JPH09286210A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤInfo
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- JPH09286210A JPH09286210A JP9011311A JP1131197A JPH09286210A JP H09286210 A JPH09286210 A JP H09286210A JP 9011311 A JP9011311 A JP 9011311A JP 1131197 A JP1131197 A JP 1131197A JP H09286210 A JPH09286210 A JP H09286210A
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- Japan
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- bead core
- tire
- cord
- aramid
- bead
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- Tires In General (AREA)
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 アラミドコードかなるビードコアを備えたタ
イヤにおいて、簡単な構成でタイヤの破壊圧を高める。 【解決手段】 ビード部12にビードコア14を埋設
し、このビードコア14の外周面にゴム製の帯材16を
貼着するとともに、タイヤファブリックで構成された複
数枚のカーカスプライ18をビードコア14を支点とし
て巻き上げることによりタイヤ10を構成した。ビード
コア14は、アラミドコード24の表面にゴム被覆層2
6を形成した1本のコード22を環状に巻回することに
より構成するとともに、ビードコア14の断面において
アラミドコード24が占める割合が50%以上、望まし
くは60%以上となるようにビードコア14を構成し
た。
イヤにおいて、簡単な構成でタイヤの破壊圧を高める。 【解決手段】 ビード部12にビードコア14を埋設
し、このビードコア14の外周面にゴム製の帯材16を
貼着するとともに、タイヤファブリックで構成された複
数枚のカーカスプライ18をビードコア14を支点とし
て巻き上げることによりタイヤ10を構成した。ビード
コア14は、アラミドコード24の表面にゴム被覆層2
6を形成した1本のコード22を環状に巻回することに
より構成するとともに、ビードコア14の断面において
アラミドコード24が占める割合が50%以上、望まし
くは60%以上となるようにビードコア14を構成し
た。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アラミドコード
(アラミド繊維からなるコード)からなるビードコアを
備えた空気入りタイヤに関するものである。
(アラミド繊維からなるコード)からなるビードコアを
備えた空気入りタイヤに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ホイールリムへの装着部分と
なるタイヤのビード部には、ホイールリムとの嵌合を確
実に行い、また内部空気圧を保持する等の目的から、ビ
ードコアと称する環状の部材が埋設されている。
なるタイヤのビード部には、ホイールリムとの嵌合を確
実に行い、また内部空気圧を保持する等の目的から、ビ
ードコアと称する環状の部材が埋設されている。
【0003】ビードコアの構造は種々提案されている
が、一般には、1本のコードをコイル状に巻回して束ね
たり、あるいは予め環状に形成したコードを複数本束ね
ることにより構成されている。
が、一般には、1本のコードをコイル状に巻回して束ね
たり、あるいは予め環状に形成したコードを複数本束ね
ることにより構成されている。
【0004】コードとしては、従来から強度的に有利で
取扱い易いスチールコードが適用されてきたが、近年で
は、車両の燃費向上を目的としたタイヤ軽量化の要請か
ら、スチールコードに代え、スチールコードとほぼ等し
い強度を有し、しかも比重がスチールコードに比べて小
さいアラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)からなるコ
ード(アラミドコードという)が適用されるようになっ
ている。
取扱い易いスチールコードが適用されてきたが、近年で
は、車両の燃費向上を目的としたタイヤ軽量化の要請か
ら、スチールコードに代え、スチールコードとほぼ等し
い強度を有し、しかも比重がスチールコードに比べて小
さいアラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)からなるコ
ード(アラミドコードという)が適用されるようになっ
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アラミドコー
ドからなるビードコアを用いた場合には、タイヤの軽量
化の点では有利であるが、ビードコアを構成する内周側
のコードに応力が集中し易く、そのためタイヤの破壊圧
を高くすることが難しいという問題がある。
ドからなるビードコアを用いた場合には、タイヤの軽量
化の点では有利であるが、ビードコアを構成する内周側
のコードに応力が集中し易く、そのためタイヤの破壊圧
を高くすることが難しいという問題がある。
【0006】すなわち、アラミドコードはスチールコー
ドに比べ柔軟で伸度が高いため、衝撃荷重等によりビー
ドコアに巻き上げられたカーカスが引っ張られると、ビ
ードコアの内周側のコードは拡張するものの、外周側の
コードは内周側のコードの隙間、つまりタイヤ幅方向に
並べられたコードの間に逃げ込む等する。そのため、ビ
ードコア全体としての抗力が瞬時に発揮されずに内周側
のコードに一時的に応力が集中し、その結果、ビードコ
アの破断等を招くことになる。
ドに比べ柔軟で伸度が高いため、衝撃荷重等によりビー
ドコアに巻き上げられたカーカスが引っ張られると、ビ
ードコアの内周側のコードは拡張するものの、外周側の
コードは内周側のコードの隙間、つまりタイヤ幅方向に
並べられたコードの間に逃げ込む等する。そのため、ビ
ードコア全体としての抗力が瞬時に発揮されずに内周側
のコードに一時的に応力が集中し、その結果、ビードコ
アの破断等を招くことになる。
【0007】そこで、アラミドコードを樹脂でコーティ
ングして柔軟性を低下させることによりアラミドコード
の動きを抑え、これにより上述のような現象を抑制して
タイヤ破壊圧を高めることが考えられるが、この場合に
は、タイヤ製造において樹脂コーティングのための複雑
な工程が必要となったり、コスト高を招く等し、必ずし
も得策ではない。
ングして柔軟性を低下させることによりアラミドコード
の動きを抑え、これにより上述のような現象を抑制して
タイヤ破壊圧を高めることが考えられるが、この場合に
は、タイヤ製造において樹脂コーティングのための複雑
な工程が必要となったり、コスト高を招く等し、必ずし
も得策ではない。
【0008】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、アラミドコードからなるビードコアを
備えたタイヤにおいて、簡単な構成でタイヤの破壊圧を
高めることができる空気入りタイヤを提供することを目
的としている。
れたものであり、アラミドコードからなるビードコアを
備えたタイヤにおいて、簡単な構成でタイヤの破壊圧を
高めることができる空気入りタイヤを提供することを目
的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の空気入りタイヤ
は、タイヤ内周端部にビードコアが埋設されてなる空気
入りタイヤにおいて、上記ビードコアが、一乃至複数本
のアラミド繊維からなるコードがタイヤ軸方向及び径方
向に重ねて環状に巻回され、かつビードコア断面に占め
るコード総断面積の割合が50%以上に設定されてなる
ものである(請求項1)。
は、タイヤ内周端部にビードコアが埋設されてなる空気
入りタイヤにおいて、上記ビードコアが、一乃至複数本
のアラミド繊維からなるコードがタイヤ軸方向及び径方
向に重ねて環状に巻回され、かつビードコア断面に占め
るコード総断面積の割合が50%以上に設定されてなる
ものである(請求項1)。
【0010】この空気入りタイヤによれば、ビードコア
を構成するコードに樹脂コーティングを施すことなくコ
ードの動きを小さくしてビードコア全体としての抗力を
瞬時に発揮させることができる。そのため、簡単な構成
でタイヤ破壊圧を高めることが可能となる。
を構成するコードに樹脂コーティングを施すことなくコ
ードの動きを小さくしてビードコア全体としての抗力を
瞬時に発揮させることができる。そのため、簡単な構成
でタイヤ破壊圧を高めることが可能となる。
【0011】とくに、コードの撚り係数を0.6より小
さい値に設定するようにすれば(請求項2)、より効果
的にタイヤ破壊圧を高めることが可能となる。
さい値に設定するようにすれば(請求項2)、より効果
的にタイヤ破壊圧を高めることが可能となる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について図面
を用いて説明する。
を用いて説明する。
【0013】図1は、本発明に係る空気入りタイヤのビ
ード部の構造を概略的に示している。この図に示すよう
に、空気入りタイヤ10(以下、タイヤ10と略す)の
ビード部12には、ビードコア14が設けられ、このビ
ードコア14の外周面に、その全域にわたってビードエ
イペックスと称する断面三角形のゴム製の帯材16が貼
着されるとともに、タイヤファブリックで構成された一
乃至複数枚のカーカスプライ18が上記ビードコア14
を支点として巻き上げられている。そして、ホイールリ
ム20にタイヤ10が装着された図示の状態で、タイヤ
10がビードコア14によりホイールリム20に強固に
固定されている。
ード部の構造を概略的に示している。この図に示すよう
に、空気入りタイヤ10(以下、タイヤ10と略す)の
ビード部12には、ビードコア14が設けられ、このビ
ードコア14の外周面に、その全域にわたってビードエ
イペックスと称する断面三角形のゴム製の帯材16が貼
着されるとともに、タイヤファブリックで構成された一
乃至複数枚のカーカスプライ18が上記ビードコア14
を支点として巻き上げられている。そして、ホイールリ
ム20にタイヤ10が装着された図示の状態で、タイヤ
10がビードコア14によりホイールリム20に強固に
固定されている。
【0014】図2に示すように、上記ビードコア14
は、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)からなるコ
ード24(以下、アラミドコード24という)の表面に
ゴム被覆層26を形成した1本のコード22が環状に巻
回されることにより構成されている。具体的には、図1
の矢印に示すように、タイヤ軸方向内側(図1で左側)
から外側(図1で右側)に向かってコイル状に所定の巻
数(図示の例では5回)でコード22が巻回されること
により第1の巻層28aが形成され、続いてこの第1の
巻層28aの外周にタイヤ軸方向外側から内側に向かっ
て第1の巻層28aと同じ巻数でコード22が巻回され
ることにより第2の巻層28bが形成されている。そし
て、同様に同図の矢印に示すようにコード22が順次重
ねて巻回されることにより第1〜第4の巻層28a〜2
8dが形成され、これらが例えばテープ等によってまと
めて固定されることにより、1本のコード22から全体
で4層に巻重ねられた環状のビードコア14が構成され
ている。
は、アラミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)からなるコ
ード24(以下、アラミドコード24という)の表面に
ゴム被覆層26を形成した1本のコード22が環状に巻
回されることにより構成されている。具体的には、図1
の矢印に示すように、タイヤ軸方向内側(図1で左側)
から外側(図1で右側)に向かってコイル状に所定の巻
数(図示の例では5回)でコード22が巻回されること
により第1の巻層28aが形成され、続いてこの第1の
巻層28aの外周にタイヤ軸方向外側から内側に向かっ
て第1の巻層28aと同じ巻数でコード22が巻回され
ることにより第2の巻層28bが形成されている。そし
て、同様に同図の矢印に示すようにコード22が順次重
ねて巻回されることにより第1〜第4の巻層28a〜2
8dが形成され、これらが例えばテープ等によってまと
めて固定されることにより、1本のコード22から全体
で4層に巻重ねられた環状のビードコア14が構成され
ている。
【0015】上記アラミドコード24は、複数本のフィ
ラメントが束ねられて接着処理が施されることにより一
体化された構造となっている。接着処理は、束ねたたフ
ィラメントをエポキシ化合物、ブロックドイソシアネー
ト化合物、エチレン尿素化合物、メチロールメラミン化
合物あるいはトリアジン化合物などの処理液又はこれを
混合した処理液に浸漬等した後、さらにRFL(レゾル
シン/フォルマリン/ラテックス)で処理することによ
り行われている。なお、上記処理液による処理とRFL
処理とを一度に行うようにしても構わない。
ラメントが束ねられて接着処理が施されることにより一
体化された構造となっている。接着処理は、束ねたたフ
ィラメントをエポキシ化合物、ブロックドイソシアネー
ト化合物、エチレン尿素化合物、メチロールメラミン化
合物あるいはトリアジン化合物などの処理液又はこれを
混合した処理液に浸漬等した後、さらにRFL(レゾル
シン/フォルマリン/ラテックス)で処理することによ
り行われている。なお、上記処理液による処理とRFL
処理とを一度に行うようにしても構わない。
【0016】上記コード22のアラミドコード24の具
体的なデニールやゴム被覆層26の厚み等は、タイヤの
種類や用途により異なるが、ビードコア14の断面、す
なわち図2の一点鎖線に示すように外方のアラミドコー
ド24の表面を直線で囲んだ外接多角形の範囲内におい
て上記コード22のアラミドコード24が占める割合
(以下、充填率という)が50%以上、望ましくは60
%以上となるようにアラミドコード24のデニールやゴ
ム被覆層26の厚み等が設定されている。
体的なデニールやゴム被覆層26の厚み等は、タイヤの
種類や用途により異なるが、ビードコア14の断面、す
なわち図2の一点鎖線に示すように外方のアラミドコー
ド24の表面を直線で囲んだ外接多角形の範囲内におい
て上記コード22のアラミドコード24が占める割合
(以下、充填率という)が50%以上、望ましくは60
%以上となるようにアラミドコード24のデニールやゴ
ム被覆層26の厚み等が設定されている。
【0017】すなわち、ビードコア断面においてアラミ
ドコード24をより密に配することによって、衝撃荷重
等によりカーカスプライ18が引っ張られて第1の巻層
28aのコード22が拡張しても、第2の巻層28bを
構成する各コード22が第1の巻層28aの各コード2
2の間に逃げ込む等といった現象の発生が抑えられ、ビ
ードコア全体としての抗力が瞬時に発揮されて第1の巻
層28aへの応力集中が効果的に回避され得るようにな
っている。そして、このようにビードコア14が構成さ
れることで、上記タイヤ10においては第1の巻層28
aへの応力集中に起因したビードコア14の破断が起こ
り難く、以下の実験データにも示すように、スチールコ
ードを用いた従来のこの種のビードコアを備えたタイヤ
とほぼ同等の高い破壊圧を確保することができるように
なっている。
ドコード24をより密に配することによって、衝撃荷重
等によりカーカスプライ18が引っ張られて第1の巻層
28aのコード22が拡張しても、第2の巻層28bを
構成する各コード22が第1の巻層28aの各コード2
2の間に逃げ込む等といった現象の発生が抑えられ、ビ
ードコア全体としての抗力が瞬時に発揮されて第1の巻
層28aへの応力集中が効果的に回避され得るようにな
っている。そして、このようにビードコア14が構成さ
れることで、上記タイヤ10においては第1の巻層28
aへの応力集中に起因したビードコア14の破断が起こ
り難く、以下の実験データにも示すように、スチールコ
ードを用いた従来のこの種のビードコアを備えたタイヤ
とほぼ同等の高い破壊圧を確保することができるように
なっている。
【0018】実験データ 下の表は、同一サイズ(195/65R15)のタイヤ
において、上記充填率を異なった値に設定したときのタ
イヤの破壊圧(比較例1,実施例2〜4)と、充填率を
一定にして撚り係数NTを異なった値に設定したときの
タイヤの破壊圧(実施例5〜9)と、スチールコードか
らなるビードコアを備えたタイヤの破壊圧(比較例1
0)をそれぞれ示している。なお、表中、「手法」と
は、コード22の製作方法を示している。また、「ゴム
付着率」とは、充填されているアラミドコード24の重
量を基準としてビードコア断面におけるゴム被覆層26
の付着重量の割合を表したもので、充填されたアラミド
コード24と同重量のゴム被覆層26が形成されている
場合を100%としている。さらに、「ゴム層厚」と
は、上記ゴム被覆層26の具体的な厚みを示したもので
あるが、ゴム糊製法では厚み測定が困難なため具体的数
値の表示を省略している。
において、上記充填率を異なった値に設定したときのタ
イヤの破壊圧(比較例1,実施例2〜4)と、充填率を
一定にして撚り係数NTを異なった値に設定したときの
タイヤの破壊圧(実施例5〜9)と、スチールコードか
らなるビードコアを備えたタイヤの破壊圧(比較例1
0)をそれぞれ示している。なお、表中、「手法」と
は、コード22の製作方法を示している。また、「ゴム
付着率」とは、充填されているアラミドコード24の重
量を基準としてビードコア断面におけるゴム被覆層26
の付着重量の割合を表したもので、充填されたアラミド
コード24と同重量のゴム被覆層26が形成されている
場合を100%としている。さらに、「ゴム層厚」と
は、上記ゴム被覆層26の具体的な厚みを示したもので
あるが、ゴム糊製法では厚み測定が困難なため具体的数
値の表示を省略している。
【0019】
【表1】
【0020】この表の比較例1,10、実施例2〜4に
示すように、充填率を45%に設定した比較例1のタイ
ヤは破壊圧が1700kPaであり、スチールコードから
なるビードコアを備えた比較例10のタイヤの破壊圧
(2300kPa)に比べかなり低い。これに対し、充填
率を55,65,70%にそれぞれ設定した実施例2〜
4のタイヤでは破壊圧がそれぞれ2100〜2600k
Paであり、比較例10のタイヤの破壊圧に近い破壊圧を
確保できている。このデータからも充填率を50%以上
に設定することでスチールコードからなるビードコアを
備えたタイヤと同等、あるいはそれに近い高い破壊圧を
確保できることが考察できる。特に、充填率を70%ま
で高めた実施例4のタイヤでは、スチールコードからな
るビードコアを備えたタイヤよりもはるかに高い破壊圧
(2600kPa)を確保できており、このデータから、
充填率を50%以上の高い値に設定することがタイヤの
破壊圧を高める上で望ましいことが考察できる。
示すように、充填率を45%に設定した比較例1のタイ
ヤは破壊圧が1700kPaであり、スチールコードから
なるビードコアを備えた比較例10のタイヤの破壊圧
(2300kPa)に比べかなり低い。これに対し、充填
率を55,65,70%にそれぞれ設定した実施例2〜
4のタイヤでは破壊圧がそれぞれ2100〜2600k
Paであり、比較例10のタイヤの破壊圧に近い破壊圧を
確保できている。このデータからも充填率を50%以上
に設定することでスチールコードからなるビードコアを
備えたタイヤと同等、あるいはそれに近い高い破壊圧を
確保できることが考察できる。特に、充填率を70%ま
で高めた実施例4のタイヤでは、スチールコードからな
るビードコアを備えたタイヤよりもはるかに高い破壊圧
(2600kPa)を確保できており、このデータから、
充填率を50%以上の高い値に設定することがタイヤの
破壊圧を高める上で望ましいことが考察できる。
【0021】ところで、上記充填率を高めるには種々の
手段が考えられ、例えば、モノフィラメント糸を無撚り
の状態で束ねたアラミドコード24を用いるのが有効、
かつ簡単な手段として考えられる。
手段が考えられ、例えば、モノフィラメント糸を無撚り
の状態で束ねたアラミドコード24を用いるのが有効、
かつ簡単な手段として考えられる。
【0022】ところが、無撚りのアラミドコード24は
収束性が悪く製造工程での取り扱いが不便であったり、
あるいはビードコア14に要求される伸度を確保するこ
とができないような場合があるので、ある程度撚りのか
かったアラミドコード24を用いるのが好ましい。この
場合、下記の式によって求められる撚り係数NTがNT<
0.6、望ましくはNT<0.4となるようなアラミド
コード24を用いるのが好ましい。
収束性が悪く製造工程での取り扱いが不便であったり、
あるいはビードコア14に要求される伸度を確保するこ
とができないような場合があるので、ある程度撚りのか
かったアラミドコード24を用いるのが好ましい。この
場合、下記の式によって求められる撚り係数NTがNT<
0.6、望ましくはNT<0.4となるようなアラミド
コード24を用いるのが好ましい。
【0023】
【数1】
【0024】すなわち、NT≧0.6では、ビードコア
14の伸度が高くなり過ぎてビードコアとして必要な剛
性が損われ、これがタイヤの破壊圧を高めるためのマイ
ナス要素となるためである。上記表1の実施例5〜9に
も示すように、撚り係数NT≧0.6のもの、すなわち
アラミドコード24の撚り係数NTが0.75である実
施例9のタイヤでは破壊圧が1900kPaであり、撚り
係数NTがそれぞれ0.07,0.20,0.48に設
定された実施例5〜7のタイヤの破壊圧(2400〜2
200kPa)に比べて低い。これは上記のようにビード
コア14の伸度が高くなり過ぎてビードコアの剛性が損
われた結果と考えられる。このデータからも撚り係数N
Tが0.6より小さい値のアラミドコード24を採用す
ることによりスチールコードからなるビードコアを備え
たタイヤと同等の高い破壊圧を確保できることが考察で
きる。
14の伸度が高くなり過ぎてビードコアとして必要な剛
性が損われ、これがタイヤの破壊圧を高めるためのマイ
ナス要素となるためである。上記表1の実施例5〜9に
も示すように、撚り係数NT≧0.6のもの、すなわち
アラミドコード24の撚り係数NTが0.75である実
施例9のタイヤでは破壊圧が1900kPaであり、撚り
係数NTがそれぞれ0.07,0.20,0.48に設
定された実施例5〜7のタイヤの破壊圧(2400〜2
200kPa)に比べて低い。これは上記のようにビード
コア14の伸度が高くなり過ぎてビードコアの剛性が損
われた結果と考えられる。このデータからも撚り係数N
Tが0.6より小さい値のアラミドコード24を採用す
ることによりスチールコードからなるビードコアを備え
たタイヤと同等の高い破壊圧を確保できることが考察で
きる。
【0025】また、NT<0.6の範囲では、撚り係数
NTの値が低い程破壊圧がより高くなっており、従っ
て、アラミドコード24としては、ビードコア14に要
求される伸度等を確保できる範囲内で、極力撚り係数N
Tが低いものを採用するのが望ましいことが考察でき
る。
NTの値が低い程破壊圧がより高くなっており、従っ
て、アラミドコード24としては、ビードコア14に要
求される伸度等を確保できる範囲内で、極力撚り係数N
Tが低いものを採用するのが望ましいことが考察でき
る。
【0026】以上説明した本願発明に係るタイヤ10に
よれば、アラミドコード24からなるビードコア14が
採用されているためタイヤ軽量化が効果的に達成され
る。しかも、従来のスチールコードからなるビードコア
を備えたタイヤと略同等、あるいはそれ以上のタイヤ破
壊圧が確保され得るので、タイヤ軽量化及びタイヤ破壊
圧の両立を適切に図ることができる。
よれば、アラミドコード24からなるビードコア14が
採用されているためタイヤ軽量化が効果的に達成され
る。しかも、従来のスチールコードからなるビードコア
を備えたタイヤと略同等、あるいはそれ以上のタイヤ破
壊圧が確保され得るので、タイヤ軽量化及びタイヤ破壊
圧の両立を適切に図ることができる。
【0027】特に、アラミドコードからなるビードコア
を用いるタイヤの場合には、タイヤ破壊圧を高めるべく
ビードコアの構成においてアラミドコードに樹脂コーテ
ィングを施すことも考えられ、この場合には、タイヤ製
造において樹脂コーティングのための複雑な工程が必要
となったり、あるいはコスト高を招く等する虞れがある
が、上記タイヤ10では、ビードコア14において充填
率を上記のような範囲に設定しただけの簡単な構成でタ
イヤ破壊圧を高めることができるので、そのような複雑
な製造工程が必要となったりすることがないという利点
がある。
を用いるタイヤの場合には、タイヤ破壊圧を高めるべく
ビードコアの構成においてアラミドコードに樹脂コーテ
ィングを施すことも考えられ、この場合には、タイヤ製
造において樹脂コーティングのための複雑な工程が必要
となったり、あるいはコスト高を招く等する虞れがある
が、上記タイヤ10では、ビードコア14において充填
率を上記のような範囲に設定しただけの簡単な構成でタ
イヤ破壊圧を高めることができるので、そのような複雑
な製造工程が必要となったりすることがないという利点
がある。
【0028】なお、上記実施形態のタイヤ10は、本発
明に係る空気入りタイヤの一例であって、その具体的な
構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能
である。例えば、ビードコア14におけるコード22の
巻付け配列や巻数等は上記実施形態に限られるものでは
なく、タイヤ10の種類や用途に応じ、タイヤ破壊圧を
適切に確保しながらタイヤ軽量化を図ることができるよ
うに適宜選定するようにすればよい。また、上記実施形
態のように1本のコード22からビードコア14を構成
する以外に、環状にした1本のコードを複数本束ねるこ
とによってビードコア14を構成するようにしてもよ
い。
明に係る空気入りタイヤの一例であって、その具体的な
構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能
である。例えば、ビードコア14におけるコード22の
巻付け配列や巻数等は上記実施形態に限られるものでは
なく、タイヤ10の種類や用途に応じ、タイヤ破壊圧を
適切に確保しながらタイヤ軽量化を図ることができるよ
うに適宜選定するようにすればよい。また、上記実施形
態のように1本のコード22からビードコア14を構成
する以外に、環状にした1本のコードを複数本束ねるこ
とによってビードコア14を構成するようにしてもよ
い。
【0029】また、コード22に形成するゴム被覆層2
6の厚みも、コード22を構成するアラミドコード24
の径やビードコア14の断面積等を考慮して、タイヤ破
壊圧を効果的に高めることができるように適宜設定する
ようにすればよい。但し、ゴム被覆層26の厚みをあま
り厚くし過ぎると、タイヤ加硫時の圧力により、被覆ゴ
ムがビードコア14の外周に押し出されてしまったり、
あるいは、走行中にゴム被覆層26が弾性変形すること
によって内周側の巻層から外周側の巻層への応力伝達が
遅れてビードコア全体としての抗力が瞬時に発揮され難
くなる場合がある。従って、できるだけゴム被覆層26
の厚みを抑えるようにする方が好ましく、例えば、表1
に示すような径が1.4〜1.5mm程度のコードを用い
る場合には、ゴム被覆層26の厚みを0.17mm以下に
設定するのが望ましい。
6の厚みも、コード22を構成するアラミドコード24
の径やビードコア14の断面積等を考慮して、タイヤ破
壊圧を効果的に高めることができるように適宜設定する
ようにすればよい。但し、ゴム被覆層26の厚みをあま
り厚くし過ぎると、タイヤ加硫時の圧力により、被覆ゴ
ムがビードコア14の外周に押し出されてしまったり、
あるいは、走行中にゴム被覆層26が弾性変形すること
によって内周側の巻層から外周側の巻層への応力伝達が
遅れてビードコア全体としての抗力が瞬時に発揮され難
くなる場合がある。従って、できるだけゴム被覆層26
の厚みを抑えるようにする方が好ましく、例えば、表1
に示すような径が1.4〜1.5mm程度のコードを用い
る場合には、ゴム被覆層26の厚みを0.17mm以下に
設定するのが望ましい。
【0030】なお、上記実施形態においてはビードコア
14の外方のアラミドコード24の表面を直線で囲んだ
外接多角形の範囲内をビードコア14の断面としている
が、これについて補足すると、外周側の巻層と内周側の
巻層が左右にオフセットされる図3に示すようなビード
構造の場合には、同図に示すように外側に突出したアラ
ミドコード24の表面を直線で結んだ範囲内が断面とな
る。つまり、外方のアラミドコード24の表面を直線で
囲んだ外接多角形の範囲内とは、外方に突出するアラミ
ドコード24の表面をより少ない直線で結んでできる輪
郭の範囲内という意味である。
14の外方のアラミドコード24の表面を直線で囲んだ
外接多角形の範囲内をビードコア14の断面としている
が、これについて補足すると、外周側の巻層と内周側の
巻層が左右にオフセットされる図3に示すようなビード
構造の場合には、同図に示すように外側に突出したアラ
ミドコード24の表面を直線で結んだ範囲内が断面とな
る。つまり、外方のアラミドコード24の表面を直線で
囲んだ外接多角形の範囲内とは、外方に突出するアラミ
ドコード24の表面をより少ない直線で結んでできる輪
郭の範囲内という意味である。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の空気入り
タイヤは、タイヤ内周端部にビードコアが埋設されてな
る空気入りタイヤにおいて、一乃至複数本のアラミド繊
維からなるコードをタイヤ軸方向及び径方向に重ねて環
状に巻回するとともに、ビードコア断面に占めるコード
総断面積の割合が50%以上となるように上記ビードコ
アを構成し、これによりコードに樹脂コーティングを施
すことなくビードコアを構成する各コードの動きを小さ
くするようにしたので、簡単な構成でタイヤ破壊圧を高
めて、タイヤ軽量化及びタイヤ破壊圧の両立を図ること
ができる。
タイヤは、タイヤ内周端部にビードコアが埋設されてな
る空気入りタイヤにおいて、一乃至複数本のアラミド繊
維からなるコードをタイヤ軸方向及び径方向に重ねて環
状に巻回するとともに、ビードコア断面に占めるコード
総断面積の割合が50%以上となるように上記ビードコ
アを構成し、これによりコードに樹脂コーティングを施
すことなくビードコアを構成する各コードの動きを小さ
くするようにしたので、簡単な構成でタイヤ破壊圧を高
めて、タイヤ軽量化及びタイヤ破壊圧の両立を図ること
ができる。
【0032】特に、上記コードの撚り係数を0.6以下
に設定するようにすることで、より効果的にタイヤ破壊
圧を高めることができる。
に設定するようにすることで、より効果的にタイヤ破壊
圧を高めることができる。
【図1】本発明に係る空気入りタイヤのビード部を示す
斜視断面略図である。
斜視断面略図である。
【図2】ビードコアを示す断面略図である。
【図3】他の構造にかかるビードコアを示す断面略図で
ある。
ある。
10 空気入りタイヤ 12 ビード部 14 ビードコア 16 帯材 18 カーカスプライ 20 ホイールリム 22 コード 24 アラミドコード 26 ゴム被覆層 28a 第1の巻層 28b 第2の巻層 28c 第3の巻層 28d 第4の巻層
Claims (2)
- 【請求項1】 タイヤの内周端部にビードコアが埋設さ
れてなる空気入りタイヤにおいて、上記ビードコアは、
一乃至複数本のアラミド繊維からなるコードがタイヤ軸
方向及び径方向に重ねて環状に巻回され、かつビードコ
ア断面に占めるコード総断面積の割合が50%以上に設
定されてなることを特徴とする空気入りタイヤ。 - 【請求項2】 上記コードは、その撚り係数が0.6よ
り小さい値に設定されてなることを特徴とする請求項1
記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9011311A JPH09286210A (ja) | 1996-02-19 | 1997-01-24 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3052396 | 1996-02-19 | ||
JP8-30523 | 1996-02-19 | ||
JP9011311A JPH09286210A (ja) | 1996-02-19 | 1997-01-24 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09286210A true JPH09286210A (ja) | 1997-11-04 |
Family
ID=26346723
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9011311A Pending JPH09286210A (ja) | 1996-02-19 | 1997-01-24 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09286210A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104859382A (zh) * | 2014-02-25 | 2015-08-26 | 住友橡胶工业株式会社 | 充气轮胎 |
-
1997
- 1997-01-24 JP JP9011311A patent/JPH09286210A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104859382A (zh) * | 2014-02-25 | 2015-08-26 | 住友橡胶工业株式会社 | 充气轮胎 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041015 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041026 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041227 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20051129 |