JPH09286945A - 水性印刷インキ用バインダ− - Google Patents
水性印刷インキ用バインダ−Info
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- JPH09286945A JPH09286945A JP12250396A JP12250396A JPH09286945A JP H09286945 A JPH09286945 A JP H09286945A JP 12250396 A JP12250396 A JP 12250396A JP 12250396 A JP12250396 A JP 12250396A JP H09286945 A JPH09286945 A JP H09286945A
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Abstract
することなく良好な印刷物が得られ、しかも印刷物とし
た場合のインキ膜の耐油性が良好でかつ残存臭気が極め
て少ない水性印刷インキ用バインダ−を提供する。 【解決手段】分子末端にイソシアネ−ト基と分子側鎖に
カルボキシル基とを含有するポリウレタン樹脂を、アン
モニアで末端封止するとともに該カルボキシル基を中和
してしてなる水溶性のポリウレタン樹脂からなる。
Description
インダーに関する。さらに詳しくは、インキの再溶解性
が良く、塗膜の耐油性に優れかつ低臭気性である水性印
刷インキ用バインダーに関する。
しては、ポリウレタン樹脂エマルションからなるもの
(特開昭63−37160号公報、特開平2−2380
15号公報など)が知られている。しかしこれらのもの
は、樹脂が水中に分散したエマルションであるため、エ
マルション粒子が凝集すると再溶解性が悪く、印刷中に
版詰まりを起こす問題がある。また、水溶性のポリエー
テル系ポリウレタン樹脂からなるもの(たとえば特開昭
55−134635号公報)が提案されているが、イン
キとした場合の耐油性が悪くなる問題がある。このよう
な問題を解決するものとして、平均官能基数が2未満の
分子末端イソシアネート基含有ウレタンプレポリマーの
中和物を水中で鎖伸長してなるもの(特開平7−319
9号公報)が提案されているが、このものは中和剤に有
機アミン(3級アミン)を使用する水溶性ポリウレタン
樹脂であるために、通常の印刷乾燥条件では一部の有機
アミンが塗膜中に残存して不快な臭気を有する問題があ
った。
キの再溶解性が良好で印刷途中に版詰まりすることなく
良好な印刷物が得られ、しかも印刷物とした場合の塗膜
の耐油性が良好でかつ残存有機アミン等の臭気が極めて
少ない水性印刷インキ用バインダーを提供することにあ
る。
を達成すべく鋭意検討した結果、分子末端にイソシアネ
ート基と分子側鎖にアニオン性基とを含有するポリウレ
タン樹脂をアンモニアで末端封止するとともに該アニオ
ン性基を中和し、親水性を付与して水性化することで上
記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
ト(a)、ポリエステルポリオール(b)、分子内にア
ニオン性基と少なくとも2個の活性水素含有基とを有す
る化合物(c)および必要により鎖伸長剤(d)から誘
導された分子末端にイソシアネート基を含有するポリウ
レタン樹脂(A)を、アンモニアで末端封止するととも
に該アニオン性基を中和し、水性媒体中に溶解させてな
る水性ポリウレタン樹脂からなることを特徴とする水性
印刷インキ用バインダーである。
しては、例えば芳香族ジイソシアネート[2,4−ま
たは2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、
4,4’−または2,4’−ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)など];脂肪族ジイソシアネート
[ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、リジン
ジイソシアネートなど];脂環族ジイソシアネート
[イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘ
キサン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシル
メタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)な
ど];芳香脂肪族ジイソシアネート[キシリレンジイ
ソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラ
メチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)な
ど];これらの有機ジイソシアネートの変性体(たと
えばイソシアヌレート、ビュレット、カーボジイミドな
どの変性体)およびこれらの2種以上の混合物が挙げら
れる。これらのうち好ましいものは脂環族ジイソシアネ
ートおよび芳香脂肪族ジイソシアネートであり、特に好
ましいものはIPDI、水添MDI、TMXDIおよび
XDIである。
数平均分子量500以下の低分子ポリオール[エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ペンタン
ジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、2,2,4−トリメチル−1,6ヘキサンジオー
ル、2−ブチル−2−エチルプロピレングリコール、
2,2−ジメチロールオクタン、2−メチル−1,8−
オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ビスヒド
ロキシメチルシクロヘキサン、ビスヒドロキシルベンゼ
ン、アルキルジアルカノールアミン、ビスフェノールA
のアルキレンオキシド(たとえばエチレンオキシド、プ
ロピレンオキシドなど)低モル付加物など]と多価カル
ボン酸(アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、コハ
ク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、ダイマー酸またはこれらのエステル
形成性誘導体)からなる末端ヒドロキシル基を有する縮
合ポリエステルポリオール、ラクトンポリエステルポ
リオール(ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラ
クトンジオールなど)、ポリカーボネートジオールな
どが挙げられる。これらのうちで好ましいものは炭素数
5〜10の直鎖または分岐の低分子ポリオールと多価カ
ルボン酸とからの縮合ポリエステルポリオール、ポリカ
プロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールお
よびポリカーボネートジオールであり、特に好ましくは
炭素数5〜10の分岐の低分子ポリオールとジカルボン
酸とからの縮合ポリエステルポリオール[ポリネオペン
チルアジペートジオール、ポリ(3−メチル−1,5−
ペンチレンアジペート)ジオール、ポリ(1,4−ペン
タンアジペート)ジオール、ポリ(2,5−ヘキサンア
ジペート)ジオール、ポリ(2−ブチル−2−エチルプ
ロピレンアジペート)ジオール、ポリ(2,2,4−ト
リメチル−1,6ヘキサンアジペート)ジオールおよび
ポリ(2−メチル−1,8−オクタンアジペート)ジオ
ール]である。
(b)の数平均分子量は、通常500〜10,000、
好ましくは700〜6,000である。分子量が500
未満ではポリウレタン樹脂の皮膜が硬くなり、インキと
した場合にプラスチックフィルムへの接着性が低下し、
10,000を越えると該ポリウレタン樹脂の皮膜が柔
らかくなりすぎ、インキとした場合に塗膜の耐油性およ
び耐ブロッキング性が低下する。
活性水素含有基とを有する化合物(c)としては、例え
ばヒドロキシ酸(グリコール酸、酒石酸、4,6−ジ
ヒドロキシイソフタル酸、α,α−ジメチロールプロピ
オン酸、α,α−ジメチロール酪酸、α,α−ジメチロ
ールノナン酸およびこれらにカプロラクトンモノマーを
付加重合させて得られるカルボキシル基含有ポリカプロ
ラクトンジオールなど);ヒドロキシスルホン酸
(1,7−ジヒドロキシナフタリンスルホン酸など);
アミノスルホン酸(2,4−ジアミノベンゼンスルホ
ン酸など)などが挙げられる。これらのうち好ましいも
のは、分子内に2個の水酸基と1個のカルボキシル基を
有する化合物(α,α−ジメチロールプロピオン酸、
α,α−ジメチロール酪酸およびこれらにカプロラクト
ンモノマーを付加重合させて得られるカルボキシル基含
有ポリカプロラクトンジオール)である。
場合の該カルボキシル基の含量は、ポリウレタン樹脂
(A)の重量に基づき通常1.0〜7.0重量%、好ま
しくは1.5〜6.0重量%、特に好ましくは2.0〜
5.0重量%である。カルボキシル基の含量が1.0重
量%未満では安定な水性ポリウレタン樹脂が得られず、
7.0重量%を越えるとインキとしたときの皮膜の耐水
性が低下する。
ては、低分子ポリオールおよびポリアミンが挙げられ
る。低分子ポリオールとしては前記(b)の項で例示し
た平均分子量500以下の低分子ポリオールが挙げられ
る。ポリアミンとしては、脂肪族ジアミン(エチレンジ
アミン、ヘキサメチレンジアミン、1,2−プロピレン
ジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジア
ミン、N−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミ
ン、など);脂環族ジアミン(イソフォロンジアミン、
4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−
ジアミノシクロヘキサンなど);芳香族ジアミン(4,
4’−ジアミノジフェニルメタンなど);芳香脂肪族ジ
アミン(キシリレンジアミンなど);ヒドラジンもしく
はその誘導体(アジピン酸ジヒドラジドなど)およびこ
れら2種以上の混合物が挙げられる。これらのうち好ま
しいものは低分子ポリオールである。
末端イソシアネート基の濃度は通常0.1〜1.5重量
%、好ましくは0.2〜1.0重量%、特に好ましくは
0.3〜0.8重量%である。イソシアネート基濃度が
0.1重量%未満では得られる水性ポリウレタン樹脂の
分子量が大きくなり、インキとした場合に再溶解性が低
下し、1.5重量%を越えると得られる水性ポリウレタ
ン樹脂の分子量が小さくなり、インキとした場合に接着
強度および耐油性が低下する。
法を例示すると、有機溶剤の存在下または非存在下で、
前記の(a)、(b)、(c)および必要により(d)
を反応させて分子末端にイソシアネート基を有するポリ
ウレタン樹脂(A)を作成し、該(A)にアンモニアを
加えて分子末端のイソシアネート基を封止とともに、ア
ニオン性基(カルボキシル基等)を中和した後水性媒体
中に溶解させて、必要により有機溶剤を除去することに
より水性ポリウレタン樹脂を得る方法が挙げられる。該
(A)の製造に際しての、(b)、(c)および必要に
より(d)の活性水素含有基の合計と、(a)のイソシ
アネート基との当量比は通常1:(1.02〜2)、好
ましくは、1:(1.05〜1.5)である。
制限はなく、各成分を一度に反応させるワンショット
法または段階的に反応させる多段法[たとえば(b)
と(a)と反応させてイソシアネート基末端プレポリマ
ーを形成したのち、活性水素化合物の残部を加えてさら
に反応させて製造する方法など]のいずれの方法で製造
してもよい。
り分子内に活性水素を1個有する化合物[モノアルコー
ル(例えばメタノール、ブタノール)またはモノアミン
(例えばブチルアミン、ジブチルアミン)など]を併用
することができる。
20〜140℃、好ましくは40〜120℃で行われる
(ただし、ポリアミンを反応させる場合は通常100℃
以下、好ましくは0〜80℃での温度でおこわれる。)
反応において使用されるアミン触媒(トリエチルアミ
ン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミンな
ど)、錫系触媒(ジブチル錫ジラウリレート、ジオクチ
ル錫ジラウリレート、オクチル酸錫など)、チタン系触
媒(テトラブチルチタネートなど)などを用いてもよ
い。
[ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなど)、エステル類(酢酸エチル、酢酸
ブチル、エチルセロソルブアセテートなど)、エーテル
類(ジオキサン、テトラハイドロフラン、など)、炭化
水素類(n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサ
ン、テトラリン、トルエン、キシレンなど)、アミド類
(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドな
ど)、N−メチルピロリドンなど]の中で行ってもよ
く、該有機溶剤を反応途中または反応後に加えてもよ
い。
平均分子量は、通常5,000〜200,000、好ま
しくは8,000〜100,000である。数平均分子
量が5,000未満ではインキとした場合に塗膜の耐ブ
ロッキング性が不良となり、200,000を越えると
インキの再溶解性が低下する。
通常該水性ポリウレタン樹脂を水性媒体に溶解させた溶
液として用いられる。該溶液の樹脂濃度は通常10〜8
0重量%、好ましくは20〜60重量%である。また、
粘度は通常50〜100,000cP/25℃、好まし
くは100〜10,000cP/25℃である。
成する樹脂は、該水性ポリウレタン樹脂単独でもよく、
必要により他の水性樹脂を併用してもよい。併用できる
他の水性樹脂としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹
脂、塩化ビニル系樹脂、スチレンマレイン酸共重合系樹
脂およびロジン系樹脂が挙げられる。
消泡剤、防腐剤、凍結防止剤,増粘剤などの添加剤を加
えることができる。これらの具体例としては下記のもの
が挙げられる。 安定剤:ヒンダードフェノール系、ヒドラジン系、ベン
ゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、オキザリックア
シッドアニリド系またはヒンダードアミン系安定剤な
ど。 界面活性剤:ノニルフェノールのエチレンオキサイド付
加物などのノニオン界面活性剤、ラウリルアルコール硫
酸エステルナトリュウム塩などのアニオン界面活性剤な
ど。 消泡剤:シリコーン系またはアルコール系の消泡剤。 防腐剤:有機窒素硫黄化合物系または有機硫黄ハロゲン
化合物系防腐剤など。 凍結防止剤:エチレングリコール、プロピレングリコー
ルなど。 増粘剤:セルロース誘導体、でんぷん誘導体またはポリ
ビニールアルコールなど。
必要により顔料分散剤、溶剤としての水および/または
アルコール類(エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ールなど)などを配合し、サンドグラインダーミル、ボ
ールミルなどの通常のインキ製造装置を用いて混練する
ことで水性印刷インキとすることができる。
ンキの配合処方の一例を示せば下記とおりである(%は
重量%を示す)。 本発明のバインダー(固形分の量) 10〜30% 顔料 5〜40% 他の樹脂類 0〜10% 溶剤(樹脂成分中の溶剤も含む) 40〜70%
キは、一液型水性印刷インキとして使用してもよいが、
硬化剤と併用して二液型水性印刷インキとして使用する
こともできる。該硬化剤としては、たとえば水性のポ
リエポキシ化合物[ビスフェノールA型グリシジルエー
テルまたは水添ビスフェノールA型グリシジルエーテル
の水性分散体;エチレングリコールまたはポリエチレン
グリコールのジグリシジルエーテル;グリセリン、ポリ
グリセリン、トリメチロールプロパン、ソルビトールな
どの多価アルコールのポリグリシジルエーテル;グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどにア
ルキレンオキシド(炭素数2〜3)を付加させたものの
ポリグリシジルエーテルで水溶性のものなど]、水性
のアミノ樹脂[メチロール化またはアルコキシメチル化
された尿素またはメラミン樹脂]、ポリイソシアネー
ト系化合物[IPDIまたはHDIの3量化物をメチル
エチルケトオキシムまたはε−カプロラクタムなどでブ
ロックしたブロック化ポリイソシアネートの水性分散
体]、オキサゾリン化合物などが挙げられる。これら
のうち好ましくは水性のポリエポキシ化合物である。該
硬化剤の添加量は水性ポリウレタン樹脂の重量に基づ
き、通常0〜30重量%、好ましくは0〜20重量%で
ある。
キは、従来の水性印刷インキと比べ、再溶解性、耐油性
に優れ、かつ低臭気であるため、特に特殊グラビアイン
キおよびフレキソインキとして好適である。該インキの
適用対象としては、ポリエステルフィルム、ナイロンフ
ィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィル
ム、ポリ塩化ビニルフィルム、セロファンフィルムなど
が挙げられる。
するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、以下において部は重量部、%は重量%を示す。
量4,000のポリ(3−メチルペンタンアジペート)
ジオール〔クラポールP−4010;(株)クラレ製〕
772部、1,4−ブタンジオール19部、ジメチロー
ルプロピオン酸119部、IPDI290部およびアセ
トン800部を仕込み、撹拌下80℃で10時間反応さ
せ、NCO含量0.30%のNCO末端ポリウレタン樹
脂のアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液を30
℃に冷却して28%アンモニア水49部を加えた。次い
で水1765部を該アセトン溶液に加え、減圧下50〜
60℃でアセトンを除去し、固形分40.0%、粘度6
60cP/25℃のポリウレタン樹脂水溶液を得た。こ
の樹脂のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(G
PC)で測定した数平均分子量(以下同様)は15,0
00であった。
ンダーとして用いて、次の処方にて印刷インキを作成し
た。 水性ポリウレタン樹脂溶液 100部 顔料(ルチル型酸化チタン) 80部 イソプロパノール 30部 水 90部 セラミックボール 150部 上記の原料混合物を内容積500mlのスチール缶に入
れて、ペイントコンデイショナー(レッドデビル社製)
にて1時間混練し印刷インキ[1]を得た。
量2,000のポリネオペンチルアジペートジオール6
18部、1,4−ブタンジオール20部、ジメチロール
プロピオン酸102部、IPDI290部およびアセト
ン670部を仕込み、撹拌下80℃で10時間反応さ
せ、NCO含量0.20%のNCO基末端ポリウレタン
樹脂のアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液を3
0℃に冷却して28%アンモニア水42部を加えた。次
いで水1515部を該アセトン溶液に加え、減圧下50
〜60℃でアセトンを除去し、固形分40.0%、粘度
460cP/25℃のポリウレタン樹脂水溶液を得た。
この樹脂の数平均分子量は28,000であった。得ら
れた樹脂溶液をバインダーとして用いた以外は実施例1
と同様にして印刷インキ[2]を得た。
量2,000のポリ−ε−カプロラクトンジオール30
9部、数平均分子量2,000のポリネオペンチルアジ
ペートジオール309部、分子量350のビスフェノー
ルAのプロピレンオキシド付加物78部、ジメチロール
プロピオン酸102部、IPDI290部およびアセト
ン720部を仕込み、撹拌下80℃で10時間反応さ
せ、NCO含量0.40%のNCO基末端ポリウレタン
樹脂のアセトン溶液を得た。得られたアセトン溶液を3
0℃に冷却して28%アンモニア水42部を加えた。次
いで水1584部を該アセトン溶液に加え、減圧下50
〜60℃でアセトンを除去し、固形分40.0%、粘度
410cP/25℃のポリウレタン樹脂水溶液を得た。
この樹脂の数平均分子量は13,000であった。得ら
れた樹脂溶液をバインダーとして用いた以外は実施例1
と同様にして印刷インキ[3]を得た。
ナコールEX−521」(ナガセ化成製、水溶性ポリエ
ポキシ化合物)6部を添加し、印刷インキ[4]を得
た。
量2,000のポリブチレンアジペートジオール618
部、ジメチロールプロピオン酸102部、IPDI29
0部およびアセトン672部を仕込み、撹拌下80℃で
10時間反応させ、NCO含量1.50%のNCO基末
端ポリウレタン樹脂のアセトン溶液を得た。得られたア
セトン溶液を30℃に冷却してトリエチルアミン70部
を加えた。次いで水1692部にエチレンジアミン12
0部を加えた溶液を該アセトン溶液に加え、減圧下50
〜60℃でアセトンを除去し、固形分40.0%、粘度
5,000cP/25℃のポリウレタン樹脂水溶液を得
た。この樹脂は分子末端が封止されていないため伸長反
応により高分子量化し、テトラハイドロフランに不溶と
なり、分子量の測定が出来なかった。得られた樹脂溶液
をバインダーとして用いた以外は実施例1と同様にして
印刷インキ[5]を得た。
量2,000のポリプロピレングリコール618部、
1,4−ブタンジオール27部、ジメチロールプロピオ
ン酸102部、IPDI290部およびアセトン690
部を仕込み、撹拌下80℃で20時間反応させ、NCO
含量0.02%のポリウレタン樹脂のアセトン溶液を得
た。得られたアセトン溶液を30℃に冷却して28%ア
ンモニア水42部を加えた。次いで水1523部を該ア
セトン溶液に加え、減圧下50〜60℃でアセトンを除
去し、固形分40.0%、粘度2,000cP/25℃
のポリウレタン樹脂水溶液を得た。この樹脂の分子量は
250,000であった。得られた樹脂溶液をバインダ
ーとして用いた以外は実施例1と同様にして印刷インキ
[6]を得た。
[1]〜[6]を各々使用し、下記性能試験を行った。
その結果を表1に示す。 <性能試験項目と試験方法> (1)再溶解性 ガラス板に水性印刷インキを固形分で2〜3μmの厚み
になるようにバーコーターで塗布し、室温で2分間放置
しインキ表面を半乾きにした後、使用した水性印刷イン
キを垂らしてガラス棒で混ぜ合わせ、インキ塗膜の溶解
性を観察した。 評価基準 ○:半乾きした塗膜が再溶解する。 ×:半乾きした塗膜が溶解せず残る。 (2)接着性 表面処理ポリプロピレンフィルム(OPP)および表面
処理ポリエステルフィルム(PET)に水性印刷インキ
を固形分で2〜3μmの厚みになるようにバーコーター
で塗布し、60℃で1分間乾燥後、塗布面にセロテープ
(ニチバン製、12mm巾)を貼り、このセロテープの
一端をを塗面に対して、直角方向に急速に引き剥がした
ときの塗布面状態を観察した。 評価基準 ○:インキが80%以上残る △:インキが80〜50%残る ×:インキの残りが50%未満 (3)耐水性試験 接着性試験と同じ方法で得た塗布試験片(PETに塗
布)を25℃の水中に24時間浸漬した後、塗布面にセ
ロテープを貼り、このセロテープの一端をを塗面に対し
て、直角方向に急速に引き剥がしたときの塗布面状態を
観察した。 評価基準 ○:インキが80%以上残る △:インキが80〜50%残る ×:インキの残りが50%未満 (4)耐油性 接着性試験と同じ方法で得た塗布試験片(PETに塗
布)を25℃の菜種油中に24時間浸漬した後、塗布面
状態を観察した。 評価基準 ○:変化なし ×:艶びけあり (5)臭気 接着性試験と同じ方法で得た塗布試験片(PETに塗
布)を500mlの三角フラスコに封入しゴム栓にて密
封し、60℃の恒温器中で24時間静置後、ゴム栓を開
封し、アミン臭気の有無を検査した。 評価基準 ○:臭気なし ×:臭気あり
は、従来のポリウレタン樹脂系水性印刷インキ用バイン
ダーの問題であったインキの再溶解性、耐油性を向上さ
せ、かつ低臭気性であるので、特に包装材等に用いられ
るプラスチックフィルム用の水性印刷インキ用バインダ
ーとして極めて有用である。また、本発明のバインダー
は、各種基材に対する接着性に優れ、しかも低臭気であ
ることから、上記用途としてだけではなく、塗料用バイ
ンダー、接着剤、紙用のコーテング剤等としても有用で
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 有機ポリイソシアネート(a)、ポリエ
ステルポリオール(b)、分子内にアニオン性基と少な
くとも2個の活性水素含有基とを有する化合物(c)お
よび必要により鎖伸長剤(d)から誘導される分子末端
にイソシアネート基を含有するポリウレタン樹脂(A)
を、アンモニアで末端封止するとともに該アニオン性基
を中和し、水性媒体中に溶解させてなる水性ポリウレタ
ン樹脂からなることを特徴とする水性印刷インキ用バイ
ンダー。 - 【請求項2】 (c)のアニオン性基がカルボキシル基
である請求項1記載の水性印刷インキ用バインダー。 - 【請求項3】 カルボキシル基の含量が、ポリウレタン
樹脂(A)の重量に基づき1.0〜7.0重量%である
請求項2記載の水性印刷インキ用バインダー。 - 【請求項4】 (A)のイソシアネート基濃度が0.1
〜1.5重量%である請求項1〜3いずれか記載の水性
印刷インキ用バインダー。 - 【請求項5】 プラスチックフィルム用印刷インキに用
いられる請求項1〜4いずれか記載の水性印刷インキ用
バインダー。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP12250396A JP3706198B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | 水性印刷インキ用バインダ− |
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---|---|---|---|
JP12250396A JP3706198B2 (ja) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | 水性印刷インキ用バインダ− |
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---|---|
JPH09286945A true JPH09286945A (ja) | 1997-11-04 |
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1996
- 1996-04-19 JP JP12250396A patent/JP3706198B2/ja not_active Expired - Fee Related
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