JPH09287538A - 燃料噴射弁及び燃料噴射装置 - Google Patents

燃料噴射弁及び燃料噴射装置

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JPH09287538A
JPH09287538A JP9798096A JP9798096A JPH09287538A JP H09287538 A JPH09287538 A JP H09287538A JP 9798096 A JP9798096 A JP 9798096A JP 9798096 A JP9798096 A JP 9798096A JP H09287538 A JPH09287538 A JP H09287538A
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JP
Japan
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valve
fuel injection
movable member
elastic member
liquid
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Application number
JP9798096A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Amo
天羽  清
Yoshio Okamoto
良雄 岡本
Kenji Okuna
健二 奥名
Kenji Heiko
賢二 平工
Yoshiyuki Tanabe
好之 田辺
Yasuhisa Hamada
泰久 濱田
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Hitachi Ltd
Hitachi Automotive Systems Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Car Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】素子の変位を機械的に拡大する直動型は機構が
簡単ではあるが、素子と拡大機構との接触部の摩耗や素
子の熱膨張の影響を直接受け、弁の開閉が不安定になる
問題やガソリン液中に素子が存在するためガソリンに素
子が侵される問題がある。 【解決手段】伸縮部材4自体の伸縮を機械的に伝達する
直動型とし、第2の液体9中に可動部を設けたことによ
り、摩耗や熱変形の影響を受けず、また、伸縮部材4を
侵さない第2の液体9中で可動させ、伸縮部材4の信頼
性を向上した噴射弁100としたことである。 【効果】直動型燃料噴射弁において、液体中に可動部材
を設けることにより、伸縮部材の摩耗や熱変形の影響を
受けず、長時間、広い運転条件下で運転可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の内燃機
関(エンジン)に使用される燃料噴射弁又はこれを用い
る燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、排気ガスをクリーン化するために
エンジン筒内に燃料を直接噴射する筒内燃料噴射装置の
必要性が要求されている。排気ガスをクリーン化するた
めには従来にも増して空気の量に対して燃料を少なくす
る、いわゆる超リーンバーンエンジンにする必要があ
る。このような希薄なガソリン混合気に着火するために
は、点火プラグの近傍だけが相対的に濃い混合気にする
必要があり、燃料噴射装置の応答性を従来に比べて飛躍
的に速くする必要がある。従来の電磁石によるものより
も高速で応答する燃料噴射装置として、従来より圧電素
子であるピエゾ素子や電歪素子、磁歪素子を用いて、素
子自身の伸縮作用によって燃料の噴射を行う燃料噴射弁
の発明が多くされている。
【0003】例えば、特開平6−147052号の油介在によ
るものや特願平3−172571号の直動型と呼ばれるものが
開示されている。前者の液体介在型は素子の変位を液体
の作用、すなわちパスカルの原理を用いて拡大するので
構造が複雑になる問題や流路の抵抗、空気の混入によっ
て応答が遅れる等の問題がある。
【0004】一方、素子の変位を機械的に拡大する直動
型は機構が簡単ではあるが、素子と拡大機構との接触部
の摩耗や、素子の熱膨張の影響を直接受け、弁の開閉が
不安定になる問題や、ガソリン液中に素子が存在するた
めガソリンに素子が侵される問題がある。
【0005】これらの理由によって、圧電素子であるピ
エゾ素子や電歪素子、磁歪素子は優れた性能を持ちなが
ら商用化されていないという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、磁歪
素子または電歪素子、圧電素子等の自身が磁界または電
界の作用で変形する素子を用いたインジェクタにおい
て、自身の伸縮を機械的に伝達する直動型で、前記の摩
耗や熱変形の影響を受けず、また、ガソリンにより素子
が侵される問題を解決するインジェクタを提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1の手段は、噴孔を開閉可能にスライドす
る弁体、電圧または磁界の電気的作用によってそれ自身
が伸縮し前記の機械的な伸縮作用が前記弁体に接触また
は係合する伸縮部材、前記伸縮部材に係合しそれ自身が
スライドする可動部材、前記可動部材の外周に狭隙を有
し前記狭隙に液体を保持する母体、前記可動部材に作用
力を及ぼす弾性部材を有し、伸縮部材の速度の速い伸縮
作用によって弁の開閉を行う燃料噴射弁としたことにあ
る。
【0008】上記目的を達成するための本発明の第2の
手段は、噴孔を開閉可能にスライドする弁体、電圧また
は磁界等の電気的作用によってそれ自身が伸縮し前記の
機械的な伸縮作用が前記弁体に接触または係合する伸縮
部材、前記噴孔から噴射する第1の液体と第1の液体と
異なる第2の液体とを隔てる隔壁、前記伸縮部材に係合
しそれ自身がスライドする可動部材、前記可動部材の外
周に狭隙を有し、前記狭隙に第2の液体を保持する母
体、前記可動部材に作用力を及ぼす弾性部材を有し、伸
縮部材の速度の速い伸縮作用によって弁の開閉を行う燃
料噴射弁としたことにある。
【0009】上記目的を達成するための本発明の第3の
手段は、噴孔を開閉可能にスライドする弁体、電圧また
は磁界等の電気的作用によってそれ自身が伸縮し前記の
機械的な伸縮作用が前記弁体に接触または係合する伸縮
部材、前記噴孔から噴射する液体と伸縮部材を隔てる前
記伸縮部材に従って同様に伸縮する保護体、前記伸縮部
材に係合しそれ自身がスライドする部材、前記伸縮部材
に係合しそれ自身がスライドする可動部材、前記可動部
材の外周に狭隙を有し前記狭隙に液体を保持する母体、
前記可動部材に作用力を及ぼす弾性部材を有し、伸縮部
材の速度の速い伸縮作用によって弁の開閉を行う燃料噴
射弁としたことにある。
【0010】上記目的を達成するための本発明の第4の
手段は、噴孔を開閉可能にスライドする弁体、電圧また
は磁界等の電気的作用によってそれ自身が伸縮し前記の
機械的な伸縮作用が前記弁体に接触または係合する伸縮
部材、前記噴孔から噴射する液体と伸縮部材を隔てる前
記伸縮部材に従って同様に伸縮する保護体、前記伸縮部
材に係合しそれ自身がスライドする部材、前記噴孔から
噴射する第1の液体と第1の液体と異なる第2の液体と
を隔てる隔壁、前記第2の液体中に配設されたそれ自身
がスライドする可動部材、前記可動部材の外周に狭隙を
有し前記狭隙に第2の液体を保持する母体、前記可動部
材に作用力を及ぼす弾性部材を有し、伸縮部材の速度の
速い伸縮作用によって弁の開閉を行う燃料噴射弁とした
ことにある。
【0011】上記目的を達成するための本発明の第5の
手段は、電圧または磁界等の電気的作用によってそれ自
身が伸縮し前記の機械的な伸縮作用が前記弁体に接触ま
たは係合する伸縮部材を用いた燃料噴射弁において、前
記可動部材自身のスライド方向に小さな穴を穿ったこと
を特徴とする燃料噴射弁としたことにある。
【0012】上記目的を達成するための本発明の第6の
手段は、電圧または磁界等の電気的作用によってそれ自
身が伸縮し前記の機械的な伸縮作用が前記弁体に接触ま
たは係合する伸縮部材を用いた燃料噴射弁において、前
記噴孔上流に前記燃料に旋回を加えて、前記噴孔より燃
料を噴射させる燃料旋回素子を配設した燃料噴射弁とし
たことにある。
【0013】上記目的を達成するための本発明の第7の
手段は、本発明の第1から第6の手段記載の燃料噴射弁
において、前記燃料噴射弁をもちいた筒内燃料噴射装置
としたことにある。
【0014】上記目的を達成するための本発明の第8の
手段は、伸縮部材を用いた筒内燃料噴射装置において、
低電圧を高電圧に昇圧する回路、前記昇圧回路によって
昇圧された電圧を保持するコンデンサー、前記低電圧の
遮断を検知する回路、と前記検知する回路の指令によっ
て低電圧が遮断されたときに前記コンデンサーに保持さ
れた高電圧によって伸縮部材に高電圧を印加する駆動回
路を備えた燃料噴射装置としたことにある。
【0015】上記のごとく、液体中に可動部を設けたこ
とにより、伸縮部材の摩耗や熱変形による低速度の伸縮
作用では前記の可動部材が伸縮部材の変位に応じて変位
する。伸縮部材の伸縮が高速度の場合には、可動部材は
伸縮部材が変位しても前記狭隙部に存在する液体の粘性
力によって前記可動部材が変位せず、伸縮部材の変位は
弁体にのみに伝達し、弁体の開閉を行う燃料噴射弁とし
たことにある。
【0016】したがって、摩耗や熱変形の影響を受けず
に伸縮部材の速度の速い伸縮作用をそのまま利用できる
高速の燃料噴射弁を提供できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例につき説
明する。
【0018】図1は、本発明に係る第1案直動型燃料噴
射弁100構成断面図である。本直動型燃料噴射弁10
0は、噴孔2を開閉可能にスライドする弁1とロッド1
1の両者から構成され、その質量が3g程度の弁部材1
01、前記弁部材101を開くように10〜30Nの間
の力f1で押圧する第1弾性部材3、また、電圧または
磁界の電気制御信号によって、それ自身が伸縮する伸縮
部材4で、たとえば、ピエゾ素子等の圧電素子や電歪素
子、磁歪素子などがある。本実施例で用いたピエゾ素子
の長さは望ましくは30mm〜150mmの間で、本実
施例では、断面が5mm四方の正方形で長さが50mm
の圧電素子であるピエゾ素子を用いている。
【0019】前記伸縮部材4であるピエゾ素子に配線1
5により電圧を印加することで前記伸縮部材4の変位は
およそ45μmを得る。そして、前記噴孔2から噴射す
る第1の液体(ガソリン、軽油等の燃料)102とシリ
コンオイルなどの第1の液体102と異なる第2の液体
9とを隔てる、ダイアフラムからなる隔壁6、前記伸縮
部材4と連結され、それ自身がスライドする可動部材
5、前記可動部材5の外周とたとえば数μm〜数十μm
程度の狭隙をその内面に有する母体103、前記可動部
材5を該弁部材101が閉じる方向に40〜100Nの
間の力で押圧する第2弾性部材8、また、前記噴孔2を
持つバルブガイド7などから構成され、前記伸縮部材4
が前記弁部材101に隔壁6を介して接触することで前
記伸縮部材4の伸縮作用によって直接的に前記弁部材1
01の開閉制御を行う直動型燃料噴射弁100である。
なお、前記弁部材101のストロークは、前記伸縮部材
4変位量にて決定される。前記弁部材101のストロー
クを増やしたい場合には、伸縮部材4の長さを150m
mまでのものを選択するか、伸縮部材4と弁部材101
との間に伸縮部材4の変位拡大機構を設ければよい。
【0020】ここで、噴孔2より噴射される燃料102
は、前記バルブガイド7側面に設けられた燃料供給口1
0より、3〜15MPaの所定の値に設定された圧力に
て、バルブガイド7内部と隔壁6の噴孔2側面で形成さ
れた空間に供給される。バルブガイド7内には、燃料1
02噴射の際に燃料102に旋回成分を与え噴霧を微粒
化するための燃料旋回素子104が、バルブガイド7噴
孔2側内壁面部に接して設けられている。また、弁1と
ロッド11より構成される弁部材101および、弁部材
101を噴孔2より引き離そうとする10〜30Nの間
の力f1を持つ第1弾性部材3が設けられている。
【0021】ここで、バルブガイド7内に供給された燃
料102は、燃料旋回素子104まで達し、弁1とバル
ブガイド7とで形成されたシート部まで達する。その
後、弁部材101がスライドし、弁1とバルブガイド7
で構成されていたシート部が開閉し、燃料102が燃料
旋回素子104により旋回を加えられながら噴孔2より
噴射制御されることになる。
【0022】また、母体103内部と隔壁6、固定部材
12で形成された空間には、伸縮部材4、およびそれと
連結した可動部材5、さらにその可動部材5と固定部材
12に圧縮されて配設され可動部材5に作用力をおよぼ
す第2弾性部材8が配設されている。上記母体103内
部等で形成された空間には、所定の粘性を持った第2の
液体9、たとえば、シリコンオイルや作動油などの燃料
102に比べ不活性で粘度の高い液体9が充填されてい
る。
【0023】すなわち、液体9中に可動部材5を設けた
ことにより、伸縮部材4の摩耗や熱変形による低速度の
伸縮作用では前記の可動部材5が伸縮部材4の変位に応
じて変位可能にし、伸縮部材4の伸縮が高速度の場合に
は、可動部材5は伸縮部材4が変位しても可動部材5の
速度に比例する前記狭隙部に存在する液体9の粘性力に
よって前記可動部材5の動きを小さくすることによって
伸縮部材4の変位を弁部材101にのみに伝達して弁1
の開閉を行う。
【0024】ここで、本実施例の弁1の最大開弁時間
は、3.5ms程度でありその間は伸縮部材4は縮小して
いる。この開弁時間の間、第1の液体である燃料102
は、噴孔2より噴射し続ける。ここで、第2の弾性部材
8の力f2は、可動部材5に作用する。この力f2は、
弁1を噴孔2シート部に閉じる方向に働く。そのため開
弁時間3.5msの間に弁1が噴孔2側へ閉じる方向に
変位する。この許容できる変位量をたとえば5μmと仮
定すると、その間の弁1の平均変位速度は、1.43×
10~3m/s程度となる。この弁1の平均変位速度は伸
縮部材4と連結されている可動部材5の平均変位速度と
同じである。
【0025】次に本燃料噴射弁100に用いた弾性部材
につき図1を用いて説明する。第1弾性部材3は、弁部
材101を噴孔2から引きはがす方向に力f1を加わえ
る。すなわち、バルブガイド7噴孔2側内面に接してい
る燃料旋回素子104他端部と弁部材101の噴孔2よ
り遠い端部側の一部との間に圧縮されて配設されてい
る。したがって、噴孔2より遠い弁部材101端部から
隔壁6、伸縮部材103、可動部材5、第2弾性部材、
固定部材12へと力f1が伝達している。
【0026】そして、第2弾性部材8は、弁部材101
に作用力をおよぼし噴孔2に押しつける方向に力f2を
加える。すなわち、固定部材12と可動部材5の間に圧
縮されて配設された第2弾性部材8は、可動部材5を噴
孔2側へ押す方向に力f2が加わり、その力f2が伸縮
部材4、隔壁6、弁部材101へと伝達し、バルブガイ
ド7と弁1で形成されたシート部に押圧する方向に働
く。
【0027】つぎに、本実施例の一実施例である直動型
燃料噴射弁100の力の釣り合いについて説明する。第
1弾性部材3による弁部材101を噴孔2から引きはが
す方向、すなわち図中X方向に働く力f1は、弁部材1
01の動作条件より30N程度となる。また、燃料10
2が噴射されていなく、燃料圧力10MPa時には、燃
料圧力により15N程度の力f4が弁部材101を噴孔
2へ押しつける方向、すなわち定義した座標軸Xに対し
てマイナス方向に力が働く。さらに詳細に力の関係を考
察すると、燃料102が噴孔2より噴射する雰囲気最大
圧力は、およそ12MPa程度である。その時、弁1と
噴孔2とで形成されたシート部には、20N程度の力f
3が弁部材101を噴孔2から引きはがす方向、すなわ
ち定義した座標軸Xに対してプラスの方向に力が働く。
【0028】ここで、本実施例の直動型燃料噴射弁10
0の各運転領域にて燃料噴射量制御するためには先述し
た各力の合力(f1+f3−f4)以上の力f2が必要
である。この力f2は、第2弾性部材により発生され、
弁1を閉じる方向(座標軸Xに対してマイナス方向)に
働く。本実施例では前述したごとくf1は30N、f3
は20N、f4は15Nであるため、第2弾性部材8に
よる力f2は35N以上必要となり、余裕を見て50N
とする。
【0029】つぎに、図2に本直動型燃料噴射弁100
の可動部材5第1案周辺の詳細図を示す。可動部材5
は、前述したごとく母体103と隔壁6、固定部材12
とで形成された空間に配設されている。また、可動部材
5周辺には、液体9が充填されている。ここで、弁1が
開いているとき、先述したごとく可動部材5は、第2弾
性部材8の力f2により図2中の反X方向にごくわずか
変位する。その値をδ0とすれば、可動部材5の変位δ
0により、可動部材5を挟んでその変位方向とは逆向き
のX方向の向き、つまり、図2中の左から右へ可動部材
5と母体103で形成された環状隙間h内を可動部材5
が変位したぶんだけ、可動部材5の周辺に存在する第2
の液体9の流量がQだけ移動する。なお、可動部材5の
X方向に対する垂直断面積をS、可動部材5の平均変位
速度をvとすれば、先述した可動部材5の変位に対する
それを挟んだ第2の液体9の移動流量は、連続の式(数
1)で表せる。
【0030】
【数1】
【0031】本実施例では、Sは3.8×10~42、v
は先述した弁1の平均変位速度1.43×10~3m/sで
ある。
【0032】また、図2に示すような構成の隙間を流れ
る場合、(数2)に示す環状隙間流れの式が成り立つ。
【0033】
【数2】
【0034】ここで、ρ、νは、第2の液体9の密度、
動粘度係数をあらわし、P1、P2は、可動部材5を挟
んだ母体103内左右の第2の液体9圧力を示す。第2
の液体9として所定のシリコンオイルを選べば、ρ、ν
は、それぞれ970kg/m3、7×10~62/s程度の
値が選択できる。
【0035】また、可動部材5の速度vによる抵抗力F
cは、(数3)のように示される。
【0036】
【数3】
【0037】ここで、Sは可動部材5のX方向に対する
垂直断面積を表し、P1、P2は、可動部材5を挟んだ
母体103内左右の第2の液体9の圧力、Cは、減衰係
数、vは可動部材5の速度である。
【0038】以上の(数1)から(数3)より(数4)
が得られ、これに各部の形状、寸法を与えてやれば、減
衰係数Cは6.5×104N・s/mとなり、ここで、連続の
式(数1)および環状隙間流れの式(数2)、抵抗力の
関係(数3)より、減衰係数と動粘性係数の関係式(数
4)を得る。
【0039】
【数3】
【0040】これにより、第2の流体9の密度、動粘性
係数や環状隙間h等を用いることで所望の動粘性係数が
得られる。
【0041】ここで、前記弁1の平均変位速度vは、
1.43×10~3m/sの場合、可動部材4に作用する抵
抗力c・vは、6.5×104(N・s/m)×1.43×1
0~3(m/s)となり抵抗力c・vは、93Nとなる。
この値は、バネ力f1、f2に比べて充分高く、可動部
材5は前記の仮定の変位5μmは動かず、ほとんど変位
しないことになる。
【0042】次に図3から図8を用いて、本実施例直動
型燃料噴射弁100の弁1動作につき説明する。図3
は、本実施例の直動型燃料噴射弁100の駆動回路図を
示す図面である。図4は同左を示すタイミングチャート
図である。図5から図8は、本直動型燃料噴射弁100
の主な動作を示した図である。
【0043】図3のVbは、図示されていないバッテリ
ーの電源電圧を示し、通常+6〜+24Vの範囲に設定
されることが多い。スイッチ217は、本駆動回路への
電源をON−OFFするもので、運転者のキー動作に連
動して開閉を行う。エンジン回転時は、スイッチ217
は、ON状態になり、エンジン停止時は、スイッチ21
7は、OFF状態に設定される。昇圧回路216はDC
−DC変換器であり、前記バッテリーの低電圧Vbを高
電圧Vh(およそ100V)にまで昇圧するものであ
る。ダイオード215は、前記昇圧された電圧Vhが、
昇圧回路側に流れないようにするものである。昇圧され
た電圧は、コンデンサ206にチャージされており、ス
イッチ217がOFFになってもしばらくの間、コンデ
ンサから高電圧を供給することが出来る。比較器213
は、スイッチ217を通った電圧Vbsと、抵抗210
とツエナーダイオード214が作成する基準電圧Vre
fとの比較を行って、Vbsが基準電圧Vref未満の
ときは、論理0(Low)、Vbsが基準電圧Vref
以上のときは、論理1(High)を出力する。NAN
D回路205は、前記比較器213の出力と制御信号S
1との論理積を否定した論理を出力する。NOT回路2
04は、NAND回路205の出力を否定するもので、
NAND回路205との組み合わせで比較器213と制
御信号S1の論理積を出力する。抵抗209とツエナー
ダイオード212は、高電圧Vhから低電圧を発生し、
この低電圧を破線で示すように比較器213、NAND
回路205、NOT回路204に電圧を供給する。
【0044】抵抗208、211は、トランジスタ20
3の負荷抵抗として動作を行い、トランジスタ203
は、NAND回路205の出力がHighのときにON
になる。抵抗207は、トランジスタ201のエッミタ
用のエッミタ抵抗である。トランジスタ201のコレク
タには、トランジスタ202が直列に接続されている。
トランジスタ202のコレクタ、エッミタ間に伸縮部材
4が並列に接続されていて、さらにトランジスタ202
のエッミタはグランドに接続されている。伸縮部材4
は、電気的には容量性の負荷として考えられる。
【0045】スイッチ217が閉状態でVbsが規準電
圧以上であれば、比較器213の出力は論理1(Hig
h)の状態になり、前記の複数のトランジスタは、制御
信号S1によってのみ制御される。
【0046】S1が論理1(Low)であれば、トラン
ジスタ203はON、トランジスタ201はON、トラ
ンジスタ202はOFFとなり、伸縮部材4はトランジ
スタ201を通って高圧電圧Vhにより充電され、伸縮
部材4に電荷が瞬時にチャージされて、電荷の増加にし
たがって伸縮部材4は伸びる。S1が論理1(Hig
h)であれば、トランジスタ203はOFF、トランジ
スタ201はOFF、トランジスタ202はONとな
り、伸縮部材4に蓄えられた電荷はトランジスタ202
を通って放電され、伸縮部材4の電荷は瞬時に減衰し、
電荷の減少と同時に伸縮部材4は自然長に縮む。
【0047】次に図4から図8を用いて本ジスタ202
はONとなり、伸縮部材4に蓄えられた電荷はトランジ
スタ202を通って放電され、瞬時に伸縮部材4は、伸
縮変位δだけ縮む。そして、伸縮部材4弁側変位X1
は、図6中のX方向に変位δ2する。それと同時に伸縮
部材4後端変位X2は、ごくわずか図6中のX方向逆向
きに伸縮部材4の変位と第2弾性部材の力f2により変
位する。この時の弁変位X3は、T2初期時から徐々に
変化しT2間で、弁1が閉弁から開弁へと変化する。こ
の時の弁部材101の質量は、3gと軽く、弁部材10
1を開弁させる方向に働いている第1弾性部材3の力f
1は、30Nと大きいので非常に短時間で、およそ10
0μsで動作可能である。
【0048】そして、T3間では、先述同様に制御信号
S1は、弁1開信号となり、トランジスタ201はOF
F、トランジスタ202はONとなり、伸縮部材4伸縮
変位δは縮状態を保ち続けている。また、伸縮部材弁側
変位X1、伸縮部材後端変位X2は、第2弾性部材より
の力f2の影響を受け、ごくわずかではあるが図7中の
X方向逆向きに変位し続ける。
【0049】この時の弁部材101、伸縮部材4の動作
を図6、7を用いて説明する。図6、7に示すごとく、
制御信号S1を開信号とすることにより、伸縮部材4
は、もとの長さlに瞬時に縮むことになる。したがっ
て、噴孔2側の伸縮部材4端部側と隔壁6との間に図6
に図示する隙間δ2が生じる。この時、噴孔2より遠い
伸縮部材4端部側は、可動部材5と連結されいる。
【0050】ここで、可動部材5は、可動部材5と母体
103内周面とで、図2に示すわずかな環状隙間hが形
成され、その隙間に適度な粘度の流体9が充填されてい
るために可動部材5と流体9、母体103内周面とで抵
抗が生じ、X方向逆向きに瞬時にごくわずか変位した後
(図4中、伸縮部材4後端変位X2のT2部分)、可動
部材5は、X方向逆向きに徐々に微少変位する(図4
中、伸縮部材4後端変位X2のT3部分)。したがっ
て、伸縮部材4の応答性の速い縮み変化による変位は、
噴孔2側の伸縮部材4端部側がほとんどとなる。
【0051】ここで、制御信号は、開信号の状態のまま
であるから、伸縮部材4は、縮んだ状態を維持してい
る。このとき、図7に図示するごとく弁部材101は、
噴孔2より遠い弁部材101端部側と第1弾性部材3他
端と接触しており、第1弾性部材3は、弁部材101の
弁1を噴孔2側より引きはがす方向(図7中X方向)に
常に力f1が加えられている。その力f1により、前述
した図6中の隔壁6と伸縮部材4との間に形成された隙
間δ2が減少し、やがて、隔壁6が伸縮部材4他端へ接
触し、隔壁6の移動が終了する。同時に弁部材101と
一体の弁1は、噴孔2と弁1とで形成される燃料シート
面より離れ、弁1と噴孔2側シート部との所定距離δ3
が形成される。ここで、初めて、弁1の開弁とともに所
定圧力が加えられている燃料102は、燃料旋回素子1
04を介して、噴孔2より燃料噴射弁100外へ噴射さ
れることになる。
【0052】ここで、本型燃料噴射弁100の弁部材1
01の開弁時間は、弁部材101の質量3g、弁部材1
01の移動距離(ストローク)45μm、第1弾性部材
3の弁部材にかかる力(f1)30N、燃料102圧力
10MPaより、100μs程度となる。このように本
発明によれば従来の電磁式の燃料噴射装置に比べて50
%以下の時間で燃料を噴射し始めることができる。
【0053】次に図4中タイミングチャートT4時で
は、制御信号S1が急峻に弁1閉信号となり、伸縮部材
4伸縮変位δが伸びる。そして、伸縮部材4弁側変位X
1は、X方向逆向きに変位する。それと同時に伸縮部材
4後端変位X2は、ごくわずかX方向に第2弾性部材の
力f2に伸縮部材4の伸びる力が打ち勝ち変位する。こ
の時の弁変位X3は、T4の間で、弁1が開弁から閉弁
へと変化する。また、トランジスタ201、202はO
N、OFFの状態となっている。
【0054】この時の弁部材101、伸縮部材4の動作
を図8を用いて説明する。図8に示すごとく、制御信号
を閉信号することにより、圧電素子である伸縮部材4
は、励起され、図8中に示すごとく所定の長さδ4だけ
伸びる。ここで、可動部材5と母体103内周面で形成
される狭隙と粘性流体により噴孔2より遠い伸縮部材4
端部側と接続された可動部材5は、X方向にごくわずな
変位(図4中、伸縮部材4後端変位X2のT4部分)だ
けである。また、噴孔2側伸縮部材4端部側が伸び(図
4中、伸縮部材4弁側変位X1のT4部分)、隔壁6に
その変位が伝達され弁部材101に変位δ4が伝わり弁
部1とバルブガイド7に設けられた噴孔2にシートされ
ることになる(図4中、弁変位X3のT4部分)。これ
により、図7中まで噴孔2より燃料噴射弁100外へ噴
射されていた燃料102の噴射は停止することになる。
【0055】また、ここで、本型燃料噴射弁100の弁
部材101の閉弁時間は、先述したごとく弁部材101
の質量、ストローク、弁部材101にかかる力(f2ー
f1)等により、100μs程度となる。先述した弁部
材101の開弁時同様に本発明によれば、従来の電磁式
燃料噴射装置に比べて、50%以下の時間で燃料の噴射
を終了させることができる。
【0056】以上、図4から図8までの動作の繰り返し
により燃料噴射弁100外への燃料の噴射制御が行われ
る。
【0057】次に図9を用いて、本燃料噴射弁100内
の圧電素子である伸縮部材4の熱膨張に対する動作につ
き説明する。一般に圧電素子等の伸縮部材4は、かなり
の高温下での運転が課せられるので数10分運転するこ
とにより温度が上昇する。したがって、伸縮部材4は、
それらの熱により熱膨張し熱変形を生じる。
【0058】ここで、本実施例の燃料噴射弁100で
は、図9中に示すごとく伸縮部材4に固定された可動部
材5の外周に狭隙が形成されており、その狭隙には所定
粘性を持つ流体9が充填されている。所定時間に変位す
る伸縮部材4の熱膨張によるそれ自身の変位は、ゆっく
りと伸縮部材4から可動部材5に伝達する。よって、可
動部財5に働く粘性にょる抵抗力は、非常に小さく、可
動部材5が噴孔2より遠い可動部材5他端側へ変位δ5
する。
【0059】より具体的には、たとえば伸縮部材4が熱
変形する時間を1分、すなわち60s、伸縮部材4の変
形量を45μmとすれば、伸縮部材4の熱変形速度v
は、7.5×10~7m/sとなり、前記の減衰係数Cと乗
算して得られた伸縮部材4の変位による可動部材5変位
時に働く粘性による抵抗力C・vは、6.5×104N・
s/m・7.5×10~7m/sより4.9×10~2Nとな
り、バネ力f1、f2に比べて充分小さく、可動部材5
の変位はバネ力f1、f2に支配されていることにな
る。すなわち、ゆっくりした伸縮部材4の熱膨張変位に
ついては、前記の減衰係数Cが作用しないので可動部材
5の移動により吸収することが可能となる。
【0060】次に図3と図10を用いて、本発明に係る
直動型燃料噴射弁の電源OFF時の動作につき説明す
る。
【0061】図10は、横軸を時間軸とするタイミング
チャートを示している。スイッチ217が閉状態でVb
sが規準電圧以上であれば、比較器213の出力は論理
1(High)の状態になり、前記の複数のトランジス
タ201と202は、制御信号S1によってのみ制御さ
れる。
【0062】実線で示すスイッチ217後のバッテリー
電圧Vbsが急峻に、あるいは徐々に波線で示す基準値
Vrefより小さくなると、比較器213は、Vbsが
基準電圧Vref未満であるので論理0(Low)に変
化する。したがってNAND回路205は、Highを
出力しトランジスタ203はON、トランジスタ201
はON、トランジスタ202はOFFとなり、伸縮部材
4はトランジスタ201を通って高圧電圧Vhにより充
電され、伸縮部材4に電荷が瞬時にチャージされて、伸
縮部材4は伸びた状態を維持する。
【0063】昇圧された電圧は、コンデンサ206にチ
ャージされており、スイッチ217がOFFになっても
しばらくの間、コンデンサ206から高電圧を供給する
ことが出来るが、このコンデンサ206にチャージされ
た電圧は徐々に減衰し、これに応じて伸縮部材4の変位
も小さくなる。コンデンサ206の電気的容量が十分大
きく、チャージされた電圧減衰が遅いために、この伸縮
部材4の変位の速度vは十分小さくなる。
【0064】これによって前に述べたように可動部材5
の粘性力の力C・vは各弾性部材3、8の弾性力f1やf
2に比べて小さく、したがって弁1の変位は、各弾性部
材3、8の弾性力によって支配されることになる。弾性
力全体として弁を閉じる方向に作用しているので、弁は
電源遮断時も常に噴孔に押圧されたままの状態を保持で
きて、噴孔からの燃料漏れを発生しない。
【0065】以上述べたように伸縮部材を用いた筒内燃
料噴射装置において、低電圧を高電圧に昇圧する回路、
前記昇圧回路によって昇圧された電圧を保持するコンデ
ンサー、前記低電圧の遮断を検知する回路、と前記検知
する回路の指令によって低電圧が遮断されたときに前記
コンデンサーに保持された高電圧によって伸縮部材4に
高電圧を印加する駆動回路を備えたので電圧遮断時にも
不必要な燃料102をエンジン筒内に漏らすことを発生
しない。
【0066】以上、本実施例の直動型燃料噴射弁100
を用いることにより、熱膨張による伸縮部材4の変位を
吸収できる構造が実現でき燃料噴射弁100運転時に伸
縮部材4への無理な力の伝達が抑えられるとともに伸縮
部材4が第1の液体(たとえばガソリン、軽油)102
中に存在させる必要がなく、液体102により侵され
ず、長時間、広い温度範囲で使用可能である。また、本
実施例の直動型燃料噴射弁100を用いることにより、
電磁式燃料噴射弁に比べ、弁1の高速応答が可能となる
とともに燃料噴射弁自体の燃料調量範囲が拡大できるこ
とにより、高性能の燃料噴射弁を提供できる。さらに、
構造が簡単であるため、安価で生産性の優れた燃料噴射
弁100が提供できる。
【0067】したがって、本発明の直動型燃料噴射弁1
00を用いることによりエンジンの燃焼状態の改善が図
れるために高応答なエンジンが提供でき、さらに、高燃
費で排気ガス中の有害物質の排出を押さえられる高性能
なエンジンを提供できる。
【0068】次に図11を用いて、本発明の一実施例に
つき説明する。図11は、本発明に係る第2案直動型燃
料噴射弁150の構成を示す断面図である。上記本発明
第1案直動型燃料噴射弁100との違いは、シリコンオ
イルなどの液体9を用いず、伸縮部材4、可動部材5、
第2弾性部材8などを燃料供給口10より供給される燃
料102中に存在することにある。したがって、直動型
燃料噴射弁100に配設されている隔壁6は、使用して
いない。これにより、直動型燃料噴射弁150の構造の
簡略化と組み立て性の向上が図られる。なお、伸縮部材
4が燃料102中に配設されているためにそれが燃料1
02に侵される可能性は残る。しかし、その他の効果
は、上記記載の直動型燃料噴射弁100と同様の効果が
得られる。また、各弾性部材3、8および燃料圧力、燃
料102噴射雰囲気圧力等による力の釣り合いは、上記
直動型燃料噴射弁100とほぼ同様である。
【0069】次に図12を用いて、本発明の一実施例に
つき説明する。図12は、本発明に係る第3案直動型燃
料噴射弁160の構成を示す断面図である。基本的構
造、動作は、上記記載の直動型燃料噴射弁100とほぼ
同様である。直動型燃料噴射弁100との違いは、前記
噴孔2より噴射する燃料102と前記伸縮部材4を隔て
る前記伸縮部材4と同様に伸縮する保護体105を備え
ていることにある。また、保護体105と伸縮部材4の
端部である図中反X方向側は、部材106が接続されて
いる。もう一方の保護体105と伸縮部材4端部である
図中X方向側は、可動部材5と接続されている。
【0070】この部材106、保護体105、可動部材
5で形成された空間に伸縮部材4が配設されることによ
り、燃料102が伸縮部材4に接することがないために
燃料102により伸縮部材4が侵されることがない。本
実施例である直動型燃料噴射弁160は、上記記載の直
動型燃料噴射弁100と同様の効果が得られる。また、
各弾性部材3、8および燃料圧力、燃料102噴射雰囲
気圧力等によるの力の釣り合いは、上記直動型燃料噴射
弁100とほぼ同様である。
【0071】次に図13を用いて、本発明の一実施例に
つき説明する。図13は、本発明に係る第4案直動型燃
料噴射弁170の構成を示す断面図である。基本構造、
動作は、上記記載の直動型燃料噴射弁100とほぼ同様
である。直動型燃料噴射弁100との違いは、前記噴孔
2から噴射される燃料102と伸縮部材4を隔てる前記
伸縮部材4と同様に伸縮する保護体105を備えている
ことにある。また、保護体105と伸縮部材4の両端部
は、部材106、107が接続されている。この部材1
06、107と保護体105にて形成された空間に伸縮
部材4が配設されることにより、燃料102が伸縮部材
4に接することがないために燃料102により伸縮部材
4が侵されることがない。
【0072】また、部材107端部は、隔壁6と接して
いる。隔壁6と母体103内周面および固定部材12に
より形成された空間には、可動部材5が配設されてお
り、可動部材5のX方向側端部と固定部材12端部の間
には、圧縮された第2弾性部材8が配設されている。ま
た、母体103内周面等で構成された前記空間には、燃
料102と異なった液体9が充填されている。
【0073】本実施例である直動型燃料噴射弁170
は、上記記載の直動型燃料噴射弁100と同様の効果が
得られる。また、各弾性部材3、8および燃料圧力、燃
料102噴射雰囲気圧力等によるの力の釣り合いは、上
記直動型燃料噴射弁100とほぼ同様である。
【0074】次に図14を用いて、本発明の一実施例の
可動部材5につき説明する。図14は、本発明に係る本
直動型燃料噴射弁の可動部材13第2案周辺詳細図であ
る。前記可動部材5との違いは、可動部材13のスライ
ド方向に沿って、前記可動部材13に小さな穴14をい
くつか穿ったことに有る。これにより、上記第1案可動
部材5に比べ、環状隙間hの精度を高める必要がなく、
生産性のある可動部材13を提供できることになる。
【0075】つぎに、本発明の直動型燃料噴射弁を用い
たエンジン装置につき説明する。
【0076】図15は、本発明に係る本直動型燃料噴射
弁100を用いた筒内燃料噴射エンジン装置概略構成図
である。吸気管307を通過する吸入空気は、エアフロ
ーセンサ309、スロットルバルブ310にて計測、制
御された後、吸気弁304の開閉に伴い燃焼室313内
に供給される。エアフローセンサ309にて、計測され
た吸入空気量信号は制御ユニット303へ送られる。
【0077】燃料は、燃料タンク302内に蓄えられて
おり、燃料ポンプ301により燃料噴射弁100に加圧
供給される。ここで、前記制御ユニット303よりの噴
射弁駆動信号により燃料噴射弁100の弁1の開閉制御
を行うことにより、燃焼室313に燃料を供給してい
る。この燃料噴射弁100の駆動信号は、制御ユニット
303へ送られてくるエンジンの回転数、吸入空気量、
空燃比等の信号により制御される。また、燃焼室313
内の吸入空気と燃料の混合気に点火プラグ306より発
生させられる火花により混合気は燃焼する。
【0078】燃焼後のガスは排気弁305の開閉により
排気管308内を通過し排気される。なお排気管308
内には、O2センサ311、三元触媒312が配設され
ており、O2センサ311は、空燃比制御の信号を制御
ユニット303へ送り、また、三元触媒312は、排気
ガス中の有害物質を吸着している。
【0079】上述の各実施例において、本実施例の直動
型燃料噴射弁100、150、160、170を用いる
ことにより、熱膨張による伸縮部材4の変位を吸収でき
る構造が実現でき燃料噴射弁100、150、160、
170運転時に伸縮部材4への無理な力の伝達が抑えら
れるとともに伸縮部材4が第1の液体(たとえばガソリ
ン,軽油)102中に存在させる必要がなく、液体10
2により侵されず、長時間、広い温度範囲で使用可能で
ある。また、本実施例の直動型燃料噴射弁100、15
0、160、170を用いることにより、電磁式燃料噴
射弁に比べ、弁1の高速応答が可能となるとともに燃料
噴射弁自体の燃料調量範囲が拡大できることにより、高
性能の燃料噴射弁を提供できる。さらに、構造が簡単で
あるため、安価で生産性の優れた燃料噴射弁100が提
供できる。したがって、本発明の直動型燃料噴射弁10
0、150、160、170を用いることによりエンジ
ンの燃焼状態の改善が図れるために高応答なエンジンが
提供でき、さらに、高燃費で排気ガス中の有害物質の排
出を押さえられる高性能なエンジンを提供できる等の効
果がある。
【0080】上記各実施例に示した本発明に係る燃料噴
射弁又は燃料噴射装置は、自動車のほか船舶、農耕用機
械等の内燃機関(エンジン)に用いることも可能であろ
う。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、熱膨張による伸縮部材
の変位を吸収できる構造が実現でき、燃料噴射弁運転時
に伸縮部材への無理な力の伝達が抑えられるとともに伸
縮部材を燃料中に存在させる必要がなく、液体により侵
されないため、長時間、広い温度範囲での使用が可能な
直動型燃料噴射弁を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1案直動型燃料噴射弁の構成断
面図である。
【図2】本発明に係る本直動型燃料噴射弁の可動部材第
1案周辺詳細図である。
【図3】本発明に係る直動型燃料噴射弁の駆動回路図を
示す図である。
【図4】本発明に係る直動型燃料噴射弁のタイミングチ
ャートを示す図である。
【図5】本発明に係る直動型燃料噴射弁動作1を示した
図である。
【図6】本発明に係る直動型燃料噴射弁動作2を示した
図である。
【図7】本発明に係る直動型燃料噴射弁動作3を示した
図である。
【図8】本発明に係る直動型燃料噴射弁動作4を示した
図である。
【図9】本発明に係る直動型燃料噴射弁の伸縮部材熱膨
張対策機構説明図である。
【図10】本発明に係る直動型燃料噴射弁の電源OFF
時の動作説明図である。
【図11】本発明に係る第2案直動型燃料噴射弁の構成
を示す断面図である。
【図12】本発明に係る第3案直動型燃料噴射弁の構成
を示す断面図である。
【図13】本発明に係る第4案直動型燃料噴射弁の構成
を示す断面図である。
【図14】本発明に係る本直動型燃料噴射弁の可動部材
第2案周辺詳細図である。
【図15】本発明に係る本直動型燃料噴射弁を用いた筒
内燃料噴射装置構成図である。
【符号の説明】
1…弁、2…噴孔、3…第1弾性部材、4…伸縮部材、
5…可動部材、6…隔壁、7…バルブガイド、8…第2
弾性部材、9…液体、10…燃料供給口、11…ロッ
ド、12…固定部材、 13…可動部材、14…穴、1
00…直動型燃料噴射弁、101…弁部材、102…燃
料、103…母体、104…燃料旋回素子、105…保
護体、106…部材、107…部材、150…直動型燃
料噴射弁、160…直動型燃料噴射弁、170…直動型
燃料噴射弁、201…トランジスタ、202…トランジ
スタ、203…トランジスタ、204…NOT回路、2
05…NAND回路、206…コンデンサ、207…抵
抗、208…抵抗、209…抵抗、210…抵抗、21
1…抵抗、212…ツエナーダイオード、213…比較
器、214…ツエナーダイオード、215…ダイオー
ド、216…昇圧回路、217…スイッチ、301…燃
料ポンプ、302…燃料タンク、303…制御ユニッ
ト、304…吸気弁、305…排気弁、306…点火プ
ラグ、307…吸気管、308…排気管、309…エア
フローセンサ、310…スロットルバルブ、311…O
2センサ、312…三元触媒、313…燃焼室、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥名 健二 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 平工 賢二 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 (72)発明者 田辺 好之 茨城県ひたちなか市大字高場2520番地 株 式会社日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 濱田 泰久 茨城県ひたちなか市高場2477番地 株式会 社日立カーエンジニアリング内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】噴孔を開閉可能にスライドする弁体、電圧
    または磁界の電気的作用によってそれ自身が伸縮し前記
    の機械的な伸縮作用が前記弁体に接触または係合する伸
    縮部材、前記伸縮部材に係合しそれ自身がスライドする
    可動部材、前記可動部材の外周に狭隙を有し前記狭隙に
    液体を保持する母体、前記可動部材に作用力を及ぼす弾
    性部材を有し、伸縮部材の伸縮作用によって弁の開閉を
    行う燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】噴孔を開閉可能にスライドする弁体、電圧
    または磁界等の電気的作用によってそれ自身が伸縮し前
    記の機械的な伸縮作用が前記弁体に接触または係合する
    伸縮部材、前記噴孔から噴射する第1の液体と第1の液
    体と粘性の異なる第2の液体とを隔てる隔壁、前記伸縮
    部材に係合しそれ自身がスライドする可動部材、前記可
    動部材の外周に狭隙を有し、前記狭隙に第2の液体を保
    持する母体、前記可動部材に作用力を及ぼす弾性部材を
    有し、伸縮部材の伸縮作用によって弁の開閉を行う燃料
    噴射弁。
  3. 【請求項3】噴孔を開閉可能にスライドする弁体、電圧
    または磁界等の電気的作用によってそれ自身が伸縮し前
    記の機械的な伸縮作用を前記弁体に接触または係合する
    ことで伝達する伸縮部材、前記噴孔から噴射する液体と
    伸縮部材を隔てる保護体、前記伸縮部材に係合しそれ自
    身がスライドする可動部材、前記可動部材の外周に狭隙
    を有し前記狭隙に液体を保持する母体、前記可動部材に
    作用力を及ぼす弾性部材を有し、伸縮部材の伸縮作用に
    よって弁の開閉を行う燃料噴射弁。
  4. 【請求項4】噴孔を開閉可能にスライドする弁体、電圧
    または磁界等の電気的作用によってそれ自身が伸縮し前
    記の機械的な伸縮作用を前記弁体に接触または係合する
    ことで伝達する伸縮部材、前記噴孔から噴射する液体と
    伸縮部材を隔てる保護体、前記伸縮部材に係合しそれ自
    身がスライドする部材、前記噴孔から噴射する第1の液
    体と第1の液体と粘性の異なる第2の液体とを隔てる隔
    壁、前記第2の液体中に配設されたそれ自身がスライド
    する可動部材、前記可動部材の外周と自身の内面に狭隙
    を有し前記狭隙に第2の液体を有する母体、前記可動部
    材に作用力を及ぼす弾性部材を有し、伸縮部材の伸縮作
    用によって弁の開閉を行う燃料噴射弁。
  5. 【請求項5】請求項1から4記載の燃料噴射弁におい
    て、前記可動部材のスライド方向に前記可動部材自身に
    小さな穴を穿ったことを特徴とする燃料噴射弁。
  6. 【請求項6】噴孔を開閉可能にスライドする弁体、電圧
    または磁界の電気的作用によってそれ自身が伸縮し前記
    の機械的な伸縮作用が前記弁体に接触または係合する伸
    縮部材、前記伸縮部材に係合しそれ自身がスライドする
    可動部材、前記弁体をスライド可能に支持する母体、前
    記弁体に作用力を及ぼす弾性部材を有し、伸縮部材の伸
    縮作用によって弁の開閉を行いながら前記噴孔上流に前
    記燃料に旋回を加えて、前記噴孔より燃料を噴射させる
    燃料旋回素子を配設したことを特徴とする燃料噴射弁。
  7. 【請求項7】請求項1から6記載の燃料噴射弁におい
    て、前記燃料噴射弁をもちいた燃料噴射装置。
  8. 【請求項8】伸縮部材を用いた筒内燃料噴射装置におい
    て、低電圧を高電圧に昇圧する回路、前記昇圧回路によ
    って昇圧された電圧を保持するコンデンサー、前記低電
    圧の遮断を検知する回路、と前記検知する回路の指令に
    よって低電圧が遮断されたときに前記コンデンサーに保
    持された高電圧を伸縮部材に印加する駆動回路を備えた
    ことを特徴とする燃料噴射装置。
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