JPH09287U - 使い捨てパンツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】使い捨てパンツの両側溶着接合部が着用中に不
用意に引き裂かれないようにするとともに、脱がせると
きには該接合部を容易に引き裂き易いようにする。 【解決手段】パンツの前後身頃の両側部をその縦方向に
間欠的に溶着接合する。溶着接合部１０は、前記両側部
の縦方向両端部に接合強度の高い前記溶着接合部１０ａ
を配置するとともに、前記縦方向に接合強度の高い溶着
接合部１０ａと接合強度の低い溶着接合部１０ｂとを互
いに隣接して配置してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、使い捨てパンツに関し、さらに詳しくは、幼児用トレニングパン ツ・パンツ型オシメ、失禁パンツに関する。

【０００２】

【従来の技術】

この種のパンツにおいては、大便が排泄された場合、着用者の腰から足先方向 へ引き下ろしまたは引き抜いて脱がせると、大便が脚などに妄りに付着すること がある。そうしたことを避けるために、パンツの前後身頃の両側部をその縦方向 へ間欠的に溶着接合し、その溶着接合部を比較的容易に引き裂き易いようにする ことが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前述のように、パンツの前後身頃の両側部における溶着接合部を比較的容易に 引き裂き易いようにすることは、一方においては、パンツの着用中における着用 者の姿勢や運動によっては、その溶着接合部が不用意に引き裂かれてしまい易い ということもある。

【０００４】 パンツを着用者から脱がせるときには、前記溶着接合部を比較的容易に引き裂 き易くするとともに、パンツの着用中には、前記溶着接合部を着用者の姿勢や運 動により不用意に引き裂かれてしまわないようにするということは、二律背反の 関係にある。この考案は、そうした関係を調整することを課題とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、内外面シートの間に吸収コアを介在させ、前記両シートの中央両 側縁に脚開口形成部と前記両シートの縦方向両端に腰開口形成部とを形成し、か つ、これらの開口形成部に伸縮弾性部材を取り付けて積層体を構成し、前記積層 体を前後身頃が重なるとともに前記内面シ−トが内側に位置するように折り重ね て前後身頃の前記コアの側縁から外側へ延出する各側部をこれらに沿って溶着接 合することによって両脚開口部と腰開口部とを形成し、前記各側部の溶着接合部 を前後身頃の各側縁よりも内側に位置させ、前記両シートとして熱可塑性繊維を 含む不織布を用い、前記溶着接合部を前記繊維同士の溶着によってなすとともに 前記溶着接合部を縦方向に間欠的に設けることで、前記溶着接合部の帯域に沿っ て前記両側部を互いに引き裂き分離可能になしてある使い捨てパンツを前提とす る。

【０００６】 この考案は、前記前提において、前記各側部の縦方向両端部に接合強度の高い 前記溶着接合部を配置するとともに、前記各側部における前記溶着接合部の列中 、接合強度の高い前記溶着接合部と接合強度の低い前記溶着接合部とを前記縦方 向に互いに隣接して配置してあることを特徴とする。

【０００７】

【作用】

本考案に係るパンツにおいては、まず、腰開口部の上端または脚開口部の上端 を両手で摘持して、それら上端に位置する接合強度の高い溶着接合部を前後身頃 が互いに離れる方向へ比較的強く引っ張ると、前後身頃が比較的容易に溶着接合 部に沿って引き裂かれ分離する。その際、各溶着接合部は、接合強度の高いもの と低いものとがパンツの縦方向へ配列しているから、パンツを脱がせる介護者に は、あたかもジッパーのスライダーを摺動操作しているかのような手応えが感じ られ、円滑に引き裂かれる。

【０００８】

【考案の実施の形態】

図面を参照して、この考案に係るパンツの実施の形態の概要を説明すると、以 下のとおりである。

【０００９】 図１〜図３に示すように、縦方向に長い内外面シート２，３の間に吸収コア４ を介在させて積層体１を構成してある。内外面シート２，３は、熱可塑性繊維を 含む不織布からなり、中央（股下）両側縁に凹欠状の脚開口形成部５と縦方向両 端に直線状の腰開口形成部６とを形成してある。図示してないが、必要に応じて 、周知のように、排泄液の漏れ防止をはかるため、少なくとも吸収コア４の下面 にプラスチックフィルムなどの液不透過性シートを介在させることもある。吸収 コア４は、主として綿状パルプまたはこれと高吸収性ポリマー粒子との混合から なり、股下域を幅狭く、いわゆる砂時計型に形成してある。脚開口形成部５と腰 開口形成部６には、それぞれに沿って伸縮弾性部材７，８を伸長下に介在させて 取り付けてある。伸縮弾性部材７，８は、伸縮弾性を有する材料であれば、天然 または合成ゴム、ポリウレタンフォーム、熱処理で伸縮弾性を発現するプラスチ ックフィルムなどのいずれも、また比較的細幅、広幅のいずれも使用することが できる。

【００１０】 積層体１は、縦中心線Ｌを介して前後身頃１ａ，１ｂが重なるとともに内面シ ート２が内側に位置するように折り重ねて両側縁９よりも適宜内側において両側 部を熱溶着または超音波溶着することで溶着接合部１０を設け、両腰部の前後身 頃１ａ，１ｂを互いに接合してある。これにより、両脚開口部１ｃと腰開口部１ ｄとを有するパンツを形成するとともに、溶着接合部１０の帯域の外側に延出部 １１を設けてある。

【００１１】 図４に示すように、溶着接合部１０は、パンツの縦方向へ間欠的または断続的 に設け、しかも、前後身頃の縦方向両端部、すなわち、腰開口部の上端部と脚開 口部の上端部と、それら間の所要部位の溶着接合部１０ａを太くして接合強度を 高めるとともに、これら間の溶着接合部１０ｂを細くして接合強度を低くしてあ る。

【００１２】

【考案の効果】

この考案に係るパンツによれば、前後身頃の各側部の縦方向両端部に接合強度 の高い溶着接合部を配置してあるから、パンツの着用中には、着用者の姿勢や運 動により、その縦方向両端部、すなわち、腰開口部および脚開口部の上端部が、 不用意に引き裂かれてしまい、したがって、それに続く溶着接合部も同様に引き 裂かれることがない。一方、パンツを介護者が着用者から脱がせるときには、介 護者が腰開口部および脚開口部の上端部の一方の溶着接合部を前後身頃が互いに 離れる方向へ比較的強く引っ張ると、その溶着接合部が比較的容易に引き裂かれ るとともに、これに続く各溶着接合部も同様に引き裂かれて前後身頃が分離する 。また、腰開口部と脚開口部の各上端部の間にも接合強度の高い溶着接合部を配 置してあるから、それら上端部の一方の溶着接合部が不用意に引き裂かれたとし ても、その列における各溶着接合部が一挙に不用意に引き裂かれてしまうおそれ が少ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係るパンツの一例としてのパンツ型
オシメの実施の形態を示す斜視図。

【図２】前記オシメの展開平面図。

【図３】前記オシメの上端面図。

【図４】前記オシメの溶着接合部の正面図。

【符号の説明】

１ 積層体 １ａ 前身頃 １ｂ 後身頃 ２ 内面シート ３ 外面シート ４ 吸収コア ５ 脚開口形成部 ６ 腰開口形成部 ７，８ 伸縮弾性部材 １０ 溶着接合部 １０ａ 接合強度の高い溶着接合部 １０ｂ 接合強度の低い溶着接合部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】内外面シートの間に吸収コアを介在させ、
   前記両シートの中央両側縁に脚開口形成部と前記両シー
   トの縦方向両端に腰開口形成部とを形成し、かつ、これ
   らの開口形成部に伸縮弾性部材を取り付けて積層体を構
   成し、前記積層体を前後身頃が重なるとともに前記内面
   シ−トが内側に位置するように折り重ねて前後身頃の前
   記コアの側縁から外側へ延出する各側部をこれらに沿っ
   て溶着接合することによって両脚開口部と腰開口部とを
   形成し、前記各側部の溶着接合部を前後身頃の側縁より
   も内側に位置させ、前記両シートとして熱可塑性繊維を
   含む不織布を用い、前記溶着接合部を前記繊維同士の溶
   着によってなすとともに前記溶着接合部を縦方向に間欠
   的に設けることで、前記溶着接合部の帯域に沿って前記
   各側部を互いに引き裂き分離可能になしてある使い捨て
   パンツにおいて、 前記各側部の縦方向両端部に接合強度の高い前記溶着接
   合部を配置するとともに、前記各側部における前記溶着
   接合部の列中、接合強度の高い前記溶着接合部と接合強
   度の低い前記溶着接合部とを前記縦方向に互いに隣接し
   て配置してあることを特徴とする前記パンツ。