JPH09280999A - 光学部材検査装置及び光学部材検査装置における基準レンズ選択方法 - Google Patents

光学部材検査装置及び光学部材検査装置における基準レンズ選択方法

Info

Publication number
JPH09280999A
JPH09280999A JP8545196A JP8545196A JPH09280999A JP H09280999 A JPH09280999 A JP H09280999A JP 8545196 A JP8545196 A JP 8545196A JP 8545196 A JP8545196 A JP 8545196A JP H09280999 A JPH09280999 A JP H09280999A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
lens
optical
optical member
image
optical axis
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8545196A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Kida
敦 木田
Masato Hara
正人 原
Masayuki Sugiura
正之 杉浦
Toshihiro Nakayama
利宏 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd filed Critical Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
Priority to JP8545196A priority Critical patent/JPH09280999A/ja
Publication of JPH09280999A publication Critical patent/JPH09280999A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Testing Of Optical Devices Or Fibers (AREA)
  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 それを基準にナイフエッジの光軸方向位置調
整及び撮像レンズのピント合わせを行った場合に最も多
くのレンズをその検査許容範囲内に入れることができる
レンズを選択することができる光学部材検査装置を、提
供する。 【解決手段】画像処理部41は、同じスプール中の全て
のレンズを、被検物撮像用CCDカメラ30によって撮
像する。そして、撮像された画像中において、Y軸上の
原点0から片側のみの輝度値合計を算出する。そして、
各レンズ毎に算出された輝度値合計の大小に基づいて、
各レンズの光軸方向位置関係を割り出す。そして、各レ
ンズについて、そのレンズと他のレンズとの間の輝度値
合計同士の差分を、他の全てのレンズ毎に算出し、その
差分の総和を算出する。そして、その総和が一番小さい
レンズを、基準レンズとして算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ランナーと一体に
成形された樹脂成形光学部材における屈折率異常等の光
学的欠陥を検出するための光学部材検査装置及びその基
準レンズ選択方法に関し、特に、複数の光学部材がラン
ナーによって繋がれた状態で一体成形されているスプー
ルを保持するとともに、保持したスプールを移動させる
ことによって各光学部材を順次検査位置にセットする光
学部材検査装置及びその基準レンズ選択方法に関する。
【0002】
【従来の技術】レンズ等の光学部材は、入射した光束が
規則正しく屈折して、平行に進行したり、一点又は線状
に収束したり発散するように設計されている。しかしな
がら、光学部材の成形異常により屈折力が不規則に変化
していたり、形成後の人的取り扱いによって光学部材の
表面上にゴミ,キズ等が生じていると、入射した光束が
乱れてしまうので、所望の性能を得ることができなくな
る。特に、樹脂を金型に注入して射出成形する事によっ
て作成されるレンズ等の光学部材(以下、「樹脂成形光
学部材」という)では、成形異常によってヒケ(樹脂が
金型表面から離間して生じる陥没),ジェッティング
(光学部材内において樹脂密度が部分的に変化している
箇所),フローマーク(樹脂の収縮に伴って光学部材表
面に生じるW字状の皺)が生じ易いので、このような欠
陥を効率良く検出することが必要となっている。
【0003】そのため、本発明者は、セットされた光学
部材の光学的欠陥を自動的に検出することができる光学
部材検査装置を、特願平7−229242号として出願
した。この光学部材検査装置は、光学部材の焦点位置に
おいて回転自在に配置されたナイフエッジと、ナイフエ
ッジの背後に配置されて照明光を発散するための拡散板
と、光学部材を透過した光を撮像するための撮像装置と
により、構成される。このような構成の光学部材検査装
置によると、光学部材表面又は内部における屈折力(屈
折率)異常箇所が、明暗濃度の急激な変化部位として観
察されるのである。
【0004】一方、樹脂成形光学部材はランナーの先端
に繋がった状態でランナーと一体成形されるが、通常、
図43に示すように、一本のランナーLに複数の光学部
材Aが繋がった状態で一体成形される。このように一体
成形された状態のままである複数の光学部材A及びラン
ナーLは、全体として「スプール」Sと呼ばれている。
図43に示されるスプールSのランナーLは、回転対称
の平面形状を有しており、図44に示すように、各光学
部材Aが存する平面と直交する中心軸Cをその中心に有
している。なお、ランナーLと光学部材Aとの境の括れ
た部分は、「ゲート」と呼ばれる。このように、スプー
ルSにおいては一本のランナーLに対して複数の樹脂成
形光学部材Aが一体成形されているために、これら複数
の樹脂成形光学部材Aを効率良く検査するための構成が
必要となる。
【0005】そこで、水平方向に回転可能なチャック上
にスプールSを載置するとともに、このチャックを90
度(図43のスプールSの場合)づつ回転させて各光学
部材Aを順次測定位置(その光軸が撮像装置の光軸と一
致する位置)にセットする構成が、考えられる。この構
成を採る場合には、何れか一つの光学部材Aに基づいて
ナイフエッジの光軸方向位置調整(光学部材の焦点位置
をナイフエッジの位置に合わせること)をすれば、同じ
スプールS中の全ての光学部材Aの光軸方向位置調整が
完了したことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ランナ
ーLやゲートは、光学部品として用いられない部分であ
るので、十分な精度が出ていない場合がある。例えば、
図45に示されるように、ランナーLが途中で曲がって
いたり、一部のゲートのみが曲がっている場合がある。
前者の場合には、チャック上に載置された際にランナー
L全体が倒れてしまうので、そのスプールS中の全光学
部材Aの倒れ及び光軸方向の位置ずれを生じてしまう。
一方、後者の場合には、曲がったゲートの先に繋がって
いる光学部材Aのみの倒れ及び光軸方向の位置ずれを生
じてしまう。
【0007】これらランナーL又はゲートの曲がりが生
じている場合には、何れかの光学部材Aに基づいてナイ
フエッジの光軸方向位置調整をしたとしても、この光学
部材に対して光軸方向に位置ずれしている光学部材に対
しては、ナイフエッジの光軸方向位置がその焦点位置か
らずれてしまう。従って、他の光学部材との光軸方向の
ずれが最も大きい光学部材に基づいてナイフエッジの光
軸方向位置調整を行ってしまうと、当該他の光学部材の
検査が不可能になってしまったり、良品を不良品として
判定してしまうことになる。
【0008】なお、これらランナーL及びゲートの曲が
りは、樹脂成形の型に起因している場合が大部分である
ので、同じ成形型及び成形条件によって成形されたスプ
ールSであれば、全く同じランナーL又はゲートの曲が
りが生じる。
【0009】本発明の課題は、以上の問題点に鑑み、複
数の樹脂成形光学部材がランナーによって繋がれた状態
のスプールをチャックによって保持する光学部材検査装
置であって、それを基準にナイフエッジの光軸方向位置
調整を行った場合に最も多くのレンズをその検査許容範
囲内に入れることができるレンズを、ナイフエッジの光
軸方向位置調整用レンズとして選択することができる光
学部材検査装置及びその基準レンズ選択方法を、提供す
ることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】各請求項記載の発明は、
上記課題を解決するためになされたものである。請求項
1記載の発明は、ランナーによって互いに連結された光
学部材の光学的欠陥を検出する光学部材検査装置であっ
て、照明光によって照明される拡散板と、前記拡散板に
よって拡散された光を部分的に透過させ且つ部分的に遮
光するように前記拡散板に接している遮光手段と、前記
光学部材を透過した光を撮像する撮像手段と、前記ラン
ナーを保持して前記撮像手段の光軸に直交する面内で変
位することにより、このランナーによって連結されてい
る各レンズを前記撮像手段と前記遮光手段との間の光軸
中に選択的に配置する保持部と、前記保持部と前記遮光
手段との間の前記光軸方向における相対位置を調整する
調整手段と、前記撮像手段によって撮像された画像中の
特定範囲の輝度データを抽出する輝度データ抽出手段
と、前記ランナーによって互いに連結された全ての光学
部材についての前記輝度データ同士を比較して、これら
各光学部材の前記光軸方向における相対位置を認定する
相対位置認定手段と、この相対位置認定手段によって認
定された前記光学部材の相対位置に基づき、前記各光学
部材のうち最も密集して分布している一群の光学部材の
うちの中間位置近傍に位置している光学部材を、その光
学部材を含む光学系の焦点位置が前記遮光手段の光軸方
向位置と一致するように前記調整手段による前記調整を
行う際に用いる基準光学部材として選択する選択手段と
を備えたことを特徴とする。
【0011】請求項2記載の発明は、ランナーによって
互いに連結された光学部材の光学的欠陥を検出する光学
部材検査装置であって、照明光によって照明される拡散
板と、前記拡散板によって拡散された光を部分的に透過
させ且つ部分的に遮光するように前記拡散板に接してい
る遮光手段と、前記光学部材を透過した光を撮像する撮
像手段と、前記ランナーを保持して前記撮像手段の光軸
に直交する面内で変位することにより、このランナーに
よって連結されている各レンズを前記撮像手段と前記遮
光手段との間の光軸中に選択的に配置する保持部と、前
記保持部と前記遮光手段との間の前記光軸方向における
相対位置を調整する調整手段と、前記撮像手段によって
撮像された画像中の特定範囲の輝度データを抽出する輝
度データ抽出手段と、前記ランナーによって互いに連結
された全ての光学部材についての前記輝度データ同士を
比較して、これら各光学部材の前記光軸方向における相
対位置を認定する相対位置認定手段と、この相対位置認
定手段によって認定された前記光学部材の相対位置を表
示する表示手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】請求項10記載の発明は、照明光によって
照明される拡散板と、前記拡散板によって拡散された光
を部分的に透過させ且つ部分的に遮光するように前記拡
散板に接している遮光手段と、前記光学部材を透過した
光を撮像する撮像手段と、複数のレンズを一体に接続し
ているランナーを保持して前記撮像手段の光軸に直交す
る面内で変位することにより、このランナーによって連
結されている各レンズを前記撮像手段と前記遮光手段と
の間の光軸中に選択的に配置する保持部と、前記保持部
と前記遮光手段との間の前記光軸方向における相対位置
を調整する調整手段とを有する光学部材検査装置におけ
る基準レンズ選択方法において、前記撮像手段によって
撮像された画像中の特定範囲の輝度データを抽出し、前
記ランナーによって互いに連結された全ての光学部材に
ついての前記輝度データ同士を比較し、この比較結果に
基づいてこれら各光学部材の前記光軸方向における相対
位置を認定し、この相対位置認定手段によって認定され
た前記光学部材の相対位置に基づき、前記各光学部材の
うち最も密集して分布している一群の光学部材のうちの
中間位置近傍に位置している光学部材を、その光学部材
を含む光学系の焦点位置が前記遮光手段の光軸方向位置
と一致するように前記調整手段による前記調整を行う際
に用いる基準光学部材として選択することを特徴とす
る。
【0013】光学部材とは、正レンズ及び負レンズを含
む。光学部材の光学的欠陥とは、屈折率や屈折力の部分
的異常や光学部材の表面の欠陥等を言う。屈折率や屈折
力の異常としては、樹脂成形の光学部材におけるヒケや
ジェッティングやフローマーク,ガラスからなる光学部
材における面加工の不良,等が例示される。また、光学
部材の表面の欠陥としては、表面のキズや汚れやゴミ,
等が列挙される。
【0014】「光学部材を含む光学系」とは、正レンズ
である光学部材そのもの,若しくは、負レンズである光
学部材を含む正レンズ群のことである。この光学系の全
体としての焦点位置が遮光手段の位置に一致するよう
に、各部材が調整される。
【0015】拡散板は、表側から照明される反射部材で
あっても良いし、裏側から照明される透光部材であって
も良い。遮光手段は、拡散板と別体の板状部材であって
も良いし、拡散板表面に塗布された不透明塗料であって
も良い。遮光手段は、撮像手段の光軸を中心に回転する
ように構成されていても良い。
【0016】撮像手段は、固体撮像素子によって撮像す
るものであっても撮像管によって撮像するものであって
も良い。保持部は、ランナーの形状が複数の光学部材を
一直線状に並べて接続するものである場合には、撮像手
段の光軸に直交する方向に直線移動するように構成され
る。また、ランナーの形状が複数の光学部材を環状に並
べて接続するものである場合には、撮像手段の光軸に平
行な中心軸を中心に回転するように構成される。
【0017】調整手段は、保持部を光軸方向に移動させ
るものであっても良いし、遮光板を光軸方向に移動させ
るものであっても良い。輝度データ抽出手段は、画像デ
ータ中の面状の領域を抽出するものであっても良いし、
線状の領域を抽出するものであっても良い。この抽出範
囲は、遮光手段による光を部分的に透過させる部分と部
分的に遮光する部分との境界線に直交する方向に広がり
を持つと、より効果的である。この場合、画像の中心か
ら偏倚した範囲を抽出範囲とすると、更に効果的であ
る。
【0018】相対位置認定手段は、抽出された輝度デー
タの総計(積分値)の大小を比較しても良いし、その輝
度の傾き(微分値)を比較しても良い。請求項3による
光学部材検査装置は、請求項1又は2の調整手段が前記
遮光手段を前記光軸方向に移動させることで、特定した
ものである。
【0019】請求項4による光学部材検査装置は、請求
項1又は2の輝度データ抽出手段によってその輝度デー
タが抽出される前記特定範囲が、前記遮光手段における
前記光を部分的に透過させる部分と部分的に遮光する部
分との境界線に直交する方向に広がりを持つ範囲である
ことで、特定したものである。
【0020】請求項5による光学部材検査装置は、請求
項1又は2の輝度データ抽出手段によって抽出される輝
度データが、前記遮光手段における前記光を部分的に透
過させる部分と部分的に遮光する部分との境界線に直交
する方向を向いた前記画像の中心軸上の輝度データであ
ることで、特定したものである。
【0021】請求項6による光学部材検査装置は、請求
項5の輝度データ抽出手段によって抽出される輝度デー
タが、前記中心軸上の中心から偏倚した範囲の輝度デー
タであることで、特定したものである。
【0022】請求項7による光学部材検査装置は、請求
項1又は2の相対位置認定手段が、前記輝度データの総
和同士を比較することで、特定したものである。請求項
8による光学部材検査装置は、請求項5又は6の相対位
置認定手段が、前記輝度データの輝度の傾き同士を比較
することで、特定したものである。
【0023】請求項9による光学部材検査装置は、請求
項7の選択手段が、前記各光学部材毎に、その光学部材
に関する前記輝度データの総和と他の各光学部材に関す
る前記輝度データの総和との差分値を算出してその差分
値の総和を算出するとともに、この差分値の総和が最も
小さい光学部材を前記基準光学部材として選択すること
で、特定したものである。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。
【0025】
【実施形態1】 <光学欠陥表示の原理>光学部材検査装置の構成を説明
する前に、先ず、本実施形態において光学部材の光学欠
陥が検出される原理を説明する。
【0026】図4に示すように、照明ユニット23と被
検物撮像用CCDカメラ30とは、検査対象レンズA
(光学部材)Aを挟んで同一の光軸l上に、互いに向き
合って配置されている。撮像手段としての被検物撮像用
CCDカメラ30は、全体として正レンズ系である撮像
レンズ35と、この撮像レンズ35によって収束された
光による像を撮像するCCDエリアセンサからなる撮像
素子36とから、構成されている。この撮像レンズ35
は、レンズ鏡筒31を回転させることにより、光軸l方
向に移動させることができる。
【0027】一方、照明ユニット23は、全体として、
光軸l上を被検物撮像用CCDカメラ30に向けて進退
移動することができる。この照明ユニット23の内部に
は、その中心を光軸lと同軸にした円盤状の拡散板34
が、光軸lに直交する面内において光軸lを中心に回転
自在に保持されている。この拡散板34の被検物撮像用
CCDカメラ30側の面には、遮光手段としての遮光板
28が一体に貼り付けられている。この遮光板28は、
上面図である図5に示すように、不透明部材からなる半
円形の板であり、拡散板34の中心を通る径方向の直線
を弦(ナイフエッジ)28aとするとともに、拡散板3
4と同一半径の円弧を有している。一方、拡散板34の
裏面側には、この拡散板34をその背後から照明するた
めの照明ランプ32が取り付けられている。
【0028】検査対象レンズA(正レンズ)Aは、その
照明ユニット側の焦点が拡散板34の表面と一致する位
置に配置されている。なお、検査対象レンズAが負レン
ズである場合には、検査対象レンズAと照明ユニット2
3との間に、この検査対象レンズA(負レンズ)よりも
絶対値において大きいパワーを有する補正レンズ(正レ
ンズ)を配置する。この検査対象レンズA(負レンズ)
及び補正レンズ(正レンズ)からなるレンズ群は全体的
に正レンズ群であり、その合成焦点位置が拡散板34の
表面と一致するように、これら検査対象レンズA(負レ
ンズ)及び補正レンズ(正レンズ)が配置されている。
【0029】以上のように検査対象レンズA(及び補正
レンズ)を配置すると、検査対象レンズAを透過した照
明ランプ32からの光は、この検査対象レンズAが良品
である限り、平行光となる。従って、被検物撮像用CC
Dカメラ30側から見ると、遮光板28のナイフエッジ
28aが無限遠上に位置しているのと等価になる。
【0030】これに対して、検査対象レンズAの焦点位
置(又は、検査対象レンズAと補正レンズとからなる光
学系の合成焦点位置,以下同様)がナイフエッジ28a
の位置よりも被検物撮像用CCDカメラ30側にずれる
と、検査対象レンズAと被検物撮像用CCDカメラ30
の撮像レンズ35との間の空間に、ナイフエッジ28a
の倒立像(実像)が形成される。このナイフエッジ28
aの倒立像(実像)は撮像レンズ35によってリレーさ
れ、撮像レンズ35の撮像素子36側の空間に、ナイフ
エッジ28aの正立像(実像)が形成される。逆に、検
査対象レンズAの焦点位置がナイフエッジ28aの位置
よりも照明ランプ32側にずれると、遮光板28の照明
ランプ32側の空間に、ナイフエッジ28aの正立像
(虚像)が形成される。このナイフエッジ28aの正立
像(虚像)は撮像レンズ35によってリレーされ、撮像
レンズ35の撮像素子36側の空間に、ナイフエッジ2
8aの倒立像(実像)が形成される。即ち、検査対象レ
ンズAの焦点位置とは、この位置に存在する物体(ナイ
フエッジ28a)の像が、撮像レンズ35の撮像素子3
6側の空間において正立像として結像されるか倒立像と
して結像されるかの境界点であり、光学的に不安定な状
態となる位置である。
【0031】なお、検査対象レンズAと撮像レンズ35
との間隔は、検査対象レンズAの焦点位置がナイフエッ
ジ28aの位置よりも被検物撮像用CCDカメラ30側
に僅かにずれただけであってもそれらの間(正確には、
両者の焦点位置同士の間)にナイフエッジ28aの倒立
像(実像)が形成されるように、可能な限り長くとって
ある。また、撮像素子36は、撮像レンズ35によって
正立像が形成されても倒立像が形成されてもこれらの像
をある程度明瞭に撮像できるように、正立像の形成位置
(平均位置)と倒立像の形成位置(平均位置)との中間
点に配置される。この位置とは、撮像レンズ35に関し
て検査対象レンズAの表面と光学的に等価な位置であ
る。
【0032】従って、撮像素子36上には、常に、検査
対象レンズAの外縁の実像(倒立像)αが結像されると
ともに、この検査対象レンズAの外縁の実像αの周囲に
は、検査対象レンズAを通さずに直接見えるナイフエッ
ジ28aの実像(倒立像)がややぼけて結像される(図
20(a)〜(e)参照)。
【0033】そして、この検査対象レンズAの外縁の実
像αの内側には、検査対象レンズAの焦点位置がナイフ
エッジ28aの位置よりも被検物撮像用CCDカメラ3
0側にずれている場合には、ナイフエッジ28aの実像
(正立像)が、ややぼけて結像される(図20(d),
図20(e)参照)。このナイフエッジ28aの実像
(正立像)は、焦点位置のずれ量が少なくなる程ぼけ量
が大きくなり(図20(d)参照)、ずれ量が大きくな
る程ぼけ量が少なくなって明確になる(図20(e)参
照)。
【0034】これとは逆に、検査対象レンズAの焦点位
置がナイフエッジ28aの位置よりも照明ランプ32側
にずれている場合には、検査対象レンズAの外縁の実像
αの内側には、ナイフエッジ28aの実像(倒立像)
が、ややぼけて結像される(図20(b),図20
(a)参照)。ナイフエッジ28aの実像(倒立像)
は、焦点位置のずれ量が少なくなる程ぼけ量が大きくな
り(図20(b)参照)、ずれ量が大きくなる程ぼけ量
が少なくなって明確になる(図20(a)参照)。
【0035】また、検査対象レンズAの焦点位置がナイ
フエッジ28aの位置と一致すると、検査対象レンズA
の外縁の実像αの内側におけるぼけ量が最大となり、全
体に均一な明度で光線が照射されるようになる(図20
(c)参照)。即ち、検査対象レンズAに光学的欠陥が
ない限り、ナイフエッジ28aの黒色部分(白色光が遮
られている部分)と白色部分(白色光が透過する部分)
とが完全に混合して、均一濃度の灰色の平面として表示
される(球面レンズの場合)。なお、検査対象レンズA
として非球面レンズを検査する場合には、焦点位置が一
点のみではなく緩やかに変化しているので、輝度変化が
非常に穏やかな画像となる。
【0036】これに対して、検査対象レンズA内に屈折
率異常が生じている部分やその表面の形状欠陥によって
屈折力異常が生じている部分がある場合には、その異常
部分のみ、正常な部分の焦点距離と異なる焦点距離を有
することと等価になっている。従って、図21に示すよ
うに、その異常部分にだけ、ナイフエッジの像γが現れ
るのである。この異常部分の屈折率(屈折力)異常の程
度(焦点距離のずれ量)は、ナイフエッジの像γの現れ
方に反映される。即ち、屈折率(屈折力)異常の程度
(焦点距離のずれ量)が大きくなるほど、ナイフエッジ
の像の濃淡が明確に現れる。
【0037】なお、検査対象レンズAの表面にゴミや汚
れが付着していたり、キズがついている場合には、これ
らゴミ,汚れ,又はキズの実像が撮像レンズ35によっ
て撮像素子36上に形成される。その結果、画像データ
中における検査対象レンズAの外縁αの内側部分に、ゴ
ミや汚れによって光が遮断されている場合には周囲より
暗い影が表れ、キズによって光線の発散が生じている場
合には輝点が表れるのである。 <光学部材検査装置の機械構成>次に、以上説明した検
出原理を実現する本実施形態による光学部材検査装置の
構成を、説明する。図1は、本実施形態による光学部材
検査装置の正面図であり、その天地は重力方向と一致す
る。
【0038】図1において、一軸ロボット1は、装置全
体のベースであり、その内部に送りネジ2,及びこの送
りネジ2に螺合した移動ステージ4が備えられている。
またその側端部外面には、この送りネジ2を正逆両方向
に回転駆動するための一軸ロボット用パルスモータ3が
取り付けられている。従って、この一軸ロボット用パル
スモータ3によって送りネジ2を正逆何れかの方向に回
転させることにより、移動ステージ4を図1の左右方向
にスライド移動させることができる。なお、この移動ス
テージ4は、この移動に拘わらずその上面が水平を保つ
様に、図示せぬレールによってその姿勢が規制されてい
る。
【0039】この移動ステージ4の上面には、Xステー
ジ5が固着されている。このXステージ5は、Yステー
ジ9を移動ステージ4に対してX方向(図1の左右方
向)にスライドさせる装置である。具体的には、このX
ステージ5の内部には送りネジ6が掛け渡されており、
その外面にはこの送りネジ6を正逆両方向に回転駆動す
るためのXステージ用パルスモータ7が取り付けられて
いる。また、この送りネジ6には、Yステージ9に固着
されたYステージ駆動部8が螺合している。従って、X
ステージ用パルスモータ7によって送りネジ6を正逆何
れかの方向に回転させることにより、Yステージ9をX
方向にスライド移動させることができる。
【0040】一方、Yステージ9は、作業テーブル11
をXステージ5に対してY方向(図1の紙面に直交する
方向)にスライドさせる装置である。具体的には、この
Yステージ9に固着されたYステージ駆動部8の内部に
は送りネジ(図示略)が掛け渡されており、その外面に
はこの送りネジ(図示略)を正逆両方向に回転駆動する
ためのYステージ用パルスモータ10が取り付けられて
いる。また、この送りネジ(図示略)には、作業テーブ
ル11に取り付けられた送りナット(図示略)が螺合し
ている。従って、Yステージ用パルスモータ10によっ
て送りネジ(図示略)を正逆何れかの方向に回転させる
ことにより、作業テーブル11をY方向にスライド移動
させることができる。
【0041】この作業テーブル11の上面中央には、図
2に示す略平リベット型の形状を有するチャック12
が、回転自在に取り付けられている。図2に示されるよ
うに、この保持部としてのチャック12は、比較的小径
且つ長尺の軸部12aと比較的大径且つ短尺のボス部1
2bとから構成されている。この軸部12aの周囲に
は、環状ギヤ12eが帯状に形成されている。また、ボ
ス部12bの上面中央には、検査対象レンズAを含むス
プールSの中心軸C(図44参照)が挿入される軸穴1
2dが穿たれている。この軸穴12dを中心とした十字
方向には、中心軸Cから十字方向に伸びるランナーLの
枝を収容するための十字溝12cが切られている。この
チャック12に保持されるスプールSは、図43及び図
44に示したものである。なお、このスプールSにおい
ては、各レンズAに対して、上面から見て右回りの順序
で識別番号(キャビティ(Cav.)番号)が付されてい
る。そして、各レンズA近傍のランナーL上には、その
レンズAのキャビティ番号と同個数のマーク(以下、
「キャビティ番号マーク」という)が刻印されている。
図43においては、便宜上、各レンズA内にそのキャビ
ティ番号を、アラビア数字にて示した。
【0042】作業テーブル11の上面には、また、スプ
ール回転用パルスモータ13が固着されている。このス
プール回転用パルスモータ13の回転軸には、チャック
12の環状ギヤ12eと噛合するピニオンギア14が取
り付けられている。従って、このスプール回転用パルス
モータ13を回転させることにより、両ギヤ14,12
eを介して、チャック12が回転駆動される。
【0043】一方、一軸ロボット1の中間部分には、鉛
直方向を向いた支柱15が、移動不能に固着されてい
る。この支柱15の上端には、下方に向けて照明光を照
射するキャビティ番号認識用透過照明装置18が取り付
けられている。このキャビティ番号認識用透過照明装置
18は、移動ステージ4が図22に示す位置(キャビテ
ィ番号識別位置)に来た時に、図面の奥側に位置するレ
ンズ(中心軸Cによって隠れているレンズ)A近傍のラ
ンナーLを照明する。
【0044】また、支柱15の中間部には、このキャビ
ティ番号認識用透過照明装置18に相対してキャビティ
番号認識用CCDカメラ16が取り付けられている。こ
のキャビティ番号認識用CCDカメラ16は、キャビテ
ィ番号認識用透過照明装置18によって照明されたキャ
ビティ番号マークを、下側から撮像するものである。な
お、キャビティ番号認識用CCDカメラ16の撮像レン
ズ17は、撮像対象のランナーLが多少光軸方向にずれ
てもキャビティ番号マークを結像できるパンフォーカス
レンズとなっている。
【0045】一方、一軸ロボット1の他方端部には、鉛
直方向を向いた支柱19が移動不能に固着されていると
ともに、この支柱19と平行に、シャフト21が回転自
在に掛け渡されている。このシャフト21は、その上端
に取り付けられた摘み22によって、手動で回転駆動さ
れる。また、このシャフト21の略下半分には、送りネ
ジ21aが形成されている。
【0046】この支柱19の上端近傍には、上述した被
検物撮像用CCDカメラ30を保持するための固定ステ
ー29が、移動不能に固着されている。この被検物撮像
用CCDカメラ30は、その撮像レンズ35の光軸lが
鉛直方向を向くとともに、移動ステージ4が図23に示
す位置(検査位置)に来た時にその光軸lが図面の手前
側に位置するレンズ(中心軸Cと重なって見えるレン
ズ)Aの光学中心を貫くように、位置決めされている。
なお、この検査位置は、4個のレンズを有するスプール
Sを検査する場合には1箇所のみであるが、図43のよ
うに8個のレンズを有するスプールSを検査する場合に
は、奇数のキャビティ番号に対応するレンズを検査する
位置(奇数キャビティ検査位置)と偶数のキャビティ番
号に対応するレンズを検査する位置(偶数キャビティ検
査位置)との2箇所となる。また、なお、被検物撮像用
CCDカメラ30内の撮像レンズ35及び撮像素子3
6,並びに、その撮像レンズ35の光軸上に存するレン
ズAの相対的位置関係は、上述した通りである。
【0047】また、支柱19における一軸ロボット1と
固定ステー29との間には、照明ユニット23を保持し
た移動ステー20が、その長手方向に沿ってスライド自
在且つ回転不能に取り付けられている。この移動ステー
20の基端には、シャフト21の送りネジ21aと螺合
する雌ねじ(図示略)が形成されている。従って、摘み
22を捻ってシャフト21を回転させることにより、照
明ユニット23を鉛直方向に移動させることができる。
これら支柱19,移動ステー20,シャフト21,及び
摘み22により、調整手段が構成される。
【0048】この照明ユニット23の内部には、上述し
たナイフエッジ照明ランプ32が内蔵されている。ま
た、照明ユニット23の上部には、上述した遮光板28
及び拡散板34をその上端に填め込んだ回転筒27が回
転自在に取り付けられている。この回転筒27の下端周
囲には、環状ギヤ26が帯状に形成されている。また、
この照明ユニット23の側面には、ナイフエッジ回転用
パルスモータ24が取り付けられている。このナイフエ
ッジ回転用パルスモータ24の回転軸には、環状ギヤ2
6に噛合するピニオンギヤ25が固着されている。従っ
て、ナイフエッジ回転用パルスモータ24を回転させる
ことにより、両ギヤ25,26,及び回転筒27を介し
て、遮光板28及び拡散板34を回転駆動することがで
きる。なお、照明ユニット23は、その遮光板28及び
拡散板34の回転中心が被検物撮像用CCDカメラ30
の撮像レンズ35の光軸lと一致するように、位置決め
されている。 <光学部材検査装置の回路構成>次に、本実施例による
光学部材検査装置の回路構成を、図3に基づいて説明す
る。図3に示されるように、この光学部材検査装置全体
の制御を行うCPU40は、図6乃至図19のフローチ
ャートによって示されるプログラムを実行することによ
り、画像処理部41の機能と制御部42の機能を生じ
る。被検物撮像用CCDカメラ30(撮像素子36)及
びキャビティ番号認識用CCDカメラ16は、このCP
U40中の画像処理部41に接続されている。この画像
処理部41に接続された制御部42には、また、キーボ
ード43,外部メモリ44,モニタ装置45,キャビテ
ィ番号認識用透過照明装置18に接続されたキャビティ
番号認識用透過照明駆動回路46,ナイフエッジ回転用
パルスモータ24に接続されたナイフエッジ回転制御回
路48,一軸ロボット用パルスモータ3に接続された一
軸ロボット制御回路49,Xステージ用パルスモータ7
及びYステージ用パルスモータ10に接続されたX/Y
ステージ制御回路50,スプール回転用パルスモータ1
3に接続されたスプール回転制御回路51,並びに、ナ
イフエッジ照明ランプ32に接続されたナイフエッジ照
明駆動回路52が、夫々接続されている。
【0049】画像処理部41は、各カメラ30,16か
ら入力される画像に対して様々の画像処理を施す部分で
あり、制御部42はこの画像処理結果に基づいて各部の
制御を行う部分である。例えば、画像処理部41は、キ
ャビティ番号認識用CCDカメラ16によって撮像され
た画像からキャビティ番号識別用刻印の映像を抽出し
て、対応するキャビティ番号を認識し、制御部42に通
知する。制御部42は、通知されたキャビティ番号に基
づいて、移動ステージ4が図23に示す検査位置(奇数
キャビティ検査位置,偶数キャビティ検査位置)に移動
した際に、撮像レンズ35の光軸上に位置するレンズ
(検査対象レンズA)のキャビティ番号を、算出する
(初期においては、画像処理部41から通知されたキャ
ビティ番号に対応するレンズと軸対称の位置にあるレン
ズのキャビティ番号)。
【0050】また、画像処理部41は、照明ユニット2
3の光軸方向位置調整及び撮像レンズ35のピント合わ
せを行う際には、被検物撮像用CCDカメラ30によっ
て撮像された画像を、そのまま制御部42に通知する。
制御部42は、この画像をそのままモニタ装置45上に
表示する。
【0051】また、画像処理部41は、Xステージ5及
びYステージ9を用いた検査対象レンズAの芯出し作業
が行われる際には、被検物撮像用CCDカメラ30によ
って撮像された画像に基づいて、撮像レンズ35の光軸
と検査対象レンズAの光軸とのズレ量を算出する。制御
部42は、このズレ量の算出をする際に、ナイフエッジ
回転制御回路48に対して適宜回転指示を与えるととも
に、ズレ量が算出されると、このズレ量に応じてX/Y
ステージ制御回路50に対して駆動指示を与える。
【0052】このズレ量算出の原理を、以下に説明す
る。図24は、被検物撮像用CCDカメラ30の撮像素
子36によって撮像されるフィールドを示す。この図2
4に示されるように、撮像素子36によって撮像される
フィールドには、このフィールドの中心位置を原点
“0”として、X方向に伸びるX方向中心軸,及びY方
向に伸びるY方向中心軸が、夫々定義されている。ま
た、X方向中心軸上には、原点“0”を中心とした一定
範囲を規定するための座標点x1及びx2が、定義されて
いる。同様に、Y方向中心軸上には、原点“0”を中心
とした一定範囲を規定するための座標点y1及びy2が、
定義されている。これらの座標点x1,x2,y1,及び
2は、検査対象レンズAの外縁像αの内側に存する座
標点である。ところで、検査対象レンズAの光軸が撮像
レンズ35の光軸lと一致している場合,即ち、検査対
象レンズAの光軸が遮光部材28のナイフエッジ28a
の回転中心と合致している場合には、そのナイフエッジ
28aがぼかされつつ拡大されるので、ナイフエッジ2
8aの方向に拘わらず、撮像素子36によって撮像され
た外縁α内の輝度は一定である。図27は、この状態に
てナイフエッジ28aをX方向に向けるとともに拡散板
34を図1の手前側に配置した時(0°)のY軸上の輝
度分布,及び、ナイフエッジ28aをそこから180度
回転させた時(180°)のY軸上の輝度分布を、夫々
プロットしたグラフである。
【0053】ところが、検査対象レンズAの光軸が撮像
レンズ35の光軸lからズレた場合には、ナイフエッジ
28aが0°である時と180°である時とでは、検査
対象レンズAの焦点と遮光板28との相対位置関係が変
化する。即ち、ナイフエッジ28aが或る方向を向いて
いる場合には検査対象レンズAの焦点が遮光板28上に
位置するのに対してナイフエッジ28aが180°回転
すると検査対象レンズAの焦点が拡散板34上に位置す
るように、なるのである。従って、検査対象レンズAの
焦点が遮光板28上に位置している時には、遮光板28
自体が拡大されるので、撮像素子36によって撮像され
た外縁α内の輝度が低くなる。一方、検査対象レンズA
の焦点が拡散板34上に位置している時には、拡散板3
4自体が拡大されるので、撮像素子36によって撮像さ
れた外縁α内の輝度が高くなる。図25は、図27の状
態に比して、検査対象レンズAの光軸がY方向に−0.
2mmズレた場合における輝度分布を示している。ま
た、図26は、図27の状態に比して、検査対象レンズ
Aの光軸がY方向に−0.1mmズレた場合における輝
度分布を示している。また、図28は、図27の状態に
比して、検査対象レンズAの光軸が方向に+0.1mm
ズレた場合における輝度分布を示している。また、図2
9は、図27の状態に比して、検査対象レンズAの光軸
がY方向に+0.2mmズレた場合における輝度分布を
示している。
【0054】画像処理部41は、ナイフエッジ28aの
方向を0°とした場合の画像におけるy1〜y2(x1
2)の範囲内の輝度の積分値(輝度断面積)から、ナ
イフエッジ28aの方向を180°とした場合の画像に
おけるy1〜y2(x1〜x2)の範囲内の輝度の積分値
(輝度断面積)を減算することにより、「輝度差」を算
出する。図30は、図25乃至図29の各図から算出さ
れた輝度差をプロットしたものである。この図30から
明らかなように、検査対象レンズAの光軸の撮像レンズ
35の光軸lに対するズレ量が大きくなる程、「輝度
差」の絶対値が、大きくなる。また、ナイフエッジ28
aの基準方向(0°の方向)を一定とした場合、ズレの
向きによって輝度差の極性が逆転する。つまり、検査対
象レンズAの光軸の撮像レンズ35の光軸lに対するズ
レ量と「輝度差」とは、正比例関係にあるのである。従
って、現時点における画像から「輝度差」を算出し、算
出された「輝度差」に基づいて図30のグラフを逆に辿
れば、現時点における検査対象レンズAの撮像レンズの
光軸lに対するズレ量及びズレ方向を知ることができ
る。制御部42は、このようにして得られたx,y各方
向におけるズレ量を相殺する距離だけ光学部材Aを移動
させて、光学部材Aの芯出しを行うのである。なお、制
御部42は、実際には、画像処理部41から通知された
輝度差に基づいて、図31に示すような輝度差と移動量
とを精密に対応させたナイフエッジ芯出テーブルを作成
して外部メモリ44に格納しておくとともに、画像処理
部41から輝度値の通知がある毎に、この輝度差に基づ
いてこのナイフエッジ芯出テーブルを参照して移動量を
求める。なお、このナイフエッジ芯出テーブルは、Y方
向用のナイフエッジ芯出テーブルとX方向用のナイフエ
ッジ芯出テーブルとから構成されており、スプールSの
種類毎に夫々作成・記憶されている。そして、制御部4
2は、チャック12上に載置されたスプールSの種類に
対応する識別番号がキーボード43を介して入力された
場合には、その識別番号に対応するナイフエッジ芯出テ
ーブルを、外部メモリ44から読み出して使用する。
【0055】画像処理部41は、また、輝度データ抽出
手段,相対位置認定手段として、被検物撮像用CCDカ
メラ30によって撮像された同一スプールS内の全レン
ズの画像に基づいて、光軸方向における各レンズの相対
位置を算出する。そして、各レンズの光軸方向位置にバ
ラツキがある時には、選択手段として、それを基準にナ
イフエッジ28aの光軸方向位置調整及び撮像レンズ3
5のピント合わせを行った場合に最も多くのレンズをそ
の検査許容範囲(検査対象レンズAの外縁α内が均一濃
度に撮像される範囲)に入れることができるレンズを、
ナイフエッジ28aの光軸方向位置調整及び撮像レンズ
35のピント合わせ用レンズ(以下、「基準レンズ」と
いう)として、選択する。
【0056】この光軸方向の相対位置算出の原理を、以
下に説明する。上述したように、被検物撮像用CCDカ
メラ30によって撮像された画像中における検査対象光
学部材A外縁α内側の輝度分布は、検査対象レンズAの
焦点位置と遮光板28との光軸方向のズレ量及びズレ方
向に依って、そのパターンが変わってくる。即ち、ナイ
フエッジ28aを基準位置(遮光板28が図1において
手前側に位置してナイフエッジ28aがX方向に向く位
置,0°の位置)に配置した場合,画像のY方向中心軸
上では、検査対象レンズAが遮光板28に近くなる程y
1側が暗くなるとともにy2側が明るくなり、検査対象レ
ンズAが遮光板28から遠くなる程y1側が明るくなる
とともにy2側が暗くなる。図32(a)〜(e)は、
図20(a)〜(e)における画像中のY方向中心軸上
の輝度分布を示すグラフである。また、図39(a)〜
(e)のような画像が得られた場合(非球面レンズの場
合)には、各画像中のY方向中心軸上の輝度分布を示す
グラフは、図40(a)〜(e)に示すようになる。ま
た、図41(a)〜(e)のような画像が得られた場合
には、各画像中のY方向中心軸上の輝度分布を示すグラ
フは、図42(a)〜(e)に示すようになる。これら
グラフを比較すれば明らかなように、各グラフにおける
原点0〜座標点y1の範囲における輝度値の積分値(輝
度断面積)は、検査対象レンズAの光軸方向の位置に比
例対応することになる。即ち、積分値が小さければ検査
対象レンズAとナイフエッジ28aとの間の距離が短い
ことになり、積分値が大きければ検査対象レンズAとナ
イフエッジ28aとの間の距離が長いことになる。従っ
て、各レンズ毎に、その画像中における原点0〜座標点
1の輝度値を積分し、算出された積分値をスケール上
に並べれば、各レンズの光軸方向における相対位置関係
を把握することができるのである。
【0057】図33(a)〜(h)は、同一のスプール
S中の全レンズAを撮像して得られた画像例を示してい
る。図において各画像の左上に添えられた数字は、撮像
されたレンズAのキャビティ番号を示している。図34
は、図33(a)〜(h)の各画像に基づいて算出され
た各レンズA毎の積分値(Y方向中心軸上の原点0〜座
標点y1の範囲における輝度値の積分値)の分布,即
ち、各レンズAの光軸方向における相対位置関係を示す
分布図である。図34に示されるように各レンズAが等
間隔に位置ズレしている場合には、ランナーLの曲がり
によってスプールS全体の倒れが生じていると判断する
ことができる。また、図35に示されるように一部のレ
ンズAのみが位置ズレを起こしている場合には、ランナ
ーLには曲がりが生じていないが一部のゲートのみが曲
がっているものと判断することができる。なお、この分
布図は、画像処理部41によって作成されて、制御部4
2によって表示手段としてのモニタ装置45上に表示さ
れる。
【0058】ところで、いま、図36に示されるような
分布図が得られたとする。この場合、キャビティ番号1
のレンズAに基づいてナイフエッジ28aの光軸方向位
置調整及び撮像レンズ35のピント合わせを行うと、そ
の検査許容範囲は、図36において編目を掛けた範囲と
なる。従って、他のレンズAは、何れも検査され得な
い。また、キャビティ番号1のレンズAから最もずれて
いるレンズはキャビティ番号7のレンズAであるが、キ
ャビティ番号1のレンズとキャビティ番号7のレンズと
の中間点に位置するキャビティ番号3のレンズAに基づ
いてナイフエッジ28aの光軸方向位置調整及び撮像レ
ンズ35のピント合わせを行うと、その検査許容範囲
は、図37において編目を掛けた範囲となる。従って、
この場合でも、キャビティ番号2〜5のレンズAしか検
査することができない。これに対して、図38に示すよ
うに、各レンズAが最も密集して分布するグループ内に
おいて中間位置に位置しているレンズA,即ちキャビテ
ィ番号5のレンズAに基づいてナイフエッジ28aの光
軸方向位置調整及び撮像レンズ35のピント合わせを行
えば、キャビティ番号1のレンズA以外は、検査許容範
囲内に含まれることになる。
【0059】画像処理部41は、このような「各レンズ
が最も密集して分布するグループ内において中間位置に
位置しているレンズ」を、自動的に基準レンズとして選
択する。このために、画像処理部41は、各レンズ毎
に、そのレンズと他の全てのレンズとの差分(輝度積分
値の差分)の総和を算出する。そして、この総和が最も
小さくなるレンズを、基準レンズとして選択するのであ
る。制御部42は、このようにして選択されたレンズの
キャビティ番号をそのスプールSの種類に対応するもの
として外部メモリ44に記憶するとともに、一軸ロボッ
ト制御回路49及びスプール回転制御回路51に対して
そのキャビティ番号に対応するレンズAを撮像レンズ3
5の光軸上にセットする様指示し、作業者に対してナイ
フエッジ28aの光軸方向位置調整及び撮像レンズ35
のピント合わせを促す。また、制御部42は、チャック
12上に載置されたスプールSの種類に対応する識別番
号がキーボード43を介して入力された場合には、その
識別番号に対応するキャビティ番号を外部メモリ44か
ら読み出し、その読み出したキャビティ番号に対応する
レンズAを撮像レンズ35の光軸上にセットする様、一
軸ロボット制御回路49及びスプール回転制御回路51
に対して指示をする。これは、同じ成形型及び成形条件
から成形された同種類のスプールであれば、ランナーL
及びゲートの曲がりも全く同様に発生しているので、各
レンズAの光軸方向位置の分布も全く同じになるからで
ある。
【0060】画像処理部41は、また、検査対象レンズ
Aが良品であるか不良品であるかの判定処理を行う。そ
のため、画像処理部41は、被検物撮像用CCDカメラ
30から入力された画像データに対して所定の画像処理
を行い、検査対象レンズAの光学的欠陥の程度を数値化
するとともに、この数値を一定の判定基準値(許容値)
と比較し、この数値が判定基準値内に収まっているか超
えているかの判定を行う。この判定処理を行うために、
画像処理部41は、第1のメモリ41a及び第2のメモ
リ41bを有している。制御部42は、この判定処理が
行われるのに伴って、ナイフエッジ回転制御回路48に
対してスプール回転用パルスモータ24の回転指示を行
う。また、制御部42は、判定結果をモニタ装置45上
に表示する。
【0061】キーボード43は、スプールをチャック1
2へ載置した旨の通知,チャック12上に載置されてい
るスプールSの種類の識別番号,レンズの手動芯出しの
完了通知,ナイフエッジ28aの光軸方向位置調整及び
撮像レンズ35のピント合わせの完了通知,検査継続の
要否,等の情報を制御部45に入力するための入力装置
である。また、キーボード43には、装置全体への主電
源投入を指示するための主電源投入キー(図示略)も、
設けられている。
【0062】外部メモリ44は、各スプール種類の識別
番号毎に上述したナイフエッジ芯出テーブル(Y方向用
のナイフエッジ芯出テーブル,X方向用のナイフエッジ
芯出テーブル)及び基準レンズのキャビティ番号を記憶
する不揮発メモリ(EEPROM)である。
【0063】モニタ装置45は、制御部42から通知さ
れた映像情報を表示するディスプレイである。キャビテ
ィ番号認識用透過照明駆動回路46は、制御部42から
の指示に応じて、キャビティ番号認識用透過照明ランプ
18を点灯させるための駆動電流を供給する。
【0064】ナイフエッジ回転制御回路48は、制御部
42からの指示に応じてナイフエッジ回転用パルスモー
タ24に駆動パルスを供給し、検査時においてはナイフ
エッジ28aを22.5度づつ回転させ、芯出し時にお
いてはナイフエッジ28aを適当量回転させる。
【0065】一軸ロボット制御回路49は、制御部42
からの指示に応じて一軸ロボット用パルスモータ3に駆
動パルスを供給し、移動ステージ4を図1に示す被検物
給排位置,図22に示すキャビティ番号認識位置,又
は、図23に示す検査位置(奇数キャビティ検査位置,
偶数キャビティ検査位置)へ移動させる。
【0066】X/Yステージ制御回路50は、制御部4
2からの指示に応じてXステージ用パルスモータ7及び
Yステージ用パルスモータ10に駆動パルスを供給し、
検査対象レンズAの光軸を撮像レンズ35の光軸lに合
致させるべく、作業テーブル11を光軸lに直交する面
内で移動させる。
【0067】スプール回転制御回路51は、制御部42
からの指示に応じてスプール回転用パルスモータ13に
駆動パルスを供給し、検査時及び基準レンズ選択時にお
いてはチャック12上に載置されたスプールS中の各レ
ンズを順次撮像レンズ35の光軸l中に挿入すべくチャ
ック12を90度づつ回転させ、基準レンズのセット時
においては選択された(又は外部メモリから読み出され
たキャビティ番号に対応した)基準レンズを撮像レンズ
35の光軸l中に挿入する様チャック12を回転させ
る。
【0068】ナイフエッジ照明駆動回路52は、制御部
42からの指示に応じて、ナイフエッジ照明ランプ32
を点灯させるための駆動電流を供給する。 <制御処理>次に、CPU40(画像処理部41及び制
御部42)において実行される光学部材検査のための制
御処理の内容を、図6乃至図19のフローチャートを用
いて説明する。
【0069】図6及び図7に示す制御処理のメインルー
チンは、キーボード43中の主電源投入キー(図示略)
が投入されることにより、スタートする。そして、最初
のS0001では、制御部42は、一軸ロボット制御回
路49に対し、移動ステージ4を図1に示す被検物給排
位置に移動させる指示をする。この指示に基づいて移動
ステージ4が被検物給排位置に移動すると、操作者は、
チャック12上にスプールSを載置することができる
(既にチャック12上にスプールSが載置されている場
合にはスプールSの交換が可能になる。)。
【0070】操作者は、スプールSをチャック12へ載
置し終わると、その旨をキーボード43を介して制御部
42に入力する。制御部42は、S0002においてこ
の通知の入力を待ち、入力があった場合には処理をS0
003に進める。
【0071】S0003では、制御部42は、一軸ロボ
ット制御回路49に対し、移動ステージ4を図22に示
すキャビティ番号認識位置に移動させる指示をする。こ
の指示に基づいて移動ステージ4がキャビティ番号認識
位置に移動すると、画像処理部41は、S0004にお
いて、キャビティ番号認識用CCDカメラ16によって
キャビティ番号マーク近傍の画像を撮像する。
【0072】次のS0005では、画像処理部41は、
S0003にて撮像された画像の中から、キャビティ番
号マークのみを抽出する。次のS0006では、画像処
理部41は、S0005にて抽出したキャビティ番号マ
ークの個数に基づいて、検査位置(図22において中心
軸Cの手前側の位置)に来るレンズのキャビティ番号を
算出する。即ち、キャビティ番号マークの個数と同数の
キャビティ番号のレンズに対して中心軸Cを挟んで点対
称の位置にあるレンズのキャビティ番号を、算出するの
である。
【0073】次のS0007では、制御部42は、一軸
ロボット制御回路49に対し、移動ステージ4を奇数キ
ャビティ検査位置に移動させる指示をする。次のS00
08では、制御部42は、チャック12上に載置されて
いるスプールSの識別番号がキーボード43を介して操
作者によって入力されるのを待つ。なお、同じ成形型か
ら成形された同種類のスプールに関しては同じ識別番号
が付与されるが、成形型が変わった場合には新たな識別
番号が付与される。
【0074】次のS0009では、制御部42は、S0
008にて入力された識別番号が外部メモリ44内に既
に登録されているかどうかをチェックする。そして、登
録されていた場合には、制御部42は、S0010にお
いて、外部メモリ44からこの識別番号に対応するナイ
フエッジ芯出テーブル(Y方向用のナイフエッジ芯出テ
ーブル,X方向用のナイフエッジ芯出テーブル)及び基
準レンズのキャビティ番号を読み出す。次のS0011
では、制御部42は、一軸ロボット制御回路49及びス
プール回転制御回路51に対し、S0010にて読み出
したキャビティ番号に対応するレンズを撮像レンズ35
の光軸l中にセットさせる指示をする。即ち、制御部4
2は、選択されたキャビティ番号が偶数である場合に
は、一軸ロボット制御回路49に対して、移動ステージ
4を偶数キャビティ検査位置へ移動させる指示を行う。
次に、制御部42は、選択されたキャビティ番号に対応
するレンズAの現在位置を認識し、この位置から撮像レ
ンズ35の光軸lまでの回転角を算出し、算出した回転
角だけチャック12を回転させる指示をスプール回転制
御回路51に与える。この指示に基づいてスプール回転
制御回路51が選択されたキャビティ番号に対応するレ
ンズAを撮像レンズ35の光軸l中にセットすると、操
作者は、このレンズAを基準としてナイフエッジ28a
の光軸方向位置調整及び撮像レンズ35のピント合わせ
を行う。
【0075】操作者は、これらナイフエッジ28aの光
軸方向位置調整及び撮像レンズ35のピント合わせを完
了すると、その旨をキーボード43を介して制御部42
に入力する。制御部42は、S0012においてこの通
知の入力を待ち、入力があった場合には、処理をS00
14に進める。
【0076】これに対して、S0009にて識別番号が
未だ外部メモリ44内に登録されていないと判断した場
合には、制御部42は、新規な種類のスプールSがチャ
ック12上に載置されたものと判断し、S0013にお
いて検査データ登録処理を実行する。
【0077】図8は、このS0013にて実行される検
査データ登録処理サブルーチンを示すフローチャートで
ある。このサブルーチンに入って最初のS0101で
は、制御部42は、光軸方向位置基準レンズ選択処理を
実行する。図9は、このS0101にて実行される光軸
方向位置基準レンズ選択処理サブルーチンを示すフロー
チャートである。
【0078】このフローチャートに入って最初のS02
01では、制御部42は、スプール回転制御回路51に
対して、キャビティ番号1に対応するレンズを撮像レン
ズ35の光軸l中にセットさせる。即ち、制御部42
は、S0006にて認識した現時点における検査対象レ
ンズ(撮像レンズ35の光軸l中にセットされたレン
ズ)Aのキャビティ番号に基づいてキャビティ番号1の
レンズの現在位置を認識し、この位置から撮像レンズ3
5の光軸lまでの回転角を算出し、算出した回転角だけ
チャック12を回転させる指示をスプール回転制御回路
51に与える。この指示に基づいてスプール回転制御回
路51がキャビティ番号1のレンズを撮像レンズ35の
光軸l中にセットすると、操作者は、このキャビティ番
号1のレンズを基準としてナイフエッジ28aの光軸方
向位置調整及び撮像レンズ35のピント合わせを行う。
【0079】操作者は、これらナイフエッジ28aの光
軸方向位置調整及び撮像レンズ35のピント合わせを完
了すると、その旨をキーボード43を介して制御部42
に入力する。制御部42は、S0202においてこの通
知の入力を待ち、入力があった場合には処理をS020
3に進める。
【0080】S0203では、制御部42は、自動芯出
処理1を実行する。図10及び図11は、このS020
3で実行される自動芯出処理1のサブルーチンを示すフ
ローチャートである。このサブルーチンに入って最初の
S0301では、制御部42は、ナイフエッジ回転制御
回路48に対して原点復帰命令を発行する。
【0081】次のS0302では、制御部42は、S0
301での原点復帰命令に応じたナイフエッジ28aの
回転が終了するのを待つ。次のS0303では、画像処
理部41は、この時点において被検物撮像用CCDカメ
ラ30によって撮像された画像のデータを入力する。
【0082】次のS0304では、制御部42は、ナイ
フエッジ回転制御回路48に対して90度回転命令を発
行する。ナイフエッジ回転制御回路48は、この90度
回転命令を受けると、ナイフエッジ回転用パルスモータ
24を駆動して、ナイフエッジ28aを時計方向に90
度回転させ始める。
【0083】次のS0305では、画像処理部41は、
S0303にて入力した画像のデータに基づいて、座標
位置y1と座標位置y2との間でY方向に並んだ全ての画
素の輝度値の総和(積分値)YAを求める。
【0084】次のS0306では、制御部42は、S0
302での90度回転命令に応じたナイフエッジ28a
の回転が終了するのを待つ。この回転が終了すると、ナ
イフエッジ28aが図1の紙面に直交する方向(Y方
向)を向き、遮光板28自体が図1の左側に位置するよ
うになる。
【0085】次のS0307では、画像処理部41は、
この時点において被検物撮像用CCDカメラ30によっ
て撮像された画像のデータを入力する。次のS0308
では、制御部42は、ナイフエッジ回転制御回路48に
対して90度回転命令を発行する。
【0086】次のS0309では、画像処理部41は、
S0307にて入力した画像のデータに基づいて、座標
位置x1と座標位置x2との間でX方向に並んだ全ての画
素の輝度値の総和(積分値)XAを求める。
【0087】次のS0310では、制御部42は、S0
308での90度回転命令に応じたナイフエッジ28a
の回転が終了するのを待つ。この回転が終了すると、ナ
イフエッジ28aが図1の紙面の左右方向(X方向)を
向き、遮光板6自体が図1の奥側に位置するようにな
る。
【0088】次のS0311では、画像処理部41は、
この時点において被検物撮像用CCDカメラ30によっ
て撮像された画像のデータを入力する。次のS0312
では、制御部42は、ナイフエッジ回転制御回路48に
対して90度回転命令を発行する。
【0089】次のS0313では、画像処理部41は、
S0311にて入力した画像のデータに基づいて、座標
位置y1と座標位置y2との間でY方向に並んだ全ての画
素の輝度値の総和(積分値)YBを求める。
【0090】次のS0314では、画像処理部41は、
S0305にて算出した輝度値総和YAからS0313
にて算出した輝度値総和YBを減算することによって
「輝度差」を算出し、算出された「輝度値」を制御部4
2に通知する。
【0091】次のS0315では、制御部42は、画像
処理部41から通知された「輝度差」に対して下記関数
を施すことにより、Y方向の光軸ズレを相殺するための
移動量ΔYを求める。
【0092】ΔY[μm]=−輝度値/250 このようにして求めた移動量ΔYの極性は、光軸ズレを
相殺するために検査対象レンズAを起動させるべき向き
を示す。なお、S0313乃至S0315までの処理の
実行中でも、ナイフエッジ回転制御回路48はナイフエ
ッジ回転用パルスモータ24の駆動を継続する。
【0093】次のS0316では、制御部42は、S0
312の90度回転命令に応じたナイフエッジ28aの
回転が終了するのを待つ。この回転が終了すると、ナイ
フエッジ28aが図1の紙面に直交する方向(Y方向)
を向き、遮光板28自体が図1及び図2の右側に位置す
るようになる。
【0094】次のS0317では、画像処理部41は、
この時点において被検物撮像用CCDカメラ30によっ
て撮像された画像のデータを入力する。次のS0318
では、画像処理部41は、S0317にて入力した画像
のデータに基づいて、座標位置x1と座標位置x2との間
でX方向に並んだ全ての画素の輝度値の総和(積分値)
Bを求める。
【0095】次のS0319では、画像処理部41は、
S0309にて算出した輝度値総和XAからS0318
にて算出した輝度値総和XBを減算することによって
「輝度差」を算出し、算出された「輝度差」を制御部4
2に通知する。
【0096】次のS0320では、制御部42は、画像
処理部41から通知された「輝度差」に対して下記関数
を施すことにより、X方向の光軸ズレを相殺するための
移動量ΔXを求める。
【0097】ΔX[μm]=−輝度値/250 このようにして求めた移動量ΔXの極性は、光軸ズレを
相殺するために検査対象レンズAを起動させるべき方向
を示す。
【0098】次のS0321では、制御部42は、S0
315にて求めたY方向の移動量ΔYが0であり且つS
0320にて求めたX方向の移動量ΔXが0であるか否
かを判定する。そして、何れか一方でも0ではない時に
は、制御部42は、S0322において、X/Yステー
ジ制御回路50に対して、検査対象レンズAをX方向に
ΔXだけ移動させるとともにY方向にΔYだけ移動させ
るよう、命令する。この命令に応じてX/Yステージ制
御回路50が作業テーブル11を光軸lに直交する面内
で移動させ終わると、制御部42は、処理をS0301
に戻す。
【0099】このようにしてS0301〜S0322の
ループ処理を繰り返した結果、両移動量が0となった場
合には、芯出しが終了したものとして、S0321から
このループを抜けて、このサブルーチンを終了する。そ
して、処理は、図9のルーチンに戻される。
【0100】図9のルーチンでは、制御部42は、次の
S0204において、ナイフエッジ回転制御回路48に
対して原点復帰命令を発行する。この原点復帰命令に応
じたナイフエッジ28aの回転が終了すると、画像処理
部41は、S0205において、この時点において被検
物撮像用CCDカメラ30によって撮像された画像のデ
ータを入力して、Y方向中心軸上に並んだ全ての画素の
輝度値からなる輝度断面データを抽出する(輝度データ
抽出手段に相当)。
【0101】次のS0206では、画像処理部41は、
S0206にて取得された輝度断面データに基づいて、
原点より上(座標位置y1と原点0との間)の輝度値の
合計を算出し、算出した輝度値合計を制御部42に通知
する。
【0102】次のS0207では、制御部42は、現在
チャック12に載置されているスプールS中の全レンズ
Aに対してS0203乃至S0206の処理を実行した
か否かをチェックする。そして、未だ全てのレンズに対
して上記処理を実行していない場合には、制御部42
は、S0213において、スプール回転制御回路51に
対して、チャック12を反時計方向に90度回転するよ
うに指示する。スプール回転制御回路51は、この指示
に応じてチャック12を回転させ、2つ後のキャビティ
番号に対応するレンズを撮像レンズ35の光軸l中にセ
ットする。
【0103】次のS0214では、制御部42は、この
検査位置(奇数キャビティ検査位置又は偶数キャビティ
検査位置)においてチャック12が1回転したかどうか
をチェックする。そして、一回転したと判定した場合
は、キャビティ番号が奇数である全てのレンズについて
の上記処理を実行し終えた場合であると判断することが
できる。従って、制御部42は、S0215において、
一軸ロボット制御回路49に対して移動ステージ4を偶
数キャビティ検査位置に移動させる指示をした後に、S
0203以下の処理を再実行する。これに対して、S0
214にて未だ一回転していないと判定した場合には、
制御部42は、そのまま、S0203以下の処理を再実
行する。
【0104】これに対して、S0203乃至S0206
の処理をスプールS中の全レンズAに対して実行し終わ
ると、制御部42は、S0208において、各レンズA
に毎にS0206にて算出された輝度値合計の大小を比
較して、各レンズの光軸方向における相対位置関係を割
り出す(相対位置認定手段に相当)。
【0105】次のS0209では、制御部42は、S0
208にて求めた各レンズAの光軸方向における相対位
置関係を、モニタ装置45上に表示する(図34乃至図
36参照)(表示手段に相当)。
【0106】次のS0210では、制御部42は、検査
データ登録に使用するキャビティ番号選択処理を実行す
る(選択手段に相当)。図12は、このS0210で実
行されるキャビティ番号選択処理サブルーチンを示すフ
ローチャートである。
【0107】このサブルーチンに入って最初のS040
1では、制御部42は、キャビティ番号1を、基準キャ
ビティ番号(基準Cav.)として設定する。次のS0
402では、制御部42は、基準キャビティ番号に対応
するレンズについてS0206にて算出された輝度差合
計とそれ以外の各レンズについて算出された輝度差合計
との差分(絶対値)を各々算出し、算出された差分(絶
対値)の総和を求める。
【0108】次のS0403では、制御部42は、S0
402にて求めた輝度差合計差分総和を、現時点での基
準キャビティ番号に対応する値として、図示せぬ内部メ
モリに登録する。
【0109】次のS0404では、制御部42は、全て
のキャビティ番号について輝度差合計差分総和を求めた
か否かをチェックする。そして、未だ全てのキャビティ
番号についての輝度差合計差分総和が求まっていない場
合には、制御部42は、S0405において次のキャビ
ティ番号を基準キャビティ番号として設定して、処理を
S0402に戻す。
【0110】これに対して、全てのキャビティ番号につ
いての輝度差合計差分総和が求まっている場合には、制
御部42は、S0406において、図示せぬ内部メモリ
に格納されている輝度差合計差分総和のうち最も小さい
ものを選択し、この選択された輝度差合計差分総和に対
応するキャビティ番号を特定する。このようにしてキャ
ビティ番号が選択されると、処理が図9のルーチンに戻
される。
【0111】図9のルーチンでは、制御部42は、次の
S0211において、一軸ロボット制御回路49及びス
プール回転制御回路51に対して、S0406にて選択
されたキャビティ番号に対応するレンズAを撮像レンズ
35の光軸l中にセットさせる。即ち、制御部42は、
選択されたキャビティ番号が偶数である場合には、一軸
ロボット制御回路49に対して、移動ステージ4を偶数
キャビティ検査位置へ移動させる指示を行う。次に、制
御部42は、選択されたキャビティ番号に対応するレン
ズAの現在位置を認識し、この位置から撮像レンズ35
の光軸lまでの回転角を算出し、算出した回転角だけチ
ャック12を回転させる指示をスプール回転制御回路5
1に与える。この指示に基づいてスプール回転制御回路
51が選択されたキャビティ番号に対応するレンズAを
撮像レンズ35の光軸l中にセットすると、操作者は、
このレンズAを基準としてナイフエッジ28aの光軸方
向位置調整及び撮像レンズ35のピント合わせを行う。
【0112】操作者は、これらナイフエッジ28aの光
軸方向位置調整及び撮像レンズ35のピント合わせを完
了すると、その旨をキーボード43を介して制御部42
に入力する。制御部42は、S0212においてこの通
知の入力を待ち、入力があった場合には、処理を図8の
ルーチンに戻す。
【0113】図8のルーチンでは、制御部42は、次の
S0102において、S0406にて選択されたキャビ
ティ番号を、S0008にて入力された識別番号に対応
するものとして、外部メモリ44に登録する。
【0114】次のS0103では、制御部42は、ナイ
フエッジ芯出テーブル(Y軸)作成処理を実行する。図
13は、このS0103にて実行されるナイフエッジ芯
出テーブル(Y軸)作成処理サブルーチンを示すフロー
チャートである。このサブルーチンに入って最初のS0
501では、制御部42は、手動芯出しのための処理を
実行する。この処理においては、制御部42は、画像処
理部41から転送された被検物撮像用CCDカメラ30
による画像をそのままモニタ装置45上に表示するとと
もに、この画像中のY方向中心軸上の輝度分布グラフ及
びX方向中心軸上の輝度分布グラフをモニタ装置45上
に表示する。操作者は、この画像を見ながら摘み22を
回転させて、遮光板28のこう軸方向位置を所定の位置
(レンズAの焦点と同じ光軸方向位置)に調整し、その
調整後において、Xステージ5及びYステージ9の送り
ネジ6を回転させて、レンズAの芯出しを行う。この芯
出しが完了したかどうかは、ナイフエッジ28aを18
0°回転させた前と後において各輝度分布グラフの輝度
断面の面積が同じであるか否かにより、確認される。撮
影者は、この自動芯出しを完了すると、キーボード43
を介してその旨を制御部42に入力する。制御部42
は、この手動芯出完了通知が入力されると、処理をS0
502に進める。
【0115】図14は、このS0502にて実行される
Y方向輝度差測定処理サブルーチンを示すフローチャー
トである。このサブルーチンに入って最初のS0601
では、制御部42は、ナイフエッジ回転制御回路48に
対して原点復帰命令を発行する。ナイフエッジ回転制御
回路48は、この原点復帰命令を受けると、ナイフエッ
ジ回転用パルスモータ24を駆動して、ナイフエッジ2
8aの回転位置を原点に復帰させる。
【0116】次のS0602では、制御部42は、S0
601での原点復帰命令に応じたナイフエッジ28aの
回転が終了するのを待つ。次のS0603では、画像処
理部41は、この時点において被検物撮像用CCDカメ
ラ30によって撮像された画像のデータを入力する。
【0117】次のS0604では、画像処理部41は、
座標位置y1と座標位置y2との間でY方向に並んだ全て
の画素の輝度値の総和(積分値)YAを求める。次のS
0605では、制御部42は、ナイフエッジ回転制御回
路48に対して180度回転命令を発行する。ナイフエ
ッジ回転制御回路48は、この180度回転命令を受け
ると、ナイフエッジ回転用パルスモータ24を駆動し
て、ナイフエッジ28aを時計方向に180度回転させ
る。
【0118】次のS0606では、制御部42は、S0
605での180度回転命令に応じたナイフエッジ28
aの回転が終了するのを待つ。この回転が終了すると、
ナイフエッジ28aの向きが光軸lに対して反転するこ
とになる。
【0119】次のS0607では、画像処理部41は、
この時点において被検物撮像用CCDカメラ30によっ
て撮像された画像のデータを入力する。次のS0608
では、画像処理部41は、座標位置y1と座標位置y2
の間でY方向に並んだ全ての画素の輝度値の総和YB
求める。
【0120】次のS0609では、画像処理部41は、
S0604にて算出した輝度値総和YAからS0608
にて算出した輝度値総和YBを減算することによって
「輝度差」を算出し、算出された「輝度差」を制御部4
2に通知する。このステップの実行が完了すると、処理
が図13のルーチンに戻される。
【0121】図13のルーチンでは、制御部42は、次
のS0503において、この図13に処理が入ってから
のS0502の実行回数が50回に達したか否かをチェ
ックする。そして、未だ50回に達していない場合に
は、制御部42は、X/Yステージ制御回路50に対し
て、検査対象レンズAをY方向に+10μm移動させる
指示を行う。この指示を受けたX/Yステージ制御回路
50は、Yステージ用パルスモータ10を駆動して、作
業テーブル11を+Y方向(図1において奥側)に10
μm移動させる。この移動が完了すると、制御部42
は、再度S0502のY方向輝度差測定処理を実行す
る。
【0122】以上のループ処理を繰り返した結果S05
02の実行回数が50回に達した場合には、制御部42
は、S0505において、画像処理部41にて測定され
た「輝度差」をグラフ(図30参照)にプロットする。
【0123】次のS0506では、制御部42は、S0
505にて作成したグラフに基づいて、各輝度差に対応
する移動量を夫々求める。そして、各移動量[単位:μ
m]をパルス数(移動量)に変換する。即ち、本実施形
態におけるYステージ9は、X/Yステージ制御回路5
0からの駆動パルスを一個受ける毎に、検査対象レンズ
AをY方向に10μmずつ移動させる。従って、各移動
量の値を1/10にすることにより、対応するパルス数
[単位:個]を求めることができるのである。
【0124】次のS0507では、制御部42は、S0
506にて求めた輝度差と移動量との組み合わせを、テ
ーブルの形式にまとめる。図31に示すように、このテ
ーブル(Y方向用のナイフエッジ芯出テーブル)は、
「輝度差/64」の値をテーブルアドレスとして用い
る。なお、このように作成されたY方向用のナイフエッ
ジ芯出テーブルは、図30に示されるように、輝度差と
ズレとの関係が原点を中心に回転対称の特性を示すこと
から、−Y方向のズレに対しても代用される。
【0125】次のS0508では、制御部42は、S0
507にて作成したテーブルを、S0008にて入力し
た識別番号に関連させて外部メモリ44に登録する。次
のS0509では、制御部42は、X/Yステージ制御
回路50に対して、検査対象レンズAをY方向に−50
0μm移動させる指示を行う。この指示を受けたX/Y
ステージ制御回路50は、Yステージ用パルスモータ1
0を駆動して、作業テーブル11を元の位置に戻す。こ
の移動が完了すると、処理が図8のルーチンに戻され
る。図8のルーチンでは、制御部42は、次のS010
4において、ナイフエッジ芯出テーブル(X軸)作成処
理を実行する。図15は、このS0104にて実行され
るナイフエッジ芯出テーブル(X軸)作成処理サブルー
チンを示すフローチャートである。このナイフエッジ芯
出テーブル(X軸)作成処理サブルーチンは、対象がX
方向となる事を除いて、図13のナイフエッジ芯出テー
ブル(Y軸)作成処理サブルーチンと全く同様であるの
で、その説明を省略する。図16は、このナイフエッジ
芯出テーブル(X軸)作成処理サブルーチン中のS07
02において実行されるX方向輝度差測定処理サブルー
チンを示すフローチャートである。このX方向輝度差測
定処理サブルーチンは、S0801の原点復帰命令発行
後のS0802において制御部42がナイフエッジ回転
制御回路48に対して90°(時計方向)回転命令を発
行する事を除いて、図14のY方向輝度差測定処理サブ
ルーチンと全く同様であるので、その説明を省略する。
S0104のナイフエッジ芯出テーブル(X軸)作成処
理が実行されると、X方向用のナイフエッジ芯出テーブ
ルが作成されて(S0707)、外部メモリ44に格納
される(S0708)。このようにしてナイフエッジ芯
出テーブル(X軸)作成処理が完了すると、処理が図6
のメインルーチンに戻される。
【0126】図6のメインルーチンでは、S0013の
検査データ登録処理が完了すると、処理がS0014に
進められる。S0014では、制御部42は、一軸ロボ
ット制御回路49に対し、移動ステージ4を奇数キャビ
ティ検査位置に移動させる指示をする。
【0127】次のS0015では、制御部42は、自動
芯出し処理2を実行する。図17及び図18は、このS
0015で実行される自動芯出処理2のサブルーチンを
示すフローチャートである。このサブルーチンにおける
S0901乃至S0914の処理は、図10及び図11
の自動芯出処理2におけるS0301乃至S0314の
処理と全く同じなので、その説明を省略する。
【0128】S0915では、制御部42は、画像処理
部41から通知された「輝度差」の絶対値に基づいて、
S0010にて読み出したY方向用のナイフエッジ芯出
テーブル又はS0507に作成したY方向用のナイフエ
ッジ芯出テーブルを参照して、対応する移動量(パルス
数)ΔYを求める。それとともに、その「輝度差」の極
性を反転した極性をこの移動量ΔYに付す。このように
求めた値+/−ΔYは、Y方向の光軸ズレを相殺するた
めの移動量(パルス数)及び移動方向を示す。なお、S
0913乃至S0915までの処理の実行中でも、ナイ
フエッジ回転制御回路48はナイフエッジ回転用パルス
モータ24の駆動を継続する。
【0129】次のS0916では、制御部42は、S0
912の90度回転命令に応じたナイフエッジ28aの
回転が終了するのを待つ。この回転が終了すると、ナイ
フエッジ28aが図1の紙面に直交する方向(Y方向)
を向き、遮光板28自体が図1及び図2の右側に位置す
るようになる。
【0130】次のS0917では、画像処理部41は、
この時点において被検物撮像用CCDカメラ30によっ
て撮像された画像のデータを入力する。次のS0918
では、画像処理部41は、S0917にて入力した画像
のデータに基づいて、座標位置x1と座標位置x2との間
でX方向に並んだ全ての画素の輝度値の総和(積分値)
Bを求める。
【0131】次のS0919では、画像処理部41は、
S0909にて算出した輝度値総和XAからS0918
にて算出した輝度値総和XBを減算することによって
「輝度差」を算出し、算出された「輝度差」を制御部4
2に通知する。
【0132】次のS0920では、制御部42は、画像
処理部41から通知された「輝度差」の絶対値に基づい
て、S0010にて読み出したX方向用のナイフエッジ
芯出テーブル又はS0707に作成したX方向用のナイ
フエッジ芯出テーブルを参照して、対応する移動量(パ
ルス数)ΔXを求める。それとともに、その「輝度差」
の極性を反転した極性をこの移動量ΔXに付す。このよ
うに求めた値+/−ΔXは、X方向の光軸ズレを相殺す
るための移動量(パルス数)及び移動方向を示す。
【0133】次のS0921では、制御部42は、X/
Yステージ制御回路50に対して、光学部材A,BをX
方向にΔXだけ移動させるとともにY方向にΔYだけ移
動させるよう、命令する。この命令に応じてX/Yステ
ージ制御回路50が作業テーブル11を光軸lに直交す
る面内で移動させると、検査対象レンズAの芯出しがな
されるのである。このステップが完了すると、処理が図
7のメインルーチンに戻される。
【0134】図7のメインルーチンでは、画像処理部4
1は、次のS0016において、被検物撮像用CCDカ
メラ30から入力された画像データを構成する各画素
(ピクセル)の輝度を256階調の数値情報に変換し、
夫々第1メモリ41aに書き込む。
【0135】次のS0017では、画像処理部41は、
第1メモリ41aに書き込まれた各数値情報を順番に走
査して、微分処理を行う。即ち、画像中における左上の
画素から右下の画素に向けて順番に各画素の数値をチェ
ックする。そして、チェック対象画素の数値とこれの左
隣の画素の数値及び上側に隣接する画素の数値とを比較
し、それら数値の差の絶対値を、このチェック対象画素
の微分値[0〜255]とする。このように得られた微
分値に変換された画像データでは、検査対象レンズAの
光学的欠陥がある部分の輪郭,及びナイフエッジ28a
の縁だけが濃度の高い画像となる。
【0136】次のS0018では、画像処理部41は、
画像合成処理を実行する。即ち、S0017にて得られ
た各微分値を、第2メモリ41bに書き込む。この際、
前回のループ処理でのS0018の結果として前回の画
像の微分値が第2メモリ41bに書き込まれている場合
には、第2メモリ41bに既に書き込まれている各微分
値を取り出し、今回のループ処理でのS0017におい
て得られた各微分値を加算した後に、第2メモリ41b
に上書きする。
【0137】次のS0019では、制御部42は、S0
016以下の処理を開始した始めた後にナイフエッジ2
8aが一回転したか否かをチェックする。そして、未だ
一回転していない場合には、S0020において、ナイ
フエッジ回転制御回路48に対してナイフエッジ28a
を22.5度回転させる命令をする。この回転後の画像
データが被検物撮像用CCDカメラ30から入力された
場合には、処理がS0016に戻され、この新たな画像
データに対する処理が実行される。
【0138】このようにナイフエッジ28aを若干量づ
つ回転させて(S0020)得られた画像データを累積
する(S0018)ようにしたのは、次の理由による。
即ち、直線状のナイフエッジ28aを光路に挿入する
と、ナイフエッジ28aの方向と平行な方向における異
常成分は最も良く検出され得るが、ナイフエッジ28a
の方向と直交する方向における異常成分はあまり良く検
出されない。そのため、ナイフエッジ28a自体を光軸
lに直交する面内で回転させて、あらゆる方向における
異常成分を全て検出して、同一の画像上に合成している
のである。また、この結果、次の効果も得られる。即
ち、ナイフエッジ28aを停止させた場合の画像では、
図21に示すように、光学的欠陥部分の縁(図21中央
の円弧部分)の他にナイフエッジ28aの縁(図21中
央の左右に延びる白黒の境界線)γも、濃淡が急激に変
化している箇所として映し出される。このナイフエッジ
28aの縁γは、本来検出が求められている光学的欠陥
部分の縁自体ではないので、検出されないことが望まし
い。そこで、ナイフエッジ28aを回転させると、光学
的欠陥部分の縁の位置が不動であるのに対して、ナイフ
エッジ28aの縁は回転する。従って、画像合成処理を
すると、光学的欠陥部分の縁が益々強調されるのに対し
て、ナイフエッジ28aの縁は光学的欠陥部分の閉領域
(縁によって囲まれている部分)内において面状に平均
化されるので、境界線としては認識されなくなるのであ
る。
【0139】以上のようにループ処理を繰り返した結果
ナイフエッジ28aが1回転すると(即ち、ナイフエッ
ジ28aの22.5度づつの回転が16回繰り返される
と)、S0019からこのループ処理を抜けて、処理は
S0021に進む。
【0140】図19は、このS0021において実行さ
れる検査対象領域抽出処理サブルーチンの内容を示すフ
ローチャートである。このサブルーチンに入って最初の
S1001では、画像処理部41は、二値化処理を行
う。この二値化処理とは、第2メモリ41b内の画像デ
ータの各画素に対応する数値情報が所定の閾値を超えて
いればその数値情報を255(白)に置き換え、超えて
いなければ0(黒)に置き換える処理である。この閾値
は、検査対象レンズAの外縁αが途切れることなく白
(255)の閉曲線として残し得るような値に、設定さ
れている。
【0141】次のS1002では、画像処理部41は、
閉領域抽出処理を実行する。この閉領域抽出処理とは、
閉じた白線によって囲まれている領域のみを抽出する処
理である。具体的には、S1001により二値化された
画像データを構成する黒い画素[0]のうち、白い画素
[255]によって取り囲まれているものを閉領域内の
画素とみなす。そして、この閉領域内のものと見なされ
た全画素の数値を255とし、それ以外の全画素の数値
を0とする。
【0142】次のS1003では、画像処理部41は、
穴埋め処理を実行する。この穴埋め処理とは、白い画素
[255]の中に残された黒い画素[0]を消去するた
めの処理である。具体的には、S1002によって得ら
れた画像データを構成する黒い画素[0]のうち、白い
画素[255]によって取り囲まれているものの数値を
255とする。
【0143】次のS1004では、画像処理部41は、
領域選択処理を実行する。この領域選択処理とは、本来
必要とされる領域のみを有効とするとともに、ゲートの
一部等に基づいて抽出されたそれ以外の閉領域を削除す
るための処理である。具体的には、画像処理部41は、
S1003によって得られた画像データに含まれる各閉
領域のうち、画面中央に位置する閉領域はそのままと
し、それ以外の全閉領域を構成する全画素の数値を0と
する。この領域選択処理の結果得られる画像データのこ
とを、以下「マスク画像」という。
【0144】次のS1005では、画像処理部41は、
マスク画像を構成する各画素の値(8ビットパラレルの
デジタル値)と第2メモリ41bに書き込まれている各
画素の値(8ビットパラレルのデジタル値)とをAND
演算する。このAND演算処理の結果、第2メモリ41
bに書き込まれた画像データのうち、マスク画像の白い
画素[255]の領域に対応する部分のみがそのまま残
され、他の部分の画素の数値は全て0となる。
【0145】以上により、良品又は不良品の判定に用い
られる画像データが得られるので、このサブルーチンを
終了して、図7のメインルーチンに処理が戻される。図
7においてS0021の次に実行されるS0022で
は、画像処理部41は、S0021の結果抽出された画
像データを構成する各画素の数値を、引き目ノイズが抽
出されないレベルに設定された閾値と比較し、二値化
(255:白,又は、0:黒)する。即ち、画像データ
を構成する各画素の数値が閾値よりも大きければ(明る
ければ)その数値を255に置き換え、画像データを構
成する各画素の数値が閾値よりも小さければ(暗けれ
ば)数値を0に置き換える。
【0146】次のS0023では、画像処理部41は合
否判定処理を実行する。即ち、画像処理部41は、S0
022での二値化処理後の画像の図形的特徴量(白い部
分の面積,最大幅,重心,フィレ径,等)を、算出す
る。例えば、白い[255の]画素の数を数えて面積量
とする。そして、算出された図形的特徴量を予め設定さ
れている各合否判定基準値と比較し、対応する合否判定
基準値を超過している図形的特徴量が一つでもあれば不
合格(不良品)と判定し、全ての図形的特徴量が夫々に
対応する合否判定基準値内に収まっていれば合格(良
品)と判定する。なお、判定に用いられる図形的特徴量
のうちどれを合否判定に用いるかは、検査対象レンズA
の種類に依って定まる。この合否判定の結果は、制御部
42によってモニタ装置45上に表示される。
【0147】次のS0024では、制御部42は、現在
チャック12に載置されているスプールS中の全レンズ
Aに対してS0015乃至S0023の検査を終了した
か否かをチェックする。そして、未だ全てのレンズにつ
いての検査を終了していない場合には、制御部42は、
S0027において、スプール回転制御回路51に対し
て、チャック12を反時計方向に90度回転するように
指示する。スプール回転制御回路51は、この指示に応
じてチャック12を回転させ、2つ後のキャビティ番号
に対応するレンズを撮像レンズ35の光軸l中にセット
する。
【0148】次のS0028では、制御部42は、この
検査位置(奇数キャビティ検査位置又は偶数キャビティ
検査位置)においてチャック12が1回転したかどうか
をチェックする。そして、一回転したと判定した場合
は、キャビティ番号が奇数である全てのレンズを検査し
終えた場合であると判断することができる。従って、制
御部42は、S0029において、一軸ロボット制御回
路49に対して移動ステージ4を偶数キャビティ検査位
置に移動させる指示をした後に、S0015以下の処理
を再実行する。これに対して、S0028にて未だ一回
転していないと判定した場合には、制御部42は、その
まま、S015以下の処理を再実行する。
【0149】S0024にて全てのレンズに対する検査
を終了したと判断した場合には、制御部42は、S00
25において、一軸ロボット制御回路49に対し、移動
ステージ4を図1に示す被検物給排位置に移動させる指
示をする。
【0150】次のS0026では、制御部42は、検査
者に対して検査を継続するか否かを問う文字をモニタ装
置45上に表示する。これに応じて、検査者が検査を継
続する旨をキーボード43によって入力してきた場合に
は、被検査物が未だあるものとして、処理をS0002
に戻す。
【0151】これに対して、検査者が検査を終了する旨
をキーボード43によって入力してきた場合には、被検
査物がもはや無いものとして、この制御処理を終了す
る。 <光学部材検査装置による検査手順>本実施形態による
光学部材検査装置によってスプールS中のレンズを検査
する時には、検査者は、良品のレンズを有するスプール
Sをチャック12上に載置した後に、このスプールSに
対応する識別番号をキーボード43によって入力する。
この識別番号が未だ登録されていないものである場合に
は、検査データ登録処理が実行される。そこで、検査者
は、ナイフエッジ28aの光軸位置調整及び撮像レンズ
35のピント合わせ,並びに検査対象レンズの芯出し
を、マニュアル操作によって行う。
【0152】即ち、検査者は、モニタ装置45に映し出
される映像を見ながら、摘み22を回転させる。そし
て、図20(a)又は(b)のように、検査対象レンズ
Aの外縁αの内側において、検査対象レンズAの外縁α
の外側に見えるナイフエッジ像βと同じ方向にナイフエ
ッジ像γが見える時には、ナイフエッジ28aが検査対
象レンズAに近過ぎる場合であるので、ナイフエッジ2
8aを検査対象レンズAから遠ざける。逆に、図20
(d)又は(e)のように、検査対象レンズAの外縁α
の内側において、検査対象レンズAの外縁αの外側に見
えるナイフエッジ像βと逆の方向にナイフエッジ像γが
見える時には、ナイフエッジ28aが検査対象レンズA
から遠すぎる場合であるので、ナイフエッジ28aを検
査対象レンズAに近付ける。このようなナイフエッジ2
8aの光軸方向位置調整を行った結果、図20(c)の
ように、ナイフエッジ像γが検査対象レンズAの外縁α
内の大部分において消えた時には、ナイフエッジ28a
が適正位置にある場合であるので、調整を停止する。以
上により、ナイフエッジ28aの光軸位置調整は完了さ
れる。
【0153】また、検査者は、モニタ装置45に映し出
される映像を見ながら、撮像装置30の鏡筒31を回転
させ、検査対象レンズAの表面が明瞭に見えるようにな
るまで撮像レンズ35を光軸方向に移動させる。以上に
より、撮像レンズ35のピント合わせが完了する。
【0154】また、検査者は、ナイフエッジ28aをX
方向に向けて、モニタ装置45に映し出されるY方向の
輝度分布グラフを見ながら、Yテーブル9の送りネジ
(図示略)を回転させ、ナイフエッジ28aを180度
回転させてもその回転の前後で輝度断面の大きさが変わ
らない位置を探す。以上のようにしてY方向の芯出しが
完了すると、検査者は、ナイフエッジ28aをY方向に
向けて、モニタ装置45に映し出されるX方向の輝度分
布グラフを見ながら、Xテーブル5の送りネジ6を回転
させ、ナイフエッジ28aを180度回転させてもその
回転の前後で輝度断面の大きさが変わらない位置を探
す。以上のようにして、X方向の芯出しも完了する。
【0155】以上のようにしてナイフエッジ28aの光
軸位置調整及び撮像レンズ35のピント合わせ,並びに
検査対象レンズの芯出しが完了すると、Y方向用のナイ
フエッジ芯出テーブル及びX方向用のナイフエッジ芯出
テーブルが自動的に作成される。その結果、以後におけ
る自動芯出しが可能となる。
【0156】次に、キャビティ番号1のレンズが、自動
的に撮像レンズ35の光軸l内にセットされる。操作者
は、これに応じて、ナイフエッジ28aの光軸位置調整
及び撮像レンズ35のピント合わせを再度行う。する
と、このキャビティ番号1のレンズを基準とした各レン
ズの光軸方向における相対位置が、図34乃至図36に
示されるように、自動的に測定される。そして、他の各
レンズとの距離の合計(輝度差合計差分総和)が最も近
いレンズが、基準レンズとして自動的に選択される。こ
の選択のアルゴリズムによると、各レンズが最も密集し
て分布しているグループ内のレンズであって、しかも、
そのグループの光軸方向における中心近傍のレンズが、
基準レンズとして選択される。
【0157】例えば、ランナーLの曲がりもゲートの曲
がりも生じていないスプールSの場合には、全レンズA
が同じ光軸方向位置に存在することになるので、任意の
レンズが基準レンズとして選択される。この場合には、
全てのレンズAが検査許容範囲内に入る。
【0158】また、図45のように、ランナーLの曲が
りが生じている場合には、スプールS全体に倒れが生じ
るので、図34のように、各レンズが均等に分布するこ
とになる。従って、この分布の中心にあるレンズ(図3
4の場合にはCav.1又は5)が基準レンズとして選
択される。この場合には、スプールS全体の倒れの程度
が一定範囲内であれば、全てのレンズが検査許容範囲内
に入る。
【0159】また、一部のゲートのみが曲がっているが
ランナーLの曲がりは生じていない場合には、図35の
ように、そのゲートに繋がっているレンズの光軸方向位
置のみが他のレンズの光軸方向位置からずれることにな
る。従って、密集して(同じ光軸方向位置に)存在して
いる他のレンズ(図35の場合にはCav.1,2,4
〜8)のうちの何れかが、基準レンズとして選択される
こととなる。この場合には、曲がったゲートに繋がって
いるレンズ(図35の場合にはCav.3)が検査許容
範囲内から外れる可能性はあるが、それ以外のレンズは
全て検査許容範囲内に入る。
【0160】また、ランナーの曲がりと一部のゲートの
曲がりとが同時に発生している場合には、図34のよう
に、曲がったゲートに繋がっているレンズのみが他のレ
ンズから大きく離れるとともに、他のレンズが均等に分
布することになる。従って、図38に示されるように、
均等に分布しているレンズグループ(図38の場合には
Cav.2〜8)内であって、しかも、そのグループの
光軸方向における中心近傍のレンズが、基準レンズとし
て選択される。この場合には、曲がったゲートに繋がっ
ているレンズ(図38の場合にはCav.1)が検査許
容範囲内から外れる可能性はあるが、スプールS全体の
倒れの程度が一定範囲内であれあば、それ以外の全ての
レンズが検査許容範囲内に入る。
【0161】このようにして選択されたレンズのキャビ
ティ番号は、各ナイフエッジ芯出テーブルとともに、外
部メモリ44内に登録される。従って、以後、良品のス
プールSが同じ種類の検査対象スプールSに換えられ
て、同じ識別番号が入力された場合には、各ナイフエッ
ジ芯出テーブルと選択されたレンズのキャビティ番号と
が、外部メモリ44から読み出される。
【0162】このようにキャビティ番号が選択され又は
外部メモリ44から読み出されると、そのキャビティ番
号に対応するレンズが撮像レンズ35の光軸l中にセッ
トされる。検査者は、これに応じて、ナイフエッジ28
aの光軸位置調整及び撮像レンズ35のピント合わせを
再度行う。
【0163】すると、ナイフエッジ回転制御部15によ
ってナイフエッジ28aが22.5度づつ回転駆動され
るとともに、各回転位置において検査対象レンズAを通
過した光によって形成される画像が、被検物撮像用CC
Dカメラ30によって撮像される。画像処理部41は、
撮像した各画像の濃淡変化箇所を微分処理によって強調
し、一回転分にわたって加算する。その結果、検査対象
レンズAのいかなる方向における欠陥成分(屈折率[屈
折力]異常,表面欠陥)に関しても、それを有している
領域が抽出され、それらが一つの画像データにまとめ上
げられる。即ち、この画像データでは、欠陥の方向如何
に拘わらず、欠陥を有している部位が白く浮き上がって
いる画像となっている。そして、異常部分の面積や最大
幅等が数値化され、一定の判断基準値と比較され、この
比較結果に応じて良品であるか不良品であるかの判定が
客観的になされるのである。
【0164】なお、上述した実施の形態では、S021
0の検査データ登録に使用するキャビティ番号選択処理
において、図12の処理を実行して自動的に基準レンズ
を選択するようにしていたが、S0209にてモニタ装
置45上に表示される相対位置情報に基づいて検査者に
選択させるようにしても良い。
【0165】また、上述した実施の形態では、S020
6において原点0から座標点y1までの輝度値合計を算
出し、S0208においてこの輝度値合計に基づいて各
レンズの相対位置関係を割り出すようにしていたが、S
0206ではY方向中心軸上の輝度変化の傾きを算出
し、S0208ではこの傾きに基づいて各レンズの相対
位置関係を割り出すようにしても良い。
【0166】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の光学部
材検査装置は、複数の樹脂成形光学部材がランナーによ
って繋がれた状態のスプールをチャックによって保持す
る光学部材検査装置であるが、それを基準にナイフエッ
ジの光軸方向位置調整及び撮像レンズのピント合わせを
行った場合に最も多くのレンズをその検査許容範囲内に
入れることができるレンズを、ナイフエッジの光軸方向
位置調整及び撮像装置のピント合わせ用レンズとして選
択することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態による光学部材検査
装置の機械構成を示す側視図
【図2】 図1のチャックの拡大図
【図3】 図1の光学部材検査装置の回路構成を示すブ
ロック図
【図4】 図1の光学部材検査装置の光学構成図
【図5】 図1における遮光板の平面図
【図6】 図1のCPUにおいて実行される制御処理を
示すフローチャート
【図7】 図1のCPUにおいて実行される制御処理を
示すフローチャート
【図8】 図1のS0013にて実行される検査データ
登録サブルーチンを示すフローチャート
【図9】 図8のS0101にて実行される光軸方向位
置基準レンズ選択処理サブルーチンを示すフローチャー
【図10】 図9のS0203にて実行される自動芯出
処理1のサブルーチンを示すフローチャート
【図11】 図9のS0203にて実行される自動芯出
処理1のサブルーチンを示すフローチャート
【図12】 図9のS0210にて実行される検査デー
タ登録に使用するキャビティ番号選択処理サブルーチン
を示すフローチャート
【図13】 図8のS0103にて実行されるナイフエ
ッジ芯出テーブル(Y軸)作成処理サブルーチンを示す
フローチャート
【図14】 図13のS0502にて実行されるY方向
輝度差測定処理サブルーチンを示すフローチャート
【図15】 図8のS0104にて実行されるナイフエ
ッジ芯出テーブル(X軸)作成処理サブルーチンを示す
フローチャート
【図16】 図15のS0702にて実行されるX方向
輝度差測定処理サブルーチンを示すフローチャート
【図17】 図7のS0015にて実行される自動芯出
処理2のサブルーチンを示すフローチャート
【図18】 図7のS0015にて実行される自動芯出
処理2のサブルーチンを示すフローチャート
【図19】 図7のS0021にて実行される検査対象
領域抽出処理サブルーチンを示すフローチャート
【図20】 図1におけるナイフエッジの光軸方向位置
調整時におけるモニタ装置上の画像を示す図
【図21】 ヒケを有するレンズを検査した場合におけ
る表示装置上の画像を示す図
【図22】 移動テーブルがキャビティ番号認識位置に
存する場合における光学部材検査装置の機械構成を示す
側視図
【図23】 移動テーブルが検査位置に存する場合にお
ける光学部材検査装置の機械構成を示す側視図
【図24】 画像データ上に定義された座標軸及び座標
位置の説明図
【図25】 Y方向におけるズレ量が−0.2μmであ
る場合における画像データ中のY方向中心軸上の輝度分
布を示すグラフ
【図26】 Y方向におけるズレ量が−0.1μmであ
る場合における画像データ中のY方向中心軸上の輝度分
布を示すグラフ
【図27】 Y方向において芯出しされた状態における
画像データ中のY方向中心軸上の輝度分布を示すグラフ
【図28】 Y方向におけるズレ量が+0.1μmであ
る場合における画像データ中のY方向中心軸上の輝度分
布を示すグラフ
【図29】 Y方向におけるズレ量が+0.2μmであ
る場合における画像データ中のY方向中心軸上の輝度分
布を示すグラフ
【図30】 図25乃至図29から算出された輝度差を
プロットしたグラフ
【図31】 ナイフエッジ芯出テーブルを示す表
【図32】 図20の各画像中のY方向中心軸上の輝度
分布を示すグラフ
【図33】 スプール全体が倒れた場合において全レン
ズについて撮像された画像の例を示す図
【図34】 図33の各画像に基づいて各レンズの光軸
方向位置の分布を表す図
【図35】 一部のゲートのみが曲がったスプール中の
全レンズの光軸方向位置の分布を表す図
【図36】 一部のゲートのみが曲がっているとともに
全体として倒れが生じているスプール中の全レンズの光
軸方向位置の分布を表す図
【図37】 図36において各レンズの分布範囲の中間
位置に存するレンズを基準レンズとした場合における検
査許容範囲を表す図
【図38】 図36において最も密集して分布するレン
ズのグループにおける分布の中心位置に存するレンズを
基準レンズとした場合における検査許容範囲を表す図
【図39】 図1におけるナイフエッジの光軸方向位置
調整時におけるモニタ装置上の画像を示す図
【図40】 図39の各画像中のY方向中心軸上の輝度
分布を示すグラフ
【図41】 図1におけるナイフエッジの光軸方向位置
調整時におけるモニタ装置上の画像を示す図
【図42】 図41の各画像中のY方向中心軸上の輝度
分布を示すグラフ
【図43】 スプールの平面図
【図44】 スプールの側視図
【図45】 ランナーの曲がりが生じているスプールの
側視図
【符号の説明】
12 チャック 13 スプール回転用パルスモータ 20 移動ステー 21 シャフト 22 摘み 23 照明ユニット 28 遮光板 30 被検物撮像用CCDカメラ 34 拡散板 35 撮像レンズ 40 CPU 41 画像処理部 42 制御部 44 外部メモリ 45 モニタ装置 51 スプール回転制御回路 A 検査対象レンズ L ランナー S スプール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 利宏 東京都板橋区前野町2丁目36番9号旭光学 工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ランナーによって互いに連結された光学部
    材の光学的欠陥を検出する光学部材検査装置であって、 照明光によって照明される拡散板と、 前記拡散板によって拡散された光を部分的に透過させ且
    つ部分的に遮光するように前記拡散板に接している遮光
    手段と、 前記光学部材を透過した光を撮像する撮像手段と、 前記ランナーを保持して前記撮像手段の光軸に直交する
    面内で変位することにより、このランナーによって連結
    されている各レンズを前記撮像手段と前記遮光手段との
    間の光軸中に選択的に配置する保持部と、 前記保持部と前記遮光手段との間の前記光軸方向におけ
    る相対位置を調整する調整手段と、 前記撮像手段によって撮像された画像中の特定範囲の輝
    度データを抽出する輝度データ抽出手段と、 前記ランナーによって互いに連結された全ての光学部材
    についての前記輝度データ同士を比較して、これら各光
    学部材の前記光軸方向における相対位置を認定する相対
    位置認定手段と、 この相対位置認定手段によって認定された前記光学部材
    の相対位置に基づき、前記各光学部材のうち最も密集し
    て分布している一群の光学部材の中間位置近傍に位置し
    ている光学部材を、その光学部材を含む光学系の焦点位
    置が前記遮光手段の光軸方向位置と一致するように前記
    調整手段によって前記調整を行う際に用いる基準光学部
    材として選択する選択手段とを備えたことを特徴とする
    光学部材検査装置。
  2. 【請求項2】ランナーによって互いに連結された光学部
    材の光学的欠陥を検出する光学部材検査装置であって、 照明光によって照明される拡散板と、 前記拡散板によって拡散された光を部分的に透過させ且
    つ部分的に遮光するように前記拡散板に接している遮光
    手段と、 前記光学部材を透過した光を撮像する撮像手段と、 前記ランナーを保持して前記撮像手段の光軸に直交する
    面内で変位することにより、このランナーによって連結
    されている各レンズを前記撮像手段と前記遮光手段との
    間の光軸中に選択的に配置する保持部と、 前記保持部と前記遮光手段との間の前記光軸方向におけ
    る相対位置を調整する調整手段と、 前記撮像手段によって撮像された画像中の特定範囲の輝
    度データを抽出する輝度データ抽出手段と、 前記ランナーによって互いに連結された全ての光学部材
    についての前記輝度データ同士を比較して、これら各光
    学部材の前記光軸方向における相対位置を認定する相対
    位置認定手段と、 この相対位置認定手段によって認定された前記光学部材
    の相対位置を表示する表示手段とを備えたことを特徴と
    する光学部材検査装置。
  3. 【請求項3】前記調整手段は前記遮光手段を前記光軸方
    向に移動させることを特徴とする請求項1又は2記載の
    光学部材検査装置。
  4. 【請求項4】前記輝度データ抽出手段によってその輝度
    データが抽出される前記特定範囲は、前記遮光手段にお
    ける前記光を部分的に透過させる部分と部分的に遮光す
    る部分との境界線に直交する方向に広がりを持つ範囲で
    あることを特徴とする請求項1又は2記載の光学部材検
    査装置。
  5. 【請求項5】前記輝度データ抽出手段によって抽出され
    る輝度データは、前記遮光手段における前記光を部分的
    に透過させる部分と部分的に遮光する部分との境界線に
    直交する方向を向いた前記画像の中心軸上の輝度データ
    であることを特徴とする請求項1又は2記載の光学部材
    検査装置。
  6. 【請求項6】前記輝度データ抽出手段によって抽出され
    る輝度データは、前記中心軸上の中心から偏倚した範囲
    の輝度データであることを特徴とする請求項5記載の光
    学部材検査装置。
  7. 【請求項7】前記相対位置認定手段は、前記輝度データ
    の総和同士を比較することを特徴とする請求項1又は2
    記載の光学部材検査装置。
  8. 【請求項8】前記相対位置認定手段は、前記輝度データ
    の輝度の傾き同士を比較することを特徴とする請求項5
    又は6記載の光学部材検査装置。
  9. 【請求項9】前記選択手段は、前記各光学部材毎に、そ
    の光学部材に関する前記輝度データの総和と他の各光学
    部材に関する前記輝度データの総和との差分値を算出し
    てその差分値の総和を算出するとともに、この差分値の
    総和が最も小さい光学部材を前記基準光学部材として選
    択することを特徴とする請求項7記載の光学部材検査装
    置。
  10. 【請求項10】照明光によって照明される拡散板と、前
    記拡散板によって拡散された光を部分的に透過させ且つ
    部分的に遮光するように前記拡散板に接している遮光手
    段と、前記光学部材を透過した光を撮像する撮像手段
    と、複数のレンズを一体に接続しているランナーを保持
    して前記撮像手段の光軸に直交する面内で変位すること
    により、このランナーによって連結されている各レンズ
    を前記撮像手段と前記遮光手段との間の光軸中に選択的
    に配置する保持部と、前記保持部と前記遮光手段との間
    の前記光軸方向における相対位置を調整する調整手段と
    を有する光学部材検査装置における基準レンズ選択方法
    において、 前記撮像手段によって撮像された画像中の特定範囲の輝
    度データを抽出し、 前記ランナーによって互いに連結された全ての光学部材
    についての前記輝度データ同士を比較し、 この比較結果に基づいてこれら各光学部材の前記光軸方
    向における相対位置を認定し、 この相対位置認定手段によって認定された前記光学部材
    の相対位置に基づき、前記各光学部材のうち最も密集し
    て分布している一群の光学部材のうちの中間位置近傍に
    位置している光学部材を、その光学部材を含む光学系の
    焦点位置が前記遮光手段の光軸方向位置と一致するよう
    に前記調整手段による前記調整を行う際に用いる基準光
    学部材として選択することを特徴とする光学部材検査装
    置における基準レンズ選択方法。
JP8545196A 1996-04-08 1996-04-08 光学部材検査装置及び光学部材検査装置における基準レンズ選択方法 Pending JPH09280999A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8545196A JPH09280999A (ja) 1996-04-08 1996-04-08 光学部材検査装置及び光学部材検査装置における基準レンズ選択方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8545196A JPH09280999A (ja) 1996-04-08 1996-04-08 光学部材検査装置及び光学部材検査装置における基準レンズ選択方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09280999A true JPH09280999A (ja) 1997-10-31

Family

ID=13859256

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8545196A Pending JPH09280999A (ja) 1996-04-08 1996-04-08 光学部材検査装置及び光学部材検査装置における基準レンズ選択方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09280999A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0930498A2 (en) Inspection apparatus and method for detecting defects
TW201100779A (en) System and method for inspecting a wafer (3)
US5847822A (en) Optical element inspecting apparatus
JP2019215321A (ja) 溶液に浸された眼用レンズの屈折力および厚さを検査するためのシステムおよび方法
KR20110010749A (ko) 관찰 장치 및 관찰 방법
JP3235387B2 (ja) 照明条件設定支援装置および方法
CN117501306A (zh) 用于反射样品的宏观检查的系统、方法和设备
US5835207A (en) Optical member inspecting apparatus
JP2008068284A (ja) 欠陥修正装置、欠陥修正方法、及びパターン基板の製造方法
US20230020684A1 (en) Laser based inclusion detection system and methods
JP2017166903A (ja) 欠陥検査装置及び欠陥検査方法
JP7510215B2 (ja) コンタクトレンズの欠陥分析及び追跡システム
JPH1062354A (ja) 透明板の欠陥検査装置及び欠陥検査方法
JP2008164324A (ja) 形状情報取得装置、欠陥検出装置、形状情報取得方法および欠陥検出方法
JP4761245B2 (ja) 壜胴部の欠陥検査装置
JP5042503B2 (ja) 欠陥検出方法
JP4523310B2 (ja) 異物識別方法及び異物識別装置
JP3231592B2 (ja) 光学部材検査装置
JP3559391B2 (ja) 光学部材検査装置
JP3078784B2 (ja) 欠陥検査装置
JPH09280999A (ja) 光学部材検査装置及び光学部材検査装置における基準レンズ選択方法
JP3417738B2 (ja) 光学部材検査装置
JPH09292306A (ja) 光学部材検査装置
JP3559392B2 (ja) 光学部材検査装置
JPH09210660A (ja) 撮像式検査装置