝達誤差に基づき、前
記被測定歯車の個別かみ合い誤差を演算する演算工程と
を含むことを特徴とするかみ合い式歯車測定方法。 - 【請求項2】請求項1のかみ合い式歯車測定方法であっ
て、前記演算工程が、前記2種類の総合かみ合い伝達誤
差に基づき、前記被測定歯車における2個の歯について
測定された一対の総合かみ合い伝達誤差であってそれら
各歯がそれぞれ前記相手歯車と同じ歯でかみ合った際に
測定されたものを取得し、その取得された一対の総合か
み合い伝達誤差の差を、前記2個の歯のいずれか一方の
個別かみ合い伝達誤差として演算するものであることを
特徴とするかみ合い式歯車測定方法。 - 【請求項3】請求項2のかみ合い式歯車測定方法であっ
て、前記演算工程が、前記被測定歯車において互いに隣
接した2個の歯について測定された一対の総合かみ合い
伝達誤差であってそれら各歯がそれぞれ前記相手歯車と
同じ歯でかみ合った際に測定されたものを前記一対の総
合かみ合い伝達誤差として取得するものであり、前記か
み合い位置変更工程が、前記かみ合い位置を、前記被測
定歯車が前記相手歯車と前記第1の測定工程の開始時に
おける歯とは1歯分だけ異なる歯でかみ合うように変更
するものであることを特徴とするかみ合い式歯車測定方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8099938A JPH09288042A (ja) | 1996-04-22 | 1996-04-22 | かみ合い式歯車測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8099938A JPH09288042A (ja) | 1996-04-22 | 1996-04-22 | かみ合い式歯車測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09288042A true JPH09288042A (ja) | 1997-11-04 |
Family
ID=14260667
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8099938A Pending JPH09288042A (ja) | 1996-04-22 | 1996-04-22 | かみ合い式歯車測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09288042A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010107361A (ja) * | 2008-10-30 | 2010-05-13 | Denso Wave Inc | 歯車の摩耗検出装置 |
KR20170002036A (ko) * | 2015-06-29 | 2017-01-06 | 주식회사 원프레딕트 | 기어의 고장 진단 및 구분 방법 |
CN111537228A (zh) * | 2020-05-29 | 2020-08-14 | 中国电子科技集团公司第十四研究所 | 一种用于多路光纤旋转连接器传动机构的检测方法 |
CN114526906A (zh) * | 2022-01-05 | 2022-05-24 | 南京航空航天大学 | 一种用于测量齿轮副传递误差的测量装置 |
-
1996
- 1996-04-22 JP JP8099938A patent/JPH09288042A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN114526906B (zh) * | 2022-01-05 | 2023-01-06 | 南京航空航天大学 | 一种用于测量齿轮副传递误差的测量装置 |
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