JPH09281327A - 光学多層膜フィルタ及びその製造方法 - Google Patents

光学多層膜フィルタ及びその製造方法

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JPH09281327A
JPH09281327A JP9249296A JP9249296A JPH09281327A JP H09281327 A JPH09281327 A JP H09281327A JP 9249296 A JP9249296 A JP 9249296A JP 9249296 A JP9249296 A JP 9249296A JP H09281327 A JPH09281327 A JP H09281327A
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Yoshihiro Someno
義博 染野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価で光学特性に優れた光学多層膜フィルタ
を提供する。 【解決手段】 基板1上にTiO2の高屈折率層2aと
SiO2の低屈折率層2bとを交互に積層して多層膜2
を形成すると共に、この多層膜2の最上層に基板1及び
多層膜2の成膜時の反りをキャンセルして平坦化するた
めの反り防止層3を形成する。この反り防止層3はフィ
ルタの有効領域3aを除く部位に形成され、有効領域3
aがフィルタ窓として機能する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信において特
定の波長の光を合波又は分波する光学多層膜フィルタ及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種の光学多層膜フィルタを
製造する場合、所望の波長選択性を有するように基板上
にTiO2等からなる高屈折率層とSiO2等からなる低
屈折率層とを何層にも積層し、これをチップ毎に切断す
るようになっている。ここで、多層膜を基板上に形成し
た場合には、基板及び多層膜の各層の熱膨張率の差と、
多層膜の各層の内部応力により反りが発生する。この場
合、図3に示すように、高屈折率層(TiO2)と低屈
折率層(SiO2)の反りの方向は逆であり、また、反
り量はTiO2がSiO2より大きい。
【0003】従来、このような反りを防止する方法とし
て、特公平6−90328号公報に開示されているよう
に、予め反りを見越して基板を湾曲に形成しておき、こ
の基板の曲面に加熱状態で多層膜を成膜した後に常温に
戻し、常温状態において多層膜を平坦にする方法が提案
されている。また、他の方法として、特開平5−127
018号公報に開示されているように、基板の表裏両面
に略同じ厚さの多層膜を対称に形成する方法が提案され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来例のうち、前者(特公平6−90328号公報)
の方法では、基板と多層膜との熱膨張係数差から基板の
湾曲量を予測し、予め基板を湾曲加工しているため、多
層膜の各層の内部応力に起因する反りによって光学特性
が低下するという問題があり、しかも、基板を非球面の
ような複雑な形状に加工する必要があるため、コストア
ップになるという問題点もある。また、後者(特開平5
−127018号公報)の方法では、基板の表面と裏面
に多層膜を形成しなければならないため、多層膜の成膜
工程が2倍になり、コストアップになるという問題点が
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、多層膜の最上
層におけるフィルタの有効領域を除いた部位に反り防止
層を形成することとする。このように、多層膜の最上層
におけるフィルタの有効領域を除いた部位に反り防止層
を形成することにより、多層膜の成膜時の反りがキャン
セルされ、光学多層膜フィルタの光学特性が向上する。
【0006】上記構成により、反り防止層を多層膜上に
形成する工程を追加するのみで、多層膜の反りを防止す
ることができる。また、反り防止層をフィルタの有効領
域には形成しないのでフィルタとしての波長選択性を損
なうことを防止することはできる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の光学多層膜フィルタで
は、多層膜の成膜時の反りをキャンセルして平坦化する
ための反り防止層を、前記多層膜の最上層におけるフィ
ルタの有効領域を除いた部位に形成した。このように構
成された光学多層膜フィルタによれば、単に反り防止層
を多層膜の最上層に形成する工程を追加するのみで、多
層膜の反りを防止することができるため、コストアップ
を抑えることができ、また、反り防止層をフィルタの有
効領域には形成しないため、フィルタとしての光学特性
が損なわれることを防止できる。
【0008】前記多層膜は基板上に成膜されるが、この
基板上に多層膜と反り防止層を形成した後に多層膜フィ
ルタチップ毎に切断すれば、基板付きの光学多層膜フィ
ルタが得られる。また、溶解可能な基板を用い、この基
板上に多層膜と反り防止層を形成した後に多層膜フィル
タチップ毎に切断し、前記基板を溶解すれば、所謂基板
レスの光学多層膜フィルタが得られる。
【0009】また、本発明の光学多層膜フィルタの製造
方法では、基板上に多層膜を形成する成膜工程と、前記
多層膜の最上層におけるフィルタの有効領域を除いた部
位に、前記成膜工程による前記基板及び前記多層膜の反
りをキャンセルして平坦化するための反り防止層を形成
する工程と、前記基板を多層膜フィルタチップ毎に切断
する工程とを有し、このような方法により、基板付きの
光学多層膜フィルタが製造される。
【0010】また、本発明の光学多層膜フィルタの製造
方法では、溶解可能な基板上に多層膜を形成する成膜工
程と、前記多層膜の最上層におけるフィルタの有効領域
を除いた部位に、前記成膜工程による前記基板及び前記
多層膜の反りをキャンセルして平坦化するための反り防
止層を形成する工程と、前記基板を多層膜フィルタチッ
プ毎に切断する工程と、前記基板を溶解する工程とを有
し、このような方法により、基板レスの光学多層膜フィ
ルタが製造される。
【0011】前記反り防止層の厚みは、基板上に多層膜
を形成した場合の反りを予めシミュレーションして決定
しても良いが、基板上に多層膜を形成した後に、反りを
実測してから反り防止層の厚みを決定するようにする
と、多層膜の成膜時の反りを確実に防止することができ
る。
【0012】
【実施例】実施例について図面を参照して説明すると、
図1は本発明の一実施例に係る光学多層膜フィルタの断
面図、図2は図1の光学多層膜フィルタの製造工程を示
す説明図である。
【0013】図1において、基板1上には高屈折率層2
aと低屈折率層2bとが交互に何層も積層され、多層膜
2が形成されている。高屈折率層2aの材料としては例
えばTiO2、低屈折率層2bの材料としては例えばS
iO2が用いられ、これらはスパッタリングや蒸着ある
いはイオンプレーティング法によって成膜することがで
きる。なお、高屈折率層2a及び低屈折率層2bの各層
の組み合わせや厚み等は、所望とする波長選択性に応じ
て異なる。多層膜2の最上層には反り防止層3が形成さ
れており、この反り防止層3はフィルタの有効領域3a
には形成されず、この有効領域3aがフィルタ窓とな
る。反り防止層3は基板1及び多層膜2の成膜時の反り
をキャンセルして平坦化するためのもので、多層膜2と
同種のTiO2やSiO2等の光透過性材料、あるいは、
フィルタの有効領域3aには形成されないのでMgF2
等の非透過性材料を用いることができ、これらもスパッ
タリングや蒸着あるいはイオンプレーティング法によっ
て成膜することができる。
【0014】次に、このように構成された光学多層膜フ
ィルタの製造工程を図2に基づいて説明する。図2
(a)に示す基板1は、ガラス(基板1を後で除去しな
い場合)やNaClやKBr(基板1を後で除去する場
合)等が用いられる。次いで、基板1を成膜用のサセプ
タに取り付けて真空蒸着チャンバ内で所望の波長選択性
に応じてTiO2の高屈折率層2aとSiO2の低屈折率
層2bとを交互に多層で成膜することより、図2(b)
に示すように、基板1上に多層膜2を形成する。次い
で、図2(c)に示すように、多層膜2の最上層にフィ
ルタの有効領域3aを除いて反り防止層3を形成する。
【0015】ここで、反り防止層3の厚みを決定方法と
しては、使用する基板1及び多層膜2の各層の材料及び
厚み、反り防止層3の材料に対する反りの方向と反り量
は図3に示すように予め分かっているので、基板1上に
多層膜2を形成した場合の反りと反り防止層3の熱膨張
率を予めシミュレーションして反り防止層3の厚みを決
定し、多層膜2の最終層を成膜した後に、そのシミュレ
ーション結果に基づいて反り防止層3を成膜する。他の
方法としては、基板1上に多層膜2を形成した後に実際
の反りをフラットネス・テスタ等により測定し、この反
りを元の平坦に戻すための反り防止層3の厚みを決定し
て成膜する。
【0016】このように反り防止層3を形成した後、図
2(d)に示すように、レーザカッタやダイシングカッ
タ等を用いてチップ毎に切断すると、図2(e)に示す
ような基板1付きのフィルタ素子チップ10が完成す
る。また、基板1を除去する場合には、図2(f)に示
すように、基板1を構成するNaClやKBrが溶融さ
て除去され、多層膜2のみがフィルタ素子チップ10と
して得られる。
【0017】
【発明の効果】本発明は以上説明したような形態で実施
され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0018】多層膜の成膜時の反りをキャンセルして平
坦化するための反り防止層を、前記多層膜の最上層にお
けるフィルタの有効領域を除いた部位に形成することに
より、単に反り防止層を多層膜の最上層に形成する工程
を追加するのみで、多層膜の反りを防止することができ
るため、コストアップを抑えることができ、また、反り
防止層をフィルタの有効領域には形成しないため、フィ
ルタとしての波長選択性が損なわれることを防止でき
る。
【0019】また、基板上に多層膜を形成する成膜工程
と、前記多層膜の最上層におけるフィルタの有効領域を
除いた部位に、前記成膜工程による前記基板及び前記多
層膜の反りをキャンセルして平坦化するための反り防止
層を形成する工程と、前記基板を多層膜フィルタチップ
毎に切断する工程とを有することにより、光学特性に優
れた基板付きの光学多層膜フィルタを安価に製造するこ
とができる。
【0020】また、溶解可能な基板上に多層膜を形成す
る成膜工程と、前記多層膜の最上層におけるフィルタの
有効領域を除いた部位に、前記成膜工程による前記基板
及び前記多層膜の反りをキャンセルして平坦化するため
の反り防止層を形成する工程と、前記基板を多層膜フィ
ルタチップ毎に切断する工程と、前記基板を溶解する工
程とを有することにより、光学特性に優れた基板レスの
光学多層膜フィルタを安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る光学多層膜フィルタを
示す断面図である。
【図2】図1の光学多層膜フィルタの製造工程を示す説
明図である。
【図3】高屈折率層(TiO2)と低屈折率層(Si
2)の反りの方向と反り量を示す説明図である。
【符号の説明】
1 基板 2 多層膜 2a 高屈折率層 2b 低屈折率層 3 反り防止層 3a フィルタの有効領域

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層膜の成膜時の反りをキャンセルして
    平坦化するための反り防止層を、前記多層膜の最上層に
    おけるフィルタの有効領域を除いた部位に形成したこと
    を特徴とする光学多層膜フィルタ。
  2. 【請求項2】 前記多層膜は基板上に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の光学多層膜フィルタ。
  3. 【請求項3】 基板上に多層膜を形成する成膜工程と、
    前記多層膜の最上層におけるフィルタの有効領域を除い
    た部位に、前記成膜工程による前記基板及び前記多層膜
    の反りをキャンセルして平坦化するための反り防止層を
    形成する工程と、前記基板を多層膜フィルタチップ毎に
    切断する工程とを有する光学多層膜フィルタの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 溶解可能な基板上に多層膜を形成する成
    膜工程と、前記多層膜の最上層におけるフィルタの有効
    領域を除いた部位に、前記成膜工程による前記基板及び
    前記多層膜の反りをキャンセルして平坦化するための反
    り防止層を形成する工程と、前記基板を多層膜フィルタ
    チップ毎に切断する工程と、前記基板を溶解する工程と
    を有する光学多層膜フィルタの製造方法。
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