JPH0928088A - 静電アクチュエータ - Google Patents

静電アクチュエータ

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JPH0928088A
JPH0928088A JP17474095A JP17474095A JPH0928088A JP H0928088 A JPH0928088 A JP H0928088A JP 17474095 A JP17474095 A JP 17474095A JP 17474095 A JP17474095 A JP 17474095A JP H0928088 A JPH0928088 A JP H0928088A
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JP
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electrodes
stator
voltage
mover
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JP17474095A
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Hidetoshi Suzuki
秀俊 鈴木
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Asmo Co Ltd
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Asmo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電アクチュエータにおける移動子の駆動力
の低下を防止と、移動子の作動の円滑性の向上。 【解決手段】 絶縁層(30)に複数の電極(31a,
31b,31c)を配設した固定子(22)と、絶縁層
(26)に複数の電極(27a,27b,27c)を配
設し、固定子に対して移動可能に対向して配置した移動
子(21)とを備える。移動子の電極と固定子の電極の
いずれか一方に極性を固定して電圧を印加し、いずれか
他方に周期的に極性を切り替えて電圧を印加し、移動子
の電極と固定子の電極の間に生じる吸引力と反発力によ
り移動子を駆動する。上記移動子及び固定子の電極をそ
れぞれ二つ置きに配設した電極毎に互いに接続して3相
とする。移動子及び固定子のいずか一方の電極に極性を
切り替えて印加する電圧は、1周期の間に印加される電
圧の総和が0となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用のサンバイ
ザー、ムーンルーフ、リアウインド等の遮光装置の駆動
源として好適に使用される静電アクチュエータに関し、
詳しくは、それぞれ絶縁層に複数の電極を設けた固定子
と移動子を備え、固定子の電極と移動子の電極の間に発
生する静電気による吸引力、反発力により移動子を駆動
する静電アクチュエータにおいて、固定子の帯電の防止
と駆動力の有効利用を図ることを目的としてなされたも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の静電アクチュエータとし
て、本出願人は先に実開平7−16599号公報におい
て図12に示す静電アクチュエータを提案した。この静
電アクチュエータの移動子1は、絶縁層2に電極3a,
3b,3c・・・3a,3b,3c・・・を配設し、こ
れらの電極3a,3b,3cを相互に接続して3相(a
相,b相,c相)とし、さらにa相の電極3aとb相の
電極3bを相互に接続して2相としている。一方、固定
子4は、絶縁層5に電極6a,6b,6cを設け、これ
らの電極6a,6b,6cのうち2つ置きに位置する電
極6a,6b,6cを相互に接続して3相(U相,V
相,W相)としている。
【0003】移動子1を駆動する際には、図13に示す
ように、上記移動子1のa相及びb相の電極3a,3b
に対して負(以下、“−”と表記する。)の高電圧を、
c相の電極に対しては正(以下、“+”と表記する)の
高電圧をそれぞれ固定的に印加する。一方、固定子4に
は、“+”,“−”の2種類の極性の高電圧を周期的に
切り替えて印加する。すなわち、等時間間隔αの連続す
る3つのステップS1,S2,S3からなるサイクルC
を繰り返し、かつ、各相のサイクルCを1ステップ分づ
つ位相をずらして固定子4の電極6a,6b,6cに対
して電圧を印加する。
【0004】まず、U相の電極6aに対しては、第1ス
テップS1は“+”、第2ステップS2は“−”、第3
ステップS3は“+”というパターンで高電圧を印加す
る。また、V相の電極6b、W相の電極6cに対して
は、それぞれ上記U相の電極6aよりも1ステップ、2
ステップ分だけ位相を進めて電圧を印加する。このよう
に高電圧を印加すると、移動子1の電極3a〜3cと固
定子4の電極6a〜6cとの間に静電気による吸引力、
反発力が作用し、第1ステップS1から第3ステップS
3の各ステップ毎に、移動子1は、上記電極3a〜3
c,6a〜6cの間隔(電極間ピッチP)だけ図12中
左側に移動する。
【0005】しかし、この静電アクチュエータでは、固
定子4の各相の電極6a,6b,6cに対して印加する
電圧を1回の周期Cについてみると、“+”の電圧を印
加しているのは2ステップ分の時間(2α)であり、
“−”の電圧を印加しているのは1ステップ分の時間で
あり、“+”の電圧が印加される時間のほうが、“−”
の電圧が印加される時間よりも1ステップ分長い。この
ように1周期Cに印加する電圧の極性が“+”側に偏っ
ていると、固定子4の絶縁層5が“−”の電荷を帯電す
るおそれがある。絶縁層5が帯電すると、高電圧を印加
することにより、固定子4の電極6a〜6cや移動子1
の電極3a〜3cに生じる静電気力が、絶縁層5が帯電
した電荷により減殺されてしまうため、移動子4に対す
る駆動力が低下したり、移動子4の作動の円滑性が低下
するという問題がある。
【0006】これに対して、特開平4−133674号
公報には、図14に示すように、固定子8には3相(A
相、B相、C相)の電極9a,9b,9cを設ける一
方、移動子10には電極を設けず、上記固定子8の電極
9a,9b,9cに印加された電圧の極性に応じて移動
子10に電荷が誘導されるようにし、固定子8の電極9
a〜9cと移動子10に発生した電荷の間に作用する静
電気力により移動子10を駆動する構成とした静電アク
チュエータが提案されている。なお、図中11は、移動
子10に設けた発熱体であり、この発熱体11を設け部
分に、固定子8の電極9a〜9bに印加した高電圧の極
性と反対の極性の電圧が発生する。
【0007】この静電アクチュエータでは、図15に示
すように、固定子8に設けた3相の電極に対して、等時
間間隔αの3ステップを1周期Cとして、各相の電極9
a,9b,9cに対して“−”“+”“0”の順で電圧
を印加するため、1周期Cの間に印加される電圧の総和
は“0”となり、固定子8の帯電を防止することができ
る。
【0008】また、図16に示すように、固定子の3相
の電極に印加する電圧V1,V2,V3を同一波形の交流
とし、1周期Cの1/3ずつ位相をずらして印加する静
電アクチュエータが提案されている。この静電アクチュ
エータでも、各相の電極に印加される電圧V1,V2,V
3の1周期Cでの総和は“0”となるため、固定子の帯
電を防止することができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記特開平4
−133674号公報に記載の静電アクチュエータで
は、各相の電極9a,9b,9cとも1周期の1/3の
時間は、印加する電圧が“0”となり、この間は、その
相の電極に静電気力が作用しないため、移動子10に作
用する駆動力が低下してしまうという問題がある。
【0010】また、上記図16のように固定子の電極に
交流電圧を印加する場合、例えば、時刻t1に移動子を
停止させるのであれば、図13中、一点鎖線で示すよう
に、この時刻t1以降、各相の電圧V1,V2,V3を時刻
1の時点の電圧に保持する必要がある。この点で交流
電圧を印加する場合は、電圧制御が複雑となるという問
題がある。
【0011】さらに、上記図12及び図14に示す静電
アクチュエータでは、上記のように第1から第3ステッ
プS1〜S3毎に、すなわち電圧の極性を1回切り替え
る度に、移動子1が電極ピッチP分移動するが、このよ
うに移動子1の1ピッチP分の移動と、電極に印加する
電圧の極性の1回の切替が対応している場合、移動子1
の作動が十分に円滑でないという問題がある。
【0012】本発明は、上記従来の静電アクチュエータ
における問題を解決し、移動子に対する駆動力を低下さ
せることがなく、かつ、複雑な制御を行うことなく、固
定子の帯電を防止して駆動力の低下を防止すると共に、
移動子の作動の円滑性の向上を図ることを目的としてな
されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1は、絶縁層に複
数の電極を配設した固定子と、絶縁層に複数の電極を配
設し、固定子に対して移動可能に対向して配置した移動
子とを備え、上記移動子の電極と固定子の電極のいずれ
か一方に極性を固定して電圧を印加し、いずれか他方に
周期的に極性を切り替えて電圧を印加し、移動子の電極
と固定子の電極の間に生じる吸引力と反発力により移動
子を駆動する静電アクチュエータであって、上記移動子
及び固定子の電極をそれぞれ二つ置きに配設した電極毎
に互いに接続して3相とすると共に、上記移動子及び固
定子のいずか一方の電極に極性を切り替えて印加する電
圧は、1周期の間に印加される電圧の総和が0となるこ
とを特徴とする静電アクチュエータを提供するものであ
る。
【0014】請求項1の静電アクチュエータでは、固定
子または移動子のいずれか一方に、印加される極性を切
り替えた電圧は、1周期の間に印加される電圧の総和が
0となるようにしているため、極性を切り替えて印加す
る電圧の極性の偏りにより、固定子または移動子が帯電
するのを防止することができる。
【0015】請求項2は、請求項1において、上記極性
を切り替えて印加する各ステップ毎に、各相の電極に印
加される電圧の総和が0となるようにしている静電アク
チュエータを提供するのものである。
【0016】この請求項2の静電アクチュエータでは、
極性を切り替えて印加する電圧の各ステップ毎に、各相
の電極に印加される電圧の総和を0としているため、上
記極性を切り替えて印加する電圧の極性の偏りによる帯
電を一層確実に防止することができる。
【0017】請求項3は、請求項1または請求項2にお
いて、上記極性を切り替えて印加する電圧の複数のステ
ップ毎に、移動子が電極ピッチ分移動することを特徴と
する請求項1または請求項2に記載の静電アクチュエー
タを提供するものである。
【0018】請求項3では、上記極性を切り替えて印加
する電圧の複数のステップ毎に、移動子が電極ピッチ分
移動するため、移動子の駆動が円滑である。
【0019】請求項4は、請求項1から請求項3におい
て、第1の電圧値の正の電圧と、該第1の電圧値よりも
小さい第2の電圧値の正の電圧と、第1の電圧値の負の
電圧と、該第1の電圧値よりも小さい第2の電圧値の負
の電圧値と、電位0の5種類の間で切り替えて電圧を印
加する構成としていることを特徴とする静電アクチュエ
ータを提供するものである。
【0020】請求項4では、第1の電圧値の正の電圧
と、該第1の電圧値よりも小さい第2の電圧値の正の電
圧と、第1の電圧値の負の電圧と、該第1の電圧値より
も小さい第2の電圧値の負の電圧値と、電位0の5種類
の間で電圧を切り替えて電圧を印加するため、移動子の
作動が一層円滑になる。
【0021】
【発明の実施の形態】次に、図面に示す実施の形態に基
づいて本発明について詳細に説明する。図1及び図2
は、本発明の第1実施形態に係る静電アクチュエータを
示している。この静電アクチュエータは、移動子21、
固定子22、制御手段23、操作スイッチ24及び高電
圧源25を備えている。
【0022】移動子21は、図2(A)に示すように、
誘電体からなる板状の絶縁層26の一方の面に、導電性
を有する金属からなり細長い長方形状の複数の電極27
a,27b,27c・・・27a,27b,27c・・
・を設けている。これらの電極27a,27b,27c
は、2つ置きに位置する電極27a,27b,27c毎
に互いに接続している。このうち電極27aは、絶縁層
26の電極27a,27b,27cを設けたほうの面の
一方の側部に設けた給電部28Aに接続しており、a相
を構成している。また、電極27bは、絶縁層26の電
極27a,27b,27cを設けたほうの面の他方の側
部に設けた給電部28Bに接続しており、b相を構成し
ている。さらに、電極27cは、絶縁層26の電極27
a,27b,27cを設けた面と反対側の面に設けた給
電部28Cに、絶縁相26に設けた貫通孔(スルホール
26a)に配置した導電部材29を介して接続してお
り、c相を形成している。
【0023】上記移動子21の各相の電極27a,27
b,27cは、その幅d1を等しく設定している。ま
た、電極27a,27b,27c相互間の間の間隔(電
極ピッチP1)も等しく設定している。
【0024】上記移動子21の電極27a,27b,2
7cのうち、a相の電極27aは給電部28Aを介して
電位“0”(グラウンド)に接続されている。また、移
動子21のb相の電極27bは、給電部28Bを介して
リレーR1に接続している。このリレーR1は制御手段
23からの指令に応じて、x側とy側に切り替えられ、
x側に切り替えられるとb相の電極27bが高電圧源2
5の“+”側に接続され、y側に切り替えられるとb相
の電極27bが電位“0”に接続される。さらに、移動
子21のc相の電極27cは、給電部28Cを介してリ
レーR2に接続している。このリレーR2は制御手段2
3からの指令に応じて、x側とy側に切り替えられ、x
側に切り替えられるとc相の電極27cは高電圧源25
の“−”側に接続され、y側に切り替えられるとc相の
電極27cは電位“0”に接続される。
【0025】固定子22は、図2(B)に示すように、
誘電体からなる板状の絶縁層30の一方の面に、導電性
を有する金属からなり細長い長方形状の複数の電極31
a,31b,31c・・・31a,31b,31c・・
・を設けている。これらの電極31a,31b,31c
は2つ置きに位置する電極31a,31b,31c毎に
互いに接続している。このうち電極31aは、絶縁層3
0の電極31a,31b,31cを設けたほうの面の一
方の側部に設けた給電部32Aに接続しており、U相を
構成している。また、電極31bは、絶縁層30の電極
31a,31b,31cを設けたほうの面の他方の側部
に設けた給電部32Bに接続しており、V相を構成して
いる。さらに、電極31cは、絶縁層30の電極31
a,31b,31cを設けた面と反対側の面に設けた給
電部32Cに、絶縁層30に設けた貫通孔(スルホール
30a)に配置した導電部材33を介して接続してお
り、W相を形成している。
【0026】上記固定子22の各相の電極31a,31
b,31cは、その幅d2を等しく設定しており、ま
た、この幅d2は、上記移動子21の各相の電極27
a,27bの幅d1と等しい。また、各電極31a,3
1b,31c間の電極ピッチP2も均一であり、この電
極ピッチP1は、上記移動子21の電極ピッチP1と等
しく設定している。
【0027】上記固定子22の電極31a,31b,3
1cのうち、U相の電極31aは、給電部32Aからリ
レーR3を介して高電圧源25の“+”側と接続すると
共に、リレーR6を介して高電圧源25の“−”側と接
続し、さらに、リレーR9を介して電位“0”に接続し
ている。同様に、上記固定子22の電極31a,31
b,31cのうち、V相の電極31bは、給電部32B
から、リレーR4を介して高電圧源25の“+”側と接
続すると共に、リレーR7を介して高電圧源25の
“−”側と接続し、さらに、リレーR10を介して電位
“0”に接続している。また、上記固定子22の電極3
1a,31b,31cのうち、W相の電極31cは、給
電部32Cから、リレーR5を介して高電圧源25の
“+”側と接続すると共に、リレーR8を介して高電圧
源25の“−”側と接続し、さらに、リレーR11を介
して電位“0”に接続している。リレーR3〜R11
は、制御手段23の指令に応じて、固定子22の電極3
1a,31b,31cと、高電圧源25の“−”側、
“+”側あるいは電位“0”との間を連通、遮断する。
【0028】制御手段23は、上記リレーR1〜R11
を以下のように切り替えて、上記移動子21、固定子2
2の電極27a,27b,27c,31a,31b,3
1cに印加する電圧の極性を変化させる。まず、移動子
11のb相の電極27bに“+”の電圧を印加するとき
には、制御手段23はリレーR1をx側に切り替え、電
位を“0”とする場合には、リレーR1をy側に切り替
える。また、移動子11のc相の電極27cに“−”の
高電圧を印加するときには、リレーR2をx側に切り替
え、電位を“0”とする場合には、リレーR2をy側に
切り替える。
【0029】一方、固定子22の電極31a,31b,
31cに“+”の高電圧を印加するときには、制御手段
23がリレーR3,R4,R5を連通させると共に、リ
レーR6〜R11を遮断する。また、固定子22の電極
31a,31b,31cに“−”の高電圧を印加すると
きには、制御手段23はリレーR6,R7,R8を連通
させると共に、リレーR3〜R5及びリレーR9〜R1
1を遮断する。さらに、固定子22の電極31a,31
b,31cの電位を“0”にする場合は、リレーR9,
R10,R11を連通させると共に、リレーR3〜R8
を遮断する。
【0030】次に、第1実施形態の作動について説明す
る。この静電アクチュエータでは、制御手段23が操作
スイッチ24の設定に応じて、上記リレーR1〜R11
を切り替えることにより、移動子22の電極27a〜2
7cに固定的に電圧を印加する一方、固定子22の電極
31a〜31cに周期的に極性を切り替えて高電圧を印
加する。図3中、時刻t0までは、操作スイッチ24が
“停止”に設定されている。この間、移動子21のa
相、b相、c相の電極27a〜27c及び固定子22の
U相、V相、W相の電極31a〜31cに対して印加さ
れる電圧は“0”であり、移動子21は停止状態にあ
る。
【0031】時刻t0からは、操作スイッチ24が“右
側に移動”に設定される。この時、移動子21の各電極
27a〜27cに対して、b相の電極27bには“+”
の高電圧が固定的に印加され、c相の電極27cには
“−”の高電圧が固定的に印加される。a相の電極27
aは引き続き電位“0”である。一方、固定子22の各
相の電極30a〜30cに対しては、極性及び電圧値を
周期的に切り替えて電圧が印加される。この固定子22
に対して印加する電圧の極性の切替の周期Cは、等時間
間隔αの12個のステップからなる。また、U相の電極
30a、V相の電極30b及びW相の電極30cに対し
て同一のパターンで極性を切り替えているが、V相には
U相に対して4ステップ(1/3・C)だけ位相を進め
て極性を切り替えると共に、W相にはU相に対してそれ
ぞれ8ステップ(2/3・C)だけ位相を進めて極性を
切り替えて電圧を印加する。
【0032】まず、第1のステップ(時刻t0から時刻
1)では、図4(A)に示すように、U相:“0”、
V相:“−”、W相:“+”とする。第2のステップ
(時刻t1から時刻t2)では、図4(B)に示すよう
に、U相:“+”、V相:“−”、W相:“+”とす
る。第3のステップ(時刻t2から時刻t3)では、図4
(C)に示すように、U相:“+”、V相:“−”、W
相:“0”とする。第4のステップ(時刻t3から時刻
4)では、図4(D)に示すように、U相:“+”、
V相:“−”、W相:“−”とする。第5のステップ
(時刻t4から時刻t5)では、図4(E)に示すよう
に、U相:“+”、V相:“0”、W相:“−”とす
る。第6のステップ(時刻t5から時刻t6)では、図4
(F)に示すように、U相:“+”、V相:“+”、W
相:“−”とする。第7のステップ(時刻t6から時刻
7)では、図5(A)に示すように、U相:“0”、
V相:“+”、W相:“−”とする。第8のステップ
(時刻t7から時刻t8)では、図5(B)に示すよう
に、U相:“−”、V相:“+”、W相:“−”とす
る。第9のステップ(時刻t8から時刻t9)では、図5
(C)に示すように、U相:“−”、V相:“+”、W
相:“0”とする。第10のステップ(時刻t9から時
刻t10)では、図5(D)に示すように、U相:
“−”、V相:“+”、W相“+”とする。第11のス
テップ(時刻t10から時刻t11)では、図6(A)に示
すように、U相:“−”、V相:“0”、W相:“+”
とする。第12のステップ(時刻t11から時刻t12)で
は、図6(B)に示すように、U相:“−”、V相:
“−”、W相:“+”とする。以下、これを繰り返し、
例えば、図6(C)に示すように、時刻t12から時刻t
13は、上記第1のステップ(時刻t1から時刻t2)に戻
って、U相:“0”、V相:“−”、W相:“+”とす
る。
【0033】上記のように移動子21の電極27a,2
7b,27c及び固定子22の電極31a,31b,3
1cに電圧を印加すると、上記図4から図6に示すよう
に、移動子21の電極27a,27b,27cと固定子
22の電極31a,31b,31cの間の生じる静電気
により吸引力、反発力により移動子21が図中右方向に
移動する。
【0034】この第1実施形態では、固定子22の電極
31a,31b,31cに印加する電圧は、各相とも1
周期C内に印加される電圧の合計が“0”となるように
設定している。すなわち、U相の電極31a、V相の電
極31b及びW相の電極31cには、1周期C内に
“+”が5ステップの時間(5α)、“−”が5ステッ
プの時間(5α)印加され、また、電位が“0”である
のが2ステップの時間(2α)の時間であり、1周期C
内に“+”の高電圧が印加される時間と“−”の高電圧
が印加される時間が等しい。また、本実施形態では、第
1のステップ(時刻t0から時刻t1)、第3のステップ
(時刻t2から時刻t3)、第5のステップ(時刻t4
ら時刻t5)、第7のステップ(時刻t6から時刻t7
及び第11のステップ(時刻t10から時刻t11)の7つ
のステップでは、U相の電極21a、V相の電極21b
及びW相の電極21cに印加する電圧の総和は“0”と
なる。例えば、上記第1のステップ(時刻toから時刻
1)では、U相の電極31aの電位は“0”、V相の
電極31bに印加される電圧は“−”、W相の電極31
cに印加される電圧は“+”であり、総和は“0”であ
る。
【0035】このように、固定子22の各相の電極31
a,31b,31cに1周期Cに印加する電圧の総和を
“0”とすると共に、12のステップからなる1周期C
のうち7ステップでU相、V相及びW相に印加する電圧
の極性の総和を“0”としているため、固定子22の各
相の電極31a,31b,31cに印加する電圧の極性
の偏りにより、固定子22の絶縁層30が帯電するのを
防止することができ、この帯電により移動子21の電極
27a〜27cと固定子22の電極31a〜31cの間
に作用する静電力が減殺されることによる移動子21の
駆動力の低下を防ぐことができる。
【0036】また、本実施形態の静電アクチュエータで
は、移動子21が固定子22に対して電極ピッチP分移
動するまでの間に、4ステップ分の電圧の切替が行われ
るため、移動子21の移動が円滑になる。
【0037】なお、操作スイッチ14が“左側に移動”
に設定された場合には、固定子22の電極31a,31
b,31cに対して同一パターンで、かつV相の電極3
1bとW相の電極31cに対して、U相の電極31aよ
りそれそれ2ステップ、4ステップだけ位相を遅らせ
て、極性を切り替えて電圧を印加すればよい。
【0038】次に、図7に示す本発明の第2実施形態に
ついて説明する。この第2実施形態では、固定子22の
各相の電極31a,31b,31cとリレーR3〜R1
1の間に抵抗34A〜34Iを介設している。この第2
実施形態では、固定子22の各相の電極31a,31
b,31cに対して、上記第1実施形態と同様に
“+”、“−”、“0”の3種類の電圧を印加するほ
か、“+”の1/2の強度で極性が正の電圧(以下、
「+/2」と表記する。)及び“−”の1/2の強度で
極性が負の電圧(以下、「−/2」と表記する。)を印
加する場合があり、“+”、“+/2”、“0”、“−
/2”及び“−”の5種類の高電圧を印加する。
【0039】固定子22の各相の電極31a,31b,
31cに“+/2”の電圧を印加する場合には、上記リ
レーR3,R4,R5とリレーR9,R10,R11を
連通し、R6,R7,R8を遮断する。一方、各電極3
0a,30b,30cに“−/2”の電圧を印加する場
合には、上記リレーR6,R7,R8とリレーR9,R
10,R11を連通し、リレーR3,R4,R5を遮断
する。なお、第2実施形態のその他の構造は、上記第1
実施形態と同一であり、図7中、第1実施形態と同一の
要素には、同一の符号を付している。
【0040】次に、第2実施形態の作動について説明す
る。図8は、第2実施形態の作動の一例を示しており、
この図8中、時刻t0までは、移動子21の電極27
a,27b,27c及び固定子22の電極31a,31
b,31cに対して印加される電圧は“0”であり、移
動子21は停止状態にある。
【0041】時刻t0から操作スイッチ24が“右側に
移動”に設定されると、移動子21のb相の電極27b
には、“+”の高電圧が固定的に印加され、移動子21
のc相の電極27cには、“−”の高電圧が固定的に印
加される。さらに移動子21cのa相の電極27aは引
き続き電位“0”である。
【0042】また、固定子22のU相、V相及びW相の
電極31a,31b,31cに対して、極性及び電力値
を周期的に切り替えて電圧が印加される。この固定子2
2に対して印加する電圧の極性及び電極値の切替の1回
の周期Cは、等時間間隔αの12のステップからなる。
また、V相の電極31bとW相の電極31cに対して
は、U相の電極31aと同一のパターンで極性及び強度
を切り替えているが、V相はU相に対して4ステップ
(1/3・C)だけ位相を進めて極性を切り替え、W相
はU相に対して8ステップ(2/3・C)だけ位相を進
めて極性を切り替える。
【0043】まず、第1のステップ(時刻t0から時刻
1)では、図9(A)に示すように、U相:“0”、
V相:“−”、W相“+”とする。第2のステップ(時
刻t1から時刻t2)では、図9(B)に示すように、U
相:“+/2”、V相:“−”、W相:“+/2”とす
る。第3のステップ(時刻t2から時刻t3)では、図9
(C)に示すように、U相:“−”、V相:“−”、W
相“0”とする。第4のステップ(時刻t3から時刻
4)では、図9(D)に示すように、U相:“+”、
V相:“−/2”、W相:“−/2”とする。第5のス
テップ(時刻t4から時刻t5)では、図9(E)に示す
ように、U相:“+”、V相:“0”、W相:“−”と
する。第6のステップ(時刻t5から時刻t6)では、図
9(F)に示すように、U相:“+/2”、V相:“+
/2”、W相:“−”とする。第7のステップ(時刻t
6から時刻t7)では、図10(A)に示すように、U
相:“0”、V相:“+”、W相“−”とする。第8の
ステップ(時刻t7から時刻t8)では、図10(B)に
示すように、U相:“−/2”、V相:“+”、W相:
“−/2”とする。第9のステップ(時刻t8から時刻
9)では、図10(C)に示すように、U相:
“−”、V相:“+”、W相:“0”とする。第10の
ステップ(時刻t9から時刻t10)では、図10(D)
に示すように、U相:“−”、V相:“+/2”、W
相:“+/2”とする。第11のステップ(時刻t10
ら時刻t11)では、図11(A)に示すように、U相:
“−”、V相:“0”、W相:“+”とする。第12の
ステップ(時刻t11から時刻t12)では、図11(B)
に示すように、U相:“−/2”、V相:“−/2”、
W相:“+”とする。以下、これを繰り返し、例えば、
時刻t12から時刻t13では、上記第1のステップ(時刻
1から時刻t2)に戻り、図11(C)に示すように、
U相:“0”、V相:“−”、W相“+”とする。
【0044】上記のように移動子21の電極27a〜2
7c及び固定子22の電極31a,〜31cに電圧を印
加すると、移動子21の電極27a〜27cと固定子2
2の電極31a〜31cの間の生じる静電気により吸引
力、反発力により、移動子21が図中右方向に移動す
る。
【0045】この第2実施形態では、固定子22の電極
31a,31b,31cに印加する電圧は、各相とも1
周期C内に印加される電圧の合計が“0”となるように
設定している。すなわち、U相の電極31a、V相の電
極31b及びW相の電極31cには、1周期C内に
“+”が3ステップの時間(3α)、“+/2”が3ス
テップの時間(3α)、“−/2”が3ステップの時間
(3α)、“−”が5ステップの時間(5α)印加さ
れ、また、電位が“0”であるのが2ステップの時間
(2α)の時間であり、1周期C内に“+”の高電圧が
印加される時間と“−”の高電圧が印加される時間が等
しく、1周期C内に各相の電極31a,31b,31c
に印加される電圧の総和は“0”である。
【0046】また、本実施形態では、第1から第12の
すべてのステップで、U相の電極21a、V相の電極2
1b及びW相の電極21cに印加する電圧の総和は
“0”となる。例えば、上記第2のステップ(時刻t1
から時刻t2)では、U相の電極31aに印加される電
圧は“+/2”、V相の電極31bに印加される電圧は
“−”、W相の電極31cに印加される電圧は“+/
2”であり、各電極31a,31b,31cに印加され
る電圧の総和は“0”である。よって、この第1実施形
態の静電アクチュエータでは、固定子22の各相の電極
31a,31b,31cに印加する電圧の極性の偏りに
より、固定子22の絶縁層30が帯電するのを防止する
ことができ、この帯電により移動子21の電極27a〜
27cと固定子22の電極31a〜31cの間に作用す
る静電力が減殺されることによる移動子21の駆動力の
低下を防ぐことができる。
【0047】また、本実施形態の静電アクチュエータで
は、移動子21が固定子22に対して電極ピッチP分移
動するまでに、4ステップ分の電圧の切替が行われるた
め、移動子21の移動が円滑になる。さらに、この第2
実施形態では、固定子22の電極31a,31bに対し
て、“+”、“+/2”、“0”、“−/2”、“−”
の5種類の極性及び電圧値の電圧を切り替えて印加する
ため、移動子が一層滑らかに移動する。
【0048】なお、操作スイッチ24が“左側に移動”
に設定された場合には、固定子22の電極30a,30
bに対して同一パターンで、かつV相及びW相の電極3
1b,31cに対して、U相の電極31aより4ステッ
プ、8ステップ分だけ位相を遅らせて、極性を切り替え
て電圧を印加すればよい。
【0049】本発明は、上記した実施形態に限定される
ものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上記
第1実施形態では、図3中、二点鎖線で示すように、固
定子22の電極31a,31bに対して印加する電圧を
“−”、“+”及び“0”の3種類としても移動子21
を駆動することができる。また、上記実施形態では、移
動子21の電極27a〜27cに対して極性を固定して
電圧を印加し、固定子22の電極30a〜30cに対し
て極性を切り替えて電圧を印加しているが、移動子21
の電極27a〜27cに対して極性を切り替えて電圧を
印加し、固定子22の電極31a〜31cに対して固定
的に電圧を印加してもよい。
【0050】
【発明の効果】請求項1の静電アクチュエータでは、固
定子または移動子のいずれか一方に、印加される極性を
切り替えた電圧を、1周期の間に印加される電圧の総和
が0となるようにしているため、極性を切り替えて印加
する電圧の極性の偏りにより、固定子または移動子が帯
電するのを防止することができる。そのため、この固定
子または移動子の帯電により、移動子の電極と固定子の
電極の間に作用する静電力が減殺されることにより移動
子の駆動力が低下するのを防止することができる。
【0051】請求項2では、極性を切り替えて印加する
電圧の各ステップ毎に、各相の電極に印加される電圧の
総和を0としているため、上記極性を切り替えて印加す
る電圧の極性の偏りによる帯電を一層確実に防止し、移
動子に対する駆動力の低下を防止することができる。
【0052】請求項3では、上記極性を切り替えて印加
する電圧の複数のステップ毎に、移動子が電極ピッチ分
移動するため、移動子を円滑に作動させることができ
る。
【0053】請求項4では、第1の電圧値の正の電圧
と、該第1の電圧値よりも小さい第2の電圧値の正の電
圧と、第1の電圧値の負の電圧と、該第1の電圧値より
も小さい第2の電圧値の負の電圧値と、電位0の5種類
の間で電圧を切り替えて電圧を印加するため、移動子を
一層円滑に作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係る静電アクチュエ
ータを示す概略回路図である。
【図2】 (A)は移動子を示す部分平面図、(B)は
固定子を示す部分平面図である。
【図3】 第1実施形態の静電アクチュエータに印加す
る電圧の波形を示す波形図である。
【図4】 (A)〜(F)は、第1実施形態の作動を示
す概略図である。
【図5】 (A)〜(D)は、第1実施形態の作動を示
す概略図である。
【図6】 (A)〜(C)は、第1実施形態の作動を示
す概略図である。
【図7】 本発明の第2実施形態に係る静電アクチュエ
ータを示す概略回路図である。
【図8】 第2実施形態に係る静電アクチュエータに印
加する電圧の波形を示す波形図である。
【図9】 (A)〜(F)は、第2実施形態の作動を示
す概略図である。
【図10】 (A)〜(D)は、第2実施形態の作動を
示す概略図である。
【図11】 (A)〜(C)は、第2実施形態の作動を
示す概略図である。
【図12】 従来の静電アクチュエータの一例を示す概
略図である。
【図13】 図12の静電アクチュエータに印加する電
圧の波形を示す波形図である。
【図14】 従来の静電アクチュエータの他の例を示す
概略図である。
【図15】 図14の静電アクチュエータに印加する電
圧を示す波形図である。
【図16】 従来の他の静電アクチュエータに印加する
電圧の一例を示す波形図である。
【符号の説明】
21 移動子 22 固定子 23 制御手段 24 操作スイッチ 25 高電圧源 27a,27b,27c,31a,31b,31c 電
極 34A〜34I 抵抗 R1〜R11 リレー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁層に複数の電極を配設した固定子
    と、 絶縁層に複数の電極を配設し、固定子に対して移動可能
    に対向して配置した移動子とを備え、上記移動子の電極
    と固定子の電極のいずれか一方に極性を固定して電圧を
    印加し、いずれか他方に周期的に極性を切り替えて電圧
    を印加し、移動子の電極と固定子の電極の間に生じる吸
    引力と反発力により移動子を駆動する静電アクチュエー
    タであって、 上記移動子及び固定子の電極をそれぞれ二つ置きに配設
    した電極毎に互いに接続して3相とすると共に、上記移
    動子及び固定子のいずか一方の電極に極性を切り替えて
    印加する電圧は、1周期の間に印加される電圧の総和が
    0となることを特徴とする静電アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 上記極性を切り替えて印加する電圧の各
    ステップ毎に、各相の電極に印加される電圧の総和が0
    となるようにしている請求項1に記載の静電アクチュエ
    ータ。
  3. 【請求項3】 上記極性を切り替えて印加する電圧の複
    数のステップ毎に、移動子が電極ピッチ分移動すること
    を特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電アク
    チュエータ。
  4. 【請求項4】 第1の電圧値の正の電圧と、該第1の電
    圧値よりも小さい第2の電圧値の正の電圧と、第1の電
    圧値の負の電圧と、該第1の電圧値よりも小さい第2の
    電圧値の負の電圧値と、電位0の5種類の間で切り替え
    て電圧を印加する構成としていることを特徴とする請求
    項1から請求項3のいずれか1項に記載の静電アクチュ
    エータ。
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