JP2913527B2 - 分光器による定量分析方法 - Google Patents

分光器による定量分析方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、測定試料に赤外光を照
射し、そのとき得られる吸収スペクトルに基づいて測定
試料中に含まれる成分を定量分析する分光器による定量
分析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】前記定量分析に用いる分光器として、例
えば図1に示すようなフーリエ変換赤外分光計(以下、
FTIRと云う)がある。すなわち、この図において、
1は分析部、2はこの分析部1の出力であるインターフ
ェログラムを処理するコンピュータである。分析部1
は、平行な赤外光を発するように構成された赤外光源3
と、ビームスプリッタ4、固定ミラー5、図外の駆動機
構によって例えばX−Y方向に平行移動する可動ミラー
6などからなる干渉機構7と、測定試料あるいは比較試
料を収容し、干渉機構7を介して赤外光源3からの赤外
光が照射されるセル8と、半導体検出器9とから構成さ
れている。そして、コンピュータ2は、分析部1からの
インターフェログラムを高速フーリエ変換し、このフー
リエ変換の結果として得られる吸収スペクトルから測定
試料中に含まれる成分の濃度演算を行うと共に、前記駆
動機構などに対する指令を発する。
【0003】このように構成されたFTIRにおいて
は、次のようにして測定試料に含まれる成分を定量分析
することができる。すなわち、セル8に比較試料または
測定試料をそれぞれ収容して赤外光源3からの赤外光を
セル8に照射し、比較試料または測定試料のインターフ
ェログラムを測定する。これらのインターフェログラム
をコンピュータ2において、それぞれフーリエ変換して
パワースペクトルを得た後、比較試料のパワースペクト
ルに対する測定試料のパワースペクトルの比を求め、こ
れを吸光度スケールに変換することにより吸収スペクト
ルを得た後、この吸収スペクトルに基づいて成分の定量
分析が行われる。
【0004】上記吸収スペクトルに基づいて成分の定量
分析を行う方法の一つに、PLS(Partial Least Sq
uare;部分最小二乗)法と称される手法がある。この手
法においては、定量したい化合物の濃度既知の吸収スペ
クトルを参照スペクトルとして予め濃度演算用の行列を
作成しておく。なお、このPLS法は、例えばPractica
l Fourier Transform Infrared Spectroscopy, Academi
c Press 、Lindberg,W., et al., Anal.Chem., 1983, 5
5, 643 、Haaland, D.M., Thomas, E.V., Anal.Chem.,
1988, 60, 1193 、Geladi, P., Kowalsky, B. R., Ana
l.Chem. Acta.,1986, 185 、Wold, S., et al., Matrix
Pencil, Springer Verlagなどに詳しく説明されてい
る。
【0005】このようなPLS法において、濃度を精度
よく定量できる行列を作成するには、ノイズが少なくベ
ースラインが安定した状態で採取されたスペクトルを用
いるのが望ましい。ところが、そのようにして作成した
行列では、実際に測定スペクトルのベースラインがドリ
フトした場合に影響を大きく受けてしまい、連続分析に
応用するような場合には精度のよい分析を行うことがで
きない。
【0006】このことを、図4および図5を参照しなが
らより詳しく説明すると、上記図1に示したような分光
器において、セル8を透過してきた光の強度スペクトル
(パースペクトル)は、次式により吸光度スケールに変
換できる。
【0007】 A=−log(I/I0 ) ここで、Aは吸光度、Iは測定試料を透過した光の強
度、I0 は比較試料を透過した光の強度である。
【0008】ここで、IとI0 の全体における光源3の
強度レベルが等しければ、吸光度に変換したときのベー
スラインはゼロになる。しかし、連続分析に応用する場
合、比較試料のパワースペクトルを測定してから、測定
試料のパワースペクトルを測定するまでの間に時間的な
隔たりがあり、その間に、図4(A)に示すように、光
強度Iがドリフトすると、同図(B)に示すように、吸
光度スペクトルとしてのベースラインのドリフトが起こ
る。これが濃度演算結果出力に影響を及ぼすことがあ
り、例えば図5において、ベースラインのレベルが曲線
Iで示すように時間的にドリフトすると、ゼロ点(濃度
値)の指示は、この影響をうけて、曲線IIで示すよう
に、ドリフト量ゼロを示す横線III を中心にして曲線I
とは対称となるように時間的に変化している。従って、
このようにゼロ点の指示に影響が出ると、微量の化合物
(成分)の検出を行えない。
【0009】ところで、前記PLS法では、定量したい
化合物以外の化合物のスペクトルを校正行列作成時の参
照スペクトルに含めることによってそれらの化合物によ
る干渉影響を除去することができる。ここで、前記ベー
スラインドリフト自体もスペクトル全体が浮き沈みする
一種の干渉成分スペクトルとみなすことができる。さら
に、ベースラインそのものには、本来何の吸収もノイズ
もないはずである。
【0010】本発明は、上述の事柄に留意してなされた
もので、その目的とするところは、吸収スペクトルのド
リフトの影響を受けることなく連続分析が可能な分光器
による定量分析方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る分光器による定量分析方法は、ース
ラインスペクトルをコンピュータ上でベースラインのド
リフトの変動範囲に応じて複数種類作成することにより
ベースラインのドリフトを単純化し、これらの単純化さ
れたベースラインスペクトルまたはこれらと他のスペク
トルを合成したスペクトルを濃度演算用の行列作成時に
参照スペクトルの一部として使用するようにしている。
【0012】
【作用】上記分析方法によれば、現実にドリフトが生じ
たときの影響をキャンセルすることができる。従って、
信頼性のある定量分析結果を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0014】本発明に係る分光器による定量分析方法が
従来のこの種の分析方法と大きく異なる点は、上述した
ように、ベースラインドリフト自体は、スペクトル全体
が浮き沈みする一種の干渉成分とみなすことができると
共に、ベースラインそのものには、本来何の吸収もノイ
ズもないと云った特性に着目し、ベースラインスペクト
ルをコンピュータ上で作成し、この作成されたベースラ
インスペクトルを濃度演算行列作成時の参照スペクトル
の一部として使用するようにした点である。
【0015】例えば、0〜4000cm-1まで 0.125cm-1
刻みで総計32K( 32000)個のデータ点からなるスペク
トルの得られるFTIRにおいて、ベースラインが浮き
沈みする場合について考える。今、濃度が異なる、例え
ば 500ppm、 300ppm、100ppmのある成分の参
照スペクトルが図2に示すようであったとき、0〜32K
まで同一の値の入ったデータファイルを実際に得られる
吸収スペクトルと同じ形式で作成する。
【0016】例えばベースラインが吸光度として、±0.
05浮き沈みする可能性があるときは、この値が+0.10、
+0.05、0、−0.05、−0.10の5種類のデータファイル
を作成し、濃度演算行列作成時の参照スペクトルとして
用いる。図3は、コンピュータ上で作成した−0.10およ
び+0.10のスペクトルの一例を示している。
【0017】このように極めて単純化したスペクトルを
コンピュータ上で作成し、これを濃度演算行列時の参照
スペクトルに含めることによって、濃度演算値に対する
ドリフトの影響を除去することができる。
【0018】なお、PLS法の場合、上述のようにして
作成したデータファイルを、前記図2に示すような他の
実際のスペクトルとランダムに合成して用いることもで
きる。また、ベースラインに周期的なノイズが重畳する
場合は、同様に単純化したノイズのスペクトルを作成
し、参照スペクトルに含めるようにすればよい。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ベースラインのドリフトを干渉成分として参照スペクト
ルに含めることによって、現実にドリフトが起こったと
きの影響を巧みにキャンセルすることができる。そし
て、ベースラインドリフトのスペクトルはコンピュータ
上で作成するのであるから、実際に分光器にそのような
状態を無理につくってスペクトルデータを収集する必要
がなく、また、充分広範囲のドリフトに対応することが
でき、連続分析に応用するような場合であっても、精度
の高い定量結果が得られる。
【0020】なお、本発明は、上記FTIRのみなら
ず、他の分光器にも適用でき、また、PLS法以外にも
適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施するための装置の一例を概略
的に示す図である。
【図2】実際の参照スペクトルの一例を示す図である。
【図3】コンピュータで作成したベースラインドリフト
のスペクトルの一例を示す図である。
【図4】(A)は、光強度がドリフトした状態を示す
図、(B)は、吸光度スペクトルのベースラインがドリ
フトした状態を示す図である。
【図5】ベースラインのドリフトとゼロ点指示のドリフ
トとの関係を示す図である。
【符号の説明】
2…コンピュータ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−73239(JP,A) 特表 平6−502492(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 21/25 - 21/39 G01J 3/28 - 3/52

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定試料に赤外光を照射し、そのとき得
    られる吸収スペクトルに基づいて測定試料中に含まれる
    成分を定量分析する分光器による定量分析方法におい
    て、ースラインスペクトルをコンピュータ上でベース
    ラインのドリフトの変動範囲に応じて複数種類作成する
    ことによりベースラインのドリフトを単純化し、これ
    の単純化されたベースラインスペクトルまたはこれらと
    他のスペクトルを合成したスペクトルを濃度演算用の行
    列作成時に参照スペクトルの一部として使用することを
    特徴とする分光器による定量分析方法。
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