JPH09286658A - セラミックス球状中空体の製造方法およびセラミックス球状中空体を構成要素とするセラミックスパネルの製造方法 - Google Patents

セラミックス球状中空体の製造方法およびセラミックス球状中空体を構成要素とするセラミックスパネルの製造方法

Info

Publication number
JPH09286658A
JPH09286658A JP13104596A JP13104596A JPH09286658A JP H09286658 A JPH09286658 A JP H09286658A JP 13104596 A JP13104596 A JP 13104596A JP 13104596 A JP13104596 A JP 13104596A JP H09286658 A JPH09286658 A JP H09286658A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
hollow body
panel
spherical hollow
spherical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP13104596A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Fukunaga
昭夫 福永
Hisao Abe
久雄 阿部
Kazuo Kobayashi
和夫 小林
Yasuo Uchiyama
休男 内山
Hideaki Sano
秀明 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nagasaki Prefectural Government
Original Assignee
Nagasaki Prefectural Government
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nagasaki Prefectural Government filed Critical Nagasaki Prefectural Government
Priority to JP13104596A priority Critical patent/JPH09286658A/ja
Publication of JPH09286658A publication Critical patent/JPH09286658A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Porous Artificial Stone Or Porous Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 セラミックス球状中空体を構成要素とするセ
ラミックスパネルの製作する際に、マトリックス部の乾
燥に伴って発生する亀裂を防止するために、そのマトリ
ックス部の乾燥収縮率を著しく小さくする。 【解決手段】 練土状態にあるセラミックスのはい土を
成形型1,2により半球状に成形した後、同様に成形し
た半球成形体3と赤道部において接合し、これを乾燥あ
るいは焼成してセラミックス球状中空体5となし、これ
をパネル成形用の型に配置した後、マトリックス部6と
なるセラミックス粉粒体を泥しょう状態または乾燥状態
でパネル成形型内のセラミックス球状中空体5の周囲に
着肉または充填して、該中空体5を構成要素とするセラ
ミックスパネル成形体を作り、さらに所定温度で焼成し
てセラミックス球状中空体5を含有するセラミックスパ
ネル7を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として耐熱性の
建材及び構成材に用いるセラミックスパネルの製造方法
に係り、特に、セラミックスパネルに含有させるセラミ
ックス球状中空体の製造方法およびセラミックス球状中
空体を構成要素とするセラミックスパネルの製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、無機系の球状中空体としてはガラ
スバルーンおよびアルミナやジルコニアのバブルが市販
されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ガラスバルーンは微小
粒子の発泡によって作られるため、100μmあるいは
それ以下の大きさのものしかなく、数mmを越えるような
大きさのものはなかった。またアルミナバブル、ジルコ
ニアバブルは5〜10mmのものがあるが、これらは溶融
物を吹き飛ばして作られるため、構造的に脆弱で大きな
圧縮荷重に耐えることができない。また球状中空体の中
空部の容積や球殻の厚みは、上記製造法によって制約を
受けるため、任意の容積及び厚みを予め設計することは
不可能であった。また球状中空体の大きさには分布があ
り、しかもその真球の度合いにも球状中空体毎に大きな
ばらつきが伴う。さらにこのような球状中空体を建材、
構造材であるセラミックスパネルの骨材として使用しよ
うとすると、軽量化には効果があるものの、その機械的
強度が弱いために全体の構造物の強度を低下させること
になる。
【0004】さらにこのセラミックス球状中空体を構成
要素とするセラミックスパネルの製作する際に、マトリ
ックス部はセラミックス球状中空体に比べてその乾燥収
縮率が大きいために、乾燥に伴ってセラミックス球状中
空体との間で亀裂を生じ易かった。
【0005】本発明はこのような点を解決するためにな
されたもので、任意に設定された球殻の厚みをもち、均
一な大きさで、真球に近いセラミックス中空球を作成す
ることを目的とする。またその構造を基本的に緻密なも
のとすることにより、セラミックス本来の強度をもた
せ、また構造体の骨材として機能するような大きさにす
ることによって、全体の構造物の強度を低下させずに軽
量化することを目的とする。さらにこのセラミックス球
状中空体を構成要素とするセラミックスパネルの製作す
る際に、マトリックス部の乾燥に伴って発生する亀裂を
防止するために、そのマトリックス部の乾燥収縮率を著
しく小さくすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1のセラミックス球状中空体の製造方法に
係る発明は、練土状態にあるセラミックスのはい土を成
形型により半球状に成形した後、同様に成形した半球成
形体と赤道部において接合し、これを乾燥又は焼成して
製造する手段よりなるものである。
【0007】ここで、好ましい態様として、セラミック
ス球状中空体のはい土にセルロース粉末及びカーボン繊
維を混在させることにより、焼成後に該中空体の球殻に
微少な気孔を形成させるのがよい。
【0008】また、請求項3のセラミックス球状中空体
を構成要素とするセラミックスパネルの製造方法に係る
発明は、練土状態にあるセラミックスのはい土を成形型
により半球状に成形した後、同様に成形した半球成形体
と赤道部において接合し、これを乾燥あるいは焼成して
セラミックス球状中空体となし、これをパネル成形用の
型に配置した後、マトリックス部となるセラミックス粉
粒体を泥しょう状態または乾燥状態でパネル成形型内の
セラミックス球状中空体の周囲に着肉または充填して、
該中空体を構成要素とするセラミックスパネル成形体を
作り、さらに所定温度で焼成してセラミックス球状中空
体を含有するセラミックスパネルを製造する手段よりな
るものである。
【0009】ここで、セラミックスパネルのマトリック
ス部に用いるセラミックスの原料粒子に粒径1〜2mmの
粗粒子を嵩容積で10〜25vol %添加し、パネル全体
の乾燥線収縮率を2%以下にすることにより、乾燥およ
び焼成時の亀裂を防止するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面に記載の発明の実施の
形態に基づいて、この発明をより具体的に説明する。こ
こで、図1はセラミックス球状中空体の成形に用いる成
形型の断面構造の模式図、図2は成形した半球状成形体
を赤道部で接着し球状中空体にしたことを示す模式図、
図3(A)(B)はセラミックス球状中空体を構成要素
とするセラミックスパネルの2層までの内部構造を示す
平面図及び側面図である。
【0011】本発明においては球状中空体を作成するに
際しては、原料のセラミックス原料の練土を所定量秤り
とり、これを表面が半球状の凹型成形下型1に載せ、次
に凹型成形下型1と対応する表面が半球状の凸型成形上
型2で上から押さえることにより半球状成形体3を得
る。さらに同様に成形した半球状成形体3と赤道部分の
接着部4で接着し球状の中空成形体とし、また場合によ
ってはこれを所定の温度で加熱して、セラミックスの球
状中空体5を得る。このようにして得られたセラミック
ス球状中空体5をセラミックスパネル成形型に充填し、
マトリックス部6となる粉粒体をセラミックス球状中空
体5の周囲に充填した後、充分に乾燥し所定温度で焼成
してセラミックスパネル7となす。上記のセラミックス
球状中空体5の成形に当たり、所定の厚みとはおよそ1
〜5mmの厚みであり、セラミックス球状中空体5の所望
の内容積および強度に応じて決められる。セラミックス
球状成形体5の成形に用いる型1,2の材質は、石膏
型、金属型が用いられるが、必要に応じて樹脂型を用い
ることもできる。半球状成形体3の接着に当たってはセ
ラミックス球状中空体5の作成に用いたものと同じ原料
の泥しょうを用いる。セラミックス球状中空体5の成形
品を焼成する際の所定温度とは、セラミックスの原料粒
子が基本的に焼結・緻密化する温度である。すなわち、
本法において原料粒子は基本的には焼結・緻密化する
が、セラミックス球状中空体5の球表面を微小な気孔が
存在する多孔質組織とするために、セルロースやカーボ
ン繊維のごとき焼成時に燃焼によって消失し気孔を形成
するような、いわゆる気孔形成材を添加した後において
は、焼成温度は気孔以外の部分が緻密に焼結するような
温度を意味する。セラミックス球状中空体5をセラミッ
クスパネル成形型に充填する際には、マトリックス材料
の乾燥および焼成時の収縮率を配慮して、予め、一定の
隙間をおいて充填することもある。マトリックス部6と
なるセラミックスは、セラミックスパネル成形型内で充
填・乾燥した後の乾燥収縮を最小にとどめるために、粒
径1〜2mmの素粒子が10〜25vol %添加されてい
る。
【0012】本発明によるセラミックス球状中空体5
は、成形型1,2によって製作されるため、大きさがい
ずれもほぼ同一となる。また、中空球成形時の凹型成形
下型1および凸型成形上型2の隙間を変えることによっ
て球状中空体の球殻の厚みを制御することが可能とな
り、それにともなって中空部の容積も制御することがで
きる。このようにして目的とする球状中空体の製作が可
能になる。このセラミックス球状中空体5は基本的には
緻密に焼成され、欠陥も少なく、比較的強い機械的強度
が得られる。この中空球を多孔質にする目的で原料はい
土にセルロースや炭素繊維を添加すると、焼成後の中空
球表面には微小な気孔が生成するが、気孔以外の組織は
基本的に緻密になるために、その機械的強度は本質的に
は強い強度に保たれる。セラミックスパネル成形時には
その組織のマトリックス部6に1〜2mmの粗粒子が添加
される。この粗粒子はマトリックス組織中の骨材粒子と
して充填構造を作り、マトリックス部6の乾燥収縮を最
小に抑制する。この方法によりマトリックス部6の乾燥
収縮は2%以下に抑えられ、したがってセラミックス球
状中空体5とマトリックス部6の乾燥収縮の違いから、
セラミックスパネル7に亀裂などの欠陥が生じることは
ない。
【0013】
【実施例1】火山噴出物の粉体40mass%に木節粘土1
0mass%と水50mass%を混合し、トロンミルで24時
間粉砕・混合した。この配合原料を50メッシュの篩を
通して粗粒子を除去したのちフィルタープレスで脱水
し、さらに真空土練機で混練して成形用の練土とした。
この練土の所定量(25g)を図1に示す金型(凹型内
部の直径16mm、凸型の直径12mm)にとり、上下方向
から押さえて半球状に成形した。離型剤には灯油を適量
用いた。同様に成形したもう一つの半球状成形品と図2
に示すように赤道部において接着した。接着は半球状成
形体の成形に用いた練土を、予め水分31mass%、ポリ
アクリル系分散材を1mass%添加して調製した泥しょう
を用い、これをそれぞれの赤道部に塗布してこれらをあ
わることで行った。このようにして作成した球状中空体
を室温で収縮のなくなるまで乾燥した後、105℃の乾
燥器にいれ充分に乾燥した。この球状中空体の成形体を
900℃で1h焼成し、素焼きのセラミックス球状中空
体を得た。
【0014】
【実施例2】木節粘土を配合して作成した上記の混合は
い土の乾燥物に、1〜2mmの火山噴出物粗粒子を10、
20、30および40mass%加えた粗粒子配合はい土を
作成した。これに水26mass%、ポリリン酸系の分散剤
を0.4mass%、ポリアクリル酸系のバインダーを3ma
ss%添加して、粗粒子配合はい土の泥しょうを調製し、
これを縦150mm、横100mm、深さ40mmの内寸法の
石膏型に注ぎ着肉させた。離型剤にはタルクを用いた。
得られた成形体を1100℃で焼成し焼成体を得た。グ
リーン成形体および焼成体について乾燥収縮および焼成
収縮を求めた。その結果、粗粒子の添加量が無添加、1
0、20、30mass%と増加するのにともなって、乾燥
収縮率は5.8、4.9、2.0、1.4%に、また焼
成収縮率は7.2、6.2、3.1、1.7%にそれぞ
れ大幅に減少した。40mass%添加した試料では乾燥時
において試料のほぼ全面に亀裂が生じた。これは添加し
た粗粒子が多すぎるために、粗粒子とそれ以外の泥しょ
う成分との間に収縮率の差が生じた結果である。また素
地全体の収縮も小さく、離型性が著しく損なわれた。粗
粒添加量40mass%以外の試料では成形体、焼成体いず
れも亀裂は観察されなかった。なお、粗粒添加量10、
20、30、40mass%はそれぞれ6、13、20、2
9vol %に相当する。
【0015】
【実施例3】実施例1に記載の方法で作成したセラミッ
クス球状中空体を離型材(生タルク)を塗布した石膏型
に1mmの間隔をおいて並べ、セラミックス球状中空体が
埋まってしまうまで、実施例2に記載の粗粒子添加量1
0、20および30mass%のセラミックス泥しょうをそ
れぞれ注いだ。セラミックス球状成形体と泥しょうの添
加の操作を3回繰り返し、泥しょうを型および球状成形
体に着肉させて、3層のセラミックス球状成形体が充填
されたパネルグリーン体を作成した。なお、軽量化の効
果を見るために球状成形体を含まないパネルグリーン体
も併せて作成した。このパネルグリーン体のうち粗粒子
添加量10mass%のものは、球状中空体と泥しょうが固
化してできるマトリックス部の収縮率が合わないため
に、脱型後において試料に亀裂が生じていた。次に粗粒
子添加量20、30mass%の試料を大気中、1100
℃、1hで焼成しパネル焼成体を得た。これらの焼成体
には亀裂は認められず、健全な状態であった。粗粒子添
加量が20mass%のパネル焼成試料から13mm×13mm
×100mmの寸法の角柱を切り出して、その曲げ強さを
測定したところ24.5MPaの値が得られた。これは
球状成形体を加えずに同様に作製したパネルにおいて求
められた27.4MPaに比べて約10.6%の強度低
下である。一方、試料の密度は球状成形体を含む場合が
1.92で、含まないときの2.53に比べて24.1
%の軽量化が生じている。このように本法によるセラミ
ックスパネルは、そのマトリックス部の収縮率を減少さ
せることによって、球状中空体を加えた状態でも焼成後
に亀裂を生じることなく、また強度の著しい低下を招く
ことなく軽量化を実現することができる。
【0016】
【実施例4】実施例1に記載の方法で調製した原料はい
土に、トロンミルよりとりだした懸濁液の段階で、結晶
性のセルロースおよび炭素繊維(PAN系繊維)を1
0、20、30mass%の割合(原料の乾燥重量に対し内
割り)でそれぞれ添加した。ここに結晶性セルロースお
よび炭素繊維は焼成時に焼成によって失われ、そのあと
に気孔を生じさせる目的で添加している。上記懸濁液を
小型のフィルタープレスを用いて脱水した後、卓上型の
ニーダー装置によって混練し、成形用のはい土を作成し
た。これを実施例1と同様な方法で石膏型(図1と同じ
構造)を用いて成形した後、赤道部で接着した。これを
よく乾燥した後900℃で焼成した。これらの球状中空
体をさらに1100℃で焼成し、得られた焼成体の破面
の組織を電子顕微鏡で観察した。その結果、いずれの気
孔形成材を用いた場合でも、気孔形成材の添加量の増加
にともなって、形成される気孔の量は増加した。気孔の
大きさはいずれの場合でも10μm以下であった。密度
測定から求めた開気孔率は添加量10、20、30mass
%に対し、結晶性セルロース添加のときそれぞれ5、1
7、25%であった。また炭素繊維添加の場合には、
6、18、27%であった。
【0017】
【実施例5】実施例4で成形し900℃で焼成した球状
中空体(結晶性セルロース30mass%のもの)を、前出
(実施例2)のパネル成形用の石膏型に充填した後、火
山噴出物の1〜2mmの粗粒子70mass%に水を30mass
%、ポリアクリル酸系のバインダーを外割りで5mass%
加えて予め調製した泥しょうを注ぎ、これを石膏型およ
び球状中空体によって脱水させて、粗粒のマトリックス
を上記の多孔質な球状中空体の周辺に充填した。離型
後、105℃で乾燥し1100℃で1h焼成して、セラ
ミックスパネルを作成した。このセラミックスパネルは
実施例4で述べたように多孔質な球状中空体を含有して
いるが、球状中空体の周囲にあるマトリックス部分もさ
らに大きな気孔を有する多孔質体である。光学顕微鏡で
観察すると、その気孔径はおよそ100〜500μmで
あった。
【0018】
【実施例6】平均粒径0.7μmのアルミナ粉体にコロ
イダルグレードのセルロース粉を5mass%添加し、これ
に水を25mass%加えプラネタリミキサで混練して成形
用のはい土を作成した。このはい土を用いて実施例1と
同様の方法で球状中空体を成形した。これを充分に乾燥
した後1100℃で焼成し素焼き状態の球状中空体を作
成した。次に平均粒径0.7μmの上記アルミナ粉体8
0mass%に、粒径1〜2mmの焼結アルミナを20mass%
添加して、乾式で予めよく混合した。この混合粉体に内
割りで水30mass%、ポリアクリル酸系分散剤を1mass
%を加えて、プラネタリミキサで混合し粗粒配合のアル
ミナ泥しょうを調製した。上記の球状中空体およびアル
ミナ泥しょうを、実施例3と同様に操作してセラミック
スパネルの成形体を作成した。これを1600℃で1h
焼成しセラミックスパネルの焼成体とした。成形体、焼
成体いずれも大きな亀裂の発生は認められず、健全な状
態であった。
【0019】
【実施例7】平均粒径約10μmの市販の陶土(水分2
4mass%)を実施例1と同様の方法で球状中空体に加工
した。これを1000℃で1h焼成し素焼きの球状中空
体とした。次に同じ陶土に水および水ガラス0.3mass
%を加えて水分31mass%の陶土の泥しょうを作成し、
これに陶磁器のセルベン(焼成体の破砕片、1〜2mm)
を陶土に対して内割りで30mass%添加し、更に少量の
水を加えて水分31mass%の粗粒子配合の陶土泥しょう
を調製した。上記の陶土の球状中空体および粗粒子添加
の陶土泥しょうを用いて、実施例3と同様に操作しセラ
ミックスパネル成形体を得た。これを900℃で1h焼
成し素焼き状態とした後、ガス窯により1300℃で1
h焼成しセラミックスパネル焼成体とした。成形体およ
び焼成体いずれにも大きな亀裂は認められず、健全なセ
ラミックスパネルが得られた。
【0020】なお、この発明は上記発明の実施の形態に
限定されるものではなく、この発明の精神を逸脱しない
範囲で種々の改変をなし得ることは勿論である。
【0021】
【発明の効果】本発明は、上記のような方法によるため
に次のような効果を有している。請求項1の発明に係る
セラミックス球状中空体の製造方法によれば、セラミッ
クス中空球は成形型によって製作されるため、大きさが
いずれもほぼ同一である。したがって、セラミックスパ
ネルの組織内における充填構造を予め正確に設計するこ
とができる。セラミックス球状中空体の球殻の厚みは、
中空球成形時の練土の厚みを変えることによって調整す
ることができる。すなわち、中空球の中空部の容積と強
度を必要に応じて制御することができる。上記のよう
に、セラミックス球状多孔体の大きさ、厚みをほぼ同一
に製作することができるため、製品の歩留りの向上に貢
献する事ができる。
【0022】また、請求項2の構成の場合には、 セラ
ミックス球状中空体はその焼成時に燃焼によって消失す
る気孔形成材を用いることにより、多孔質体とすること
ができ、これは徐放性の吸収体や調湿材等へ利用するこ
とができる。
【0023】また、請求項3の発明に係るセラミックス
球状中空体を構成要素とするセラミックスパネルの製造
方法によれば、セラミックス球状中空体は既述のように
基本的には緻密に焼成されるため、発泡や吹き飛ばしに
よる方法から得られる中空球と比較して強い強度が得ら
れる。したがってセラミックスパネルの強度を損なわず
に軽量化することに貢献している。
【0024】また、請求項4の構成の場合には、セラミ
ックスパネル成形時にはその組織のマトリックス部に1
〜2mmの骨材粒子が添加されているために、乾燥収縮は
2%以下に抑えることができる。そのため乾燥時の収縮
に伴う亀裂の発生を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示すセラミックス球状
中空体の成形に用いる成形型の断面構造の模式図であ
る。
【図2】この発明の実施の形態を示す成形した半球状成
形体を赤道部で接着し球状中空体にしたことを示す模式
図である。
【図3】(A)はこの発明の実施の形態を示すセラミッ
クス球状中空体を構成要素とするセラミックスパネルの
2層までの内部構造を示す平面図である。(B)はこの
発明の実施の形態を示すセラミックス球状中空体を構成
要素とするセラミックスパネルの2層までの内部構造を
示す側面図である。
【符号の説明】
1 半球状の凹型成形下型 2 半球状の凸型成形上型 3 半球状成形体 4 接着部 5 セラミックス球状中空体 6 マトリックス部 7 セラミックスパネル
フロントページの続き (72)発明者 内山 休男 長崎県長崎市文教町1番14号 長崎大学工 学部内 (72)発明者 佐野 秀明 長崎県長崎市文教町1番14号 長崎大学工 学部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 練土状態にあるセラミックスのはい土を
    成形型により半球状に成形した後、同様に成形した半球
    成形体と赤道部において接合し、これを乾燥又は焼成し
    て製造することを特徴とするセラミックス球状中空体の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 セラミックス球状中空体のはい土にセル
    ロース粉末及びカーボン繊維を混在させることにより、
    焼成後に該中空体の球殻に微少な気孔を形成させること
    を特徴とする請求項1記載のセラミックス球状中空体の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 練土状態にあるセラミックスのはい土を
    成形型により半球状に成形した後、同様に成形した半球
    成形体と赤道部において接合し、これを乾燥あるいは焼
    成してセラミックス球状中空体となし、これをパネル成
    形用の型に配置した後、マトリックス部となるセラミッ
    クス粉粒体を泥しょう状態または乾燥状態でパネル成形
    型内のセラミックス球状中空体の周囲に着肉または充填
    して、該中空体を構成要素とするセラミックスパネル成
    形体を作り、さらに所定温度で焼成してセラミックス球
    状中空体を含有するセラミックスパネルを製造すること
    を特徴とするセラミックス球状中空体を構成要素とする
    セラミックスパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】 セラミックスパネルのマトリックス部に
    用いるセラミックスの原料粒子に粒径1〜2mmの粗粒子
    を嵩容積で10〜25vol %添加し、パネル全体の乾燥
    線収縮率を2%以下にすることにより、乾燥および焼成
    時の亀裂を防止したことを特徴とする請求項3記載のセ
    ラミックス球状中空体を構成要素とするセラミックスパ
    ネルの製造方法。
JP13104596A 1996-04-25 1996-04-25 セラミックス球状中空体の製造方法およびセラミックス球状中空体を構成要素とするセラミックスパネルの製造方法 Withdrawn JPH09286658A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13104596A JPH09286658A (ja) 1996-04-25 1996-04-25 セラミックス球状中空体の製造方法およびセラミックス球状中空体を構成要素とするセラミックスパネルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13104596A JPH09286658A (ja) 1996-04-25 1996-04-25 セラミックス球状中空体の製造方法およびセラミックス球状中空体を構成要素とするセラミックスパネルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09286658A true JPH09286658A (ja) 1997-11-04

Family

ID=15048734

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13104596A Withdrawn JPH09286658A (ja) 1996-04-25 1996-04-25 セラミックス球状中空体の製造方法およびセラミックス球状中空体を構成要素とするセラミックスパネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09286658A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100512941B1 (ko) * 2002-07-10 2005-09-07 김묘연 불연 및 경량성 내장판넬의 제조방법
JP2011038751A (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 Ngk Insulators Ltd 蓄熱体の製造方法
KR101483285B1 (ko) * 2013-04-02 2015-01-15 주식회사 유니셀네트워크 화산부산물을 이용한 구상 소성체 및 그 제조방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100512941B1 (ko) * 2002-07-10 2005-09-07 김묘연 불연 및 경량성 내장판넬의 제조방법
JP2011038751A (ja) * 2009-08-18 2011-02-24 Ngk Insulators Ltd 蓄熱体の製造方法
KR101483285B1 (ko) * 2013-04-02 2015-01-15 주식회사 유니셀네트워크 화산부산물을 이용한 구상 소성체 및 그 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US2553759A (en) Method for making refractory bodies and product thereof
US6582651B1 (en) Metallic articles formed by reduction of nonmetallic articles and method of producing metallic articles
US6235665B1 (en) Porous ceramic articles
US3258349A (en) Light porous refractory brick and method
CN103922768A (zh) 一种功能复合型氧化锆耐火制品及其制备方法
CA2312247C (en) Ceramic membrane
US3360595A (en) Process for producing fused ceramic blocks
US4664858A (en) Manufacturing method of a ceramics body having through holes
US3199992A (en) Ceramic building units
JPH09286658A (ja) セラミックス球状中空体の製造方法およびセラミックス球状中空体を構成要素とするセラミックスパネルの製造方法
CN101530701B (zh) 碳化硅烛状过滤器的制备方法
US3389001A (en) Glass bonded ceramic ware pressing mold and method of making same
JP4967111B2 (ja) アルミナ基多孔質セラミックス及びその製造方法
JPH11236279A (ja) 多孔質セラミックス焼結体およびその製造方法
JP4437198B2 (ja) 砕石スラッジ等を用いた発泡体の製造方法及び発泡体
Debbakh et al. Development and characterization of cellular ceramic bricks using Algerian kaolin.
JP2006327908A (ja) 陶磁器および陶磁器用坏土
JP3816376B2 (ja) 軽量多孔質焼結体の製造方法
JPH0725683A (ja) 微細空隙を有する陶磁器およびその製造方法
US1702076A (en) Light-weight ceramic material and process of making the same
JPH03150276A (ja) セラミックス多層体及びその製造方法
JPH0971482A (ja) 多孔質セラミックス成形用スラリ−、及びそれを用いた多孔質セラミックスの製造方法
JPS63210079A (ja) セラミツク多孔体の製造方法
JP2000001379A (ja) 断熱性軽量化磁器の製造方法
JP2608473B2 (ja) 軽量セラミックタイルとその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20030701