JP3245157B2 - スペクトルデータの測定および補正 - Google Patents

スペクトルデータの測定および補正

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明は、一般に、測定処理自体に起因するデータ
(試料成分に起因するデータではなく)の影響を排除す
べく、多くの試料の測定スペクトルデータを補正するこ
とに関する。本発明は、特に、試料の未知の特性および
/または成分データを推定する方法に関し、測定処理に
起因するスペクトルデータを補正する各段階を含む方法
に関する。対象となる特性および成分データは、例えば
化学成分測定データ(ベンゼン、トルエン、キシレンな
どの化学成分の濃度、パラフィンなどの化合物類の濃度
など)、物理特性測定データ(密度、屈折率、硬さ、粘
度、引火点、流動点、蒸気圧など)、性能測定データ
(オクタン価、セタン価、燃焼性など)、知覚データ
(におい/悪臭、色など)である。
物質の赤外線(12500〜400cm-1)スペクトルは、構成
分子の分子振動による吸光特性を有する。この吸光は、
基本振動(4000〜400cm-1の中赤外線領域で発生する単
一量子遷移)と、結合バンドおよび倍音振動(12500〜4
000cm-1の中および近赤外線領域で発生する複数量子遷
移)による。吸光の位置(周波数または波長)は、物質
の分子構造に関する情報を提供する。吸光の強さは、各
分子タイプの量に関する情報を提供する。スペクトル中
のこれら情報を利用して成分や特性を同定し定量化する
には、較正を行い、推定しようとする成分または特性と
吸光度との関係を確立する必要がある。複雑な混合物で
は各成分の吸光度が複雑に重なるため、多変量データ分
析法を用いて較正を行う必要がある。
一般的に、複雑の混合物では、各成分の様々な振動に
応じて多重吸光特性が増加する。各吸光の強さは、成分
の濃度変化に応じて直線的に変化する。このような特徴
は、吸光強さが周波数(または波長)領域において相関
していることを示す。この相関から、これら吸光と、相
関を示さない不規則スペクトル測定ノイズとを数学的に
区別できる。スペクトルノイズから相関吸光信号を分離
する線形代数計算は、主成分回帰法(PCR)や部分最小
2乗法(PLS)の基本である。公知のように、PCRは基本
的に主成分分析(PCA)の分析数学的方法であり、回帰
分析を伴う。多重線形回帰法(MLR)、PCR、およびPLS
について、1987年9月の“Analytical Chemistry"第59
巻第17号ページ1007〜1017の“An Introductionto Mult
ivariate Calibration and Analysis"を参照できる。
PCRおよびPLSは、固体や液体の中または赤外線スペク
トルをもとに、それらの元素成分や化学成分、あるいは
物理特性や熱力学的性質を推定する。これら方法は、
(1)セットの試料の中赤外線または近赤外線スペクト
ルの収集、(2)該スペクトルデータの数学的処理によ
る主成分または固有変数(例えば前記相関吸光信号)の
抽出、(3)成分および/または特性データに対してこ
れらスペクトル変数を回帰させることによる多変量モデ
ルの構築、を含む。そして次に新しい試料を分析する。
これは、該試料のスペクトルの収集と、該スペクトルの
スペクトル変数への分解と、回帰方程式を適用すること
による成分/特性の計算とを含む。
PCRまたはPLCを使用するスペクトルデータの数学的/
統計的処理は、周波数領域で相関する信号の発生源を区
別しない。特にPCRとPLSは、試料成分の変動に起因する
信号と、スペクトル測定処理の変動に起因する信号とを
区別しない。中赤外線および近赤外線スペクトルについ
ていえば、一般の測定処理信号は、装置性能やセルウイ
ンドウ透過率の変化に起因するスペクトル基線の変動
や、分光計光路の水蒸気や二酸化炭素に起因する信号な
どを含む。これら測定処理信号は、PCRやPLSによって得
られる主成分や固有変数に影響を与え、回帰中における
成分/特性データと相関すると考えられる。このため最
終的に得られる回帰モデルは、これら測定処理変数の変
動の影響を受け、測定した成分や特性は不正確となる。
PCRやPLSは、測定処理信号の影響を受けるばかりでな
く、スペクトルの全体的な尺度の変動を補正しない。尺
度が変動する原因は、分光計セルの位置変動によるセル
路長の変動、使用中におけるセルの拡大縮小など、多く
の要素がある。試料が測定中にセルを流れる場合、流れ
の変動もスペクトルデータの尺度変動を引き起こす。こ
の変動は、路長の変動と同等の影響を及ぼす。PCRおよ
びPLSモデルにおいては、分析前にスペクトルデータを
所定の路長に合わせる必要がある。すなわち路長を別に
測定する必要がある。試料のスペクトルの収集にあた
り、セルの使用前にセル路長を別途測定することは不便
であり、場合によっては(例えばオンラインフローセル
の場合)不可能である。このような別途の測定は、必ず
変動を引き起こす。また路長測定に誤差があると、PCR
およびPLSモデルに基づいて推定する成分/特性データ
もそれに比例した誤差を持つ。
発明の要約 本発明が特に目的とするところは、較正試料の測定ス
ペクトルデータを補正することにより、測定処理信号の
該データに対する影響を実質的になくすことである。本
発明が一般的の目的とするところは、測定処理自体に起
因するスペクトルデータの影響を受けることなく試料の
未知の特性および/または成分データを推定する改良方
法を提供することである。また本発明は前述した変動評
価の問題も解決する。
したがって本発明は、最も広い意味において、測定処
理自体に起因するデータ(試料成分に起因するデータで
はなく)の影響に対して多数の試料のスペクトルデータ
を補正する方法に関する。特に本発明は、試料の未知の
特性および/または成分データを推定することに関す
る。この推定は、測定処理に起因するスペクトルデータ
に対して前記補正を行う段階を含む。n個の較正試料の
スペクトルデータをf個の離散した周波数において定量
化し、較正データの行列X(大きさf×n)を作る。本
方法の第1段階は、大きさf×mの補正行列Umを作る。
該補正行列Umは、f個の離散した周波数においてデジタ
ル化したm個の補正スペクトルを含む。これら補正スペ
クトルは、測定処理自体に起因するデータをシミュレー
トする。本方法の他の段階は、XをUmに対して直交さ
せ、補正済みスペクトル行列XCを作成する。この行列XC
の各スペクトルは、Umの全スペクトルに対して直交す
る。この直交性により、行列XCのスペクトルは、測定処
理自体に起因するスペクトルから統計的に独立してい
る。前記n個の較正試料の既知の特性および成分データ
とそれらの測定スペクトルとを相関させる予測モデルを
構築し、この予測モデルを使用して目的試料の測定スペ
クトルから該目的試料の特性および/または成分データ
を推定すれば、この推定した特性および/または成分デ
ータは、測定処理自体の影響をまぬがれる。このような
推定は、分光計の雰囲気中の例えば水蒸気や二酸化炭素
蒸気による基線変動やスペクトルによる誤差を含まな
い。行列Xを形成するスペクトルデータを得るために使
用する試料は一般に較正試料であり、好適実施例は、測
定処理自体のデータの影響を排除すべく較正試料のスペ
クトルデータを補正して予測モデルを構築する方法に関
するが、該データ補正方法の各段階は、スペクトルライ
ブラリのスペクトルにも適用できる。この場合、補正し
たスペクトルを基準スペクトルとしてスペクトルライプ
ラリを探索し、試料を同定する。スペクトルが吸光スペ
クトルであり、好適実施例が吸光スペクトルを測定する
ものであってもよい。しかしながら、これは例であり、
請求の範囲に記載した本発明の範囲を制限するものでは
ない。ここに開示する方法は、反射スペクトルや散乱ス
ペクトル(例えばラマン散乱)など、他のタイプのスペ
クトルにも応用できる。本明細書および図面の説明はNI
R(近赤外線)およびMIR(中赤外線)に関するが、本発
明の方法は、紫外線、可視スペクトル、核磁気共鳴(NM
R)スペクトルなど、他の測定スペクトル波長範囲にも
適用できる。
一般に測定処理自体のデータの発生原因は2つある。
1つはスペクトルの基線変動である。基線変動の原因
は、測定中における光源温度の変動、反射率、セルウイ
ンドウによる散乱または吸光、検出器の温度(すなわち
感度)の変化など様々である。これら基線変動は、一般
に広いスペクトル特性(広い周波数範囲にわたる相関)
を示す。測定処理信号の第2の発生原因は、測定処理中
に存在する試料外の化合物である。これはスペクトル鋭
い直線の変化をもたらす。これには、分光計内の雰囲気
中の水蒸気や二酸化炭素による吸光も含まれる。光ファ
イバ中の水酸化基による吸光もそうである。試料中の汚
染部受質に対する補正も可能である。ただしこの補正を
可能にする一般的な条件は、汚染物質の濃度が試料成分
の濃度を著しく希釈しない程度に低く、汚染物質と試料
成分との間に大きな相互作用がないことである。重要な
ことは、試料成分に無関係な信号を補正することであ
る。ここで「試料」とは、モデルを作るデータを提供す
るため、特性および/または成分濃度測定を行う対象の
物質を意味する。また「汚染物質」とは、試料の特性/
成分測定の後、スペクトル測定前または測定中に、該試
料に物理的に添加されるすべての物質を意味する。
本発明方法は、基線変動の影響のみを補正するために
適用することもできる。この場合、これら変動は、1セ
ットの好ましくは直交する周波数(または波長)従属の
多項式でモデル化できる。この多項式は大きさf×mの
行列Umを形成する。mは多項式の次数である。Umの各列
は、ルジャンドルの多項式などの直交多項式が好まし
い。また本発明方法は、試料外化合物(例えば雰囲気中
の二酸化炭素および/または水蒸気)の影響のみを補正
するためにも適用できる。この場合、Umの各列を形成す
るスペクトルは、該化合物に起因するスペクトル干渉を
示す直交ベクトルであることが好ましい。しかしなが
ら、前記基線変動と試料外化合物とを共にモデル化し、
Up(大きさf×p)XSとの2つの補正行列を前記した方
法で形成することが好ましい。これら行列は結合して単
一行列Umとする。この行列Umの各列は、UpとXSの各列を
並列配置したものである。本発明の好適形態において、
スペクトルデータの行列Xを補正行列Umに対して直交さ
せるとともに、該行列Umのスペクトルまたは列を相互に
直交させる。相互に直交するスペクトルまたは列を有す
る行列Umを作る場合、まず1セットの周波数(または波
長)従属直交多項式によって基線変動をモデル化する。
これら多項式は、基線変動をコンピュータでシミュレー
トして得られ、行列Upを形成する。次に試料外化合物
(例えば二酸化炭素や水蒸気など)の少なくとも1つの
スペクトルを装置において実際に収集し、行列XSを形成
する。次にXSの各列をUpに対して直交させ、新しい行列
XS′を作成する。これにより試料外化合物補正から基線
の影響を取り去る。次にXS′の各列を互いに直交させ、
新しい行列Usを作る。最後にUpとUsとを結合して補正行
列Umを作る。この行列Umの各列は、UpおよびUsの各列を
並列配置したものである。前記各段階の順序は変えても
よい。すなわち最初にXSの各列を直交させてベクトルの
新しい行列を形成する。次に行列Upを形成する多項式
(相互に直交する)を前記ベクトルに対して直交させ結
合して補正行列Umを形成する。しかしながらこの方法は
あまり好ましくない。その第1の理由は、直交する多項
式を作る利点をなくしてしまうからである。また、基線
変動と試料外化合物によるスペクトル変動とを混ぜてし
まい、それらを装置性能の診断に使えなくしてしまうか
らである。
行列X内の実際の試料スペクトルデータは、測定処理
自体に起因するスペクトルデータだけでなく、ノイズに
起因するデータも含む。したがって行列X(大きさf×
n)を補正行列Um(大きさf×m)に対して直交させて
作る補正済み行列XCはノイズデータを含む。このノイズ
データは次のようにして除去できる。まずXC=UΣVt
形式において、行列XCの特異値分解を行う。Uは大きさ
f×nの行列であり、その各列は主成分スペクトルを含
む。Σは大きさn×nの対角行列であり、特異値を含
む。Vは大きさn×nの行列であり、主成分スコアを含
む。VtはVの転置行列である。一般に、元のn個の試料
のスペクトル測定ノイズに対応する主成分は、特異値を
有する。これら特異値の大きさは、必要とするスペクト
ルデータより小さい。このためノイズに起因する主成分
を、本来の試料成分に起因する主成分から区別できる。
したがって本発明方法の次の段階は、U、Σ、Vから、
ノイズに対するk+1〜nの主成分を除去し、新しい行
列U′、Σ′、V′を作る。これら新しい行列の大きさ
は、各々f×k、k×k、n×kである。これら行列を
乗じて得られる行列は、最初の補正済みスペクトル行列
XCに対応し、ノイズに起因するスペクトルデータを含ま
ない。
モデルに保持する主成分kの数を選択する場合、様々
の論文が提案している各種統計的検査を使用してもよい
が、最も良い結果をもたらすのは、次の各段階を採用す
ることである。一般に、スペクトルノイズのレベルは、
装置の使用経験で分かる。経験ある分光技師は、固有ス
ペクトル(特異値分解の結果である行列Uの列)の目視
検査により、固有スペクトルがノイズレベルと同等にな
る時を認めることができる。固有スペクトルの目視検査
によって、保持すべきおおよその項数kを選択できる。
そしてk−2、k−1、k、k+1、k+2項を含むモ
デルを作り、標準誤差とPRESS(予測残留誤差2乗和)
値を検査する。次に、モデルの要求精度を得るために必
要な項の最小数、あるいは最小PRESS値を与える項数を
選択する。この選択は分光技師が行い、自動化しない。
予測残留誤差2乗和の計算は、較正に使用されていない
が特性または成分濃度の真の値が分かっている試料セッ
トの特性および/または成分値の推定にあたり、予測モ
デルを適用することにより行う。予測値と真の値との差
を2乗し、そのセットの全試料について合計する(2乗
和とテスト試料数との商の平方根を計算し、試料あたり
のPRESS値を表現することもある)。PRESS値は交差確認
法を用いて計算できる。この交差確認法は、較正中にお
いてデータ行列の少なくとも1つの較正試料を残し、そ
れを結果モデルを用いて分析する。これを各試料が一度
は残されるまで繰り返す。
背景変動をモデル化するために使用する多項式は、補
正スペクトルの1タイプに過ぎない。これら多項式は、
試料外化合物をモデル化するための他の「補正スペクト
ル」と2つの点で相違する。第1は、多項式は背景をコ
ンピュータでシミュレートして取得し(これは基本的な
ことではなく、単純な数学的表現や背景変動の実際のス
ペクトルでもよい)、コンピュータによって直交化す
る。計算時間を節約するため、該多項式は実際の補正で
使用するルジャンドルの多項式でもよい。ルジャンドル
の多項式を作るには、よく知られた回帰アルゴリズムを
使える(例えば、ニューヨーク、Academic Press社、19
71年発行、G.Arfken氏による“Mathematics Method for
Physics"の第12章)。一般に、行列Upの各列は、スペ
クトル中の所定の周波数(または波長)に対応する。行
列Upの各列は該周波数に関係する。行列Upの第1列の要
素は定数であり、第2列の要素は前記周波数に直線的に
従属し、第3列の要素は前記周波数の2乗に依存する、
という具合になる。各列を直交させる場合、実際の関係
はこれよりも複雑になる。ルジャンドルの多項式は正規
直交であるため、特異値分解またはグラム−シュミット
直交化による直交化は必要ない。適当な多項式項を使用
し、これらを特異値分解またはグラム−シュミット直交
化によって直交化してもよい。背景変動をシミュレート
するために装置で収集した実際のスペクトルを、前記手
順の1つを使って直交化してもよい。前記他の「補正ス
ペクトル」とは、例えば水蒸気のスペクトル、二酸化炭
素蒸気のスペクトル、装置の光ファイバのスペクトルな
ど、試料外化合物による干渉をシミュレートするため、
装置で収集した実際のスペクトルである。これら水蒸気
スペクトルや二酸化炭素スペクトルがシミュレーション
可能であれば、コンピュータで作ったスペクトルを使う
こともできる。補正方法を実行する上での第2の相違
は、これら「補正スペクトル」が最初は直交でないこと
である。したがって処理手順の一部としてそれらを直交
化することが好ましい。多項式と試料外化合物の「補正
スペクトル」とは、1つの行列に結合できる。そしてワ
ンステップで直交化して補正ベクトルを生成できる。し
かし実際には、これが最良の処理手順ではない。理由
は、試料外化合物の「補正スペクトル」に対する多項式
の尺度が影響するからである。試料外化合物の「補正ス
ペクトル」が収集したスペクトルであれば、それはノイ
ズを含むと考えられる。多項式の尺度が小さすぎれば、
補正行列Umの合計変動に対するこれら「補正スペクト
ル」中のノイズの影響は、多項式のそれに比べてさらに
大きくなろう。そしてノイズベクトルは、試料外化合物
補正ベクトルに含まれることになろう。これを避けるた
め、多項式を最初に作成し、試料外化合物の「補正スペ
クトル」を該多項式に直交させ、次に、直交させた「補
正スペクトル」に対して特異値分解(後述)を実行する
ことにより補正スペクトルを作ることが好ましい。
前記したように、測定処理スペクトルデータの補正を
実行する好適方法は、背景変動をモデル化するための直
交多項式セットをまず生成し、次にこのセットに対して
試料外化合物(例えば二酸化炭素および/または水蒸
気)に起因する「補正スペクトル」を直交させ、これに
よって1セットの「補正ベクトル」を作成し、最後に特
異値分解を用いて該「補正ベクトル」間で直交させる。
例えば複数の水蒸気スペクトルなどの多数の「補正スペ
クトル」を使用する場合、「補正ベクトル」の最終的な
数は、最初の「補正スペクトル」の数よりも少ないであ
ろう。ここで除去したものが測定ノイズに対応する。基
本的に主成分分析(PCA)は、直交化した「補正スペク
トル」に対して実行し、モデル化する実際の測定処理デ
ータを不規則測定ノイズから分離する。
補正行列Umの各列は、データ行列Xが補正行列Umに対
して直交化されていれば、補正方法を実行する上で必ず
しも相互に直交させる必要はない。しかしながら直交列
を持つ行列Umを生成する段階を実行することで、補正行
列Umに対して試料のスペクトルデータXを直交化する際
に必要な計算が単純になり、統計的に独立した1セット
の補正項を提供してそれを測定処理のモニタ用に使え
る。背景変動モデル化用行列Upに対して試料外化合物に
よる補正スペクトルXSをまず直交化すると、これら補正
スペクトル自身を直交化する前に、補正スペクトルに対
する背景の影響を取り除ける。この手順は、試料外化合
物変動から背景変動の影響を効果的に分離すると共に、
これら補正を品質管理に利用することを可能にする。す
なわち、未知の物質のスペクトル測定中において装置の
動作状態をモニタすることを可能にする。これについて
は後述する。
測定処理スペクトルデータの影響を補正する前記技術
を利用して、目的試料の未知の物質および/または成分
データを推定する方法を提供する場合、次のような段階
を実行する。まずn個の較正試料の各々のスペクトルを
集める。これらスペクトルは、f個の離散周波数(また
は波長)において定量化し、大きさf×nの行列Xを形
成する。次に、前記した方法で、大きさf×mの補正行
列Umを形成する。この行列は、f個の離散周波数におい
てm個のデジタル化補正スペクトルを有する。これら補
正スペクトルは、測定処理自体に起因するデータをシミ
ュレートする。次に、Umに対してXを直交させ、補正済
みスペクトル行列XCを生成する。この行列XCの各スペク
トルは、Um中のスペクトルに対して直交である。前記n
個の較正試料の各々について、c個の特性および/また
は成分データを集め、大きさn×c(c≧1)の行列Y
を形成する。次に行列Yの要素を行列XCに相関させる予
測モデルを決定する。各種の予測モデルを使用できる。
これについては後述する。次に、f個の離散周波数にお
いて目的試料のスペクトルを測定し、大きさf×1の行
列を形成する。次にその測定スペクトルおよび前記予測
モデルに基づき、試料の未知の特性および/または成分
データを推定する。一般に、各特性および/または成分
は別々に扱い、モデルを作り、別個のf×1の予測ベク
トルを形成する。そして未知のスペクトルと予測ベクト
ルとの点乗積に基づき、目的試料の特性および成分デー
タを推定する。すべての予測ベクトルを結合して大きさ
f×cの行列Pを作成する。すなわち、スペクトル行列
(大きさfのベクトルは1×fの行列と考える)を予測
行列で乗じ、c個の特性および成分について1×cの推
定ベクトルを生成する。
前記したように各種の予測モデルが可能である。式Y
=▲Xt c▼P+Eの数学解から予測モデルを決定でき
る。▲Xt c▼は補正済みスペクトル行列XCの転置行列で
ある。Pは大きさf×cの予測行列である。Eは該予測
モデルからの残留誤差の行列であり大きさはn×cであ
る。式Y=▲Xt c▼P+Eの妥当性は、ベールの法則の
逆命題に従う。これは、試料の放射−吸光は、該試料を
通る光路長に比例し、該試料中の放射−吸光を行う種の
濃度に比例すると表題できる。次に目的試料の特性およ
び/または成分のc個の推定データを含む1×cのベク
トルyuを決定するため、試料のスペクトルxuを測定す
る。xxの大きさはf×1である。そしてyu=▲xt u▼P
の関係からyuを決定する。▲xt u▼は行列xuの転置行列
である。
本発明の好適実施例において、式Y=▲Xt c▼P+E
を解いて予測モデルを決定するが、本発明は、式XC=AY
t+E(基本的にベールの法則の命題による)を使用し
ても予測モデルを形成できる。Aは大きさf×cの行列
である。行列Aは、まず=XCY(YtY)-1として推定す
る。次に試料のスペクトルxuから該試料のc個の特性お
よび/または成分を含む大きさ1×cのベクトルyuを推
定する。これはyu=xuA(AtA)-1の関係を利用する。こ
の計算はK行列法の条件付き形態であり、適用が限定さ
れる。YtYの反転の条件として、Yが全試料成分の濃度
値を含み、かつ特性データを含んではならない。
式Y=▲Xt c▼P+E(またはXC=AYt+E)の数学
解は、多くの数学技法のいずれかを利用して得る。例え
ば多重線回帰法(MLR)として知られる線形最小2乗回
帰法、主成分分析/回帰法(PCA/PCR)、部分最小2乗
法(PLS)などがある。前記したように、これら数学技
法の概説は、1987年9月の“Analytical Chemistry"第5
9巻第17号ページ1007〜1017の“An Introduction to Mu
ltivariating Calibration"を参照できる。
補正行列Umを形成すること、およびUmに対してスペク
トルデータ行列Xを直交させることの目的は2つある。
第1は、前記したように、直交の結果得られた補正済み
データ行列XCに基づく予測モデルは、背景変動とUm中に
モデル化されている試料外化学成分との影響を受けない
ことである。第2は、Umの各列とXの各列との間に生成
される点(スカラ)乗積が、較正スペクトル中に存在す
る背景の大きさに関する情報と、試料外化学成分の干渉
の大きさに関する情報とを含み、較正スペクトルデータ
の収集中に存在した干渉の大きさの値の範囲の測定を提
供することである。未知の特性および/または成分を有
する物質のスペクトルの分析中、未知スペクトルxuとUm
の各列との間に同様の点乗積を形成できる。これらを較
正中に得られる値と比較し、較正の完了時と試料の特性
および成分の予測のための予測モデルの適用時との間に
測定処理が大きく変化しなかったかをチェックする。こ
のように、これら点乗積は、測定処理についての品質管
理評価を行う手段を提供する。
Umの各列とスペクトルデータ行列Xの各列との点乗積
は、測定処理データの各較正スペクトルに対する影響の
程度に関する情報を含む。この情報は、一般に、較正試
料成分に関する情報と混ざっている。例えば、定ベクト
ル(1次多項式)とスペクトルとの点乗積は、試料吸光
の積分の合計である合計スペクトル積分と背景の積分に
ついての情報を含むであろう。しかしながら較正試料成
分についての情報は、XCの特異値分解によって生成する
固有スペクトル中にも含まれる。したがって、試料成分
に相関する情報部分を点乗積から除去することにより、
試料成分に相関しない値、すなわち較正スペクトルに与
える測定処理信号の影響の真の大きさを表す値を復元で
きる。これは以下に示す段階によって行う。
(1)XtUmの積として大きさn×mの行列Vmを作成す
る。Vmの各要素は、Xの各列とUmの各列との点乗積であ
る。
(2)補正済みデータ行列XCを形成する。そしてその特
異値分解をUΣVtとして計算する。
(3)Vm=VZ+Rの形式の回帰を計算し、前記点乗積と
主成分のスコアとの間の相関を確立する。VZは試料成分
に相関させる点乗積の部分を示し、回帰残留Rは試料成
分に相関させない点乗積の部分を示す。この相関させな
い点乗積部分は、較正試料に関する測定処理信号であ
る。
(4)試料の分析において、未知スペクトルと各相関ス
ペクトル(Umの列)との点乗積を計算し、ベクトルvm
形成する。補正済みスペクトルxcを計算する。補正済み
スペクトルのスコアをv=xc t-1として計算する。そ
して非相関測定処理信号値をr=vm−vZとして計算す
る。次にこれら値の大きさをRにおける値の範囲と比較
し、未知試料の分析中における測定処理と較正中におけ
る測定処理とを比較する手段とする。
前記補正方法と目的試料の未知特性および/または成
分データ予測方法とは、多くの数学計算を必要とする。
これは実際には、少なくとも1台のコンピュータで行
う。測定モードにおいて、コンピュータは装置に接続
し、較正試料、試料外化合物、目的試料などの測定出力
スペクトルを受け取る。補正モードにおいて、コンピュ
ータは較正スペクトルを保存して行列Xを作り、補正行
列Umを計算し、Xを補正行列Umに直交させる。保存モー
ドにおいて、コンピュータはn個の較正試料についてc
個の既知の特性および/または成分データを保存し、大
きさn×c(c≧1)の行列Yを形成する。モデル形成
モードにおいて、コンピュータはオペレータの制御によ
り、行列Yの要素と行列XCの要素とを相関させる予測モ
デルを決定する。最後に推定モードにおいて、コンピュ
ータは測定スペクトルから、行列Yの要素と行列XCの要
素とを相関させる前記決定した予測モデルを使用して、
目的試料の未知の特性および/または成分データを推定
する。
試料の特性および/または成分データを推定する好適
方法をさらに詳細に説明する。まずオペレータまたは研
究所員は、較正用の試料を選択する。次にオペレータ
は、補正用に使用する試料外化合物のスペクトルと前記
試料のスペクトルおよび特性/成分とを測定し、収集
し、コンピュータに保存する。さらにオペレータは、基
線変動のモデル化用にコンピュータで生成した多項式補
正を選択する。コンピュータは補正行列Umを生成し、較
正試料スペクトル(行列X)を直交化し、補正済みスペ
クトル行列XCを作る。PCRを使用する場合、コンピュー
タは行列XCに対して特異値分解を行う。オペレータは、
相関データとして保持する主成分の数、ノイズの代表
(非相関)として除去する主成分の数を選択する必要が
ある(PCRの場合)。PLSを使用する場合、オペレータ
は、使用する固有変数の数を選択する必要がある。補正
済みスペクトル行列XCと測定した相関および/または成
分データYとの間の相関を決定するためにMLRを使用す
る場合、測定したスペクトルを定量化する周波数の数が
較正試料の数よりも少なくなるように周波数を選択する
必要がある。XCとYとの相関(すなわち予測モデル)を
決定するためにいずれの方法を使用するにしても、オペ
レータは較正を完了したら目的試料のスペクトルを測定
する。コンピュータはこのスペクトルと予測モデルとに
基づき、特性および/または成分データを計算し推定す
る。
本発明の前記およびその他特徴を図面および実施例に
基づき説明する。
図面の簡単な説明 図1〜5は、従来技術および本発明に基づく分光法に
より決定した様々の特性および成分データを示す散布
図、 図6〜10は、イソオクタンとヘプタンの2成分混合に
関する様々のグラフおよびスペクトルを示す図、 図11〜17は、5成分添加パッケージの分析およびK行
列法との比較に関する様々のグラフおよび固有スペクト
ルを示す図、 図18〜21は、条件付きスペクトル分析を使用して測定
処理信号を除去する実際の応用例を示す図、および 図22および23は、イソオクタン/ヘプタンのスペクト
ル、および例9の添加パッケージの水蒸気およびクロロ
フォルムに関する補正の効果を示す図である。
条件付き主スペクトル分析法(CPSA)のアルゴリズ
ム、およびその多変量スペクトル分析への応用について
以下に説明する。CPSAは主成分分析法(PCA)の改良で
あり、スペクトル測定処理の専門家がその知識をスペク
トル多変量モデルの開発に投入することを可能にし、こ
れらモデルの安定性および強靭性を最大限にし、試料の
特性および成分の測定に役立てる。試料の較正スペクト
ルは、試料成分に起因する信号の他に、スペクトル測定
処理に起因する信号を含む。CPSAは、これら測定処理に
起因する信号をモデル化し、本来の予測モデルがこれら
測定処理信号の影響を受けないようにする。条件付き測
定処理変数は、前記モデルを利用して未知データを測定
する場合、測定処理の状態をモニタするための品質管理
変数としても使用する。
PCA(またはPCR)を代替するPLSおよびMLRに対して
も、同様の改良を適用できる。これらに対応する改良を
条件付き部分最小2乗法(CPLS)および条件付き多重線
形回帰法(CMLS)と呼ぶ。CPSA、CPLS、CMLRを包括的に
条件付きスペクトル分析法(CSA)と呼ぶ。
分子の中赤外線および近赤外線スペクトルは、様々な
タイプの分子振動に対応する多くの吸光バンドを持つ。
複雑な混合においては、特定の分子タイプによる吸光
は、種の濃度が変化するに連れてすべての強さが共に変
化する。これら多重吸光の強さが周波数(波長)領域に
おいて相関する事実は、周波数領域において非相関であ
る不規則ノイズからそれらを区別することを可能にす
る。主成分分析法や部分最小2乗法などの多変量データ
分析方法は、一連の較正スペクトル中の周波数相関信号
を同定し分離する。これらスペクトル変数は、較正試料
の特性および成分濃度データに対して回帰し、予測モデ
ルを形成できる。未知データの分析中に前記スペクトル
変数においてスペクトルを分解し、回帰関係を利用して
目的試料の特性/成分を推定する。
あらゆる実スペクトル測定において、一般に、試料成
分濃度の変動が周波数相関信号の唯一の発生源ではな
い。測定処理(例えば装置、セルなど)に起因する信号
は、試料成分による吸光と重なる。数学的手法は、これ
ら測定処理信号と試料成分吸光とを区別できず、それら
をスペクトル変動として抽出する。これら測定処理変動
が、回帰中の特性/濃度(またはこれら値の誤差)に相
関すれば、結果的に得られるモデルに基づく推定は、測
定処理中の変動に依存することになろう。CPSAは、測定
処理信号の発生源をモデル化し、回帰前にそれらをスペ
クトル変動として除去することを可能にする。この結果
得られる予測モデルは、測定処理信号の影響を受けない
よう条件受けされるため、スペクトルデータ収集におい
て安定性および強靭性が高い。
本明細書に開示する各例では、CPSAを使用して予測モ
デルを形成し、その結果を他の多変量法で得た結果と比
較する。
序論 主成分回帰法および部分最小2乗多変量データ分析
は、スペクトルデータに固有の分子情報と特性および成
分変数とを相関させる。PCRとPLSは、劣決定較正に最も
よく使用される。すなわち、スペクトルあたりのデータ
ポイントの数が較正試料の数を上回る較正に最もよく使
用される。したがって両方法とも、スペクトルデータの
次元数を減らすための変数減数が必要である。主成分お
よびPLS固有変数を抽出するために使用する各アルゴリ
ズムは、計算方法論において相違するが、両方ともスペ
クトルデータには分散源が2つしかないと仮定してい
る。実際の成分は、周波数(または波長)領域において
強さが直線的に相関する多重信号を立ち上がらせると仮
定される。不規則スペクトルノイズは、周波数領域にお
いて非相関であると仮定される。前記アルゴリズムは、
相関する信号を不規則ノイズから分離し、濃度および/
または特性データに対して回帰できるスペクトル変数を
生成し、予測モデルを生成するよう設計する。試料成分
による信号が、スペクトルデータ中の周波数相関信号の
唯一の発生源であれば、両計算方法は、未知物質の分析
に使用可能な安定した強靭な予測モデルを提供できるで
あろう。残念ながら、実際のスペクトル測定では、周波
数領域において直線的に相関する強さを有する信号を発
生する余分な発生源が必ず存在する。そしてこれらは、
試料ではなく測定処理に関係している。中赤外線分光に
ついていえば、これら測定処理信号源は、例えばセルウ
インドウからの反射/散乱損失、分光計パージガス中の
微量水分や二酸化炭素によるスペクトル干渉などであ
る。これら測定に関連する信号が一定であれば予測モデ
ルに影響を与えないであろう。しかしながら、これら測
定処理信号は実際のスペクトル中で変動するため、それ
らを数学的に試料成分信号から分離することは不可能で
ある。したがって測定処理信号の変動は、変数減数中に
試料成分変動と共に抽出され、予測モデルの形成におい
て特性または成分濃度(またはこれら従属値の誤差)に
相関されてしまう。このため、結果として得られるモデ
ルは、測定処理関連信号の変化に対して不安定であり強
靭性がない。
スペクトル前処理は、多変量モデルの測定関連分散の
影響を最小限にするために使用する。基線補正アルゴリ
ズムは、一般に使用される前処理の1つである。試料成
分強さが最小と思われるデータポイントを選択し「基線
関数」(一定オフセットまたは周波数従属多項式)に合
わせる。「基線」は多変量較正または分析の前にスペク
トルから差し引く。スペクトル減酸アルゴリズムを前処
理に使用し、ある種のスペクトル干渉(例えば水蒸気)
を除去することもできる。この前処理の目的は、変数減
数の前にスペクトルデータから測定処理関連信号を取り
除くことである。スペクトル分析に代表的に使用する前
処理方法にはいくつかの欠点がある。
(1)スペクトルデータを前処理するための計算は、一
般にスペクトルデータから選択したサブセットに基づい
ており(例えば1点オフセット補正や2点線形基線補
正)、補正に使用する点のノイズ特性の影響を受ける。
除去するノイズおよび信号の相対振幅によっては、前処
理は測定処理信号を有効に除去できない、あるいは単に
1つの変動発生源(スペクトルノイズに相関する)を他
(減算される信号)に置き換えるだけである。
(2)あるタイプの信号(例えば試料信号からの分離が
容易でないスペクトル干渉や高次の背景項)について
は、有効な再現可能前処理アルゴリズムを作れない。
(3)前処理によって除去するスペクトル変数は、多変
量分析によって定義する変数(主成分)に直交しない。
直交性がないため、前処理の最終モデルに対する効果を
統計的に定義することが困難である。
(4)前処理は多変量分析の前に適用するので、前処理
アルゴリズムは一般にほとんどの多変量プログラムの不
可分の一部として含まれない。したがってユーザは、独
自の前処理アルゴリズムを開発し、それを多変量分析プ
ログラムに組み込む必要がある。異なるタイプの測定処
理信号に対処するには異なるアルゴリズムが必要であ
り、各アルゴリズムが除去する変数は直交していないの
で、前処理の予測モデルの安定性および強靭性に対する
効果は、ますます判定が困難になる。本明細書の目的
は、多変量分析の不可分の一部として前処理を組み込む
よう設計したアルゴリズムを説明することである。条件
付き主スペクトル分析(CPSA)アルゴリズムは、測定関
連信号の発生源をモデル化できる(例えば測定関連信号
の代表スペクトルを提供できる)。このアルゴリズム
は、1セットの直交補正変数(スペクトル)を作る。こ
れら補正変数は、多変量変数減数の前に、スペクトルデ
ータから除去する。このようにして作る多変量予測モデ
ルは、スペクトルデータ中の前記測定処理信号に無反応
(直交)となるよう条件付けられる。このアルゴリズム
は、条件を付ける際、全スペクトル範囲を使用するの
で、スペクトルノイズの影響を比較的受けない。このア
ルゴリズムは、多項式背景や、分解が不十分なスペクト
ル干渉も補正できる。「前処理」は本アルゴリズムの不
可分の一部なので、最終予測モデルに対する補正効果を
容易にテストできる。また、CPSAが定義する補正変数
は、未知物質の分析中において測定処理をモニタする
際、品質制御変数として有効に働く。
ここでは条件付きアルゴリズムを主成分分析の1変形
として説明するが、同一の方法論を使用して部分最小2
乗分析の条件付き形態を開発できる。
CPSAの数学的基礎 主成分分析(PCA)の目的は、スペクトルデータ中の
真の独立変数を分離し、従属特性/成分変数に対してこ
れら変数を回帰させることである。スペクトルデータ行
列Xは、較正に使用されるn個の試料のスペクトルを長
さfの列として含む。ここでfはスペクトルあたりのデ
ータポイント(周波数または波長)の数である。PCAの
目的は、f×nの行列Xを幾つかの行列の積に分解する
ことである。この分解は特異値分解を介して行える。
X=UΣVt (1) U(左固有ベクトル行列)の大きさはf×nである。
Σ(特異値σを含む対角行列)の大きさはn×nであ
る。Vtは、大きさn×nのV(右固有ベクトル行列)の
転置行列である。PCAの幾つかのバージョンは、データ
行列の転置行列Xt上で特異値分解を行いVΣUtを作るの
で、左および右固有ベクトルという用語は、便宜的であ
る。混乱を避けるため、Uを固有スペクトル行列とす
る。これはU(固有スペクトル)の各列ベクトルが本来
の較正スペクトルと同一長さfを有するためである。固
有ベクトルという用語は、行列Vを参照する場合のみに
使用する。特異値分解の行列は次のような特性を有す
る。
UtU=In (2) VVt=VtV=In (3) XtX=VΛVtおよびXXt=UΛUt (4) Inは、n×nの恒等行列である。Λは対角線上の固有
値λ(特異値の2乗)および対角線を外れた0を含む行
列である。積UUtは、fより小さいnについて恒等行列
を作らない。式2および3は、固有スペクトルおよび固
有ベクトルが各々直交することを意味する。PCAのいく
つかのバージョンでは、UおよびΣを結合して1つの行
列にする。この場合、固有スペクトルは直交であるが特
異値に正規化される。
変数減数の目的は、1セットの独立変数(主成分)を
提供し、これに対して従属変数(特性または成分)を回
帰可能にすることである。直接較正用の基本回帰式は次
の通りである。
Y=XtP (5) Yは、n個の試料とc個の特性/成分に対する特性/
成分データを含むn×cの行列である。Pは、前記特性
/成分データをスペクトルデータに関連付ける回帰係数
行列であり、大きさはf×cである。Pのc列は予測ベ
クトルと呼ぶ。これは、スペクトルx(大きさf×1)
の分析中、試料の特性/成分の予測(大きさ1×cの
y)が次のように得られるからである。
y=xtP (6) 1つの特性/成分についての予測は、未知物質のスペ
クトルの点乗積および予測ベクトルとして得られる。式
5の解は次の通りである。
[Xt-1Y=[Xt-1XtP=P (7) ここで[Xt-1は、行列Xtの反転である。行列Xtは当
然、非正方であり階数不足(f>n)であり、直接反転
できない。しかしながら特異値分解を使用することによ
り、次のように反転を近似できる。
[Xt-1=UΣ-1Vt (8) Σ-1は、正方特異値行列の反転であり、対角に1/σを
含む。式7および8を使用すれば予測ベクトル行列は次
のようになる。
P=UΣ-1VtY (9) 前記したように、PCAの目的は、不規則ノイズから系
統的(周波数相関)信号を分離することである。より大
きな特異値に対応する固有スペクトルは系統的信号を表
し、より小さな特異値に対応する固有スペクトルは前記
ノイズを表す。一般に、安定したモデルを作る上で、予
測ベクトルを計算する前に、これらノイズ成分を分析か
ら取り除く。最初のk<n個の固有スペクトルを保持す
れば、式1の行列は、U′(大きさf×k)、Σ′(大
きさk×k)、V′(大きさn×k)となる。
X=U′Σ′V′+E (10) Eは大きさf×nの誤差行列である。理想的には、試
料成分によるデータ中の全変動が最初のk個の固有スペ
クトルに考慮されれば、Eは不規則ノイズのみを含む。
積V′V′は、もはや恒等行列を作らない。記述を簡
単にするため「′」を落とし、U、Σ、Vは階数を減ら
した行列を表す。kの選択、較正に使用する固有スペク
トルの数は、統計的テストおよびスペクトルノイズレベ
ルの経験的知識に基づく。
1つの特性/成分の予測には1つの予測ベクトルを必
要とするだけだが、予測の不確実性の計算は、全階数減
少行列Vを必要とする。実際には、2段階の間接較正法
を使用する。この方法は、行列の特異値分解を計算し
(式1)、次に特性/成分を固有ベクトルに対して別々
に回帰する。
Y=VB+E (11) B=VtY (12) 分析中、未知スペクトルの固有ベクトルは次のように
得られる。
v=xt-1 (13) そして次のように予測を行う。
y=vB (14) この間接法は、式10の直接法と数学的には等しいが、
予測の不確実性を推定するために必要な値を容易に提供
する。
式6は、未知スペクトルの分析において予測ベクトル
Pをどのように使用するかを示す。この未知スペクトル
は2項、すなわち未知スペクトル中の成分によるスペク
トルxcおよび条件付けする測定処理関連信号xsの合計と
して分離できると仮定する。したがってこの予測は次の
ようになる。
y=xtP=xc tP+xs tP (15) この予測が測定処理信号の影響を受けなければ、式15
の第2項はゼロとなる。これは予測ベクトルが測定処理
信号スペクトルに直交することを意味する。式10から、
予測ベクトルは固有スペクトルの線形結合であり、これ
ら固有スペクトル自身は元の較正スペクトル(U=XVΣ
-1)の線形結合である。元の較正スペクトルのすべてが
特定の測定処理信号に対して直交化されていれば、最終
的な予測ベクトルはやはり直交しており、予測は測定処
理信号の影響を受けないであろう。この直交化作業は、
条件付き主スペクトル分析アルゴリズムの基本である。
条件付き主スペクトル分析(CPSA)プログラムでは、
2つのタイプの測定処理信号を考慮する。まずこのプロ
グラムは、1セットの正規直交周波数従属多項式Upを作
る。このUpは、大きさf×pの行列である。pは多項式
の最大次数(階数マイナス1)である。行列Upの各列
は、分析に使用するスペクトル範囲にわたって定義した
正規直交ルジャンドル多項式を含む。これら多項式は、
スペクトル基線作用の条件を与える。ユーザは、他の測
定処理信号を表すスペクトル(例えば水蒸気スペクト
ル)を供給しても良い。これら補正スペクトル(大きさ
f×s、sは補正スペクトルの数)は測定処理信号の特
定タイプの複数例を含み、グラム−シュミット直交化手
順により多項式に対して直交化する。
XS′=XS−Up(Up tXS) (16) この結果得られる補正スペクトルを次のように特異値
分解する。
XS′=UsΣsVs t (17) そして1セットの正規直交補正固有スペクトルUsを作
る。ユーザは、モデル化した測定関連信号の数に対応す
る最初のs′項を選択し、全セットの補正項Umを作る。
このUmは多項式と選択した補正固有スペクトルとを含
む。これら補正項は、再びグラム−シュミット直交化手
順を使用して較正データから取り除く。
XC=X−Um(Um tX) (17) 次に、補正済みスペクトルXCの主成分分析を特異値分
解により行う。
XC=UcΣcVc t (18) そして回帰を使用して予測モデルを作る。
Y=VcB (19) この結果、次の予測ベクトルを得る。
Pc=UcΣc -1Vc tY (20) この予測ベクトルは、多項式および補正固有スペクト
ルUmに直交する。したがって、この最終的に得られる予
測モデルは、モデル化した測定処理信号の影響を受けな
い。未知物質の分析において、スペクトルへの測定処理
信号の影響は次のように計算できる。
vm=Σm -1Um tx (21) これら値は較正用の値Vmと比較することにより、測定
処理が較正に対して変化したかどうかを診断する手段を
提供する。
前記した処理手順の結果は、データ行列中に多項式お
よび補正項をスペクトルとして含めること、および式12
の行列Bを計算するために条件付き最小2乗回帰法を使
用することと数学的に同等である。この条件付き最小2
乗法は、補正スペクトルの尺度の影響を受けやすい。こ
れは、回帰段階で保持するk個の固有スペクトルを選ぶ
べくデータ行列をソートする場合、このデータ行列に十
分な分散を考慮する必要があるためである。特異値分解
を計算する前に補正スペクトルに対して較正スペクトル
を直交させることにより、尺度感度を除去できる。
前記条件付き主スペクトル分析法は、較正試料のスペ
クトル、または後から分析する試料のスペクトルに存在
する測定処理信号をモデル化し、特異値分解(16)によ
るスペクトル変数の抽出前に、それをデータから除去す
る(グラム−シュミット直交化手順により)。このよう
にして得られるスペクトル変数は、較正スペクトルの路
長に対して回帰させ、路長の独立予測用のモデルを作
る。これらスペクトル変数は、回帰の結果に基づく共通
路長に対して尺度を調整する。そして成分/特性データ
に対して回帰させ、これらパラメータから予測用実験モ
デルを作成する。新しい試料の分析では、スペクトルを
収集し、これらを条件付きスペクトル変数に分解する。
路長を計算し、データを調整して適切な路長とする。次
に回帰モデルを適用して新しい試料の成分/特性データ
を計算する。この直交化処理は、測定結果を確実に条件
付けることにより、モデル化した測定処理信号に対して
それらを無反応(直交)にする。内部路長計算と再正規
化は、自動的に路長または流れ変動を補正し、これによ
ってデータ尺度による誤差を最小にする。
実験モデルは以下の段階により作成する。
(1.1)実験モデルを作ろうとする特性および/または
成分濃度を、1セットの代表試料、例えば較正試料セッ
トについて各別に測定する。この各別の測定は、標準的
な分析テストによって実行する。標準的な分析テストと
は、例えば要素成分分析(燃焼分析、X線蛍光、広ライ
ンNMR)、成分分析(ガスクロマトグラフィ、質量分
光)、その他スペクトル測定(IR、RV/目視、NMR、
色)、物理特性測定(APIまたは比重、屈折率、粘性ま
たは粘度)、性能特性測定(オクタン価、セタン価、燃
焼性)などである。試料成分の数が限定される化学的な
適用については、成分データは、較正混合物を準備する
際の重量や体積を反映しても良い。
(1.2)較正試料の吸光スペクトルは、赤外線の1つま
たは複数の範囲にわたって収集する。収集したデータは
各離散周波数(または波長)においてデジタル化する。
該周波数の間隔は、試料が示す吸光特性の幅以下とす
る。
(2.0)条件付き主スペクトル分析(CPSA)アルゴリズ
ムを適用して実験モデルを作る。このアルゴリズムは、
次の12ステップを備える。
(2.1)較正スペクトルの赤外線スペクトルデータは、
行列Xの列にロードする。該行列Xの大きさはf×nで
あり、fはスペクトル中の周波数または波長の数であ
り、nは較正試料の数である。
(2.2)周波数従属多項式Up(大きさf×pの直交ルジ
ャンドル多項式を列に持つ行列、pは多項式の最大次
数)を作成し、分析で使用するスペクトル範囲にわたっ
てスペクトル基線の変動モデルを作る。
(2.3)他の測定処理信号のスペクトル表現(例えば水
蒸気や二酸化炭素などのスペクトル)を大きさf×sの
行列XSにロードする。sは、使用する補正スペクトルの
数である。
(2.4)補正スペクトルをグラム−シュミットと直交化
手順にしたがって前記多項式に対して直交化する。
XS′=XS−Up(Up tXS) (2.4) (2.5)補正スペクトルの特異値分解を行う。
XS′=UsΣsVs t (2.5) そして1セットの直交補正固有スペクトルUsを作る。
Σは対応する特異値であり、Vsは対応する右固有ベク
トルであり、は行列転置を表している。
(2.6)前記多項式と補正固有スペクトルとを含むフル
セットの補正項Um=Up+Usを、再びグラム−シュミット
直交化手順を使用して較正データから除去する。
XC=X−Um(Um tX) (2.6) (2.7)補正済みスペクトルXCの特異値分解を行う。
XC=UcΣcVc t (2.7) (2.8)ステップ(2.7)からの固有スペクトルを検査
し、Σ中の大きな特異値に対応する固有スペクトル1
〜kからなるサブセットaを保持する。スペクトルノイ
ズに対応する固有スペクトルk+1〜nを捨てる。
XC=UkΣkVk t+EK (2.8) (2.9)特異値分解Vkからのk個の右固有ベクトルは、
較正スペクトルYp(n×1行ベクトル)の路長に対し回
帰させる。
Yp=VkBp+Ep (2.9a) Epは回帰誤差である。回帰係数Bpは次のように計算す
る。
Bp=(Vk tVkt-1VkYp=Vk tYp (2.9b) (2.10)較正スペクトルの路長の予測を次のように計算
する。
=VkBp (2.10) 次にn×nの対角行列Nを形成する。このNのi番目
の対角要素は、較正スペクトルの平均路長をi番目
の較正試料(のi番目の要素)の路長予測値で割っ
た割合である。
(2.11)次に右固有ベクトルを次のように再正規化す
る。
Vk′=NVk (2.11) (2.12)この再正規化した行列を、特性および/または
濃度の行列Y(Yはn個の較正試料とc個の特性/濃度
に関する値を含む大きさn×cの行列)に対して回帰す
る。そしてモデルに対する回帰係数を得る。
Y=Vk′B+E (2.12a) B=(VktVk′)-1Vk′Y (2.12b) (3.0)未知の特性/成分を有する新しい目的試料を次
の各ステップで分析する。
(3.1)目的試料の吸光スペクトルを、較正スペクトル
を収集した時と同一条件で得る。
(3.2)吸光スペクトルxuを条件変数に分解する。
xu=UkΣkvu t (3.2a) vu=λ-1Uk txu (3.2b) (3.3)未知のスペクトルの路長を次のように推定す
る。
=vuBp (3.3) (3.4)未知のスペクトルに対する固有ベクトルの尺度
を次のように調整する。
vu′=vup/) (3.4) は(2.10)の較正スペクトルの平均路長である。
(3.5)特性/濃度を次のように推定する。
=vu′B (3.5) (4.1)前記較正と分析とに使用するスペクトル領域は
サブ領域に限定し、分光計の線形応答範囲外の強い吸光
や、低信号含有領域および高ノイズ領域を避ける。
(5.1)較正に使用する試料は、統計的テストによって
多変量範囲外試料と識別された試料を除外することによ
り限定しても良い。
(6.1)ステップ(2.9)および(2.12)の回帰は、段階
的回帰法(例えばニューヨーク、Marcel Dekker社1980
年発行、W.J.Kennedy氏およびJ.E.Gentle氏の“Statist
ical Computing"参照)、PRESSに基づく変数選択法(例
えばケンタッキー大学統計学部、1971年8月、D.M.Alle
n氏による“Technical Report"第23号参照)を用いて行
い、実験モデルに保持する変数の数を最初のk個の変数
のサブセットに限定し、これにより、予測パラメータに
対して統計的に意味のある相関を示さない変数は除去で
きる。
(7.1)未知データのマハラノビス統計Du2は次のように
得られる。
Du 2=vu′(VktVk′)-1vu (7.1) これを使用し、未知データに関する値と較正試料につ
いて計算した同様の値の平均とを比較することにより、
モデルの内挿法に基づいて推定したのか、あるいは外挿
法に基づいて推定したのかを判断できる。
(7.2)推定した値の不確実性は、標準誤差に基づき、
(2.12)の回帰および未知データに関するマハラノビス
統計から推定できる。
(8.1)未知スペクトルxuの分析において、該スペクト
ルに対する測定処理信号の影響は次のように計算でき
る。
vm=Σm -1Um txu (8.1) これら値は較正用の値Vmと比較することにより、測定
処理が較正の時から変化したを診断できる。
例 実験モデルの作成についてこれまで説明してきたCPSA
の適用例を、赤外線領域の様々の部分の使用、成分予
測、物理特性、および性能特性については、例1〜5と
して示し、それらの結果を図1〜5に示す。これら図
は、特性および成分データの予測にかかる本発明方法の
有効性を示している。
例1 中赤外線による成分濃度推定 推定パラメータ:ベンゼン重量% 試料タイプ:パワーフォーメイト(Powerformate) 較正試料測定手段:ガスクロマトグラフィー 使用分光計:マットソンポラリス/アイコン(Mattopn
Polaris/Icon) 平均路長較正設定:500ミクロン 使用スペクトル範囲:5000〜1645cm-1 除外サブ範囲:3150〜2240cm-1 使用条件付け:3多項式項(二次)、水蒸気スペクトル 使用回帰法:PRESS 較正スペクトル数:77 条件付けに使用した固有スペクトル数(k):5 路長回帰用保持数:4 路長回帰標準誤差:1.272ミクロン 成分回帰用保持数:5 成分回帰標準誤差:0.063重量% パワーフォーメイトのベンゼン含有量を推定するた
め、条件付き主成分モデルを作成した。マットソンポラ
リス/アイコンFT−IR分光計を2cm-1の分解能で作動さ
せ、信号を平均化するため100回の走査を行い、5000〜1
645cm-1の領域にわたり77個の基準パワーフォーメイト
のスペクトルを集めた。500ミクロンのフッ化カルシウ
ムセルを使用した。試料の吸光が分光計の線形応答範囲
を越える範囲を避けるため、およびモデルに二酸化炭素
補正項を追加することを避けるため、モデル作成中にお
いて3150〜2240cm-1の範囲のデータを除外した。較正に
使用した基準試料のベンゼン含有量はガスクロマトグラ
フ分析によって取得した。背景変動を考慮して3個の多
項式補正項を使用し、パージ変動を考慮して水蒸気補正
スペクトルを使用し、CPSAモデルを形成した。PRESSに
基づく段階的回帰法(例えば前記D.M.Allen氏の資料参
照)を使用して路長予測モデルおよびベンゼン含有量を
得た。PRESS回帰法に入力した5個の条件付き主成分変
数のうち、4個を路長推定用に保持し、5個すべてをベ
ンゼン推定用に保持した。セル路長の推定に対する標準
誤差は1.272ミクロンであった。ベンゼン含有量の推定
に対する標準誤差は0.063重量%であった。図1は、77
個の基準試料のベンゼン含有量につき、赤外線推定した
結果とGCで測定した結果とを示すグラフである。
例2 中赤外線による物理特性推定 推定パラメータ:API重力 試料タイプ:石油中間留出物 補正試料測定手段:ASTM D1298 使用分光計:マットソンポラリス/アイコン 平均路長較正設定:29.57ミクロン 使用スペクトル範囲:3650〜500cm-1 除外サブ範囲:2989〜2800cm-1 2400〜2300cm-1 1474〜1407cm-1 使用条件付け:3多項式項(二次)、水蒸気スペクトル 使用回帰法:PRESS 較正スペクトル数:91 条件付けに使用した固有スペクトル数(k):24 路長回帰用保持数:21 路長回帰標準誤差:0.159ミクロン 成分回帰用保持数:21 成分回帰標準誤差:0.660度API 石油中間留出物のAPI重力を推定するため、条件付き
主成分モデルを作成した。マットソンポラリス/アイコ
ンFT−IR分光計を2cm-1の分解能で作動させ、信号を平
均化するため1000回の走査を行い、3650〜500cm-1の領
域にわたり91個の基準中間留出物のスペクトルを集め
た。30ミクロンの臭化カリウムセルを使用した。試料の
吸光が分光計の線形応答範囲を越える範囲を避けるた
め、およびモデルに二酸化炭素補正項を追加することを
避けるため、モデル作成中に2989〜2800cm-1、2400〜23
00cm-1、および1474〜1407cm-1の範囲のデータを除外し
た。較正に使用した基準試料のAPI重力はASTMD1298によ
り取得した。背景変動を考慮して3個の多項式補正項を
使用し、パージ変動を考慮して水蒸気補正スペクトルを
使用し、CPSAモデルを形成した。PRESSに基づく段階的
回帰法(例えば前記D.M.Allen氏の資料参照)を使用し
て路長予測モデルおよびAPI重力モデルを作成した。PRE
SS回帰法に入力した24個の条件付き主成分変数のうち、
19個を路長推定用に保持し、21個をAPI重力推定用に保
持した。セル路長の推定に対する標準誤差は、0.159ミ
クロンであった。API重力の推定に対する標準誤差は、
0.660度APIであった。図2は、91個の基準試料のAPI重
力につき、赤外線推定した結果とASTMD1298で測定した
結果とを示すグラフである。
例3 近赤外線による性能特性推定 推定パラメータ:セタン価 試料タイプ:石油中間留出物 較正試料測定手段ASTM D613 使用分光計:マットソンシリウス100 平均路長較正設定:519.3ミクロン 使用スペクトル範囲:10000〜3800cm-1 除外サブ範囲:なし 使用条件付け:3多項式項(二次) 使用回帰法:PRESS 較正スペクトル数:93 条件付けに使用した固有スペクトル数(k):13 路長回帰用保持数:11 路長回帰標準誤差:1.535ミクロン 成分回帰用保持数:10 成分回帰標準誤差:1.258センタ価 石油中間留出物のセタン価を推定するため、条件付き
主成分モデルを作成した。マットソンシリウス100FT−I
R分光計を2cm-1の分解能で作動させ、信号を平均化する
ため100回の走査を行い、10000〜3800cm-1の領域にわた
り91個の基準中間留出物スペクトルを集めた。500ミク
ロンのフッ化カルシウムセルを使用した。較正に使用し
た基準試料のセンタ価はASTMD613により取得した。背景
変動を考慮して3個の多項式補正項を使用し、CPSAモデ
ルを形成した。PRESSに基づく段階的回帰法(例えば前
記ディーエムアレンの資料参照)を使用して路長予測モ
デルおよびセタン価モデルを得る。PRESS回帰法に入力
した13個の条件付き主成分変数のうち、11個を路長推定
用に保持し、10個をセタン価推定用に保持した。セル路
長の推定に対する標準誤差は1.535ミクロンであった。
セタン価の推定に対する標準誤差は1.258センタ価であ
った。図3は、91個の基準試料のセタン価につき、赤外
線推定した結果とASTMD613で測定した結果とを示すグラ
フである。
例4 中赤外線による要素成分推定 推定パラメータ:水素重量% 試料タイプ:石油中間留出物 較正試料測定手段:広ラインNMR 使用分光計:マットソンポラリス/アイコン 平均路長較正設定:29.57ミクロン 使用スペクトル範囲:3650〜500cm-1 除外サブ範囲:2989〜2800cm-1 2400〜2300cm-1 1474〜1407cm-1 使用条件付け:3多項式項(二次)、水蒸気スペクトル 使用回帰法:PRESS 較正スペクトル数:91 条件付けに使用した固有スペクトル数(k):24 路長回帰用保持数:19 路長回帰標準誤差:0.159ミクロン 成分回帰用保持数:21 成分回帰標準誤差:0.0551重量% 石油中間留出物の水素含有量を推定するため、条件付
き主成分モデルを作成した。マットソンポラリス/アイ
コンFT−IR分光計を2cm-1の分解能で作動させ、信号を
平均化するため100回の走査を行い、3650〜500cm-1の領
域にわたり91個の基準中間留出物スペクトルを集めた。
30ミクロンの臭化カリウムセルを使用した。試料の吸光
が分光計の線形応答範囲を越える範囲を避けるため、お
よびモデルに二酸化炭素補正項を追加することを避ける
ため、モデル作成中に2989〜2800cm-1、2400〜2300c
m-1、および1474〜1407cm-1の範囲のデータを除外し
た。較正に使用した基準試料の水素含有量は、広ライン
NMRにより取得した。背景変動を考慮して3個の多項式
補正項を使用し、パージ変動を考慮して水蒸気補正スペ
クトルを使用し、CPSAモデルを形成した。PRESSに基づ
く段階的回帰法(例えば前記ディーエムアレンの資料参
照)を使用して路長予測モデルおよび水素含有量モデル
を得た。PRESS回帰法に入力した24個の条件付き主成分
変数のうち、19個の路長推定用に保持し、21個を水素含
有量推定用に保持した。セル路長の推定に対する標準誤
差は0.159ミクロンであった。水素含有量の推定に対す
る標準誤差は0.0551重量%であった。図4は、91個の基
準試料の水素含有量につき、赤外線推定した結果と広ラ
インNMRで測定した結果とを示すグラフである。
例5 中赤外線による化学成分推定 推定パラメータ:ZDDP重量% 試料タイプ:潤滑剤添加パッケージ 較正試料測定手段:混合物内重量% 使用分光計:デジラブFTS−20C 平均路長較正設定:62.0ミクロン 使用スペクトル範囲:1800〜490cm-1 除外サブ範囲:1475〜1435cm-1 使用条件付け:3多項式項(二次)、水蒸気スペクトル 使用回帰法:段階法 較正スペクトル数:30 条件付けに使用した固有スペクトル数(k):7 路長回帰用保持数:7 路長回帰標準誤差:0.17ミクロン 成分回帰用保持数:7 成分回帰標準誤差:0.16重量% 潤滑剤添加パッケージの亜鉛ジアルキルジチオホスフ
ァト(ZDDP)含有量を推定するため、条件付き主成分モ
デルを作成した。ピリイソブテニルポリアミンジペルサ
ントとオーバーベースドスルホン化マグネシウム清浄剤
と硫化ノニルフェノルとZDDPと希釈油とを含む添加パッ
ケージの基準混合物を30作った。これら基準混合物中の
添加物濃度は、目標濃度の±8〜12%のばらつきがあっ
た。シクロヘキサン中に50%の添加パッケージを含む溶
液を準備した。デジラブFTS−20CFT−IR分光計を2cm-1
の分解能で作動させ、信号を平均化するため100回の走
査を行い、3650〜400cm-1の領域にわたりスペクトルを
集めた。62ミクロンの臭化カリウムセルを使用した。18
00〜1475および1435〜490CM-1の範囲のスペクトルデー
タを使用してCPSAモデルを作成した。背景変動を考慮し
て3個の多項式補正項を使用し、パージ変動を考慮して
水蒸気補正スペクトルを使用し、CPCRモデルを作成し
た。段階法に基づく段階的回帰法(例えば前記ダブリュ
ージェイケネディとジェイイージェントルとの資料参
照)を使用して路長予測モデルおよびZDDP含有量を得
た。PRESS回帰法に入力した7個の条件付き主成分変数
のうち、7個を路長推定用に保持し、7個のZDDP含有量
推定用に保持した。セル路長の推定に対する標準誤差は
0.17ミクロンであった。ZDDP含有量の推定に対する標準
誤差は0.16重量%であった。図5は、赤外線推定したZD
DP含有量と、30の混合物を準備する時に使用したZDDP含
有量とを示すグラフである。
さらに別の例を説明する。
例6 イソオクタンとヘプタンの2成分混合 最初の例は、条件付き主成分分析を使用して、スペク
トル測定処理に起因する信号の変動に対して安定なモデ
ルを形成する方法を示す。マットソンポラリス/アイコ
ンFT−IR分光計を2cm-1の分解能で作動させ、信号を平
均化するため100回の走査を行い、25ミクロン臭化カリ
ウム固定路長セルを使用し、イソオクタン(2,2,−オリ
メチルペンタン)とn−ヘプタンとの2成分混合を22準
備し、それらの中赤外線(4000〜400cm-1)スペクトル
を集めた。単一ビームの試料スペクトルを空ビームの背
景スペクトルに対比させ、吸光スペクトルを計算した。
主成分分析および条件付き主成分分析の両方を用い、2
成分混合のイソオクタンおよびヘプタン含有量の予測モ
デルを作成した。分光計の線形応答範囲外の吸光を避け
るため、2000〜690cm-1のスペクトル範囲内のデータの
みをモデル作成用に使った。22の2成分混合のうち、11
のスペクトルをモデル作成用に使った。残りの11のスペ
クトルを前記モデルをテストするために使用した。モデ
ルの作成およびテストに使用した混合物の濃度をテーブ
ル1に示す。
図6は、混合物スペクトルの主成分分析法(PCA)の
統計である。実際のシステムにおいてよく見られるよう
に、各種統計テストは、スペクトル変数の実際の数を明
白に示すわけではない。固有値の対数と主成分の数との
グラフは、比較的滑らかに下降し、主成分の数が3およ
び6においてわずかの屈曲を示すだけである。定数関数
は5変数において最小となり、累積分散は3主成分の後
に平らになり、固有値率は主成分の数が1および3にお
いて最大となる。いずれの統計も2成分混合の実際の成
分数を示さない。較正スペクトル(図7)についての平
均および標準偏差スペクトルを調べると、付加的スペク
トル変数の発生源が分かる。スペクトル基線の周波数従
属変動や、分光計の不完全なパージに起因する水蒸気に
よる吸光が明瞭である。PCA分析で作った固有スペクト
ル(図8)を調べると、これら測定に関する付加的変動
がどのようにして主成分として抽出されるかが分かる。
固有スペクトル1は実際の2成分による吸光を示すが、
ゼロ吸光に対して明らかにオフセットしている。固有ス
ペクトル2は、イソオクタンとヘプタンとの間にわずか
の区別しか示さず、ほとんどがオフセットである。固有
スペクトル3および4は、実際の2成分の間の相違を示
すが、スペクトル背景において周波数従属変動を示す。
固有スペクトル5は明らかに水蒸気である。固有スペク
トル6は、ほとんど測定ノイズである。測定処理に関連
する信号は、単一主成分にきれいに抽出されるわけでは
なく、すべてのスペクトル変数中に混在する。固有スペ
クトル1および2にはオフセットが明瞭に存在する。固
有スペクトル1,2,4,5には水蒸気吸光が観察される。固
有スペクトル3,4には周波数従属背景が存在する。
前記と同一データセットに対し、2次(定数+線形)
多項式背景補正および水蒸気補正スペクトルを条件付け
として使用し、CPSAモデルを作成した。図9は、使用し
た3つの補正スペクトルと、CPSA分析で発生した最初の
3つの固有スペクトルとを示す。これら固有スペクトル
は、オフセット、線形周波数従属背景、および水蒸気補
正スペクトルに対して直交する。第3の固有スペクトル
は、ほぼすべてがノイズであり、イソオクタンおよびヘ
プタンのスペクトル変動を2つのスペクトル変数に抽出
することに成功していることを示す。
表2は、PCAおよびCPSAモデルについての標準誤差を
示す。固有スペクトルから予測されるように、PCAモデ
ルは、イソオクタンおよびヘプタン濃度の変動を考慮す
るために4ての変数を必要とする。PCAモデルに第5の
主成分を含めると、較正試料の予測標準誤差をわずかに
改良するが、実際には予測モデルの品質低下を起こして
いる。2変数に基づくCPSAモデルは、4変数のPCAモデ
ルに匹敵する予測力を持ち、スペクトルデータに存在す
る測定処理信号に対してより大きな強靭性をもってい
る。図10はこの改良した強靭性を示す。較正試料中の背
景の変動性は、図7の標準偏差スペクトルの線形基線を
合わせることにより推定した(2000および690cm-1の2
端点をつなぐ線の傾斜および切片を計算する)。この推
定した背景の倍数を89%のイソオクタンを含む試料のス
ペクトルに加えた。そして発生したスペクトルを4変数
PCAモデルと2変数CPSAモデルとを使用して分析した。P
CAモデルについては、推定したイソオクタン含有量は明
瞭に背景に従属した。スペクトルデータに存在する背景
の範囲にわたって、0.05%程度の変動が観察された。未
知試料の分析において、スペクトル中に存在する背景の
相違が大きいと、0.1%程度の誤差が簡単に出る。CPSA
モデルは、背景中の変動に独立であり、背景中の変化に
かかわりなく同一の結果をもたらす。このためCPSAは、
より強靭で安定な予測モデルを提供する。
PCRおよびCPCR分析の誤差は、2成分の合計が100%で
はないことが主な原因である。表2に示すように、イソ
オクタンおよびn−ヘプタンの推定濃度を100%に再正
規化すれば、SEEおよびSEPは著しく減少する。再正規化
の後でさえ、2変数CPCRモデルに匹敵するPCRモデルを
形成するには4変数が必要である。表2に示すように、
PCRおよびCPCRモデルの形成に路長補正を使用する場
合、イソオクタンおよびn−ヘプタンの推定濃度は、試
料成分の合計は100%でなければならないという条件付
けから、自動的に再正規化される。
例7 5成分添加パッケージの分析、K行列法との比較 K行列法を使用してオイル添加パッケージの品質管理
分析を行う方法は前述した。K行列分析では、f×nの
較正スペクトル行列Xは、2つの行列KおよびCの積と
して表す。
X=KC Cはc×nの行列であり、n個の較正試料のc個の実
成分の濃度を含む。f×cの行列Kは次のように求め
る。
K=XCt(CCt-1 Kは、較正用混合試料の実成分そのままのスペクトル
を含む。すなわち、すべての成分間相互作用を含む。較
正で求まる行列Kを使用して未知の物質xを分析し、そ
の成分濃度cを求める。
c=(KtK)-1Ktx 主成分法と異なり、K行列法を使用する場合、行列C
(反転の必要がある)が較正混合を完全に示すよう、混
合物中のすべての成分の濃度を知る必要がある。
CPSAを使って真の多成分分析用較正データを作成する
方法を説明する。このため、例5に示した分析をさらに
詳細に説明し、K行列分析に使用したスペクトルデータ
を使用して予測モデルを作成する方法を示す。前記添加
パッケージは5成分を含む。5成分とは、分散剤(49
%)、ノニルフェノル(NPS、16%)、亜鉛ジアルキル
ジチオホスファト(ZDDP、15%)、マグネシウムオーバ
ーベースドスルホン酸エステル(12%)、および希釈オ
イル(8%)である。品質管理への応用については、目
的試料の成分を含む比較的狭い濃度範囲で較正を行っ
た。目標濃度の88%,92%,100%,108,112%に対応する
レベルにおいて前記4添加剤を混合し、希釈オイルのレ
ベルを調整して適切な合計重量を実現し、30の混合物を
準備した。各混合物の添加剤のレベルは、各添加レベル
を示す倍数はほぼ同等とし、各成分は独立して変動する
ことを条件に任意に選択した。2cm-1の分解能で、0.05
ミリメートルKBrセルを使用し、デジラブFTS−20CRT−I
R分光計を使用し、信号を平均化するため500回の走査を
行い、シクロヘキサン中の50%混合物溶液のスペクトル
を測定した。添加物濃度範囲の30の混合物から15をモデ
ル作成用に選択した。そして残りの15を分析して前記モ
デルをテストした。図11は30の混合物についての平均お
よび標準偏差を示す。この分析には1800〜490cm-1の範
囲のスペクトルデータを使用した。精密な測定には強す
ぎる吸光を避けるため、1475〜1435cm-1の範囲のデータ
は分析から除外した。
較正用混合物のスペクトルデータ中にどのような測定
処理信号が存在するかを評価するため、15のスペクトル
の主成分分析を行った。図12はPCA計算の統計である。
各種の統計テストの多くは、実際の成分よりも多くの変
数が存在することを示唆するが、スペクトルデータ中に
存在する変数の数を明確に示さない。図13および14は、
PCA計算用に得た最初の10の固有スペクトルを示す。こ
れらから明らかなように、少なくとも最初の9個の固有
スペクトルは、スペクトルノイズベルよりも十分に上で
ある認識可能な吸光帯を含む。固有スペクトルおよび標
準偏差スペクトルを調査すれば、付加的なスペクトル変
数の発生源が分かる。固有スペクトル8は1215および76
1cm-1において負の帯を示す。これらは溶液のクロロフ
ォルム汚染による。クロロフォルムは試料間においてセ
ルの洗浄に使用した。標準偏差スペクトル(図11)は、
強く湾曲した背景を示しており、背景変動がスペクトル
分散に影響を与えることを示唆している。先の例と異な
り、スペクトル変数に対する背景の影響は固有スペクト
ルからは明白でないが、真の成分吸光による変動と混在
している。クロロフォルムと背景とは9スペクトル変数
のうち、2つの関係している。固有スペクトル5および
9は、シクロヘキサン溶剤による特性を示す。固有スペ
クトル5は、較正スペクトル中の帯域幅の変動を示唆す
る分散形を有する帯がある。較正スペクトルを詳細に検
査すると、シクロヘキサン吸光が帯域幅においてわずか
に変動することが分かる。これは添加剤との相互作用の
強さの変動のためと思われる。一方、固有スペクトル9
は、溶剤に対応する通常の形状特性を示す。溶液を正確
に同一濃度で準備したとすれば、そして溶剤/添加剤の
相互作用がないものとすれば、シクロヘキサンによるス
ペクトル特性は、すべての混合物において一定のはずで
あり、固有スペクトル1にのみ観察されるはずであり、
独立したスペクトル変数としては検出されないはずであ
る。実際には、溶剤は2つのスペクトル変数に影響を及
ぼし、固有スペクトル5は溶質/溶媒相互作用の変動が
原因であり、固有スペクトル8は溶質/溶媒濃度の変動
が原因である。これを証明するため第2のPCA分析を行
った。これには、同一条件で取得した15の較正混合物と
シクロヘキサンの3スペクトルを使用した。図15はこの
分析で得た固有スペクトルのいくつかを示す。混合物ス
ペクトルのみを使用するPCA計算では、溶液濃度の変動
は小さく、9番目の重要なスペクトル変数(図14)とし
てあらわれるだけだった。基準セットに溶媒スペクトル
を加えると、溶媒吸光の変動幅が著しく増加し、2番目
に重要なスペクトル変数となった。ノイズレベルは別と
して、図15の固有スペクトル2は、図14の固有スペクト
ル9に極めて似ている。溶媒濃度の変動が元の15の較正
スペクトル中の1スペクトル変数でないなら、溶媒スペ
クトルを含めたことで、変数が1つデータに追加されて
いるはずである。しかし図13および14を図15と比較する
と、明らかに変数は追加されていない。溶媒スペクトル
を含めたことが、9変数(例えば、図13の固有スペクト
ル2は図15の固有スペクトル3になる)を並べ変えた
が、両方の10番目の固有スペクトルは、スペクトルノイ
ズレベルより上の最小吸光特性を示す。
前記分析は、9個のスペクトル変数のうち7個が試料
変動に対応することを示す。すなわち、5個が添加パッ
ケージ成分による変動、1個がシクロヘキサン溶剤によ
る変動、1個が溶媒/溶質相互作用による変動であるこ
とを示す。残りの2個の変数は測定処理によるものであ
り、背景変動とクロロフォルム汚染とに対応する。これ
ら情報を使ってCPSAモデルを作成できる。溶媒濃度の変
動は混合物のスペクトル中の1変数であるため、CPSAモ
デル作成用の基準セットに溶媒スペクトルを含め、溶媒
変動が適切にモデル化されるようにした。図16および17
は、使用する各種補正スペクトルと、結果的に得られる
固有スペクトルとを示す。背景変動の可能性を考慮して
3項(2次)補正を使用する。試料中にはクロロフォル
ムが存在するが、試料吸光を希釈するほど高いレベルで
はないので、試料成分ではなく測定処理変数として扱え
る。PCA固有スペクトル8に観察されるクロロフォルム
吸光は、純クロロフォルムで観察されるものよりわずか
にずれているため、観察した吸光をローレンツ帯にあて
はめることにより、補正用合成クロロフォルムスペクト
ルを形成いた。CPSA固有スペクトル7(図16)は、残留
吸光特性の信号対ノイズにおいて、PCA固有スペクトル1
0(図14,15)にほぼ等しい。4つの条件を含めることに
より、CPSAモデルは、PCA分析が必要とする9変数では
なく、7変数でスペクトル分散を考慮できる。表3は、
K行列、PCA、CPSAの各モデルの標準誤差を示す。試料
中には6成分(5添加パック成分+シクロヘキサン)し
か存在しないので、K行列法は6変数しか抽出しない。
K行列モデルは、溶質/溶媒相互作用を考慮できない。
したがって、この相互作用を独立した変数としてモデル
化できる主成分法に比べ、より貧弱な予測モデルを作成
する。推定の標準誤差は、9変数に基づくPCAモデル
は、7変数に基づくCPSAモデルより低い。これは測定処
理信号に対応する2つの特別変数が従属変数に相関して
いるからである。例えば、PCAモデルを使用してCPSAモ
デルが使用する4条件付けスペクトル(図16の最初の4
スペクトル)を分析すれば、PCAモデルによる予測が背
景とクロロフォルム濃度とに従属し、測定処理信号に対
して強靭性がないことが分かる(表4)。PCAおよびCPS
Aの各モデルを使用して15のテスト混合物(表3の下
部)を分析すると、7変数に基づくより強靭なCPSAモデ
ルの予測能力は、9変数に基づくPCAモデルを実際に上
回ることが分かる。
標準偏差スペクトルやPCA固有スペクトルには水蒸気
吸光が観察されなかったので、簡潔のため、水蒸気条件
は前記CPSAモデルの作成には追加しなかった。このモデ
ルを実際の品質管理に使用する場合、水蒸気条件を追加
することにより装置パージが結果に影響を与えないよう
にする。表3に見られるように、モデルに水蒸気補正ス
ペクトルを追加して安定性と強靭性を改良しても、この
追加は水蒸気吸光を全く示さない15のテストスペクトル
に対する予測の精度に影響を及ぼさない。
例8 例8は、条件付きスペクトル分析の実際の応用におい
て測定処理に起因する信号を取り除く方法を示す。パワ
ーフォーメイト試料のリサーチ法オクタン価(RON)を
推定するため、CPCRモデルを作成した。LTIインダスト
リー社のカンタム1200近赤外線アナライザを使用し、87
0〜1600ナノメータの範囲において、186の基準パワーフ
ォーメイトの実験データを集めた。ASTM2699に基づきパ
ワーフォーメイト基準試料のRON価を得た。3多項式補
正スペクトル(一定、線形、および2次多項式)と5つ
の条件付き主成分変数とを用いてCPCRモデルを作った。
このモデルによる推定の標準誤差は0.30リサーチオクタ
ン価だった。
近赤外線を使用してオンラインリサーチオクタン価を
測定することの有効性をテストするため、実験用アナラ
イザにフローセルを設け、パワーフォーミングユニット
からの高速サンプリングループに接続した。パワーフォ
ーミング製品のスペクトルを、約6分間隔で、基準スペ
クトルを集めた時と同一条件で集めた。リサーチオクタ
ン価(図18)の推定結果は、製品組成において推定した
よりもずっと早い周波数において規則的な振動を示し
た。接続するスペクトル(図19)を差し引くことによ
り、この振動は、1400ナノメータの範囲の吸光の規則的
な振動によることが分かった。この吸光は、装置の光路
に存在する大気水蒸気(図20)によるものと同定され
た。そして振動は、アナライザを設置した場所の空調装
置のサイクル時間として追跡できた。図19に明らかなよ
うに、短期間(<40分)において、パワーフォーメイト
製品成分の変化はわずかであった。装置の湿度変動によ
る推定RONの規則的な変化があった。より長い期間(例
えば93〜135分)にわたって発生した異なるスペクトル
は、水蒸気吸光の振幅が実際の成分変化による吸光の差
異に匹敵することを示した。図20において、水蒸気吸光
は、パワーフォーメイト炭化水素による吸光と同じスペ
クトル範囲にあることが分かる。
リサーチオクタン価の推定に対する湿度変化の影響を
最小にするため、水蒸気補正をモデルに加えた。「水蒸
気」スペクトルは、成分が最小変動を示すと思われる期
間においてオンラインデータから連続スペクトルを差し
引くことにより発生した。3多項式背景補正と水蒸気補
正を使用し、回帰において5つの条件付き主成分を使用
し、CPCRモデルを作成した。この結果得られたモデルを
使用し、同じオンラインデータを再分析した(図21)。
水蒸気補正を含めることで湿度の変動の影響を受けない
モデルを作成し、これによって周期的振動を除去した。
例9 測定処理品質管理 CPSAは、測定処理に付随するスペクトル変数をモデル
化することにより、予測モデルがこれら変数の影響を受
けないように条件付けできる。これら条件付け変数の実
際のスペクトルに対する影響は、スペクトルデータ収集
中における測定処理の状態を表す。これら条件付け変数
は、それら自身および固有スペクトルに対して直交であ
るため、条件付け変数の1スペクトルに対する相対的影
響は、条件付けベクトルの当該スペクトルとの点乗積を
とるだけで分かる。較正スペクトルの値範囲は、基準ス
ペクトル収集中における測定処理の変動範囲を表すた
め、測定処理の範囲外である基準スペクトルを同定する
ために使用できる。予測モデルを作成する場合、これら
範囲外にのスペクトルデータを再び集め、該モデルを最
適化することが好ましい。また、分析しようとする未知
スペクトルに対する条件付け変数の値は、分析における
測定処理の指標となり、測定処理が較正に対して著しく
変化した場合、警告を発生できる。このためCPSAは、測
定処理の品質管理手段を提供し、試料の変化ではなく測
定処理の変化が予測結果に与える影響を示すことができ
る。
図22および23は、条件付け変数を使用してスペクトル
測定処理をモニタする方法を示す。前記イソオクタン/
ヘプタンの例(例6)では、分光計を十分にパージする
時間を与えずに急速にスペクトルを集めた。その結果、
水蒸気による吸光が成分スペクトルに重なり、PCA計算
によってそれを主成分(図8の固有スペクトル5)とし
て分離した。CPSAモデルを作る場合、条件付けとして水
蒸気補正スペクトルを使った。図18は水蒸気条件付けを
使用した場合の基準およびテストスペクトルの点乗積の
グラムである。条件付け変数の値は、水蒸気レベルに対
して範囲外であるスペクトルをはっきりと同定してい
る。この場合、そのスペクトルは、平均よりも著しく低
い水蒸気レベルとして示されている。図23は、添加パッ
ケージ例(例7)において使用したクロロフォルム条件
付けについての同様のデータを示す。クロロフォルム
は、試料間においてセルを洗浄するために使ったもの
で、セルを真空状態においても完全に除去されるとは限
らない。クロロフォルム条件付け変数の値は、平均値よ
り上(試料4)または下(試料6)のクロロフォルム汚
染が存在するスペクトルをはっきりと示した。クロロフ
ォルム条件付けスペクトル(図16)のピークは負なの
で、点乗積の低い値はクロロフォルムの高いレベルを意
味する。
請求の範囲に規定する本発明の範囲を逸脱せずに、こ
こに開示した方法および装置に対して各種変更や変形が
可能であるが、かかる変更や変形は当業者に明らかであ
るため、それらの詳細は省略する。
条件付き主スペクトル分析法は、分光技師がそのスペ
クトル測定の知識を入力し、測定処理によるスペクトル
変動を定義しモデル化し、測定処理信号の影響を受けな
いように条件付けした多変量予測モデルを作成する。こ
のようにして作成した条件は、測定処理の品質管理変数
として働き、較正の最適化とそれに続くスペクトル測定
の監視を可能にする。CPSAアルゴリズムは、スペクトル
処理技術に比べて次のような利点がある。(1)すべて
の利用可能なスペクトルデータを使用し、測定処理定数
を導き、それを除去するため、限定したデータ範囲に基
づく方法よりもスペクトルノイズの影響を受けない。
(2)単一の計算方法を使用し、処理アルゴリズムを作
ることが困難なあるいは不可能な変数(例えば高度に重
なった干渉や高次背景変動)を含めあらゆるタイプの測
定処理変動を除去する。(3)スペクトル主成分に直交
する測定処理変数を提供し、予測モデルの最大の安定を
確保する。(4)分析の不可分の一部として測定処理変
数のモデル化および除去を内蔵し、別個の前処理法やア
ルゴリズムを開発する必要がない。
請求の範囲に定義した本発明の範囲を逸脱せずに、こ
こに開示した方法および装置には様々の変形や変更が可
能である。これら変形や変更は当業者には明らかなので
詳細は省略する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−35265(JP,A) 特開 平3−209149(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01J 3/00 - 3/52 G01N 21/00 - 21/01 G01N 21/17 - 21/61 EPAT(QUESTEL) WPI/L(QUESTEL)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料の未知特性および/または成分データ
    を推定する方法において、 (i)n個の較正試料の各スペクトルを集め、該スペク
    トルをf個の離散周波数(または波長)において定量化
    して大きさf×nの行列Xを作成し、 (ii)前記f個の離散周波数においてデジタル化したm
    個の補正スペクトルを持つ大きさf×mの補正行列Um
    作り、該補正スペクトルが測定処理自体に起因するデー
    タをシミュレートし、 (iii)XをUmに直交させることにより、各スペクトル
    がUmの各スペクトルに直交する補正済みスペクトル行列
    XCを作成し、 (iv)n個の較正試料の各々についてc個の特性および
    /または成分データを集めて大きさn×c(c>1)の
    行列Yを作成し、 (v)前記行列Yの要素を行列XCの要素に相関させる予
    測モデルを決定し、 (vi)前記f個の離散周波数において目的試料のスペク
    トルを測定し、f×1の行列を作成し、 (vii)目的試料の未知の特性および/または成分デー
    タを該目的試料の測定スペクトルから前記予測モデルに
    基づき推定する各段階を備える方法。
  2. 【請求項2】XCの転置行列をXc t、大きさf×cの予測
    モデルをP、前記モデルからの残留誤差の大きさn×c
    の行列をEとし、前記段階(v)がY=Xc tP+Eを解く
    数学的技法を使用して予測モデルを決定し、大きさf×
    1のスペクトルxuを目的試料から測定し、該スペクトル
    ベクトルxuの転置行列をxu tとしてyu=xu tPの関係か
    ら、前記目的試料の特性および/または成分のc個の推
    定データを含む大きさ1×cのベクトルyuを決定する、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記数学的技法が主成分条件付けである、
    請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記段階(ii)が、 (ii a)1セットの周波数(または波長)従属直交多項
    式を用い、該多項式の次数をpとし直交多項式を列とし
    て大きさf×pの行列Upを作成して基線変動をモデル化
    し、 (ii b)試料外化合物によるスペクトル干渉の数を
    s′、該スペクトル干渉を代表する試料外スペクトルの
    数をs(>1)とし、s′以上の少なくとも1つの試料
    外スペクトルを供給して大きさf×sの行列XSの列を作
    成し、 (ii c)XSの列をUpに直交させることにより新しい行列
    XS′を作成し、 (ii d)XS′の列自身を直交させて新しい行列Usを作成
    し、 (ii e)行列UpおよびUsの各列を並列配置するようにし
    て両行列を結合することにより行列Umを作成する、各段
    階を備える、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】前記段階(i)と(vi)とを実行する間の
    測定処理データの意味のある全変化を決定するため、 (a)Xtを行列Xの転置行列として大きさn×mの行列
    Vmを点乗積XtUmとして作成し、 (b)各列として主成分スペクトルを含む大きさf×n
    の行列をU、特異値を含む大きさn×nの対角行列を
    Σ、主成分スコアを含む大きさn×nの行列をV、Vの
    転置行列をVtとし、補正済みデータ行列XCを作成し、そ
    の特異値分解をUΣVtとして計算し、 (c)Zを回帰係数ベクトル、Rを較正用セットのスペ
    クトルについての測定処理信号ベクトルとしてVm=VZ+
    Rの形式の回帰を決定し、 (d)目的試料の測定スペクトルxuと補正行列Umの各列
    との点乗積vm=xu tUmとしてベクトルvmを作成し、 (e)xuをUmに直交させてxc=xu−Umvt mとして補正済
    みスペクトルxcを作成し、 (f)xc tをxcの転置行列とし、補正済みスペクトルに
    ついてのコアvをv=yc t-1として計算し、 (g)r=vm−vZとして測定処理信号rを計算し、 (h)該rの要素の大きさをRの値範囲と比較し、そこ
    に意味のある差があれば測定処理データ中に意味のある
    変化があることを示すようにする、各段階を備える、請
    求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】1セットの周波数(または波長)従属直交
    多項式を用い、該多項式の次数をmとし直交多項式を列
    として前記大きさf×mの行列Umを作成して基線変動を
    モデル化し、これによって基線変動の影響についてのみ
    前記行列Xを補正する、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】試料外化合物を表す直交ベクトルによって
    前記Umの列スペクトルを形成することにより、試料外化
    合物の影響についてのみ前記行列Xを補正する、請求項
    1に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記段階(ii)が、 (ii a)1セットの周波数(または波長)従属直交多項
    式を用い、該多項式の次数をpとし直交多項式を列とし
    て大きさf×pの行列Upを作成して基線変動をモデル化
    し、 (ii b)試料外化合物によるスペクトル干渉の数を
    s′、該スペクトル干渉を代表する試料外スペクトルの
    数をs(≧1)とし、s′以上の少なくとも1つの試料
    外スペクトルを供給して大きさf×sの行列XSの列を作
    成し、 (ii c)XSの列をUpに直交させることにより新しい行列
    XS′を作成し、 (ii d)XS′の列自身を直交させて新しい行列Usを作成
    し、 (ii e)行列UpおよびUsの各列を並列配置するようにし
    て両行列を結合することにより行列Umを作成する各段階
    を備える、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】前記試料外スペクトルが水蒸気および/ま
    たは二酸化炭素蒸気のスペクトルである、請求項8に記
    載の方法。
  10. 【請求項10】前記段階(ii d)が行列XS′を特異値分
    解して直交補正スペクトルUsを発生し、該スペクトルUs
    の最初のs′項がモデル化する各種試料外スペクトル干
    渉の数に対応し、これらs′項を保持すると共に残りの
    全項を除去し、その結果の行列Usを前記段階(ii e)に
    おいて行列Upと結合して行列Umを作成する、請求項8ま
    たは9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】(iii)各列として主成分スペクトルを
    含む大きさf×nの行列をU、特異値を含む大きさn×
    nの対角行列をΣ、主成分スコアを含む大きさn×nの
    行列をV、Vの転置行列をVtとし、行列XCの特異値分解
    XC=UΣVtを行い、 (iv)n個の較正試料のスペクトル測定ノイズに対応す
    るk+1からnまでの主成分を前記U、Σ、Vから除去
    することにより、各々大きさf×k、k×k、n×kの
    行列U′、Σ′、V′を作成し、 (v)該行列U′、Σ′、V′を乗ずることにより、ノ
    イズを実質的に含まないスペクトルデータを列とする他
    の行列を作成する、請求項6から10までのいずれかに記
    載の方法。
  12. 【請求項12】複数nの較正試料の既知の特性および/
    または成分cのスペクトルを作るとともに、自動試料の
    推定しようとする未知の特性および/または成分データ
    のスペクトルを形成する分光計と、前記分光計から測定
    スペクトルデータを受け取るべく配置したコンピュータ
    手段とを備え、該コンピュータ手段が、 (i)オペレータの制御下で請求項1の段階(i)〜
    (iii)を実行するデータ補正モードと、 (ii)大きさn×c(c≧1)の行列Yを作成するた
    め、n個の較正試料の各々についてc個の特性および/
    または成分データを格納する格納モードと、 (iii)オペレータの制御下で請求項1の段階(v)に
    基づいて予測モデルを決定するモデル作成モードと、 (iv)請求項1の段階(vi)を実行する測定モードと、 (v)行列Xを補正行列Umに直交させて補正済みスペク
    トル行列XCを作成し、該行列XCに行列Yの要素を相関さ
    せる予測モデルを決定し、該予測モデルに基づき目的試
    料の未知の特性および/または成分データを推定するた
    め、請求項1の段階(vii)を実行する予測モードとに
    おいて動作する、試料の未知の特性および/または成分
    データを推定する装置。
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