JPH09287260A - 鼻隠し化粧部材 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、既存の鼻板を化粧すると共に既
存の軒天井板の上に新たな軒天井板または軒天化粧板を
張設するのが容易な、改装に適した、鼻隠し化粧部材を
提供せんとするものである。 【解決手段】 この発明は、鼻板隠し板４の下端を背部
側に折り曲げて下面に凹凸５を設けた鼻板受け部６を形
成し、この鼻板受け部６の背部側上端に背部側に延びる
軒天当接板７を設け、他方、鼻板隠し板４にスライド自
在に係止した補助板８の下端を背部側に折り曲げて前記
凹凸５に嵌合する凹凸９を設けた受け板３として成るこ
とを特徴とする鼻隠し化粧部材である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、既存の鼻板を化粧
すると共に既存の軒天井板の上に新たな軒天井板または
軒天化粧板を張設するのが容易な、改装に適した、鼻隠
し化粧部材に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、図５に示すように、古くなっ
た鼻板１、軒天井板２を化粧するには、薄金属板３１を
釘３２打ちにより巻付け被覆するのが一般的であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする問題点】上記の場合、現場合
わせで、薄金属板３１を加工するので、施工性が好まし
くなく、また、現場で折り曲げ加工するため、化粧が余
り綺麗にできないという欠点があった。

【０００４】この発明は、上記従来の欠点を除去せんと
するものであり、既存の鼻板または破風を化粧すると共
に既存の軒天井板の上に新たな軒天井板または軒天化粧
板を張設するのが容易な、改装に適した、鼻隠し化粧部
材を提供せんとするものである。さらには、新たな軒天
井板または軒天化粧板の壁面側の仕舞いが容易な鼻隠し
化粧部材の施工構造を提供せんとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明の鼻隠し化粧部
材は、鼻板隠し板４の下端を背部側に折り曲げて下面に
凹凸５を設けた鼻板受け部６を形成し、この鼻板受け部
６の背部側上端に背部側に延びる軒天当接板７を設け、
他方、鼻板隠し板４にスライド自在に係合した補助板８
の下端を背部側に折り曲げて前記凹凸５に嵌合する凹凸
９を設けた受け板３として成ることを特徴とする。

【０００６】この鼻隠し化粧部材は、合成樹脂成形品、
板金加工した金属板、サイジング加工した金属板等で形
成されるが、塩化ビニール樹脂で形成しておけば、軽量
で、、曲げ強度、耐衝撃性にすぐれているので、軒先用
として最適である。

【０００７】従って、この鼻隠し化粧部材を用いれば、
鼻板隠し板４を鼻板１に当接させると共に軒天当接部７
を既存の軒天井板２の下面に当接させて位置決めし、軒
天当接板７と受け板３との間に、既存の軒天井板２を被
覆する新しい軒天井板２または軒天化粧板１０の一端を
挿入して保持させ、鼻板隠し板４を鼻板１に固定する
か、または、受け板３を軒天井板２に固定するか、ある
いは、その両方をおこなえば、新たな化粧仕舞いが行え
る。このようにして、軒先改築時の化粧を簡単に行うこ
とができる。

【０００８】補助板８を、鼻板隠し板４にスライド自在
に係合するのは、補助板８の左右両側の耳１６を折り曲
げて鼻板隠し板４の両側を包持するようにしておこな
う。

【０００９】また、通常、鼻板１の下端は、鼻板受け部
６内に嵌入される。また、施工に先立って、凹凸９を凹
凸５に嵌合しておけば、鼻板隠し板４と補助板８とを外
れにくくした状態で施工位置に持っていくことができ、
工事が容易である。

【００１０】軒天井板２または軒天化粧板１０の他端
は、通常壁面等に固定し、幅木等で仕舞う。

【００１１】軒天井板２と軒天化粧板１０は、明瞭に区
別されるものではないが、一般に、前者は軒天を形成す
る材料として強度の充分な厚いものをいい、後者は、化
粧に重点をおいた薄いものが多い。前者は、厚い無垢の
木材、合板等が用いられることが多く、後者としては、
薄い金属板、合成樹脂板等が用いられることが多い。

【００１２】軒天井板２または軒天化粧板１０の他端
は、通常壁面等に固定し、幅木等で仕舞う。

【００１３】ここで、胴縁固定板１１の上端に軒天固定
板１２を前方に向けて延設し、胴縁固定板１１表面側に
壁板嵌入部１３を形成し、軒天固定板１２の表面側に軒
天井板２または軒天化粧板３０の嵌入部１４を形成して
成る機能部材を使用した場合にあつては、サイジング等
の壁板１６を壁板嵌入部１３に挿入すると共に軒天井板
２の他端を嵌入部１４に挿入して仕舞うことができる。
このようにして、軒天井板２の壁面側端部の仕舞いを容
易に行うことができる。

【００１４】また、軒天固定板１２の後端部を表面側に
折り返して嵌入部１４を形成ると共に先端部を垂下して
回り縁１５として成る機能部材を使用した場合にあつて
は、壁板１６を回り縁１５裏に入れると共に軒天井板２
または軒天化粧板１０の他端を嵌入部１４に挿入して仕
舞うことができる。このようにして、軒天井板２または
軒天化粧板１０の壁面側端部の仕舞いを容易に行うこと
ができる。これらの機能部材は、アルミニュウム軽合金
等の軽量で、強度のある金属材で形成されることが多
い。また、これらの機能部材は、パンチング加工により
孔を多数設けたものが賞用される。かかる機能部材は、
軒、壁間の繋ぎ目において通気性を確保し、建材を腐朽
から守るからである。

【００１５】

【実施の実施の形態】本発明の一実施の形態について、
図１及び図２にもとづいて説明する。

【００１６】２０は、野地板であり、その前端に鼻板２
４が垂設されている。野地板２０の上には、瓦２１が載
置されている。２２は、軒樋で、支持金具２３により、
鼻板２４前に配置されている。

【００１７】この鼻隠し化粧部材は、図１に示すよう
に、鼻板隠し板４の下端を背部側に折り曲げて下面に凹
凸５を設けた鼻板受け部６を形成し、この鼻板受け部６
の背部側上端に背部側に延びる軒天当接板７を設け、他
方、鼻板隠し板４にスライド自在に係止した補助板８の
下端を背部側に折り曲げて前記凹凸５に嵌合する凹凸９
を設けた受け板１０として成る。

【００１８】補助板８は、左右両側の耳６を折り曲げて
鼻板隠し板４の両側を包持するようにして、鼻板隠し板
４にスライド自在に係合してある。

【００１９】この例では、鼻隠し化粧部材の軒先への固
定は、鼻板隠し板４を鼻板１に釘５０打ち固定して行な
っている。

【００２０】この鼻隠し化粧部材は、塩化ビニール樹脂
で形成されており、軽量で、曲げ強度、耐衝撃性にすぐ
れているので、軒先用として最適である。

【００２１】従って、この鼻隠し化粧部材は、次のよう
に施工される。図２に示すように、鼻隠し板４を鼻板１
に当接させると共に軒天当接部７を既存の軒天井板２の
下面に当接させて位置決めし、軒天当接板７と受け板３
との間に、既存の軒天井板２を被覆する新しい軒天井板
２の一端を挿入して保持させ、鼻板隠し板４を鼻板１に
固定し、かつ、新しい軒天井板２を既存の軒天井板２に
固定する。新しい軒天井板２を既存の軒天井板２に固定
するのは、受け板１０の上から釘５０打ち固定して行な
っている。

【００２２】補助板８は、鼻板隠し板４にスライド自在
に係合してあるので、軒天当接板７と受け板３との間
に、既存の軒天井板２を被覆する新しい軒天井板２の一
端を挿入する場合の、その板厚に合わせた補助板８の位
置調整は容易である。なお、この場合、補助板８を鼻板
１に釘５０打ちしてもよい。

【００２３】この場合、施工に先立って、凹凸９を凹凸
５に嵌合しておけば、鼻板隠し板４と補助板８とをほぼ
一体にした状態で施工位置に持っていくことができ、新
しい軒天井板２の一端を挿入した時点で、補助板８の位
置固定をすればよいので、工事が容易である。

【００２４】ここで、胴縁固定板１１の上端に軒天固定
板１２を前方に向けて延設し、胴縁固定板１１表面側に
壁板嵌入部１３を形成し、軒天固定板１２の表面側に軒
天井板２または軒天化粧板１０の嵌入部１４を形成して
成る機能部材を使用した場合にあつては、まずこの機能
部材の、胴縁固定板１１を胴縁１７に釘５０打ち固定
し、その上で、壁板１６を壁板嵌入部１３に挿入すると
共に軒天井板２の他端を嵌入部１４に挿入して仕舞うこ
とができる。このようにして、軒天井板２の壁面側端部
の仕舞いを容易に行うことができる。なお、図中、１９
は防水シート、１８はモルタルである。

【００２５】本発明の異なる実施の形態について、図３
にもとづいて説明する。異なる点は、軒天井板２の壁面
側の固定、及び、軒天井板２の代わりに軒天化粧板１０
を用いる点であるので、その点について説明する。

【００２６】軒天固定板１２の後端部を表面側に折り返
して嵌入部１４を形成ると共に先端部を垂下して回り縁
１５として成る機能部材を使用した場合にあつては、嵌
入部１４を壁板１６と既存の軒天井板２の間に嵌入し
て、壁板１６を回り縁１５裏に挿入すると共に新しい軒
天化粧板２の壁側の端部を嵌入部１４に挿入して仕舞う
ことができる。このようにして、軒天井板２または軒天
化粧板１０の壁面側端部の仕舞いを容易に行うことがで
きる。なお、図中、１９は防水シート、１８はモルタル
である。

【００２７】

【発明の効果】この発明の鼻隠し化粧部材を用いれば、
鼻板隠し板４を鼻板１に当接させると共に軒天当接板７
を既存の軒天井板２の下面に当接させて位置決めし、軒
天当接板７と受け板３との間に、既存の軒天井板２を被
覆する新しい軒天井板２または軒天化粧板１０の一端を
挿入して保持させ、鼻板隠し板４を鼻板１に固定する
か、または、受け板３を軒天井板２に固定するか、ある
いは、その両方をおこなえば、新たな化粧仕舞いが行え
る。このようにして、軒先改築時の化粧を簡単に行うこ
とができる。

【００２８】また、通常、鼻板４の下端は、鼻板受け部
６内に嵌入される。また、施工に先立って、凹凸９を凹
凸５に嵌合しておけば、鼻板隠し板４と補助板８とを外
れにくくした状態で施工位置に持っていくことができ、
工事が容易である。

【００２９】ここで、胴縁固定板１１の上端に軒天固定
板１２を前方に向けて延設し、胴縁固定板１１表面側に
壁板嵌入部１３を形成し、軒天固定板１２の表面側に軒
天井板２または軒天化粧板１０の嵌入部１４を形成して
成る機能部材を用いると、壁板１６を壁板嵌入部１３に
挿入すると共に軒天井板２または軒天化粧板１０の他端
を嵌入部１４に挿入して仕舞うことができる。このよう
にして、軒天井板２または軒天化粧板１０の壁面側端部
の仕舞いを容易に行うことができる。

【００３０】また、軒天固定板１２の後端部を表面側に
折り返して嵌入部１４を形成ると共に先端部を垂下して
回り縁１５として成るものにあっては、壁板１６を回り
縁１５裏に挿入すると共に軒天井板２または軒天化粧板
１０の他端を嵌入部１４に挿入して仕舞うことができ
る。

【００３１】このようにして、湿式のシーリング材や、
現場合わせの木の見切り材を用いることなく、軒天井板
２または軒天化粧板１０の壁面側端部の仕舞いを容易に
行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施態様を示す断面図。

【図２】同上の分解斜視図。

【図３】本発明の他の異なる実施態様を示図で、（ａ）
は断面図、（ｂ）は斜視図。

【図４】従来例を示す断面図。

【符号の説明】

１ 鼻板 ２ 軒天井板 ３ 受け板 ４ 鼻板隠し板 ５ 凹凸 ６ 鼻板受け部 ７ 軒天当接板 ８ 捕縄板 ９ 凹凸 １０ 軒天化粧板 １１ 胴縁固定板 １２ 軒天固定板 １３ 壁板嵌入部 １４ 嵌入部 １５ 回り縁

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 志村 治男 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鼻板隠し板４の下端を背部側に折り曲げ
   て下面に凹凸５を設けた鼻板受け部６を形成し、この鼻
   板受け部６の背部側上端に背部側に延びる軒天当接板７
   を設け、他方、鼻板隠し板４にスライド自在に係止した
   補助板８の下端を背部側に折り曲げて前記凹凸５に嵌合
   する凹凸９を設けた受け板３として成ることを特徴とす
   る鼻隠し化粧部材。
2. 【請求項２】 胴縁固定板１１の上端に軒天固定板１２
   を前方に向けて延設し、胴縁固定板１１表面側に壁板嵌
   入部１３を形成し、軒天固定板１２の表面側に軒天井板
   ２または軒天化粧板１０の嵌入部１４を形成して成る機
   能部材を用い、この機能部材の嵌入部１４に軒天井板２
   または軒天化粧板１０の壁面側端部を挿入したことを特
   徴とする請求項１記載の鼻隠し化粧部材の施工構造。
3. 【請求項３】 軒天固定板１２の後端部を表面側に折り
   返して嵌入部１４を形成すると共に先端部を垂下して回
   り縁１５として成る機能部材を用い、この機能部材の嵌
   入部１４に軒天井板２または軒天化粧板１０の壁面側端
   部を挿入したことを特徴とする請求項１記載の鼻隠し化
   粧部材の施工構造。