JPH09281042A - 近赤外分光分析計 - Google Patents

近赤外分光分析計

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JPH09281042A
JPH09281042A JP9674096A JP9674096A JPH09281042A JP H09281042 A JPH09281042 A JP H09281042A JP 9674096 A JP9674096 A JP 9674096A JP 9674096 A JP9674096 A JP 9674096A JP H09281042 A JPH09281042 A JP H09281042A
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sample spectrum
outlier
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group
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JP9674096A
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Inventor
Hisao Katakura
久雄 片倉
Kuniharu Onimura
邦治 鬼村
Hiyuune Maachin
ヒューネ マーチン
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Yokogawa Electric Corp
Original Assignee
Yokogawa Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プロセス異常等によりアウトライヤ状態が発
生したことを即時に検知できる近赤外分光分析計を提供
すること。 【解決手段】 近赤外分光器10から送られる試料スペ
クトルを入力し、検量線に当てはめて性状値を求める近
赤外分光分析計において、当該検量線の作成時のサンプ
ルスペクトル群の統計的特徴を表すパラメータを記憶す
る適用検量線記憶部20と、この適用検量線記憶部に記
憶された当該検量線のサンプルスペクトル群に対して、
前記試料スペクトルが含まれるか否かの判定を行うアウ
トライヤ判定部30と、このアウトライヤ判定部で検量
線のサンプルスペクトル群に含まれると認められた試料
スペクトルに対して性状値の演算を行う手段40と、こ
のアウトライヤ判定部で検量線のサンプルスペクトル群
に含まれないと認められた試性スペクトルに対してアウ
トライヤである旨を表示する信号を付するアラーム情報
付加部50とを具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、重化学工業プロセ
スの成分濃度や物理的特性をオンライン測定するのに用
いて好適な近赤外分光分析計に掛り、特に分析結果の性
状値の信頼性を増大させる改良に関する。
【0002】
【従来の技術】近赤外分光分析計は、例えば横河技報第
38巻(1994)第33頁に記載されている。近赤外領域
は、C−H,O−H,N−H等の各官能基の基本振動の
倍音または2倍音の吸収帯であり、吸収係数が小さい。
そこで、液体または固体(粉体)サンプルを予め希釈す
る等の前処理が不要で、赤外分光分析に比較して、オン
ラインプロセスの成分濃度を直接リアルタイムに測定す
る用途に適している。
【0003】しかし、近赤外分光分析にあたっては、各
官能基の吸収が複雑に重なりあった吸収スペクトルが拡
がっている。従って、成分分析を行うためには、ケモメ
トリクス(chemometrics)と呼ばれる多変量解析が必要に
なる。この多変量解析は、例えば相島鐵郎著『ケモメト
リックス』(1992)に説明されている。
【0004】図5は近赤外分光分析計における検量線作
成とオンライン測定の手順を説明する流れ図である。ま
ず、従来の分析法で性状値Yの値付けを行ったサンプル
群を用意する(S10)。次に、用意されたサンプル群
の近赤外吸収スペクトルを近赤外分光分析計を用いて測
定する(S20)。そして、データ処理装置を用いて最
適検量式を作成する(S30)。 Y=Σapxp (1) ここで、xpは波長pでの吸光度、apは波長pでの係数
である。このデータ処理にあたっては、前述のケモメト
リクスの一種であるPLS(partial least squares)回
帰分析を用いるとよい。PLS回帰分析とは、説明変数
と目的関数の両関数に誤差を仮定し、潜在的な因子を抽
出するに際して説明変数と目的関数をともに利用するも
ので、多重共線性と試料数と変数の問題も同時に解決で
きるという利点がある。
【0005】好ましくは、別のサンプルを用いて予測精
度の評価を行う(S40)。比較結果が充分な精度を満
たしている場合には、検量線のパラメータをデータ処理
装置から近赤外分光分析計にダウンロードする(S5
0)。最適検量線をダウンロードした後は、近赤外分光
分析計の内蔵プロセッサを用いて、オンラインリアルタ
イム測定により性状値の測定をする(S60)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述のような
構成によれば、検量線を作成したときのサンプルと、オ
ンライン測定時のサンプルと間で、組成が著しく異なる
場合には正確な測定値を得ることができないアウトライ
ヤ状態に陥るのは自明の理である。従来は、プロセスが
正常に稼働しているものと考えて設計していたので、ア
ウトライヤ状態には特段の配慮をしていなかった。
【0007】しかし、現実のプロセスにおいては正常な
運転状態を逸脱して異物が混入したり異常状態に陥る場
合があり、このような現象を近赤外分光分析計からも得
たいという顧客側の要請が存在していた。また、プロセ
スの運転状態が変動したときに、検量線をオペレータが
逐次変更するのは大変なので、近赤外分光分析計側で適
宜の検量線に切り替えることも望まれていた。本発明は
このような課題を解決したもので、第一の目的はプロセ
ス異常等によりアウトライヤ状態が発生したことを即時
に検知できる近赤外分光分析計を提供することにある。
第二の目的はプロセスの運転状態が変更された場合に適
宜の検量線に切り替えて測定を継続できる赤外分光分析
計を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の目的を達成する第
1の発明は、近赤外分光器10から送られる試料スペク
トルを入力し、検量線に当てはめて性状値を求める近赤
外分光分析計において、当該検量線の作成時のサンプル
スペクトル群の統計的特徴を表すパラメータを記憶する
適用検量線記憶部20と、この適用検量線記憶部に記憶
された当該検量線のサンプルスペクトル群に対して、前
記試料スペクトルが含まれるか否かの判定を行うアウト
ライヤ判定部30と、このアウトライヤ判定部で検量線
のサンプルスペクトル群に含まれると認められた試料ス
ペクトルに対して性状値の演算を行う手段40と、この
アウトライヤ判定部で検量線のサンプルスペクトル群に
含まれないと認められた試性スペクトルに対してアウト
ライヤである旨を表示する信号を付するアラーム情報付
加部50とを具備することを特徴としている。
【0009】第1の発明の構成によれば、適用検量線記
憶部20は、現在試料スペクトルに対して適用されてい
る検量線について、この検量線を作成したときのサンプ
ルスペクトル群の統計的特徴を表すパラメータを記憶し
ている。アウトライヤ判定部30は、試料スペクトルが
この検量線を用いて性状値の演算をするのに適する正常
スペクトルか、適さないアウトライヤかの判定を、サン
プルスペクトル群と試料スペクトルの距離又は類似度を
用いて行う。性状値演算部40は、このアウトライヤ判
定部で検量線のサンプルスペクトル群に含まれると認め
られた試料スペクトルに対して性状値の演算を行う。ア
ラーム情報付加部50は、このアウトライヤ判定部で検
量線のサンプルスペクトル群に含まれないと認められた
試料スペクトルに対してアウトライヤである旨の情報を
付加する。
【0010】第2の目的を達成する第2の発明は、第1
の発明の構成要素である適用検量線記憶部20、アウト
ライヤ判定部30並びに性状値演算部40に加えて、予
備の検量線の作成時のサンプルスペクトル群の統計的特
徴を表すパラメータを記憶する予備検量線記憶部60
と、このアウトライヤ判定部でアウトライヤと認められ
た試性スペクトルに対して、この予備検量線記憶部に記
憶された複数の検量線のサンプルスペクトル群の何れに
含まれるか判定を行い、最も確からしいと判定された検
量線作成時のサンプルスペクトル群の統計的特徴で当該
適用検量線記憶部の記憶内容を切り替える検量線切換部
70とを具備している。
【0011】第2の発明の構成によれば、アウトライヤ
判定部でアウトライヤと認められた試料スペクトルに対
して、検量線切換部60が予備検量線記憶部50に記録
されている検量線から最適なものを採択する。そして、
適用検量線記憶部20の内容を切り替えられた検量線に
対応する内容にして、性状値演算部40が最も確からし
い性状値を演算する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下図面を用いて、本発明を説明
する。図1は本発明の一実施例を示す構成ブロック図で
ある。図において、近赤外分光器10は、波長帯域が0.
9〜2.5μmの近赤外光の吸光度を試料について測定し、
測定スペクトルを出力している。適用検量線記憶部20
は、検量線の作成時のサンプルスペクトル群の統計的特
徴を表すパラメータを記憶する。例えば、前述のPLS
回帰分析に対しては、統計的特徴を表すパラメータとし
ては、以下のものがある。 (1) ファクター数:j (2) 検量線の作成時の平均吸光スペクトル:aiav (3) 検量線のファクターjに対するローディング・ウェ
イト:Wji (4) 検量線のファクターjに対するローディング:Pji (5) 検量線のスコア(tj)の標準偏差:Sji (6) アウトライヤの範囲を定めるしきい値:dj(典型
的にはdj=3)
【0013】ここで、ファクター数とは、PLS回帰分
析の予測精度が高くなるように定めるられる数学的なパ
ラメータの一種で、潜在的な因子の数とも言う。ローデ
ィング・ウェイトとは、PLS回帰分析のアルゴリズム
上で計算される数学的なパラメータの一種で、負荷量ベ
クトルとも呼ばれる。ローディングとは、PLS回帰分
析のアルゴリズム上で計算される数学的なパラメータの
一種で、回帰係数とも呼ばれる。検量線のスコアtjと
は、検量線の平均スペクトルaiavに対して測定スペク
トルaiがどの程度ばらついているかの程度を表すモー
メントの一種で、次の式により表されるものを言う。 tj=ΣWji(ai−aiav) (2) 測定スペクトルaiは、近赤外分光器によってオンライ
ン時に測定される第i番目の測定スペクトルで、測定ス
ペクトルの総数はNとする。
【0014】アウトライヤ判定部30は、適用検量線記
憶部20に記憶された検量線のサンプルスペクトル群に
対して、試料スペクトルが含まれるか否かの判定を行
う。この判定としては、例えば適用検量線記憶部20に
記憶された検量線のサンプルスペクトル群と、試料スペ
クトルとのマハラノビスの汎距離を演算し、このマハラ
ノビスの汎距離がしきい値以内であれば試料スペクトル
が当該検量線のサンプルスペクトル群に含まれ、このマ
ハラノビスの汎距離がしきい値を超過していれば試料ス
ペクトルがアウトライヤと判定するとよい。
【0015】具体的には、次の手順で行う。先ず、検量
線の平均スペクトルaiavに対して測定スペクトルaiの
原始偏差スペクトルroiを求める。 roi=ai−aiav (3) 次に、最初のファクターについて検量線のスコアt1を
求める。 t1=ΣW1ixroi (4) ここで総和Σは、測定スペクトルaiの第1番目から第
n番目までの総和をとる。そして、次の関係を充足すれ
ばアウトライヤと判断する。 t1/S1>d1 (5) そして、最初のファクターで説明できる値を控除して、
次の偏差スペクトルを演算する。 r1i=roi−t1xP1i (6)
【0016】今度は第2のファクターについて検量線の
スコアt2を求める。 t2=ΣW2ixr1i (7) ここで総和Σは、測定スペクトルaiの第1番目から第
n番目までの総和をとる。そして、次の関係を充足すれ
ばアウトライヤと判断する。 t2/S2>d1 (8) そして、第2のファクターで説明できる値を控除して、
次の偏差スペクトルを演算する。 r2i=r1i−t2xP2i (9) 同様の手順で、第3ファクターから第j番目のファクタ
ー迄、順次演算していく。
【0017】性状値演算部40は、アウトライヤ判定部
30で検量線のサンプルスペクトル群に含まれると認め
られた試料スペクトルに対して、検量線を適用して性状
値の演算を行う。アラーム情報付加部50は、アウトラ
イヤ判定部30で検量線のサンプルスペクトル群に含ま
れないと認められた試性スペクトルに対して、アウトラ
イヤである旨を表示する信号を付する。この場合、アウ
トライヤと判断された試料スペクトルに対しても、性状
値演算部40により性状値を演算しても差し支えない。
また、アウトライヤと判断された試料スペクトルを記憶
媒体に保存しておいて、後日オペレータがプラントの異
常原因を追及するのに便利なようにしておいてもよい。
【0018】図2はアウトライヤの説明図である。図に
おいて、横軸は真の性状値で、検量線を求めた範囲の下
限値をYL、上限値をYHとし、この中間値をYMとす
る。横軸は試料スペクトルを検量線に当てはめて得られ
た予測性状値で、検量線に対応する範囲の下限値を
* L、上限値をY* Hとし、この中間値をY* Mとする。原
点をY0、Y* 0であらわす。図中、45度線が検量線で
ある。この検量線の上下それぞれに引かれた破線が、正
常サンプルとアウトライヤを区別する境界線で、前述の
しきい値djの大小により広狭が定まる。
【0019】この図面は3領域に区分される。第一は内
挿領域であり、検量線を求めた範囲の下限値YLから上
限値YHの間であって、上下の破線境界線に囲われた範
囲である。第二は外挿領域であり、検量線を求めた範囲
の下限値YL以下、若しくは上限値YH以上であって、検
量線に沿う上下の破線境界線に囲われた範囲である。第
三はアウトライヤ領域であって、上下の破線境界線から
逸脱した範囲である。外挿領域では、検量線の精度は内
挿領域に比較すると低下するが、試料スペクトルをアウ
トライヤとして棄却するほどではないため、正常サンプ
ルとして取り扱う。ここでは、試料1〜15がプロット
してあり、アウトライヤ領域には試料7,10,13,14が存在
し、外挿領域には試料4,6が存在し、その他の試料は内
挿領域に存在している。
【0020】上記実施例においては、アウトライヤとな
った試料スペクトルに対して警報信号を付してオペレー
タの注意を喚起するものであった。しかし、オンライン
測定という用途では、単にアラームを出すだけでは操業
にとって充分でない。幸いにして、近赤外分光分析計で
は数十種類の検量線を予め記憶している場合がある。こ
のときは、プロセスの操業条件に変更があったものと見
なして、検量線を新規なものに変更して正常サンプルと
して測定を継続してもらうほうが、オペレータにとって
便利である。
【0021】図3は本発明の第2の実施例を示す構成ブ
ロック図である。この実施例では、アウトライヤが発生
すると、近赤外分光分析計側では、プロセスの操業条件
に変更があったものと見なして、検量線を新規なものに
変更して正常サンプルとして測定を継続する構成とした
ものである。図において、予備検量線記憶部60は、適
用検量線記憶部20に記憶されている検量線に対して、
予備の検量線の作成時のサンプルスペクトル群の統計的
特徴を表すパラメータを記憶している。検量線切換部7
0は、アウトライヤ判定部30でアウトライヤと認めら
れた試性スペクトルに対して、予備検量線記憶部60に
記憶された複数の検量線のサンプルスペクトル群の何れ
に含まれるか判定を行い、最も確からしいと判定された
検量線作成時のサンプルスペクトル群の統計的特徴で適
用検量線記憶部20の記憶内容を切り替える。この『最
も確からしい』の判定に、予備適用検量線記憶部60に
記憶された各々の検量線のサンプルスペクトル群と、試
料スペクトルとのマハラノビスの汎距離を演算し、この
マハラノビスの汎距離が最小となる検量線のサンプルス
ペクトル群に試料スペクトルが含まれると判定するよう
にするとよい。
【0022】正常値演算部40では、アウトライヤ判定
部30でアウトライヤと判定された試料スペクトルに対
して、検量線切換部70で選択された検量線のサンプル
スペクトル群を用いて性状値の演算を行う。尚、オンラ
イン測定においては測定スペクトルが短い間隔で送られ
てくることから、短時間にアウトライヤと判定された試
料スペクトルに対して、検量線切換部70で選択された
検量線のサンプルスペクトル群を用いて性状値の演算を
行うのが困難な場合がある。このときは、アウトライヤ
発生時の測定データは単にアラームを付し、次回の測定
スペクトルから選択された検量線を用いて性状値の演算
を行うようにしてもよい。
【0023】図4は検量線切換部70の動作を説明する
概念図である。検量線1〜3は、多次元空間x1,2,
3の中で固有の領域を形成している。そして、適用検量
線記憶部20では、現在検量線1を用いており、アウト
ライヤ判定部30も検量線1による性状値の演算に適し
ているか判定をしている。今、検量線1よりも検量線3
に近い試料スペクトルが近赤外分光器10より送られた
とする。すると、検量線1を基準にするとアウトライヤ
であるが、予備の検量線2,3のうち検量線切換部70
で検量線3を選択して、性状値の演算をするのであれば
正常サンプルとして取り扱って差し支えない。そこで、
検量線切換部70により適用検量線記憶部20の内容を
検量線3に切り替える。
【0024】尚、試料スペクトルがたまたま異常値を示
したに過ぎず、従って以降の試料スペクトルも尚従前の
検量線のほうが良い場合もある。このような場合には、
頻繁に適用検量線記憶部20の内容を切り替えるのは連
続性の観点から好ましくない。そこで、何回か連続して
アウトライヤと判断された場合には、検量線切換部70
により適用検量線記憶部20の内容を切り替えるように
してもよい。
【0025】尚、上記第1の実施例においては、適用検
量線記憶部20やアウトライヤ判定部30の用いる統計
的基礎としてPLS回帰分析の場合を示したが、本発明
はこれに限定されるものではなく、ケモメトリクスで一
般的に用いられている他の回帰分析、例えば主成分(P
CR)回帰分析、重回帰分析(MLR)等の統計的手法
とパラメータを用いてもよい。また第2の実施例におい
ては、検量線切換部70のアウトライヤの属する検量線
の決定にマハラノビスの汎距離を用いる例を示したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、ケモメトリク
スで一般的に用いられているパターン認識手法、例えば
ユークリッド距離、マンハッタン距離や類似度等の他の
手法を用いても差し支えない。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によればアウトライヤ判定部30を設けて、現在性状
値の演算に用いられている検量線に対して正常サンプル
かアウトランヤかの判別をし、アウトライヤの場合には
アラームを付すようにしているので、オペレータが試料
スペクトルの異変を即時に認識できるという効果があ
る。また請求項3記載の発明によればアウトライヤが発
生した場合にも、検量線切換部70により予備検量線の
なかから最適な検量線を選択して、性状値の演算を継続
しうるようにしたので、プロセスの運転条件の変更など
の日常的頻発する操業条件の変更にはオペレータが関与
することなく、自律的に対応でき、省人化に寄与すると
いう効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す構成ブロック図であ
る。
【図2】アウトライヤの説明図である。
【図3】本発明の第2の実施例を示す構成ブロック図で
ある。
【図4】検量線切換部70の動作を説明する概念図であ
る。
【図5】近赤外分光分析計における検量線作成とオンラ
イン測定の手順を説明する流れ図である。
【符号の説明】
10 近赤外分光器 20 適用検量線記憶部 30 アウトライヤ判定部 40 性状値演算部 50 アラーム情報付加部 60 予備検量線記憶部 70 検量線切換部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】近赤外分光器(10)から送られる試料ス
    ペクトルを入力し、検量線に当てはめて性状値を求める
    近赤外分光分析計において、 当該検量線の作成時のサンプルスペクトル群の統計的特
    徴を表すパラメータを記憶する適用検量線記憶部(2
    0)と、 この適用検量線記憶部に記憶された当該検量線のサンプ
    ルスペクトル群に対して、前記試料スペクトルが含まれ
    るか否かの判定を行うアウトライヤ判定部(30)と、 このアウトライヤ判定部で当該検量線のサンプルスペク
    トル群に含まれると認められた試料スペクトルに対して
    性状値の演算を行う手段(40)と、 このアウトライヤ判定部で当該検量線のサンプルスペク
    トル群に含まれないと認められた試性スペクトルに対し
    て、アウトライヤである旨を表示する信号を付するアラ
    ーム情報付加部(50)と、 を具備することを特徴とする近赤外分光分析計。
  2. 【請求項2】前記アウトライヤ判定部は、適用検量線記
    憶部に記憶された当該検量線のサンプルスペクトル群
    と、前記試料スペクトルとのマハラノビスの汎距離を演
    算し、このマハラノビスの汎距離がしきい値以内であれ
    ば試料スペクトルが当該検量線のサンプルスペクトル群
    に含まれ、このマハラノビスの汎距離がしきい値を超過
    していれば試料スペクトルがアウトライヤと判定するこ
    とを特徴とする請求項1記載の近赤外分光分析計。
  3. 【請求項3】近赤外分光器(10)から送られる試料ス
    ペクトルを入力し、検量線に当てはめて性状値を求める
    近赤外分光分析計において、 今回用いられている検量線の作成時のサンプルスペクト
    ル群の統計的特徴を表すパラメータを記憶する適用検量
    線記憶部(20)と、 この適用検量線記憶部に記憶された当該検量線のサンプ
    ルスペクトル群に対して、前記試料スペクトルが含まれ
    るか否かの判定を行うアウトライヤ判定部(30)と、 このアウトライヤ判定部で当該検量線のサンプルスペク
    トル群に含まれると認められた試料スペクトルに対して
    性状値の演算を行う手段(40)と、 予備の検量線の作成時のサンプルスペクトル群の統計的
    特徴を表すパラメータを記憶する予備検量線記憶部(6
    0)と、 このアウトライヤ判定部でアウトライヤと認められた試
    性スペクトルに対して、この予備検量線記憶部に記憶さ
    れた複数の検量線のサンプルスペクトル群の何れに含ま
    れるか判定を行い、最も確からしいと判定された検量線
    作成時のサンプルスペクトル群の統計的特徴で当該適用
    検量線記憶部の記憶内容を切り替える検量線切換部(7
    0)と、 を具備することを特徴とする近赤外分光分析計。
  4. 【請求項4】前記予備検量線選択部は、予備適用検量線
    記憶部に記憶された各々の検量線のサンプルスペクトル
    群と、前記試料スペクトルとのマハラノビスの汎距離を
    演算し、このマハラノビスの汎距離が最小となる検量線
    のサンプルスペクトル群に前記試料スペクトルが含まれ
    ると判定することを特徴とする請求項3記載の近赤外分
    光分析計。
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