JPH09280170A - ピストン式圧縮機 - Google Patents

ピストン式圧縮機

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JPH09280170A
JPH09280170A JP8095372A JP9537296A JPH09280170A JP H09280170 A JPH09280170 A JP H09280170A JP 8095372 A JP8095372 A JP 8095372A JP 9537296 A JP9537296 A JP 9537296A JP H09280170 A JPH09280170 A JP H09280170A
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JP
Japan
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thrust bearing
housing
type compressor
coating layer
piston type
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Pending
Application number
JP8095372A
Other languages
English (en)
Inventor
Isato Ikeda
勇人 池田
Kiichi Ideto
紀一 出戸
Tetsuyuki Kamitoku
哲行 神徳
Naoto Kawamura
川村  尚登
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
Application filed by Toyoda Automatic Loom Works Ltd filed Critical Toyoda Automatic Loom Works Ltd
Priority to JP8095372A priority Critical patent/JPH09280170A/ja
Publication of JPH09280170A publication Critical patent/JPH09280170A/ja
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F05INDEXING SCHEMES RELATING TO ENGINES OR PUMPS IN VARIOUS SUBCLASSES OF CLASSES F01-F04
    • F05CINDEXING SCHEME RELATING TO MATERIALS, MATERIAL PROPERTIES OR MATERIAL CHARACTERISTICS FOR MACHINES, ENGINES OR PUMPS OTHER THAN NON-POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES
    • F05C2253/00Other material characteristics; Treatment of material
    • F05C2253/12Coating

Landscapes

  • Compressor (AREA)
  • Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平座金状のスラストベアリングを使用して、
そのスラストベアリングとカムプレート及びハウジング
との対向摺接面間の焼き付きの起こりにくいピストン式
圧縮機を提供する。 【解決手段】 カムプレート24のボス部24aの両端
面と、それらに対応するシリンダブロック11の受圧座
11aとの間に、平座金状のスラストベアリング26,
27をそれぞれ介装する。カムプレート24及びシリン
ダブロック11と、スラストベアリング26,27との
対向摺接面の少なくとも一方に、摺動性の良好な軟質材
料よりなる被覆層32を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば車両空調
装置等に使用されるピストン式圧縮機に係り、特にカム
プレートのスラスト方向の軸受構成に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】この種のピストン式圧縮機においては、
ハウジングの内部に駆動シャフトが回転可能に挿通支持
されているとともに、クランク室が形成されている。前
記ハウジングの一部を構成するシリンダブロックには複
数のシリンダボアが同一円周上に所定間隔おきで形成さ
れている。各シリンダボア内には、ピストンが往復動可
能に収容されている。前記クランク室内において、駆動
シャフト上にはピストンを往復動させるためのカムプレ
ートが固定されている。そのカムプレートとハウジング
との間には、ニードルベアリングよりなるスラストベア
リングが介装されている。そして、圧縮機の運転時に、
カムプレートに作用するスラスト方向の荷重が、これら
のスラストベアリングを介して、ハウジングで受け止め
られるようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の圧縮機のスラ
ストベアリングにおいて、構造の簡素化、転がり打音の
解消あるいはカムプレートの支持剛性の向上を図るため
に、平座金状のスラストベアリングを使用することが試
みられている。
【0004】ところが、このように平座金状のスラスト
ベアリングでは、カムプレート及びハウジングと、スラ
ストベアリングとの対向摺接面の間に、カムプレートの
回転に伴って潤滑油膜を形成し、動圧軸受を構成させる
必要がある。このため、圧縮機の運転中には、スラスト
ベアリングとその対向摺接面との間に、潤滑油を十分に
供給する必要がある。そして、この潤滑油の供給が不十
分であると、スラストベアリングとその対向摺接面との
間に焼き付きが生じるという問題があった。
【0005】この発明は、このような従来の技術に存在
する問題点に着目してなされたものである。その目的と
するところは、平座金状のスラストベアリングを使用し
て、そのスラストベアリングとカムプレート及びハウジ
ングとの対向摺接面間の焼き付きの起こりにくいピスト
ン式圧縮機を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明では、ハウジングに駆動シ
ャフトを支持するとともに、その駆動シャフトにカムプ
レートを装着し、カムプレートの回転によりピストンが
往復動されるようにしたピストン式圧縮機において、前
記カムプレートとハウジングとの間に平座金状のスラス
トベアリングを介装し、カムプレートに作用するスラス
ト荷重を、スラストベアリングを介してハウジングで支
持するように構成し、前記カムプレート及びハウジング
とスラストベアリングとの対向摺接面の少なくとも一方
に、摺動性の良好な軟質材料よりなる被覆層を形成した
ものである。
【0007】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載のピストン式圧縮機において、前記スラストベアリン
グの両側摺接面に被覆層を形成したものである。請求項
3に記載の発明では、請求項2に記載のピストン式圧縮
機において、前記カムプレートとハウジングとの間に複
数枚のスラストベアリング介装し、少なくとも1枚のス
ラストベアリングの両側摺接面に被覆層を形成したもの
である。
【0008】請求項4に記載の発明では、請求項3に記
載のピストン式圧縮機において、少なくともハウジング
と対向するスラストベアリングの両側摺接面に被覆層を
形成したものである。
【0009】請求項5に記載の発明では、請求項1〜4
のいずれかに記載のピストン式圧縮機において、前記カ
ムプレート及びハウジングの摺接面の少なくとも一方の
被覆層を、二硫化モリブデンコーティングにより形成し
たものである。
【0010】請求項6に記載の発明では、請求項1〜5
のいずれかに記載のピストン式圧縮機において、前記ス
ラストベアリングの摺接面の被覆層を、銀メッキにより
形成したものである。
【0011】請求項7に記載の発明では、請求項1〜5
のいずれかに記載のピストン式圧縮機において、前記ス
ラストベアリングの摺接面の被覆層を、二硫化モリブデ
ンコーティングにより形成したものである。
【0012】請求項8に記載の発明では、請求項1〜7
のいずれかに記載のピストン式圧縮機において、そのピ
ストン式圧縮機を斜板の前後に複数対の圧縮室が配置さ
れる両頭斜板式圧縮機としたものである。
【0013】従って、請求項1及び5〜7に記載のピス
トン式圧縮機の運転時には、ピストンの圧縮動作に基づ
いて、カムプレートに作用するスラスト荷重が、スラス
トベアリングを介してハウジングで受け止められる。こ
のとき、カムプレート及びハウジングとスラストベアリ
ングとの対向摺接面の少なくともいずれか一方には、摺
動性の良好な軟質材料、例えば二硫化モリブデン、銀に
よりなる被覆層が形成されている。このため、カムプレ
ートのハウジングに対する摺動抵抗が前記軟質材料の持
つ固体潤滑性能により低減されて、カムプレートがハウ
ジングに対して円滑に相対回転される。更に、軟質材料
の被覆層は、圧縮機の回転に伴う複雑な摺動状態に対応
して母材に馴染むように変形する。このため、スラスト
ベアリングへの潤滑油の供給が不足がちとなっても、焼
き付きの発生が抑制される。また、潤滑油の供給が十分
行われる通常の運転時には、スラストベアリング及びそ
の対向摺動面の摩耗が低減されて、圧縮機の耐久性が向
上される。
【0014】請求項2に記載のピストン式圧縮機におい
ては、スラストベアリングの両側摺接面に被覆層が形成
されているため、カムプレートのハウジングに対する摺
動抵抗が一層低減される。そして、カムプレートのハウ
ジングに対する相対回転が、一層安定したものとなる。
【0015】請求項3に記載のピストン式圧縮機におい
ては、カムプレートとハウジングとの間に複数枚のスラ
ストベアリングが介装されているため、各スラストベア
リングで回転が分担される。そして、ハウジング側のス
ラストベアリングほど回転が遅いものとなり、同スラス
トベアリングの負担が小さくなって、焼き付きの起こり
にくいものとなる。しかも、少なくとも1枚のスラスト
ベアリングの両側摺接面には被覆層が形成されているた
め、より確実に焼き付きが抑制される。
【0016】請求項4に記載のピストン式圧縮機におい
ては、固定側のハウジングと、そのハウジングに対向す
る可動側のスラストベアリングとの間に、摺動性の良好
な軟質材料よりなる被覆層が介在される。このため、ス
ラストベアリングへの潤滑油の供給が不足がちとなって
も、効果的に焼き付きが抑制される。一般に、圧縮反力
が直接的に作用するカムプレートと比較して、ハウジン
グはアルミニウム等の柔らかい材料により形成されるた
め焼き付き易いが、優先的にこの部分の焼き付きが抑制
される。特に、前記請求項3に記載の発明の作用と相ま
って、被覆層をなす摺動性の良好な軟質材料の持つ固体
潤滑性能を、一層効果的に発揮させることができる。
【0017】請求項8に記載のピストン式圧縮機におい
ては、前後両側から圧縮反力が作用するため摺動状態が
複雑であり、かつ摺動条件の厳しい斜板支持部の焼き付
きが効果的に抑制される。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)以下、この発明を両頭ピストン式圧縮
機に具体化した第1実施形態を、図1及び図2に基づい
て説明する。
【0019】図1に示すように、ハウジングの一部を構
成する一対のシリンダブロック11は、対向端縁におい
て互いに接合されている。同じくハウジングの一部を構
成するフロントハウジング12は、シリンダブロック1
1の前端面にバルブプレート13を介して接合されてい
る。同じくハウジングの一部を構成するリヤハウジング
14は、シリンダブロック11の後端面にバルブプレー
ト13を介して接合されている。そして、前記シリンダ
ブロック11、フロントハウジング12及びリヤハウジ
ング14はアルミニウムまたはアルミニウム合金により
形成されている。
【0020】複数の通しボルト15は、前記フロントハ
ウジング12から両シリンダブロック11及びバルブプ
レート13を通して、リヤハウジング14のネジ孔16
に螺合されている。そして、これらの通しボルト15に
より、フロントハウジング12及びリアハウジング14
がシリンダブロック11の両端面に締結固定されてい
る。
【0021】駆動シャフト17は、前記シリンダブロッ
ク11及びフロントハウジング12の中心に、一対のラ
ジアルベアリング18を介して回転可能に支持されてい
る。その駆動シャフト17の前端外周とフロントハウジ
ング12との間には、リップシール19が介装されてい
る。そして、この駆動シャフト17は、図示しない車両
エンジン等の外部駆動源に作動連結されて、その外部駆
動源により回転駆動される。
【0022】複数のシリンダボア20は、前記駆動シャ
フト17と平行に延びるように、各シリンダブロック1
1の両端部間に同一円周上で所定間隔おきに貫通形成さ
れている。両頭型のピストン21は、各シリンダボア2
0内に往復動可能に嵌挿支持され、それらの両端面とバ
ルブプレート13との間において、各シリンダボア20
内には圧縮室22が形成される。
【0023】クランク室23は、前記両シリンダブロッ
ク11の中間内部に区画形成されている。カムプレート
としての斜板24は、クランク室23内において駆動シ
ャフト17に嵌合固定され、その外周部が一対の半球状
のシュー25を介してピストン21の中間部に係留され
ている。また、この斜板24は、シリンダブロック11
に比べて硬度の高いアルミニウムまたはアルミニウム合
金により形成されている。そして、駆動シャフト17が
回転されるとき、この斜板24を介してピストン21が
往復動される。
【0024】各一対のスラストベアリング26,27
は、斜板24のボス部24aの両端と各シリンダブロッ
ク11の内端の受圧座11aとの間に介装され、これら
のスラストベアリング26,27を介して、斜板24が
両シリンダブロック11間に挟着保持されている。そし
て、圧縮機の運転時に、斜板24に作用するスラスト方
向の荷重が、これらのスラストベアリング26,27を
介してシリンダブロック11で受け止められるようにな
っている。
【0025】吸入室28は、前記フロントハウジング1
2及びリヤハウジング14内の外周部に環状に区画形成
されている。吸入室28は、シリンダブロック11及び
バルブプレート13に形成された吸入通路11bを介し
てクランク室23に連通されている。クランク室23
は、図示しない吸入口を介して外部冷媒回路に接続され
る。吐出室29は、フロントハウジング12及びリヤハ
ウジング14内の内周部に環状に区画形成され、図示し
ない吐出マフラー及び吐出口を介して外部冷媒回路に接
続される。
【0026】吸入弁機構30は、前記各バルブプレート
13に形成され、ピストン21の往復動時に、この吸入
弁機構30により、両吸入室28から各シリンダボア2
0の圧縮室22内に冷媒ガスが吸入される。吐出弁機構
31は各バルブプレート13に形成され、ピストン21
の往復動時に、この吐出弁機構31により、各シリンダ
ボア20の圧縮室22内で圧縮された冷媒ガスが両吐出
室29に吐出される。
【0027】そこで、前記斜板24のスラスト方向の軸
受構成について詳述する。図1及び図2に示すように、
前記各スラストベアリング26,27は軸受鋼により平
座金状に形成され、その中心には駆動シャフト17に挿
通するための挿通孔26a,27bが形成されている。
摺動性の良好な軟質材料よりなる被覆層32は、シリン
ダブロック11の受圧座11aと対向する側のスラスト
ベアリング26の両側摺接面に形成されている。この被
覆層32は、スラストベアリング26の両側摺接面に、
二硫化モリブデンコーティングまたは銀メッキを施すこ
とによって形成されている。また、この被覆層32の肉
厚T1は、スラストベアリング26の板厚T2が1.7
mm以下のものに対して、5〜10μmの範囲で設定す
るのが望ましい。なお、理解を容易にするために、図に
おいては、被覆層32の肉厚T1を誇張して描いてあ
る。
【0028】次に、前記のように構成されたピストン式
圧縮機の動作を説明する。さて、このピストン式圧縮機
において、図示しない車両エンジン等の外部駆動源によ
り駆動シャフト17が回転されると、斜板24を介して
各ピストン21がシリンダボア20内で往復動される。
それにより、図示しない外部冷媒回路から同じく図示し
ない吸入口を介してクランク室23に冷媒ガスが供給さ
れる。クランク室23内の冷媒ガスは、吸入通路11b
を経て両吸入室28に導入される。前記ピストン21の
上死点位置から下死点位置への復動動作に伴って、両吸
入室28内の冷媒ガスが、吸入弁機構30を介して各シ
リンダボア20の圧縮室22内に吸入される。そして、
冷媒ガスは、前記ピストン21の下死点位置から上死点
位置への往動動作に伴って、圧縮室22内で所定の圧力
に達するまで圧縮される。圧縮された冷媒ガスは、各シ
リンダボア20の圧縮室22内から吐出弁機構31を介
して両吐出室29に吐出される。両吐出室29内の圧縮
冷媒ガスは、図示しない吐出マフラー及び吐出口を介し
て外部冷媒回路に供給される。
【0029】この圧縮機の運転時には、ピストン21に
圧縮反力が作用して、斜板24に対しスラスト方向の荷
重が付与される。そして、このスラスト方向の荷重は、
各一対のスラストベアリング26,27を介して、シリ
ンダブロックの受圧座11aで受け止められる。
【0030】このとき、固定側のシリンダブロック11
の受圧座11aと可動側の斜板24のボス部24aとの
間には、2枚の平座金状のスラストベアリング26,2
7が介装されている。しかも、シリンダブロック11の
受圧座11aと対向する側のスラストベアリング26の
両側摺接面には、摺動性の良好な軟質材料よりなる被覆
層32が形成されている。このため、斜板24の回転が
2枚のスラストベアリング26,27で分担されて、お
もに、斜板24のボス部24aと対向する側のスラスト
ベアリング27が斜板24に連れ回りされる。そして、
シリンダブロック11側の受圧座11aと対向する側の
スラストベアリング26において、そのシリンダブロッ
ク11に対する相対速度が遅いものとなる。よって、ス
ラストベアリング26の負担が低減されるとともに、そ
の被覆層32をなす二硫化モリブデン、銀等の軟質材料
の持つ固体潤滑性能が効果的に発揮される。そして、斜
板24がシリンダブロック11間において、極めて小さ
な摺動抵抗を受けるのみで円滑に相対回転される。
【0031】ここで、クランク室23内に潤滑油が十分
に存在している状態では、前記の相対回転に伴い潤滑油
が、シリンダブロック11の受圧座11aとスラストベ
アリング26との間、斜板24のボス部24aとスラス
トベアリング27との間、及び、両スラストベアリング
26,27の摺接面間へ十分に供給される。そして、斜
板24のボス部24aとシリンダブロック11の受圧座
11aとの間における摺動抵抗がほとんどゼロとなる。
【0032】一方、クランク室23内に潤滑油が不足が
ちとなった状態では、スラストベアリング26の被覆層
32をなす摺動性の良好な軟質材料の固体潤滑性能によ
り、スラストベアリング26と、シリンダブロック11
の受圧座11a及びスラストベアリング27との間の潤
滑が確保される。
【0033】前記の実施形態によって期待できる効果に
ついて、以下に記載する。 (a) このピストン式圧縮機においては、平座金状の
スラストベアリング26の両側摺接面に、摺動性の良好
な軟質材料よりなる被覆層32が形成されている。この
ため、スラストベアリング26,27を介して、斜板2
4をシリンダブロック11に対し円滑に相対回転させる
ことができる。そして、クランク室23内の潤滑油が不
足がちになった場合において、スラストベアリング26
の被覆層32をなす軟質材料の固体潤滑性能により、ス
ラストベアリング26とその対向摺接面との間の潤滑が
確保される。更に、被覆層32は、圧縮機の回転に伴う
複雑な摺動状態に対応して、スラストベアリング26の
母材に馴染むように変形する。従って、クランク室内2
3が潤滑油量が低下しても、斜板24のボス部24aと
シリンダブロック11の受圧座11aとの間の焼き付き
が起こりにくいものとすることができる。
【0034】(b) また、クランク室23内の潤滑油
量が十分である場合には、斜板24とシリンダブロック
11との相対回転によって、斜板24のボス部24aと
シリンダブロック11の受圧座11aとの間の各摺接面
間に十分に潤滑油が供給される。このため、前記スラス
トベアリング26の被覆層32の固体潤滑効果と相まっ
て、斜板24のボス部24aとシリンダブロック11の
受圧座11aとの間における摺動抵抗がほとんどゼロと
なる。従って、スラストベアリング26、27及びその
対向摺接面の摩耗が低減されて、圧縮機の耐久性が向上
される。
【0035】(c) 固定側のシリンダブロック11の
受圧座11aと可動側の斜板24のボス部24aとの間
には、2枚の平座金状のスラストベアリング26,27
が介装されている。しかも、シリンダブロック11の受
圧座11aと対向する側のスラストベアリング26の両
側摺接面には、摺動性の良好な軟質材料よりなる被覆層
32が形成されている。このため、シリンダブロック1
1側のスラストベアリング26において、そのシリンダ
ブロック11に対する相対速度が遅いものとなる。そし
て、スラストベアリング26の負担が低減されるととも
に、その被覆層32をなす軟質材料の持つ固体潤滑性能
が効果的に発揮される。従って、斜板24のボス部24
aとシリンダブロック11の受圧座11aとの間の焼き
付きを、一層起こりにくいものとすることができる。
【0036】(d) スラストベアリング26の両側摺
接面に被覆層32を形成しているので、斜板24のボス
部24a及びシリンダブロック11の受圧座11a側に
被覆層32を形成した場合に比較して、被覆層32の形
成処理を容易に行うことができる。
【0037】(e) 一般に、両頭斜板式圧縮機におい
ては、前後両側から圧縮反力が作用するため、斜板24
の支持部、つまりボス部24aとシリンダブロック11
の受圧座11aとの間の摺動状態が複雑であり、かつ摺
動条件が厳しいものとなっている。これに対して、この
実施形態の圧縮機は前記のように構成したことにより、
前記斜板24の支持部の焼き付きが効果的に抑制され
る。
【0038】(第2実施形態)次に、この発明の第2実
施形態を、図3に基づいて説明する。さて、この第2実
施形態においては、斜板24のボス部24aの両端とシ
リンダブロック11の受圧座11aとの間に、各1枚の
平座金状のスラストベアリング26が介装されている。
そして、斜板24のボス部24aの両端面及びシリンダ
ブロック11の受圧座11aの端面に、二硫化モリブデ
ンコーティングにより形成される被覆層32がそれぞれ
設けられている。
【0039】従って、この第2実施形態においても、前
述した第1実施形態とほぼ同様に、クランク室23内の
潤滑油量が低下しても、斜板24のボス部24aとシリ
ンダブロック11の受圧座11aとの間の潤滑が確保さ
れる。従って、斜板24のボス部24aとシリンダブロ
ック11の受圧座11aとの間の焼き付きが起こりにく
いものとすることができる。
【0040】なお、この発明は、次のように変更して具
体化することも可能である。 (1) 被覆層32を前記各実施例に記載以外の摺動性
の良好な軟質材料、例えばフッ素樹脂、グラファイト、
フッ化グラファイト、各種熱硬化性合成樹脂等により形
成すること。
【0041】(2) 第1実施形態の圧縮機において、
斜板24のボス部24aと対向するスラストベアリング
27の両側摺接面にも、摺動性の良好な軟質材料により
なる被覆層32を形成すること。
【0042】(3) 第1実施形態の圧縮機において、
斜板24のボス部24aの両端面及びシリンダブロック
11の受圧座11aの端面にも、二硫化モリブデンコー
ティングにより形成される被覆層32を形成すること。
【0043】(4) 第1実施形態の圧縮機において、
斜板24のボス部24aとシリンダブロック11の受圧
座11aとの間に、3枚以上の複数の平座金状のスラス
トベアリングを介装すること。
【0044】(5) 第2実施形態の圧縮機において、
スラストベアリング26の両側摺接面にも、摺動性の良
好な軟質材料よりなる被覆層32を形成すること。 (6) この発明を、ウェーブカムプレートタイプの両
頭ピストン式圧縮機において具体化すること。
【0045】これらのように構成しても、クランク室2
3内の潤滑油量が低下した状態における斜板24とシリ
ンダブロック11との間の各摺接面間の潤滑を確保する
ことができる。
【0046】(7) この発明を、片頭ピストン式圧縮
機において、カムプレートとしての斜板と一体回転する
同じくカムプレートとしての回転支持体の前面と、ハウ
ジングの一部を構成するフロントハウジングの内壁面と
の間に介装されるスラストベアリングに具体化するこ
と。
【0047】このように構成した場合、特にクランク室
内が吸入通路の一部を構成しない可変容量式の圧縮機に
おいて、潤滑環境の厳しいクランク室内のスラストベア
リングの摺動抵抗を低減するのに有効である。また、駆
動シャフトが外部駆動源に常時作動連結された、いわゆ
るクラッチレスタイプの圧縮機において、さらに有効で
ある。
【0048】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
るため、次のような効果を奏する。請求項1及び5〜7
の発明によれば、スラストベアリングへの潤滑油の供給
が不足がちとなっても、摺動性の良好な軟質材料の固体
潤滑性能が発揮されて、スラストベアリングとその対向
摺接面における焼き付きの発生が抑制される。また、潤
滑油の供給が十分行われる通常の運転時には、スラスト
ベアリング及びその対向摺動面の摩耗が低減されて、圧
縮機の耐久性が向上される。
【0049】請求項2に記載の発明によれば、スラスト
ベアリングの両側摺接面に被覆層が形成されているた
め、カムプレートのハウジングに対する相対回転が、一
層安定したものとなる。
【0050】請求項3に記載の発明によれば、ハウジン
グ側のスラストベアリングの負担が小さくなって、焼き
付きの起こりにくいものとなる。しかも、少なくとも1
枚のスラストベアリングの両側摺接面には被覆層が形成
されているため、より確実に焼き付きが抑制される。
【0051】請求項4に記載の発明によれば、固定側の
ハウジングと、可動側のスラストベアリングとの間に、
摺動性の良好な軟質材料よりなる被覆層が介在されるた
め、効果的に焼き付きが抑制される。特に、前記請求項
3に記載の発明の下では、被覆層をなす摺動性の良好な
軟質材料の持つ固体潤滑性能を、一層効果的に発揮させ
ることができる。
【0052】請求項8に記載の発明によれば、両頭斜板
式圧縮機の斜板支持部の焼き付きが効果的に抑制され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態のピストン式圧縮機を示す断面
図。
【図2】 スラストベアリングを拡大して示す分解断面
図。
【図3】 第2実施形態のピストン式圧縮機の要部を示
す部分断面図。
【符号の説明】
11…ハウジングの一部を構成するシリンダブロック、
12…ハウジングの一部を構成するフロントハウジン
グ、14…ハウジングの一部を構成するリヤハウジン
グ、17…駆動シャフト、21…ピストン、24…カム
プレートとしての斜板、26,27…スラストベアリン
グ、32…被覆層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川村 尚登 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに駆動シャフトを支持すると
    ともに、その駆動シャフトにカムプレートを装着し、カ
    ムプレートの回転によりピストンが往復動されるように
    したピストン式圧縮機において、 前記カムプレートとハウジングとの間に平座金状のスラ
    ストベアリングを介装し、カムプレートに作用するスラ
    スト荷重を、前記スラストベアリングを介してハウジン
    グで支持するように構成し、前記カムプレート及びハウ
    ジングとスラストベアリングとの対向摺接面の少なくと
    も一方に、摺動性の良好な軟質材料よりなる被覆層を形
    成したピストン式圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記スラストベアリングの両側摺接面に
    被覆層を形成した請求項1に記載のピストン式圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記カムプレートとハウジングとの間に
    複数枚のスラストベアリングを介装し、少なくとも1枚
    のスラストベアリングの両側摺接面に被覆層を形成した
    請求項2に記載のピストン式圧縮機。
  4. 【請求項4】 少なくともハウジングと対向するスラス
    トベアリングの両側摺接面に被覆層を形成した請求項3
    に記載のピストン式圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記カムプレート及びハウジングの摺接
    面の少なくとも一方の被覆層を、二硫化モリブデンコー
    ティングにより形成した請求項1〜4のいずれかに記載
    のピストン式圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記スラストベアリングの摺接面の被覆
    層を、銀メッキにより形成した請求項1〜5のいずれか
    に記載のピストン式圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記スラストベアリングの摺接面の被覆
    層を、二硫化モリブデンコーティングにより形成した請
    求項1〜5のいずれかに記載のピストン式圧縮機。
  8. 【請求項8】 ピストン式圧縮機は、斜板の前後に複数
    対の圧縮室が配置される両頭斜板式圧縮機である請求項
    1〜7のいずれかに記載のピストン式圧縮機。
JP8095372A 1996-04-17 1996-04-17 ピストン式圧縮機 Pending JPH09280170A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006348343A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Toyota Industries Corp 摺動部材、圧縮機の摺動部材および摺動部材の製造方法
JP2007178104A (ja) * 2005-12-28 2007-07-12 Dowa Holdings Co Ltd 伝熱管,伝熱管の製造方法及び流動床炉
JP2010197012A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Panasonic Corp 圧縮機

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