JPH09287688A - 電気融着継ぎ手 - Google Patents

電気融着継ぎ手

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JPH09287688A
JPH09287688A JP8099991A JP9999196A JPH09287688A JP H09287688 A JPH09287688 A JP H09287688A JP 8099991 A JP8099991 A JP 8099991A JP 9999196 A JP9999196 A JP 9999196A JP H09287688 A JPH09287688 A JP H09287688A
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JP
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resin
inner layer
fusion
silane
joint
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Application number
JP8099991A
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English (en)
Inventor
Tei Ishii
禎 石井
Hidemi Nishiyama
秀美 西山
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Furukawa Electric Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 架橋ポリエチレン管を融着接合する電気融着
継ぎ手であって、高い融着強度を実現できるともに、実
使用時には架橋ポリエチレンの性能を有する電気融着継
ぎ手を提供する。 【解決手段】 継ぎ手本体9を形成する樹脂層と、該樹
脂層の内面表面近傍または内表面に設けられた発熱線1
1とを有する電気融着継ぎ手3において、前記樹脂層は
シラングラフト化ポリオレフィン樹脂とシラノール縮合
触媒を含む組成物からなり、かつ、前記樹脂層は少なく
とも内層5には、熱融着接合前のゲル分率が40%以下
であり、熱融着後のゲル分率が60%以上である架橋ポ
リオレフィン系樹脂を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、架橋ポリオレフィ
ンパイプを電気熱融着して接合するための電気融着継ぎ
手に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、樹脂管を接続するための管継
ぎ手として、例えば特開昭61−62696号公報に開
示された電気融着継ぎ手が知られている。この電気融着
継ぎ手は、通電によって発熱するコイルが埋設されてな
る継ぎ手本体からなり、その内面は樹脂管と嵌合可能な
円筒状に形成されており、樹脂管を嵌合した後、継ぎ手
本体内面と樹脂管とを通電によって発生する熱によって
溶融させ、それらを熱融着により接合するものである。
【0003】一方、架橋ポリオレフィン樹脂からなるパ
イプは、架橋していないポリオレフィン樹脂からなるパ
イプと比較して、耐熱性や耐環境応力亀裂性等に優れて
いることから、水道管、給湯管、暖房管等の巾広い分野
で採用されている。この種の架橋した樹脂からなるパイ
プを接合するための電気融着継ぎ手としては、例えば、
特開平2−253091号公報に、架橋性熱可塑性樹脂
からなる外層と、この外層の内側の被接合体に接する位
置に、前記架橋性熱可塑性樹脂層と一体的に形成された
非架橋性熱可塑性樹脂からなる内層と、この内層の内
側、外表面、または内部に設けられた電熱線とを有する
エレクトロフュージョン(電気融着)継ぎ手に関する技
術が開示されている。このエレクトロフュージョン(電
気融着)継ぎ手は、架橋パイプと電気融着継ぎ手との融
着強度を高めるために、継ぎ手の内側に熱流動性に優れ
た非架橋の熱可塑性樹脂層を設けたものである。しかし
ながら、この継ぎ手を用いてパイプを一体化すると、パ
イプには、非架橋性熱可塑性樹脂が混入して、架橋体製
パイプは耐熱性、機械強度、更には耐環境応力亀裂性が
低下するという欠点がある。
【0004】更に、特開昭62−9092号公報におい
ては、内層のゲル分率(架橋の程度を示す指標)が70
%未満であり、外層のゲル分率が70%以上である架橋
ポリオレフィン継ぎ手が開示されている。この継ぎ手を
形成する架橋ポリオレフィンとしては、ジクミルパーオ
キサイドに代表される過酸化物を用いた化学架橋による
ものや、放射線架橋によるものが採られている。この公
報によれば、熱流動性を必要とする融着部分(内層に相
当)に、ゲル分率が70%以下の架橋ポリオレフィンを
用いることを特徴としている。しかしながら、十分に高
い融着強度を得るためには、熱流動性を考慮してゲル分
率を例えば40%以下のように低く設定することが不可
欠である。このようにゲル分率を低くすると、接合され
た架橋パイプの性能が劣化する。つまり、架橋パイプを
接合する電気融着継ぎ手においては、被接合体である架
橋パイプとの高い接着強度を実現することと、電気融着
継ぎ手自体が架橋パイプとしての性能を保持することと
いう二つの要求を同時に満足することが重要であるが、
これら2つの要求を同時に満足する電気融着継ぎ手はま
だ実現していない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記問
題点を解決するため、被接合体である架橋パイプとの高
い接着強度を実現することと、パイプを構成する電気融
着継ぎ手自体も架橋パイプとしての性能を有する架橋パ
イプ用の電気融着継ぎ手を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記問題点を解
決すべくなされたもので、融着時点では高い融着強度を
発揮するために流動性の高い非架橋樹脂として振る舞
い、融着が完了した後の実使用時には架橋体に変わっ
て、架橋体としての性能が備わる画期的な電気融着継ぎ
手を見い出したものである。このような特徴を備えるに
は、架橋ポリオレフィンの架橋方法の中でも特にシラン
架橋のような独特な架橋形態を利用することによって可
能となるものである。即ち、請求項1の発明は、内層が
シラングラフト化ポリオレフィン樹脂とシラノール縮合
触媒を含む組成物からなり、かつ、熱融着接合前のゲル
分率が40%以下であり、熱融着後のゲル分率が60%
以上である架橋ポリオレフィン系樹脂で形成されている
ことを特徴とするものである。
【0007】本発明においては、シラングラフト化ポリ
オレフィン樹脂の流動性と融着後の架橋性能とのバラン
スが重要であって、継ぎ手本体の内層のシラングラフト
化ポリオレフィン樹脂は、熱融着前にはそのゲル分率が
40%以下であることを必要とする。その理由は、この
ゲル分率が40%より大きい場合には、発熱線の熱によ
る十分な樹脂の流動性が得られず、所定の融着強度が得
られなくなるからである。また、熱融着接合後には、内
層のゲル分率が60%未満だと架橋樹脂としての性能が
得られず、パイプ接合部の強度が不十分になる。
【0008】本発明において、シラングラフト化ポリオ
レフィン樹脂とは、例えば特開昭48−59150号公
報によって開示された樹脂であって、ポリオレフィン系
樹脂にシランカップリング剤と過酸化物を所定量配合
し、これを押出機にて過酸化物の分解温度以上で混練り
することによって得られるものである。ここで、ポリオ
レフィン系樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレ
ン、エチレンー酢酸ビニル共重合等を例示することがで
きる。また、シランカップリング剤としては、ビニルト
リメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニ
ル基に代表される反応性有機官能基と、アルコキシ基に
代表される加水分解性基とを有するものである。さら
に、過酸化物としては、ジクミールパーオキサイド、過
酸化ベンゾイル、過酸化ジクロルベンゾイル等を例示す
ることができる。
【0009】更に、シラングラフト化ポリオレフィン樹
脂のアルコキシ基を加水分解してシラノール基とし、こ
れら2つのシラノール基を脱水反応させることによって
架橋体とするために添加するシラノール縮合触媒として
は、以下のものを例示することができる。即ち、例えば
ジブチル錫ジラウリレート、酢酸第1錫、オクタン酸第
1錫、ナフテン酸鉛、カプリル酸亜鉛、2−エチルヘキ
サン酸鉄、ナフテン酸コバルトのようなカルボン酸塩で
ある。また、チタン酸エステル及びキレート化物のよう
な有機金属化合物、例えばチタン酸テトラブチルエステ
ル及びビス(アセチルアセトニトリル)ジ−イソプロピ
ルチタネートである。また、有機塩基例えばエチルアミ
ン、ヘキシルアミン、ジブチルアミン及びピリジンであ
る。さらに、酸例えば無機酸及び脂肪酸を挙げることが
できる。特に好適な触媒は有機錫化合物、例えばジブチ
ル錫ジラウリレート、ジブチル錫ジアセテート及びジブ
チル錫ジオクテートである。なお、これらシラノール縮
合触媒は、一般的に、ポリオレフィン系樹脂に所定量練
り込んだ触媒マスターバッチとしてシラングラフト化ポ
リオレフィンに所定量配合して用いられる。
【0010】なお、継ぎ手本体全体を架橋体とするため
には、シラングラフト化ポリオレフィン樹脂で内外層を
構成することが最も効果的である(参照:実施例1、
2、3、5)。但し、継ぎ手本体の外層の部分には、ポ
リエチレン等のポリオレフィン系樹脂はもとより、ポリ
メタメチルアクリレートやポリブテンー1等の熱可塑
性、更にはポリジシクロペンタジエンやポリウレタン等
の熱硬化性のあらゆる樹脂にシラノール縮合触媒を必要
量配合して用いてもよい(参照:実施例4)。
【0011】前記内層はシラングラフト化ポリオレフィ
ン系樹脂100重量部に対して、シラノール縮合触媒を
0.05重量部未満(0重量部を含む)配合した樹脂か
らなり、前記外層はシラングラフト化ポリオレフィン系
樹脂100重量部に対して、シラノール縮合触媒を0.
05重量部以上配合した樹脂からなるものであることが
望ましい。
【0012】ここで、内層において、シラングラフト化
ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、シラノー
ル縮合触媒を0.05重量部未満にする理由は、シラノ
ール縮合触媒が0.05重量部を越えると発熱線の通電
による熱によって、樹脂の溶融より架橋の方が早く進行
し、樹脂の流動性が損なわれて所望の融着強度が得にく
くなるからである。
【0013】一方、継ぎ手本体の外層に配合されたシラ
ノール縮合触媒は、樹脂100重量部に対して0.05
重量部以上であることが望ましい。その理由は、この配
合が0.05重量部未満であると、加熱により、継ぎ手
本体の外層から内層のシラングラフト化ポリオレフィン
樹脂への触媒の移行作用が十分でない場合があり、この
ようなときには内層の架橋反応が進行せず、接続作業終
了後にゲル分率が60%以上にならず、内層が架橋体と
しての必要性能を満足できないからである。
【0014】発熱線に前記内層を形成する樹脂を被覆し
た被覆発熱線を予め製造しておき、これを巻くことによ
り内層を形成すると、被覆発熱線間の隙間を通じて外層
中のシラノール縮合触媒が内層に拡散できるので、内層
側の架橋度がより均一になる利点がある。
【0015】
【発明の実施の形態】次ぎに、本発明の電気融着継ぎ手
の実施の形態として、電気融着継ぎ手の構造及びその成
形法を以下に述べる。先ず、予め接合する樹脂管の外径
に等しい寸法で発熱線をコイル巻きにし、シラングラフ
ト化ポリオレフィン系樹脂、またはシラングラフト化ポ
リオレフィン系樹脂100重量部とシラノール触媒0〜
0.05重量部未満を配合した樹脂組成物を用いて、発
熱線のコイルを被覆し、電気融着継ぎ手の継ぎ手本体の
内層を形成する。次いで、継ぎ手本体の内層の外側の外
層は、前記した樹脂100重量部に対してシラノール縮
合触媒を0.05重量部以上配合した樹脂組成物を用い
て、押出成形や射出成形等によって成形する。このよう
にして、被接合体となる樹脂管に接する位置に設けられ
た発熱線と継ぎ手本体の内層、更には継ぎ手本体の外層
とを一体に成形した構造体である継ぎ手本体が得られ
る。一方、継ぎ手本体の外層に配合されたシラノール縮
合触媒は、樹脂100重量部に対して0.05重量部以
上とした。
【0016】この様な構造の継ぎ手本体からなる電気融
着継ぎ手を用いて樹脂管同士を連結するには、樹脂管を
嵌合可能な円筒状に形成して嵌合した後、コイル形状に
巻いた発熱線に通電することによって、継ぎ手本体内面
と樹脂管の外面とを熱融着により接合する。この融着に
際しては、発熱線から供給される熱量で、内層の架橋ポ
リオレフィン樹脂となるシラングラフト化ポリオレフィ
ン樹脂層内が溶融して膨張し、溶融したシラングラフト
化ポリオレフィン樹脂が電気融着継ぎ手の内面と樹脂管
の外面との間へ流れこんで隙間を埋める。これと同時
に、熱と、内層に予め配合された必要とする微量なシラ
ノール縮合触媒、更には外層の継ぎ手本体に多量に配合
されたシラノール縮合触媒の移行によってシラングラフ
ト化ポリオレフィン樹脂層の架橋が進行し、熱による融
着と架橋とが同時に進行する。
【0017】なお、継ぎ手本体の内層を、シラノール縮
合触媒を配合しないシラングラフト化ポリオレフィン樹
脂のみによって成形した場合には、継ぎ手本体の外側の
外層に配合されるシラノール縮合触媒を樹脂100重量
部に対して0.1重量部以上に構成することが好ましい
(参照:実施例1、3、4)。なぜならば、そうする
と、融着時の発熱によって、継ぎ手本体の内層と外層と
の間のシラノール縮合触媒の高い濃度差によって、シラ
ノール縮合触媒が内層に移行しやすくなり、高い融着強
度と高い架橋度がバランス良く実現するからである。な
お、この場合、内層にシラノール縮合触媒が配合されて
いないので、シラングラフト化ポリオレフィン樹脂の熱
融着のための高流動性を、継ぎ手本体を製造してから架
橋パイプとの接合に用いる迄に長時間を要しても、安定
して確保することができる。
【0018】更に本発明においては、内層の内部、外表
面、または内表面に発熱線を設けている。この発熱線1
1としては、図2に示すように、例えばニッケル・クロ
ム合金を用いることができる。この発熱線11上に、内
層を形成するシラングラフト化ポリオレフィン系樹脂組
成物からなる樹脂被覆層13を押出して被覆したものを
用いることが好ましい。この被覆発熱線12を用いる
と、発熱線11を内層の中に確実に位置させることがで
きる。従って、この被覆発熱線12で加熱することによ
り、内層の流動性と架橋性の両方を実現することができ
る。更に必要に応じては、図3に示すように、発熱線1
1上にエナメルワニスを塗布し焼き付けて絶縁層14を
施し、その上層にシラングラフト化ポリオレフィン系樹
脂組成物からなる所望の樹脂被覆層13を押出被覆した
ものを用いてもよい。この被覆発熱線12をコイル状に
して金型にインサートし、樹脂を射出成形によって成形
すると、被覆発熱線12同志が射出成形時の高い圧力に
よって接触しても、発熱線11からなるコイルが電気的
に短絡することを防止することができる。尚、本発明で
用いるシラングラフト化ポリオレフィン樹脂としては、
本発明の効果を損なわない範囲にて、ポリエチレン、エ
チレンー酢酸ビニル共重合体、エチレンーエチルアクリ
レート共重合体等と混合し用いることができ、その場
合、全体樹脂量のうちシラングラフト化ポリオレフィン
樹脂量を50重量%以上配合すれば良い。
【0019】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本発明にかかる電気融着継ぎ手の
一実施例を用いて樹脂管を接合した状態の正面部分断面
図である。図1において、架橋ポリエチレン管1と2は
電気融着継ぎ手3を使って接合されており、この接合部
は左右対称に構成されている。この電気融着継ぎ手3の
継ぎ手本体9は、発熱線11に所定の組成の樹脂を押出
被覆したものをコイル状に巻いて、先ずその内層5を形
成し、次いで、このコイル状に巻いて作製した内層5を
金型へインサートし、内層5の外側に射出成形によって
外層6を形成することにより製造した。継ぎ手本体9に
は、その内層5から外表面に達する細孔7が設けられて
いる。8は環状の突き合わせ部である。ここで、発熱線
11を被覆する樹脂は、継ぎ手本体9の内層5を形成す
る樹脂と同一のものとする。
【0020】架橋ポリエチレン管1、2と電気融着継ぎ
手3との融着接合は以下にようにして行われる。即ち、
先ず架橋ポリエチレン管1、2を電気融着継ぎ手3の内
部に設けた突き合わせ部8と接するまで挿入して対向さ
せる。そうして、発熱線11に通電すると、発熱線11
から供給される熱で内層5が溶融を開始して、継ぎ手本
体9と架橋ポリエチレン管1、2との間隙に流れ込み、
架橋ポリエチレン管1、2と継ぎ手本体9との融着が生
じると共に、内層5の架橋が進行する。その後、溶融し
た樹脂によって継ぎ手本体9内部の圧力が上昇して、溶
融樹脂が一定時間すると細孔7より吐出するので、この
時点で融着が完了したとして、発熱線11への通電を停
止する。
【0021】次に、樹脂層の組成を変えて形成した各実
施例と比較例について説明する。実施例1〜9および比
較例1〜3は、発熱線を被覆する樹脂、即ち継ぎ手本体
9の内層5を形成する樹脂の組成と、外層6を形成する
樹脂の組成を変えて製作したものである。これらの樹脂
層の組成を表1に示した。実施例1は、内層はシラング
ラフト化ポリエチレンのみで、シラノール縮合触媒を配
合せず、外層はシラングラフト化ポリエチレン(100重量
部) にシラノール縮合触媒(0.2重量部) を配合した。実
施例2は、内層はシラングラフト化ポリエチレン(100)
にシラノール縮合触媒(0.03)を配合し、外層はシラング
ラフト化ポリエチレン(100) にシラノール縮合触媒(0.
2) を配合した。実施例3は、内層はシラングラフト化
ポリエチレンのみで、シラノール縮合触媒を配合せず、
外層はシラングラフト化ポリエチレン(100) にシラノー
ル縮合触媒(0.07)を配合した。実施例4は、内層はシラ
ングラフト化ポリエチレンのみで、シラノール縮合触媒
を配合せず、外層は非架橋ポリエチレン(100) にシガノ
ール縮合触媒(0.15)を配合した。実施例5は、内層はシ
ラングラフト化ポリエチレン(60)+非架橋ポリエチレン
(40)にシラノール縮合触媒(0.01)を配合し、外層はシラ
ングラフト化ポリエチレン(100) にシラノール縮合触媒
(0.2) を配合した。
【0022】これらの実施例について、融着が完了した
各試料を用い、実使用を模擬して試料片端を封止し、内
部に60℃の温水を水圧5.0kgで5時間保持し、接
合部分からの漏水の有無を確認した。その後、融着前及
び漏水試験後の試料を図4に示すように切断して、部分
的に取り出し、継ぎ手本体9の内層5および外層6の架
橋度(ゲル分率)をJISKー6769に従って測定し
た。その結果を表1に併記する。総合評価は、接合部分
からの漏水の有無と融着前後での内層の架橋度のバラン
スにて判定した。
【0023】表1からわかるように、実施例1〜9につ
いては、いずれも漏水試験で漏水はなかった。また、実
施例1〜6、8では、内層5は融着前のゲル分率が30
%以下であり、熱流動性が十分あって、融着強度が十分
に得られることがわかる。さらに、漏水試験後の使用時
には、内層5のゲル分率は60%以上になり、架橋体と
しての性能を有することがわかる。ただし、外層への触
媒添加量が少ない実施例8のものは、融着後のゲル分率
がかろうじて60%であり、余裕が少なかった。以上よ
り、実施例1〜3、5、6、8は電気融着継ぎ手として
優れた性能を有する。また、実施例4は外層6が非架橋
ポリエチレン(100) にシラノール縮合触媒(0.15)を配合
して形成されているが、漏水はなく、良好な性能を有す
ることがわかる。実施例7、9は融着前のゲル分率が4
0%と比較的高かったものの、漏水はなく、良好であっ
た。
【0024】次に、比較例について述べる。比較例1
は、内層5は非架橋ポリエチレン(100) として、シラノ
ール縮合触媒を配合せず、外層はポリエチレン(100) +
DCP(2.0)(ジクミルパーオキサイド)として、シラノー
ル縮合触媒を配合しなかった。比較例2は、内層はポリ
エチレン(100) +DCP(1.5)として、シラノール縮合触媒
を配合せず、外層はポリエチレン(100) +DCP(2.0)とし
て、シラノール縮合触媒を配合しなかった。比較例3
は、内層はポリエチレン(100) +DCP(0.5)として、シラ
ノール縮合触媒を配合せず、外層はポリエチレン(100)
+DCP(2.0)として、シラノール縮合触媒を配合しなかっ
た。なお、比較例2及び3においては、発熱線11を表
1に記した様に配合された内層5を構成する樹脂にて押
出被覆し、蒸気管を通して架橋処理を施したものを用い
て、これをコイル状に巻き、内層5を構成する樹脂をロ
ール混練りし、所定の厚みにプレス成形した後、所定巾
の短冊状に切り出したものを内層5を形成するように金
型へインサートした。又、この時のロール混練り温度や
プレス成形温度は120〜130℃とした。
【0025】表1からわかるように、比較例1について
は、漏水はないが、内層の使用時のゲル分率が0で架橋
パイプとしての性能がない。また、比較例2について
は、漏水があった。これは融着前の内層5のゲル分率が
60%と高く、融着時の樹脂の流動性が不足したためで
ある。さらに、比較例3については、漏水はないが、内
層5の融着後のゲル分率が30%と小さく、架橋パイプ
としての性能がない。
【0026】表1
【0027】このように、化学架橋タイプ樹脂を用いた
比較例においては継ぎ手本体9部分の漏水を無くし、か
つ融着部分のゲル分率を高めることの両立は出来ない
が、シラン架橋タイプの樹脂を用いた本発明の実施例で
は、これらをすべて満足する高い性能を有するものであ
ることが判る。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明の電気融着継
ぎ手によれば、シラン架橋樹脂組成物を用いて継ぎ手本
体を形成したことにより、被接合体である架橋ポリエチ
レン管との高い融着強度を実現できるともに、実使用時
には架橋ポリオレフィンの性能を有するという両方の要
求を共に満足させることができる優れた効果がある。特
にシラノール縮合触媒の添加量を適切に調整したものに
あっては、融着強度と架橋体としての性質の両要求をバ
ランスよく両立させやすいという効果がある。また、発
熱線に内層形成用樹脂を押出被覆したものにあっては、
融着後の内層の架橋度が全体により均一化する利点があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気融着継ぎ手の一実施例を用い
て樹脂管を接合した状態の正面部分断面図である。
【図2】本発明に係る電気融着継ぎ手に用いる電熱線の
断面図である。
【図3】本発明に係る電気融着継ぎ手に用いる電熱線の
他の断面図である。
【図4】上記実施例について、ゲル分率を測定する試料
の説明図である。
【符号の説明】
1、2 架橋ポリエチレン管 3 電気融着継ぎ手 5 内層 6 外層 7 細孔 8 突き合わせ部 9 継ぎ手本体 11 発熱線 12 被覆発熱線 13 樹脂被覆層 14 絶縁層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面を形成する内層、およびこの内層を
    囲む外層を有する継ぎ手本体と、内層の内部、外表面
    側、または内表面側に設けられた発熱線とを有する電気
    融着継ぎ手において、少なくとも前記内層はシラングラ
    フト化ポリオレフィン樹脂とシラノール縮合触媒を含む
    組成物からなり、かつ、熱融着接合前のゲル分率が40
    %以下であり、熱融着後のゲル分率が60%以上である
    架橋ポリオレフィン系樹脂で形成されていることを特徴
    とする電気融着継ぎ手。
  2. 【請求項2】 前記内層はシラングラフト化ポリオレフ
    ィン系樹脂100重量部に対して、シラノール縮合触媒
    を0.05重量部未満(0重量部を含む)配合した樹脂
    からなり、前記外層はシラングラフト化ポリオレフィン
    系樹脂100重量部に対して、シラノール縮合触媒を
    0.05重量部以上配合した樹脂からなることを特徴と
    する請求項1記載の電気融着継ぎ手。
  3. 【請求項3】 前記発熱線に前記内層を形成する樹脂を
    被覆した被覆発熱線を巻くことにより内層が形成されて
    いることを特徴とする請求項1または2記載の電気融着
    継ぎ手。
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