JPH09286945A - 水性印刷インキ用バインダ− - Google Patents

水性印刷インキ用バインダ−

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JPH09286945A
JPH09286945A JP12250396A JP12250396A JPH09286945A JP H09286945 A JPH09286945 A JP H09286945A JP 12250396 A JP12250396 A JP 12250396A JP 12250396 A JP12250396 A JP 12250396A JP H09286945 A JPH09286945 A JP H09286945A
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ink
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進二 山下
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一稔 林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インキの再溶解性が良好で印刷途中に版詰まり
することなく良好な印刷物が得られ、しかも印刷物とし
た場合のインキ膜の耐油性が良好でかつ残存臭気が極め
て少ない水性印刷インキ用バインダ−を提供する。 【解決手段】分子末端にイソシアネ−ト基と分子側鎖に
カルボキシル基とを含有するポリウレタン樹脂を、アン
モニアで末端封止するとともに該カルボキシル基を中和
してしてなる水溶性のポリウレタン樹脂からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性印刷インキ用バ
インダーに関する。さらに詳しくは、インキの再溶解性
が良く、塗膜の耐油性に優れかつ低臭気性である水性印
刷インキ用バインダーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、水性の印刷インキ用バインダーと
しては、ポリウレタン樹脂エマルションからなるもの
(特開昭63−37160号公報、特開平2−2380
15号公報など)が知られている。しかしこれらのもの
は、樹脂が水中に分散したエマルションであるため、エ
マルション粒子が凝集すると再溶解性が悪く、印刷中に
版詰まりを起こす問題がある。また、水溶性のポリエー
テル系ポリウレタン樹脂からなるもの(たとえば特開昭
55−134635号公報)が提案されているが、イン
キとした場合の耐油性が悪くなる問題がある。このよう
な問題を解決するものとして、平均官能基数が2未満の
分子末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの
中和物を水中で鎖伸長してなるもの(特開平7−319
9号公報)が提案されているが、このものは中和剤に有
機アミン(3級アミン)を使用する水溶性ポリウレタン
樹脂であるために、通常の印刷乾燥条件では一部の有機
アミンが塗膜中に残存して不快な臭気を有する問題があ
った。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
キの再溶解性が良好で印刷途中に版詰まりすることなく
良好な印刷物が得られ、しかも印刷物とした場合の塗膜
の耐油性が良好でかつ残存有機アミン等の臭気が極めて
少ない水性印刷インキ用バインダーを提供することにあ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、分子末端にイソシアネ
ート基と分子側鎖にアニオン性基とを含有するポリウレ
タン樹脂をアンモニアで末端封止するとともに該アニオ
ン性基を中和し、親水性を付与して水性化することで上
記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、有機ポリイソシアネー
ト(a)、ポリエステルポリオール(b)、分子内にア
ニオン性基と少なくとも2個の活性水素含有基とを有す
る化合物(c)および必要により鎖伸長剤(d)から誘
導された分子末端にイソシアネート基を含有するポリウ
レタン樹脂(A)を、アンモニアで末端封止するととも
に該アニオン性基を中和し、水性媒体中に溶解させてな
る水性ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする水性
印刷インキ用バインダーである。
【0006】
【発明に実施の形態】有機ポリイソシアネート(a)と
しては、例えば芳香族ジイソシアネート[2,4−ま
たは2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、
4,4’−または2,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)など];脂肪族ジイソシアネート
[ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジン
ジイソシアネートなど];脂環族ジイソシアネート
[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘ
キサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)な
ど];芳香脂肪族ジイソシアネート[キシリレンジイ
ソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラ
メチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)な
ど];これらの有機ジイソシアネートの変性体(たと
えばイソシアヌレート、ビュレット、カーボジイミドな
どの変性体)およびこれらの2種以上の混合物が挙げら
れる。これらのうち好ましいものは脂環族ジイソシアネ
ートおよび芳香脂肪族ジイソシアネートであり、特に好
ましいものはIPDI、水添MDI、TMXDIおよび
XDIである。
【0007】ポリエステルポリオール(b)としては、
数平均分子量500以下の低分子ポリオール[エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペンタン
ジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、2,2,4−トリメチル−1,6ヘキサンジオー
ル、2−ブチル−2−エチルプロピレングリコール、
2,2−ジメチロールオクタン、2−メチル−1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ビスヒド
ロキシメチルシクロヘキサン、ビスヒドロキシルベンゼ
ン、アルキルジアルカノールアミン、ビスフェノールA
のアルキレンオキシド(たとえばエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシドなど)低モル付加物など]と多価カル
ボン酸(アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ダイマー酸またはこれらのエステル
形成性誘導体)からなる末端ヒドロキシル基を有する縮
合ポリエステルポリオール、ラクトンポリエステルポ
リオール(ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラ
クトンジオールなど)、ポリカーボネートジオールな
どが挙げられる。これらのうちで好ましいものは炭素数
5〜10の直鎖または分岐の低分子ポリオールと多価カ
ルボン酸とからの縮合ポリエステルポリオール、ポリカ
プロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールお
よびポリカーボネートジオールであり、特に好ましくは
炭素数5〜10の分岐の低分子ポリオールとジカルボン
酸とからの縮合ポリエステルポリオール[ポリネオペン
チルアジペートジオール、ポリ(3−メチル−1,5−
ペンチレンアジペート)ジオール、ポリ(1,4−ペン
タンアジペート)ジオール、ポリ(2,5−ヘキサンア
ジペート)ジオール、ポリ(2−ブチル−2−エチルプ
ロピレンアジペート)ジオール、ポリ(2,2,4−ト
リメチル−1,6ヘキサンアジペート)ジオールおよび
ポリ(2−メチル−1,8−オクタンアジペート)ジオ
ール]である。
【0008】本発明において、ポリエステルポリオール
(b)の数平均分子量は、通常500〜10,000、
好ましくは700〜6,000である。分子量が500
未満ではポリウレタン樹脂の皮膜が硬くなり、インキと
した場合にプラスチックフィルムへの接着性が低下し、
10,000を越えると該ポリウレタン樹脂の皮膜が柔
らかくなりすぎ、インキとした場合に塗膜の耐油性およ
び耐ブロッキング性が低下する。
【0009】分子内にアニオン性基と少なくとも2個の
活性水素含有基とを有する化合物(c)としては、例え
ばヒドロキシ酸(グリコール酸、酒石酸、4,6−ジ
ヒドロキシイソフタル酸、α,α−ジメチロールプロピ
オン酸、α,α−ジメチロール酪酸、α,α−ジメチロ
ールノナン酸およびこれらにカプロラクトンモノマーを
付加重合させて得られるカルボキシル基含有ポリカプロ
ラクトンジオールなど);ヒドロキシスルホン酸
(1,7−ジヒドロキシナフタリンスルホン酸など);
アミノスルホン酸(2,4−ジアミノベンゼンスルホ
ン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいも
のは、分子内に2個の水酸基と1個のカルボキシル基を
有する化合物(α,α−ジメチロールプロピオン酸、
α,α−ジメチロール酪酸およびこれらにカプロラクト
ンモノマーを付加重合させて得られるカルボキシル基含
有ポリカプロラクトンジオール)である。
【0010】(c)のアニオン性基がカルボキシル基の
場合の該カルボキシル基の含量は、ポリウレタン樹脂
(A)の重量に基づき通常1.0〜7.0重量%、好ま
しくは1.5〜6.0重量%、特に好ましくは2.0〜
5.0重量%である。カルボキシル基の含量が1.0重
量%未満では安定な水性ポリウレタン樹脂が得られず、
7.0重量%を越えるとインキとしたときの皮膜の耐水
性が低下する。
【0011】必要により用いられる鎖伸長剤(d)とし
ては、低分子ポリオールおよびポリアミンが挙げられ
る。低分子ポリオールとしては前記(b)の項で例示し
た平均分子量500以下の低分子ポリオールが挙げられ
る。ポリアミンとしては、脂肪族ジアミン(エチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、1,2−プロピレン
ジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミ
ン、など);脂環族ジアミン(イソフォロンジアミン、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−
ジアミノシクロヘキサンなど);芳香族ジアミン(4,
4’−ジアミノジフェニルメタンなど);芳香脂肪族ジ
アミン(キシリレンジアミンなど);ヒドラジンもしく
はその誘導体(アジピン酸ジヒドラジドなど)およびこ
れら2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ま
しいものは低分子ポリオールである。
【0012】本発明におけるポリウレタン樹脂(A)の
末端イソシアネート基の濃度は通常0.1〜1.5重量
%、好ましくは0.2〜1.0重量%、特に好ましくは
0.3〜0.8重量%である。イソシアネート基濃度が
0.1重量%未満では得られる水性ポリウレタン樹脂の
分子量が大きくなり、インキとした場合に再溶解性が低
下し、1.5重量%を越えると得られる水性ポリウレタ
ン樹脂の分子量が小さくなり、インキとした場合に接着
強度および耐油性が低下する。
【0013】本発明における水性ポリウレタン樹脂の製
法を例示すると、有機溶剤の存在下または非存在下で、
前記の(a)、(b)、(c)および必要により(d)
を反応させて分子末端にイソシアネート基を有するポリ
ウレタン樹脂(A)を作成し、該(A)にアンモニアを
加えて分子末端のイソシアネート基を封止とともに、ア
ニオン性基(カルボキシル基等)を中和した後水性媒体
中に溶解させて、必要により有機溶剤を除去することに
より水性ポリウレタン樹脂を得る方法が挙げられる。該
(A)の製造に際しての、(b)、(c)および必要に
より(d)の活性水素含有基の合計と、(a)のイソシ
アネート基との当量比は通常1:(1.02〜2)、好
ましくは、1:(1.05〜1.5)である。
【0014】ポリウレタン樹脂(A)の製造方法は特に
制限はなく、各成分を一度に反応させるワンショット
法または段階的に反応させる多段法[たとえば(b)
と(a)と反応させてイソシアネート基末端プレポリマ
ーを形成したのち、活性水素化合物の残部を加えてさら
に反応させて製造する方法など]のいずれの方法で製造
してもよい。
【0015】また、該(A)の製造にあたり、必要によ
り分子内に活性水素を1個有する化合物[モノアルコー
ル(例えばメタノール、ブタノール)またはモノアミン
(例えばブチルアミン、ジブチルアミン)など]を併用
することができる。
【0016】ポリウレタン樹脂(A)の合成反応は通常
20〜140℃、好ましくは40〜120℃で行われる
(ただし、ポリアミンを反応させる場合は通常100℃
以下、好ましくは0〜80℃での温度でおこわれる。)
【0017】反応を促進させるため、通常のウレタン化
反応において使用されるアミン触媒(トリエチルアミ
ン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンな
ど)、錫系触媒(ジブチル錫ジラウリレート、ジオクチ
ル錫ジラウリレート、オクチル酸錫など)、チタン系触
媒(テトラブチルチタネートなど)などを用いてもよ
い。
【0018】また、反応は(a)に不活性な有機溶剤
[ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸
ブチル、エチルセロソルブアセテートなど)、エーテル
類(ジオキサン、テトラハイドロフラン、など)、炭化
水素類(n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサ
ン、テトラリン、トルエン、キシレンなど)、アミド類
(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドな
ど)、N−メチルピロリドンなど]の中で行ってもよ
く、該有機溶剤を反応途中または反応後に加えてもよ
い。
【0019】本発明における水性ポリウレタン樹脂の数
平均分子量は、通常5,000〜200,000、好ま
しくは8,000〜100,000である。数平均分子
量が5,000未満ではインキとした場合に塗膜の耐ブ
ロッキング性が不良となり、200,000を越えると
インキの再溶解性が低下する。
【0020】本発明の水性印刷インキ用バインダーは、
通常該水性ポリウレタン樹脂を水性媒体に溶解させた溶
液として用いられる。該溶液の樹脂濃度は通常10〜8
0重量%、好ましくは20〜60重量%である。また、
粘度は通常50〜100,000cP/25℃、好まし
くは100〜10,000cP/25℃である。
【0021】本発明の水性印刷インキ用バインダーを構
成する樹脂は、該水性ポリウレタン樹脂単独でもよく、
必要により他の水性樹脂を併用してもよい。併用できる
他の水性樹脂としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、スチレンマレイン酸共重合系樹
脂およびロジン系樹脂が挙げられる。
【0022】また、必要に応じて安定剤、界面活性剤、
消泡剤、防腐剤、凍結防止剤,増粘剤などの添加剤を加
えることができる。これらの具体例としては下記のもの
が挙げられる。 安定剤:ヒンダードフェノール系、ヒドラジン系、ベン
ゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、オキザリックア
シッドアニリド系またはヒンダードアミン系安定剤な
ど。 界面活性剤:ノニルフェノールのエチレンオキサイド付
加物などのノニオン界面活性剤、ラウリルアルコール硫
酸エステルナトリュウム塩などのアニオン界面活性剤な
ど。 消泡剤:シリコーン系またはアルコール系の消泡剤。 防腐剤:有機窒素硫黄化合物系または有機硫黄ハロゲン
化合物系防腐剤など。 凍結防止剤:エチレングリコール、プロピレングリコー
ルなど。 増粘剤:セルロース誘導体、でんぷん誘導体またはポリ
ビニールアルコールなど。
【0023】本発明の水性印刷インキ用バインダーに、
必要により顔料分散剤、溶剤としての水および/または
アルコール類(エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ールなど)などを配合し、サンドグラインダーミル、ボ
ールミルなどの通常のインキ製造装置を用いて混練する
ことで水性印刷インキとすることができる。
【0024】本発明のバインダーを使用した水性印刷イ
ンキの配合処方の一例を示せば下記とおりである(%は
重量%を示す)。 本発明のバインダー(固形分の量) 10〜30% 顔料 5〜40% 他の樹脂類 0〜10% 溶剤(樹脂成分中の溶剤も含む) 40〜70%
【0025】本発明のバインダーからなる水性印刷イン
キは、一液型水性印刷インキとして使用してもよいが、
硬化剤と併用して二液型水性印刷インキとして使用する
こともできる。該硬化剤としては、たとえば水性のポ
リエポキシ化合物[ビスフェノールA型グリシジルエー
テルまたは水添ビスフェノールA型グリシジルエーテル
の水性分散体;エチレングリコールまたはポリエチレン
グリコールのジグリシジルエーテル;グリセリン、ポリ
グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトールな
どの多価アルコールのポリグリシジルエーテル;グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどにア
ルキレンオキシド(炭素数2〜3)を付加させたものの
ポリグリシジルエーテルで水溶性のものなど]、水性
のアミノ樹脂[メチロール化またはアルコキシメチル化
された尿素またはメラミン樹脂]、ポリイソシアネー
ト系化合物[IPDIまたはHDIの3量化物をメチル
エチルケトオキシムまたはε−カプロラクタムなどでブ
ロックしたブロック化ポリイソシアネートの水性分散
体]、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これら
のうち好ましくは水性のポリエポキシ化合物である。該
硬化剤の添加量は水性ポリウレタン樹脂の重量に基づ
き、通常0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%で
ある。
【0026】本発明のバインダーを用いた水性印刷イン
キは、従来の水性印刷インキと比べ、再溶解性、耐油性
に優れ、かつ低臭気であるため、特に特殊グラビアイン
キおよびフレキソインキとして好適である。該インキの
適用対象としては、ポリエステルフィルム、ナイロンフ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィル
ム、ポリ塩化ビニルフィルム、セロファンフィルムなど
が挙げられる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、以下において部は重量部、%は重量%を示す。
【0028】実施例1 温度計および撹拌機を備えた加圧重合器に、数平均分子
量4,000のポリ(3−メチルペンタンアジペート)
ジオール〔クラポールP−4010;(株)クラレ製〕
772部、1,4−ブタンジオール19部、ジメチロー
ルプロピオン酸119部、IPDI290部およびアセ
トン800部を仕込み、撹拌下80℃で10時間反応さ
せ、NCO含量0.30%のNCO末端ポリウレタン樹
脂のアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液を30
℃に冷却して28%アンモニア水49部を加えた。次い
で水1765部を該アセトン溶液に加え、減圧下50〜
60℃でアセトンを除去し、固形分40.0%、粘度6
60cP/25℃のポリウレタン樹脂水溶液を得た。こ
の樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)で測定した数平均分子量(以下同様)は15,0
00であった。
【0029】得られた水性ポリウレタン樹脂溶液をバイ
ンダーとして用いて、次の処方にて印刷インキを作成し
た。 水性ポリウレタン樹脂溶液 100部 顔料(ルチル型酸化チタン) 80部 イソプロパノール 30部 水 90部 セラミックボール 150部 上記の原料混合物を内容積500mlのスチール缶に入
れて、ペイントコンデイショナー(レッドデビル社製)
にて1時間混練し印刷インキ[1]を得た。
【0030】実施例2 温度計および撹拌機を備えた加圧重合器に、数平均分子
量2,000のポリネオペンチルアジペートジオール6
18部、1,4−ブタンジオール20部、ジメチロール
プロピオン酸102部、IPDI290部およびアセト
ン670部を仕込み、撹拌下80℃で10時間反応さ
せ、NCO含量0.20%のNCO基末端ポリウレタン
樹脂のアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液を3
0℃に冷却して28%アンモニア水42部を加えた。次
いで水1515部を該アセトン溶液に加え、減圧下50
〜60℃でアセトンを除去し、固形分40.0%、粘度
460cP/25℃のポリウレタン樹脂水溶液を得た。
この樹脂の数平均分子量は28,000であった。得ら
れた樹脂溶液をバインダーとして用いた以外は実施例1
と同様にして印刷インキ[2]を得た。
【0031】実施例3 温度計および撹拌機を備えた加圧重合器に、数平均分子
量2,000のポリ−ε−カプロラクトンジオール30
9部、数平均分子量2,000のポリネオペンチルアジ
ペートジオール309部、分子量350のビスフェノー
ルAのプロピレンオキシド付加物78部、ジメチロール
プロピオン酸102部、IPDI290部およびアセト
ン720部を仕込み、撹拌下80℃で10時間反応さ
せ、NCO含量0.40%のNCO基末端ポリウレタン
樹脂のアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液を3
0℃に冷却して28%アンモニア水42部を加えた。次
いで水1584部を該アセトン溶液に加え、減圧下50
〜60℃でアセトンを除去し、固形分40.0%、粘度
410cP/25℃のポリウレタン樹脂水溶液を得た。
この樹脂の数平均分子量は13,000であった。得ら
れた樹脂溶液をバインダーとして用いた以外は実施例1
と同様にして印刷インキ[3]を得た。
【0032】実施例4 実施例1で得られた印刷インキ100部に対して、「デ
ナコールEX−521」(ナガセ化成製、水溶性ポリエ
ポキシ化合物)6部を添加し、印刷インキ[4]を得
た。
【0033】比較例1 温度計および撹拌機を備えた加圧重合器に、数平均分子
量2,000のポリブチレンアジペートジオール618
部、ジメチロールプロピオン酸102部、IPDI29
0部およびアセトン672部を仕込み、撹拌下80℃で
10時間反応させ、NCO含量1.50%のNCO基末
端ポリウレタン樹脂のアセトン溶液を得た。得られたア
セトン溶液を30℃に冷却してトリエチルアミン70部
を加えた。次いで水1692部にエチレンジアミン12
0部を加えた溶液を該アセトン溶液に加え、減圧下50
〜60℃でアセトンを除去し、固形分40.0%、粘度
5,000cP/25℃のポリウレタン樹脂水溶液を得
た。この樹脂は分子末端が封止されていないため伸長反
応により高分子量化し、テトラハイドロフランに不溶と
なり、分子量の測定が出来なかった。得られた樹脂溶液
をバインダーとして用いた以外は実施例1と同様にして
印刷インキ[5]を得た。
【0034】比較例2 温度計および撹拌機を備えた加圧重合器に、数平均分子
量2,000のポリプロピレングリコール618部、
1,4−ブタンジオール27部、ジメチロールプロピオ
ン酸102部、IPDI290部およびアセトン690
部を仕込み、撹拌下80℃で20時間反応させ、NCO
含量0.02%のポリウレタン樹脂のアセトン溶液を得
た。得られたアセトン溶液を30℃に冷却して28%ア
ンモニア水42部を加えた。次いで水1523部を該ア
セトン溶液に加え、減圧下50〜60℃でアセトンを除
去し、固形分40.0%、粘度2,000cP/25℃
のポリウレタン樹脂水溶液を得た。この樹脂の分子量は
250,000であった。得られた樹脂溶液をバインダ
ーとして用いた以外は実施例1と同様にして印刷インキ
[6]を得た。
【0035】性能試験例 実施例1〜4および比較例1〜2で得られた印刷インキ
[1]〜[6]を各々使用し、下記性能試験を行った。
その結果を表1に示す。 <性能試験項目と試験方法> (1)再溶解性 ガラス板に水性印刷インキを固形分で2〜3μmの厚み
になるようにバーコーターで塗布し、室温で2分間放置
しインキ表面を半乾きにした後、使用した水性印刷イン
キを垂らしてガラス棒で混ぜ合わせ、インキ塗膜の溶解
性を観察した。 評価基準 ○:半乾きした塗膜が再溶解する。 ×:半乾きした塗膜が溶解せず残る。 (2)接着性 表面処理ポリプロピレンフィルム(OPP)および表面
処理ポリエステルフィルム(PET)に水性印刷インキ
を固形分で2〜3μmの厚みになるようにバーコーター
で塗布し、60℃で1分間乾燥後、塗布面にセロテープ
(ニチバン製、12mm巾)を貼り、このセロテープの
一端をを塗面に対して、直角方向に急速に引き剥がした
ときの塗布面状態を観察した。 評価基準 ○:インキが80%以上残る △:インキが80〜50%残る ×:インキの残りが50%未満 (3)耐水性試験 接着性試験と同じ方法で得た塗布試験片(PETに塗
布)を25℃の水中に24時間浸漬した後、塗布面にセ
ロテープを貼り、このセロテープの一端をを塗面に対し
て、直角方向に急速に引き剥がしたときの塗布面状態を
観察した。 評価基準 ○:インキが80%以上残る △:インキが80〜50%残る ×:インキの残りが50%未満 (4)耐油性 接着性試験と同じ方法で得た塗布試験片(PETに塗
布)を25℃の菜種油中に24時間浸漬した後、塗布面
状態を観察した。 評価基準 ○:変化なし ×:艶びけあり (5)臭気 接着性試験と同じ方法で得た塗布試験片(PETに塗
布)を500mlの三角フラスコに封入しゴム栓にて密
封し、60℃の恒温器中で24時間静置後、ゴム栓を開
封し、アミン臭気の有無を検査した。 評価基準 ○:臭気なし ×:臭気あり
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】本発明の水性印刷インキ用バインダ−
は、従来のポリウレタン樹脂系水性印刷インキ用バイン
ダーの問題であったインキの再溶解性、耐油性を向上さ
せ、かつ低臭気性であるので、特に包装材等に用いられ
るプラスチックフィルム用の水性印刷インキ用バインダ
ーとして極めて有用である。また、本発明のバインダー
は、各種基材に対する接着性に優れ、しかも低臭気であ
ることから、上記用途としてだけではなく、塗料用バイ
ンダー、接着剤、紙用のコーテング剤等としても有用で
ある。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ポリイソシアネート(a)、ポリエ
    ステルポリオール(b)、分子内にアニオン性基と少な
    くとも2個の活性水素含有基とを有する化合物(c)お
    よび必要により鎖伸長剤(d)から誘導される分子末端
    にイソシアネート基を含有するポリウレタン樹脂(A)
    を、アンモニアで末端封止するとともに該アニオン性基
    を中和し、水性媒体中に溶解させてなる水性ポリウレタ
    ン樹脂からなることを特徴とする水性印刷インキ用バイ
    ンダー。
  2. 【請求項2】 (c)のアニオン性基がカルボキシル基
    である請求項1記載の水性印刷インキ用バインダー。
  3. 【請求項3】 カルボキシル基の含量が、ポリウレタン
    樹脂(A)の重量に基づき1.0〜7.0重量%である
    請求項2記載の水性印刷インキ用バインダー。
  4. 【請求項4】 (A)のイソシアネート基濃度が0.1
    〜1.5重量%である請求項1〜3いずれか記載の水性
    印刷インキ用バインダー。
  5. 【請求項5】 プラスチックフィルム用印刷インキに用
    いられる請求項1〜4いずれか記載の水性印刷インキ用
    バインダー。
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