JPH09285238A - 養殖生簀 - Google Patents

養殖生簀

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JPH09285238A
JPH09285238A JP8101394A JP10139496A JPH09285238A JP H09285238 A JPH09285238 A JP H09285238A JP 8101394 A JP8101394 A JP 8101394A JP 10139496 A JP10139496 A JP 10139496A JP H09285238 A JPH09285238 A JP H09285238A
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fish
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真二 藤本
Kazuhiko Sumita
和彦 住田
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/80Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in fisheries management
    • Y02A40/81Aquaculture, e.g. of fish

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 自然環境に悪影響を及ぼさず、かつ内部の衛
生環境を良好に維持する養殖生簀を提供する。 【解決手段】 水面に浮揚設置され、かつ外界水域と遮
断された空間を有する可撓性膜体よりなる生簀膜体5内
へ給排水するに際し、コントロールバージ2に濾過器2
8を設けポンプ24で汲み上げた水を濾過して生簀1に
供給する。濾過器の水位W2 、生簀内の水位W1 及び外
界水面の水位W0 を順次低く設定し、この水頭差により
濾過水を濾過器から生簀へ供給しさらに外部へ排水す
る。生簀膜体内は外界水域より高い水圧に設定され、伸
張状態に維持されるから、その容積は常に最大限に保た
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、魚類の飼育、育成に使
用される養殖生簀に関する。
【0002】
【従来の技術】外界水域とは遮断された内部空間を有す
る生簀本体を海水面に浮揚設置し、内部空間に海水を供
給して魚の養殖を行う構造の生簀は、既にこの発明の発
明者等によって提案されている(例えば、特願平7-8889
5 号)。この発明には、26面体の密閉構造の生簀が開示
されている。すなわち26面体の各辺が鉄、ステンレス等
の金属又は繊維強化プラスチック等の硬質樹脂よりなる
フレームにて構成され、面の部分は軟質可撓性樹脂より
なる隔膜にて構成される。かかる構造においてフレーム
と隔膜はリベットにて固定され、フレーム同士はボルト
及びナットにて締結される。
【0003】また上記発明には、外界水域と遮断された
生簀本体内部空間に海水を供給する給水手段、生簀本体
内に魚の餌を供給する給餌手段、生簀本体内に供給され
た海水を生簀本体の底部から滞留残留物とともに生簀本
体外へ排出する排水手段、この排水中にふくまれる残留
物を回収する回収手段につき記載され、さらに給水手段
は、海水を汲み上げる揚水ポンプと、この揚水ポンプに
て汲み上げられた海水を濾過する濾過器と、この濾過器
にて濾過された海水を生簀本体に供給する給水管にて構
成され、給水時濾過された海水の水面が外界水域の水面
より高くなるよう設定され、両水面の水頭差を利用して
生簀本体への給排水が行われる構造が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記構造の養殖生簀に
あっては、生簀本体の形状を維持するためにフレームが
使用される。しかしながらこのフレーム構造では生簀本
体の形状が固定されるために、長期間にわたり波浪、潮
流が加わったとき、疲労により損傷、破壊されるおそれ
がある。またフレームを金属で構成した場合、防錆処理
を施したとしても錆の発生は免れず、耐久性に劣るとい
う問題がある。さらにフレームはそれ自体相当の重量を
有すること、26面体に組み立てる作業及びフレームと隔
膜の接合作業は面倒かつ時間がかかるものであり、組立
のため相当広いスペースが必要であること等の問題があ
る。
【0005】また上記構造の養殖生簀にあっては、生簀
本体が密閉構造であるために常時新鮮な海水を供給する
必要があるが、揚水ポンプ等給水手段が故障等により停
止しこれが数時間継続すると、生簀本体内海水の酸素が
欠乏し養殖魚が死んでしまうおそれがある。
【0006】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、生簀の構造を簡単なものとすると同
時に耐久性を向上させ、かつ給水機能が停止しても生簀
内の酸素欠乏を来さない養殖生簀を提供するものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上部に開口を
有するとともに内部に養殖領域が形成される可撓性膜体
よりなる生簀膜体と、該生簀膜体を水面に浮揚設置させ
るとともに、上記開口を水面上に顕出させ上記養殖領域
を外界水域から遮断するフロート部材と、上記生簀膜体
内に海水又は淡水を供給して養殖領域を形成する給水手
段と、上記生簀膜体内に供給された海水又は淡水を、上
記生簀膜体の底部から該底部に滞留した残留物とともに
上記生簀膜体外へ排出する排水手段と、該排水手段の排
水口側に設けられ、排水中に含まれる上記残留物を回収
する回収手段を備え、上記給水手段は、海水又は淡水を
汲み上げる揚水ポンプと、該揚水ポンプにて汲み上げら
れた海水又は淡水を濾過する濾過器と、該濾過器にて濾
過された海水又は淡水を上記生簀膜体内に供給する給水
管とからなり、給水時上記濾過された海水又は淡水の水
面が、上記生簀膜体が浮揚する外界水域の水面より高く
なるよう設定され、両水面の水頭差にて上記生簀膜体へ
の給水及び上記生簀膜体からの排水がなされるととも
に、外界水域の水圧より大きい上記生簀膜体内の水圧に
より上記生簀膜体を伸張させるものである。かかる構成
において、揚水ポンプによる水の汲み上げにより、瀘過
器にて瀘過された海水又は淡水の水面が、生簀本体が浮
揚設置されている水域の水面より高くなるよう、また生
簀本体内の水面の高さが外界水域の水面より高くなるよ
う、揚水量及び生簀本体への給排水量が調節される。こ
れより瀘過器内の水は水頭差により生簀本体へ供給さ
れ、かつ生簀内へ供給された水は排水管を通して外部へ
排出される。生簀膜体は上記水圧差により伸張状態にあ
り、かつその形状は可撓性を有するから、周囲水域の波
浪、潮流により外力が加わったとしてもそれに応じて変
形し、外力を吸収或いは分散する。
【0008】また本発明は、上記生簀膜体の内壁にそっ
て養殖魚捕獲のための生簀網体が配置されてなるもので
ある。養殖魚は、この生簀網体内の養殖領域にて飼育さ
れる。魚の捕獲に際しては、生簀網体のみ引き上げられ
る。
【0009】また本発明は、上記生簀膜体及び上記生簀
網体が、その中心軸が鉛直方向に設定された円筒形に形
成されるとともに、上記給水管から供給される海水又は
淡水が上記円筒形の円の接線方向に流出され、生簀内に
旋回流が発生せしめられるものである。かかる構造であ
れば、養殖魚は旋回流に向かって遊泳する。
【0010】さらに本発明は、上記フロート部材が、上
面に給排気孔が形成されるとともに底面に浸水孔が形成
され、空気供給手段からバルブを介して上記給排気孔か
ら空気が供給されて浮力が変更調整される第1フロート
部材と、該第1フロート部材の上方に配置された一定の
浮力を有する密封体構造の第2フロート部材とからな
り、上記生簀網体の開口部分は上記生簀膜体の開口部分
より上方に位置せしめられ、上記バルブは上記給水手段
が駆動停止したとき開放され、上記第1フロート部材内
の空気が上記給排気孔から排出され、同時に上記浸水孔
から浸水せしめられてその浮力が減ぜられ、上記生簀膜
体が所定距離水面下に沈下せしめられて、上記生簀膜体
の開口部分が水面下に位置しかつ上記生簀網体の開口部
分が水面上に位置する状態で、上記生簀膜体が上記第2
フロート部材にて浮揚維持せしめられるものである。か
かる構成であれば、給水手段が事故等により停止したと
き、生簀膜体は下降しその開口部分は水面下に没し、生
簀内と外界水域とは連通し潮流或いは水流等により生簀
内に新鮮な海水又は淡水が流入する。このとき生簀網体
の開口部分は水面上に位置しているから、生簀内の養殖
魚が外界水域へ逃げ出すことはない。
【0011】
【実施の形態】以下、海水面に浮揚設置せしめられ、内
部に海水が満たされる生簀について説明する。図1及び
図2において、1、1は、生簀、2は生簀1、1を制御
するコントロールバージ、3は残餌回収槽である。生簀
1は、上部に開口4を有するとともに内部に養殖領域が
形成される可撓性膜体よりなる生簀膜体5と、開口4を
水面上に顕出させ、上記養殖領域を外界水域から遮断す
るフロート部材6を備える。生簀膜体5は、その中心軸
が鉛直方向に設定された略円筒形に形成される。7は、
上方に開口8を有する生簀網体で、生簀膜体5より僅か
に小さい円筒形に形成され、生簀膜体5内にその内壁に
そって配置される。養殖魚はこの生簀網体7内の養殖領
域で飼育される。生簀網体7の開口8の位置は、生簀網
体5の開口4の位置よりも高く設定される。生簀網体7
を引き上げることにより生簀1内の魚が捕獲される。9
は生簀膜体5の下端に取りつけられたシンカーである。
【0012】生簀膜体5を構成する可撓性膜体として
は、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等
の織布を基布として、その両面に軟質ポリ塩化ビニル樹
脂を被覆して非透水性とした約1mm厚の可撓性樹脂シー
トを使用することができる。この生簀膜体5の厚さは、
約1mmないし3mmの範囲とすることができる。生簀膜体
5の材料としては、上記樹脂のほか上記樹脂で補強した
ポリウレタン樹脂、飽和ポリエステル樹脂、ナイロン樹
脂、ポリ酢酸樹脂等が使用できる。この生簀膜体5表面
は、海藻、貝殻類等海洋生物の付着を抑制するために、
シリコーン皮膜又はテフロン皮膜にて覆うことができ
る。
【0013】フロート部材6は、その浮力が変更調整で
きる第1フロート部材10と、発泡体にて形成された一
定浮力を有する第2フロート部材11にて構成される。
第1フロート部材10は、8角形に組まれた2段構造の
デッキ12の下段に各辺に対応して水平面上に8個固定
され、第2フロート部材11はデッキ12の中間部分す
なわち第1フロート部材6の上部に4個設けられてい
る。生簀膜体5の上端はデッキ12の上段にロープ13
にて連結固定され、その開口4が海水面上に顕出した状
態で浮揚維持される。また生簀網体7の上端は、デッキ
12の上段に水平に張り渡された張渡棒14上の点pに
連結固定されている。
【0014】ここで第1フロート部材10は、図3に示
すように略直方体の中空樹脂成形体にて構成され、上面
に2個の給排気孔15が、また底面に複数の浸水孔16
が形成され、内部の空気量が調整でき、したがってその
浮力が変更できるのである。この第1フロート部材10
への給排気は、給排気孔15に接続された連結ホース1
7よりなされる。
【0015】デッキ12に固定された8個の第1フロー
ト部材10は、図4に示すように連結ホース17にて直
列に接続され、電磁バルブ18を介して、空気供給手段
たるブロアー19に連結されている。それ故、第1フロ
ート部材10は、ブロアー19からの給気によりその内
部が空気にて満たされると、その浮力は大きくなってデ
ッキ12は浮揚し、逆に給排気孔15(図3)から空気
が抜けると、第1フロート部材10内は浸水孔16から
浸水した海水に満たされ、その浮力は減少し、デッキ1
2は沈む。第1フロート部材10による浮力が消滅した
ときは、第2フロート部材11により、デッキ12、生
簀膜体5及び生簀網体7が僅か沈んだ状態で浮揚維持さ
れる。このとき海水面は、生簀膜体5の開口4と生簀網
体7の開口8の中間に位置する。すなわち正常運転時に
あっては、電磁バルブ18は閉鎖状態にありブロアー1
9から送出された空気は常時第1フロート部材10に送
り込まれ、第1フロート部材10は最大限の浮力を維持
するが、電磁バルブ18への電源供給が停止するとこの
電磁バルブ18は開放状態となり、第1フロート部材1
0内の空気は外部へ放出され、浸水するのである。
【0016】図1及び2に戻って説明するに、20は生
簀膜体5の上端付近に形成された排水口であり、生簀膜
体5内においてこの排水口20のレベルまで水位が上昇
したとき(この水位をW1 とする)、余剰の海水を生簀
膜体5外へ排出する。それ故生簀1内の水位は、水位W
1 に維持される。この水位W1 は、第1フロート部材1
0の浮力により、外界水面W0 よりも高く設定される。
かかる水位差により生簀膜体5内水圧は外界水圧より高
くなり、生簀膜体5は伸張され、その内部容積は最大限
に維持される。
【0017】21は、生簀膜体5の底部に接続された排
水管で、生簀膜体5内の海水を外部へ排出するものであ
る。排水管21の排水口22は、海水面に浮揚設置され
た残餌回収槽3まで延ばされ、この中に排水される。排
水中に含まれる残餌、糞等の固形残留物はこの残餌回収
槽3内へ捕獲、回収される。ここで排水口22の位置
は、水位W1 よりも低く設定される。これより生簀膜体
5内の海水は水面W0 ,W1 の水頭差にて自動的に排出
される。上記排水管21が排水手段を、また残餌回収槽
3が回収手段を構成する。
【0018】生簀1に近接して海面上に浮揚設置された
コントロールバージ2は、ディーゼルエンジンよりなる
発電機23、この発電機23にて駆動されるブロアー1
9及び揚水ポンプ24が載置される。25は、ポンプ2
4に接続され下方に延ばされた長さ約15mの取水管
で、その途中に設けられたインペラー26により、下端
の取水口27より海水が汲み上げられる。海面下約15
mの海水は中層水と呼ばれ、水質、水温ともに安定して
おり、養殖水として適しているのである。即ち海面下約
15m付近の海水である中層水は、夏期は海面水温より
2〜3℃低く、また冬期は逆に海面水温より2〜3℃高
く、四季を通じて13〜25℃の温度で安定している。
かかる温度水域は魚の養殖に最適である。変温動物であ
る魚類の養殖においては、水温はその生産性に重大な影
響を及ぼす要素であり、例えば水温が低くなると活発さ
を失い、餌も食べず成長が鈍化し、同様に水温が高すぎ
ても餌を食べない。特に水温が約30℃を越えると病気
が発生し易くなるという問題がある。また中層水は、赤
潮発生時にもその影響を受けず、汚染されない、きれい
な状態に保たれるという利点がある。
【0019】28は、コントロールバージ2下方に設置
された瀘過器で、上部槽29、下部槽30とこれら2つ
の槽29,30の間に設けられた瀘過層31にて構成さ
れる。濾過層31は、牡蛎殻等瀘過材料の積層体よりな
る。32は、上部槽29内の海水を外部へ排出する排水
口で、この排水口32により上部槽29及び下部槽30
内の水位の上限W2 が定められる。この水位W2 は外界
水面W0 より高く設定される。この濾過器28の海水面
に対する位置は、コントロールバージ2を浮揚維持する
第1フロート部材10の浮力によって調整される。33
は、その一端が下部槽30に、他端が生簀膜体5に接続
された給水管であり、下部槽30との接続部位は、排水
口32より下方に位置している。揚水ポンプ24、瀘過
器28及び給水管33にて給水手段が構成される。
【0020】給水管33の他端は生簀膜体5の側面であ
って水位W1 の下面に位置せしめられ、かつその出口3
4の方向が、生簀膜体5の垂直方向の中心軸を中心とす
る円の接線方向に向けられている。それ故この給水管3
3から流出された海水により生簀膜体5内の海水に一定
方向の旋回流を生じる。旋回流の発生により養殖魚は、
流れに向かって回遊することとなり、互いにぶつかり合
うことは少なくなり、空間効率が増し、単位容積中の魚
の密度を上げることができる。また魚に運動をさせるこ
とにより病気が少なくなり、また肉が締まって味がよく
なる。
【0021】ポンプ24にて汲み上げられた海水は、上
部槽29に放出される。このとき余剰の海水は、排水口
32より外部へ排出され、それ故その水位は最大水位W
2 に保たれる。汲み上げは連続して行われ、海水は瀘過
層31を介して瀘過され下部槽30へ流れ込む。瀘過さ
れた海水は、給水管33を介して生簀1内へ供給され
る。かくすれば、瀘過器28、生簀膜体5及び外海の3
つの水位W2 ,W1 ,W0 が順次低くなり、海水はその
水頭差にて各領域を自然に流れ、排水される。また排水
時、生簀膜体5の底部に滞留した残餌、糞等の残留物は
排水される海水とともに外部へ排出される。
【0022】ブロアー19は、発電機23にて駆動され
る。このブロアー19は、前述した如く第1フロート部
材10に空気を供給して、その浮力を一定に保つもので
あるが、同時にブロアー19から供給される空気は、別
途オゾン発生器35に送られ、ここで発生したオゾン
は、給気管36及び生簀膜体5内の底部に配置された散
気管37を介して酸素とともに供給される。
【0023】38は、コントロールバージ2上に載置さ
れた給餌装置で、定期的に給餌管39を介してペレット
状の餌が給水管33内に投下される。これより餌は海水
に混入して生簀1内へ運ばれる。
【0024】上記構造では、発電機23が駆動している
正常な状態では、第1フロート部材10はブロアー19
からの空気の供給により最大限の浮力を保ち、それ故デ
ッキ12はその下段が水面上に位置している。一方、停
電或いは事故等により発電機23が停止した場合、電磁
バルブ18が自動的に開放され、第1フロート部材10
の空気が給排気孔15を介して外部へ放出され、したが
って第1フロート部材10は浸水しデッキ12は沈下す
る。生簀1及びデッキ12は第2フロート部材11の浮
力がはたらく位置まで沈み、その位置で安定な浮揚状態
に維持される。このときデッキ12の上段が水面上に浮
上しており、海水面は、生簀膜体5の開口4より上であ
って生簀網体7の開口8より下に位置している。それ
故、生簀1内へは外界水域の海水が生簀膜体5の開口4
を越えて流入する。またかかる位置では生簀網体7の開
口8は外界海水面より高い位置にあるから生簀1内の魚
が外界水域に逃げ出すおそれはない。したがって生簀1
への新鮮な海水の供給が停止しこの状態が一定時間異常
続くことによって養殖魚が酸素欠乏により死んでしまう
おそれはない。前述のような発電機23が停止する事故
は、大雨、台風の襲来等異常気象時に引き起こされるこ
とが多く、かかる場合迅速に修理することは困難であ
る。それ故上記のごとく人手を介さず自動的に外界海水
が生簀1内へ流れ込む構造が採用されるのである。
【0025】
【実施例】生簀膜体5は、底面の円の直径4.5m、高
さ4m、容積65m3 の大きさとし、その材料としてポ
リエステル織布の両面をポリ塩化ビニルで被覆した膜材
を使用した。また外界水面の水位W0 に対し、生簀1内
の水位W1 を10cm、濾過器28内の水位W2 を20
cm高く設定した。かかる構造でにおいて、生簀1内の
圧力は、1.0×10-2kgf/cm2 となり、外界水
域の潮流が2.0ノットの場合(圧力は、4.5×10
-3kgf/cm2 )でも生簀1の形状は変形せず、最大
3.0ノットまでの潮流に耐えられることが分かった。
【0026】生簀内海水水圧により上記材料に加わる応
力は、JIS規格(3cm幅)に換算して37.5kg
f/3cmとなり、この値は上記材料の引張強さ(縦1
10kgf/3cm、横104kgf/3cm)の約1
/3であり、強度上約3倍の安全率を保持していること
が分かる。
【0027】また上記生簀1において、毎秒18.1リ
ットルの海水を生簀1に供給すれば、生簀1内の海水は
約1時間で全量交換できることとなる。これは従来の海
水透過構造の生簀において、生簀内の海水が約1時間で
入れ替わることを基準としている。2基の生簀1を1台
の軸流ポンプで揚水する場合、毎秒36.1リットルの
揚水能力をもつものが必要である。
【0028】
【発明の効果】本発明(請求項1)によれば、瀘過器内
の海水又は淡水の水位、生簀内の水位、生簀を浮揚する
外部水位が、順次低くなるよう設定されるから、瀘過さ
れた水は自然に給水手段から生簀に流れ込み、生簀内を
流動してその底部より外部へ排出され、このとき同時に
生簀底部に滞留した残餌、糞等の残留物も外部へ放出さ
れる。それ故生簀内への給水、排水及び残留物の回収を
単一の水流で行うことが可能となり、生簀内の衛生環境
を最良の状態に保ち、かつ養殖効率の高い生簀を従来よ
り簡単な構造で実現することができる。これより駆動部
の簡易化、小型化従ってエネルギー効率の向上、生産コ
ストの低下を図ることができる。
【0029】また本発明(請求項1)によれば、生簀膜
体が可撓性膜体にて構成されるとともに生簀膜体内には
外部水域より高い水圧が加えられるから、この水圧によ
り可撓性を有する生簀膜体は伸張され常に最大限の容積
を維持することができる。また伸張した生簀膜体は外力
が加わらない状態では形状維持性がよく、また波浪、潮
流或いは水流等により一定以上の外力が加わってもその
良好な可撓性により外力を吸収或いは分散するから、従
来の硬質フレームを使用した変形しにくい生簀に比べて
その耐久性を向上することができる。
【0030】また本発明(請求項1)によれば、生簀膜
体が可撓性膜体にて構成されるから、縫製、熱溶着のみ
によって比較的簡単に製造することができる。それ故フ
レーム構造のものに比較して格段に軽量化することがで
き、運搬に要する労力は軽減される。すなわちフレーム
構造の生簀では、現地で組立てなければならず、また相
当の重量を有することから海水面に設置するに際しては
クレーン船も必要となる等極めて煩雑な作業が要求され
るのに対し、上記構造では予め製造したものを現地に運
ぶことができ、その設置に際してもクレーン船等は不要
である。また上記構造では、金属フレームを使用しない
から防錆処理も不要である。
【0031】また本発明(請求項2)によれば、生簀膜
体内にその内壁に沿って配置された生簀網体を引き上げ
ることにより、養殖魚の捕獲或いは死亡魚の除去作業が
容易になされる。なお本発明構造によれば、生簀内に供
給される水特に海水は清浄な中層水であるから、生簀網
体への藻の付着繁殖は抑制され、これが養殖環境を悪化
するおそれはない。
【0032】さらに本発明(請求項3)によれば、生簀
膜体及び生簀網体が略円筒形に形成され、給水管から供
給される水が円筒形の円の接線方向に流出されるから、
生簀内に旋回流が生じ、養殖魚を一定方向に回遊させる
ことができる。これより魚同士がぶつかり合うことは少
なくなり、魚の罹患率を低下させることができると同時
に単位容積当たりの魚の密度を上げることができる。
【0033】さらにまた本発明(請求項4)によれば、
事故等により駆動部への給電が停止したときは、第1フ
ロート部材の空気が自動的に外部へ放出されてこれが沈
下し、生簀膜体の開口は水面下に没し、生簀と外部水域
は連通状態となるから、生簀内へ新鮮な水が供給される
こととなり、養殖魚が酸素欠乏により死んでしまうおそ
れはない。またこの場合、生簀網体の開口部分は外部水
面上に位置しているから、生簀内の魚が外部水域へ逃げ
出すおそれもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る養殖生簀の一部断面
図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る養殖生簀の平面図で
ある。
【図3】本発明に使用される第1フロート部材の断面図
である。
【図4】本発明に使用される第1フロート部材への空気
供給経路を示す概略図である。
【符号の説明】
1………生簀 2………コントロールバージ 3………残餌回収槽 4,8………開口 5………生簀膜体 6………フロート部材 7………生簀網体 9………シンカー 10………第1フロート部材 11………第2フロート部材 12………デッキ 13………ロープ 14………張渡棒 15………給排気孔 16………浸水孔 17………連結ホース 18………電磁バルブ 19………ブロアー 20,22,32………排水口 21………排水管 23………発電機 24………揚水ポンプ 25………取水管 26………インペラー 28………濾過器 29………上部室 30………下部室 31………濾過層 33………給水管 34………給水口 35………オゾン発生器 36………給気管 37………散気管

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部に開口を有するとともに内部に養殖
    領域が形成される可撓性膜体よりなる生簀膜体と、該生
    簀膜体を水面に浮揚設置させるとともに、上記開口を水
    面上に顕出させ上記養殖領域を外界水域から遮断するフ
    ロート部材と、上記生簀膜体内に海水又は淡水を供給し
    て養殖領域を形成する給水手段と、上記生簀膜体内に供
    給された海水又は淡水を、上記生簀膜体の底部から該底
    部に滞留した残留物とともに上記生簀膜体外へ排出する
    排水手段と、該排水手段の排水口側に設けられ、排水中
    に含まれる上記残留物を回収する回収手段を備え、上記
    給水手段は、海水又は淡水を汲み上げる揚水ポンプと、
    該揚水ポンプにて汲み上げられた海水又は淡水を濾過す
    る濾過器と、該濾過器にて濾過された海水又は淡水を上
    記生簀膜体内に供給する給水管とからなり、給水時上記
    濾過された海水又は淡水の水面が、上記生簀膜体が浮揚
    する外界水域の水面より高くなるよう設定され、両水面
    の水頭差にて上記生簀膜体への給水及び上記生簀膜体か
    らの排水がなされるとともに、外界水域の水圧より大き
    い上記生簀膜体内の水圧により上記生簀膜体を伸張させ
    ることを特徴とする養殖生簀
  2. 【請求項2】 上記生簀膜体の内壁にそって養殖魚捕獲
    のための生簀網体が配置されてなることを特徴とする請
    求項1記載の養殖生簀
  3. 【請求項3】 上記生簀膜体及び上記生簀網体が、その
    中心軸が鉛直方向に設定された略円筒形に形成されると
    ともに、上記給水管から供給される海水又は淡水が上記
    円筒形の円の接線方向に流出され、生簀内に旋回流が発
    生せしめられることを特徴とする請求項1又は2記載の
    養殖生簀
  4. 【請求項4】 上記フロート部材は、上面に給排気孔が
    形成されるとともに底面に浸水孔が形成され、空気供給
    手段からバルブを介して上記給排気孔から空気が供給さ
    れて浮力が変更調整される第1フロート部材と、該第1
    フロート部材の上方に配置された一定の浮力を有する密
    封体構造の第2フロート部材とからなり、上記生簀網体
    の開口部分は上記生簀膜体の開口部分より上方に位置せ
    しめられ、上記バルブは上記給水手段が駆動停止したと
    き開放され、上記第1フロート部材内の空気が上記給排
    気孔から排出され、上記浸水孔から浸水せしめられてそ
    の浮力が減ぜられ、上記生簀膜体が所定距離水面下に沈
    下せしめられて、上記生簀膜体の開口部分が水面下に位
    置しかつ上記生簀網体の開口部分が水面上に位置する状
    態で、上記生簀膜体が上記第2フロート部材にて浮揚維
    持せしめられることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の養殖生簀
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105994089A (zh) * 2016-07-15 2016-10-12 上海能正渔业科技开发有限公司 一种流水养殖容器系统及其使用方法
JP2021524754A (ja) * 2018-05-18 2021-09-16 ヤン エリック キルケボーKYRKJEBO, Jan Erik 海洋生物を養殖する船
CN115024272A (zh) * 2022-07-15 2022-09-09 苑春亭 一种能提高池塘水温的水上漂浮气棚

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