JPH09284932A - ヨークボルトの交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［課題］ ヨーク５はヨークボルト４で鉄塔に係止さ
れ、両端で送電線Ｅを支持するが、ヨークボルト４の定
期交換では、その都度カムアロングの使用を余儀なくさ
れ、その上ハンマによる叩き出しを必要とした。これを
簡易化する。 ［解決手段］ 枢着ボルト２と搖動金具３とヨークボル
ト４とを用いる従来のヨーク５引止構造はそのままと
し、枢着ボルト２の両端へ搖動アダプタ８を渡しかけ、
これと対向するヨークアダプタ６との間をリンク装置１
０で結び、ヨークアダプタ６にはヨーク５の背面を押圧
可能な油圧シリンダＣを設ける。そのわずかの押圧によ
りヨークボルトは電線Ｅのけん引から解放され、出入自
在となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】送電線を鉄塔へ引止めるに
は、三角のヨークの中心を１本のヨークボルトで鉄塔腕
へ係止し、電線はヨークの両端に接続させるが、本発明
はこのヨークボルトの交換を容易にする装置に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】送電線の引止は図１の如く鉄塔腕Ａに固
定した耐張金具１へ枢着ボルト２によって搖動金具３を
枢着し、その外端へヨークボルト４で三角のヨーク５を
引止め、その両端に碍子Ｇを介して電線Ｅを接続する。
ヨーク５の孔５ａはヨークボルトの径より若干大きい孔
とし、ヨークボルト４は若干の遊びをもってこれと係合
する。ヨークボルト４には強いせん断力が作用するの
で、それに耐える特殊鋼を用いるが、それでも安全を期
するため定期的な交換を必要とした。電線は碍子連を介
してヨークボルト４に引止められている。従来は碍子連
からさらに前方の電線へカムアロングを装着し、これを
鉄塔側へけん引して引止め、その上でヨークボルトの交
換を行った。ところがこの場合でもヨークボルトには碍
子連の大重量が負荷されているので、抜きとりは容易で
なく、ハンマによる叩き出しを必要とした。また抜きと
りにより碍子連がカムアロングから垂れ下がるのを防ぐ
ため、予め仮止めの手当も必要であった。何れも危険な
高所作業であり、これを簡易安全なものに改善をする要
望が高かった。

【０００３】

【課題を解決するための手段】ヨークボルトはヨークを
介し電線方向へけん引されているので、ヨークに逆方向
を作用させ、ごく僅か押し返すと、ヨークボルトは簡単
に抜きさしできる。逆方向の力は油圧によることとし、
中央に油圧シリンダを備えたヨークアダプタを用意す
る。ヨークアダプタを鉄塔側へ引止めるため、鉄塔側の
枢着ボルトの両端に係止可能な搖動アダプタを用いる。
搖動アダプタの対称２点とヨークアダプタの中心部とを
２本のリンクで結び、ヨークアダプタを搖動アダプタに
引止める。電線には鉄塔を眞直に通過するものと屈曲通
過するものとある。２本のリンクをヨークアダプタの中
心に結ぶのは、この装置を電線の眞直屈曲の双方に利用
可能とするためであり、それに対応して２本のリンクは
長さ調節可能にターンバクル構造としておく。油圧シリ
ンダへの鉄塔上油圧ポンプからの送油により、ヨークを
わずかに押圧するだけで、容易に交換可能となり、カム
アロング使用も、碍子連の仮止めも一切不要となる。

【０００４】

【実施例】前記した如く２条の電線Ｅは耐張金具１、搖
動金具３、ヨーク５を介して鉄塔腕Ａへ引止められてい
る。本発明はこれを変更することなく、これへヨークア
ダプタ６、搖動アダプタ８、リンク装置１０の３つを装
着して構成する。ヨークアダプタ６は中央に油圧シリン
ダＣが固着され、そのピストン杆７の先端にヨーク５の
背面を押圧可能な押圧具７ａが固着してある。ヨークア
ダプタ６の両端はヨーク側直角突出し、そこに長孔６ａ
が穿ってあって、ヨークに植設したピン５ｂと係合す
る。ヨークアダプタにはまたシリンダＣの上部下部に夫
々凸起６ｂが設けてある。

【０００５】搖動アダプタ８は対称配置したカギ形２部
材をボルト９で一体化しコ形にしたもので、折曲がった
外端は耳部８ａとなりこれに円孔が穿ってある。枢着ボ
ルト２の両端には、中心に６角孔を穿ったリング（図示
せず）が被挿され、これが上記耳部８ａの円孔で軸支さ
れる。即ち搖動アダプタ８は枢着ボルト２中心に搖動可
能である。リンク装置は２つのアダプタ６，８を連結す
るものである。即ち搖動アダプタの対称２点とヨークア
ダプタの凸起６ｂとは２本のリンク１０で結ばれ、これ
がヨーク５と抵触せぬようヨークの上下面に設けられて
いる。各リンクは両端のクレビス金具をターンバクル構
造に結合してあり、中央の６角頭１０ａを回すことによ
って、リンクの長さを調節可能としてある。電線が鉄塔
に対し、ヨークと一体に水平方向の角度をもちを屈曲通
過する場合は、この調節により搖動アダプタに対するヨ
ークアダプタの角度を変更可能である。

【０００６】

【作用】枢着ボルト２の両側から搖動アダプタを装着
し、中央をボルト９で固着一体化する。ヨークアダプタ
６をヨーク５へ組込み、搖動アダプタとの間をリンク装
置で結合する。その上で鉄塔上の油圧ポンプと油圧シリ
ンダＣとを油圧ホースで結ぶ。油圧ポンプには手動でレ
バを往復動させるものが適する。シリンダＣへの送油に
よりヨークアダプタを長孔６ａ方向にわずかに押圧する
と、枢着ボルトはヨークによる側方けん引力から解放さ
れ、抜きとり、挿入ともに自在となる。

【０００７】

【発明の効果】枢着ボルトの抜取りと交換挿入にはカム
アロングを使用しないので、作業者が宙乗りして電線の
先端へ移動するなどの危険な作業は行わず、安全であ
る。碍子連を仮止めする工程も不要となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】鉄塔椀の端部平面図である。

【図２】本発明の平面図である。

【図３】同正面図である。

【図４】ヨークアダプタの斜視図である。

【符号の説明】

Ｅ 送電線 Ｇ 碍子 Ｃ 油圧シリンダ １ 耐張金具 ２ 枢着ボルト ３ 搖動金具 ４ ヨークボルト ５ ヨーク ５ａ 孔 ５ｂ 植込ピン ６ ヨークアダプタ ６ａ 長孔 ６ｂ 凸起 ７ ピストン杆 ７ａ 押圧具 ８ 搖動アダプタ ８ａ 耳部 ９ ボルト １０ リンク １０ａ 六角頭

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芝 崎 純 一 東京都品川区南品川６丁目５番19号 三和 テッキ株式会社内 (72)発明者 中 山 弘 文 香川県高松市瓦町１丁目３番12号 三和テ ッキ株式会社高松営業所内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鉄塔の腕へ固着された耐張金具と、同金
   具へ枢着ボルトで枢着された搖動金具と、中央をヨーク
   ボルトで搖動金具外端に係止し両端で電線を引止めるヨ
   ークとを備える鉄塔腕へ附設され、ヨークアダプタと、
   搖動アダプタと、この両者を結ぶリンク装置とから成
   り、 ヨークアダプタはコ形をなし両脚端部で若干の遊びをも
   ってヨークに係止され中央に油圧シリンダとその上下の
   凸起を備えピストン杆でヨークを押圧可能としたもの、
   搖動アダプタは前記枢着ボルトと平行でその両端は枢着
   ボルトの両端ナットへ回動可能に係合するもの、リンク
   装置は搖動アダプタの対称２点とヨークアダプタの凸起
   とを結ぶ２本のリンクをヨークの移動自在にその上下面
   に設けたものとしたヨークボルトの交換装置。