JPH09287909A - 磁気式位置センサ - Google Patents

磁気式位置センサ

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JPH09287909A
JPH09287909A JP10160596A JP10160596A JPH09287909A JP H09287909 A JPH09287909 A JP H09287909A JP 10160596 A JP10160596 A JP 10160596A JP 10160596 A JP10160596 A JP 10160596A JP H09287909 A JPH09287909 A JP H09287909A
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JP
Japan
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resistance value
gmr
magnetic
compensating
position sensor
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Application number
JP10160596A
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English (en)
Inventor
Kyosuke Ohashi
恭介 大橋
Takahito Murata
高人 村田
Hiroshi Kikuchi
博 菊池
Takashi Washimi
隆 鷲見
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Measurement Of Length, Angles, Or The Like Using Electric Or Magnetic Means (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、磁気抵抗素子を備える磁気式位置
センサに関し、温度変化に起因する磁気抵抗素子の抵抗
値の変化を正確に補償し得る磁気式位置センサを提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 磁石13はロータ12に固定され、ロー
タ12の周囲にはGMR素子16及び17が成膜された
フレキシブル基板14が配設されている。磁石13によ
る磁界が作用する面積が、GMR素子16については磁
石13の回転に応じて変化し、GMR素子17について
は常に一定となるように構成されている。従って、ロー
タ12が回転すると、GMR素子16の抵抗値は回転角
に応じて変化し、GMR素子17の抵抗値は変化しな
い。このため、GMR素子16及び17の抵抗値に基づ
いてロータ12の回転位置を検出することにより、温度
変化に起因するGMR素子16の抵抗値変化が補償され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗素子を備
える磁気式位置センサに係わり、特に、温度変化に起因
する磁気抵抗素子の抵抗値変化を補償し得る磁気式位置
センサに関する。
【0002】
【従来の技術】車両には、スロットルバルブの開度やブ
レーキペダルのストローク等を検出するために位置セン
サが搭載される。位置センサの耐久性を向上させる上
で、非接触で移動体の移動位置を検出し得ることが望ま
しい。このような非接触式位置センサとして、従来よ
り、移動体の移動に応じた磁石の移動に伴う磁界の変化
を、磁気抵抗素子を用いて検出することにより、移動体
の移動位置を検出する磁気式位置センサが知られてい
る。例えば、特開平3−235002号には、スロット
ルバルブ等の回転体の回転位置を検出する磁気式位置セ
ンサが開示されている。上記従来の磁気式位置センサ
は、スロットルバルブ等の回転体の回転に応じて共に回
転する磁石と、該磁石に対向するように配設され、ブリ
ッジ接続されてブリッジ回路を構成する磁気抵抗素子と
を備えている。磁気抵抗素子は、作用する磁界の、流通
する電流の向きに対する角度に応じて抵抗値が変化する
性質を備えている。このため、磁気抵抗素子に電流を供
給した状態で、回転体の回転に応じて磁石の発する磁界
が回転すると、磁気抵抗素子の抵抗値が変化する。上記
従来の磁気式位置センサにおいては、ブリッジ回路に電
流を供給し、かかる抵抗値の変化を電圧信号に変換する
ことにより、回転体の回転位置を検出している。
【0003】ところで、磁気抵抗素子は、温度変化に応
じて抵抗値が変化する性質を備えている。かかる温度変
化の影響を補償するため、上記従来の磁気式位置センサ
は、一対の温度補償用磁気抵抗素子を更に備えている。
温度補償用磁気抵抗素子は、磁石の回転に伴う磁界の回
転に起因する抵抗値変化が互いに相殺されるよう、互い
に垂直な線状のパターンに形成されると共に、互いに直
列に接続されている。このため、温度補償用磁気抵抗素
子の直列抵抗値は、回転体の回転によっては変化せず、
温度変化のみに応じて変化する。上記従来の磁気式位置
センサにおいては、かかる直列抵抗値の変化に基づい
て、ブリッジ回路への供給電流を調整することにより、
温度変化に起因する磁気抵抗素子の抵抗値変化を補償し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、上記従来
の磁気式位置センサにおいては、温度補償用磁気抵抗素
子は、磁石の回転に伴う磁界の回転に起因する抵抗値変
化が相殺されるよう、互いに垂直に形成されなければな
らない。しかしながら、一般に、このように所要のパタ
ーンを所要の角度に高精度に形成することは困難であ
り、形成された角度には必然的に誤差が伴う。上記従来
の磁気式位置センサにおいて、温度補償用磁気抵抗素子
間の角度に誤差が生ずると、回転体の回転に伴う各素子
の抵抗値変化は完全には相殺されないことになる。この
場合、温度補償用磁気抵抗素子の直列抵抗値は磁石の回
転によって変動し、従って、この直列抵抗値によって
は、温度変化に起因する磁気抵抗素子の抵抗値変化を完
全には補償することができない。このように、上記従来
の磁気式位置センサは、温度補償用磁気抵抗素子を所要
の角度に高精度に形成することが困難であるために、温
度補償が正確に行われない場合があるという問題を有す
るものであった。
【0005】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、温度変化に起因する測定用磁気抵抗素子の抵抗値
変化を正確に補償し得る磁気式位置センサを提供するこ
とを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、移動体の移動に伴う磁石の相対移動に
応じた抵抗値変化を示す検出用磁気抵抗素子と、温度変
化に起因する前記検出用磁気抵抗素子の抵抗値の変化の
補償に用いられる補償用磁気抵抗素子とを備える磁気式
位置センサにおいて、前記補償用磁気抵抗素子を、その
抵抗値が前記磁石の移動位置にかかわらず一定となるよ
うに構成すると共に、前記検出用磁気抵抗素子の抵抗値
と、前記補償用磁気抵抗素子の抵抗値とに基づいて、前
記移動体の移動位置を検出する移動位置検出手段を設け
た磁気式位置センサにより達成される。
【0007】本発明において、検出用磁気抵抗素子の抵
抗値は、移動体の移動位置に係わらず一定とされる。磁
気抵抗素子の抵抗値は温度変化に応じて変化する。この
ため、検出用磁気抵抗素子の抵抗値は、移動体の移動位
置に応じて変化すると共に、温度変化に応じて変化し、
一方、補償用磁気抵抗素子の抵抗値は、温度変化のみに
応じて変化する。従って、移動位置検出手段が、検出用
磁気抵抗素子の抵抗値と、補償用磁気抵抗素子の抵抗値
とに基づいて移動体の移動位置を検出することにより、
温度変化に起因する測定用磁気抵抗素子の抵抗値の変化
が補償される。
【0008】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、移動体の移動に伴う磁石の相対移動に応じた抵抗
値変化を示す検出用磁気抵抗素子と、温度変化に起因す
る前記検出用磁気抵抗素子の抵抗値の変化の補償に用い
られる補償用磁気抵抗素子とを備える磁気式位置センサ
において、前記補償用磁気抵抗素子を、前記磁石による
磁界が作用する領域の面積が前記磁石の移動位置にかか
わらず一定となるように構成すると共に、前記検出用磁
気抵抗素子の抵抗値と、前記補償用磁気抵抗素子の抵抗
値とに基づいて、前記移動体の移動位置を検出する移動
位置検出手段を設けた磁気式位置センサによっても達成
される。
【0009】本発明において、検出用磁気抵抗素子の抵
抗値は、移動体の移動位置に応じて変化する。一方、補
償用磁気抵抗素子の、磁石による磁界が作用する領域の
面積は、磁石の移動位置にかかわらず一定であるため、
補償用磁気抵抗素子の抵抗値は移動体の移動位置にかか
わらず一定である。磁気抵抗素子の抵抗値は温度変化に
応じて変化する。このため、検出用磁気抵抗素子の抵抗
値は、移動体の移動位置に応じて変化すると共に、温度
変化に応じて変化し、一方、補償用磁気抵抗素子の抵抗
値は、温度変化のみに応じて変化する。従って、移動位
置検出手段が、検出用磁気抵抗素子の抵抗値と、補償用
磁気抵抗素子の抵抗値とに基づいて移動体の移動位置を
検出することにより、温度変化に起因する測定用磁気抵
抗素子の抵抗値の変化が補償される。
【0010】また、上記の目的は、請求項3に記載する
如く、請求項1又は2記載の磁気式位置センサにおい
て、前記移動位置検出手段は、前記測定用磁気抵抗素子
の抵抗値と、前記補償用磁気抵抗素子の抵抗値との比に
基づいて前記移動体の移動位置を検出する磁気式位置セ
ンサによっても達成される。
【0011】本発明において、移動位置検出手段は、測
定用磁気抵抗素子の抵抗値と、補償用磁気抵抗素子の抵
抗値との比に基づいて前記移動体の移動位置を検出す
る。磁気抵抗素子に温度変化が生じた場合、磁気抵抗素
子の抵抗値は、温度変化に応じた割合で変化する。この
ため、温度変化が生じた場合、測定用磁気抵抗素子の抵
抗値と、補償用磁気抵抗素子の抵抗値とは互いに等しい
割合で変化する。従って、移動位置検出手段が、測定用
磁気抵抗素子の抵抗値と、補償用磁気抵抗素子の抵抗値
との比に基づいて前記移動体の移動位置を検出すること
により、温度変化に起因する測定用磁気抵抗素子の抵抗
値の変化が補償される。
【0012】また、上記の目的は、請求項4に記載する
如く、磁気抵抗素子がブリッジ接続されてなるブリッジ
回路であって、移動体の移動に伴う磁石の相対移動に応
じた抵抗値変化を示す磁気抵抗素子を少なくとも一つ備
えるブリッジ回路と、前記ブリッジ回路の互いに対向す
る接続部位の対のうち一方の対に電圧を供給する電圧源
と、前記ブリッジ回路の互いに対向する接続部位の前記
一方の対とは他方の対の電位差を検出する電圧検出手段
とを備える磁気式位置センサによっても達成される。
【0013】本発明において、ブリッジ回路は磁気抵抗
素子がブリッジ接続されて構成される。ブリッジ回路の
互いに対向する接続部位の対のうち一方の対の間には電
圧源により電圧が供給される。電圧検出手段は、ブリッ
ジ回路の電圧が供給される接続部位の対(以下、入力端
子と称す)とは他方の接続部位の対(以下、出力端子と
称す)の電位差を検出する。出力端子の各々は、入力端
子間に互いに直列に接続された磁気抵抗素子の各組の接
続部位に相当する。このため、各出力端子には、電圧源
により供給された電圧(以下、入力電圧と称す)が、入
力端子間で互いに直列に接続された磁気抵抗素子により
分圧された電位が生ずる。従って、電圧検出手段が検出
する出力端子の電位差(以下、出力電圧と称す)は、各
磁気抵抗素子の抵抗値により定まる。ブリッジ回路を構
成する磁気抵抗素子のうち少なくとも一つの磁気抵抗素
子の抵抗値は、移動体の移動に伴う磁石の相対移動に応
じて変化する。従って、出力電圧は移動体の移動位置に
応じて変化する。ところで、温度変化が生ずると、各磁
気抵抗素子の抵抗値は温度変化に応じた、互いに等しい
割合で変化する。このため、入力電圧が磁気抵抗素子に
分圧されて生ずる各出力端子の電位は、温度変化が生じ
ても変化しない。従って、温度変化に応じて磁気抵抗素
子の抵抗値が変化しても、出力電圧は変化しない。この
ように、本発明によれば、温度変化に起因する磁気抵抗
素子の抵抗値変化の影響を受けることなく移動体の移動
位置が検出される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施例で
ある磁気式位置センサ10を軸方向から見た際の構成を
示す。図1において、ロータ12は、例えばスロットル
シャフト等の回転体に連結されており、この回転体の回
転に同期して回転する。ロータ12の外周部には磁石1
3が固定されている。磁石13はロータ12の軸方向に
分極されている。ロータ12の周囲には、円筒状のフレ
キシブル基板14がロータ12と同軸に配設されてい
る。フレキシブル基板14は、例えば、ポリイミド等の
樹脂から形成されており、柔軟性を有している。図2は
フレキシブル基板14を平面状に延ばした状態を示す。
図2に示す如く、フレキシブル基板14には巨大磁気抵
抗素子(以下、GMR素子と称す)16及び17が薄膜
状に形成されている。
【0015】GMR素子16及び17は、強磁性層と非
磁性層とが交互に成膜された人工格子膜により形成され
GMR素子材料の薄膜をエッチングによりパターニング
することにより形成されている。図3は、GMR素子1
6、17に作用する膜に平行な方向の磁界Hと、GMR
素子16、17の単位面積当たりの抵抗値Rとの関係を
示す。図3に示す如く、GMR素子16、17は、その
膜に対して平行に作用する磁界Hの増大に応じて抵抗値
が減少し、磁界Hが飽和磁界Hs を越えると、所定の飽
和抵抗値Rs となるような性質を備えている。図3から
わかるように、GMR素子16、17の抵抗値は磁界H
の大きさのみに依存し、膜に平行な方向内での磁界Hの
向きには依存しない。
【0016】後述する如く、GMR素子16はロータ1
2の回転位置の検出に用いられ、、GMR素子17は温
度変化の影響を補償するために用いられる。そこで、以
下、GMR素子16を測定用GMR素子16と称し、G
MR素子17を補償用GMR素子17と称する。
【0017】図2に示す如く、フレキシブル基板14は
帯状の基板である。上述の如く、フレキシブル基板14
は柔軟性を有しているため、平面状のフレキシブル基板
14を図1に示す如く円筒状に配設することが可能とさ
れている。なお、図2における左から右に向かう方向が
磁気式回転センサ10の図1における時計周り方向に相
当し、図2における上下方向が磁気式回転センサ10の
軸方向に相当している。
【0018】図2に示す如く、測定用GMR素子16は
フレキシブル基板14の図2中左右方向に延びる三角波
状のパターンに形成されている。このパターンは図2中
左方から右方にいくにつれて(従って、図1において
は、時計周り方向にすすむにつれて)、その周期が次第
に大きくなるように設けられている。一方、補償用GM
R素子17は図2中左右方向に延び、一定の幅を有する
帯状に形成されている。フレキシブル基板14の図2中
左端部近傍には電極18及び19が、また、右端部近傍
には電極20がそれぞれ形成されている。電極18及び
19はそれぞれ、測定用GMR素子16及び補償用GM
R素子17の図2中左端に接続されている。また、電極
20は、測定用GMR素子16及び補償用GMR素子1
7の図2中右端に接続されている。
【0019】かかる磁気式位置センサ10の構成によれ
ば、磁石13はロータ12の軸に対して平行な方向の磁
界を発生し、図2に破線で示す如く、フレキシブル基板
14の磁石13に対向する領域Aにこの磁界を作用させ
る。このため、測定用GMR素子16及び17の領域A
内にある部位には、磁界がGMR素子の膜に対して平行
かつ図2における上下方向に作用する。この場合、測定
用GMR素子16の周期は周方向の位置に応じて変化さ
れているため、測定用GMR素子16に磁界が作用する
領域の面積は、磁石13の回転位置に応じて変化する。
一方、補償用GMR素子17は軸方向の幅が一定となる
ように形成されているため、測定用GMR素子16に磁
界が作用する領域の面積は、磁石13の回転位置にかか
わらず一定である。
【0020】上述の如く、GMR素子に磁界が作用する
ことにより、その抵抗値は減少する。このため、ロータ
12と共に磁石13が回転することにより、測定用GM
R素子16に磁界が作用する領域の面積が増加すると、
測定用GMR素子16全体の電気抵抗、即ち、電極1
8、20間の抵抗値は減少する。従って、電極18、2
0間の抵抗はロータ12の回転位置に応じて変化するこ
とになる。図2に示す測定用GMR素子16のパターン
においては、図中右方へ向かうほど、測定用GMR素子
16のパターンの周期が増加され、従って、測定用GM
R素子16に磁界が作用する領域の面積は減少されてい
る。このため、ロータ12が図1中時計回り方向に回転
するのに応じて、測定用GMR素子16の抵抗値は増加
することになる。一方、補償用GMR素子17に磁界が
作用する領域の面積は磁石の回転にかかわらず一定であ
るため、補償用GMR素子17の抵抗値、すなわち、電
極19、20間の抵抗値は、ロータ12の回転位置にか
かわらず一定である。
【0021】磁石13の中央部が図2中左端から距離x
の位置、即ち、図1に示す回転角θの位置にある場合
の、測定用GMR素子16に磁石13による磁界が作用
する領域の面積をF(x)、測定用GMR素子16の全
面積をS、測定用GMR素子16に磁界が作用しない状
態での電極18、20間の抵抗をR1 とし、、磁石13
による磁界が作用することにより測定用GMR素子16
の抵抗値がα倍になるものとすると、電極18、20間
の抵抗値R(θ)は、 R(θ)=R1 ・(S−F(θ))/S+R1 ・α・F(θ)/S =R1 +R1 ・(α−1)・F(θ)/S (1) と表される。(1)式からわかるように、F(θ)がθ
の変化、即ち、xの変化に対して直線的に変化するよう
に測定用GMR素子16を形成することにより,抵抗値
R(θ)をロータ12の回転角θに対して直線的に変化
させることができる。なお、ロータ12の回転角の測定
範囲は、測定用GMR素子16の周方向の存在角度(図
1に示す角度ψ)により定められる。従って、測定用G
MR素子16の図2における左右方向の長さを調整して
角度ψを適切に設けることにより、所要の測定範囲を得
ることができる。
【0022】ところで、一般に、GMR素子の抵抗値
は、GMR素子の温度変化量に応じた割合で変化する
(単位温度変化当たりのGMR素子の抵抗値の変化率
を、以下、温度係数と称する)。このため、測定用GM
R素子16の抵抗値のみに基づいてロータ12の回転位
置を検出したのでは、検出値が温度変化に応じて変動
し、正確な測定を行うことができない。これに対して、
本実施例の磁気式位置センサ10は、ロータ12の回転
によっては抵抗値が変化しない補償用GMR素子17を
用いて、かかる温度変化の影響を補償し得る点に特徴を
有している。
【0023】上述の如く、測定用GMR素子16及び補
償用GMR素子17は互いに隣接するように、同一のG
MR素子材料の薄膜から形成されている。このため、測
定用GMR素子16及び17の温度は互いに等しく、か
つ、同一の温度係数を有しているとみなすことができ
る。
【0024】そこで、測定用GMR素子16及び補償用
GMR素子17の温度係数をβ、所定の基準温度T0
おける測定用GMR素子16及び補償用GMR素子17
の抵抗値をそれぞれ、R0 (θ)及びRc0とすると、温
度(T0 +ΔT)における測定用GMR素子16の抵抗
値R(θ)、及び、補償用GMR素子17の抵抗値R c
はそれぞれ、 R(θ)=R0 (θ)・(1+β・ΔT) (2) Rc =Rc0 ・(1+β・ΔT) (3) と表される。
【0025】従って、R(θ)とRc との比Rs (θ)
は Rs (θ)=R0 (θ)/ Rc0 (4) と表される。(4)式からわかるように、R(θ)とR
c との比をとることにより、R(θ)の温度変化はRc
の温度変化により打ち消される。従って、Rs (θ)に
基づいてロータ12の回転位置を検出することにより、
温度変化の影響が補償された計測を行うことができる。
【0026】図4はかかる計測を行うための回路の一例
を示す。図4に示す如く、定電流源30により電極1
8、19間に一定の電流Iを流すと、電極18、20
間、及び、電極20、19間にはそれぞれ、電圧V=R
(θ)・I、及び、Vs =Rc ・Iが生ずる。これらの
電圧VとVs との比は、Rs (θ)に一致する。従っ
て、電圧計32及び33により、それぞれ電極18、2
0間、及び、電極20、19間の電圧V及びVs を測定
し、VとVs との比を磁気式位置センサ10の出力信号
とすることにより、温度変化に起因する測定用GMR素
子16の抵抗値の温度変化の影響を受けることのない計
測を行うことができる。
【0027】上述の如く、本実施例においては、補償用
GMR素子17に磁石13による磁界が作用する領域の
面積がロータ12の回転位置にかかわらず一定となるよ
うに構成することにより、補償用GMR素子17による
温度補償が実現されている。かかる補償用GMR素子1
7の構成は、単に、補償用GMR素子17を一定の幅を
有する帯状に形成することのみにより実現されている。
このため、補償用GMR素子17を所要の形状に高精度
に形成することができる。従って、本実施例の磁気式位
置センサ10によれば、温度変化に起因する測定用GM
R素子16の抵抗値の温度変化を正確に補償することが
可能とされている。
【0028】なお、補償用GMR素子の抵抗値を磁石の
位置にかかわらず一定とする構成は、上記実施例の如
く、補償用GMR素子17に磁界が作用する面積を一定
とする構成の他に、補償用GMR素子に磁界が作用する
面積を変化させると共に、この面積の変化に応じて補償
用GMR素子の断面積を変化させる、即ち、補償用GM
R素子の厚みを変化させる構成によっても実現すること
ができる。
【0029】また、上記実施例においては、測定用GM
R素子16の抵抗値と、補償用GMR素子17の抵抗値
との比を求めることにより、温度変化の影響を補償して
いるが、本発明はこれに限定されるものではなく、補
償用GMR素子17の所定の基準温度での抵抗値と、現
在の抵抗値との比を求め、かかる比を測定用GMR素子
16の抵抗値に乗算する方法、種々の温度において補
償用GMR素子17の抵抗値の、基準温度での抵抗値に
対する比の値を予め実験的に、または、理論的に求めて
記憶しておき、補償用GMR素子17の現在の抵抗値に
対応する記憶値を測定用GMR素子16の抵抗値に乗算
する方法、等によって温度変化の影響を補償することと
してもよい。
【0030】更に、上記実施例においては、磁石13
を、その分極方向がロータ12の軸方向となるように配
置しているが、本発明はこれに限定されるものではな
く、磁石13を、その分極方向がロータ12の径方向と
なるように配置してもよい。この場合、測定用GMR素
子16には、膜に平行、かつ周方向の磁界が作用するこ
とになる。上述の如く、磁界が測定用GMR素子16の
膜に対して平行に作用する限り、測定用GMR素子16
の抵抗変化率は磁界の方向に依存しない。従って、前記
の如く磁石13を径方向に分極させることによっても上
記実施例と同様の効果を得ることができる。
【0031】また、上記実施例においては、測定用GM
R素子16を、三角波状のパターンの周期を周方向の位
置に応じて変化させることにより、磁石13による磁界
が測定用GMR素子16に作用する部位の面積F(x)
をxに応じて変化させることとしているが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、測定用GMR素子16
を、周方向に延びる帯状に形成し、軸方向の幅を周方向
の位置に応じて変化させることにより、F(x)をxに
応じて変化させることとしてもよい。
【0032】更に、上記実施例においては、測定用GM
R素子16及び補償用GMR素子17をロータ12の周
囲に配置したフレキシブル基板上に形成し、磁石と測定
用GMR素子16及び補償用GMR素子17を、ロータ
12の径方向に対向させているが、本発明はこれに限定
されるものではなく、これらのGMR素子をロータと軸
方向に対向する平面基板上に形成し、GMR素子を磁石
とをロータの軸方向に対向させることとしてもよい。
【0033】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。図5は本発明の第2実施例である磁気式位置センサ
40の構成を示す。本実施例の磁気式位置センサ40
は、直線移動する移動体42の移動位置を検出する直線
位置センサとしての機能を有している。図5に示す如
く、磁石43は移動体42に固定されている。基板44
は、磁石43と所定の間隔を隔てて対向し、かつ、移動
体42の移動方向に対して平行となるように配設されて
いる。基板44には、測定用GMR素子45、補償用G
MR素子46、及び電極47、48、49が形成されて
いる。測定用GMR素子45、補償用GMR素子46、
及び電極47、48、49はそれぞれ、図2に示す測定
用GMR素子16、補償用GMR素子17、及び電極1
8、19、20と同一の形状に形成されている。
【0034】かかる構成によれば、移動体42が直線移
動すると、磁石13により生ずる磁界が移動する。この
ため、上記第1実施例の場合と同様に、移動体42の移
動に応じて、測定用GMR素子45に磁石13による磁
界が作用する領域の面積が変化することにより、測定用
GMR素子45の抵抗値が変化する。一方、補償用GM
R素子46の抵抗値は、移動体42の移動によっては変
化しない。従って、図4に示す上記第1実施例の場合と
同様に、電極47に定電流源を接続し、電極47、49
間の電圧及び電極49、48間の電圧を、それぞれ、電
圧計32及び33を用いて測定し、これら測定電圧の比
を求めることにより、温度変化に起因する測定用GMR
素子45の抵抗値変化の影響を受けることなく、移動体
42の移動位置を正確に検出することができる。
【0035】なお、上記第1及び第2実施例において
は、電圧計32及び33により、それぞれ、電極18、
20間、及び電極20、19間、あるいは、電極47、
49間、及び電極49、48間の電位差を測定し、これ
ら測定電圧の比を求めることにより、請求項1及び2に
記載した移動位置検出手段が実現されている。
【0036】次に、本発明の第3の実施例である磁気式
位置センサの構成について説明する。本実施例の磁気式
位置センサは、フレキシブル基板上に形成されたGMR
素子及び電極のパターンを除き、第1実施例の磁気式位
置センサ10と同様の構成を有している。このため、磁
気式位置センサ10と同様の構成部分については、同一
の符号を付してその説明を省略する。
【0037】図6は本実施例の磁気式位置センサを構成
するフレキシブル基板14を平面状に延ばした状態を示
す。図6に示す如く、フレキシブル基板14には、図中
上方から順に、測定用GMR素子51、補償用GMR素
子52、測定用GMR素子53、及び、補償用GMR素
子54が形成されている。測定用GMR素子51及び5
3は、図6中左右に延びる三角波状に形成されており、
この三角波の周期は図6中左方から右方に向かうにつれ
て大きくなるように設けられている。このパターンは測
定用GMR素子51と53とで、互いに同一かつ同位相
となるように形成されている。このため、測定用GMR
素子51及び53に磁石13による磁界が作用する領域
の面積は互いに等しく維持されつつ、磁石13の回転位
置に応じて変化する。従って、測定用GMR素子51及
び53の抵抗値は、互いに等しく維持されつつ、ロータ
12の回転位置に応じて変化する。
【0038】一方、補償用GMR素子52及び54は、
図6中左右に延び、互いに等しい一定の幅を有する帯状
のパターンに形成されている。このためGMR素子52
及び54に磁石13による磁界が作用する領域の面積
は、ロータ12の回転位置にかかわらず一定かつ互いに
等しく、従って、これらGMR素子の抵抗値は常に互い
に等しく一定に保たれる。
【0039】フレキシブル基板14の図6中右端部近傍
には、電極55、56、57、及び58が形成されてい
る。測定用GMR素子51及び53の図6中左端部は配
線59により互いに接続され、更に、配線60により電
極55に接続されている。補償用GMR素子52及び5
4の図6中左端部は配線61により互いに接続され、更
に、配線62により電極57に接続されている。また、
測定用GMR素子51及び補償用GMR素子52の図6
中右端部は配線63により互いに接続され、更に、配線
64により電極56に接続されている。また、測定用G
MR素子53及び補償用GMR素子54の図6中右端部
は配線65により互いに接続され、更に、配線66によ
り電極58に接続されている。電極56には電圧Eを発
生する定電圧源70が接続されている。また、電極58
は接地されている。更に、電極55と電極57との間に
は電圧計72が接続されている。
【0040】図7は、図6と等価な電気回路図を示す。
図7に示す如く、測定用GMR素子51、補償用GMR
素子52、測定用GMR53、補償用GMR素子54は
この順で図中時計周り方向にブリッジ接続され、ブリッ
ジ回路を構成している。そして、接続部位56と58、
及び、接続部位55と57とが、それぞれ、互いに対向
し、これら互いに対向する接続部位間に、それぞれ、電
圧源70及び電圧計72が接続されている。
【0041】上述の如く、GMR素子51及び53の抵
抗値は、互いに等しく維持された状態でロータ12の回
転角θに応じて変化し、一方、GMR素子52及び54
の抵抗値は、ロータ12の回転角θにかかわらず互いに
等しく一定に保たれる。そこで、GMR素子51及び5
3の抵抗値をそれぞれRA (θ)、GMR素子52及び
54の抵抗値をそれぞれRB とおくと、図7に示す如
く、電極55の電位E1及び電極57の電位E2 はそれ
ぞれ、次式で表される。
【0042】 E1 =E・RB /(RA (θ)+RB ) ・・・(5) E2 =E・RA (θ)/(RA (θ)+RB ) ・・・(6) 従って、電圧計72により検出される電極55、57間
の電位差Er は Er =E・(RA (θ)−RB )/(RA (θ)+RB )・・・(7) となる。
【0043】(7)式からわかるように、Er はロータ
12の回転角θに応じて変化する。従って、電圧計72
により測定されるEr に基づいて、ロータ12の回転角
を検出することができる。上述の如く、GMR素子の抵
抗値は温度変化に応じて変化する。本実施例において、
測定用GMR素子51、53と、補償用GMR素子5
2、54とは同一基板状に隣接して形成され、従って、
これらGMR素子は同一の温度条件下にあるとみなすこ
とができる。そこで、温度変化ΔTが生じた場合の、G
MR素子51及び53の抵抗値をRA ’(θ)、GMR
素子52及び54の抵抗値をRB ’とおくと、RA
(θ)及びRB ’はそれぞれ、次式で表される。
【0044】 RA ’(θ)=RA (θ)・(1+β・ΔT) ・・・(8) RB ’ =RB ・(1+β・ΔT) ・・・(9) 従って、かかる温度変化が生じた場合の、電極55、5
7間の電位差Ev ’は次式で表されることになる。
【0045】 Ev ’=E・(RA ’(θ)−RB ’) /(RA ’(θ)+RB ’) =E・(RA (θ)・(1+β・ΔT)−RB ・(1+β・ΔT))/ /(RA (θ)・(1+β・ΔT)+RB ・(1+β・ΔT)) =E・(RA (θ)−RB )/(RA (θ)+RB ) ・・・(10) (10)式からわかるように、Ev の値は温度変化ΔT
に依存しない。従って、本実施例の磁気式位置センサ5
0によれば、温度変化に起因するGMR素子の抵抗値に
変化が補償された出力信号Ev が得られる。このよう
に、本実施例の磁気式位置センサによれば、抵抗値の比
を求める等の演算を行う処理装置を設けることなく、直
接、温度変化に起因する磁気抵抗素子の抵抗値変化が補
償された、ロータ12の回転角に応じた電圧信号を得る
ことができる。
【0046】なお、上記実施例において、定電圧源70
の代わりに、電流Iを発生する定電流源を用いた場合、
上記と同様にして、電極55、57間の電位差Ei は次
式で表される。 Ei =I・(RA (θ)−RB )/2 ・・・(11) 従って、温度変化ΔTが生じた場合の電位差Ei ’は次
式で表される。
【0047】 Ei ’=I・{RA (θ)・(1+β・ΔT) −RB ・(1+β・ΔT)}/2 ・・・(12) (11)式からわかるように、Ei ’は温度変化ΔTに
依存する。従って、定電圧源70の代わりに定電流源を
用いた場合には、温度変化の影響が補償された出力を得
ることができない。このように、本実施例の磁気式位置
センサおいては、ブリッジ接続されたGMR素子51〜
54に定電圧源70により定電圧を供給することによ
り、温度変化の影響が除去された出力電圧Ev を得るこ
とが可能とされている。
【0048】なお、GMR素子51〜54の抵抗値をそ
れぞれ、r1 、r2 、r3 、r4 とおいた場合、出力電
圧Ev は次式で表される。 Ev =E・(r1 ・r3 −r2 ・r4 )/ {(r2 +r3 )・(r1 +r4 )}・・・(13) (12)式からわかるように、Ev は、分母、分子が各
GMR素子の抵抗値の2次の項のみを含む形で表され
る。従って、温度変化に起因して、r1 、r2 、r 3
4 に互いに等しい割合の変化が生じた場合にも、Ev
の値がかかる変化の影響を受けることはない。従って、
1 、r2 、r3 、r4 のうち少なくとも一つがロータ
12の回転に応じて変化するように構成することによ
り、温度変化の影響を受けない、ロータ12の回転位置
の検出を行うことができる。
【0049】従って、上記実施例の如く、GMR素子5
1及び53を、ロータ12の回転に対して同一の抵抗値
変化を示すように構成する他に、例えば、GMR素子5
1及び53がロータ12の回転に対して互いに異なる抵
抗値変化を示すように構成してもよく、あるいは、いず
れか一方をロータ12の回転に応じて変化するように構
成し、他方をロータ12の回転にかかわらず、抵抗値が
一定に保たれるように構成してもよい。また、GMR素
子52及び54の抵抗値が互いに異なるように構成して
もよい。
【0050】なお、本実施例においては、ロータ12の
回転角を検出する回転角センサを実現しているが、図5
に示す第2実施例の場合と同様に、フレキシブル基板1
4を直線移動する移動体42に固定された磁石43に対
向させて平面状に配設することにより、移動体42の直
線移動位置を検出する直線位置センサを実現することも
できる。
【0051】次に、図8〜図11を参照して、本発明の
第4実施例である磁気式位置センサ80について説明す
る。図8は磁気式位置センサ80の軸方向断面図であ
る。ロータ82は環状の部材であり、回転体に連結され
ている。ロータ82の図6中右側の部位には、GMR基
板84が配設されている。GMR基板84は環状の部材
であり、ロータ82に対して平行に配設されている。
【0052】図9は、ロータ82を図9中右側から見た
図である。図8及び図9に示す如く、ロータ82のGM
R基板84に対向する面には磁石86が固定されてい
る。磁石86はロータ82の中心角γの範囲にわたって
設けられており、ロータ82の径方向に、例えば外側が
N極、内側がS極となるように分極されている。磁石8
6のN極及びS極にはそれぞれヨーク88及び90が固
定されている。ヨーク88及び90はU字型の透磁性部
材であり、その先端部が、GMR基板84のロータ82
と対向する側の面を径方向両側から挟むように設けられ
ている。
【0053】GMR基板84の、ロータ82と対向する
側の面には、GMR素子92、94、96、及び98が
形成されている。図10は、GMR基板84のGMR素
子92〜98形成面を軸方向から見た図である。図10
に示す如く、GMR素子92と94、及び、GMR素子
96と98はそれぞれ、互いに近接する同一の矩形波状
のパターンに形成されている。GMR素子92及び94
は、GMR基板84の外周縁に沿って、ほぼ全周にわた
って延びるように設けられており、その矩形波状のパタ
ーンの周期が、基準位置(図10中上部)からの図6中
時計回り方向の角度が増加するのに応じて次第に減少す
るように形成されている。また、GMR素子96及び9
8は、GMR素子92及び94より内周側に、GMR基
板84の周方向に、ほぼ全周にわたって延びるように設
けられており、その矩形波状のパターンの周期が、基準
位置からの図中時計回り方向の角度が増加するのに応じ
て次第に増加するように形成されている。
【0054】GMR基板84の図10中上部に位置す
る、GMR素子92〜98の両端部の近傍には、電極1
01〜108が形成されている。電極101、102、
103、104にはそれぞれ、GMR素子92、94、
96、98の一端部(図10における左側の端部)が接
続されている。また、電極105、106、107、1
08にはそれぞれ、GMR素子98、96、94、92
の他端部が接続されている。電極101と106、10
2と103、104と107、及び、105と108
は、それぞれ接続部位110、112、114、116
において互いに接続されている。これら電極間の接続
は、GMR基板84上の配線パターンにより実現されて
もよく、あるいは、外部配線により実現されてもよい。
【0055】電極101及び106の接続部位110
と、電極104及び107の接続部位114との間には
電圧計120が接続されている。電圧計120は接続部
位110に対する接続部位114の電位を検出するよう
に設けられている。電極102及び103の接続部位1
12は接地されており、電極105及び108の接続部
位116には、電圧Eg を発する定電圧源122が接続
されている。
【0056】上述の如く、磁石86の両極に接続された
ヨーク88及び90は、その先端部が、GMR基板84
のロータ82に対向する側の面、即ち、GMR素子92
〜98形成面を径方向両側から挟むように配設されてい
る。従って、磁石86の発生する磁束は、ヨーク88及
び90により、GMR素子92〜98の膜に対して平行
に導かれる。図10に斜線を付して示す領域Fは、磁石
83が基準位置から図中時計回り方向にφ回転した状態
で、磁石86による磁束が上述の如く作用する領域を示
している。この領域Fは、ロータ82の回転に応じて、
GMR基板84の周方向に移動する。
【0057】上述の如く、GMR素子92及び94の矩
形波パターンは、図10中時計回り方向の角度の増加に
応じて、その周期が次第に減少するように形成されてお
り、また、GMR素子96及び98のパターンは、図1
0中時計回り方向の角度の増加に応じてその周期が次第
に増加するように形成されている。従って、ロータ82
と共に磁石83が図6中時計回り方向に回転するのに応
じて領域Fが移動すると、領域F内に存在するGMR素
子の面積は、GMR素子92及び94については、ロー
タ82の図6中時計周り方向の回転角φの増加に対して
増加し、GMR素子96及び98についてはφの増加に
対して減少する。従って、ロータ82の回転角φが増加
するのに応じて、GMR素子92及び94の抵抗値Rs
(φ)は減少し、GMR素子96及び98の抵抗値Rt
(φ)は増加することになる。
【0058】図11は図10と等価な電気回路図を示
す。図11に示す如く、GMR素子92、98、94、
96はこの順で図中時計周り方向にブリッジ接続され、
ブリッジ回路を構成している。そして、接続部位116
と112、及び、接続部位110と114とが、それぞ
れ、互いに対向し、これら互いに対向する接続部位に、
それぞれ、電圧源122及び電圧計120が接続されて
いる。
【0059】ロータ82の基準位置からの回転角度がφ
の場合の、GMR素子92及び94の抵抗値をR
s (φ)、GMR素子96及び98の抵抗値をR
t (φ)とすると、電圧計120が検出する接続部位1
10、114間の電位差Vz は次式で表される。
【0060】 Vz =Eg ・(Rs (φ)−Rt (φ))/(Rs (φ)+Rt (φ)) ・・・(14) (14)式からわかるように、Vz はロータ82の回転
角φに応じて変化する。図12に、Rs (φ)及びRt
(φ)がφに対して直線的に変化するように、GMR素
子92〜98を構成した場合のφとVz との関係を、φ
とRs (φ)及びRt (φ)との関係と共に示す。図1
2に示す如く、Rs (φ)及びRt (φ)がφに対して
直線的に変化するように構成することにより、Vz はφ
に対して略直線的に変化する。従って、電圧計122の
測定するVz に基づいて、ロータ82の回転角を正確に
検出することができる。
【0061】なお、上記実施例において、定電圧源70
の代わりに、電流Ig を発生する定電流源を用いた場
合、上記と同様にして、接続部位110、114間の電
位差V i は次式で表される。 Vi =Ig ・(Rs (φ)−Rt (φ))/2 ・・・(14) (14)式からわかるように、Vi はロータの回転角φ
に応じて変化する。従って、定電圧源122の代わりに
定電流源を用いることによっても、ロータ82の回転角
φを検出することができる。
【0062】ところで、上述の如く、GMR素子の抵抗
値は温度変化に応じて変化する。上記実施例において、
温度変化ΔTが生じた場合の、GMR素子92、94及
び96、98の抵抗値Rs ’( φ)及びRt ’( φ)は
それぞれ、次式で表される。 Rs ’(φ)=Rs (φ)・(1+β・ΔT) ・・・(15) Rt ’(φ)=Rt (φ)・(1+β・ΔT) ・・・(16) 従って、接続部位118に定電圧源122を接続した場
合、かかる温度変化が生じた際の、接続部位110、1
14間の電位差VZ ’は次式で表されることになる。
【0063】 Vz ’=Eg ・(Rs ’(φ)−Rt ’(φ)) / (Rs ’(φ)−Rt ’(φ)) =Eg ・(Rs (φ)−Rt (φ))/(Rs (φ)+Rt (φ)) ・・・(17) (17)式からわかるように、Vz は温度変化ΔTに依
存しない。従って、本実施例の磁気式位置センサ50に
おいては、定電圧源122を用いることにより、温度変
化に起因するGMR素子の抵抗値に変化を受けることの
ない、ロータ82の回転位置検出を行うことが可能とさ
れている。
【0064】上述の如く、本実施例の磁気式位置センサ
80によれば、上記第3実施例の磁気式位置センサと同
様に、抵抗値の比を求める等の演算を行う処理装置を設
けることなく、直接、温度変化に起因する磁気抵抗素子
の抵抗値変化が補償された、ロータ82の回転角に応じ
た電圧信号を得ることが可能とされている。
【0065】なお、図13に示す如く、GMR素子12
1及び123を図中右方ほど周期が大きくなるような矩
形波状に形成し、GMR素子122及び124を図中左
方ほど周期が大きくなるような矩形波状に形成すると共
に、電極125〜128を図示の如く形成し、図11と
同様のブリッジ回路を構成することで、直線移動位置セ
ンサを実現することもできる。この場合、基板120
を、移動体の直線移動方向と平行となるように、移動体
に設けた磁石に対向させて配設する。そして、磁石によ
る磁界が作用する領域Gが、移動体の直線移動に伴って
図13中右方へ移動するのに応じて、GMR素子121
及び123の抵抗値が互いに等しく維持されながら増加
し、GMR素子122及び124の抵抗値が、互いに等
しく維持されながら減少することにより、上記実施例の
磁気式位置センサ80と同様に、温度変化の影響が補償
された位置測定が実現される。
【0066】
【発明の効果】上述の如く、請求項1〜3記載の発明に
よれば、温度変化に起因する測定用磁気抵抗素子の抵抗
値変化を正確に補償し得る磁気式位置センサを実現する
ことができる。
【0067】また、請求項4記載の発明によれば、温度
変化に起因する磁気抵抗素子の抵抗値変化が補償された
測定電圧を出力し得る磁気式位置センサを実現すること
ができる。これにより、温度補償用の信号処理装置を不
要とすることができ、磁気式位置センサを簡易な構成で
実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である磁気式位置センサ
の構成図である。
【図2】本実施例のフレキシブル基板を平面状に展開し
た状態を示す図である。
【図3】GMR素子に作用する磁界と抵抗値との関係を
を示す図である。
【図4】本実施例の磁気式位置センサの出力信号を得る
回路の回路図である。
【図5】本発明の第2実施例である磁気式位置センサの
構成図である。
【図6】本発明の第3の実施例である磁気式位置センサ
のフレキシブル基板を平面状に展開した状態を示す図で
ある。
【図7】本実施例の磁気式位置センサと等価な電気回路
を示す回路図である。
【図8】本発明の第4実施例の磁気式位置センサの軸方
向断面図である。
【図9】本実施例の磁気式位置センサを軸方向から見た
際の図である。
【図10】本実施例の磁気式位置センサのGMR基板を
示す図である。
【図11】本実施例の磁気式位置センサと等価な電気回
路の回路図である。
【図12】本実施例の磁気式位置センサのロータの回転
角と出力電圧との関係を、各GMR素子の抵抗値の変化
と共に示す図である。
【図13】本実施例の磁気式位置センサの原理を直線移
動位置センサに適用した場合のGMR基板を示す図であ
る。
【符号の説明】
10、40、80、100 磁気式回転センサ 12、82 ロータ 13、43、86 磁石 14 フレキシブル基板 16、45、51、53 測定用GMR素子 17、46、52、54 補償用GMR素子 92、94、96、98、121、122、123、1
24 GMR素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鷲見 隆 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体の移動に伴う磁石の相対移動に応
    じた抵抗値変化を示す検出用磁気抵抗素子と、温度変化
    に起因する前記検出用磁気抵抗素子の抵抗値の変化の補
    償に用いられる補償用磁気抵抗素子とを備える磁気式位
    置センサにおいて、 前記補償用磁気抵抗素子を、その抵抗値が前記磁石の移
    動位置にかかわらず一定となるように構成すると共に、 前記検出用磁気抵抗素子の抵抗値と、前記補償用磁気抵
    抗素子の抵抗値とに基づいて、前記移動体の移動位置を
    検出する移動位置検出手段を設けたことを特徴とする磁
    気式位置センサ。
  2. 【請求項2】 移動体の移動に伴う磁石の相対移動に応
    じた抵抗値変化を示す検出用磁気抵抗素子と、温度変化
    に起因する前記検出用磁気抵抗素子の抵抗値の変化の補
    償に用いられる補償用磁気抵抗素子とを備える磁気式位
    置センサにおいて、 前記補償用磁気抵抗素子を、前記磁石による磁界が作用
    する領域の面積が前記磁石の移動位置にかかわらず一定
    となるように構成すると共に、 前記検出用磁気抵抗素子の抵抗値と、前記補償用磁気抵
    抗素子の抵抗値とに基づいて、前記移動体の移動位置を
    検出する移動位置検出手段を設けたことを特徴とする磁
    気式位置センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の磁気式位置センサ
    において、前記移動位置検出手段は、前記測定用磁気抵
    抗素子の抵抗値と、前記補償用磁気抵抗素子の抵抗値と
    の比に基づいて前記移動体の移動位置を検出することを
    特徴とする磁気式位置センサ。
  4. 【請求項4】 磁気抵抗素子がブリッジ接続されてなる
    ブリッジ回路であって、移動体の移動に伴う磁石の相対
    移動に応じた抵抗値変化を示す磁気抵抗素子を少なくと
    も一つ備えるブリッジ回路と、 前記ブリッジ回路の互いに対向する接続部位の対のうち
    一方の対に電圧を供給する電圧源と、 前記ブリッジ回路の互いに対向する接続部位の前記一方
    の対とは他方の対の電位差を検出する電圧検出手段とを
    備えることを特徴とする磁気式位置センサ。
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