JPH09283072A - 2次荷電粒子検出方法及びそのシステム並びにイオンビーム加工装置 - Google Patents

2次荷電粒子検出方法及びそのシステム並びにイオンビーム加工装置

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JPH09283072A
JPH09283072A JP8092145A JP9214596A JPH09283072A JP H09283072 A JPH09283072 A JP H09283072A JP 8092145 A JP8092145 A JP 8092145A JP 9214596 A JP9214596 A JP 9214596A JP H09283072 A JPH09283072 A JP H09283072A
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secondary charged
charged particle
target
charged particles
amplifier
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JP8092145A
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Akira Shimase
朗 嶋瀬
Junzo Azuma
淳三 東
Yuichi Hamamura
有一 濱村
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本課題は、荷電ビームを走査してターゲット表
面から射出する2次粒子を検出する際に、ターゲット表
面の各ビーム照射点の斜面角度ごとに2次粒子信号を取
得する。また、2次粒子の収率を向上させるとともにM
CP面に広く2次粒子を入射させ斜面情報の分解能を向
上させる。 【解決手段】MCP4の検出電極3を円周方向に分割
し、そこから得られたを処理する。または、MCP4か
ら出た電流を蛍光板30により光に変換して、その光を
リニアセンサ31で検出して、そのデータを処理する。
収率と入射領域拡大にはMCPアッセンブリの追加およ
び電圧印加とそれらの最適化を実施する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子・イオン等の荷
電粒子を微細に集束して、1次荷電粒子として対象物
(ターゲット)に照射して、対象物の表面形状を観察す
るあるいは対象物を加工する装置において、1次荷電粒
子の衝突によって対象物(ターゲット)から放出される
2次荷電粒子を検出して対象物(ターゲット)の表面情
報を得る2次荷電粒子検出方法およびそのシステム並び
にイオンビーム加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】1次荷電粒子を微細に集束して対象物を
観察する装置としては、走査電子顕微鏡が最も一般的で
あり、オージェ分析等で分析方面への展開とともに、測
長SEM、ストロボSEM、あるいは、EBテスタ等の
半導体分野への展開も進んでいる。また一方、荷電粒子
としてイオンを用いた集束イオンビーム加工装置も、素
子の配線加工・接続や断面形成等に応用され、半導体分
野における不良解析等で重要な位置を占めるようになっ
てきている。1次荷電粒子を微細に集束して対象物を観
察する装置に用いられる従来の2次荷電粒子検出器とし
ては、特開昭61ー88442号公報(従来技術1)が
知られている。この従来技術1は、図25に示すよう
に、シンチレータ45と光電子増倍管46とを組み合わ
せて2次電子を検出する系で、検出器の角度を変えるこ
とで、(A)の位置では上方に射出した2次電子を多く検
出し、(B)の位置ではターゲット9の表面凹凸をより顕
在化すべく、より斜方に射出した2次電子を多く検出す
るものである。
【0003】また1次荷電粒子を微細に集束して対象物
を観察する装置に用いられる従来の2次荷電粒子検出器
としては、特開昭63−168951号公報(従来技術
2)や特開平4−504325号公報(従来技術3)が
知られている。従来技術2には、細く絞られた電子線を
試料面上において二次元的に走査するための手段と、該
走査に伴って得られる反射電子またはX線を検出するた
めの試料面法線に近い側に備えられた第1の検出器と、
前記試料面法線に対して遠い側に備えられた第2の検出
器と、該第1の検出器の出力信号から第2の検出器の出
力信号を減算するための手段を備えた走査電子顕微鏡等
の電子線装置に用いられ、試料の磁区構造像や組成像等
を観察するための電子線装置における反射電子等の検出
装置が記載されている。従来技術3には、細いリングで
作成された内側電子検出器、該内側電子検出器の半径方
向外側に配置されて複数個の第1同心弓形扇状部分で作
成された中間電子検出器、および該中間電子検出器の半
径方法外側に配置されて複数個の第2同心弓形扇状部分
で作成された外側電子検出器を有する全体的に環状の電
極組立体からなり、試料の表面から放出される種々の信
号、例えば、低エネルギ2次電子、高エネルギ後方散乱
電子、小角度反射電子、および大角度反射電子を分離す
ることができる電子検出器を備えた環境形走査型電子顕
微鏡が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術1に記載
された2次荷電粒子検出器の角度を変化させてターゲッ
ト面の角度により違う2次荷電粒子射出分布を捕らえる
方式では、以下の課題を有する。即ち、従来技術1に記
載された2次荷電粒子検出器は、シンチレータ45の前
面に電圧を印加して2次荷電粒子を引き込む方式である
ため、2次荷電粒子を引き込む際異なった射出方向の2
次荷電粒子が混じり合う状況が生じ、角度情報が曖昧に
なるという課題を有していた。また、上記従来技術2、
3には、通常LSIなどの半導体素子を平面的に観察す
る場合、上方に射出される2次荷電粒子の方が斜面から
射出される2次荷電粒子より多く、斜面情報が平坦部の
情報の中に埋もれた状態となったとしても、この斜面情
報を顕在化して高分解能で観察または認識しようとする
点について十分考慮されていなかった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の課題を解
決すべく、集束された1次荷電粒子(荷電ビーム)をタ
ーゲットに照射して射出される2次荷電粒子の情報か
ら、ターゲット表面の斜面情報を顕在化して高分解能で
観察または認識できるようにした2次荷電粒子検出方法
及びそのシステムを提供することになる。また本発明の
他の目的は、集束された1次荷電粒子(荷電ビーム)を
ターゲットに照射して射出される2次荷電粒子の情報か
ら、ターゲット表面の3次元形状を顕在化して高分解能
で観察または認識できるようにした2次荷電粒子検出方
法及びそのシステムを提供することになる。また本発明
の他の目的は、集束されたイオンビームをターゲットに
照射して射出される2次荷電粒子の情報から、ターゲッ
ト表面の斜面情報を顕在化して高分解能で観察または認
識して加工位置を高精度に位置決めしてイオンビーム加
工を施すようにしたイオンビーム加工装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、集束された1次荷電粒子をターゲットに
照射し、このターゲットから発生する2次荷電粒子を2
次荷電粒子増幅機能を有する手段で増幅し、この増幅さ
れた2次荷電粒子を、前記1次荷電粒子照射軸を中心に
した周辺電極で前記ターゲット上における斜面を強調し
た2次荷電粒子信号として検出することを特徴とする2
次荷電粒子検出方法である。また本発明は、集束された
1次荷電粒子をターゲットに照射し、このターゲットか
ら発生する2次荷電粒子を2次荷電粒子増幅機能を有す
る手段で増幅し、この増幅された2次荷電粒子を、前記
1次荷電粒子照射軸を中心にして半径方向に複数に分割
したリング状の電極の各々で2次荷電粒子信号として検
出することを特徴とする2次荷電粒子検出方法である。
また本発明は、集束された1次荷電粒子をターゲットに
照射し、このターゲットから発生する2次荷電粒子を2
次荷電粒子増幅機能を有する手段で増幅し、この増幅さ
れた2次荷電粒子を光に変換して半導体センサで受光し
て2次荷電粒子信号として検出することを特徴とする2
次荷電粒子検出方法である。
【0007】また本発明は、前記2次荷電粒子検出方法
において、前記半導体センサを2つ以上配置することを
特徴とする。また本発明は、前記2次荷電粒子検出方法
において、前記半導体センサがリニアセンサであること
を特徴とする。また本発明は、前記2次荷電粒子検出方
法において、前記リニアセンサを放射状に複数配置した
ことを特徴とする。また本発明は、前記2次荷電粒子検
出方法において、前記リニアセンサからのデータから1
次荷電粒子照射点ごとのターゲットの傾斜角度を算出し
て3次元形状を認識することを特徴とする。また本発明
は、前記2次荷電粒子検出方法において、前記リング状
検出板の各々からの2次荷電粒子信号によりターゲット
の平面および斜面の各々の鮮明な画像を検出することを
特徴とする。また本発明は、前記2次荷電粒子検出方法
において、集束した1次荷電粒子を通過させる管状の中
央電極(センターパイプ)を備えた1次荷電粒子軸に対
して実質的に対称に形成された2次荷電粒子増幅手段
(MCP(マイクロチャネルプレート)、MSP等)に
おいて前記管状の中央電極(センターパイプ)に電圧を
印加して、管状の中央電極から2次荷電粒子に対する斥
力を生じせしめて2次荷電粒子増幅手段(MCP、MS
P等)への2次荷電粒子の収集率を向上させることを特
徴とする。また本発明は、前記2次荷電粒子検出方法に
おいて、2次荷電粒子引き込み用メッシュ電極の形状を
半球状あるいは釣り鐘状とし、1次荷電粒子照射点から
発生する2次荷電粒子を該1次荷電粒子軸(1次荷電粒
子の入射軸)から遠ざける方向に該メッシュ電極に電圧
を印加して2次荷電粒子増幅手段(MCP、MSP等)
への2次荷電粒子の収集率を向上させることを特徴とす
る。また本発明は、前記2次荷電粒子検出方法におい
て、2次荷電粒子増幅手段(MCP、MSP等)の外縁
付近に円筒状あるいはテーパ付き円筒状電極を設け、該
円筒状電極に電圧を印加して、該MCP等の2次荷電粒
子検出領域全体に該2次荷電粒子を拡散せしめる等該2
次荷電粒子の軌道を制御することを特徴とする。また本
発明は、前記2次荷電粒子検出方法において、管状の中
央電極(センターパイプ)を分割して、それぞれに任意
の電圧を印加することで、2次荷電粒子検出系の軸対象
からのずれを補正することを特徴とする。また本発明
は、前記2次荷電粒子検出方法において、円筒状電極を
分割して、それぞれに任意の電圧を印加することで、2
次荷電粒子検出系の軸対象からのずれを補正することを
特徴とする。また本発明は、前記2次荷電粒子検出方法
において、MCP等を取り付けるケーシングに電圧を印
加し、2次荷電粒子の軌道を制御することを特徴とす
る。また本発明は、前記2次荷電粒子検出方法におい
て、前記2次荷電粒子増幅機能を有する手段がマイクロ
チャネルプレートまたはマイクロスフェアプレートであ
ることを特徴とする。
【0008】また本発明は、集束された1次荷電粒子を
ターゲットに照射し、このターゲットから発生する2次
荷電粒子を2次荷電粒子増幅機能を有する手段で増幅
し、この増幅された2次荷電粒子を光に変換して、配列
方向を前記1次荷電粒子照射軸を中心にして半径方向に
向けて設置したリニアセンサで受光してターゲットの傾
斜角度に応じた2次荷電粒子信号として検出することを
特徴とする2次荷電粒子検出方法である。また本発明
は、集束された1次荷電粒子をターゲットに照射し、こ
のターゲットから発生する2次荷電粒子を2次荷電粒子
増幅機能を有する手段で増幅し、この増幅された2次荷
電粒子を光に変換して、配列方向を前記1次荷電粒子照
射軸を中心にして半径方向に向けて設置したリニアセン
サで受光してターゲットの傾斜角度に応じた2次荷電粒
子信号として検出し、この検出されたターゲットの傾斜
角度に応じた2次荷電粒子信号からターゲットの傾斜角
度を算出して3次元形状を認識することを特徴とする2
次荷電粒子検出方法である。
【0009】また本発明は、集束された1次荷電粒子を
管状の中央電極を通してターゲットに照射し、このター
ゲットから発生する2次荷電粒子に対する前記管状の中
心電極からの斥力により前記2次荷電粒子を向けさせて
2次荷電粒子増幅機能を有する手段で増幅し、この増幅
された2次荷電粒子を検出器により2次荷電粒子信号と
して検出することを特徴とする2次荷電粒子検出方法で
ある。また本発明は、1次荷電粒子軸に対して実質的に
対称に形成された2次荷電粒子増幅器(MCP、MSP
等)と、1次荷電粒子軸に対してリング状に半径方向に
複数に分割し、各々が前記2次荷電粒子増幅器で増幅さ
れた2次荷電粒子を検出して2次荷電粒子信号に変換す
る検出器と、ターゲットから発生する2次荷電粒子に対
して斥力を生じせしめて2次荷電粒子増幅器(MCP、
MSP等)への2次荷電粒子の収集率を向上させる管状
の中央電極(センターパイプ)と、ケーシングとからな
ることを特徴とする2次荷電粒子検出装置である。
【0010】また本発明は、1次荷電粒子軸に対して実
質的に対称に形成された2次荷電粒子増幅器(MCP、
MSP等)と、1次荷電粒子軸に対してリング状に半径
方向に複数に分割し、各々が前記2次荷電粒子増幅器で
増幅された2次荷電粒子を検出して2次荷電粒子信号に
変換する検出器と、ターゲットから発生する2次荷電粒
子に対して斥力を生じせしめて2次荷電粒子増幅器(M
CP、MSP等)への2次荷電粒子の収集率を向上させ
る管状の中央電極(センターパイプ)と、ターゲットか
ら発生する2次荷電粒子を2次荷電粒子増幅器(MC
P、MSP等)へ引き込むメッシュ電極と、ケーシング
とを有する2次荷電粒子検出装置を設けた2次荷電粒子
検出システムである。また本発明は、1次荷電粒子軸に
対して実質的に対称に形成された2次荷電粒子増幅器
(MCP、MSP等)と、該2次荷電粒子増幅器で増幅
された2次荷電粒子を光に変換する荷電粒子/光変換器
(螢光板)と、該荷電粒子/光変換器で変換された光を
受光して信号に変換する半導体光センサと、ターゲット
から発生する2次荷電粒子に対して斥力を生じせしめて
2次荷電粒子増幅器への2次荷電粒子の収集率を向上さ
せる管状の中央電極とを有する2次荷電粒子検出装置を
設けた2次荷電粒子検出システムである。
【0011】また本発明は、前記2次荷電粒子検出装置
において、前記半導体光センサがリニアセンサであるこ
とを特徴とする。また本発明は、前記2次荷電粒子検出
装置において、前記半導体光センサが複数のリニアセン
サであり、該リニアセンサの各々を1次荷電粒子軸(1
次荷電粒子の入射軸)を中心にして実質的に放射状に配
置したことを特徴とする。また本発明は、1次荷電粒子
軸に対して実質的に対称に形成された2次荷電粒子増幅
器(MCP、MSP等)と、該MCP等の後に設置され
た蛍光板と、その後に設置された半導体光センサと、タ
ーゲットから発生する2次荷電粒子に対して斥力を生じ
せしめて2次荷電粒子増幅器(MCP、MSP等)への
2次荷電粒子の収集率を向上させる管状の中央電極(セ
ンターパイプ)と、ターゲットから発生する2次荷電粒
子を2次荷電粒子増幅器(MCP、MSP等)へ引き込
むメッシュ電極と、ケーシングとを有する2次荷電粒子
検出装置を設けた2次荷電粒子検出システムである。
【0012】また本発明は、前記2次荷電粒子検出装置
において、前記半導体光センサがリニアセンサであるこ
とを特徴とする。また本発明は、前記2次荷電粒子検出
装置において、前記半導体光センサが複数のリニアセン
サであり、該リニアセンサの各々を1次荷電粒子軸(1
次荷電粒子の入射軸)を中心にして実質的に放射状に配
置したことを特徴とする。また本発明は、1次荷電粒子
軸に対して実質的に対称に形成された2次荷電粒子増幅
器(MCP、MSP等)と、該2次荷電粒子増幅器で増
幅された2次荷電粒子を検出して2次荷電粒子信号に変
換する検出器と、アースから電気的に絶縁することで電
圧印加を可能とし、該印加電圧によってターゲットから
発生する2次荷電粒子に対して斥力を生じせしめて2次
荷電粒子増幅器(MCP、MSP等)への2次荷電粒子
の収集率を向上させる管状の中央電極(センターパイ
プ)と、ケーシングとを有する2次荷電粒子検出装置を
設けた2次荷電粒子検出システムである。
【0013】また本発明は、前記2次荷電粒子検出装置
において、ターゲットから発生する2次荷電粒子を2次
荷電粒子増幅器(MCP、MSP等)へ引き込むメッシ
ュ電極を備えたことを特徴とする。また本発明は、前記
2次荷電粒子検出装置において、半球状あるいは釣り鐘
状あるいは皿状あるいは円筒状の形状とし、1次荷電粒
子入射軸に対して実質的に軸対称に配置し、ターゲット
から発生する2次荷電粒子を2次荷電粒子増幅器(MC
P、MSP等)へ引き込むメッシュ電極を備えたことを
特徴とする。また本発明は、前記2次荷電粒子検出装置
において、2次荷電粒子増幅器(MCP、MSP等)の
外縁付近に配置した円筒状あるいはテーパ付き円筒状の
2次荷電粒子軌道制御電極を備えたことを特徴とする。
また本発明は、前記2次荷電粒子検出装置において、ま
た本発明は、前記2次荷電粒子検出装置において、前記
管状の中央電極(センターパイプ)を分割し、各々に印
加する電圧を制御して2次荷電粒子の軌道を制御するこ
とを特徴とする。また本発明は、前記2次荷電粒子検出
装置において、前記2次荷電粒子軌道制御電極を分割
し、各々に印加する電圧を制御して2次荷電粒子の軌道
を制御することを特徴とする。
【0014】また本発明は、集束されたイオンビームを
試料上のターゲットマークおよび所望の加工位置に照射
するイオンビーム照射手段を設け、イオンビーム照射軸
に対して実質的に対称に形成された2次荷電粒子増幅器
と該2次荷電粒子増幅器で増幅された2次荷電粒子を検
出して2次荷電粒子信号に変換する検出器とアースから
電気的に絶縁することで電圧印加を可能とした管状の中
央電極とを有し、前記試料上のターゲットマークから2
次荷電粒子信号を検出する2次荷電粒子検出装置を設
け、該2次荷電粒子検出装置の検出器で検出される前記
試料上のターゲットマークからの2次荷電粒子信号に基
づいて前記試料を位置決めし、前記イオンビーム照射手
段により試料上の所望の加工位置に集束されたイオンビ
ームを照射して加工を施すように構成したことを特徴と
するイオンビーム加工装置である。
【0015】以上説明したように、本発明によれば、集
束された1次荷電粒子(荷電ビーム)をターゲットに照
射して射出される2次荷電粒子を2次荷電粒子増幅器
(MCP、MSP等)への収集率を向上させて検出器で
斜面情報を顕在化した信号に変換してその2次荷電粒子
の情報から、ターゲット表面の斜面情報を顕在化して高
分解能で観察または認識することができる。また本発明
によれば、集束された1次荷電粒子(荷電ビーム)をタ
ーゲットに照射して射出されるを2次荷電粒子増幅器
(MCP、MSP等)への収集率を向上させて検出器で
斜面情報を顕在化した信号に変換してその2次荷電粒子
の情報から、ターゲット表面の3次元形状を顕在化して
高分解能で観察または認識することができる。
【0016】また本発明によれば、集束された1次荷電
粒子(荷電ビーム)をターゲットに照射して射出される
を2次荷電粒子増幅器(MCP、MSP等)への収集率
を向上させて、配列方向を1次荷電粒子照射軸を中心に
して半径方向に向けて設置したリニアセンサによりター
ゲットの傾斜角度に応じた2次荷電粒子信号を検出する
ようにしたので、CPUによりこの検出されたターゲッ
トの傾斜角度に応じた2次荷電粒子信号からターゲット
の傾斜角度を算出して3次元形状を認識することが可能
となった。また本発明によれば、集束されたイオンビー
ムをターゲットに照射して射出される2次荷電粒子の情
報から、ターゲット表面の斜面情報を顕在化して高分解
能で観察または認識して加工位置を高精度に位置決めし
てイオンビーム加工を施すことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明に係る実施の形態を図面を
用いて説明する。本発明に係る2次粒子検出方法および
その装置が適用される集束イオンビーム加工装置につい
て図1を用いて説明する。集束イオンビーム加工装置
は、ULSI,VLSI等のLSI素子の開発段階等に
おいてLSI素子の配線加工・接続や断面形成等を行っ
てデバックや不良解析等を行うために用いられる。
【0018】集束イオンビーム装置は、図1に示すよう
に構成されている。イオン源35から引き出したイオン
ビーム(1次荷電粒子)1を集束レンズ(静電レンズ)
36で集束して、ステージ8の上に載置した半導体素子
等のターゲット9に照射する。この時、デフレクタコン
トローラ44からの信号に従い、デフレクタ37に偏向
電圧を印加してイオンビーム1を偏向するが、この偏向
信号と同期させてターゲット9から発生する2次荷電粒
子38の強度変化を検出して、ターゲット表面の情報
(主に凹凸情報)を得ることができる。集束イオンビー
ム装置の場合、2次荷電粒子38の検出にはMCP(マ
イクロチャンネルプレート)と呼ばれる2次荷電粒子検
出器60が使われることが多い。この理由は、2次荷電
粒子として2次電子と2次イオンの両方をこの検出器6
0で検出可能であること、ターゲット表面を上方から照
明した状態に表面観察ができること、比較的単純な機器
構成であること等が挙げられる。この2次荷電粒子増幅
器(MCP)4は、イオンビーム軸に対して軸対称に配
置されるため、ターゲット表面をモニタ43の画面上で
上下左右均等に照明されたかのように表示されるため、
イオンビーム1による加工の位置決め等に使用すること
ができる。即ち、MCPと呼ばれる2次荷電粒子検出器
60は、通常管状の中央電極(センターパイプ)2を備
え、イオンビーム1を通すタイプであり、2次荷電粒子
増幅器(MCP)4で2次荷電粒子信号を増幅して、検
出器である検出板(検出電極)3で2次荷電粒子信号と
して電流を検出し、ヘッドアンプ42にさらに増幅し
て、信号処理回路71に信号入力する。信号処理回路7
1にはデフレクタコントローラ44からイオンビーム1
の偏向信号(走査信号)も入力しており、これらからイ
オンビーム走査の各点に対応した2次荷電粒子信号デー
タを形成する。この信号を画像メモリ72に送り、そこ
で一度格納し、さらに画像処理回路73で画像に適正な
処理を施してメインコントローラ74に送る。メインコ
ントローラ74では2次荷電粒子信号の処理以外にも装
置各部(例えば集束レンズ(静電レンズ)36、ブラン
キング電極、デフレクタコントローラ44等)の制御処
理を行う。そこで、装置の目的に従ったソフト処理の結
果として、上記で得られた2次荷電粒子信号データがモ
ニタ43上でターゲット表面の2次元画像として表示で
き、イオンビームによる加工の位置決め等に使用する。
即ち、モニタ43上にターゲットの傾面を強調して高解
像度でもって表示された2次元画像に基づいて試料に対
する加工の位置決めを行う。そして位置決めされた所望
の加工位置に上記イオンビーム1を照射して加工を行
う。また半導体素子等の所望の箇所にイオンビーム1を
走査照射して大きな穴加工を施し、その後この穴加工の
断面を、上記で得られた2次荷電粒子信号データに基づ
く2次元画像をモニタ43に表示することによって、高
解像度で観察することができる。
【0019】上記実施の形態では、画像メモリ72と画
像処理回路73として、メインコントローラ74とは別
のハードウエアを使用した場合について説明したが、処
理速度が装置の目的に合致している場合には、それらの
処理をメインコントローラ74内のソフト処理として実
行してもよい。また、画像メモリ72や画像処理73は
必ずしも必要のない場合もあり、その時には装置価格低
減のため、それらを設置しないこともある。なお、上記
の集束イオンビーム装置主要部は真空チャンバ51内に
収納され、真空ポンプ41で高真空に排気されている。
また、微細な加工を行うため、真空チャンバ48を保持
する定盤39はエアサーボマウント40上に載置され
る。
【0020】ところで、1次粒子1の衝突(イオンビー
ム1の照射)によってターゲット9から2次荷電粒子1
9が放出されるが、図2に示すように、ターゲット9の
面に対して垂直方向に近い方向に最も多く放出される。
角度が大きくなると1次粒子1の入射角θに対し、2次
荷電粒子19の射出角φは一定の関係で変化するが、θ
が90゜に近くなっても、φが10゜を越えることはま
れで、ほとんどの場合、2次荷電粒子射出方向はターゲ
ット面の法線方向と考えてよい。
【0021】そして、LSIなどの半導体素子からなる
ターゲット9の表面には、マークで示されるように微小
凹凸が存在し、斜面からの2次荷電粒子は、図3に示す
ようにターゲット9の表面の平面・斜面でそれぞれの方
向26を中心として分布して射出される。これは1次粒
子を照射している領域全体から射出される2次荷電粒子
を総体として考えると、上方射出2次荷電粒子21と左
方射出2次荷電粒子22と右方射出2次荷電粒子23と
に分けられる。これらをそれぞれ検出できれば、それぞ
れの斜面あるいは平面からの情報を分離して検出するこ
とが可能となる。例えば、今斜面の方向を左右で区別せ
ず、斜面であるかどうかだけを問題とするとしたら、図
3に示すように2次荷電粒子増幅器(MCP)4を有す
る検出器である検出板(検出電極)3を、中央検出電極
24と周辺検出電極25に分ければよい。それぞれの電
極24、25からの情報は、図4(a)に示す中央電極
検出信号61と図4(b)に示す周辺電極検出信号62
となる。ここで、デフレクタコントローラ44におい
て、イオンビーム1を偏向(走査)させるデフレクタ3
7に印加する偏向電圧に応じて周辺電極検出信号62の
みを抽出することによって斜面を強調したターゲット9
の表面像を得ることができる。次に、2次荷電粒子増幅
器(MCP)(マイクロチャネルプレート:Micro
channel Plate)4を用いて2次荷電粒子
(2次電子または2次イオン)を検出する場合について
詳細に説明する。図5以下では2次荷電粒子として2次
電子を検出する場合について説明する。ただし、2次イ
オンを検出する場合は、最適な電圧値を選択する必要は
あるが、2次荷電粒子増幅器(MCP)4から検出板3
までの増倍電子に関する電位関係以外は、基本的には2
次電子の場合と逆電圧を印加すればよい。
【0022】2次荷電粒子増幅器(MCP)と呼ばれる
2次荷電粒子検出器60aは、図5(a)に示す通り、
アース電位のケーシング14に2次荷電粒子引き込み用
のメッシュ電極5、2次荷電粒子増幅器(MCP)本体
4、検出器である検出電極3、アース電位のセンターパ
イプ2を納めた構造となっている。ステージ8上のター
ゲット9とケーシング14と管状の中央電極(センター
パイプ)2とはアース電位であり、メッシュ電極5に引
き込み電圧V1が印加されている。このときの等電位面
7に従い、2次荷電粒子軌道5は図5(a)に示す軌道
をとる。これでそれぞれの面からの2次荷電粒子がメッ
シュ電極5を通過し、2次荷電粒子増幅器(MCP)4
に入射し、その中で増幅されて、検出電極3に入射す
る。ここで、検出電極3を図5(b)に示すように半径
方向に分割した形状とする。今回は図5(b)に27、
28、29で示すように3分割で、かつ、斜面の方向
(例えば、X,Y軸方向およびXY平面内でX,Y軸に
対してある角度傾斜した方向)では情報として必要とし
なかったため、半径方向のみの分割とした。これは、さ
らに分割して細かな情報を取得することも可能である。
ただし、イオンビーム1を微細に集束してターゲット9
に照射する場合、ビーム電流が元々少ないので、各分割
電極27〜29で取得できる情報が小さく、ノイズレベ
ルと同程度になることがあるため、電極の分割はこれも
考慮しておく必要がある。なお、3分割電極27〜29
のそれぞれで違う角度の斜面からの情報を得るが、本形
態では、まず周辺電極29からの信号を使い、LSI表
面の比較的緩やかな盛り上がりの形状を観察できた。ま
た、ターゲット9として、使用したマークの形状による
が、中間電極28による観察の方が、中央電極27や周
辺電極29に比べ、マークエッジの検出ばらつきが小さ
かった。
【0023】上記実施形態では3分割の検出電極27、
28、29を採用したが、斜面データをより細かに取得
する2次荷電粒子検出器60bの形態として、図6
(a)(b)に示す形態がある。この2次荷電粒子検出
器60bは、2次荷電粒子増幅器(MCP)4で増幅さ
れた信号電流をそのまま検出電極に入射させず、一度2
次荷電粒子/光変換器である蛍光板31に入射させ、そ
こで光に変換し、それをリニアセンサ31で電気信号と
して取り出すものである。この方式では細かな斜面情報
を取得でき、イオンビーム1の各走査点ごとに斜面角度
を計算し、それを処理することで、ターゲット9表面の
3次元形状を認識することも可能となる。この場合に
は、レチクル表面に比較的なだらかに残留した余剰欠陥
について本実施の形態でその厚さおよび形状を認識し、
それに従ってイオンビーム1の走査を制御することで、
高品質な欠陥修正を行える。なお、ここで図6(b)に
示すように半導体センサであるリニアセンサ31を保持
板34に4本放射状に取り付けたが、本来これでは2次
荷電粒子増幅器(MCP)4で取得した情報の一部しか
利用しておらず、効率が悪い。しかし、蛍光板30とリ
ニアセンサ31との間にシリンドリカルレンズを挿入す
ることで、効率をあげることも可能である。この実施の
形態では、蛍光板30とリニアセンサ31とで検出器を
構成する。さらに、図7(a)(b)には2次荷電粒子
検出器60cを示す。2次荷電粒子検出器60cは、リ
ニアセンサ31間に対応するメッシュ電極5の下の位置
に、メッシュ電極5よりも低い電圧を印加する補助電極
52を設ける。その場合、図7(c)のように2次荷電
粒子はリニアセンサ31下のメッシュ電極5の方向へ偏
向され、その領域への2次荷電粒子入射を増加させる。
これにより、リニアセンサ31で検出できる2次荷電粒
子の収率を向上させることができる。
【0024】実際の3次元形状の認識の方法は、例えば
以下の方法をとる。事前に予め斜面角度を測定した試料
を用いて、特定角度の時にリニアセンサ31のどの部分
で最も多くの2次荷電粒子を検出するかを測定する。こ
のデータを斜面角度θについて採集し、その間を補間し
て、斜面角度θとリニアセンサ31の中の高検出位置の
変化Δxpとの関係(Δxp=f(θ))を求めてお
く。例えば、図6(b)において、p点がイオンビーム
軸に対する垂直な面(傾度θ=90°)で最大の2次荷
電粒子検出点である。またq点は傾度θ=45°の点、
s点は傾度θ=0°の点である。ターゲット9のパター
ンが平坦な丘部、斜面、谷部を持つパターンである場
合、イオンビーム1を丘部から斜面を経て谷部へターゲ
ット9上で左から右に走査したとすると、最初の走査点
での2次荷電粒子信号のピークはp点であるが、走査点
が斜面にかかった段階でq点の方向にピーク位置がずれ
始め、走査点の移動に伴いピーク位置がq点を過ぎ、一
定の走査点の間は斜面の角度に対応するq点とs点との
間のr点でピーク位置が停止し、その後走査点が斜面か
ら谷部に向かって移動するに従い、またr点から戻り、
q点を過ぎて、谷部に走査点が入った段階でp点にピー
ク位置が停止するようになる。この各走査点xdでのピ
ーク位置の変化Δxpを上記で求めておいた斜面角度θ
に換算し、走査位置xdと斜面角度θとの関係を求め
る。これを走査領域各点で行うことにより、ターゲット
9上の走査領域での3次元形状を計算して認識すること
ができる。
【0025】上記方式を採用することで、LSI上の位
置合わせマークの例えば斜面を強調して、マークの中心
を求めやすくする等の適用が可能であるが、更に本実施
の形態が有用な位相シフトレチクルの欠陥形状認識につ
いて説明する。位相シフトレチクル(以下PSレチクル
と呼ぶ。)は、通常の基板と遮光パターン以外に位相を
反転させるためのシフタと呼ばれる透明パターンが設け
られたレチクルである。遮光パターンに欠陥が発生する
のと同様に、シフタにも欠陥が発生し、その欠陥が全て
のウエハに転写される。このため、欠陥を除去する修正
が不可欠である。しかし、シフタは遮光パターンに比べ
て厚く、その欠陥の形状も3次元的に不定形であること
が多くなっている。従って、それを精度よく除去するに
は、欠陥形状を認識した上で、それに従ったイオンビー
ム照射を行う必要がある。このための欠陥形状認識に本
方式が適用できる。
【0026】図24にこの方式を示す。PSレチクルの
基板75の上に欠陥76が存在したとする。そこを欠陥
形状認識のためにイオンビーム1を欠陥76を含む領域
を走査する。図24ではその中の一つの走査線を取り上
げている。左からイオンビーム1を走査した時、それぞ
れの点、A,B,C,D,Eで2次荷電粒子の射出方向
分布19は異なる。これを蛍光板30(図24には図示
せず)に入射させてリニアセンサ31で光の強度を読み
取った場合、リニアセンサ31の出力分布77は、A,
C,Eのようにイオンビーム1の軸に垂直なターゲット
面ではリニアセンサ31の中央部付近にピークを持つ。
一方、BやDのように面が傾いている場合にはピーク位
置はずれることになる。(なお、ここで一つの走査線に
ついてだけ説明しているため、紙面に垂直な方向での傾
きは考えていない。このため、リニアセンサ31の平面
図では、縦方向のリニアセンサ31は一部だけを描いた
だけとしている。実際には、斜面の傾きはXY両方向で
変化するため、XY両方のリニアセンサ31からのピー
ク情報を処理することになる。)それぞれのピーク位置
には、それに対応した斜面角度が予め求められている。
その各点に対応する斜面角度から、斜面傾斜が計算でき
る。その計算結果を積分した結果が欠陥の高さを示すこ
とになり、これで一つの走査線に対応する欠陥形状を求
められる。この処理を実行するにあたり、図1に示すメ
インコントローラ74内でソフト的に処理することも可
能であるが、実用的な処理速度を得るためには、画像メ
モリ72ではイオンビーム走査各点でのリニアセンサ上
のピーク位置を記憶するための機能拡充と、画像処理回
路73ではピーク情報から各点での斜面角度への変換、
それをXY両方向での斜面傾斜データへの変換、さらに
それを積分して高さデータに変換する処理実行への機能
拡充も必要である。
【0027】集束イオンビーム装置の像分解能を向上さ
せるには、収差が小さなレンズを設計することが必要で
あるが、同時にワーキングディスタンスを小さくし、レ
ンズ倍率を小さくすることも必要である。このため、ワ
ーキングディスタンスは縮小傾向にある。これまでであ
れば、図8(a)に示す2次荷電粒子検出器60aであ
っても、ターゲット9から射出した2次荷電粒子の大部
分が2次荷電粒子増幅器(MCP)4に到達することが
できた。しかし、ワーキングディスタンスが小さくなる
と、図8(b)に示す2次荷電粒子検出器60aように
センターパイプ2をターゲット9との間の空間はほとん
どアース空間となる。この時、イオンビーム1の照射点
から上方を見上げたとしたら、上方にはほぼ全面センタ
ーパイプ2が覆い被さっている状況となる。したがっ
て、上方に射出した2次荷電粒子はアース空間を直進
し、センターパイプ2に吸収されることとなる。一方、
センターパイプ2を短くして、メッシュ電極5の中に入
れてアース電位がかからない状態としても、逆に2次荷
電粒子の引き込み電圧がかかり、やはり上方に射出した
2次荷電粒子はそのまま上方に直進し、2次荷電粒子増
幅器(MCP)4には入射できない。
【0028】そこで、ワーキングディスタンスの短い場
合でも2次荷電粒子検出の収率を確保するために、図9
に示す2次荷電粒子検出器60dのようにセンターパイ
プ2にメッシュ電極5への印加電圧V1と逆符号の電圧
V2を印加する。この場合、電位分布は図10に示す通
り、センターパイプ2の周辺が高くなり、ターゲット面
から上方に射出した2次荷電粒子軌道6は、一度イオン
ビーム1の軸から離れる方向に進み、その先でメッシュ
電極5の方向に進む。これによって、射出エネルギーが
高すぎて軌道を曲げきれない2次荷電粒子以外は全て2
次荷電粒子増幅器(MCP)4に到達し、2次荷電粒子
収率が向上できる。なお、11はy方向から見たセンタ
ーパイプ2の投影を示す。12はy方向から見たターゲ
ット9の投影を示す。13はy方向から見たメッシュ電
極5の投影を示す。
【0029】ここで、メッシュ電極5に印加する電圧V
1とセンターパイプ2に印加する電圧V2とは下記のよ
うに調整することとした。調整用サンプルとしては多数
の段差のある例えば磁気テープあるいはラテックスを固
着させた膜に金をコーティングしたものを使う。LSI
でも使用可であるが、所定角度を持った斜面が多いた
め、電圧調整が特殊な調整となることが多い。ただし、
これは、LSI表面の像を主に取り込むような場合に
は、LSIをサンプルとして使用してもよい。各角度の
斜面がまんべんなく含まれるようにイオンビーム1をサ
ンプル面の100μm□ほどの領域で走査しつつ、射出
される2次荷電粒子を2次荷電粒子増幅器(MCP)4
で検出する。V1については、検出する2次荷電粒子の
種類(電子であるかイオンであるか)、2次荷電粒子増
幅器(MCP)4の耐圧、確保すべき2次荷電粒子増幅
器(MCP)ゲインの調整幅、さらにメッシュ電極5か
ら2次荷電粒子増幅器(MCP)4の入射面加速するた
めに印加する電圧(図示せず)で、ある程度決まり、通
常その範囲内で最大の値に固定する。V2については、
アース電位から検出する2次荷電粒子電荷の極性と同じ
極性で電圧を増加させていく。最初はセンターパイプ1
に衝突していた2次荷電粒子が、V2印加による電界に
よって反発を受け、2次荷電粒子増幅器(MCP)4へ
押し出されるようになり、画面の明るさが増加する。さ
らにV2を増加させると、今度はV2による電界が2次
荷電粒子の射出方向を横方向に偏向させ、サンプル表面
の凹凸の側面に2次荷電粒子が衝突するようになる。さ
らにV2を増加させると、サンプル表面の電界が2次荷
電粒子を押し戻す方向に働き、射出された2次荷電粒子
がすぐにサンプル表面に戻される状況となる。従って、
V2の変化によって、画面の明るさが最大値を取った後
に低下していく現象が見られる。そこで、V2としては
画面の明るさが最大になった点に設定する。
【0030】2次荷電粒子検出器60eにおいて、通常
2次荷電粒子増幅器(MCP)4を収納するケーシング
14は図11に示すようにアース電位である。この時、
等電位面7は図11に示す形状となる。従って、斜めに
射出した2次荷電粒子も2次荷電粒子増幅器(MCP)
4へ到達する途中でイオンビーム1の軸方向へ押し戻さ
れる力を受ける。このため、2次荷電粒子増幅器(MC
P)4に到達した2次荷電粒子の分布16は図12に示
すように、2次荷電粒子増幅器(MCP)の検出領域1
5の全面ではなく、その一部分になる。これでは、図5
または図6のように電極を分割あるいはリニアセンサで
検出しても、その斜面情報分解能は期待できない。そこ
で、2次荷電粒子検出器60fとして、図13に示すよ
うに半球状のメッシュ電極5を採用した。このメッシュ
電極5によって、2次荷電粒子はまずイオンビーム1軸
から離れる方向への力を受け、その後、2次荷電粒子増
幅器(MCP)4の前面に印加する電圧V3によって2
次荷電粒子増幅器(MCP)4に入射する。この場合の
2次荷電粒子増幅器(MCP)4に到達した2次荷電粒
子の分布16は図14に示すように、図12の平坦なメ
ッシュ電極5の場合に比べ、広がっており、斜面情報の
分解能が向上できる。さらに、ここまではケーシング1
4はアース電位であったが、図15に示す如く2次荷電
粒子検出器60gとしてケーシング14に2次荷電粒子
を引き上げる電圧V4を印加することで2次荷電粒子増
幅器(MCP)4に到達した2次荷電粒子の分布16は
図16のようにさらに改善され、斜面情報の分解能もさ
らに向上可能である。ここで、メッシュ電極5を半球状
としたが、電圧を適当に設定すれば、釣り鐘状、皿状、
あるいは、円筒状でも同等の効果が得られる。
【0031】ここで各電圧の調整は、例えば次にように
行う。即ち、調整サンプルとしては、前記と同様、磁気
テープあるいはラテックスを固着させた膜に金をコーテ
ィングしたものを使用する。MPC4の前段に印加する
電圧V3は2次荷電粒子増幅器(MCP)4の耐圧等で
決定される。また、メッシュ電極5から2次荷電粒子増
幅器(MCP)4の全面へ2次荷電粒子を加速するため
に、メッシュ電極5に印加する電圧V1としてはV3よ
りも数10から数100V低い電圧を選択するが、この
電圧とV3との間でケーシング14への印加電圧V4を
調整するので、一定の調整幅をとるため、今回はV1を
V3より350V低く設定した。この状態で、センター
パイプ1への印加電圧V2をアース電位から増加させて
いくと、前述したように極大値を持つ点があり、ここを
V2の値として設定する。その上で、ケーシング14へ
の印加電圧V4を増加していく。印加の方向はV1と同
電位からV3と同電位の方向へ変化させた。その時、最
外縁の検出電極3で検出される2次荷電粒子信号に従っ
て変化する画面の明るさを観察し、それが最も明るくな
った時点でV4を固定する。ただし、今回はV1とV3
の電位差を350Vに固定して調整したが、これは観察
するターゲット9によっては違う電位差が最適な場合も
あり、ターゲットごとにその電位差を変化させつつ、最
適なセンターパイプ1への印加電圧V2を求め、その時
の最適なケーシング14への印加電圧V4を求めていく
手順を踏むべきである。
【0032】上記の実施の形態ではケーシング14に電
圧を印加する方式であったが、図17に示す如く2次荷
電粒子検出器60hとして円筒状のカバー電極17(こ
れはメッシュで形成されていても同じである。)を設
け、そこに2次荷電粒子を引きつける電圧V5を印加す
ることで、上記の実施の形態と同等の効果が得られる。
この場合には、ケーシング14には電圧を印加する必要
はなく、2次荷電粒子検出器60h全体の取り付けが容
易となる。なお、この実施の形態であれば、図18に示
す如く2次荷電粒子検出器60iとして必ずしもメッシ
ュ電極5は必要ではなく、2次荷電粒子増幅器(MC
P)4の前面に適当な電圧を印加すれば、図17に示す
2次荷電粒子検出器60hと同等の効果が得られる。
【0033】また、上記の実施の形態では、円筒状カバ
ー電極17であったが、これでは条件によっては2次荷
電粒子が円筒状カバー電極自体に入射してしまう危険性
がある。そこで、より安全な形態として、円筒状カバー
電極17にテーパ形状を付加した図19の形状を採用し
た。この2次荷電粒子検出器60jにより、円筒状カバ
ー電極17に印加する電圧V5と2次荷電粒子増幅器
(MCP)4前面に印加する電圧V3との条件を最適化
することで、円筒状カバー電極17への2次荷電粒子の
入射を回避できる。特に図20に示すように2次荷電粒
子増幅器(MCP)4の外縁近くに2次荷電粒子を押し
戻す電位分布を実現する電圧印加条件が望ましい。この
実際の電圧調整方法は、上記のケーシング14への印加
電圧V4を調整した時の方法において、V4をカバー電
極17への印加電圧V5に置き換えれば、同等の手順と
なる。
【0034】加工精度や組立精度を合わせた2次荷電粒
子検出器60自体の総合精度は、最終的には一定レベル
の中には入るが、許容範囲内のずれは必ず生じる。これ
は2次荷電粒子信号を検出して構成した画像において、
特定方向の明るさとして認識できる。しかし、これを補
正しなければ、正確な斜面情報を取得することは困難で
ある。そこで、その補正の一形態として、図21に示す
如く、センターパイプ2を分割して偏向電圧を印加する
方式がある。図21(a)は、センターパイプ2を分割
して偏向電圧を印加する2次荷電粒子検出器60kの実
施形態を示す正面図、図21(b)は偏向電圧が印加さ
れる分割されたセンターパイプ2を示す図である。この
ようにセンターパイプ2を分割して偏向電圧を印加する
方式により、2次荷電粒子の軌道6が補正され、上下左
右均一な情報を得られる。実際には、形状の明確なサン
プルを観察し、その周辺の明るさが均一になるように電
圧を調整すればよい。なお、通常、センターパイプ2は
内径が数mmである。図1に示すように、イオンビーム
1を偏向するデフレクタ37はセンターパイプ2より上
に設置されている関係で、イオンビーム1の走査はセン
ターパイプ2の内径で規定されている。従って、上記の
ようにセンターパイプ2を分割して電圧を印加できれ
ば、図21(a)(b)のように2次荷電粒子を押し戻
す電圧に補正電圧を加えた電圧に、さらに偏向電圧を重
畳し、センターパイプ2を使って、さらにイオンビーム
1を偏向させることができる。これによって、偏向領域
の拡大も可能である。ここでは、センターパイプ2を分
割して調整電圧を印加したが、円筒状電極17を分割し
て調整電圧を重畳印加することでも、同等の効果が得ら
れる。
【0035】なお、ここでは円盤形の2次荷電粒子増幅
器(MCP)4を中心に実施の形態を説明してきたが、
必ずしも、2次荷電粒子増幅器(MCP)4に限定され
るものではなく、MSP(Micro Sphere Plate)等の類
似の円盤形あるいは方形の2次荷電粒子増幅機能を有す
る検出器であれば同等の構成が可能と成る。さらに、2
次荷電粒子増幅器(MCP)4等以外にシンチレータを
同等の形状とし、検出電極4を光電子増倍管、あるいは
光電子増倍管へ光を導くライトガイド(例えば、光ファ
イバ)で構成してもよい。これらの実施の形態(2次荷
電粒子検出器60l)は図22に示すように、蛍光板3
0またはシンチレータ58で2次荷電粒子信号を光に変
換し、これを光ファイバ53に入射させる。光ファイバ
53はシンチレータ58上に多数本設けて、これらをま
とめてファイバ束54とする。これを光電子増倍管に導
くが、途中で中心部、中間部、周辺部の3つにファイバ
束54を分けて、それぞれを中心部検出光電子増倍管5
7、中間部検出光電子増倍管56、周辺部検出光電子増
倍管55へ入射させ、そこで電気信号に変換すると共に
増幅する。この実施の形態ではファイバで光を導いた
が、光学レンズとミラーの組合せでも同等の機能を実現
することができる。また、ここでは2次荷電粒子増幅器
(MCP)4を円盤形の一体のアッセンブリとしたが、
例えば、方形の2次荷電粒子増幅器(MCP)を検出面
をターゲット9の方向をむけた形でセンターパイプ1の
周りに複数枚配置しても、同様の効果を得ることは可能
である。これらの実施の形態(2次荷電粒子検出器60
m)は図23に示す構成の2次荷電粒子検出器60mで
ある。
【0036】なお、本発明に係る2次荷電粒子検出方法
およびその装置の実施の形態として、図1に示すように
集束イオンビーム装置に適用した場合について説明して
きたが、荷電ビームの内電子ビームを使用する例えば、
走査電子顕微鏡を応用した機器などにおいても、2次荷
電粒子増幅器(MCP)4を使用している限り、同等の
適用が可能である。即ち、本発明に係る2次荷電粒子検
出方法およびその装置は、走査電子顕微鏡はもとより、
走査電子顕微鏡を応用した機器に適用することは可能で
ある。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、集束された1次荷電粒
子(荷電ビーム)をターゲットに照射して射出される2
次荷電粒子を2次荷電粒子増幅器(MCP、MSP等)
への収集率を向上させて検出器で斜面情報を顕在化した
信号に変換してその2次荷電粒子の情報から、ターゲッ
ト表面の斜面情報を顕在化して高分解能で観察または認
識することができる効果を奏する。また本発明によれ
ば、集束された1次荷電粒子(荷電ビーム)をターゲッ
トに照射して射出されるを2次荷電粒子増幅器(MC
P、MSP等)への収集率を向上させて検出器で斜面情
報を顕在化した信号に変換してその2次荷電粒子の情報
から、ターゲット表面の3次元形状を顕在化して高分解
能で観察または認識することができる効果を奏する。
【0038】また本発明によれば、集束された1次荷電
粒子(荷電ビーム)をターゲットに照射して射出される
を2次荷電粒子増幅器(MCP、MSP等)への収集率
を向上させて、配列方向を1次荷電粒子照射軸を中心に
して半径方向に向けて設置したリニアセンサによりター
ゲットの傾斜角度に応じた2次荷電粒子信号を検出する
ようにしたので、CPUによりこの検出されたターゲッ
トの傾斜角度に応じた2次荷電粒子信号からターゲット
の傾斜角度を算出して3次元形状を認識することが可能
となった。また本発明によれば、集束されたイオンビー
ムをターゲットに照射して射出される2次荷電粒子の情
報から、ターゲット表面の斜面情報を顕在化して高分解
能で観察または認識して加工位置を高精度に位置決めし
てイオンビーム加工を施すことができる効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2次荷電粒子検出方法及びそのシ
ムテムを適用した集束イオンビーム装置の一実施の形態
を示す構成図である。
【図2】本発明に係るターゲットから発生する2次荷電
粒子の射出状況を示す模式図である。
【図3】本発明に係るターゲットから発生する2次荷電
粒子がMCPおよび検出板に入射する状況を示す模式図
である。
【図4】本発明に係るターゲットの位置に対する検出板
の各電極で検出される2次荷電粒子信号の強度を示す図
である。
【図5】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第1の実施
の形態を示す断面図とそのA−A部分の平面図である。
【図6】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第2の実施
の形態を示す断面図とそのA−A部分の平面図である。
【図7】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第3の実施
の形態を示す断面図とそのA−A部分の平面図である。
【図8】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第1の実施
の形態における管状の中央電極による2次荷電粒子に対
して作用する斥力の関係を説明するための図である。
【図9】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第4の実施
の形態を示す断面図である。
【図10】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第4の実
施の形態における下部の電位分布を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第5の実
施の形態を示す断面図である。
【図12】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第5の実
施の形態におけるMCP検出面を示す平面図である。
【図13】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第6の実
施の形態を示す断面図である。
【図14】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第6の実
施の形態におけるMCP検出面を示す平面図である。
【図15】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第7の実
施の形態を示す断面図である。
【図16】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第7の実
施の形態におけるMCP検出面を示す平面図である。
【図17】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第8の実
施の形態を示す断面図である。
【図18】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第9の実
施の形態を示す断面図である。
【図19】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第10の
実施の形態を示す断面図である。
【図20】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第11の
実施の形態を示す断面図である。
【図21】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第12の
実施の形態を示す断面図と分割電極を示す平面図であ
る。
【図22】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第13の
実施の形態を示す断面図である。
【図23】本発明に係る2次荷電粒子検出器の第14の
実施の形態を示す断面図とそのA−A断面図とB−B矢
視図である。
【図24】本発明に係る位相シフトレチクル欠陥形状断
面とリニアセンサの平面図およびデータ処理を示す図で
ある。
【図25】従来の2次荷電粒子検出器での検出方式を示
す模式図である。
【符号の説明】
1…イオンビーム(1次荷電粒子)、2…センターパイ
プ(管状の中央電極)、3…検出板(検出電極)、4…
2次荷電粒子増幅器(MCP(マイクロチャンネルプレ
ート))、5…メッシュ電極、6…2次荷電粒子軌道、
7…等電位線、8…ステージ、9…ターゲット、10…
電位分布、14…ケーシング、15…MCP検出領域、
16…2次荷電粒子到達領域、17…カバー電極、19
…2次荷電粒子射出方向分布、21…上方射出2次荷電
粒子、22…左方射出2次荷電粒子、23…右方射出2
次荷電粒子、24…中央検出電極、25…周辺検出電
極、26…2次荷電粒子軌道、27…中央検出電極、2
8…中間検出電極、29…周辺検出電極、30…蛍光
板、31…リニアセンサ、32…ソケット、33…導
線、34…取り付け板、35…イオン源、36…レン
ズ、37…デフレクタ、38…2次荷電粒子、42…ヘ
ッドアンプ、43…ディスプレイ、44…デフレクタコ
ントローラ、45…シンチレータ、46…光電子像倍
管、47…2次荷電粒子軌道、48…反射電子検出板、
49…電子ビーム、50…反射電子軌道、51…真空チ
ャンバ、52…補助電極、53…光ファイバ、54…フ
ァイバ束、55…周辺部検出光電子像倍管、56…中間
部検出光電子像倍管、57…中心部検出光電子像倍管、
58…シンチレータ、60a〜60m…2次荷電粒子検
出器、71…信号処理回路、72…画像メモリ、73…
画像処理回路、74…メインコントローラ

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】集束された1次荷電粒子をターゲットに照
    射し、このターゲットから発生する2次荷電粒子を2次
    荷電粒子増幅機能を有する手段で増幅し、この増幅され
    た2次荷電粒子を、前記1次荷電粒子照射軸を中心にし
    た周辺電極で前記ターゲット上における斜面を強調した
    2次荷電粒子信号として検出することを特徴とする2次
    荷電粒子検出方法。
  2. 【請求項2】前記2次荷電粒子増幅機能を有する手段が
    マイクロチャネルプレートまたはマイクロスフェアプレ
    ートであることを特徴とする請求項1記載の2次荷電粒
    子検出方法。
  3. 【請求項3】集束された1次荷電粒子をターゲットに照
    射し、このターゲットから発生する2次荷電粒子を2次
    荷電粒子増幅機能を有する手段で増幅し、この増幅され
    た2次荷電粒子を、前記1次荷電粒子照射軸を中心にし
    て半径方向に複数に分割したリング状の電極の各々で2
    次荷電粒子信号として検出することを特徴とする2次荷
    電粒子検出方法。
  4. 【請求項4】前記2次荷電粒子増幅機能を有する手段が
    マイクロチャネルプレートまたはマイクロスフェアプレ
    ートであることを特徴とする請求項3記載の2次荷電粒
    子検出方法。
  5. 【請求項5】集束された1次荷電粒子をターゲットに照
    射し、このターゲットから発生する2次荷電粒子を2次
    荷電粒子増幅機能を有する手段で増幅し、この増幅され
    た2次荷電粒子を光に変換して半導体センサで受光して
    2次荷電粒子信号として検出することを特徴とする2次
    荷電粒子検出方法。
  6. 【請求項6】前記2次荷電粒子増幅機能を有する手段が
    マイクロチャネルプレートまたはマイクロスフェアプレ
    ートであることを特徴とする請求項5記載の2次荷電粒
    子検出方法。
  7. 【請求項7】集束された1次荷電粒子をターゲットに照
    射し、このターゲットから発生する2次荷電粒子を2次
    荷電粒子増幅機能を有する手段で増幅し、この増幅され
    た2次荷電粒子を光に変換して、配列方向を前記1次荷
    電粒子照射軸を中心にして半径方向に向けて設置したリ
    ニアセンサで受光してターゲットの傾斜角度に応じた2
    次荷電粒子信号として検出することを特徴とする2次荷
    電粒子検出方法。
  8. 【請求項8】集束された1次荷電粒子をターゲットに照
    射し、このターゲットから発生する2次荷電粒子を2次
    荷電粒子増幅機能を有する手段で増幅し、この増幅され
    た2次荷電粒子を光に変換して、配列方向を前記1次荷
    電粒子照射軸を中心にして半径方向に向けて設置したリ
    ニアセンサで受光してターゲットの傾斜角度に応じた2
    次荷電粒子信号として検出し、この検出されたターゲッ
    トの傾斜角度に応じた2次荷電粒子信号からターゲット
    の傾斜角度を算出して3次元形状を認識することを特徴
    とする2次荷電粒子検出方法。
  9. 【請求項9】集束された1次荷電粒子を管状の中央電極
    を通してターゲットに照射し、このターゲットから発生
    する2次荷電粒子に対する前記管状の中心電極からの斥
    力により前記2次荷電粒子を向けさせて2次荷電粒子増
    幅機能を有する手段で増幅し、この増幅された2次荷電
    粒子を検出器により2次荷電粒子信号として検出するこ
    とを特徴とする2次荷電粒子検出方法。
  10. 【請求項10】集束された1次荷電粒子をターゲットに
    照射する1次荷電粒子照射手段を設け、1次荷電粒子軸
    に対して実質的に対称に形成された2次荷電粒子増幅器
    と、1次荷電粒子軸に対してリング状に半径方向に複数
    に分割し、各々が前記2次荷電粒子増幅器で増幅された
    2次荷電粒子を検出して2次荷電粒子信号に変換する検
    出器と、ターゲットから発生する2次荷電粒子に対して
    斥力を生じせしめて2次荷電粒子増幅器への2次荷電粒
    子の収集率を向上させる管状の中央電極とを有する2次
    荷電粒子検出装置を設けたことを特徴とする2次荷電粒
    子検出システム。
  11. 【請求項11】集束された1次荷電粒子をターゲットに
    照射する1次荷電粒子照射手段を設け、1次荷電粒子軸
    に対して実質的に対称に形成された2次荷電粒子増幅器
    と、1次荷電粒子軸に対してリング状に半径方向に複数
    に分割し、各々が前記2次荷電粒子増幅器で増幅された
    2次荷電粒子を検出して2次荷電粒子信号に変換する検
    出器と、ターゲットから発生する2次荷電粒子に対して
    斥力を生じせしめて2次荷電粒子増幅器への2次荷電粒
    子の収集率を向上させる管状の中央電極と、ターゲット
    から発生する2次荷電粒子を2次荷電粒子増幅器へ引き
    込むメッシュ電極とを有する2次荷電粒子検出装置を設
    けたことを特徴とする2次荷電粒子検出システム。
  12. 【請求項12】集束された1次荷電粒子をターゲットに
    照射する1次荷電粒子照射手段を設け、1次荷電粒子軸
    に対して実質的に対称に形成された2次荷電粒子増幅器
    と、該2次荷電粒子増幅器で増幅された2次荷電粒子を
    光に変換する荷電粒子/光変換器と、該荷電粒子/光変
    換器で変換された光を受光して信号に変換する半導体光
    センサと、ターゲットから発生する2次荷電粒子に対し
    て斥力を生じせしめて2次荷電粒子増幅器への2次荷電
    粒子の収集率を向上させる管状の中央電極とを有する2
    次荷電粒子検出装置を設けたことを特徴とする2次荷電
    粒子検出システム。
  13. 【請求項13】前記2次荷電粒子検出装置における半導
    体光センサをリニアセンサで構成したことを特徴とする
    請求項12記載の2次荷電粒子検出システム。
  14. 【請求項14】前記2次荷電粒子検出装置における半導
    体光センサを複数のリニアセンサで構成し、該各々のリ
    ニアセンサを1次荷電粒子軸を中心にして実質的に放射
    状に配置したことを特徴とする請求項12記載の2次荷
    電粒子検出システム。
  15. 【請求項15】前記2次荷電粒子検出装置において、タ
    ーゲットから発生する2次荷電粒子を2次荷電粒子増幅
    器へ引き込むメッシュ電極を備えたことを特徴とする請
    求項12または13または14記載の2次荷電粒子検出
    システム。
  16. 【請求項16】集束された1次荷電粒子をターゲットに
    照射する1次荷電粒子照射手段を設け、 1次荷電粒子
    軸に対して実質的に対称に形成された2次荷電粒子増幅
    器と、該2次荷電粒子増幅器で増幅された2次荷電粒子
    を検出して2次荷電粒子信号に変換する検出器と、アー
    スから電気的に絶縁することで電圧印加を可能とした管
    状の中央電極とを有する2次荷電粒子検出装置を設けた
    ことを特徴とする2次荷電粒子検出システム。
  17. 【請求項17】前記2次荷電粒子検出装置において、タ
    ーゲットから発生する2次荷電粒子を2次荷電粒子増幅
    器へ引き込むメッシュ電極を備えたことを特徴とする請
    求項16記載の2次荷電粒子検出システム。
  18. 【請求項18】前記2次荷電粒子検出装置において、半
    球状あるいは釣り鐘状あるいは皿状あるいは円筒状の形
    状とし、1次荷電粒子入射軸に対して実質的に軸対称に
    配置し、ターゲットから発生する2次荷電粒子を2次荷
    電粒子増幅器へ引き込むメッシュ電極を備えたことを特
    徴とする請求項16記載の2次荷電粒子検出システム。
  19. 【請求項19】前記2次荷電粒子検出装置において、2
    次荷電粒子増幅器の外縁付近に配置した2次荷電粒子軌
    道制御電極を備えたことを特徴とする請求項16記載の
    2次荷電粒子検出システム。
  20. 【請求項20】前記2次荷電粒子検出装置における前記
    管状の中央電極を分割し、各々に印加する電圧を制御し
    て2次荷電粒子の軌道を制御することを特徴とする請求
    項16記載の2次荷電粒子検出システム。
  21. 【請求項21】前記2次荷電粒子軌道制御電極を分割
    し、各々に印加する電圧を制御して2次荷電粒子の軌道
    を制御することを特徴とする請求項19記載の2次荷電
    粒子検出システム。
  22. 【請求項22】集束されたイオンビームを試料上のター
    ゲットマークおよび所望の加工位置に照射するイオンビ
    ーム照射手段を設け、 イオンビーム照射軸に対して実質的に対称に形成された
    2次荷電粒子増幅器と該2次荷電粒子増幅器で増幅され
    た2次荷電粒子を検出して2次荷電粒子信号に変換する
    検出器とアースから電気的に絶縁することで電圧印加を
    可能とした管状の中央電極とを有し、前記試料上のター
    ゲットマークから2次荷電粒子信号を検出する2次荷電
    粒子検出装置を設け、 該2次荷電粒子検出装置の検出器で検出される前記試料
    上のターゲットマークからの2次荷電粒子信号に基づい
    て前記試料を位置決めし、前記イオンビーム照射手段に
    より試料上の所望の加工位置に集束されたイオンビーム
    を照射して加工を施すように構成したことを特徴とする
    イオンビーム加工装置。
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