JPH09280640A - ケミカルフィルター及びその交換方法 - Google Patents
ケミカルフィルター及びその交換方法Info
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- Air Filters, Heat-Exchange Apparatuses, And Housings Of Air-Conditioning Units (AREA)
- Treating Waste Gases (AREA)
- Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 吸着能力を十分に活用してランニングコスト
を低減することのできるケミカルフィルター及びその交
換方法を提供する。 【解決手段】 複数個の薄型フィルター1,2を重ね合
わせて使用することでケミカルフィルターを厚さ方向に
複数個に分割可能にし、フィルター交換時には除去能力
の低下した上流側のフィルター1のみを廃棄し下流側の
フィルター2は再利用する。実効的な寿命となったとき
にもまだフィルターが有している吸着能力を有効に利用
できるので、全体として無駄を少なくしランニングコス
トを低減することができる。
を低減することのできるケミカルフィルター及びその交
換方法を提供する。 【解決手段】 複数個の薄型フィルター1,2を重ね合
わせて使用することでケミカルフィルターを厚さ方向に
複数個に分割可能にし、フィルター交換時には除去能力
の低下した上流側のフィルター1のみを廃棄し下流側の
フィルター2は再利用する。実効的な寿命となったとき
にもまだフィルターが有している吸着能力を有効に利用
できるので、全体として無駄を少なくしランニングコス
トを低減することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体露光装置の
空調システムに適用されてガス状不純物を除去するケミ
カルフィルター及びその交換方法に関する。
空調システムに適用されてガス状不純物を除去するケミ
カルフィルター及びその交換方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体露光装置において、クリー
ンルーム環境中に一般的に含まれる微量のイオン性不純
物あるいは有機性不純物が露光光と光化学的に反応して
光路中の光学部材に堆積し、光学部材の透過率や反射率
を低下させる現象があった。
ンルーム環境中に一般的に含まれる微量のイオン性不純
物あるいは有機性不純物が露光光と光化学的に反応して
光路中の光学部材に堆積し、光学部材の透過率や反射率
を低下させる現象があった。
【0003】また、半導体回路の集積度を増すために、
露光光として紫外域あるいは遠紫外域の光を用いる場
合、感光材料として化学増幅型レジストを使用すること
が多い。化学増幅型レジストは、露光によりレジスト内
で酸が発生し、引き続いて行うベークによってその酸が
触媒となって溶解の促進あるいは架橋といった反応を引
き起こすものである。このタイプのレジストを使用する
場合、環境中にアンモニアやアミン類等の塩基性ガスが
存在すると、これらの塩基性ガスが露光によって発生し
た酸と中和反応を起こしてしまい、所望のパターンを形
成することができないという問題が生じる。
露光光として紫外域あるいは遠紫外域の光を用いる場
合、感光材料として化学増幅型レジストを使用すること
が多い。化学増幅型レジストは、露光によりレジスト内
で酸が発生し、引き続いて行うベークによってその酸が
触媒となって溶解の促進あるいは架橋といった反応を引
き起こすものである。このタイプのレジストを使用する
場合、環境中にアンモニアやアミン類等の塩基性ガスが
存在すると、これらの塩基性ガスが露光によって発生し
た酸と中和反応を起こしてしまい、所望のパターンを形
成することができないという問題が生じる。
【0004】このように、環境中にイオン性不純物又は
有機性不純物などの不純物が存在すると半導体露光プロ
セスにおいて大きな妨げとなるので、除去する必要があ
る。露光装置には一般に塵埃を除去するためのHEPA
あるいはULPAといったパーティクルフィルターが搭
載されているが、前記イオン性不純物あるいは有機性不
純物はガス状の不純物であるため、これらのパーティク
ルフィルターでは除去することができない。
有機性不純物などの不純物が存在すると半導体露光プロ
セスにおいて大きな妨げとなるので、除去する必要があ
る。露光装置には一般に塵埃を除去するためのHEPA
あるいはULPAといったパーティクルフィルターが搭
載されているが、前記イオン性不純物あるいは有機性不
純物はガス状の不純物であるため、これらのパーティク
ルフィルターでは除去することができない。
【0005】そこで、これらのガス状不純物を除去する
ために、近年ケミカルフィルターが導入されている。ケ
ミカルフィルターは大きく分けて2つのタイプに分類さ
れる。第1のタイプのものは、イオン交換繊維によって
ガスを中和して除去するもので、酸用と塩基用の2種類
があり、目的とするガスの極性によって使い分ける。第
2のタイプのものは活性炭を利用したもので、物理吸着
による不純物の除去、さらにはその物理吸着性を利用し
て酸性又は塩基性の薬品を添着して、化学吸着によるイ
オン性物質の除去を行う。この場合、イオン交換繊維で
は除去しきれない有機性不純物も除去することができ
る。いずれのケミカルフィルターも薄板状の形状に形成
できる。
ために、近年ケミカルフィルターが導入されている。ケ
ミカルフィルターは大きく分けて2つのタイプに分類さ
れる。第1のタイプのものは、イオン交換繊維によって
ガスを中和して除去するもので、酸用と塩基用の2種類
があり、目的とするガスの極性によって使い分ける。第
2のタイプのものは活性炭を利用したもので、物理吸着
による不純物の除去、さらにはその物理吸着性を利用し
て酸性又は塩基性の薬品を添着して、化学吸着によるイ
オン性物質の除去を行う。この場合、イオン交換繊維で
は除去しきれない有機性不純物も除去することができ
る。いずれのケミカルフィルターも薄板状の形状に形成
できる。
【0006】これらのケミカルフィルターは目的に応じ
て選択され、装置内に搭載される。光学部材の曇り防止
を目的とする場合は、露光光パワーが強いことによって
光学部材の曇りが激しい照明系部に使用すると効果的で
ある。具体的には、水銀ランプ等の光源やレンズ、ミラ
ー等からなる照明系部を密閉したチャンバー内に収容
し、このチャンバー内に供給する空冷用ガスの導入口に
ケミカルフィルターを設置する。
て選択され、装置内に搭載される。光学部材の曇り防止
を目的とする場合は、露光光パワーが強いことによって
光学部材の曇りが激しい照明系部に使用すると効果的で
ある。具体的には、水銀ランプ等の光源やレンズ、ミラ
ー等からなる照明系部を密閉したチャンバー内に収容
し、このチャンバー内に供給する空冷用ガスの導入口に
ケミカルフィルターを設置する。
【0007】また化学増幅型レジストを使用する場合な
ど、露光時の環境雰囲気中に存在するガス状不純物が問
題となる場合には、チャンバー空調用空気路中に設置し
てあるHEPAフィルターの前段にケミカルフィルター
を配置することで効果的にチャンバー内の不純物ガスを
除去することができる。特にケミカルフィルターからの
発塵の心配がある場合、HEPAフィルターなどのパー
ティクルフィルターと組み合わせて使用される。
ど、露光時の環境雰囲気中に存在するガス状不純物が問
題となる場合には、チャンバー空調用空気路中に設置し
てあるHEPAフィルターの前段にケミカルフィルター
を配置することで効果的にチャンバー内の不純物ガスを
除去することができる。特にケミカルフィルターからの
発塵の心配がある場合、HEPAフィルターなどのパー
ティクルフィルターと組み合わせて使用される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】対象ガスを化学反応に
よって除去するケミカルフィルターは、フィルター内で
反応が全て終了すると寿命となる。また、活性炭を用い
て物理吸着で不純物除去を行うタイプのケミカルフィル
ターも、あるレベル以上吸着すると飽和して寿命とな
る。その寿命は、環境中の対象ガス濃度、湿度、フィル
ターの面積及び厚さ(反応物質の量)、フィルターに送
り込まれる空気(あるいは窒素ガス等の置換ガス)の風
速などに依存する。
よって除去するケミカルフィルターは、フィルター内で
反応が全て終了すると寿命となる。また、活性炭を用い
て物理吸着で不純物除去を行うタイプのケミカルフィル
ターも、あるレベル以上吸着すると飽和して寿命とな
る。その寿命は、環境中の対象ガス濃度、湿度、フィル
ターの面積及び厚さ(反応物質の量)、フィルターに送
り込まれる空気(あるいは窒素ガス等の置換ガス)の風
速などに依存する。
【0009】実際の半導体製造装置でのケミカルフィル
ターの使用に当たっては、ケミカルフィルター通過後の
ガス中に不純物ガスがどれだけ含まれているかが問題と
なるので、実使用条件下で2次側、すなわちケミカルフ
ィルターの出口側の不純物ガス濃度が所定の濃度(1p
pb程度)を超えたときがケミカルフィルターの実効的
な寿命である。本明細書では、この実効的な寿命をもっ
てケミカルフィルターの寿命と定義する。
ターの使用に当たっては、ケミカルフィルター通過後の
ガス中に不純物ガスがどれだけ含まれているかが問題と
なるので、実使用条件下で2次側、すなわちケミカルフ
ィルターの出口側の不純物ガス濃度が所定の濃度(1p
pb程度)を超えたときがケミカルフィルターの実効的
な寿命である。本明細書では、この実効的な寿命をもっ
てケミカルフィルターの寿命と定義する。
【0010】ケミカルフィルターは除去すべき対象ガス
が高濃度のときよく吸着を行うため、ある厚さのフィル
ターに対象ガスを通したとき、まず表面部(上流側)で
よく反応し下流側では次第に低濃度化しているため反応
が鈍くなる。よって、フィルターは上流側から劣化が進
んでいく。このため、下流側の濃度で決定される寿命が
きたときには、一般にフィルターの上流側では反応が終
了し、下流側はまだ反応物質が残っているという状態に
なる。すなわち、ケミカルフィルターは、フィルター全
体としてはまだ吸着能力を残した状態で寿命に達する。
が高濃度のときよく吸着を行うため、ある厚さのフィル
ターに対象ガスを通したとき、まず表面部(上流側)で
よく反応し下流側では次第に低濃度化しているため反応
が鈍くなる。よって、フィルターは上流側から劣化が進
んでいく。このため、下流側の濃度で決定される寿命が
きたときには、一般にフィルターの上流側では反応が終
了し、下流側はまだ反応物質が残っているという状態に
なる。すなわち、ケミカルフィルターは、フィルター全
体としてはまだ吸着能力を残した状態で寿命に達する。
【0011】使用環境の不純物ガスを所定濃度以下に保
つというケミカルフィルターの使用目的を維持するため
には、フィルターが寿命に達する前に交換する必要があ
る。そのためにはケミカルフィルターの2次側にリアル
タイムでガス濃度を測定できるガスセンサーを設置する
ことが望ましいが、対象となる不純物ガス濃度のレベル
はppbのオーダーであり、この低濃度のガスを測定で
きるだけの感度を有し、装置内に設置可能な小型の実用
的なセンサーは現在のところ存在していない。低濃度領
域でのガス濃度測定の方法としては、例えばフィルター
通過後の空気を純水中に通して不純物ガスを水中に濃縮
したのち、イオンクロマトグラフで分析する手法がある
が、半導体製造の妨げとなる可能性もあり、寿命予測の
方法としてはあまり実用的ではない。
つというケミカルフィルターの使用目的を維持するため
には、フィルターが寿命に達する前に交換する必要があ
る。そのためにはケミカルフィルターの2次側にリアル
タイムでガス濃度を測定できるガスセンサーを設置する
ことが望ましいが、対象となる不純物ガス濃度のレベル
はppbのオーダーであり、この低濃度のガスを測定で
きるだけの感度を有し、装置内に設置可能な小型の実用
的なセンサーは現在のところ存在していない。低濃度領
域でのガス濃度測定の方法としては、例えばフィルター
通過後の空気を純水中に通して不純物ガスを水中に濃縮
したのち、イオンクロマトグラフで分析する手法がある
が、半導体製造の妨げとなる可能性もあり、寿命予測の
方法としてはあまり実用的ではない。
【0012】また、ケミカルフィルターの寿命はそのま
まランニングコストに跳ね返るものであり、寿命はなる
べく長い方が望ましい。ケミカルフィルターの大きさを
大きくすることにより除去できる不純物の量が増加し、
フィルターの寿命は延びるが、限られた装置サイズの中
に設置可能なフィルターの大きさには限度があり、特に
厚さ方向のサイズを増すことは圧損の面からも限度があ
る。ケミカルフィルターの寿命を左右するその他の要因
(湿度、濃度、風速)についても半導体製造のための条
件を優先して最適化されるため、ケミカルフィルターに
関しては決められた条件の中で如何に寿命を延ばすかと
いう選択肢しか残されていない。また、寿命の予測が曖
昧だと、早め早めの交換となって無駄が生じるため、ラ
ンニングコストの面からも寿命の予測が重要となる。
まランニングコストに跳ね返るものであり、寿命はなる
べく長い方が望ましい。ケミカルフィルターの大きさを
大きくすることにより除去できる不純物の量が増加し、
フィルターの寿命は延びるが、限られた装置サイズの中
に設置可能なフィルターの大きさには限度があり、特に
厚さ方向のサイズを増すことは圧損の面からも限度があ
る。ケミカルフィルターの寿命を左右するその他の要因
(湿度、濃度、風速)についても半導体製造のための条
件を優先して最適化されるため、ケミカルフィルターに
関しては決められた条件の中で如何に寿命を延ばすかと
いう選択肢しか残されていない。また、寿命の予測が曖
昧だと、早め早めの交換となって無駄が生じるため、ラ
ンニングコストの面からも寿命の予測が重要となる。
【0013】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みてなされたものであり、吸着能力を十分に活用して
ランニングコストを低減することのできるケミカルフィ
ルター及びその交換方法を提供することを目的とする。
鑑みてなされたものであり、吸着能力を十分に活用して
ランニングコストを低減することのできるケミカルフィ
ルター及びその交換方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明では、複数個の薄
型フィルターを重ね合わせて使用することでケミカルフ
ィルターを厚さ方向に複数個に分割可能にし、フィルタ
ー交換時には除去能力の低下した上流側のフィルターの
みを廃棄し、下流側のフィルターは新品の薄型フィルタ
ーの上流側に配置して再利用することで前記目的を達成
する。
型フィルターを重ね合わせて使用することでケミカルフ
ィルターを厚さ方向に複数個に分割可能にし、フィルタ
ー交換時には除去能力の低下した上流側のフィルターの
みを廃棄し、下流側のフィルターは新品の薄型フィルタ
ーの上流側に配置して再利用することで前記目的を達成
する。
【0015】本発明によると、実効的な寿命となったと
きにもまだフィルターが有している吸着能力を有効に利
用できるので、全体として無駄を少なくしランニングコ
ストを低減することができる。
きにもまだフィルターが有している吸着能力を有効に利
用できるので、全体として無駄を少なくしランニングコ
ストを低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。図2は、ケミカルフィルタ
ーを搭載した半導体露光装置の空調システムの概略図で
ある。空調システム21は、本体チャンバー22内を空
調するために、温度調整機23、ファン24、HEPA
フィルターやULPAフィルターなどのパーティクルフ
ィルター25等で構成され、また、ケミカルフィルター
CFは一般にパーティクルフィルター25の上流側(空
気流の方向に関して)に取り付けられている。ケミカル
フィルターCFをパーティクルフィルター25の上流側
に取り付けることにより、ケミカルフィルターCFから
異物が発生してもそれを除去することができる。ケミカ
ルフィルターCFの設置場所は、図示した箇所の他にも
チャンバーの外気取り入れ口や、照明系の冷却ガス導入
口等が考えられ、目的によって相応しい場所に設置すれ
ばよい。使用環境によっては複数箇所に設置することに
より、より効果的に不純物ガスを除去することができ
る。
施の形態について説明する。図2は、ケミカルフィルタ
ーを搭載した半導体露光装置の空調システムの概略図で
ある。空調システム21は、本体チャンバー22内を空
調するために、温度調整機23、ファン24、HEPA
フィルターやULPAフィルターなどのパーティクルフ
ィルター25等で構成され、また、ケミカルフィルター
CFは一般にパーティクルフィルター25の上流側(空
気流の方向に関して)に取り付けられている。ケミカル
フィルターCFをパーティクルフィルター25の上流側
に取り付けることにより、ケミカルフィルターCFから
異物が発生してもそれを除去することができる。ケミカ
ルフィルターCFの設置場所は、図示した箇所の他にも
チャンバーの外気取り入れ口や、照明系の冷却ガス導入
口等が考えられ、目的によって相応しい場所に設置すれ
ばよい。使用環境によっては複数箇所に設置することに
より、より効果的に不純物ガスを除去することができ
る。
【0017】図3は、従来のケミカルフィルターの断面
図であって、部材3は活性炭やイオン交換繊維からなる
ケミカルフィルター、矢印は空気の流れを示している。
不純物を含む空気をケミカルフィルター3に通すことに
より、イオン性の不純物は化学吸着される。活性炭ケミ
カルフィルターを用いる場合は、その他の有機系の不純
物も物理吸着によって除去される。一般に、不純物ガス
の濃度が高い方がケミカルフィルターの吸着効率も高い
ため、直接空気にさらされるフィルターの上流側では高
効率で不純物を吸着し、フィルター内では下流側に行く
にしたがって不純物濃度が低下するため、吸着効率も低
くなる。
図であって、部材3は活性炭やイオン交換繊維からなる
ケミカルフィルター、矢印は空気の流れを示している。
不純物を含む空気をケミカルフィルター3に通すことに
より、イオン性の不純物は化学吸着される。活性炭ケミ
カルフィルターを用いる場合は、その他の有機系の不純
物も物理吸着によって除去される。一般に、不純物ガス
の濃度が高い方がケミカルフィルターの吸着効率も高い
ため、直接空気にさらされるフィルターの上流側では高
効率で不純物を吸着し、フィルター内では下流側に行く
にしたがって不純物濃度が低下するため、吸着効率も低
くなる。
【0018】また、ケミカルフィルターの吸着効率は既
に吸着した不純物の量にも依存し、時間経過に伴って不
純物の吸着が進むと、吸着効率は低下していく。フィル
ター上流側は早くから吸着が進むため、吸着効率の劣化
も大きい。図4は、ケミカルフィルターの不純物除去効
率をシミュレーションしたものであり、図4(a)はフ
ィルター出口側の不純物濃度Cの時間変化を表し、図4
(b)は不純物の総吸着量Qの時間変化を表す。ケミカ
ルフィルターの厚さ方向の振る舞いを見るために、図5
(a)に示すように、フィルターを厚さ方向に便宜的に
6等分し、各分割部分を上流側から深さd=1,2,
…,6とした。
に吸着した不純物の量にも依存し、時間経過に伴って不
純物の吸着が進むと、吸着効率は低下していく。フィル
ター上流側は早くから吸着が進むため、吸着効率の劣化
も大きい。図4は、ケミカルフィルターの不純物除去効
率をシミュレーションしたものであり、図4(a)はフ
ィルター出口側の不純物濃度Cの時間変化を表し、図4
(b)は不純物の総吸着量Qの時間変化を表す。ケミカ
ルフィルターの厚さ方向の振る舞いを見るために、図5
(a)に示すように、フィルターを厚さ方向に便宜的に
6等分し、各分割部分を上流側から深さd=1,2,
…,6とした。
【0019】時間tにおいて、深さdの分割フィルター
で既に吸着した不純物量はQt,dであり、入口側不純物
濃度はCt,d-1、出口側不純物濃度はCt,dであるものと
する。図4(a)において、使用環境での空気中の不純
物濃度(フィルター上流側濃度)をC0とし、また、フ
ィルター全体の実効的な寿命判定の基準となるフィルタ
ー通過後濃度をCthとした。ここでは、最も下流側の深
さd=6の分割部分の出口濃度Ct,6がCthとなる時間
T0がフィルターの寿命となる。
で既に吸着した不純物量はQt,dであり、入口側不純物
濃度はCt,d-1、出口側不純物濃度はCt,dであるものと
する。図4(a)において、使用環境での空気中の不純
物濃度(フィルター上流側濃度)をC0とし、また、フ
ィルター全体の実効的な寿命判定の基準となるフィルタ
ー通過後濃度をCthとした。ここでは、最も下流側の深
さd=6の分割部分の出口濃度Ct,6がCthとなる時間
T0がフィルターの寿命となる。
【0020】また、図4(b)では、6分割した各分割
部分でのフィルターの吸着可能な不純物の量をQmaxと
した。フィルター寿命(時間T0)時の深さ方向の吸着
量分布を見ると、深さd=1では吸着量がかなり上限Q
maxに近づいているのに対し、深さd=6では吸着量は
まだ僅かで、吸着能力を残していることが分かる。この
ように、従来のケミカルフィルターでは寿命による交換
時にフィルター下流側の吸着能力を無駄にしていること
が分かる。
部分でのフィルターの吸着可能な不純物の量をQmaxと
した。フィルター寿命(時間T0)時の深さ方向の吸着
量分布を見ると、深さd=1では吸着量がかなり上限Q
maxに近づいているのに対し、深さd=6では吸着量は
まだ僅かで、吸着能力を残していることが分かる。この
ように、従来のケミカルフィルターでは寿命による交換
時にフィルター下流側の吸着能力を無駄にしていること
が分かる。
【0021】次に、本発明の一例として、従来の半分の
厚さのフィルター(以下、1/2厚フィルターという)
を2段重ねしたケミカルフィルターの例について説明す
る。フィルターの構造は図1に示すとおりであり、上流
側のフィルター1(以下、上段フィルターという)と下
流側のフィルター2(以下、下段フィルターという)と
からなる。矢印は空気流を表す。ここでも計算のため、
図5(b)に示すように、便宜上各フィルターを厚さ方
向に3等分して考える。深さも同様にd=1,2,3
(上段フィルター)、d=4,5,6(下段フィルタ
ー)とする。上段フィルター1と下段フィルター2から
なる2段フィルターの総厚は、図3に示した従来型のフ
ィルターと等しく、また、図5(b)に示した各分割部
分の厚さは図5(a)に示した各分割部分の厚さに等し
い。
厚さのフィルター(以下、1/2厚フィルターという)
を2段重ねしたケミカルフィルターの例について説明す
る。フィルターの構造は図1に示すとおりであり、上流
側のフィルター1(以下、上段フィルターという)と下
流側のフィルター2(以下、下段フィルターという)と
からなる。矢印は空気流を表す。ここでも計算のため、
図5(b)に示すように、便宜上各フィルターを厚さ方
向に3等分して考える。深さも同様にd=1,2,3
(上段フィルター)、d=4,5,6(下段フィルタ
ー)とする。上段フィルター1と下段フィルター2から
なる2段フィルターの総厚は、図3に示した従来型のフ
ィルターと等しく、また、図5(b)に示した各分割部
分の厚さは図5(a)に示した各分割部分の厚さに等し
い。
【0022】ケミカルフィルターの使用開始時には、上
段、下段フィルターとも新品のフィルターを使用するた
め、不純物吸着の挙動は従来型フィルターと同様であ
り、各分割部分を通過後の不純物濃度Cや各分割部分の
吸着量Qの時間変化は図4(a),(b)と同じにな
る。したがって、時間T0で寿命となり、フィルター交
換が必要となる。
段、下段フィルターとも新品のフィルターを使用するた
め、不純物吸着の挙動は従来型フィルターと同様であ
り、各分割部分を通過後の不純物濃度Cや各分割部分の
吸着量Qの時間変化は図4(a),(b)と同じにな
る。したがって、時間T0で寿命となり、フィルター交
換が必要となる。
【0023】このとき、前述の通り、下流部に配置され
た下段フィルター2は、まだ吸着能力を残しているの
で、廃棄せずにフィルター交換後の上段フィルターとし
て利用する。下段には新品の1/2厚フィルターを使用
する。この状態で同様に、上段フィルター及び下段フィ
ルターを厚さ方向に各々3分割して、不純物濃度C及び
吸着量Qの時間変化を調べたものが図6(a),(b)
である。この時、図5(c)に示すように、各フィルタ
ーの分割部分を深さ方向にd=4,5,6(上段フィル
ター)、d=7,8,9(下段フィルター)としてい
る。不純物吸着量Qについて図6(b)と図4(b)と
比較すると、図4(b)では新品のフィルターを使用し
ているので、全ての深さで不純物吸着量0からスタート
しているが、図6(b)では上段に既に使用してある程
度不純物を吸着したフィルターを使用しているため、深
さd=4〜6まではその吸着量からのスタートとなって
いる。
た下段フィルター2は、まだ吸着能力を残しているの
で、廃棄せずにフィルター交換後の上段フィルターとし
て利用する。下段には新品の1/2厚フィルターを使用
する。この状態で同様に、上段フィルター及び下段フィ
ルターを厚さ方向に各々3分割して、不純物濃度C及び
吸着量Qの時間変化を調べたものが図6(a),(b)
である。この時、図5(c)に示すように、各フィルタ
ーの分割部分を深さ方向にd=4,5,6(上段フィル
ター)、d=7,8,9(下段フィルター)としてい
る。不純物吸着量Qについて図6(b)と図4(b)と
比較すると、図4(b)では新品のフィルターを使用し
ているので、全ての深さで不純物吸着量0からスタート
しているが、図6(b)では上段に既に使用してある程
度不純物を吸着したフィルターを使用しているため、深
さd=4〜6まではその吸着量からのスタートとなって
いる。
【0024】ここで、フィルター1回交換後の2分割フ
ィルターの寿命T1を前記と同じ基準(下流濃度がCth
となる)で求めると、T0より小さい値となる。これは
上段のフィルターが最初から多少の劣化をしていたこと
を考えれば当然の結果である。ただし、図4(b)から
も分かるとおり、劣化の度合いはあまり大きくないた
め、T1はT0に対して極端に(例えば半分以下)小さく
なることはない。
ィルターの寿命T1を前記と同じ基準(下流濃度がCth
となる)で求めると、T0より小さい値となる。これは
上段のフィルターが最初から多少の劣化をしていたこと
を考えれば当然の結果である。ただし、図4(b)から
も分かるとおり、劣化の度合いはあまり大きくないた
め、T1はT0に対して極端に(例えば半分以下)小さく
なることはない。
【0025】n回目(n=1,2,…)のフィルター交
換においても同様に劣化の進んだ上段フィルターを除
き、使用中の下段フィルターを上段に、新規のフィルタ
ーを下段に設置していく。n回目のフィルター交換をし
た後のフィルターの寿命Tnをシミュレーションで求め
ると、nが増加してもTnはそれほど低減していかず、
比較的T1に近い値のまま落ちつく。これは寿命の定義
を下流濃度が一定値Cthになるときとしたためで、その
条件を満たすときのフィルターの吸着状態はほぼ同様で
あり、それを上段にもってくることを繰り返しても寿命
はあまり変化しないためであると考えられる。
換においても同様に劣化の進んだ上段フィルターを除
き、使用中の下段フィルターを上段に、新規のフィルタ
ーを下段に設置していく。n回目のフィルター交換をし
た後のフィルターの寿命Tnをシミュレーションで求め
ると、nが増加してもTnはそれほど低減していかず、
比較的T1に近い値のまま落ちつく。これは寿命の定義
を下流濃度が一定値Cthになるときとしたためで、その
条件を満たすときのフィルターの吸着状態はほぼ同様で
あり、それを上段にもってくることを繰り返しても寿命
はあまり変化しないためであると考えられる。
【0026】結局、2段タイプではフィルター交換1回
目以降の寿命はT1,T2,…(<T0)となって交換時
期は多少早まるが、1つのフィルターをフィルター交換
n回目、及びn+1回目の2回用いているため、実際の
寿命はTn+Tn+1となり、従来型の寿命(T0で一定)
よりも長くなることが分かる。
目以降の寿命はT1,T2,…(<T0)となって交換時
期は多少早まるが、1つのフィルターをフィルター交換
n回目、及びn+1回目の2回用いているため、実際の
寿命はTn+Tn+1となり、従来型の寿命(T0で一定)
よりも長くなることが分かる。
【0027】ランニングコスト(単位期間当たりのコス
ト)の計算例を図7に示す。ここで、実線は従来のフィ
ルターのコストを示し、破線は本発明による2段フィル
ターのコストを示している。図7(a)は、単純に2段
フィルターに使用する1/2厚フィルターを従来型フィ
ルターのコストの1/2にして計算したもので、2段フ
ィルターの方がコスト的に優れていることが明らかであ
る。図7(b)は、1/2厚フィルターのコストを従来
型フィルターのコストの0.7倍とし、交換作業のコス
トも考慮したものである。使用初期は従来型フィルタの
方が低コストであるが、フィルター交換を繰り返すうち
に逆に2段フィルターの方が低コストになっていくこと
が分かる。
ト)の計算例を図7に示す。ここで、実線は従来のフィ
ルターのコストを示し、破線は本発明による2段フィル
ターのコストを示している。図7(a)は、単純に2段
フィルターに使用する1/2厚フィルターを従来型フィ
ルターのコストの1/2にして計算したもので、2段フ
ィルターの方がコスト的に優れていることが明らかであ
る。図7(b)は、1/2厚フィルターのコストを従来
型フィルターのコストの0.7倍とし、交換作業のコス
トも考慮したものである。使用初期は従来型フィルタの
方が低コストであるが、フィルター交換を繰り返すうち
に逆に2段フィルターの方が低コストになっていくこと
が分かる。
【0028】このように、本発明による2段フィルター
は、従来型フィルターで無駄にしていたフィルター下流
部の吸着能力を有効に利用しているため、結果的に寿命
が長く、ランニングコストの低いフィルターとなる。
は、従来型フィルターで無駄にしていたフィルター下流
部の吸着能力を有効に利用しているため、結果的に寿命
が長く、ランニングコストの低いフィルターとなる。
【0029】次に、ケミカルフィルターの寿命予測につ
いて述べる。クリーンルーム等の使用環境の湿度や不純
物濃度、空調系で使用するときはその風速、そしてケミ
カルフィルターの除去性能が分かればある程度の寿命は
予測できる。しかし、確実なのは寿命に達する前のある
程度使用したフィルターを余命分析し、寿命を推定する
ことである。
いて述べる。クリーンルーム等の使用環境の湿度や不純
物濃度、空調系で使用するときはその風速、そしてケミ
カルフィルターの除去性能が分かればある程度の寿命は
予測できる。しかし、確実なのは寿命に達する前のある
程度使用したフィルターを余命分析し、寿命を推定する
ことである。
【0030】余命分析には、既に所定の寿命に達したフ
ィルター(以下、寿命フィルターという)をサンプルと
して用意する。この寿命フィルターは、クリーンルーム
環境程度の低濃度の不純物環境中でフィルターの下流側
不純物濃度をモニターして寿命になったことを確認した
ものであり、同じ基準で寿命となったフィルターの不純
物吸着状態はほぼ同様であるという前提に基づいて、比
較用サンプルとして使用する。
ィルター(以下、寿命フィルターという)をサンプルと
して用意する。この寿命フィルターは、クリーンルーム
環境程度の低濃度の不純物環境中でフィルターの下流側
不純物濃度をモニターして寿命になったことを確認した
ものであり、同じ基準で寿命となったフィルターの不純
物吸着状態はほぼ同様であるという前提に基づいて、比
較用サンプルとして使用する。
【0031】余命分析の1つの方法は、寿命フィルター
及び使用中のフィルターの下流側不純物濃度をイオンク
ロマトグラフィー等によって測定し、比較する方法であ
る。ただし、この方法では、濃度測定時に対象となる不
純物が限定される。例えば、イオンクロマトグラフィー
では水溶性の不純物しか測定できないため、活性炭フィ
ルターのようにイオン性物質ではない不純物も同時に吸
着する場合には、それらの不純物による劣化は測定する
ことができない。
及び使用中のフィルターの下流側不純物濃度をイオンク
ロマトグラフィー等によって測定し、比較する方法であ
る。ただし、この方法では、濃度測定時に対象となる不
純物が限定される。例えば、イオンクロマトグラフィー
では水溶性の不純物しか測定できないため、活性炭フィ
ルターのようにイオン性物質ではない不純物も同時に吸
着する場合には、それらの不純物による劣化は測定する
ことができない。
【0032】また、別の方法として、加速試験による余
命分析がある。この方法では、新品のフィルター及び寿
命フィルターをサンプルとして用意し、高濃度の不純物
ガス吹き込みによる加速試験によってフィルターの不純
物除去率〔(上流側濃度−下流側濃度)/上流側濃度〕
が0%となるまでの、時間に対する除去率曲線のデータ
をとっておく。除去率曲線の例を図8に示す。図8中、
実線Rnが新品フィルターの除去率曲線、破線Roが寿
命フィルターの除去率曲線である。そして、余命分析の
対象となる使用中フィルターでも同様のデータRu(点
線)をとり、使用中のフィルターの除去率曲線Ruが新
品フィルターの除去率曲線Rnと寿命フィルターの除去
率曲線Roの間のどこに位置するかにより、使用中フィ
ルターの余命や寿命を推定する。例えば、使用中フィル
ターの除去率曲線が新品フィルターの除去率曲線と寿命
フィルターの除去率曲線の真ん中に位置していれば、そ
のフィルターの余命は使用を開始してから余命測定を行
うまでの期間の2倍であると推定できる。これらの余命
分析はいずれも破壊検査であるため、分析に用いた使用
中フィルターは再利用できないが、求めた寿命データは
今後のフィルター交換時間の目安として利用することが
できる。
命分析がある。この方法では、新品のフィルター及び寿
命フィルターをサンプルとして用意し、高濃度の不純物
ガス吹き込みによる加速試験によってフィルターの不純
物除去率〔(上流側濃度−下流側濃度)/上流側濃度〕
が0%となるまでの、時間に対する除去率曲線のデータ
をとっておく。除去率曲線の例を図8に示す。図8中、
実線Rnが新品フィルターの除去率曲線、破線Roが寿
命フィルターの除去率曲線である。そして、余命分析の
対象となる使用中フィルターでも同様のデータRu(点
線)をとり、使用中のフィルターの除去率曲線Ruが新
品フィルターの除去率曲線Rnと寿命フィルターの除去
率曲線Roの間のどこに位置するかにより、使用中フィ
ルターの余命や寿命を推定する。例えば、使用中フィル
ターの除去率曲線が新品フィルターの除去率曲線と寿命
フィルターの除去率曲線の真ん中に位置していれば、そ
のフィルターの余命は使用を開始してから余命測定を行
うまでの期間の2倍であると推定できる。これらの余命
分析はいずれも破壊検査であるため、分析に用いた使用
中フィルターは再利用できないが、求めた寿命データは
今後のフィルター交換時間の目安として利用することが
できる。
【0033】本発明の一例である2段型フィルターにお
いても、所定の寿命となった2段フィルターをサンプル
として用意すれば、これらの方法によって使用中の2段
フィルターの余命を推定できる。ただし加速試験の場
合、比較用にさらに新品の1/2厚フィルターが必要と
なる。余命測定は1段のみ行えばよく、加速実験で余命
測定する場合には、フィルター厚が従来の1/2である
ことから、実験時間もほぼ1/2ですむ。
いても、所定の寿命となった2段フィルターをサンプル
として用意すれば、これらの方法によって使用中の2段
フィルターの余命を推定できる。ただし加速試験の場
合、比較用にさらに新品の1/2厚フィルターが必要と
なる。余命測定は1段のみ行えばよく、加速実験で余命
測定する場合には、フィルター厚が従来の1/2である
ことから、実験時間もほぼ1/2ですむ。
【0034】新品2段フィルターの寿命については、寿
命フィルター上段と新品から使用した使用中フィルター
の上段の比較によって推定することができる。また、本
発明の方法でフィルター交換した後の2段フィルターの
余命については、さらに寿命フィルターサンプルの下段
の余命を測定することによって知ることができる。寿命
フィルターの下段の余命は、即ち、その下段のフィルタ
ーを上段に、新品1/2厚フィルターを下段に設置する
フィルター交換後の寿命と等しいからである。このよう
に2段フィルターの場合でも、寿命フィルターを1個用
意すれば、新品フィルター及びフィルター交換後の寿命
を推定することができる。ただし、フィルター交換後の
寿命については、フィルター交換後の使用中の上段フィ
ルターの余命分析を行うことによって、より確実な予測
がたてられる。
命フィルター上段と新品から使用した使用中フィルター
の上段の比較によって推定することができる。また、本
発明の方法でフィルター交換した後の2段フィルターの
余命については、さらに寿命フィルターサンプルの下段
の余命を測定することによって知ることができる。寿命
フィルターの下段の余命は、即ち、その下段のフィルタ
ーを上段に、新品1/2厚フィルターを下段に設置する
フィルター交換後の寿命と等しいからである。このよう
に2段フィルターの場合でも、寿命フィルターを1個用
意すれば、新品フィルター及びフィルター交換後の寿命
を推定することができる。ただし、フィルター交換後の
寿命については、フィルター交換後の使用中の上段フィ
ルターの余命分析を行うことによって、より確実な予測
がたてられる。
【0035】余命分析は予測される寿命より早い時点で
行うため、従来型の一体型フィルターでは特に下流部は
ほとんど劣化していないという状態で破壊検査を行って
いた。環境の経時変化のモニターを兼ねてフィルターの
余命分析をフィルター毎に行っていくような場合は、従
来型フィルターでは無駄が蓄積し、コスト高となる。こ
れに対して本発明によると、破壊検査にかけるのは上段
フィルターのみですむため、劣化の進んでいない下段フ
ィルターを有効に使うことができる。
行うため、従来型の一体型フィルターでは特に下流部は
ほとんど劣化していないという状態で破壊検査を行って
いた。環境の経時変化のモニターを兼ねてフィルターの
余命分析をフィルター毎に行っていくような場合は、従
来型フィルターでは無駄が蓄積し、コスト高となる。こ
れに対して本発明によると、破壊検査にかけるのは上段
フィルターのみですむため、劣化の進んでいない下段フ
ィルターを有効に使うことができる。
【0036】以上では、ケミカルフィルターを厚さ方向
に2分割した2段フィルターの例で説明したが、3段以
上に更に多数に分割した複数段フィルターを用いてもよ
い。その場合、フィルター交換時には一番上流部のフィ
ルター1段のみを交換してもいし、劣化の度合いの大き
い複数段を交換してもよい。いずれの場合も、新規のフ
ィルターはフィルター交換の際には一番下流側に配置す
ることが望ましい。また、再利用するフィルターは上流
側に取り付けるとき裏返して、すなわち下流側だった面
を上流側にして取り付けてもよい。
に2分割した2段フィルターの例で説明したが、3段以
上に更に多数に分割した複数段フィルターを用いてもよ
い。その場合、フィルター交換時には一番上流部のフィ
ルター1段のみを交換してもいし、劣化の度合いの大き
い複数段を交換してもよい。いずれの場合も、新規のフ
ィルターはフィルター交換の際には一番下流側に配置す
ることが望ましい。また、再利用するフィルターは上流
側に取り付けるとき裏返して、すなわち下流側だった面
を上流側にして取り付けてもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明によると、厚さ方向に複数分割し
た薄型フィルターの重ね合わせでケミカルフィルターを
構成し、フィルター交換の際には劣化の小さい下流側の
フィルターを再利用することにより、フィルターの除去
能力を有効に使うことができ、結果的にランニングコス
トが低下する。寿命予測のための余命分析に当たって
も、破壊検査にかけるフィルターを少なくすることがで
きる。
た薄型フィルターの重ね合わせでケミカルフィルターを
構成し、フィルター交換の際には劣化の小さい下流側の
フィルターを再利用することにより、フィルターの除去
能力を有効に使うことができ、結果的にランニングコス
トが低下する。寿命予測のための余命分析に当たって
も、破壊検査にかけるフィルターを少なくすることがで
きる。
【図1】本発明の一例である2段フィルターの断面模式
図。
図。
【図2】ケミカルフィルターを搭載した半導体露光装置
の空調システムの概略図。
の空調システムの概略図。
【図3】従来のケミカルフィルターの断面模式図。
【図4】従来のケミカルフィルターの不純物除去効率を
シミュレーションした図。
シミュレーションした図。
【図5】シミュレーションのためのフィルターの厚さ方
向分割図。
向分割図。
【図6】本発明によるケミカルフィルターの不純物除去
率をシミュレーションした図。
率をシミュレーションした図。
【図7】従来型ケミカルフィルターと2段フィルターの
ランニングコスト比較図。
ランニングコスト比較図。
【図8】加速実験による余命分析の吸着率曲線を示す
図。
図。
1…上段フィルター、2…下段フィルター、3…従来の
ケミカルフィルター、21…空調システム、22…本体
チャンバー、23…温度調整機、24…ファン、25…
パーティクルフィルター
ケミカルフィルター、21…空調システム、22…本体
チャンバー、23…温度調整機、24…ファン、25…
パーティクルフィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/027 H01L 21/30 516F
Claims (2)
- 【請求項1】 半導体露光装置の中に設置されて雰囲気
中の化学的な不純物を除去するケミカルフィルターであ
って、厚さ方向に複数個に分割可能になっていることを
特徴とするケミカルフィルター。 - 【請求項2】 請求項1に記載されたケミカルフィルタ
ーの交換方法において、使用済みケミカルフィルターの
下流側の部分を上流側に配置して交換用のケミカルフィ
ルターを構成し、前記使用済みケミカルフィルターの下
流側の部分を再利用することを特徴とするケミカルフィ
ルターの交換方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8089691A JPH09280640A (ja) | 1996-04-11 | 1996-04-11 | ケミカルフィルター及びその交換方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8089691A JPH09280640A (ja) | 1996-04-11 | 1996-04-11 | ケミカルフィルター及びその交換方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09280640A true JPH09280640A (ja) | 1997-10-31 |
Family
ID=13977797
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8089691A Pending JPH09280640A (ja) | 1996-04-11 | 1996-04-11 | ケミカルフィルター及びその交換方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09280640A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000208458A (ja) * | 1999-01-13 | 2000-07-28 | Ultra Clean Technology Kaihatsu Kenkyusho:Kk | 基板洗浄装置 |
JP2007229580A (ja) * | 2006-02-28 | 2007-09-13 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 有害ガス除去装置の吸収剤の交換方法 |
JP2012086215A (ja) * | 2011-11-15 | 2012-05-10 | Central Res Inst Of Electric Power Ind | 固定床反応容器及び吸収剤の充填方法 |
JP2019513212A (ja) * | 2016-03-08 | 2019-05-23 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | 空気フィルタ寿命インジケータを含む空気清浄機、及び、空気フィルタの寿命を決定するための方法 |
WO2019204791A1 (en) * | 2018-04-20 | 2019-10-24 | Emerson Climate Technologies, Inc. | Hvac filter usage analysis system |
US11194248B2 (en) | 2018-04-02 | 2021-12-07 | Canon Kabushikikaisha | Method of managing imprint apparatus, imprint apparatus, method of managing planarized layer forming apparatus, and method of manufacturing article |
-
1996
- 1996-04-11 JP JP8089691A patent/JPH09280640A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2019513212A (ja) * | 2016-03-08 | 2019-05-23 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | 空気フィルタ寿命インジケータを含む空気清浄機、及び、空気フィルタの寿命を決定するための方法 |
US11291940B2 (en) | 2016-03-08 | 2022-04-05 | Koninklijke Philips N.V. | Air purifier including air filter life-time indicator and method for determining the life-time of an air filter |
US11194248B2 (en) | 2018-04-02 | 2021-12-07 | Canon Kabushikikaisha | Method of managing imprint apparatus, imprint apparatus, method of managing planarized layer forming apparatus, and method of manufacturing article |
WO2019204791A1 (en) * | 2018-04-20 | 2019-10-24 | Emerson Climate Technologies, Inc. | Hvac filter usage analysis system |
US12018852B2 (en) | 2018-04-20 | 2024-06-25 | Copeland Comfort Control Lp | HVAC filter usage analysis system |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20051213 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051220 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060418 |